JP6253943B2 - 破砕機 - Google Patents

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Description

本発明は、岩石などの対象物を破砕する破砕機に関する。
従来、岩石などの対象物を破砕するための破砕機として、衝撃力を利用して石炭を破砕する破砕機が知られている。例えば特許文献1において、ケーシング内に配置された水平な主軸と、主軸に固定されたロータディスクの外周にプロテクタ(ローターホルダー)を介して等間隔で取り付けられた複数の打撃板と、を備える破砕機が開示されている。このような破砕機においては、ロータディスクを回転させることにより、ロータディスクに取り付けられた打撃板が、ケーシング内の破砕空間に投入された対象物に衝突する。この衝突に起因する衝撃力によって対象物を破砕することができる。
このような破砕機においては、打撃板が破砕作用をもたらすことに伴い、打撃板の先端部が摩耗していく。打撃板の先端部が摩耗すると、打撃板のうち破砕空間に突き出ている部分の長さが小さくなり、また打撃板の先端部における回転半径も小さくなる。従って、打撃板の摩耗に伴って、破砕機における破砕効率が低下してしまう。このため、所定の時間が経過する度に、打撃板のうち破砕空間に突き出ている部分の長さ(以下、「突き出し長さ」とも称する)を回復させる必要がある。回復させる方法の1つとしては、打撃板を新しいものに交換することが挙げられる。また上述の特許文献1においては、打撃板を上下反転させることにより、摩耗した先端部を軸心側、すなわちロータディスク側に位置づけ、摩耗していない先端部を外周側、すなわち破砕空間側に位置づけ、これによって打撃板の突き出し長さを回復させることが開示されている。打撃板を上下反転させることにより、打撃板の両端部を使用することができるので、打撃板の使用率を高くすることができる。
また特許文献1には、打撃板を外周側に繰り出すことによって打撃板の突き出し長さを回復させることも開示されている。具体的には、特許文献1において、打撃板には突起が形成されており、またロータディスクには、打撃板の突起を挟み込む一対の保持ブロックが設けられている。そして、一対の保持ブロックのうち外周側の保持ブロックは、軸心側の保持ブロックよりも大きい厚みを有している。このため、一対の保持ブロックの配置を入れ替えると、2つの保持ブロックの厚みの差の分だけ、打撃板が外周側に繰り出されることになる。なお特許文献1において、一対の保持ブロックは、ロータディスクに固定された上述のプロテクタ(ローターホルダー)によって支持されている。
また特許文献2にも、打撃板を外周側に繰り出すことによって打撃板の突き出し長さを回復させることが開示されている。具体的には、特許文献2に記載の破砕機は、ロータディスクの半径方向に沿って延びる案内溝が形成されたプロテクタ(アーム)と、アームの案内溝に挿入されるともに、案内溝に直交する方向へ案内溝から突出する突出部を有する取付体と、取付体の突出部に外周側から嵌合される凹部が形成された打撃板と、を備えている。アームの案内溝には、ロータディスクの半径方向に沿って複数の係止凹部が形成されており、これら係止凹部のいずれか1つに、取付体の内端部が嵌合するようになっている。さらに案内溝の側面には、ロータディスクの半径方向に所定の配列ピッチで並ぶ複数の取付穴が形成されている。そして、取付体に形成されている取付穴とアームの案内溝の取付穴とを位置合わせし、各取付穴にピンを差し込むことによって、打撃板と一体になった取付体がアームに対して固定されている。このような破砕機においては、ピンが差し込まれる案内溝の取付穴の位置を外周側へ一段階ずらすことにより、案内溝の取付穴の配列ピッチの分だけ打撃板を外周側に繰り出すことができる。
特開2001−190972号公報 実公昭53−17017号公報
破砕機において一般に、打撃板やプロテクタは重量物である。従って、打撃板の突き出し長さを回復させるために打撃板やプロテクタを移動させたり交換したりする作業を人の手で行うことは難しく、通常は、チェーンブロックやホイストクレーンなどの吊り上げ手段を用いてそれらの作業が行われる。一方、吊り上げ手段を用いた作業は一般に、人の手で行う作業に比べて小回りが利かないものである。例えば、吊り上げ手段を用いた作業においては、移動させる構成要素(以下、移動要素とも称する)を変更することや、移動要素の移動方向を変更することに時間を要する。従って、打撃板の突き出し長さを回復させるための作業においては、移動要素の数が少なく、かつ移動要素の移動方向が少ないことが好ましい。
しかしながら、特許文献1において打撃板を外周側に繰り出すためには、一対の保持ブロックをロータディスクに対して固定するためのピンなどを取り外し、そして一対の保持ブロックを外部に取り出して上下反転させ、再び一対の保持ブロックをロータディスクに対して固定する必要がある。また、保持ブロックを上下反転させる作業の間、吊り上げ手段を用いて打撃板を吊り上げておく必要がある。さらに、打撃板はその背面(保持ブロックに対向する面とは反対側の面)が保護ライナーによって支持されているので、打撃板を外周側に繰り出すためには、打撃板をその厚み方向へ移動させて打撃板と保護ライナーとの間の係合を解除する作業も必要になると考えられる。このように特許文献1においては、吊り上げ手段によって移動される移動要素の数が多く、かつ移動方向も多いため、打撃板を繰り出すための作業が煩雑であり、従って、作業に長時間を要することになる。
また特許文献2においては、打撃板を外周側に繰り出すためには、打撃板と一体になった取付体を支持しながらアームの取付穴からピンを取り外し、次に打撃板および取付体を打撃板の厚み方向へ移動させてアームの係止凹部と取付体の内端部との間の嵌合を解除し、その後、打撃板および取付体を外周側に移動させ、次に、打撃板および取付体を再び打撃板の厚み方向へ移動させて、一段階ずれたアームの係止凹部に取付体の内端部を嵌合させ、その後、案内溝の取付穴にピンを差し込んで打撃板および取付体をアームに固定する必要がある。このように特許文献2においても、打撃板を繰り出すための作業が煩雑であり、従って、作業に長時間を要することになる。
また特許文献2において、打撃板を支持するためのプロテクタ(アーム)は、ロータディスクの円周方向において、打撃板の片側にのみ設けられている。ところで、岩石などの対象物を破砕する工程において、打撃板は高速で回転しながら対象物に衝突する。従って打撃板は、衝突の際、多大な反力を対象物から受ける。プロテクタは、このような反力が打撃板に働く場合であっても打撃板を安定に保持するためのものである。しかしながら、特許文献2のようにプロテクタ(アーム)が打撃板の片側にしか設けられていない場合、岩石などの対象物からの反力に打撃板が耐えることができるのは、打撃板の面のうちプロテクタに対向する面とは反対側の面に対象物が衝突する場合のみになる。すなわち特許文献2においては、ロータディスクの回転方向が一方向に限定されることになり、破砕機の運用方法が限られることになる。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、打撃板の交換に要する時間を短くすることができ、かつ、多様な運用が可能な破砕機を提供することを目的とする。
本発明は、対象物を破砕する破砕機であって、主軸と、前記主軸に固定され、前記主軸を回転軸として回転する複数のロータディスクであって、その外周に複数の溝が形成されている、複数のロータディスクと、前記ロータディスクの前記溝に取り付けられ、互いに対向する一対のプロテクタと、前記対象物に衝突する打撃板であって、その両長手側面が前記一対のプロテクタによって挟持される、打撃板と、を備え、前記一対のプロテクタは各々、前記主軸の軸方向に沿って延びる少なくとも1つのプロテクタ側突起と、前記プロテクタ側突起よりも軸心側に設けられ、前記主軸の軸方向に沿って延びる軸心側突起と、を有し、前記打撃板の両長手側面には、前記主軸の軸方向に沿って延び、前記プロテクタの前記プロテクタ側突起と前記軸心側突起との間の場所に配置され得る少なくとも1つの打撃板側突起が設けられており、前記主軸には、前記主軸の軸方向に沿って複数の前記ロータディスクが固定されており、各ロータディスクの前記溝には、前記一対のプロテクタが取り付けられており、前記主軸の軸方向における前記打撃板の前記打撃板側突起の長さは、1つのロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの前記プロテクタ側突起と、前記1つのロータディスクに隣り合う他のロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの前記プロテクタ側突起との間の、前記主軸の軸方向における隙間よりも小さくなっており、このため、前記打撃板を前記主軸の軸方向において移動させることにより、前記ロータディスクの半径方向における前記打撃板と前記プロテクタとの間の係合を、前記一対のプロテクタを移動させることなく解除することができる、破砕機である。
本発明による破砕機において、前記プロテクタには、前記主軸の軸方向において前記打撃板が変位することを防止するための変位防止機構が設けられていてもよい。
本発明による破砕機において、前記変位防止機構は、前記主軸に水平な方向において前記プロテクタから突出した突出片と、前記突出片に形成された孔と、前記孔に挿入される棒状の支持体と、を含み、前記打撃板の表面には、前記変位防止機構の前記支持体が挿入される穴が形成されていてもよい。
本発明の破砕機によれば、打撃板の突き出し長さを回復させるための作業において、移動要素の数を少なくし、かつ移動要素の移動方向を少なくすることができる。このため、打撃板の交換に要する時間を短くすることができる。このことにより、破砕機の保守に要する時間やコストを低減することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による破砕機を示す正面図。 図2は、図1の破砕機のアッセンブリィを示す図。 図3Aは、図1のロータディスクを拡大して示す正面図。 図3Bは、ロータディスクの変形例を示す正面図。 図4Aは、一対のプロテクタと、一対のプロテクタによって挟持される打撃板との位置関係を説明するための図。 図4Bは、主軸に平行な方向における打撃板の変位を防止するための変位防止機構を説明するための図。 図5A(a)〜(d)は、第1の実施の形態における打撃板の利用方法を示す図。 図5B(a)(b)は、打撃板の外周側の端部形状の相違に基づく、対象物の運動方向の相違を説明するための図。 図6(a)〜(d)は、第1の実施の形態において、打撃板を上方に引き出す手順を説明するための図。 図7は、本発明の第2の実施の形態によるロータディスクを拡大して示す正面図。 図8(a)〜(d)は、第2の実施の形態において、打撃板を上方に引き出す手順を説明するための図。 図9は、本発明の第3の実施の形態によるロータディスクを拡大して示す正面図。 図10(a)〜(d)は、第3の実施の形態において、打撃板を上方に引き出す手順を説明するための図。
第1の実施の形態
以下、本発明の第1の実施形態による破砕機について、図1乃至図6(a)〜(d)を参照して説明する。
(破砕機)
図1は、破砕機10を示す正面図である。なお図1においては、破砕機10の主軸18の軸方向に直交する面で破砕機10を切断した場合の断面が示されている。破砕機10は、ケーシング11に形成された投入口12からケーシング11の内部の破砕空間14内に投入される対象物13に衝撃力を加え、これによって対象物13を破砕するものである。
破砕機10は、水平方向に延びる主軸18と、主軸18に固定され、主軸18を回転軸として回転するロータディスク20と、を備えている。ロータディスク20の外周には、図1に示すように、複数の溝21が周方向に等間隔で形成されている。そして破砕機10は、ロータディスク20の溝21に取り付けられ、互いに対向する一対のプロテクタ31,32と、一対のプロテクタ31,32によって挟持された打撃板40と、をさらに備えている。打撃板40は、ロータディスク20が回転するとき、対象物13に衝突して対象物13に衝撃力を与えるものである。
なおロータディスク20の外周に取り付けられる打撃板40の数が特に限られることはない。例えば図示はしないが、ロータディスク20の外周に等間隔で6つの打撃板40が固定されていてもよい。
ロータディスク20の周囲には、打撃板40によって衝撃力を与えられた後の対象物13を衝突させるための衝突板15が配置されている。この場合、対象物13には、衝突板15との衝突によってさらに衝撃力が与えられ、これによって対象物13がさらに破砕される。また衝突板15の内面には、のこぎり状の形状を有するライナー16が取り付けられていてもよい。これによって、飛来してきた対象物13をより効果的に破砕することができる。
(プロテクタおよび打撃板)
次に、図2乃至図4Aを参照して、ロータディスク20に取り付けられている一対のプロテクタ31,32および打撃板40についてさらに詳細に説明する。図2は、図1の矢印IIに沿って図1の一対のプロテクタ31,32および打撃板40を見た場合を示す図である。図2においては、図が煩雑になるのを防ぐため、ロータディスク20は簡略化され、かつ点線で示されている。また図3Aは、図1に示すロータディスク20を拡大して示す平面図である。また図4Aは、一対のプロテクタ31,32と、一対のプロテクタ31,32によって挟持される打撃板40との間の嵌合関係を説明するための図である。なお図2においては、図面の明確化のため、図1において上部に位置する一対のプロテクタ31,32および打撃板40を省略している。
図2に示すように、主軸18には複数の、例えば4つのロータディスク20が軸方向に等間隔で固定されており、そして各ロータディスク20の外周には、一対のプロテクタ31,32を介して打撃板40が固定されている。図2においては、主軸18の軸方向における打撃板40の長さが、主軸18の軸方向におけるロータディスク20の配列ピッチよりも大きく、このため2つのロータディスクに跨るように打撃板40が設けられている。しかしながら、主軸18の軸方向における打撃板40の長さが特に限られることはない。例えば打撃板40の長さは、打撃板40が4つのロータディスクに跨るように設定されていてもよく、または、1つのロータディスク20によって打撃板40が保持され得るように設定されていてもよい。
図3Aに示すように、一対のプロテクタ31,32は、ロータディスク20の溝21の第1側面22に取り付けられた第1プロテクタ31と、溝21の第2側面23に取り付けられた第2プロテクタ32と、からなっている。溝21の第1側面22および第2側面23は、ロータディスク20の回転方向において互いに対向する側面であり、このため、第1プロテクタ31および第2プロテクタ32も、ロータディスク20の回転方向において互いに対向している。また打撃板40は、その両長手側面が一対のプロテクタ31,32によって挟持されるようになっている。打撃板40の両長手側面のうち、第1プロテクタ31側に位置する側面を第1側面41と称し、第2プロテクタ32側に位置する側面を第2側面42と称する。
各プロテクタ31,32を溝21の各側面22,23に取り付けるための方法が特に限られることはない。例えば図3Aに示すように、各側面22,23には凸部22a,23aがそれぞれ形成されており、また各プロテクタ31,32には凹部31a,32aがそれぞれ形成されていてもよい。この場合、各プロテクタ31,32の凹部31a,32aに各側面22,23の凸部22a,23aをはめ込むことにより、各プロテクタ31,32を溝21の各側面22,23に取り付けることができる。
図3Aおよび図4Aに示すように、各プロテクタ31,32は、主軸18の軸方向に沿って延びる第1のプロテクタ側突起33と、第1のプロテクタ側突起33よりも軸心側に設けられ、主軸18の軸方向に沿って延びる軸心側突起34と、を有している。なお本明細書において「軸心側」とは、主軸18に近接する側を意味している。すなわち「軸心側突起34が第1のプロテクタ側突起33よりも軸心側に設けられている」とは、軸心側突起34が、第1のプロテクタ側突起33よりも主軸18に近接する場所に設けられていることを意味している。第1プロテクタ31の第1のプロテクタ側突起33および軸心側突起34と、第2プロテクタ32の第1のプロテクタ側突起33および軸心側突起34とは、主軸18の軸方向においてほぼ同一の範囲にわたって延びている。すなわち第1プロテクタ31および第2プロテクタ32は、ほぼ対称的な形状を有している。
また図3Aおよび図4Aに示すように、打撃板40の両長手側面41,42には、打撃板40の軸心側の端部40aの近傍に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる第1の打撃板側突起43と、第1の打撃板側突起43よりも外周側に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる第2の打撃板側突起44と、が設けられている。ここで、「軸心側の端部40a」とは、主軸18から打撃板40に向かう方向における打撃板40の2つの端部のうち主軸18側に位置する端部を意味している。また後述するように、打撃板40の2つの端部のうち主軸18からの距離がより大きい場所に位置する端部を、「外周側の端部40b」と称することもある。また、「軸心側の端部40aの近傍」とは、打撃板40の使用率を可能な限り高くすることができるような位置に第1の打撃板側突起43が設けられていることを意味している。例えば、ロータディスク20の半径方向における、第1の打撃板側突起43から打撃板40の軸心側の端部40aまでの距離は、ロータディスク20の半径方向における新品の打撃板40の長さの1/3以下になっている。また本明細書において「外周側」とは、主軸18から遠ざかる側を意味している。すなわち「第2の打撃板側突起44が第1の打撃板側突起43よりも外周側に位置している」とは、第2の打撃板側突起44が第1の打撃板側突起43よりも、主軸18から遠く離れた場所に位置していることを意味している。
次に、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起および打撃板40の打撃板側突起について、その作用又は機能を説明する。本明細書において、「プロテクタ側突起」とは、ロータディスク20の回転に起因して打撃板40に遠心力が作用しているときに打撃板40の打撃板側突起に外周側から当接するよう、各プロテクタ31,32に設けられている突起のことである。また「打撃板側突起」とは、ロータディスク20の回転に起因して打撃板40に遠心力が作用しているときに各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起に軸心側から当接するよう、打撃板40の両長手側面41,42に設けられている突起のことである。これら「プロテクタ側突起」および「打撃板側突起」を設けることにより、ロータディスク20が回転しているときに打撃板40が外周側に飛び出すことを防ぐことができ、また打撃板40の位置を定めることができる。ロータディスク20の半径方向において互いに係合可能である限りにおいて、プロテクタ側突起および打撃板側突起の具体的な構造は特に限られないが、例えばプロテクタ側突起および打撃板側突起はいずれも台形状の形状を有している。
次に、各プロテクタ31,32の軸心側突起について、その作用又は機能を説明する。ロータディスク20の回転に起因して打撃板40に遠心力が作用している間は、打撃板40の打撃板側突起は上述のように各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起に当接する。一方、ロータディスク20が回転していない間は、打撃板40に遠心力が作用しないので、打撃板40のうち主軸18よりも上方に位置する打撃板40には、重力に起因する、軸心側へ向かう力が作用する。このような打撃板40の打撃板側突起に対して、各プロテクタ31,32の軸心側突起は、軸心側から当接することができる。このため、ロータディスク20が回転していない間に重力によって打撃板40が一対のプロテクタ31,32から外れて溝21の底面へ落下してしまうことを防ぐことができる。
次に、本実施の形態による打撃板40の各打撃板側突起43,44の特徴についてさらに説明する。破砕機10における所望の破砕効率を常に確保するためには、打撃板40における最低限必要な突き出し長さ(以下、「限界突き出し長さ」とも称する)を常に維持する必要がある。ここで本実施の形態において、打撃板40は、打撃板40が摩耗して打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さに達した時に突き出し長さを回復させるため、打撃板40を外周側に繰り出すことができるように構成されている。具体的には、本実施の形態において、第1の打撃板側突起43は、各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所、および、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所のいずれにも配置され得るよう構成されている。また、打撃板40の第2の打撃板側突起44は、第1の打撃板側突起43が各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置されるとき、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所に配置され得るよう、構成されている。この場合、打撃板40の交換当初は、第1の打撃板側突起43を各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置する。その後、打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さに達した時に、第1の打撃板側突起43が各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所に配置されるように打撃板40を繰り出す。これによって、打撃板40の突き出し長さを回復させることができる。
第1の打撃板側突起43および第2の打撃板側突起44は、打撃板40を一段階繰り出すことによって、打撃板40の外周側の端部40bが、新品の時の打撃板40の外周側の端部40bが存在していた位置とほぼ同一の位置に至るようになるよう、構成されていてもよい。例えば、第1の打撃板側突起43と第2の打撃板側突起44の間の間隔が、新品の打撃板40が限界突き出し長さに達するまでの摩耗長さとほぼ等しくなっていてもよい。
なお破砕機10は、打撃板40から衝突板15までの距離を微調整することができるよう構成されていてもよい。例えば衝突板15は、ロータディスク20の半径方向に沿って移動可能であるよう構成されていてもよい。この場合、第1の打撃板側突起43と第2の打撃板側突起44の間の間隔が、新品の打撃板40が限界突き出し長さに達するまでの摩耗長さと等しくなっていない場合であっても、打撃板40の繰り出しと、衝突板15の位置の微調整とを組み合わせることにより、打撃板40の外周側の端部40bと衝突板15との間の距離を、新品の時の打撃板40が用いられていた場合とほぼ同一にすることができる。このような衝突板15の位置の微調整は、打撃板40における摩耗の進行に合わせて実施されてもよい。
図3Aに示すように、打撃板40の両長手側面41,42には、第2の打撃板側突起44よりも外周側に位置し、主軸18の軸方向に沿って延び、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33よりも外周側に配置される外周側突起45がさらに設けられていてもよい。
なお上述の打撃板側突起は、遠心力に対応する力を各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起から受けるものであるため、打撃板側突起には所定の強度が求められる。これに対して、外周側突起にそのような大きな力が作用することはない。一方、打撃板側突起43,44および外周側突起45は通常、同一の材料から一体的に構成されている。すなわち打撃板側突起43,44と外周側突起45とは同一の硬度を有している。また通常は、打撃板40を構成する材料は、プロテクタ31,32を構成する材料よりも高い硬度を有している。すなわち、プロテクタ31,32は打撃板40よりも脆くなっている。ここで本実施の形態によれば、プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33よりも外周側に打撃板40の外周側突起45が配置される。このため、破砕機10の動作時に対象物13の破砕片などが各プロテクタ31,32に衝突して各プロテクタ31,32が損傷することを防ぐという機能を外周側突起45が果たすことができる。外周側突起45の高さが特に限られることはなく、その機能に応じて適宜設定される。なお各プロテクタ31,32のうち打撃板40の外周側突起45に対応する部分には、外周側突起45を受け入れるための切り欠き35が形成されていてもよい。
なお図3Bに示すように、各プロテクタ31,32は、軸心側突起34よりも軸心側に位置する軸心側突起34’をさらに有していてもよい。軸心側突起34’は、打撃板40の第1の打撃板側突起43が各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側に配置されているときであって、破砕機10が動作していないときに、第1の打撃板側突起43に軸心側から当接することができる。図4A〜図6(a)〜(d)においては、軸心側突起34’が各プロテクタ31,32に設けられている場合の例が示されている。
なお図4Aにおいて一点鎖線で示されているように、複数のロータディスク20のうち端に位置しているロータディスク20の各プロテクタ31,32には、主軸18の軸方向における打撃板40の変位を防止するための変位防止機構37が設けられていてもよい。変位防止機構37の具体的な構成は特には限られないが、例えば変位防止機構37は、主軸18に水平な方向において各プロテクタ31,32から突出した突出片37aと、突出片37aに形成された孔37bと、を含んでいてもよい。この場合、孔37bに棒状の支持体などを貫通させることによって、主軸18の軸方向における打撃板40の変位を防止することができる。
図4Bは、主軸18の軸方向における打撃板40の変位が変位防止機構37によって防がれている様子を示す図である。図4において、主軸18の軸方向は、紙面に直交する方向である。図4Bに示すように、突出片37aの孔37bには棒状の支持体37cが挿入されている。また打撃板40の表面には穴40cが形成されており、支持体37cはこの穴40cと嵌合している。このため、主軸18の軸方向における打撃板40の変位を防ぐことが可能である。なお支持体37cが打撃板40の穴40cから抜けてしまうことを防ぐため、図4Bに示すように、支持体37cに孔37eが形成され、この孔37eに固定ピン37dが挿入されていてもよい。支持体37cの孔37eは、支持体37cが打撃板40の穴40cと嵌合しているときに突出片37aの孔37bよりも打撃板40側に位置する部分に形成されている。また固定ピン37dは、支持体37cの孔37eから抜けないよう構成されており、例えば割ピンとして構成されている。
次に、上述の破砕機10を用いて、岩石などの対象物を破砕する際の作用について、図5A(a)〜(d)を参照して説明する。
(破砕方法)
はじめに、各ロータディスク20に新品の打撃板40を、一対のプロテクタ31,32を介して固定する。図5A(a)は、一対のプロテクタ31,32によって挟持された新品の打撃板40を示す図である。図5A(a)に示すように、打撃板40は、第1の打撃板側突起43が軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置され、第2の打撃板側突起44が第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所に配置されるよう、一対のプロテクタ31,32によって挟持されている。図5A(a)に示すように、新品の打撃板40の外周側の端部40bはハンマー状の形状を有していてもよい。
次に、ロータディスク20を反時計回りに回転させる。その後、岩石などの対象物13を投入口12から投入する。投入された対象物13は、回転する打撃板40の第1側面41に衝突し、その後、衝突板15やライナー16に打ち付けられる。このような破砕工程を所定時間にわたって実施すると、打撃板40の外周側の端部40bが、第1側面41側において摩耗していく。一方、第2側面42はほとんど対象物13に衝突しないため、第2側面42側はほとんど摩耗されていない状態で残っている。この場合、打撃板40の第2側面42を利用するため、ロータディスク20の回転方向を反転させてもよい。すなわち、一定時間経過後に、ロータディスク20を時計回りに回転させるようにしてもよい。これによって、打撃板40の第1側面41および第2側面42の両方を使用し尽くすことができる。なお図5A(a)に示す状態の時には、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と打撃板40の第2の打撃板側突起44とが当接することによって、ロータディスク20の回転時に打撃板40が外周側に飛び出すことが防がれている。
ロータディスク20の回転方向を反転させてから一定時間経過すると、打撃板40の外周側の端部40bが第2側面42側においても摩耗し、この結果、図5A(b)に示すように、打撃板40の突き出し長さが限界突き出し長さLに到達する。この場合、破砕機10の破砕効率を確保するため、図5A(c)に示すように、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出す。すなわち、打撃板40の第1の打撃板側突起43が各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間に配置されるようにする。ここで「一段階」とは、打撃板40に設けられている複数の打撃板側突起の配列ピッチに相当する距離を意味している。これによって、打撃板40の突き出し長さを限界突き出し長さLよりも大きくすることができる。なお図5A(c)に示す状態のときには、打撃板40の第2の打撃板側突起44が、各プロテクタ31,32を保護するための保護用突起として機能することができる。打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すための具体的な方法については、後に詳細に説明する。なお図5A(c)に示す状態の時には、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と打撃板40の第1の打撃板側突起43とが当接することによって、ロータディスク20の回転時に打撃板40が外周側に飛び出すことが防がれている。
その後、破砕工程を所定時間にわたって再び実施する。この際、図5A(b)に示す場合と同様に、ロータディスク20を反時計回りおよび時計回りの両方で回転させ、これによって、打撃板40の第1側面41および第2側面42の両方を利用し尽くすようにしてもよい。図5A(d)に示すように、打撃板40の突き出し長さが再び限界突き出し長さLに到達すると、打撃板40の交換を実施する。
(打撃板の移動方法)
次に、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すための方法について、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
なお図6(a)においては、1つのロータディスク20に取り付けられている各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と、当該1つのロータディスク20に隣り合う他のロータディスク20に取り付けられている各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33との間の、主軸18の軸方向における隙間が、符号Pで表されている。また、打撃板40の各突起43,44,45の、主軸18の軸方向における長さが、符号Wで表されている。本実施の形態においては、隙間Pが長さWよりも大きくなるよう、各プロテクタ31,32および打撃板40が構成されている。
打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出す工程においては、主軸18の軸方向において打撃板40が固定されている場合、そのような固定をまずは解除する。例えば上述の変位防止機構37が設けられている場合、はじめに固定ピン37dを支持体37cから引き抜き、次に支持体37cを打撃板40の穴40cから引き抜く。これによって、主軸18の軸方向において打撃板40を移動させることが可能になる。
その後、チェーンブロックやホイストクレーンなどの吊り上げ手段を用いることによって、打撃板40が各プロテクタ31,32から浮いている状態を実現する。次に図6(b)に示すように、主軸18の軸方向において、打撃板40を、ロータディスクの半径方向に沿って見た場合に打撃板40の各突起43,44,45と各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33とが重ならないようになる場所まで、移動させる。移動距離は、一般には、打撃板40の各突起43,44,45の長さから各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33の長さを引いた値を2で割った値に、第1のプロテクタ側突起33の長さの値を足すことによって得られる値になる。その後、図6(c)に示すように、吊り上げ手段を用いて打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出す。次に図6(d)に示すように、主軸18の軸方向において、打撃板40を、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間に打撃板40の第1の打撃板側突起43が配置されるようになるまで、移動させる。
その後、変位防止機構37の支持体37cを打撃板40の穴40cと嵌合させ、また支持体37cの孔37eに固定ピン37dを挿入する。これによって、主軸18の軸方向において打撃板40を固定する。
このようにして、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すことができる。
本実施の形態によれば、上述のように、主軸18の軸方向において隣接する2つのプロテクタ側突起間の隙間Pが、主軸18の軸方向における打撃板40の打撃板側突起の長さWよりも大きくなるよう、各プロテクタ31,32および打撃板40が構成されている。このため、主軸18の軸方向において打撃板40を移動させることにより、ロータディスク20の半径方向における、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起と打撃板40の打撃板側突起との間の係合を、各プロテクタ31,32を移動させることなく、かつ、打撃板40の厚み方向において打撃板40を移動させることなく、解除することができる。このことにより、打撃板40を外周側に一段階繰り出す作業を容易に実施することができる。
また本実施の形態によれば、上述のように、打撃板40を外周側に一段階だけ繰り出すことによって、打撃板40の突き出し長さを回復させることができる。この場合、必要な作業は、打撃板40を主軸18の軸方向に沿って移動させる作業、および、打撃板40を外周側に移動させる作業である。これらの作業は、打撃板40が吊り上げ手段によって吊り上げられている状態で容易に実施可能である。このため、短い時間で打撃板40の突き出し長さを容易に回復させることができる。
また本実施の形態によれば、上述のように一対のプロテクタ31,32によって打撃板40が支持されている。すなわち、ロータディスク20の円周方向において互いに対向する打撃板40の側面41,42がそれぞれ、プロテクタ31,32によって支持されている。このため、ロータディスク20を反時計回りに回転させる場合および時計回りに回転させる場合のいずれにおいても、打撃板40が岩石などから受ける反力を、各プロテクタ31,32によって受け止めることができる。従って、ロータディスク20を両方向に回転させることができる。このことにより、打撃板40を取り外すことなく、打撃板40の両方の側面41,42を利用することができる。
なお上述の本実施の形態においては、打撃板40の第2側面42を利用するため、ロータディスク20の回転方向を反転させる例について説明した。しかしながら、打撃板40の第2側面42を利用するための方法がこれに限られることはない。例えば打撃板40の外周側の端部40bが第1側面41側において摩耗した後、打撃板40の表裏を反転させてもよい。この場合、ロータディスク20が常に一方向、例えば反時計回りに回転している場合であっても、打撃板40の第1側面41および第2側面42の両方を使用し尽くすことができる。また本実施の形態によれば、上述のように、主軸18の軸方向における打撃板40の打撃板側突起の長さWの分だけ打撃板40を軸方向に移動させることにより、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起と打撃板40の打撃板側突起との間の係合を解除することができる。このため、打撃板40の表裏を反転させる作業を容易に実施することができる。
第2の実施の形態
次に図7および図8(a)〜(d)を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
上述の第1の実施の形態においては、打撃板40に複数の打撃板側突起が設けられており、これによって、打撃板40を一段階外周側に繰り出すことが実現されている例を示した。一方、本実施の形態においては、各プロテクタ31,32に複数のプロテクタ側突起を形成することによって、打撃板40を一段階外周側に繰り出すことを実現している。例えば図7に示すように、本実施の形態において、各プロテクタ31,32は、主軸18の軸方向に沿って延びる第1のプロテクタ側突起33と、第1のプロテクタ側突起33よりも外周側に設けられ、主軸18の軸方向に沿って延びる第2のプロテクタ側突起36と、第1のプロテクタ側突起33よりも軸心側に設けられ、主軸18の軸方向に沿って延びる軸心側突起34と、を有している。また打撃板40の両長手側面41,42には、打撃板40の軸心側の端部40aの近傍に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる第1の打撃板側突起43が設けられている。この場合、打撃板40の第1の打撃板側突起43は、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間の場所、および、各プロテクタ31,32の第2のプロテクタ側突起36と第1のプロテクタ側突起33との間の場所のいずれにも配置され得るよう構成されている。
本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、図8(a)に示すように、主軸18の軸方向において隣接する2つのプロテクタ側突起33,36間の隙間Pがいずれも、主軸18の軸方向における打撃板40の打撃板側突起43の長さWよりも大きくなるよう、各プロテクタ31,32および打撃板40が構成されている。このため図8(b)〜(d)に示すように、主軸18の軸方向において打撃板40を移動させることにより、ロータディスク20の半径方向における、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起と打撃板40の打撃板側突起との間の係合を、各プロテクタ31,32を移動させることなく、かつ、打撃板40の厚み方向において打撃板40を移動させることなく、解除することができる。このことにより、打撃板40を外周側に一段階繰り出す作業を容易に実施することができる。なお図8(b)〜(d)においては、図が煩雑になるのを防ぐため、プロテクタ側突起33,36および軸心側突起34を省略している。
第3の実施の形態
次に図9および図10(a)〜(d)を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
上述の第1または第2の実施の形態においては、打撃板40の打撃板側突起または各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起が二段にわたって設けられている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、打撃板40の打撃板側突起または各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起が三段以上にわたって設けられていてもよい。
例えば図9に示すように、本実施の形態において、打撃板40の両長手側面41,42には、第2の打撃板側突起44よりも外周側に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる第3の打撃板側突起46がさらに設けられている。この場合、打撃板40の第3の打撃板側突起46は、第2の打撃板側突起44が各プロテクタ31,32の軸心側突起34よりも軸心側の場所に配置されるとき、各プロテクタ31,32の第1のプロテクタ側突起33と軸心側突起34との間に配置され得るよう、構成されている。
打撃板40の各打撃板側突起43,44,46は、ロータディスク20の半径方向において一定の配列ピッチで設けられていてもよい。これによって、ロータディスク20の半径方向における打撃板40の繰り出し長さを各段階において一定にすることができる。
本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態の場合と同様に、図10(a)に示すように、主軸18の軸方向において隣接する2つのプロテクタ側突起33間の隙間Pが、主軸18の軸方向における打撃板40の各打撃板側突起43,44,46の長さWよりも大きくなるよう、各プロテクタ31,32および打撃板40が構成されている。このため図10(b)〜(d)に示すように、主軸18の軸方向において打撃板40を移動させることにより、ロータディスク20の半径方向における、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起と打撃板40の打撃板側突起との間の係合を、各プロテクタ31,32を移動させることなく、かつ、打撃板40の厚み方向において打撃板40を移動させることなく、解除することができる。このことにより、打撃板40を外周側に一段階繰り出す作業を容易に実施することができる。なお図10(b)〜(d)においては、図が煩雑になるのを防ぐため、プロテクタ側突起33および軸心側突起34を省略している。
なお図示はしないが、各プロテクタ31,32には、第2のプロテクタ側突起36よりも外周側に位置し、主軸18の軸方向に沿って延びる1つまたは2つ以上のプロテクタ側突起がさらに設けられていてもよい。この場合も、主軸18の軸方向において隣接する2つのプロテクタ側突起の間の隙間を、主軸18の軸方向における打撃板40の打撃板側突起の長さよりも大きくすることにより、打撃板40を外周側に一段階繰り出す作業を容易に実施することができるようになる。
(その他の変形例)
また上述の各実施の形態においては、打撃板40および各プロテクタ31,32が、打撃板40を外周側に繰り出すことによって打撃板40の突き出し長さを回復することができるよう構成されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、打撃板40および各プロテクタ31,32は、打撃板40の上下を反転させることによって打撃板40の突き出し長さを回復することができるよう構成されていてもよい。この場合も、上述の各実施の形態の場合と同様に、主軸18の軸方向において隣接する2つのプロテクタ側突起間の隙間がいずれも、主軸18の軸方向における打撃板40の打撃板側突起の長さWよりも大きくなるよう、各プロテクタ31,32および打撃板40が構成されている。このため、主軸18の軸方向において打撃板40を移動させることにより、ロータディスク20の半径方向における、各プロテクタ31,32のプロテクタ側突起と打撃板40の打撃板側突起との間の係合を、各プロテクタ31,32を移動させることなく、かつ、打撃板40の厚み方向において打撃板40を移動させることなく、解除することができる。このことにより、打撃板40を外周側に移動させて打撃板40を外部に取り出し、そして打撃板40の上下を反転させるという作業を、容易に実施することができる。
10 破砕機
18 主軸
20 ロータディスク
21 溝
31 第1プロテクタ
32 第2プロテクタ
33 第1のプロテクタ側突起
34 軸心側突起
36 第2のプロテクタ側突起
37 変位防止機構
40 打撃板
43 第1の打撃板側突起
44 第2の打撃板側突起
45 外周側突起
46 第3の打撃板側突起

Claims (3)

  1. 対象物を破砕する破砕機であって、
    主軸と、
    前記主軸に固定され、前記主軸を回転軸として回転する複数のロータディスクであって、その外周に複数の溝が形成されている、複数のロータディスクと、
    前記ロータディスクの前記溝に取り付けられ、互いに対向する一対のプロテクタと、
    前記対象物に衝突する打撃板であって、その両長手側面が前記一対のプロテクタによって挟持される、打撃板と、を備え、
    前記一対のプロテクタは各々、前記主軸の軸方向に沿って延びる少なくとも1つのプロテクタ側突起と、前記プロテクタ側突起よりも軸心側に設けられ、前記主軸の軸方向に沿って延びる軸心側突起と、を有し、
    前記打撃板の両長手側面には、前記主軸の軸方向に沿って延び、前記プロテクタの前記プロテクタ側突起と前記軸心側突起との間の場所に配置され得る少なくとも1つの打撃板側突起が設けられており、
    前記主軸には、前記主軸の軸方向に沿って複数の前記ロータディスクが固定されており、
    各ロータディスクの前記溝には、前記一対のプロテクタが取り付けられており、
    前記主軸の軸方向における前記打撃板の前記打撃板側突起のうち前記プロテクタ側突起よりも軸心側に位置する全ての前記打撃板側突起の長さは、1つのロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの前記プロテクタ側突起と、前記1つのロータディスクに隣り合う他のロータディスクに取り付けられている前記プロテクタの前記プロテクタ側突起との間の、前記主軸の軸方向における隙間よりも小さくなっており、このため、前記打撃板を前記主軸の軸方向において移動させることにより、前記ロータディスクの半径方向における前記打撃板と前記プロテクタとの間の係合を、前記一対のプロテクタを移動させることなく解除することができる、破砕機。
  2. 前記プロテクタには、前記主軸の軸方向において前記打撃板が変位することを防止するための変位防止機構が設けられている、請求項1に記載の破砕機。
  3. 前記変位防止機構は、前記主軸に水平な方向において前記プロテクタから突出した突出片と、前記突出片に形成された孔と、前記孔に挿入される棒状の支持体と、を含み、
    前記打撃板の表面には、前記変位防止機構の前記支持体が挿入される穴が形成されている、請求項2に記載の破砕機。
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