(第1実施例)
図1に、この発明に係る容器供給装置の一例を示してある。容器1は例えば金属缶やその他複数の処理が必要とされる中間品などであって円柱状に形成されている。その容器1は、コンベアやシュートなどの搬送装置2によって所定の箇所に搬送されるように構成されており、容器1の搬送方向で搬送装置2の下流側にサーボターレット3が設けられている。このサーボターレット3は、搬送装置2によって密着してもしくは不連続に搬送された容器1を後述するインフィードターレットに連続的あるいは間欠的に供給し、またインフィードターレットに対する容器1の供給を停止するように構成されている。そのサーボターレット3の外周部に、半径方向で外側に向けて開口する複数のポケット部4が一定間隔をあけて形成され、各ポケット部4の間にスポーク部5が形成されている。図1に示す例では、サーボターレット3に45°間隔で8つのポケット部4およびスポーク部5が形成されている。各ポケット部4および各スポーク部5の構造は同じである。また図1に示す例では、図1での下方に開口して配置されているポケット部4に第1ポケット部4aと符号を付してあり、サーボターレット3の回転方向とは反対方向で第1ポケット部4aに隣接するポケット部4に、第2ポケット部4bと符号を付してある。以下同様に、第3ポケット部4c、第4ポケット部4d、第5ポケット部4e、第6ポケット部4f、第7ポケット部4g、第8ポケット部4hと符号を付してある。
容器1は、ポケット部4に保持もしくは収容されるとともに、スポーク部5によって互いに隔てられている。そのポケット部4に容器1を保持させるための機構を使用する場合は、一例として真空吸着や磁気吸着などの適宜の保持力を生じる機構を使用してもよい。また、サーボターレット3は図示しないサーボモータによって連続的もしくは間欠的に回転させられ、またその回転を停止させられるように構成されている。詳細は図示しないが、サーボモータに電力を供給する電源ユニットや、その回転を制御するための制御装置などが設けられている。なお、上述したサーボターレット3が、この発明における受け渡しターレットに相当している。また、ここに示す例では、上述した容器1の直径d1が約53mm、サーボターレット3の外接円の直径d2が131mmに設定されている。また、各ポケット部4の曲率半径R1が27mm、各スポーク部5の頂部における曲率半径R2が4mmに設定されている。さらに、ポケット部4の曲率中心とサーボターレット3の回転中心軸線3oとを結ぶ線分を半径とした円の直径d3が154mmに設定されている。
容器1の供給方向でサーボターレット3の下流側にサーボターレット3よりも大径のインフィードターレット6が配置されている。インフィードターレット6は連続的に回転させられてサーボターレット3から受け渡された容器1を一定間隔で次工程に搬送するように構成されている。そのインフィードターレット6とサーボターレット3とはできるだけ接近して配置されている。具体的には、図1に示す例では、サーボターレット3の回転中心軸線3oは、インフィードターレット6の回転中心軸線6oよりも図1での右上であって、インフィードターレット6の半径方向でインフィードターレット6の外接円6aの外側に配置されている。したがって、それらのターレット3,6の少なくとも一部が互いに重なり合っている。そのため、これらの間における容器1の移動距離が短くなっている。上記インフィードターレット6の外周部には、半径方向で外側および回転方向に開口した複数の凹部7が一定間隔で形成されている。図1に示す例では、インフィードターレット6に72°間隔で5つの凹部7が形成されており、それらの凹部7に対して図1での右斜め上方から容器1が供給される。なお、上述したサーボターレット3とインフィードターレット6とが重なっている箇所を、図1にはハッチングを付した領域として記載してある。また、図1に示す例では、インフィードターレット6の外接円6aの直径d4が333mm、凹部7の曲率半径R3がポケット部4の曲率半径R1と同じ27mmに設定されている。さらに、図1の左右方向でインフィードターレット6の回転中心軸線6oとサーボターレット3の回転中心軸線3oとの間隔l1が167.5mm、図1の上下方向でインフィードターレット6の回転中心軸線6oとサーボターレット3の回転中心軸線3oとの間隔l2が77mmに設定されている。
この発明では、インフィードターレット6とサーボターレット3とは同一方向に回転させられるように構成されており、一例として時計回りに回転させられる。図2に、上述した構成のサーボターレット3およびインフィードターレット6の回転数の一例をそれぞれ示してあり、図2の(a)に各ターレット3,6の回転数および周速を示し、図2の(b)に容器1の速度線図を示してある。この図2の(a)に示すように、インフィードターレット6の回転数がサーボターレット3の回転数よりも高く設定されている。その場合、インフィードターレット6はサーボターレット3よりも大径であるから、インフィードターレット6の周速はサーボターレット3の周速よりも高くなっている。また、図2の(b)に示すように、容器1がポケット部4に収容されている状態では、容器1の速度はサーボターレット3の周速と等しくなっている。次いで、容器1がポケット部4から離脱すると、その容器1は後述する空間を落下し、その後、インフィードターレット6の凹部7に収容される。凹部7に収容された容器1の速度は、図2の(b)に示すように、インフィードターレット6の周速と等しくなる。この図2の(b)における横軸は後述する供給停止位置におけるサーボターレット3の回転角度を0°とした場合において、上記供給停止位置からのサーボターレット3の回転角度を示している。なお、ポケット部4に収容されている容器1と、インフィードターレット6の凹部7との回転方向の位相を合わせるために、サーボターレット3は図示しない制御装置によってその回転が制御されている。
また、サーボターレット3とインフィードターレット6との外形に沿うように、滑らかに湾曲するガイド部8が、搬送装置2におけるサーボモータ3側の端部に連続的に設けられている。そのガイド部8は、容器1をサーボターレット3のポケット部4に1つずつ供給し、また、ポケット部4に収容された容器1をポケット部4から離脱させるとともにインフィードターレット6の凹部7に誘導するように構成されている。上記のガイド部8は、ここに示す例では、3つの湾曲部によって構成されている。その構成について説明すると、先ず、容器1の供給方向で最も上流側に各ターレット3,6側に凸となった第1湾曲部8aが形成されており、その第1湾曲部8aにおいて、ポケット部4に容器1が1つずつ入り込むようになっている。その第1湾曲部8aの下流側に、第1湾曲部8aとは反対側に凸となった第2湾曲部8bが形成されており、この第2湾曲部8bは第1湾曲部8aでポケット部4に収容した容器1をサーボターレット3の回転に合わせて移動させるようにサーボターレット3の半径方向で外周側を規制している。また、サーボターレット3の回転に合わせて容器1が第2湾曲部8b上を転動できるように構成されている。その第2湾曲部8bの下流側に各ターレット3,6側に凸となった第3湾曲部8cが形成されている。この第3湾曲部8cは、第2湾曲部8bによる上述した規制を解除してポケット部4から容器1を離脱させるとともにその離脱した容器1を凹部7に誘導するように構成されている。なお、上述した第1湾曲部8aがこの発明おける第1ガイド部に相当し、第2湾曲部8bが、この発明における第2ガイド部に相当し、第3湾曲部8cがこの発明おける第3ガイド部に相当している。またここに示す例では、第1湾曲部8aの曲率半径R4が74mm、第2湾曲部8bの曲率半径R5が103.5mm、第3湾曲部8cの曲率半径R6が40mmに設定されている。
またこの発明では、上記の第1湾曲部8aを、受け入れ位置P1と称し、第3湾曲部8cを受け渡し位置P3と称し、これらの間の第2湾曲部8bを中間搬送位置P2と称する。図1に示す例では、上述した第1ポケット部4aに受け渡し位置P3が対向して配置されており、第2ポケット部4bが中間搬送位置P2に対向して配置されており、第3ポケット部4cが受け入れ位置P1に対向して配置されている。
さらにこの発明では、ポケット部4に収容された状態の容器1と、第1湾曲部8aおよび第2湾曲部8bとの間に、僅かに隙間が生じるように構成されている。そのため例えば、上述した保持力によって各ポケット部4に容器1を保持しない場合には、サーボターレット3が回転すると、その容器1は、サーボターレット3と共に回転することによる遠心力によって第1湾曲部8aおよび第2湾曲部8bに押し付けられる。また容器1は、サーボターレット3のスポーク部5によって押し動かされて第1湾曲部8aおよび第2湾曲部8b上を転動する。その結果、ガイド部8と容器1とが擦れて容器1の表面に擦り傷がつくことが防止もしくは抑制される。また、容器1がポケット部4に真空吸着や磁気吸着などによって保持されている場合には、容器1と、第1湾曲部8aおよび第2湾曲部8bとの間に隙間が生じる。そのため、これらが直接接触することを回避できる。そしてこれにより上述した擦れ傷を防止もしくは抑制することができる。
そして図1に示すように、受け渡し位置P3である第3湾曲部8cに対向してインフィードターレット6の凹部7が配置されている場合に、これらの間に所定の空間S1が形成されている。この空間S1では、後述するように、ポケット部4から離脱した容器1が、いずれの部材にも接触してない、いわゆるフリーの状態となることができる。またこの第1実施例では、ポケット部4から離脱した容器1が凹部7に収容される直前の時点においてその中心1oが、回転中心軸線3oを通る外接円6aの接線6bとその外接円6aとの接点を通り前記接線6bに垂直な法線6cよりも垂直方向で下方に位置するように構成されている。これに加えて、上記の法線6cと、回転中心軸線6oとポケット部4から離隔しかつ凹部7に収容される直前の時点における容器1の中心1oとを結ぶ線分lとの交差角θが6°程度となるように構成されている。なお、詳細は図示しないが、容器1が凹部7に収容される直前の時点において、上述した交差角θが3°よりも小さい場合には、インフィードターレット6の回転方向に対してほぼ垂直に容器1を供給することになるため、凹部7に容器1を挿入しにくくなる。これとは反対に、容器1が凹部7に収容される直前の時点において、上述した交差角θが9°よりも大きい場合には、インフィードターレット6の回転方向に沿うように容器1を供給することになるため、凹部7に容器1を挿入しやすくなる。また、凹部7と容器1との相対速度差を小さくできる。しかしながらその場合には、容器1が落下する空間S1も大きくなるため、その落下時における容器1の姿勢が乱れた場合には、例えばインフィードターレット6の縁と容器1とが接触して容器1に傷がつく可能性がある。したがって、本実施例の場合は、前記交差角θを3°ないし9°の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは前記交差角θを6°に設定する。
また、上述した構成の装置では、図1に示すように、中間搬送位置P2での容器1の直径と、受け渡し位置P3での容器1の直径とが、垂直方向で若干オーバーラップするように構成されている。つまり上述した構成の装置では、後述する供給停止位置から、容器1を凹部7に受け渡す場合に、垂直方向の容器1の移動距離が短くなっている。図1の上下方向における上記中間搬送位置P2での容器1の中心1oと、受け渡し位置P3での容器1の中心1oとの間隔l3は、例えば、49mmに設定されている。
次に、サーボターレット3のポケット部4からインフィードターレット6の凹部7への容器1の受け渡しについて説明する。図3は、この発明に係る容器供給装置の一例における容器1の受け渡しを説明するための図である。この図3には、中間搬送位置P2に配置された容器1をインフィードターレット6の凹部7に受け渡すまでを1サイクルとして示してある。また各ターレット3,6が時計回りに回転しているものとして説明する。さらに、サーボターレット3が45°回転した場合に、インフィードターレット6が72°回転してその凹部7に容器1が受け渡されるように、これらのターレット3,6の回転が同期されている。そして図3には、サーボターレット3およびインフィードターレット6の実際の回転角度を記載してある。
図3の(a)に、インフィードターレット6に対する容器1の供給を停止した状態を示してあり、このサーボターレット3の停止位置を供給停止位置と称する。以下の説明では、この図3の(a)に示す状態のインフィードターレットの回転角度θiおよびサーボターレットの回転角度θsをそれぞれ0°として説明する。なお、この供給停止位置は、容器1の供給を確実に行うためのサーボターレット3の停止位置であって、後述する容器1の停止限界位置に所定の安全率を考慮した位置である。図3の(a)に示す状態は上述した図1に示す状態と同じであって、第3ポケット部4cが受け入れ位置P1に対向して配置されており、その内部に容器1cが収容されている。その容器1cは容器1dおよびガイド部8における第1湾曲部8aの頂部付近に接触している。また第2ポケット部4bが中間搬送位置P2に対向して配置されており、その内部に容器1bが収容されている。その容器1bは第2湾曲部8bの底部付近に接触している。さらに第1ポケット部4aが受け渡し位置P3である第3湾曲部8cに対向して配置されている。第1ポケット部4aに収容されていた容器1aは、その慣性力と遠心力との合力によって第1ポケット部4aから離脱している。また容器1aは、第3湾曲部8cによって第1凹部7aに向けて誘導されてすなわち図3での左下に向けて落下している。その場合、容器1aはいずれのターレット3,6にも接触していない。この図3の(a)に示す状態は、インフィードターレット6の第1凹部7aに対して、容器1aの受け渡しが完了する直前の状態である。その容器1aの中心1aoは、図3の(a)における上下方向で上述した法線6cよりも下方に位置している。また、法線6cと、容器1aの中心1aoとインフィードターレット6の回転中心軸線6oとを結ぶ線分lとの交差角θが6°となっている。また、図3の(a)に示す状態では、容器1aと容器1bとの間隔l4が14.7mmとなっている。
図3の(b)は、サーボターレット3が1.9°回転し、インフィードターレット6が3°回転した状態を示している。この状態では、第1凹部7aと容器1aとが接触して第1凹部7aへの容器1aの受け渡しが完了している。そのため容器1aの速度が図2の(b)に示すように、インフィードターレット6の周速まで増大させられている。なお、図3の(b)に示す状態では、容器1aと容器1bとの間隔l4が20.9mmとなっている。また上述したように、図3の(a)に示す状態が、図3の(b)に示す状態に対する直前の状態である。つまり、この第1実施例における「容器が凹部に収容される前の時点」や「直前の時点」あるいは「直前の状態」とは、サーボターレット3が1.9°回転し、インフィードターレット6が3°回転して、ポケット部4からリリースされて凹部7に向けて移動している容器1が、凹部7に収容される時点や状態のことである。
図3の(c)は、サーボターレット3が5.6°回転し、インフィードターレット6が9°回転した状態を示している。容器1aは慣性力によってインフィードターレット6の第1凹部7aに押し付けられており、インフィードターレット6の回転によって次工程に搬送されている。容器1bは、第3湾曲部8cの頂部側に移動し、容器1cは第2湾曲部8bを転動し始めている。
図3の(d)に、サーボターレット3が16.9°回転し、インフィードターレット6が27°回転した状態を示している。容器1bは第3湾曲部8cの頂部に更に接近しており、容器1cは第2湾曲部8bの底部に接近している。また、容器1bと容器1cとの間隔l5が6.9mmとなっている。
図3の(e)に、サーボターレット3が28.1°回転し、インフィードターレット6が45°回転した状態を示している。この状態では、第2ポケット部4bが第3湾曲部8cの頂部にほぼ対向して配置されており、かつ、容器1bが第3湾曲部8cの頂部よりも若干、第2湾曲部8b側に位置している。この位置が、インフィードターレット6に対して容器1の供給を停止することが可能な容器1の停止限界位置となっている。つまり、インフィードターレット6に対する容器1の供給を停止する場合には、容器1が第3湾曲部8cの頂部を越えないように、サーボターレット3の回転を停止する。そして、サーボターレット3を回転させることにより第3湾曲部8cの頂部を越えてインフィードターレット6側に容器1を移動させると、インフィードターレット6に対する容器1の供給が再開されるように構成されている。また、図3の(e)に示す状態では、容器1cは第2湾曲部8bにおける底部近傍に接触しており、また容器1dに接触している。その容器1dは容器1cに接触した状態で第3ポケット部4cと第4ポケット部4dとの間のスポーク部5の頂部に接触している。つまり、図3の(e)に示す状態では、第4ポケット部4dに対する容器1dの受け入れが開始されるとともに、容器1cと容器1dとの間隔を広げるいわゆるピッチアップが開始される。なお、ここに示す例では、容器1bと容器1cとの間隔l5が6.9mmとなっている。
図3の(f)に、サーボターレット3が31.9°回転し、インフィードターレット6が51°回転した状態を示している。この状態では、サーボターレット3の第2ポケット部4bが受け渡し位置P3に対向して配置されている。そのため、第2ポケット部4bに収容された容器1bは、その慣性力と遠心力との合力によって第2ポケット部4bから離脱し始める。つまり、容器1bのリリースが開始される。また容器1bは、第3湾曲部8cによって第2凹部7bに向けて誘導されてすなわち図3の(f)での左下に向けて落下する。その容器1bはいずれのターレット3,6にも接触していない、いわゆるフリーの状態になっている。そして、上述したようにポケット部4bから離脱した容器1bの速度は、図2の(b)に示すように、重力によって加速される。一方、第3ポケット部4cは中間搬送位置P2に対向して配置されている。さらに第4ポケット部4dは受け入れ位置P1に対向して配置され、その曲面に容器1dが接触し始める。その結果、容器1cと容器1dとの間隔l5が上述した図3の(e)に示す状態よりも拡大される。また容器1dは、ガイド部8における第1湾曲部8aの頂部近傍に接触している。なお、ここに示す例では、容器1bと容器1cとの間隔l5が7.4mm、容器1cと容器1dとの間隔l6が3.9mmとなっている。
図3の(g)に、サーボターレット3が35.6°回転し、インフィードターレット6が57°回転した状態を示している。この状態では、図3の(f)に示す状態と比較して、容器1bは上述した合力によって第2ポケット部4bから更に離脱してインフィードターレット6側に移動している。また、容器1dが第4ポケット部4d内に配置されるため、容器1cと容器1dとの間隔l6がスポーク部5によって拡大される。なお、ここに示す例では、容器1bと容器1cとの間隔l5が11.1mm、容器1cと容器1dとの間隔l6が4.9mmとなっている。
図3の(h)に、サーボターレット3が39.4°回転し、インフィードターレット6が63°回転した状態を示している。この状態では、容器1bにインフィードターレット6の第2凹部7bが接近している。容器1cは、第2湾曲部8b上を転動しており、容器1dは第4ポケット部4dの内部にほぼ収容されている。そのため、スポーク部5の幅の分、容器1cと容器1dとの間隔l6が拡大している。なお、容器1bと容器1cとの間隔l5が13.8mm、容器1cと容器1dとの間隔l6が5.8mmとなっている。
図3の(i)に、サーボターレット3が43.1°回転し、インフィードターレット6が69°回転した状態を示している。この状態では、図3の(h)に示す状態よりも、容器1bに第2凹部7bが更に接近している。また、容器1dが第4ポケット部4dの内部に収容されており、図3の(h)に示す状態よりも容器1cと容器1dとの間隔l6が拡大している。なお、この図3の(i)に示す状態では、容器1cと容器1dとの間隔l5が6.9mmとなっている。その後、サーボターレット3およびインフィードターレット6が更に回転すると、上述した図3の(a)に示す状態となる。
(第2実施例)
図4に、この発明に係る容器供給装置の他の例を示してあり、ここに示すサーボターレット9には、40°間隔で9つのポケット部10およびスポーク部11が形成されている。その他の構成は図1に示す例と同様に構成されている。そのため、図4に示す構成のうち図1と異なる部分のみ説明し、図1と同様の構成の部分には図4に図1と同じ符号を付してその説明を省略する。図4は、後述するように、容器1の供給を停止した状態を示している。サーボターレット9の第1ポケット部10aが、図4での下方に開口した状態で配置されている。サーボターレット9およびインフィードターレット6は共に時計回りに回転するように構成されている。そのサーボターレット9の回転方向とは反対方向で上記の第1ポケット部10aに隣接するポケット部10に、第2ポケット部10bと符号を付してある。以下同様に、第3ポケット部10c、第4ポケット部10d、第5ポケット部10e、第6ポケット部10f、第7ポケット部10g、第8ポケット部10h、第9ポケット部10iと符号を付してある。また図4に示す例では、第1ポケット部10aが受け渡し位置P3に対応して配置されており、第2ポケット部10bが中間搬送位置P2に対向して配置されており、第3ポケット部10cが受け入れ位置P1に対向して配置されている。なお、各ポケット部10の構造は同じである。
図4に示す例では、容器1の直径d1が50mmに設定されている。サーボターレット9における各ポケット部10の曲率半径R1が26mm、各スポーク部5の頂部における曲率半径R2が3mm、ポケット部10の曲率中心とサーボターレット9の回転中心軸線9oとを結ぶ線分を半径とした円の直径d3が、第1実施例と同様に、154mmに設定されている。またインフィードターレット6の凹部7の曲率半径R3がポケット部10の曲率半径R1と同じ26mmに設定されている。さらに、第1湾曲部8aの曲率半径R4が74.5mm、第2湾曲部8bの曲率半径R5が102.5mm、第3湾曲部8cの曲率半径R6が41mmに設定されている。そして、図4の左右方向でインフィードターレット6の回転中心軸線6oとサーボターレット9の回転中心軸線9oとの間隔l7が167.5mm、図4の上下方向でインフィードターレット6の回転中心軸線6oとサーボターレット9の回転中心軸線9oとの間隔l8が77mmに設定されている。
また図4に示すように、受け渡し位置P3である第3湾曲部8cに対向してインフィードターレット6の凹部7が配置されている場合に、これらの間に所定の空間S2が形成されている。この空間S2では、後述するように、ポケット部4から離脱した容器1が、いずれの部材にも接触してない、いわゆるフリーの状態となることができる。またこの第2実施例では、ポケット部10aから離隔した容器1が、凹部7に収容される直前の時点においてその中心1oが、回転中心軸線9oを通る外接円6aの接線6bとその外接円6aとの交点である接点を通り前記接線6bに垂直な法線6cよりも垂直方向で下方に位置するように構成されている。これに加えて、上記の法線6cと、回転中心軸線6oとポケット部4から離隔しかつ凹部7に収容される前の時点における容器1の中心1oとを結ぶ線分lとの交差角θが12°程度となるように構成されている。本第2実施例の場合、サーボターレット9におけるポケット部10の数を第1実施例よりも1つ増加させたため、隣接しているポケット部10に収容されている容器1同士が第1実施例の場合よりも互いに接近している。そのため、受け渡し位置P3でサーボターレット9に受け渡される容器1が後続の容器との間に十分なクリアランスを得るために、交差角θを第1実施例の6°よりも大きい12°に設定している。なお、詳細は図示しないが、容器1が凹部7に収容される直前の時点において、上述した交差角θが9°よりも小さい場合には、インフィードターレット6の回転方向に対してほぼ垂直に容器1を供給することになるため、凹部7に容器1を挿入しにくくなる。これとは反対に、容器1が凹部7に収容される直前の時点において、上述した交差角θが15°よりも大きい場合には、インフィードターレット6の回転方向に沿うように容器1を供給することになるため、凹部7に容器1を挿入しやすくなる。また、凹部7と容器1との相対速度差を小さくできる。しかしながらその場合には、容器1が落下する空間S2も大きくなるため、その落下時における容器1の姿勢が乱れた場合には、例えばインフィードターレット6の縁と容器1とが接触して容器1に傷がつく可能性がある。したがって、前記交差角θを9°ないし15°の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは前記交差角θを12°に設定する。
図5は、この発明に係る容器供給装置の他の例における容器1の速度線図であり、インフィードターレット6の回転数がサーボターレット9の回転数よりも高く設定されている。その場合、インフィードターレット6はサーボターレット9よりも大径であるから、インフィードターレット6の周速はサーボターレット9の周速よりも高くなっている。先ず、容器1がポケット部10に収容されている状態では、容器1の速度はサーボターレット9の周速と等しなっている。次いで、容器1がポケット部10から離脱すると、容器1は上述した空間S2を落下する。そして、容器1が凹部7に収容されると、その速度は、図5に示すように、インフィードターレット6の周速と等しくなる。この図5における横軸は後述する供給停止位置におけるサーボターレット9の回転角度を0°とした場合において、上記供給停止位置からのサーボターレット9の回転角度を示している。なお、ポケット部10に収容されている容器1と、インフィードターレット6の凹部7との回転方向の位相を合わせるために、サーボターレット9は図示しない制御装置によってその回転が制御されている。
次に、サーボターレット9のポケット部10からインフィードターレット6の凹部7への容器1の受け渡しについて説明する。図6は、この発明に係る容器供給装置の他の例における容器1の受け渡しを説明するための図である。この図6には、中間搬送位置P2に配置された容器1をインフィードターレット6の凹部7に受け渡すまでを1サイクルとして示してある。また各ターレット6,9が時計回りに回転しているものとして説明する。さらに、サーボターレット9が40°回転した場合に、インフィードターレット6が72°回転してその凹部7に容器1が受け渡されるように、これらのターレット6,9の回転が同期されている。そして図6には、サーボターレット9およびインフィードターレット6の実際の回転角度を記載してある。
図6の(a)に、インフィードターレット6に対する容器1の供給を停止した状態を示してあり、この図6の(a)に示す状態は、上述した図4の示した状態と同じである。このサーボターレット9の停止位置を供給停止位置と称する。なお、この供給停止位置は、容器1の供給を確実に行うためのサーボターレット9の停止位置であって、後述する容器1の停止限界位置に所定の安全率を考慮した位置である。図6の(a)に示す状態では、第3ポケット部10cが受け入れ位置P1に対向して配置されており、その内部に容器1cが収容されている。容器1cは上流側に配置される容器1d、および、ガイド部8における第1湾曲部8aの頂部付近に接触している。また第2ポケット部10bが中間搬送位置P2に対向して配置されており、その内部に容器1bが収容されている。その容器1bは第2湾曲部8bの底部付近に接触している。これらの容器1bおよび容器1cはスポーク部11によって分け隔てられている。さらに第1ポケット部10aが受け渡し位置P3に対向して配置されている。第1ポケット部10aに収容されていた容器1aは、図6の(a)に示す状態では、その慣性力と遠心力との合力によって第1ポケット部10aから離脱している。また第3湾曲部8cによってその離脱方向が第1凹部7aに向けてすなわち図6の(a)での左下に向けて誘導されて空間S2を落下している。この空間S2では、上述したように、容器1aはいずれのターレット6,9にも接触していないフリーの状態になっている。この図6の(a)に示す状態は、インフィードターレット6の第1凹部7aに対して、容器1aの受け渡しが完了する直前の状態である。その容器1aの中心1aoは、図6の(a)における上下方向で法線6cよりも下方に位置している。また、法線6cと、容器1aの中心1aoとインフィードターレット6の回転中心軸線6oとを結ぶ線分lとの交差角θが12°となっている。以下の説明では、この図6の(a)に示す状態のインフィードターレット6の回転角度およびサーボターレット9の回転角度を0°として説明する。
図6の(b)は、サーボターレット9が5°回転し、インフィードターレット6が9°回転した状態を示している。この状態では、容器1aが第1凹部7aに収容されており、第1凹部7aへの容器1aの受け渡しが完了している。そのため、容器1aの速度は、上述した図5に示したように、インフィードターレット6の周速と等しくなっている。また、容器1bおよび容器1cは、それらの間隔を保った状態で受け渡し位置P3側に移動している。なお、上述したように、図6の(a)に示す状態が、図6の(b)に示す状態に対する直前の状態である。つまり、この第2実施例における「容器が凹部に収容される前の時点」や「直前の時点」あるいは「直前の状態」とは、サーボターレット9が5°回転し、インフィードターレット6が9°回転して、ポケット部4からリリースされて凹部7に向けて移動している容器1が、凹部7に収容される時点や状態のことである。
図6の(c)は、サーボターレット9が10°回転し、インフィードターレット6が18°回転した状態を示している。容器1aは慣性力によってインフィードターレット6の第1凹部7aに押し付けられており、インフィードターレット6の回転によって次工程に搬送されている。容器1bは、第3湾曲部8cの頂部付近に接触している。容器1cは第2湾曲部8bの底部付近に接触している。
図6の(d)に、サーボターレット9が15°回転し、インフィードターレット6が27°回転した状態を示している。容器1bは、図6の(c)に示す状態よりも、第3湾曲部8cの頂部側に更に移動している。容器1cは第2湾曲部8bの底部付近に接触している。容器1dが、第1湾曲部8aに接触しており、第4ポケット部10dに対向して配置されている。
図6の(e)に、サーボターレット9が20°回転し、インフィードターレット6が36°回転した状態を示している。この状態では、第2ポケット部10bが第3湾曲部8cの頂部にほぼ対向して配置されており、かつ、容器1bが第3湾曲部8cの頂部よりも若干、第2湾曲部8b側に位置している。この位置が、インフィードターレット6に対して容器1の供給を停止することが可能な容器1の停止限界位置となっている。つまり、インフィードターレット6に対する容器1の供給を停止する場合には、図6の(e)に示すように、容器1がガイド部8の第3湾曲部8cの頂部を越えないように、サーボターレット9の回転を停止する。そして、サーボターレット9を回転させることにより第3湾曲部8cの頂部を越えてインフィードターレット6側に容器1を移動させると、インフィードターレット6に対する容器1の供給が再開されるように構成されている。また、図6の(e)に示す状態では、容器1cは第2湾曲部8bのほぼ底部に位置している。容器1dと第4ポケット部10dとの間隔が狭まっており、第4ポケット部10dに対する容器1dの受け入れが開始されている。
図6の(f)に、サーボターレット9が25°回転し、インフィードターレット6が45°回転した状態を示している。この状態では、サーボターレット9の第2ポケット部10bが受け渡し位置P3に対向して配置されており、そのため、インフィードターレット6に対する容器1bの受け渡しが開始される。つまり容器1bはその慣性力と遠心力との合力によって第2ポケット部10bから離脱し始める。つまり、容器1bのリリースが開始される。また第3湾曲部8cによって第2凹部7bに向けて誘導されてすなわち図6の(f)での左下に向けて落下する。その場合、容器1bはいずれのターレット6,9にも接触していない、いわゆるフリーの状態になっている。また、図6の(f)に示す状態では、第3ポケット部10cは中間搬送位置P2に対向して配置されている。第4ポケット部10dは受け入れ位置P1に対向して配置されており、その内部に容器1dが収容されている。そして、容器1dと下流側の容器1cとの間隔を広げるいわゆるピッチアップが開始される。
図6の(g)に、サーボターレット9が30°回転し、インフィードターレット6が54°回転した状態を示している。この状態では、図6の(f)に示す状態と比較して、容器1bは上述した合力によって第2ポケット部10bから更に離脱してインフィードターレット6側に移動している。そのため容器1bと容器1cとの間隔が拡大している。また、容器1cと容器1dとの間隔がスポーク部11によって拡大される。
図6の(h)に、サーボターレット9が35°回転し、インフィードターレット6が63°回転した状態を示している。この状態では、容器1bとインフィードターレット6の第2凹部7bとが更に接近している。また容器1cおよび容器1dは、それらの間隔を保った状態で受け渡し位置P3側に移動している。その後、サーボターレット9およびインフィードターレット6が更に回転すると、上述した図6の(a)に示す状態となる。
したがって、上述した構成の容器供給装置では、同一方向に回転するサーボターレット3,9とインフィードターレット6とがオーバーラップして配置されているため、容器1の受け渡し距離を短くできる。また、容器1は、受け渡し位置P3でポケット部4,10から離脱させられるとともに、その離脱方向が第3湾曲部8cによって外接円6aに沿う方向に誘導される。そのため、容器1は、インフィードターレット6の接線方向に速度成分を有している。それらの結果、凹部7に容器1を挿入しやすくできる。また、容器1と凹部7との相対速度差を小さくしてこれらの接触に伴う荷重によって容器1に凹み変形が生じることを防止もしくは抑制することができる。つまり容器1に傷を付けずに高速搬送することができる。
また、この発明では、容器1をサーボターレット3,9を介してインフィードターレット6に供給するように構成されている。そのため、従来知られているスクリューコンベアを使用する場合と比較して搬送の際に、容器1を擦ることがない。またサーボターレット3,9はサーボモータによって連続的もしくは間欠的に回転させられる。そのため、スクリューコンベアを使用する場合に比較して、ギヤボックスなどの変速装置を不要にすることができ、これにより部品点数を減少させ、また、装置構成を簡素化しかつ小型化することができる。さらに、サーボモータの回転を停止すれば、サーボターレット3,9の回転を停止することができるので、サーボターレット3,9をストッパーとして機能させることができる。そしてサーボモータの回転を制御すれば、指定した凹部7のみに容器1を供給することも可能になる。