JP6252990B2 - 光学物品の製造に用いられる型の製造方法及びこの型を用いた光学物品の製造装置 - Google Patents

光学物品の製造に用いられる型の製造方法及びこの型を用いた光学物品の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6252990B2
JP6252990B2 JP2014503885A JP2014503885A JP6252990B2 JP 6252990 B2 JP6252990 B2 JP 6252990B2 JP 2014503885 A JP2014503885 A JP 2014503885A JP 2014503885 A JP2014503885 A JP 2014503885A JP 6252990 B2 JP6252990 B2 JP 6252990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
marking
convex
manufacturing
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014503885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014104308A1 (ja
Inventor
広志 尾野本
広志 尾野本
志茉 中西
志茉 中西
秀樹 河内
秀樹 河内
哲哉 地紙
哲哉 地紙
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JPWO2014104308A1 publication Critical patent/JPWO2014104308A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6252990B2 publication Critical patent/JP6252990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/11Anti-reflection coatings
    • G02B1/118Anti-reflection coatings having sub-optical wavelength surface structures designed to provide an enhanced transmittance, e.g. moth-eye structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/42Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the shape of the moulding surface, e.g. ribs or grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/02Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing
    • B29C59/04Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing using rollers or endless belts
    • B29C59/046Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing using rollers or endless belts for layered or coated substantially flat surfaces
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/18Coatings for keeping optical surfaces clean, e.g. hydrophobic or photo-catalytic films
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C59/00Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor
    • B29C59/02Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing
    • B29C59/022Surface shaping of articles, e.g. embossing; Apparatus therefor by mechanical means, e.g. pressing characterised by the disposition or the configuration, e.g. dimensions, of the embossments or the shaping tools therefor
    • B29C2059/023Microembossing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2905/00Use of metals, their alloys or their compounds, as mould material
    • B29K2905/02Aluminium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2011/00Optical elements, e.g. lenses, prisms

Description

本発明は光学物品、光学物品の製造に用いられる型及び型の製造方法に係り、特に、微細凹凸転写用型の製造方法およびその型、その型を用いて作製した反射防止フィルムに関する。
光学物品の表面に微細凹凸構造を形成する方法として、ロール状モールド(型)の周囲に長尺状の基材を配置し、ロール状モールドと基材との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填し、基材越しに活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させ、硬化樹脂層と基材とをロール状モールドから剥離して、連続的に成形体を製造する方法が行われている。
このようにして連続的に製造された成形体は、用いられる製品仕様に従って所定の形状に切断または抜き加工される場合がある。しかし、製造された成形体は、要求特性を満たさない欠陥箇所を含む場合がある。このような欠陥個所を避けて、所定の形状に切断または抜き加工を行うため、成形体にマーキングを施し、欠陥箇所を容易に識別・除去できるようにすることが一般的に行われている。
成形体に欠陥個所などをマーキングする方法としては、フィルムに直接マーキングする方法と、モールド(型)上にマーキングを形成し、これを成形体に転写することでマーキングする方法とがある。
特許文献1には、シート状製品の欠陥箇所に直接ペンによるマーキングを施すことができる欠陥マーキング装置が開示されている。また、特許文献2には、シート状製品の欠陥部分の近傍の、該欠陥部分の幅方向の両端にマーキング用の傷をつける欠陥マーキング方法が開示されている。
また、成形体上に転写された欠陥の位置が、モールド上のどの位置に相当するかを特定するために、あらかじめロール状モールドの周辺部に傷をつけてマーキングを施し、欠陥個所とマーキングとの位置とを比較することで、モールド上の欠陥個所を特定する方法が行われている。特許文献3には、モールドの端にマーキングを施し、フィルム上にモールドの外周に対応した周期のマーキングを転写する方法が開示されており、特許文献4および5には製造した板やフィルムの検査方法が開示されている。
特開平9−304295号公報 特開2002−303580号公報 特開2011−220967号公報 特開2011−226957号公報 特開2012−26863号公報
近年、微細加工技術の進歩により、成形体の表面にナノスケールの微細凹凸構造を付与することが可能となった。ナノスケールの微細凹凸構造は、例えばモスアイ効果と呼ばれる反射防止機能や、ロータス効果と呼ばれる撥水機能のように、構造由来の機能が発現することから、ナノスケールの微細凹凸構造の産業上の利用が盛んに図られている。
ナノスケールの微細凹凸構造が付与されたロール状モールドを用いて連続的に製造された成形体は、用いられる製品仕様に従って所定の形状に切断または抜き加工される場合があることから、成形体にマーキングを施し、欠陥箇所を容易に識別・除去できるようにすることが好ましい。
しかし、本発明者らが検討した結果、微細凹凸構造を表面に付与された成形体は、ロータス効果と呼ばれる撥水機能等を有するため、特許文献1に開示されたようなペンによるマーキングがしにくい、またはマーキングが消えやすい場合があることが分かった。また、マーキングを施した後工程で、成形体を薬剤処理などする場合には、マーキングが滲んだり消えてしまう場合があった。
また、上記特許文献2に記載の欠陥マーキング法は、インクによるマーキングではなく、フィルムに傷をつける方法である。このような方法であれば、後工程においてマーキングが消失しないが、フィルムに傷をつける際にナノスケールの微細凹凸構造よりも非常に大きな凹凸が形成されるために、フィルムを一旦ロール状に巻き取った場合に傷が他の箇所に転写されてしまう場合がある、傷の部分に重ねて巻き取られた部分の微細凹凸構造が傷により変形してしまう場合がある、などの問題があった。
また、特許文献3に記載されているようにモールドに傷をつける方法では、成形体をロール状に巻き取った際に、マーキング部分と重なった位置に打痕のような欠陥が発生することを見出した。特許文献3に記載されているようなモールドに傷をつける方法によると、成形体上には傷に対応した凸部が形成される。このようにして形成された凸部は、表面に形成されたナノスケールの微細凹凸構造と比較して非常に大きい。このような凸部を有する成形体を巻き取ると、この凸部に重なる部分に形成された微細凹凸構造が変形され、さらに欠陥を生じることが分かった。
さらに、表面にナノスケールの微細凹凸構造が形成された成形体は、特に反射防止性能や透明性に優れることから、上述した打痕のような欠陥が容易に認識され易く、製品の歩留りが大きく低下してしまうことが判明した。
このような欠陥が発生することを防止するためには、ナノスケールの微細凹凸構造よりも小さな傷を付ければよいと考えられるが、このような傷を簡便に作成することは難しく、また作成した傷を検査機で検出することも困難である。
さらに、成形体をロール状に巻き取り、微小な傷の上に何重にも成形体が重ねられると、巻きジワが発生してしまう場合があり、巻きジワの部分に形成されたナノスケールの微細凹凸構造が変形してしまうなどの問題が発生する場合があった。
本発明の発明者が鋭意検討した結果、フィルムを巻取った場合にも打痕が生じないようなマーキングが施された微細凹凸転写用のモールド(型)を容易に製造する方法を見出し、本発明を成すに至ったものである。
本発明によれば、表面に周期が可視光の波長以下である複数の凸部と、隣接する該凸部の間に形成された複数の凹部とを有する、光学物品の製造に用いられる型であって、前記型は、前記光学物品の凸部および凹部と相補的な寸法形状を有する凹部および凸部が設けられた転写領域を有し、前記転写領域には、マーキング部が設けられ、該マーキング部は前記凸部の高さが転写領域の他の部分の凸部の高さよりも低いことを特徴とする、光学物品の製造に用いられる型が提供される。
このような型を用いて製造された成形体は、ナノスケールの微細凹凸構造の凸部が略同一の高さとなるために、成形体をロール状に巻き取った場合にも、巻きジワの発生を抑制でき、微細凹凸構造が変形されてしまうことを防止することができる。一方、成形体上のマーキング部は、凹部の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高い(すなわち、凹部の深さが他の凹部が形成された領域の凹部の深さよりも浅い)ために光の反射率や透明性が変化するので、容易にマーキング部を識別することができる。
本発明の一態様においては、前記型はアルミニウムを陽極酸化することで製造されたポーラスアルミナ型であり、前記マーキング部は、前記ポーラスアルミナ型を溶解可能なエッチング液と接触させることで形成されることを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング部は、文字、幾何学形状、幾何学模様、識別記号の少なくとも一つを含む表面形状であることを特徴とする。また、本発明の一態様においては、前記型は外形がロール形状であることを特徴とする。
また、本発明によれば、表面に周期が可視光の波長以下である複数の凸部と、隣接する該凸部の間に形成された複数の凹部と、を有する光学物品であって、該光学物品はマーキング部を有し、前記凹部の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高いことを特徴とする光学物品が提供される。
本発明の一態様においては、前記マーキング部は、文字、数字、幾何学形状、幾何学模様、識別記号の少なくとも一つを含む表面形状を有していることを特徴とする。
また、本発明によれば、表面に周期が可視光の波長以下である複数の凸部と、隣接する該凸部の間に形成された複数の凹部とを有する型の製造方法であって、前記型の表面に、前記凸部および前記凹部を形成する凹凸形成工程と、前記凸部および前記凹部が形成された領域の一部分を、前記型を溶解する液体と接触させ、前記凸部の高さを前記凹凸形成工程で形成された凸部の高さよりも低くするマーキング工程とを有することを特徴とする、型の製造方法が提供される。
本発明の一態様においては、前記凹凸形成工程は、アルミニウム母材を陽極酸化し、前記アルミニウム母材の表面に微細凹構造を形成する陽極酸化処理、および前記微細凹構造をエッチング液と接触させ、前記微細凹構造の口径を拡大する拡大処理を含むことを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング工程で用いられる液体と、前記拡大処理に用いられるエッチング液とが同一の組成であることを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング工程で用いられる液体と前記エッチング液とが、リン酸を含むことを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング工程で用いられる液体の、20℃における粘度が0.5〜5000cPであることを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング工程で用いられる液体の、20℃における粘度が1〜1500cPであることを特徴とする。
本発明の一態様においては、前記マーキング工程は、前記液体が付着された部材と前記型とを接触させるものであることを特徴とする。
また、本発明の一態様においては、表面に周期が可視光の波長以下である複数の凸部と、隣接する該凸部の間に形成された複数の凹部とを有する型の製造方法であって、前記型の表面に、前記凸部および前記凹部を形成する凹凸形成工程と、前記凸部および前記凹部が形成された領域の一部分を、前記型を溶解する液体と接触させ、前記凸部の高さを前記凹凸形成工程で形成された凸部の高さよりも低くするマーキング工程とを有することを特徴とする、型の製造方法により製造された、表面に微細凹凸構造を有するロール状モールドの表面の微細凹凸構造を、ロール状モールドの回転に同期してロール状モールドの表面の一部に沿って移動する帯状のフィルム本体の表面に転写して微細凹凸構造を表面に有するフィルムを得、前記フィルムを巻取りロールで巻取ることを特徴とする、微細凹凸構造を表面に有するフィルムの製造装置が提供される。
本発明によると、容易に金型にマーキングすることが可能であり、成形体をロール状に巻いた時にも打痕が生じない。また成形体上のマーキング位置から金型由来の欠陥位置を相対的に把握することが可能である。
金型由来の欠陥には小さいものも含まれ、賦形後の検査で見つけられないものもあるが、本発明によると、賦形前の金型自身の欠陥検査時にマーキング位置からの相対的な欠陥位置を把握することが可能である。さらに製品仕様に従って切断するときの歩留まり向上につながる。
モールド(型)の製造方法の概略を示す断面図。 成形体の製造装置を示す概略図。 マーキング部を有する型及びこの型により製造された成形体を示す概略断面図。 マーキング溶液の接触方法を示す概略図。 マーキング部を有する型により製造された成形体を示す概略図。
本明細書において、「細孔」とは、アルミニウム基材の表面の酸化皮膜に形成された微細凹凸構造の凹部のことをいう。
また、「細孔の間隔」とは、隣接する細孔同士の中心間距離を意味する。
また、「突起」とは、成形体の表面に形成された微細凹凸構造の凸部のことをいう。
また、「微細凹凸構造」は、隣接する凸部および隣接する凹部の平均間隔が10〜400nmである構造を意味する。
また、「凸部の高さ」は、型や成形体の表面に形成された微細凹凸構造の凹部の最深部同士をつなぐ面を基準とした、凸部の頂部の高さを意味する。例えば、図3においてh1やh2が凸部の高さを示している。
また、「凹部の高さ」は、型や成形体の表面に形成された微細凹凸構造の凹部の最深部同士をつなぐ面を基準とした、凹部の底部の高さを意味する。例えば、図3においてh0や、h0’、h3が凹部の高さを示している。
また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
また、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
<モールド(型)の製造方法>
モールド(型)に微細凹凸構造を形成する方法は特に限定されないが、その具体例としては、電子ビームリソグラフィー法、レーザー光干渉法などが挙げられる。例えば、適当な支持基板上に適当なフォトレジスト膜を塗布し、紫外線レーザー、電子線、X線等の光で露光し、現像することによって微細凹凸構造を形成した型を得て、この型をそのままマザーモールドとして使用することもできる。また、フォトレジスト層を介して支持基板をドライエッチングにより選択的にエッチングし、前記レジスト層を除去することで支持基板そのものに直接微細凹凸構造を形成することも可能である。
また、陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして利用することも可能である。陽極酸化ポーラスアルミナとしては、例えば、アルミニウムをシュウ酸、硫酸、リン酸等を電解液として所定の電圧にて陽極酸化することにより形成される微細凹凸構造をモールドとして利用してもよい。以下に、陽極酸化ポーラスアルミナをモールドとして利用する場合の具体例を説明する。
本発明の一実施形態によれば、モールドの製造方法は、下記の工程(a)〜工程(f)を有する。
(a)機械加工されたアルミニウム基材に電圧を印加し、前記アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化皮膜を形成する工程。
(b)前記工程(a)で形成された酸化皮膜の少なくとも一部を除去する工程。
(c)前記工程(b)または下記工程(d)の後、アルミニウム基材を陽極酸化して、複数の細孔を有する酸化皮膜を形成する工程。
(d)前記工程(c)の後、細孔の孔径を拡大する工程。
(e)前記工程(c)と前記工程(d)とを交互に繰り返す工程。
(f)酸化皮膜の一部を溶解し、モールド上にマーキング部を形成する工程。
(工程(a))
工程(a)は、機械加工されたアルミニウム基材に電圧を印加し、前記アルミニウム基材の表面を陽極酸化して酸化皮膜を形成する第一の酸化皮膜形成工程である。
工程(a)を行うと、例えば図1に示すように、アルミニウム基材10の表面に複数の細孔12を有する酸化皮膜14が形成される。
アルミニウム基材の表面の一部または全部を電解液に浸漬して陽極酸化することによって、電解液に浸漬した部分に酸化皮膜を形成できる。陽極酸化の初期に形成される酸化皮膜は、細孔の位置や大きさが不均一で規則性は皆無であるが、酸化皮膜が厚くなるとともに、徐々に細孔の配列の規則性が増していく。
アルミニウム基材の形状は特に限定されず、板状、円柱状、円筒状等、モールドとして使用可能な形状であればどのような形状であってもよい。
アルミニウム基材としては、機械加工されたものを用いる。
本発明において「機械加工」とは、アルミニウム基材の表面を物理的に切削または研磨して、電解研磨することなく鏡面化することである。なお、物理的な研磨には「テープ研磨」も含まれる。
アルミニウム基材の純度は、97質量%以上が好ましく、99.0質量%以上がより好ましく、99.5質量%以上がさらに好ましく、99.9質量%以上が最も好ましい。アルミニウムの純度が低いと、陽極酸化した時に、不純物の偏析により可視光を散乱する大きさの凹凸構造が形成されたり、陽極酸化で得られる細孔の規則性が低下したりすることがある。
ところで、純度の高いアルミニウムを用いた場合、所望の形状(例えば円筒状など)に加工する際に、柔らかすぎて加工しにくくなる場合がある。そこで、アルミニウムにマグネシウムを添加して所定の形状に加工したものをアルミニウム基材として用いてもよい。マグネシウムを添加することで、アルミニウムの強度が高まるため加工しやすくなる。ただし、マグネシウムの添加量が増えるに連れて、得られるモールドの微細凹凸構造を成形体本体の表面に転写した成形体のヘイズが上昇する傾向にある。よって、マグネシウムの添加量はアルミニウムの強度と成形体のヘイズを考慮して決定するのが好ましく、通常は、アルミニウムに対して0.1〜3質量%程度である。
電解液としては、酸性水溶液またはアルカリ性水溶液が挙げられ、酸性水溶液が好ましい。酸性水溶液としては、無機酸類(硫酸、リン酸等)、有機酸類(シュウ酸、マロン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸等)が挙げられ、硫酸、シュウ酸、リン酸が特に好ましい。これらの酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シュウ酸を電解液として用いる場合:
シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合:
硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象がおこり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
工程(b):
図1に示すように、酸化皮膜14の少なくとも一部を一旦除去し、これを陽極酸化の細孔発生点16にすることで細孔の規則性を向上することができる。
酸化皮膜を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、酸化皮膜を選択的に溶解する溶液に溶解させて除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。なお、図1に示されるように、酸化皮膜14を全て除去することにより、より規則性が高く配列した細孔を得ることができるが、高い規則性が必要とされない場合、酸化皮膜14を全て除去する必要はない。
工程(c):
図1に示すように、酸化皮膜の少なくとも一部を除去したアルミニウム基材10を再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔12を有する酸化皮膜14が形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様な条件で行うことにより、高い規則性を有する細孔を得ることができるが、陽極酸化の条件は種々に変更してもよい。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
工程(d):
図1に示すように、細孔12の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理と記す。)を行う。細孔径拡大処理は、酸化皮膜を溶解する溶液(エッチング液)に浸漬して陽極酸化で得られた細孔の径を拡大させる処理である。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。
細孔径拡大処理の時間を長くするほど、細孔径は大きくなる。
工程(e):
図1に示すように、工程(c)の陽極酸化と、工程(d)の細孔径拡大処理とを繰り返すと、直径が開口部から深さ方向に連続的に減少する形状の細孔12を有する酸化皮膜14が形成され、アルミニウム基材10の表面に陽極酸化アルミナ(アルミニウムの多孔質の酸化皮膜(アルマイト))を有するモールド18が得られる。最後は工程(d)で終わることが好ましい。
工程(c)と工程(d)の繰り返し回数は、合計で3回以上が好ましく、5回以上がより好ましい。繰り返し回数が2回以下では、非連続的に細孔の直径が減少するため、このような細孔を有する陽極酸化アルミナを用いて形成されたモスアイ構造の反射率低減効果は不十分である。
細孔12の形状としては、略円錐形状、角錐形状、円柱形状等が挙げられ、円錐形状、角錐形状等のように、深さ方向と直交する方向の細孔断面積が最表面から深さ方向に連続的に減少する形状が好ましい。
細孔12間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する細孔12間の間隔(細孔12の中心から隣接する細孔12の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
細孔12間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下である。細孔12間の平均間隔は、20nm以上が好ましい。
細孔12の深さは、電子顕微鏡観察によって倍率30000倍で観察したときにおける、細孔12の最底部と、細孔12間に存在する凸部の最頂部との間の距離を測定した値である。
細孔12のアスペクト比(細孔の深さ/細孔間の平均間隔)は、0.8〜5.0が好ましく、1.2〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0が特に好ましい。
具体的には、例えば細孔間の平均間隔が100nmの場合は、細孔12の深さは80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。
工程(f):
ついで、図1に示すように、微細凹凸構造が形成された領域(転写部)に、マーキング部を形成する。マーキング部は、陽極酸化皮膜を溶解することのできるマーキング溶液と、陽極酸化皮膜とを所定時間接触させて酸化皮膜の一部を溶解することで微細凹凸構造の一部の凸部の高さを変化させ、その後マーキング溶液を洗浄等で除去することで形成される。
陽極酸化皮膜とマーキング溶液とを接触させる方法としては、図4に示すようにゴム印や軟質プラスチック印にマーキング溶液を付け、転写部に押しつける、転写部の一部にマーキング溶液を直接塗布する、などの方法が挙げられる。マーキング溶液と陽極酸化皮膜とを接触させる時間は1分以上であることが好ましく、5分以上であることがより好ましく、20分以上であることがより好ましい。(20分以上接触させても、目視可能であることに変化はないため)接触させる時間の上限は特に限定されないが、モールドを効率的に製造する観点から180分以下であることが好ましい。
また、マーキング溶液の20℃における粘度は0.5cP以上5000cP以下であることが好ましい。マーキング溶液の粘度を0.5cP以上とすることで、陽極酸化皮膜上の所望の領域から、マーキング液が流れたり、液だれ等してしまうことを抑制することができる。また、粘度を5000cP以下とすることで、マーキング溶液が糸を引いてしまい、意図しない領域にマーキング溶液が付着することを抑制することができる。マーキング溶液の20℃における粘度は1cP以上1500cP以下であることがより好ましい。
マーキング溶液としては、電気を印加したり高温にしたりせずに陽極酸化皮膜を溶解し、凸部の高さを変化させることができるものであればよく、酸、アルカリのいずれでもよい。陽極酸化のエッジングに使用するリン酸をはじめ、シュウ酸、塩酸、希硝酸、希硫酸、酢酸、クエン酸など酸の水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液でも可能である。具体的にはリン酸やクロム酸・リン酸混合液、リン酸・シュウ酸混合液などを用いることができ、酸化皮膜を効率的に溶解する観点からリン酸を用いることがより好ましい。また、工程(d)でリン酸を用いる場合は、同じ種類の酸やアルカリを用いることで、モールドの製造に必要な材料を少なくできる点からも、リン酸をマーキング溶液として用いることが好ましい。
マーキング溶液に用いるリン酸の濃度は、10%以上85%以下が好ましい。リン酸溶液は高濃度であると粘度が高く、85%リン酸溶液の20℃における粘度は、溶剤により変化するが一般的に45cp〜60cPである。しかしながら、例えばリン酸溶液の濃度が25.5%と低くなると、粘度は1.5〜3cPと減少する。リン酸溶液の濃度が10%を下回ると、リン酸の粘度が低くなるためにモールド表面に塗布したリン酸が液ダレ等してしまい、マーキング部を所望の形状とすることが困難になる場合がある。リン酸の濃度が85%を上回ると、酸化皮膜が溶解されすぎ、凹凸形状の凹部(谷部)が深くなるまで皮膜が溶解されてしまう恐れがあり、またマーキング部を所望の形状とすることが困難となる場合がある。なお、リン酸溶液の濃度が10%を下回った場合など、マーキング溶液の粘度が低い場合、増粘剤を添加するなどしてマーキング溶液の粘度を調整し、好ましくは20℃における粘度を0.5cP以上に調整しても構わない。
モールド表面に形成されたマーキング部の断面の例を図3の左側に、このマーキング部を有するモールドにより成形された成形体の断面の例を図3の右側に示す。モールド表面に形成されたマーキング部と、モールド表面の他の微細凹凸構造が形成された領域(転写領域)とにおける、微細凹凸構造の凸部の高さの差、すなわちh2とh1との差は10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。凸部の高さの差を10nm以上とすることで、マーキング部をより容易に識別可能とすることができる。図3において、マーキング部内の凸部は同じ高さで表されているが、実際にマーキング処理を施す際はマーキング部内の凸部どうしの高さの差は、他の領域における微細凹凸構造の高さよりも小さければよい。
マーキング部の形状は、文字、幾何学形状、幾何学模様、識別記号の少なくとも一つを含む表面形状とすればよく、識別可能な形状であればどのような形状としても構わない。図4の例において、マーキング部の形状はアルファベットの「A」の形としている。
(作用効果)
以上説明した本発明のモールドの製造方法にあっては、工程(f)において、成形体の表面に凸部および凹部を転写するため、相補的な寸法形状を有する凹部又は凸部が設けられた転写領域が形成され、この転写領域には、マーキング部が設けられ、このマーキング部は凹部の高さが転写領域の他の部分の凹部の高さと略同一であるが、凸部の高さが転写領域の他の部分の凸部の高さよりも低くなるように形成される。このモールドを用いれば、モールドの微細凹凸構造が転写された成形体の凹凸構造の凸部の高さは成形体の表面にわたって略同一であるが、マーキング部では凹凸構造の凹部の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高くなった成形体を容易に製造することが可能となる。成形体の表面にわたって凹凸構造の頂部が略同一の高さであるために、成形体をロール状に巻き取った際にも、打痕などの欠陥が発生することが抑制される。また、成形体のマーキング部では凹部の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高く、他の領域と光の反射率や透過率が異なるために、容易にマーキング部を識別することが可能となる。
<成形体の製造方法>
本発明の、微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法は、本発明のモールドの製造方法で得られたモールドの表面に形成された複数の細孔からなる微細凹凸構造を、成形体本体の表面に転写する方法である。
図3に示すように、モールドの微細凹凸構造(細孔)を転写して製造された成形体は、その表面にモールドの微細凹凸構造の反転構造(突起)が、鍵と鍵穴の関係で転写される。
モールドの微細凹凸構造を成形体本体の表面に転写する方法としては、例えば、モールドと透明基材(成形体本体)の間に未硬化の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填し、モールドの微細凹凸構造に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が接触した状態で、活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた後にモールドを離型する方法が好ましい。これによって、透明基材の表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸構造が形成された成形体を製造できる。得られた成形体の微細凹凸構造は、モールドの微細凹凸構造の反転構造となる。
(成形体本体)
透明基材としては、活性エネルギー線の照射を、該透明基材を介して行うため、活性エネルギー線の照射を著しく阻害しないものが好ましい。透明基材の材料としては、例えば、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、スチレン樹脂、ガラス等が挙げられる。
(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いる方法は、熱硬化性樹脂組成物を用いる方法に比べて加熱や硬化後の冷却を必要としないため、短時間で微細凹凸構造を転写することができ、量産に好適である。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の充填方法としては、モールドと透明基材の間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を供給した後に圧延して充填する方法、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布したモールド上に透明基材をラミネートする方法、あらかじめ透明基材上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布してモールドにラミネートする方法等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合反応性化合物と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有する。上記の他に、用途に応じて非反応性のポリマーや活性エネルギー線ゾルゲル反応性成分が含まれていてもよく、増粘剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、溶剤、無機フィラー等の各種添加剤が含まれていてもよい。
重合反応性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
ラジカル重合性結合を有する単官能モノマーとしては、(メタ)アクリレート誘導体(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン誘導体(スチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリルアミド誘導体((メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合性結合を有する多官能モノマーとしては、二官能性モノマー(エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等)、三官能モノマー(ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等)、四官能以上のモノマー(コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等)、二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するオリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
活性エネルギー線重合開始剤としては、公知の重合開始剤を用いることができ、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させる際に用いる活性エネルギー線の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、カルボニル化合物(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等)、硫黄化合物(テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、チオキサントン(2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等)、アセトフェノン(ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等)、ベンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等)、アシルフォスフィンオキサイド(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等)、メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における活性エネルギー線重合開始剤の含有量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。活性エネルギー線重合開始剤が0.1質量部未満では、重合が進行しにくい。一方、活性エネルギー線重合開始剤が10質量部を超えると、硬化樹脂が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
非反応性のポリマーとしては、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、例えば、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、RxSi(OR’)yで表されるものが挙げられる。RおよびR’は炭素数1〜10のアルキル基を表し、xおよびyはx+y=4の関係を満たす整数である。具体的には、テトラメトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、R1O[Si(OR3)(OR4)O]zR2で表されるものが挙げられる。R1〜R4はそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表し、zは3〜20の整数を表す。具体的にはメチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
(製造装置)
微細凹凸構造を表面に有する成形体は、例えば、図2に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
微細凹凸構造(図示せず)を表面に有し、外形がロール形状の型である、ロール状モールド20と、ロール状モールド20の回転に同期してロール状モールド20の表面の一部に沿って移動する帯状のフィルム42(透明基材)との間に、タンク22から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給する。
ロール状モールド20と、空気圧シリンダによってニップ圧が調整されたニップロール26との間で、フィルム42および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を、フィルム42とロール状モールド20との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状モールド20の微細凹凸構造の凹部内に充填する。
ロール状モールド20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28から、フィルム42を通して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を硬化させることによって、ロール状モールド20の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を形成する。
剥離ロール30により、表面に硬化樹脂層44が形成されたフィルム42をロール状モールド20から剥離することによって、図3に示すような成形体40を得る。ロール状モールド20から剥離されたフィルム42は図示しない巻取りロールによって巻取られ、かくして微細凹凸構造を表面に有するフィルム42が得られる。
活性エネルギー線照射装置28としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化が進行するエネルギー量であればよく、通常、100〜10000mJ/cm程度である。
(成形体)
このようにして製造された成形体40は、図3に示すように、フィルム42(透明基材)の表面に硬化樹脂層44が形成されたものである。硬化樹脂層44は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
本発明により得られたモールドを用いた場合の成形体40の表面の微細凹凸構造は、酸化皮膜の表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の突起46を有する。
微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造が好ましい。突起間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
成形体には、文字、数字、幾何学形状、幾何学模様、識別記号の少なくとも一つを含む表面形状を有するマーキング部が形成され、このマーキング部の突起46の頂部の高さは他の領域と略同一であるが、凹部(谷部)の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高くなるように形成されている。マーキング部における凹部の高さと、他の凹部が形成された領域の凹部との高さの差は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることがさらに好ましい。
成形体の凹凸構造の頂部が略同一の高さであるために、成形体をロール状に巻き取った際にも、打痕などの欠陥が発生することが抑制される。また、マーキング部では凹部の底部の高さが他の凹部が形成された領域の凹部の高さよりも高く、他の領域と光の反射率や透過率が異なるために、図5に示すように容易にマーキング部を識別することが可能となる。マーキング部の識別が容易であれば、成形体を検査し欠陥が発見された場合には、マーキング部との相対的位置関係から、モールドの特定部分に欠陥が含まれるかどうかを容易に検査することができる。
また、モールド上の特定の位置に欠陥があることが判明している場合であっても、マーキング部との相対的な位置関係から成形体上の欠陥発生部位を特定し、その部分を避けて所望の形状に切断、打ち抜きを行うことで、欠陥があることが判明しているモールドを用いて所定形状に切断、打ち抜きされた成形体を製造することが可能となる。
(用途)
本発明により得られた、微細凹凸構造を表面に有する成形体は、表面の微細凹凸構造によって、反射防止性能、撥水性能等の種々の性能を発揮する。
微細凹凸構造を表面に有する成形体がシート状またはフィルム状の場合には、反射防止膜として、例えば、画像表示装置(テレビ、携帯電話のディスプレイ等)、展示パネル、メーターパネル等の対象物の表面に貼り付けたり、インサート成形したりして用いることができる。また、撥水性能を活かして、風呂場の窓や鏡、太陽電池部材、自動車のミラー、看板、メガネのレンズ等、雨、水、蒸気等に曝されるおそれのある対象物の部材としても用いることができる。
微細凹凸構造を表面に有する成形体が立体形状の場合には、用途に応じた形状の透明基材を用いて反射防止物品を製造しておき、これを上記対象物の表面を構成する部材として用いることもできる。
また、対象物が画像表示装置である場合には、その表面に限らず、その前面板に対して、微細凹凸構造を表面に有する成形体を貼り付けてもよいし、前面板そのものを、微細凹凸構造を表面に有する成形体から構成することもできる。例えば、イメージを読み取るセンサーアレイに取り付けられたロッドレンズアレイの表面、FAX、複写機、スキャナ等のイメージセンサーのカバーガラス、複写機の原稿を置くコンタクトガラス等に、微細凹凸構造を表面に有する成形体を用いても構わない。また、可視光通信等の光通信機器の光受光部分等に、微細凹凸構造を表面に有する成形体を用いることによって、信号の受信感度を向上させることもできる。
また、微細凹凸構造を表面に有する成形体は、上述した用途以外にも、光導波路、レリーフホログラム、光学レンズ、偏光分離素子等の光学用途や、細胞培養シートとしての用途に展開できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各種測定、評価は、以下の方法にて行った。
(モールドの細孔の測定)
酸化皮膜が表面に形成されたモールドの一部を切り取って、表面に白金を1分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JSM−6701F」)を用いて、加速電圧3.00kVで1万倍に拡大して観察した。細孔の平均間隔(ピッチ)は一直線上に並んだ6個の細孔の中心間距離を平均して求めた。
また、モールドの一部を異なる2箇所から切り取って、その縦断面に白金を1分間蒸着し、同じく電解放出型走査電子顕微鏡を用いて加速電圧3.00kVで観察した。各断面サンプルを5万倍に拡大して観察し、観察範囲で10個の細孔の深さを測定し、平均した。この測定を2点で行い、各観察点の平均値をさらに平均して細孔の平均深さを求めた。
(成形体の突起の測定)
成形体(フィルム)の表面および縦断面に白金を10分間蒸着し、電解放出型走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製、「JSM−6701F」)を用いて、加速電圧3.00kVの条件で成形体の表面および断面を観察した。
成形体の表面を1万倍に拡大して観察し、一直線上に並んだ6個の突起(凸部)の中心間距離を平均して突起の平均間隔(ピッチ)を求めた。また、成形体の断面を5万倍で観察し、10本の突起の高さを平均して突起の平均高さを求めた。
(粘度の測定)
粘度の測定には、レオメーター(ティー・エイ・インスツルメント社製 AR550)にて、60mmのコーンプレートを用いて、温度20℃、せん断速度を0.1〜1000(1/s)の範囲で測定を行い、せん断速度に対して粘度が変化しない値を本発明の粘度とした。
(マーキング部の確認)
成形体を目視で観察し、マーキング部が容易に識別できる場合を○、注意しながら観察すると識別できる場合を△、識別が困難な場合を×とした。
(実施例1)
(モールドの製造)
純度99.97質量%の塊状アルミニウムを直径200mm、幅320mmのロール状に切断し、表面を切削加工して鏡面化し、これをアルミニウム基材として用いた。基材の材質を表1に示す。なお、表中の「Al」はアルミニウムであり、「3N7」はアルミニウムの純度を表し、純度99.97質量%を意味する。
該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中で、直流40V、温度16℃の条件で6時間陽極酸化を行った(工程(a))。
ついで、酸化皮膜が形成されたアルミニウム板を、6質量%リン酸/1.8質量%クロム酸混合水溶液に6時間浸漬して、酸化皮膜を除去した(工程(b))。
ついで、該アルミニウム基材について、0.3Mシュウ酸水溶液中、直流40V、温度16℃の条件で20秒間陽極酸化を行った(工程(c))。
ついで、酸化皮膜が形成されたアルミニウム基材を、32℃の5質量%リン酸水溶液に8分間浸漬して、細孔径拡大処理を行った(工程(d))。
ついで、前記工程(c)および工程(d)を合計で4回繰り返し、最後に工程(d)を行い(工程(e))、平均間隔:100nm、深さ:220nmの略円錐形状の細孔を有する陽極酸化アルミナを表面に形成した。
ついで、濃度85%(粘度47cP)のリン酸をベンコットンに染み込ませ、ゴム印をベンコットンに押しつけてリン酸を付けたゴム印を、陽極酸化アルミナの表面に押しつけて、マーキングを施した。20分間静置した後、マーキングを施した部位を水洗しリン酸を除去しマーキング部を形成し(工程(f))、ロール状モールドを得た。目視で確認したところ、マーキング部が形成されていることが確認された。
得られた金型を、オプツールDSX(ダイキン化成品販売社製)の0.1質量%希釈溶液に浸漬した後、一晩風乾して、離型剤で処理されたロール状の金型を得た。
(成形体の製造)
離型処理したモールドと、透明基材であるアクリルフィルム(三菱レイヨン株式会社製、「アクリプレン HBS010」)との間に、下記の組成の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填して、高圧水銀ランプで積算光量1000mJ/cm2の紫外線を照射することによって、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させた。その後、モールドを剥離し、透明基材と硬化組成物の硬化物からなる成形体(フィルム)を得た。
このようにして製造した成形体の表面には微細凹凸構造が形成されており、突起の平均間隔(ピッチ)は100nm、突起の平均高さは約220nmであった。また、ロール状に成形体を巻き取ったが、巻きジワや打痕等は発生しなかった。
得られた成形体を目視で観察し、マーキング部の確認を行った。その結果を表1に示す。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物:
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製):25質量部、
ペンタエリスリトールトリアクリレート(第一工業製薬株式会社製):25質量部、
エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製):25質量部、
ポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成株式会社製):25質量部、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製):1質量部、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製):0.5質量部、
ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸(日本ケミカルズ株式会社製):0.1質量部。
(実施例2〜5)
工程(f)において、ベンコットンにしみこませるリン酸の濃度、ゴム印を押しつけた後に静置する時間を表1の様にした以外は実施例1と同様に、成形体を製造し、目視で成形体を観察した。その結果を表1に示す。
Figure 0006252990
(比較例1)
工程(f)を行わなかった以外は、実施例1と同様に成形体を製造した。また、成形体の端部近傍に油性ペンでマークを施したが、エタノールで拭取ることによりマーキングが消えてしまった。
(比較例2)
成形体にマーキングとしてヤスリでフィルム搬送方向に傷をつけた。この成形体をロール状に巻き取ると巻きシワになった。
(比較例3)
工程(f)の代わりに、ヤスリでモールド表面に傷をつけた以外は、実施例1と同様に成形体を製造した。この成形体をロール状に巻き取ると巻きシワになった。
10 アルミニウム基材
12 細孔
14 酸化皮膜
16 細孔発生点
18 モールド(型)
20 ロール状モールド
22 タンク
26 ニップロール
28 活性エネルギー線照射装置
30 剥離ロール
38 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
40 成形体
42 フィルム
44 硬化樹脂層
46 突起

Claims (8)

  1. 表面に周期が可視光の波長以下である複数の凸部と、隣接する該凸部の間に形成された複数の凹部とを有する型の製造方法であって、前記型の表面に、前記凸部および前記凹部を形成する凹凸形成工程と、前記凸部および前記凹部が形成された領域の一部分を、前記型を溶解する液体と接触させ、前記凸部の高さを前記凹凸形成工程で形成された凸部の高さよりも低くするマーキング工程とを有することを特徴とする、型の製造方法。
  2. 前記凹凸形成工程は、アルミニウム母材を陽極酸化し、前記アルミニウム母材の表面に微細凹構造を形成する陽極酸化処理、および前記微細凹構造をエッチング液と接触させ、前記微細凹構造の口径を拡大する拡大処理を含む、請求項1に記載の型の製造方法。
  3. 前記マーキング工程で用いられる液体と、前記拡大処理に用いられるエッチング液とが同一の組成であることを特徴とする、請求項2に記載の型の製造方法。
  4. 前記マーキング工程で用いられる液体と前記エッチング液とが、リン酸を含むことを特徴とする、請求項2に記載の型の製造方法。
  5. 前記マーキング工程で用いられる液体の、20℃における粘度が0.5〜5000cPであることを特徴とする、請求項1に記載の型の製造方法。
  6. 前記マーキング工程で用いられる液体の、20℃における粘度が1〜1500cPであることを特徴とする、請求項5に記載の型の製造方法。
  7. 前記マーキング工程は、前記液体が付着された部材と前記型とを接触させるものである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の型の製造方法。
  8. 請求項1に記載の方法により製造された、表面に微細凹凸構造を有するロール状モールドの表面の微細凹凸構造を、ロール状モールドの回転に同期してロール状モールドの表面の一部に沿って移動する帯状のフィルム本体の表面に転写して微細凹凸構造を表面に有するフィルムを得、前記フィルムを巻取りロールで巻取ることを特徴とする、微細凹凸構造を表面に有するフィルムの製造装置。
JP2014503885A 2012-12-28 2013-12-27 光学物品の製造に用いられる型の製造方法及びこの型を用いた光学物品の製造装置 Active JP6252990B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012287568 2012-12-28
JP2012287568 2012-12-28
PCT/JP2013/085135 WO2014104308A1 (ja) 2012-12-28 2013-12-27 光学物品、光学物品の製造に用いられる型及び型の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014104308A1 JPWO2014104308A1 (ja) 2017-01-19
JP6252990B2 true JP6252990B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=51021377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014503885A Active JP6252990B2 (ja) 2012-12-28 2013-12-27 光学物品の製造に用いられる型の製造方法及びこの型を用いた光学物品の製造装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9523796B2 (ja)
JP (1) JP6252990B2 (ja)
KR (1) KR20150088864A (ja)
CN (1) CN104884218A (ja)
TW (1) TW201433436A (ja)
WO (1) WO2014104308A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104395784B (zh) * 2012-06-22 2016-09-07 夏普株式会社 防反射结构体、转印用模具、它们的制造方法和显示装置
CN106660263B (zh) * 2014-08-21 2019-04-05 夏普株式会社 模具和模具的制造方法
JP6451213B2 (ja) * 2014-10-30 2019-01-16 大日本印刷株式会社 反射防止物品の製造方法、反射防止物品の賦型用金型の製造方法
JP2017216444A (ja) * 2016-05-31 2017-12-07 ナガセケムテックス株式会社 エッチング液
JP6776071B2 (ja) * 2016-09-12 2020-10-28 Eneos株式会社 光学位相差部材の製造方法
CN106842825B (zh) * 2017-03-21 2021-01-12 京东方科技集团股份有限公司 母模及其制造方法
US11040471B2 (en) 2018-06-22 2021-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Resin product, electronic device, and method of making resin product

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09304295A (ja) 1996-05-09 1997-11-28 Sekisui Chem Co Ltd シート状製品の欠点マーキング装置
JP4343456B2 (ja) 2001-04-03 2009-10-14 大日本印刷株式会社 シート状製品の欠陥マーキング方法および装置
US7690910B2 (en) 2006-02-01 2010-04-06 Canon Kabushiki Kaisha Mold for imprint, process for producing minute structure using the mold, and process for producing the mold
JP5213335B2 (ja) * 2006-02-01 2013-06-19 キヤノン株式会社 インプリント用モールド、該モールドによる構造体の製造方法
WO2011111697A1 (ja) 2010-03-09 2011-09-15 シャープ株式会社 陽極酸化層の形成方法、型の製造方法および反射防止膜の製造方法
JP5569791B2 (ja) 2010-04-14 2014-08-13 住友化学株式会社 光学フィルム作製用原反フィルム、および光学フィルムの製造方法
JP2011226957A (ja) 2010-04-21 2011-11-10 Sanritz Corp 偏光板の欠陥検査方法及び欠陥検査装置
JP2012026863A (ja) 2010-07-23 2012-02-09 Toray Ind Inc フィルムの検査装置、検査方法、及び製造方法
JP5576555B2 (ja) 2011-03-11 2014-08-20 シャープ株式会社 ナノインプリントフィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9523796B2 (en) 2016-12-20
WO2014104308A1 (ja) 2014-07-03
US20150378059A1 (en) 2015-12-31
TW201433436A (zh) 2014-09-01
CN104884218A (zh) 2015-09-02
JPWO2014104308A1 (ja) 2017-01-19
KR20150088864A (ko) 2015-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6252990B2 (ja) 光学物品の製造に用いられる型の製造方法及びこの型を用いた光学物品の製造装置
JP5283846B2 (ja) 成形体とその製造方法
US20090194914A1 (en) Mold, process for producing mold, and process for producing sheet
JP6092775B2 (ja) モールドの製造方法および微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法
JP5673534B2 (ja) モールド、その製造方法、微細凹凸構造を表面に有する物品およびその製造方法
JP6391242B2 (ja) 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、および微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法、並びに微細凹凸構造を表面に有する成形体
WO2012091129A1 (ja) 光透過性フィルムの製造方法、活性エネルギー線硬化性組成物、および光透過性フィルム
JP2009174007A (ja) 鋳型とその製造方法、および成形体の製造方法
WO2013054832A1 (ja) 光学シート製造用ロール状金型の製造方法、光学シート製造方法、電子表示装置、及びアルミニウム母材の鏡面加工方法
JP5768711B2 (ja) 有機系離型剤の性能評価方法、モールドの製造方法および微細凹凸構造を表面に有する透明フィルムの製造方法
JP5832066B2 (ja) 成形体とその製造方法
JP2013224015A (ja) 光透過性フィルムおよびその製造方法
JP2012108502A (ja) 微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法
JP4856785B2 (ja) 微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法および製造装置
JP2017032756A (ja) 透明フィルム及びその製造方法
JP2015223725A (ja) 微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法
JP2013182007A (ja) 微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法および製造装置
JP2012140001A (ja) モールドおよびその製造方法と、微細凹凸構造を表面に有する物品の製造方法
JP2014051710A (ja) 陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法、モールドの製造方法および微細凹凸構造を表面に有する成形体
JP2013193415A (ja) フィルムの製造方法
JP2011224900A (ja) モールド、その製造方法ならびに処理方法、および物品の製造方法
JP2015101780A (ja) モールドの製造方法、および微細凹凸構造を表面に有する成形体とその製造方法
JP5751535B2 (ja) 金型の洗浄方法、及び、物品の製造方法
JP2018144360A (ja) モールドの製造方法、物品の製造方法及び物品
JP5877006B2 (ja) モールドの製造方法、および微細凹凸構造を表面に有する成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171106

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6252990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171119