JP2001194567A - 光ファイバケーブル - Google Patents

光ファイバケーブル

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JP2001194567A
JP2001194567A JP2000006015A JP2000006015A JP2001194567A JP 2001194567 A JP2001194567 A JP 2001194567A JP 2000006015 A JP2000006015 A JP 2000006015A JP 2000006015 A JP2000006015 A JP 2000006015A JP 2001194567 A JP2001194567 A JP 2001194567A
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tape
fiber cable
cushioning filler
filler
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JP2000006015A
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Tomoyuki Yokogawa
知行 横川
Yoshiyuki Suetsugu
義行 末次
Hideyuki Iwata
秀行 岩田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状空間内に効率よくテープ状光ファイバ
心線を収容でき、しかも、伝送損失が大きくない光ファ
イバケーブルを得ること。 【解決手段】 テープ状光ファイバ心線を複数枚積層
し、その周囲にクッション性充填物を配置し、かつ、該
充填物の占積率を所定の範囲とすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープ状光ファイ
バ心線を円筒状空間に収容した構造の光ファイバケーブ
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバケーブルの多心化を実現する
方法の一つとして、光ファイバを整列して被覆を施して
テープ状としたテープ状光ファイバ心線を用いることが
行われている。このテープ状光ファイバ心線の複数枚を
積層することによって、多心化した光ファイバケーブル
が簡単に構成できる。しかしながら、単に、複数枚のテ
ープ状光ファイバ心線を積層しただけでは、外力の影響
を受けやすく、マイクロベンド損失が増大する。
【0003】前記の問題の対策として、例えば、特開平
8―278432号公報には、複数枚のテープ状光ファ
イバ心線を金属管内に収納した構造の光ファイバケーブ
ルが開示されている。しかしながら、テープ状光ファイ
バ心線のみを円筒状の空間内に収納する構造では、テー
プ状光ファイバ心線の端部に位置している光ファイバ心
線が、金属円筒の内壁から側圧を受け、伝送損失が増加
しやすいという問題ある。このため、テープ状光ファイ
バ心線に側圧が働かないように、円筒空間を大きくした
り、円筒状空間に収納するテープ状光ファイバ心線の心
線数や積層枚数を制限するなど、効率の悪い設計をせざ
るを得ないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】円筒状空間内に効率よ
くテープ状光ファイバ心線を収容でき、しかも、伝送損
失が大きくない光ファイバケーブルを得るために、テー
プ状光ファイバ心線を複数枚積層し、その周囲にクッシ
ョン性充填物を配置して、円筒状の空間に収納する構造
とする方法が考えられる。この構造に於いても、クッシ
ョン性充填物が少なすぎると、ケーブルに曲げ力が働い
た場合に、テープ状光ファイバ心線が、金属筒の内壁に
ぶつかり、おれや急峻な曲げが生じ、光の漏れによって
伝送損失が増大する。一方、クッション性充填物が多す
ぎても、問題があることを発見した。テープ状光ファイ
バ心線の線膨張係数は、周りのクッション性充填物や、
外管の線膨張係数より小さい。従って、低温下では、テ
ープ状光ファイバ心線より、周りのクッション性充填物
や外管の方が収縮が大きく、テープ状光ファイバ心線に
たわみが生じる。このとき、テープ状光ファイバ心線の
周りにクッション性充填物が多すぎて、テープ状光ファ
イバ心線の余長を吸収するスペースが少ないと、テープ
状光ファイバ心線に、曲率半径の小さい曲げが無数に生
じてしまい、光の漏れによって伝送損失が増大する。
【0005】円筒状空間内に効率よくテープ状光ファイ
バ心線を収容でき、しかも、伝送損失が大きくない光フ
ァイバケーブルを得るために、テープ状光ファイバ心線
を複数枚積層し、その周囲にクッション性充填物を配置
して、円筒状の空間に収納する構造を採用した上で、金
属筒などの外筒に曲げ力が働いた場合に、十分な緩衝作
用を発揮し、外管内壁にぶつかることによりテープ状光
ファイバ心線に折れや急峻な曲げが生じるのを防止する
とともに、低温下でクッション性充填物や外管が収縮し
た場合、テープ状光ファイバ心線の余長がなだらかな湾
曲すなわち曲率半径の大きい湾曲をするように導く必要
がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、順次積層せしめられた複数枚のテープ状光ファイバ
心線と、前記光ファイバ心線の周囲を囲むように配置さ
れた糸または繊維束からなるクッション性充填物と、前
記充填物の周りを囲むように円筒状の内部空間を形成す
る外管とから構成され、前記外管内の空間に於いて、前
記テープ状光ファイバ心線を除いた空間内に於ける前記
クッション性充填物の下式に示す占積率Sが10―60
%であることを特徴とする。 S=(B/(πr2−A))X100 B=(デニール数X総本数)/900000Xクッショ
ン性充填物の比重 A:テープ状ファイバ心線の総断面積 r:内部空間の半径
【0007】かかる構成によれば、初期損失も、低温下
に於ける伝送損失も極めて小さく、信頼性の高い光ファ
イバケーブルを提供することが可能となる。ここで、占
積率が10%に満たないとクッション性充填物の緩衝効
果が十分に発揮されず、曲げ力に対して弱く、曲げが生
じた場合の伝送損失、すなわち初期損失が増大してしま
う。一方、60%を超えると、低温下でクッション性充
填物や、外管が収縮した場合、テープ状光ファイバ心線
の余長がなだらかな湾曲すなわち曲率半径の大きい湾曲
をするように導くことができず、曲率半径の小さい多数
の湾曲が生じることになり、光の漏れによる伝送損失が
増大する。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1の光フ
ァイバケーブルに於いて、前記クッション性充填物の占
積率が10―50%であることを特徴とする。かかる構
成によれば、低温下での伝送損失をより確実に低減する
ことが可能となる。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1の光フ
ァイバケーブルに於いて、前記クッション性充填物の占
積率が20―40%であることを特徴とする。かかる構
成によれば、図9に示すように、ケーブル曲げがケーブ
ル直径の20倍(Bellcore 規格)までは低温ロス増を
抑制することが可能となる。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1の光フ
ァイバケーブルに於いて、前記クッション性充填物の占
積率が25―35%であることを特徴とする。かかる構
成によれば、図9に示すように、ケーブル曲げがケーブ
ル直径の10倍(Bellcore 規格にして安全率2)まで
は低温ロス増を抑制することが可能となる。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれか1項の光ファイバケーブルに於いて、
前記繊維状のクッション性充填物は、前記テープ状光フ
ァイバ心線を積層してなる積層体の周りによりつけられ
てなることを特徴とする。
【0012】すなわち、クッション性充填物として糸ま
たは繊維束を使用し、これを前記テープ状光ファイバ心
線の積層体の周りに撚りつけることにより、占積率が小
さくてもより確実に緩衝効果を発揮し、初期損失が低減
される。一方、低温下でも撚りによってテープ状光ファ
イバ心線がなだらかな湾曲を描くように導くことがで
き、低温損失をも低減することが可能となる。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5の光フ
ァイバケーブルに於いて、前記繊維状のクッション性充
填物は、前記テープ状光ファイバを積層してなる積層体
の周りに方向を反転しながら撚りつけられてなることを
特徴とする。
【0014】かかる構成によれば、所定の間隔で、S撚
り、Z撚りが繰り返されるいわゆるSZ撚りが用いられ
ており、繊維状のクッション性充填物が収縮した場合に
も、撚りが戻るように力が働く程度で、内部のテープ状
光ファイバ心線に側圧を与えることは少なく、低温損失
は大幅に低減される。さらに、中間分岐作業や端末の接
続作業時にテープ心線を取り出す際、クッション性充填
物がテープ状光ファイバに巻き付くことなく分離できる
という効果がある。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6のいずれか1項に記載の光ファイバケーブルに於
いて、前記複数枚のテープ状光ファイバ心線が、4心以
上36心以下のテープ状光ファイバ心線の積層体からな
ることを特徴とする。かかる構成によれば、図8に示す
ように、―40℃の低温までロス増を抑制することが可
能となる。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請
求項6のいずれか1項に記載の光ファイバケーブルに於
いて、前記複数枚のテープ状光ファイバ心線が、4心以
上12心以下のテープ状光ファイバ心線の積層体からな
ることを特徴とする。かかる構成によれば、図8に示す
ように、―60℃の低温までロス増を抑制することが可
能となる。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請
求項8のいずれか1項に記載に光ファイバケーブルに於
いて、前記外管が、押し出し成型により形成されたプラ
スチック管であることを特徴とする。かかる構成によれ
ば、低温損失を抑制することができ、さらに、クッショ
ン性充填物を選別することにより、製造時の押出熱によ
りクッション性充填物の表面とプラスチック管が熱融着
し、充填物および中のテープ状ファイバ心線が長手方向
に移動するのを防止することも可能となる。
【0018】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至
請求項8のいずれか1項に記載の光ファイバケーブルに
於いて、前記外管が、金属管からなることを特徴とす
る。かかる構成によれば、ケーブル外部からの側圧によ
る外管の変形を抑止することが可能となり、内側のクッ
ション性充填物の緩衝性をさらに引き出すことが可能に
なる。
【0019】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至
請求項10のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル
に於いて、前記クッション性充填物が、吸水性を有する
ものであることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の光ファイバケーブルの概
要について説明する。基本的な構成は、複数枚のテープ
状光ファイバ心線を積層し、その周囲にクッション性充
填物を適切な占積率で配置した上で、金属やプラスチッ
クなどからなる円筒状部材の内側の円筒状の空間に収納
したものである。このようにテープ状光ファイバ心線を
収納した円筒状部材自体を外被として光ファイバケーブ
ルとしてもよく、あるいは、円筒状部材の上に外被を施
して光ファイバケーブルを構成してもよい。また、上述
したようにテープ状光ファイバ心線を収納した円筒状部
材を、光ファイバケーブルの構成要素として用い、この
ケーブル要素の複数本を集合して外被を施して光ファイ
バケーブルとしてもよい。本明細書では、このようなケ
ーブル要素も光ファイバケーブルと呼んでいる。
【0021】ここで、円筒状空間内で複数枚のテープ状
光ファイバ心線の周囲に配置するクッション性充填物の
占積率について定義しておく。円筒状部材の内径を2r
cm、テープ状光ファイバ心線の総断面積をAcm2
クッション性充填物の総断面積をBcm2とすると、占
積率S(%)は、 S=(B/(πr2−A))X100 であらわされる。ここで、クッション性充填物として、
その太さがデニールであらわされる繊維状の材料を用い
た場合は、クッション性充填物の総断面積B(cm2
は、 B=(デニール数X総本数)/900000Xクッショ
ン性充填物の比重 であらわされる。但し、クッション性充填物として、材
質やデニール数の異なる繊維状の材料を併用して使用す
る場合には、それぞれについて繊維種毎の総断面積を計
算した上、これらを積算してクッション製充填物の総断
面積Bとするものとする。
【0022】このクッション性充填物の占積率と光ファ
イバケーブルの特性について、検討したところ、以下の
事実が分かった。 クッション性充填物は、テープ状光ファイバ心線と円
筒状部材の内壁との間にあって、弾力性のある緩衝層と
して作用するため、室温における伝送損失を考慮した場
合は、占積率を高くした方がよい。具体的には、10%
以上とするのがよい。 低温状態では、円筒状部材の構成材料である金属やプ
ラスチックの収縮がテープ状光ファイバ心線の収縮より
大きく、テープ状光ファイバ心線に余長が生じる。この
余長をなだらかな湾曲すなわち曲率半径の大きい湾曲に
導き、伝送損失の増大を抑えるためには、占積率を60
%以下にして、テープ状光ファイバ心線が移動できる空
間を十分に確保するのがよい。
【0023】かかる考察の結果、占積率が10―60%
となるように、テープ状光ファイバ心線の周囲にクッシ
ョン性充填物を配置することで、初期損失、および損失
温度特性のいずれも良好な光ファイバケーブルを提供す
ることができる。
【0024】なお、円筒状空間内でのテープ状光ファイ
バ心線は、多少の蛇行を与えるように緩く収納させるよ
うにしてもよい。
【0025】以下、実施例について説明する。図1は、
本発明の光ファイバケーブルの第1の実施例の断面図で
ある。図中、1はテープ状光ファイバ心線、2はクッシ
ョン性充填物、3は円筒状部材である。テープ状光ファ
イバ心線1を複数枚積層し、その周囲にクッション性充
填物2を配置し、円筒状部材3に収納したものである。
【0026】この実施例に基づく試作例では、テープ状
光ファイバ心線1として、厚さ0.3mm、幅2.1m
mの8心のテープ状光ファイバ心線を用い、これを8枚
積層して、64心の光ファイバケーブルとした。円筒状
部材は3は、外径6mm、内径4.8mmのプラスチッ
ク管を用いた。クッション性充填物2としては、ポリエ
ステル紐を用いて、その占積率については、0―80%
の範囲内の種々のものを試作した。ポリエステル紐は、
テープ状光ファイバ心線1に縦添えしたものと、一方向
に撚り合わせたものを試作した。試作した占積率の異な
るヒカリファイバケーブルについて、波長1.55μm
における伝送損失と、損失温度特性を評価した。損失温
度特性については、低温特性を測定したが、測定条件
は、―20℃での損失増加をみた。
【0027】測定結果を図2に示す。伝送損失はクッシ
ョン性充填物の占積率が10%以上で、0.25dB/
km以下の良好なレベルとなっている。一方、低温特性
については、―20℃での損失の増加が、クッション性
充填物の占積率が60%以下の範囲で、0.1dB/k
m以下となり、クッション性充填物の占積率が50%以
下の範囲で、測定精度である0.03dB/km以下と
なり、良好な特性を示した。
【0028】この結果からも、クッション性充填物の占
積率を10―60%とすれば、初期伝送損失を増加させ
ず、―20℃での損失増加も抑えることができ、クッシ
ョン性充填物の占積率を10―50%とすれば、―20
℃での損失増加をより確実に抑えることができることが
確認できた。
【0029】同様の試作、評価を別の具体例についても
行った。すなわち、外径5.0mm、内径3.8mmの
細径の光ファイバケーブルと、外径6.5mm、内径
5.3mmの光ファイバケーブルの2種類である。上述
した外径6.0mm、内径4.8mmの場合と同様に、
クッション性充填物の占積率を10―60%とすれば、
初期伝送損失を増加させず、―20℃での損失増加も抑
えることができ、クッション性充填物の占積率を10―
50%とすれば、―20℃での損失増加をより確実に抑
えることができることが確認できた。
【0030】このように、本発明によれば、光ファイバ
ケーブルを小径に構成するための指標が得られ、製造や
搬送、保管のコストを低減する上で有効である。
【0031】図3は、本発明の光ファイバケーブルの第
2の実施例の断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。この実施例では、
積層するテープ状光ファイバ心線の心線数として、異な
る種類のものを組み合わせた。具体例では、中央に12
心のテープ状光ファイバ心線を3枚、その上下に8心の
テープ状光ファイバ心線と4心のテープ状光ファイバ心
線をそれぞれ1枚ずつ積層した。合計で60心である。
【0032】このように、心数の異なる種類のテープ状
光ファイバ心線を組み合わせた光ファイバケーブルにお
いても、クッション性充填物2の占積率を10―60%
とすれば、初期伝送損失を増加させず、―20℃での損
失増加も抑えることができ、クッション性充填物の占積
率を10―50%とすれば、―20℃での損失増加をよ
り確実に抑えることができることを確認した。
【0033】図4は、本発明の光ファイバケーブルの第
3の実施例の断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。4はシース、5は
テンションメンバ、6はプラスチック管である。この実
施例では、自己支持型の光ファイバケーブルに本発明を
適用した。テンションメンバ5は、支持線として架設さ
れるものである。
【0034】図4(A)の光ファイバケーブルでは、ケ
ーブルコアの部分とテンションメンバとを連結するシー
ス4を、ケーブルコア部分の円筒状部材としても用いた
例である。シース4は、プラスチックの押し出し被覆に
より形成される。クッション性充填物2の占積率は、上
述したように、10―60%の範囲内に設定されてい
る。
【0035】図4(B)の光ファイバケーブルでは、円
筒状部材としてプラスチック管6とシース4の2層構成
とした。この実施例でも、クッション性充填物2の占積
率は10―60%の範囲内に設定されている。
【0036】図5は、本発明の光ファイバケーブルの第
4の実施例の断面図である。図中、図1と同様の部分に
は同じ符号を付して説明を省略する。7は押さえ巻き、
8はチューブ、9はテンションメンバである。この実施
例では、テープ状光ファイバ心線1を積層した周囲に配
置したクッション性充填物2として、繊維状あるいは紐
状のような線状体を用いて、その上に押さえ巻き7を施
して、円筒状部材であるシース8に収納した。押さえ巻
き7をした外径に対して、シース8の内径を大きくし
て、占積率を所定の値にするための空隙を設けるように
している。なお、押さえ巻き7を緩くして占積率を調整
するようにしてもよい。チューブ8は、プラスチックを
押し出し成型したものである。クッション性充填物2は
縦添えをした。
【0037】具体例では、テープ状光ファイバ心線は、
8心のものを8枚積層した。クッション性充填物は、ポ
リエステルの紐を用い、押さえ巻き7は、0.1mm厚
さの不織布テープを用いた。チューブ8は、ポリエチレ
ンの押し出し成型により形成されたもので、内径4.8
mm、外径8.0mmである。
【0038】図6は、本発明の光ファイバケーブルの第
5の実施例である。図中、図5と同様の部分には同じ符
号を付して説明を省略する。この実施の形態では、クッ
ション性充填物2は、第4の実施例と同様の材料である
が、積層したテープ状光ファイバ心線の周囲に一方向に
撚り合わせた。
【0039】図7は、本発明の光ファイバケーブルの第
6の実施例である。図中、図5と同様の部分には同じ符
号を付して説明を省略する。この実施の形態では、クッ
ション性充填物2は、第4の実施例と同様の材料である
が、積層したテープ状光ファイバ心線の周囲に撚り方向
が交互に変わるSZ撚りとした。具体例では、約3―4
周ずつで撚り付ける向きを変えた。
【0040】第4―第6の実施例の光ファイバケーブル
の試作例では、クッション性充填物の占積率を10―6
0%の範囲で種々試作したが、いずれも、初期伝送損失
も、―20℃での低温損失増加も、ともに抑えられ良好
であった。
【0041】第4―第6の実施例の光ファイバケーブル
の試作例について、曲げ特性を評価した。曲げ直径10
0mmの小径に曲げた場合、第4の実施例のものは、
0.06dB/kmの伝送損失を生じたが、第5、第6
の実施例のものでは、伝送特性の変化はみられなかっ
た。これは、第5、第6の実施例のものでは、クッショ
ン性充填物2が撚り付けられていることで、積層したテ
ープ状光ファイバ心線がクッション性充填物からはみだ
すことが抑制でき、側圧による伝送損失の増加が生じに
くいと考えられる。さらに、第5の実施例のものは、端
末において、チューブ8と押さえ巻き7を取り除いた場
合、クッション性充填物2が、積層したテープ状光ファ
イバ心線1の隙間などに入り込むことがなく、クッショ
ン性充填物2を容易に除去できる優れた取り扱い作業性
を有することが確認できた。また、第4、第6の実施例
のものでは、端末において、チューブ8と押さえ巻き7
を取り除いた場合、クッション性充填物2が、積層した
テープ状光ファイバ心線1に巻き付くことがなく分離で
き、特に、端末で長尺のテープ状光ファイバ心線を取り
出す場合にも作業性がよい。
【0042】また、クッション性充填物2の占積率の異
なる試作例について、曲げ径と伝送損失増加との関係を
調べた結果は図9に示した通りであった。すなわち、ク
ッション性充填物2の占積率が20―40%の場合は、
ケーブル曲げがケーブル直径の20倍(Bellcore 規
格)までは低温ロス増を抑制することが可能であった。
また、クッション性充填物2の占積率が25―35%の
場合には、ケーブル曲げがケーブル直径の10倍(Bell
core 規格にして安全率2)までは低温ロス増を抑制す
ることが可能であった。
【0043】第7の実施例では、第5の実施例における
クッション性充填物2として、吸水ヤーンを用いた。第
5の実施例と同様に、初期伝送損失、―20℃での低温
損失増加は、ともに抑えられ良好であり、さらに、ケー
ブルを水平状態に延線して、中間部を開口して注水した
結果、走水長は5mにとどまり、浸水の可能性のある屋
外や地下に埋設するヒカリファイバケーブルとして、良
好な特性を備えるものである。
【0044】第8の実施例では、第5の実施例における
テープ状光ファイバ心線の心数を種々変化させたもので
試作し、―40℃、―60℃での伝送損失を調べた。そ
の結果は、図8に示した通りで、―40℃では、32心
以下のケーブルの損失増加量が、許容値の0.05dB
/km以下であり、―60℃では、12心以下のケーブ
ルの損失増加量が許容値の0.05dB/km以下であ
った。
【0045】なお、上述した各実施例では、テープ状光
ファイバ心線は、ストレートに積層したものであるが、
積層したテープ状光ファイバ心線に捻りを加えると、光
ファイバケーブルが曲げられた場合に、光ファイバの長
さが均一となるため、伝送特性や信頼性に優れた性能を
発揮できる。
【0046】また、クッション性充填物としては、上述
したポリエステル紐のほか、ポリプロヤーンや綿繊維
束、多孔質繊維など、適当な弾性と断面積を有する線状
体を用いることができる。また、第4―第6の実施例の
ように、クッション性充填物の外側に押さえ巻きを施す
場合は、押さえ巻きの材料は、不織布に限られるもので
はなく、紐状の材料やテープ状材料を用いることができ
る。
【0047】円筒状部材の材料については、ポリエチレ
ン以外に、ポリエステルやナイロン、あるいは、他の適
当なプラスチック材料を用いることができる。また、プ
ラスチック材料に限られるものではなく、ステンレス、
アルミニウム、銅などの金属も用いることができる。さ
らに、これらの材料のうちから選択して複数層の材料で
円筒部材を構成してもよい。なお、円筒部材は、幾何学
的な円筒形状のみを意味するものではなく、第3の実施
例のように、支持線との連結部が付加されるものなども
含むものであり、内部にほぼ円筒状の空間が形成される
形状であればよい。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、複数枚のテープ状光ファイバ心線を積層し、
その周囲にクッション性充填物を、所定の占積率で配置
して、円筒状の空間に収納したことにより、初期伝送損
失、低温での損失増加を、ともに抑えた良好な光ファイ
バケーブルを得ることができる。特に、架空光ファイバ
ケーブルや地下光ファイバケーブルなどに適用すると効
果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバケーブルの第1の実施例の
断面図である。
【図2】試作例の測定結果を示す線図である。
【図3】本発明の光ファイバケーブルの第2の実施例の
断面図である。
【図4】本発明の光ファイバケーブルの第3の実施例の
断面図である。
【図5】本発明の光ファイバケーブルの第4の実施例の
断面図である。
【図6】本発明の光ファイバケーブルの第5の実施例の
断面図である。
【図7】本発明の光ファイバケーブルの第6の実施例の
断面図である。
【図8】光ファイバケーブルの低温損失増におよぼすテ
ープ状光ファイバ心線の心線数の影響を示す線図であ
る。
【図9】ケーブルの曲げ径による損失増へのクッション
性充填物の占積率の影響を示す線図である。
【符号の説明】
テープ状光ファイバ心線 クッション性充填物 円筒状部材 シース テンションメンバ プラスチック管 押さえ巻き チューブ テンションメンバ
フロントページの続き (72)発明者 末次 義行 横浜市栄区田谷町1番地 住友電気工業株 式会社横浜製作所内 (72)発明者 岩田 秀行 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H001 BB16 DD15 DD35 KK17 KK19 KK22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次積層せしめられた複数枚のテープ状
    光ファイバ心線と、前記光ファイバ心線の周囲を囲むよ
    うに配置された糸または繊維束からなるクッション性充
    填物と、前記充填物の周りを囲むように円筒状の内部空
    間を形成する外管とから構成され、前記外管内の空間に
    於いて、前記テープ状光ファイバ心線を除いた空間内に
    於ける前記クッション性充填物の下式に示す占積率Sが
    10―60%であることを特徴とする光ファイバケーブ
    ル。 S=(B/(πr2−A))X100 B=(デニール数X総本数)/900000Xクッショ
    ン性充填物の比重 A:テープ状ファイバ心線の総断面積 r:内部空間の半径
  2. 【請求項2】 前記クッション性充填物の占積率が10
    ―50%であることを特徴とする請求項1に記載の光フ
    ァイバケーブル。
  3. 【請求項3】 前記クッション性充填物の占積率が20
    ―40%であることを特徴とする請求項1に記載の光フ
    ァイバケーブル。
  4. 【請求項4】 前記クッション性充填物の占積率が25
    ―35%であることを特徴とする請求項1に記載の光フ
    ァイバケーブル。
  5. 【請求項5】 前記繊維状のクッション性充填物は、前
    記テープ状光ファイバ心線を積層してなる積層体の周り
    に撚りつけられてなることを特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 【請求項6】 前記繊維状のクッション性充填物は、前
    記テープ状光ファイバ心線を積層してなる積層体の周り
    に方向を反転しながら撚りつけられてなることを特徴と
    する請求項5に記載の光ファイバケーブル。
  7. 【請求項7】 前記複数枚のテープ状光ファイバ心線
    が、4心以上32心以下のテープ状光ファイバ心線の積
    層体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  8. 【請求項8】 前記複数枚のテープ状光ファイバ心線
    が、4心以上12心以下のテープ状光ファイバ心線の積
    層体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  9. 【請求項9】 前記外管は、押し出し成型により形成さ
    れたプラスチック管であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項8のいずれか1項に記載の光ファイバケーブ
    ル。
  10. 【請求項10】 前記外管は、金属管からなることを特
    徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の
    光ファイバケーブル。
  11. 【請求項11】 前記クッション性充填物が、吸水性を
    有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項
    10のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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