JP6252299B2 - 凹凸構造付きフィルム製造方法、及び凹凸構造付きフィルムロール体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸構造付きフィルムを製造する方法、及び凹凸構造付きフィルムのロール体を製造する方法に関する。
従来、光学フィルムなどのフィルムを製造する場合、ある程度の量をまとめて長尺状に製造し、このフィルムを巻回してフィルムロールとして保存することが行われている。
長尺のフィルムを巻回する際、フィルムの取り扱い性の向上のため、フィルムの端部に凹凸構造を付与することが知られている。このような凹凸構造は、ナールとも呼ばれることがあり、このような凹凸構造を付与する処理は、ナーリング処理、エンボス処理、ローレット処理等の名称で呼ばれる。ナーリング処理の具体的な操作としては、種々の方法が知られているが、特に効率的な方法として、フィルムにレーザー光を照射することにより凹凸構造を形成することが知られている(特許文献1〜3)。フィルムを巻回してロール体とするのに先立ち、フィルムの表面にかかる凹凸構造を設けて凹凸構造付きフィルムとすることにより、ロール体中のフィルム間の摩擦による傷の発生、フィルムのブロッキング(ロール体において、重なったフィルムの面が付着する現象)等の不所望な現象が低減され、フィルムの取り扱い性を向上させることができる。
特開2009−012429号公報 特開2009−040964号公報 特開2012−118238号公報
かかる不所望な現象を均一に低減し、且つロール体のしわ、ねじれ等の不具合を防止して巻き姿を良好なものとするため、かかる凹凸構造は、その高さが均一であることが望ましい。しかし、本発明者らは、レーザー光によりナーリング処理を行うと、形成された凹凸構造の高さが意図せず大きく変動し、それによりロール体のしわ、ねじれ等の不具合が発生する場合があることを見出した。
従って、本発明の目的は、凹凸構造の高さの変動が少ない凹凸構造付きフィルムを効率的に製造できる、凹凸構造付きフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、フィルム間の摩擦による傷の発生、フィルムのブロッキング、しわ、ねじれ等の少ない凹凸構造付きフィルムロール体を効率的に製造できる、凹凸構造付きフィルムロール体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するべく検討した結果、レーザー装置から出光するレーザー光の波長範囲と、その波長範囲におけるフィルムの光透過率とが、一定の関係を満たす場合に、凹凸構造の高さの変動が少ない凹凸構造付きフィルムが製造できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づき完成された。
すなわち、本発明によれば、下記[1]〜[8]が提供される。
〔1〕 フィルムの少なくとも一方の面に、レーザー装置から出光する波長範囲λ〜λのレーザー光を照射し、凹凸構造を形成する照射工程を含み、
前記照射工程は、波長範囲λ〜λにおける前記フィルムの透過率の最大値Tmax%、最小値Tmin%、及びこれらの平均値Tavg%が、下記式(1):
(Tmax−Tmin)/(100−Tavg)×100≦15・・・式(1)
を満たす条件で行う、凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔2〕 前記フィルムは、炭化水素重合体を含む、〔1〕に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔3〕 前記炭化水素重合体が、脂環式構造含有重合体である、〔2〕に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔4〕 前記レーザー装置が、炭酸ガスレーザー装置である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔5〕 前記波長範囲λ〜λが、波長9.3μmを含む、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔6〕 前記フィルムが、基材層と、前記基材層の表面上に形成された易滑層とを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔7〕 前記フィルムが長尺フィルムであり、
前記照射工程が、前記フィルムの少なくとも一方の面であって、幅方向における少なくとも一方の端部に凹凸構造を形成する工程である、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
〔8〕 〔7〕に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法により得られる凹凸構造付きフィルムを、フィルム幅方向に平行な軸を回転軸として巻回する工程を含む、凹凸構造付きフィルムロール体の製造方法。
本発明の凹凸構造付きフィルムの製造方法によれば、凹凸構造の高さの変動が少ない凹凸構造付きフィルムを効率的に製造できる。
本発明の凹凸構造付きフィルムロール体の製造方法によれば、フィルム間の摩擦による傷の発生、フィルムのブロッキング、しわ、ねじれ等の少ない凹凸構造付きフィルムロール体を効率的に製造できる。
図1は、本発明の製造方法の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の製造方法における、様々な波長におけるフィルムの透過率のプロファイルの例を示すグラフである。 図3は、本願実施例において描いたレーザー光の照射の軌跡を示す平面図である。
以下、実施形態及び例示物等を示して本発明について詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。以下の説明において、本発明の方法を実施するための部材の構成要素の方向が「平行」または「直交」とは、本発明の効果を著しく損なわない範囲内(例えば±5°)での誤差を含んでいてもよい。また、ある方向に「沿って」とは、ある方向に「平行に」という意味である。さらに、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」を意味する。また、ここで「長尺」のフィルムとは、フィルムの幅に対して、少なくとも5倍以上の長さを有するものをいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。
〔1.凹凸構造付きフィルムの製造方法:概要〕
本発明の製造方法は、フィルムの少なくとも一方の面にレーザー装置から出光するレーザー光を照射し、凹凸構造を形成する照射工程を含む。フィルムにレーザー光を照射すると、レーザー光が照射された場所において局所的に熱溶融又はアブレーションが生じる。このため、レーザー光が照射された場所では、フィルムに、凹凸構造としての凸状の変形及び凹状の変形を生じさせることができる。
図1は、本発明の製造方法の一実施形態を模式的に示す斜視図である。この例において、フィルム10は、搬送方向Aに搬送される。製造ラインにおけるフィルムの流れ方向(図1中矢印MDで示される)は、MD方向(machine direction)とも呼ばれ、通常は搬送される長尺のフィルムの長手方向と平行である。さらに、MD方向に垂直で且つ搬送されるフィルム面に平行な方向(図1中矢印TDで示される)はTD方向(traverse direction)とも呼ばれ、通常は搬送される長尺のフィルムの幅方向と一致する。
照射工程においては、フィルム10の幅方向の両方の端部11及び12の上面に対向するレーザー装置20及び21により、フィルム10の両方の端部11及び12にレーザー光が照射される。かかるレーザー光の照射により、両方の端部11及び12に複数の凹凸構造130が形成される。その結果、フィルム幅方向の両方の端部に、帯状の、凹凸構造130を有する領域(以下、適宜「凹凸領域」という。)110及び120を備える、凹凸構造付きフィルム100が製造される。
図1に示す例では、フィルム10の一方の面にレーザー光を照射し、一方の面のみに凹凸構造を形成しているが、本発明の製造方法はこれに限られず、フィルムの両面にレーザー光を照射し、フィルムの両面に凹凸構造を形成してもよい。
図1の例に示す通り、本発明の製造方法に供するフィルムとしては、通常、長尺のフィルムを用い、フィルムの幅方向の両端部に凹凸構造を付与する。フィルムの幅方向の両端部に凹凸構造を付与することにより、凹凸構造付きフィルムロール体におけるフィルム間の摩擦による傷の発生及びブロッキングを低減することができる。ただし、凹凸構造を形成するフィルム面上の位置はこれには限られない。例えば、フィルムの幅方向の一方の端部のみに凹凸領域を設けてもよく、フィルム幅方向の両端部に加えて幅方向の中央部にも凹凸領域を設けてもよい。また、フィルムに機能を付与する目的で、フィルムの全面に凹凸構造を設けてもよい。
本発明の製造方法に供するフィルムの幅及び厚さには特に制限は無く、使用目的に応じた幅及び厚さのフィルムを適宜用いうる。フィルムの幅は、好ましくは700mm以上、より好ましくは1000mm以上、さらにより好ましくは1200mm以上であり、好ましくは2500mm以下、より好ましくは2200mm以下、さらにより好ましくは2000mm以下である。また、フィルムの厚さは、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、さらにより好ましくは20μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下、さらにより好ましくは150μm以下である。
凹凸構造を、フィルムの取り扱い性を向上する目的でフィルムの幅方向の両端部に付与する場合、凹凸領域110の幅W110、及び凹凸領域120の幅W120のそれぞれは、2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましく、また、100mm以下が好ましく、80mm以下がより好ましく、60mm以下が特に好ましい。幅W110及びW120のそれぞれを前記下限値以上とすることによって巻きずれを安定して防止することができる。一方、幅W110及びW120のそれぞれを前記上限値以下とすることによって、有効領域の大きさを広く確保して製造コストを低減することができる。凹凸構造付きフィルムの有効領域とは、凹凸構造付きフィルムの凹凸構造が形成されていない領域のことを指し、図1に示す例では両方の端部110及び120の間の領域140に相当する。
凹凸構造の形状及び凹凸領域内のそれらの配置は、使用目的に応じた任意の形状及び配置としうる。レーザー光をフィルム表面に照射する軌跡を制御することにより、レーザー光により所望の形状の凹凸構造を描画することができる。個々の凹凸構造の形状(フィルム面に垂直な方向から観察した際の形状)の例としては、ドット状の形状、線形の形状、円形の形状、楕円形の形状、多角形の形状等の形状が挙げられる。凹凸構造の配置は、例えばフィルムの長手方向及び幅方向に沿って一定の規則性を有する配置、又はランダムな配置とすることができる。
〔2.照射工程〕
本発明の製造方法における照射工程は、照射するレーザー光の波長範囲λ〜λ(本願においては、λは波長範囲の最小値、λは波長範囲の最大値を表す。)におけるフィルムの透過率の最大値Tmax%、最小値Tmin%、及びこれらの平均値Tavg%が、下記式(1):
(Tmax−Tmin)/(100−Tavg)×100≦15・・・式(1)
を満たす条件で行う。
ここで、フィルムの「透過率」とは、フィルムに入射したある波長の光のうち、フィルムを透過して出射する光の割合を百分率で示した数値である。透過率の測定は、用いるレーザー光の波長を測定範囲に含む分光器により行うことができる。
フィルムの透過率をλの関数:f(λ)としたとき、波長範囲λ〜λにおけるフィルムの透過率の最大値及び最小値の平均値Tavgは、以下の式(2)で与えられる。
Tavg=(Tmax+Tmin)/2 ・・・式(2)
図2は、本発明の製造方法における、様々な波長におけるフィルムの透過率のプロファイルの例を示すグラフである。図2に示す例では、波長λにおけるフィルムの透過率がTmaxであり、波長λにおけるフィルムの透過率がTminである。この例においては、出光波長範囲λ〜λにおいて、フィルムの透過率f(λ)は、一次関数に近似することができるので、前記式(2)に基づいて求められるTavgは、λ〜λにおける相加平均となる。さらにフィルムの反射率が透過率に対して無視できる程度に小さい場合は、λ〜λにおける平均のフィルムの吸収率は100−Tavgとなる。
式(1)の条件を満たす照射工程を行うための照射条件の調整の例としては、下記(a)〜(c)が挙げられる。
調整(a):レーザー光の中心波長を変更する。
調整(b):レーザー光の波長範囲を狭くする。
調整(c):フィルムの材料を変更する。
したがって、フィルムの透過率のプロファイルと、レーザー装置の出光波長範囲とを照合し、これらが式(1)を満たすか否かを判定し、満たさない場合は前記調整(a)〜(c)のいずれか1以上を行うことにより、凹凸構造付きフィルムの製造のためのレーザー光の照射条件を、本発明の製造方法に適したものに調整しうる。
前記調整(a)は、単にレーザー装置を変更するか、又はレーザー装置の操作条件を変更することにより行いうる。例えば、ある種のレーザー装置では、出光中心波長を複数の波長から選択することができるものがあるので、そのようなレーザー装置を用い、出光中心波長を変更することにより、照射条件の調整を行うことができる。
より具体的には、汎用される炭酸ガスレーザー装置には、中心波長を、10.6μm付近の波長及び9.3μm付近の波長を含むいくつかの波長から選択しうるものがあり、通常は中心波長10.6μmの発振が最も効率が高く、高い出力が得やすいので、10.6μm付近を中心波長とする照射が汎用される。一方、フィルムの材料として炭化水素重合体を主に含むものを用いた場合、当該フィルムの透過率のプロファイルでは10.6μm付近に、図2の例に模式的に示すような大きな傾斜を有することがある。したがって、そのようなフィルムに、そのような炭酸ガスレーザー装置で凹凸構造を付与する場合は、中心波長を、それ以外の波長、例えば9.3μm付近の波長に変更することにより、良好な凹凸構造の付与を達成しうる。
また、中心波長がたとえば9.3μmのレーザー装置をただ単に用いたとしても、出光波長範囲が特定範囲外(たとえば中心波長を中心として±0.04μm超等)となる場合には、凹凸構造の高さに不具合となり得るほどの変動を来すことがあり好ましくない。すなわち、中心波長が9.3μmのレーザー装置としては、出光波長範囲が特定範囲内(たとえば中心波長を中心として±0.04μm以内等)であるものを用いることが好ましい。
前記調整(b)は、レーザー装置として、チューナブルレーザー装置を用いることにより行いうる。チューナブルレーザー装置とは、出光波長範囲を狭くするための機構を備えたレーザー装置である。当該機構の例としては、回折格子を含んだ機構が挙げられる。このようなチューナブルレーザー装置を用いることにより、レーザー光の波長範囲を狭くすることができる。
前記調整(c)のより具体的な例としては、単にフィルムの材料を構成する重合体の種類を変更する、フィルムの材料に吸収率を調整するための物質を配合する、といった調整が挙げられる。
本発明の製造方法に用いるレーザー装置としては、フィルムの加工に用いうる各種の形式のものを用いることができる。用いうるレーザー装置の例としては、ArFエキシマレーザー装置、KrFエキシマレーザー装置、XeClエキシマレーザー装置、YAGレーザー装置(特に、第3高調波若しくは第4高調波)、YLF若しくはYVO4の固体レーザー装置(特に、第3高調波若しくは第4高調波)、Ti:Sレーザー装置、半導体レーザー装置、ファイバーレーザー装置、及び炭酸ガスレーザー装置が挙げられる。これらのレーザー装置の中でも、比較的安価であり、且つフィルムの加工に適した出力が効率的に得られる観点から、炭酸ガスレーザー装置が好ましい。
照射工程におけるレーザー光の波長範囲λ〜λの中心波長は、特に限定されず、フィルムの加工に用いうる任意の波長としうる。例えば、中心波長が、9μm〜12μmの範囲内のいずれかの値であるレーザー光を用いうる。特に、レーザー装置として炭酸ガスレーザー装置を用いる場合、波長範囲λ〜λが中心波長として10.6μm付近の波長(たとえば10.5〜10.7μm)を含むレーザー光、及び波長範囲λ〜λが中心波長として9.3μm付近の波長(たとえば9.2〜9.4μm)を含むレーザー光を用いることができ、特に波長範囲λ〜λが波長9.3μmを含むレーザー光を用いた場合、炭化水素重合体を含むフィルムの凹凸構造の形成を、特に良好に行うことができる。
照射工程におけるレーザー光の波長範囲の最大値と最小値との差λ−λは、通常のレーザー装置を用い、前記調整(b)以外の方法により調整を行う場合、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。一方、チューナブルレーザー装置を用い、前記調整(b)を含む方法により調整を行う場合、λ−λは好ましくは0.02μm以下である。λ−λの下限は特に限定されず、0以上としうる。
レーザー光の出力は、好ましくは1W以上、より好ましくは5W以上、さらに好ましくは15W以上であり、好ましくは120W以下、より好ましくは100W以下、さらに好ましくは80W以下、さらにより好ましくは70W以下である。レーザー光の出力を前記範囲の下限値以上にすることにより、レーザー光の照射量が不足するのを防止して、フィルムの表面に対して凹凸構造を安定して形成することができる。また、レーザー光の出力を前記範囲の上限値以下とすることにより、フィルムに貫通孔が生じるのを抑制できる。
本発明の凹凸構造付きフィルムの製造方法によれば、凹凸構造の高さの変動が少ない凹凸構造付きフィルムを製造することができる。凹凸構造の高さとは、フィルムの表面に形成された凹凸構造の最も高い部分と、フィルムの表面との高さの差である。凹凸構造の高さは、干渉型表面形状測定装置(ZYGO社製「NewView7200」)を用いて測定しうる。凹凸構造の高さの変動は、安定性の評価として着目している長さを持つ凹凸構造つきフィルムサンプルから凹凸領域内の凸部をランダムに100箇所抽出し、フィルムの表面に対して凸部が突出している高さを測定し、平均値、最大値、及び最小値を求め、平均値に対して最大値及び最小値が何パーセント変動しているかを計算することにより求めうる。安定性の評価として着目する長さとは、たとえばロールとして巻き取る場合であれば、ロール1本分のフィルム長さなどである。凹凸構造の高さの変動は、好ましくは±20%以下、より好ましくは±15%以下である。凹凸構造の高さの変動をこのように低い値とすることにより、凹凸構造付きフィルムロール体におけるフィルム間の摩擦による傷の発生及びブロッキングを、効果的に低減することができる。
〔3.フィルム〕
本発明の製造方法に供するフィルムは、特に限定されず、レーザー光により加工可能な各種のフィルムを用いうる。フィルムは、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。
凹凸構造付きフィルムを光学フィルムとして使用する場合には、フィルムは、光学部材としての機能を発揮する観点から、通常は高い透明性を有していることが好ましい。具体的には、フィルムの全光線透過率は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、全光線透過率は、JIS K7105に準拠して、日本電色工業社製「濁度計 NDH−2000」を用いて、5箇所測定し、それから求めた平均値である。
また、凹凸構造付きフィルムを光学フィルムとして使用する場合には、フィルムは、通常、ヘイズが小さいことが好ましい。具体的には、フィルムのヘイズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは2%以下である。ヘイズを低い値とすることにより、凹凸構造付きフィルムから切り出したフィルム片を表示装置に組み込んだ場合に、その表示装置の表示画像の鮮明性を高めることができる。ここで、ヘイズは、日本電色工業社製の濁度計「NDH2000」を用いて測定できる。
本発明の製造方法に供するフィルムは通常、各種の重合体を含む、熱可塑性樹脂の層を1層以上備えるフィルムである。かかる重合体としては、炭化水素重合体、(メタ)アクリル重合体およびポリエステル等が挙げられる。
〔3.1.炭化水素重合体〕
本発明の製造方法に供するフィルムは、炭化水素重合体を含むことが好ましい。「炭化水素重合体を含む」フィルムには、炭化水素重合体を含む樹脂の層を1層以上備えるフィルム、及び炭化水素重合体を含む樹脂の層の1層以上と、その他の層を1層以上とを備えるフィルムの両方が含まれる。
炭化水素重合体、特に脂環式構造含有重合体は、透明性及び成形性が良好であるため、光学フィルム等の用途に好適に用いられるが、その炭素及び水素から主に構成される構造に起因して、多くの場合波長10.6μm付近においてその透過率プロファイルに大きな傾斜を有する。一方、汎用される炭酸ガスレーザー装置から出光される、中心波長10.6μmのレーザー光は、波長範囲が広いことが多い。通常、そのような広い波長範囲は、フィルムの成形の用途においては留意されないが、本発明者が見出したところによれば、かかるレーザー光の波長範囲の広さと、かかる炭化水素重合体の透過率の傾斜により、レーザー光の吸収量に、意図せぬ大きな変動が起き、このような意図せぬ変動は、ナーリング等の目的で微細な凹凸構造を形成する場合、看過しえない程度の凹凸構造の不均一をもたらす。そこで、本発明の製造方法により、凹凸構造の高さの変動を抑制することにより、炭化水素重合体を含むフィルムの透明性及び成形性等の利点を享受しながら、且つ均一な凹凸構造の効率的な形成を達成することができる。
炭化水素重合体とは、重合体の繰り返し単位の少なくとも一部が、炭化水素基である重合体をいう。炭化水素重合体中の、繰り返し単位である炭化水素基の割合は、使用目的に応じて適宜選択しうるが、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。
炭化水素重合体としては、脂環式構造含有重合体が好ましい。脂環式構造含有重合体とは、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有する重合体であり、主鎖に脂環式構造を有する重合体、及び、側鎖に脂環式構造を有する重合体のいずれであってもよい。中でも、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好ましい。
脂環式構造としては、例えば、飽和脂環式炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和脂環式炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などが挙げられる。中でも、機械強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択しうるが、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると、フィルムの透明性および耐熱性の観点から好ましい。
脂環式構造含有重合体としては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体、及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系重合体は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体、若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体、又はそれらの水素化物;ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体、若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体、又はそれらの水素化物;等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適に用いることができる。「(共)重合体」とは、重合体及び共重合体のことをいう。
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(例えば、環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、極性基などを挙げることができる。また、これらの置換基は、同一または相異なって、複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン構造を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
極性基の種類としては、例えば、ヘテロ原子、またはヘテロ原子を有する原子団などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ハロゲン原子などが挙げられる。極性基の具体例としては、カルボキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、オキシ基、エステル基、シラノール基、シリル基、アミノ基、ニトリル基、スルホン酸基などが挙げられる。
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体;などが挙げられる。ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体、およびノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、例えば、単量体を公知の開環重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより得ることができる。
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンおよびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのシクロオレフィンおよびこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体、およびノルボルネン構造を有する単量体と共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、例えば、単量体を公知の付加重合触媒の存在下に重合又は共重合することにより得ることができる。
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環を有する環状オレフィン系モノマーの付加重合体を挙げることができる。
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン系モノマーの付加重合体を環化反応して得られる重合体;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン等の環状共役ジエン系モノマーの1,2−または1,4−付加重合体;およびこれらの水素化物;などを挙げることができる。
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン等のビニル脂環式炭化水素系モノマーの重合体およびその水素化物;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素系モノマーを重合してなる重合体に含まれる芳香環部分を水素化してなる水素化物;ビニル脂環式炭化水素系モノマー、またはビニル芳香族炭化水素系モノマーとこれらビニル芳香族炭化水素系モノマーに対して共重合可能な他のモノマーとのランダム共重合体若しくはブロック共重合体等の共重合体の、芳香環の水素化物;等を挙げることができる。前記のブロック共重合体としては、例えば、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体またはそれ以上のマルチブロック共重合体、並びに傾斜ブロック共重合体等を挙げることもできる。
炭化水素重合体の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いて(但し、試料がシクロヘキサンに溶解しない場合にはトルエンを用いてもよい)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000以上、好ましくは15,000以上、より好ましくは20,000以上であり、通常100,000以下、好ましくは80,000以下、より好ましくは50,000以下である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度および成型加工性が高度にバランスされ好適である。
炭化水素重合体の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は通常1.2以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上であり、通常3.5以下、好ましくは3.0以下、更に好ましくは2.7以下である。凹凸構造付きフィルムを光学フィルムとして使用する場合、炭化水素重合体の分子量分布が3.5を超えると低分子成分が増すため緩和時間の短い成分が増加し、一見同じ面内レターデーションReを有するフィルムであっても高温暴露時の緩和が短時間で大きくなることが推定され、フィルムの安定性が低下するおそれがある。一方、分子量分布が1.2を下回るようなものは炭化水素重合体の生産性の低下とコスト増につながりうる。
炭化水素重合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択しうるが、好ましくは130℃以上、より好ましくは135℃以上であり、好ましくは150℃以下、より好ましくは145℃以下である。ガラス転移温度が130℃を下回ると高温下における耐久性が悪化する可能性があり、150℃を上回るものは耐久性は向上するが通常の延伸加工が困難となる可能性がある。
凹凸構造付きフィルムを、光学フィルムとして使用する場合は、炭化水素重合体は、光弾性係数の絶対値が10×10−12Pa−1以下であることが好ましく、7×10−12Pa−1以下であることがより好ましく、4×10−12Pa−1以下であることが特に好ましい。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、「C=Δn/σ」で表される値である。炭化水素重合体の光弾性係数が10×10−12Pa−1を超えると、凹凸構造付きフィルムの面内レターデーションReのバラツキが大きくなるおそれがある。
炭化水素重合体の飽和吸水率は、好ましくは0.03重量%以下、さらに好ましくは0.02重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下である。飽和吸水率が上記範囲であると、フィルムの面内レターデーションRe及び厚さ方向レターデーションRthの経時変化を小さくすることができる。また、凹凸構造付きフィルムを光学フィルムとして使用する場合、フィルムを備える偏光板及び液晶表示装置の劣化を抑制でき、長期的にディスプレイの表示を安定で良好に保つことができる。
飽和吸水率は、試験片を一定温度の水中に一定時間浸漬して増加した重量を、浸漬前の試験片の重量に対する百分率で表した値である。通常は、23℃の水中に24時間、浸漬して測定される。脂環式構造含有重合体における飽和吸水率は、例えば、脂環式構造含有重合体中の極性基の量を減少させることにより、前記の範囲に調節することができる。飽和吸水率をより低くする観点から、脂環式構造含有重合体は、極性基を有さないことが好ましい。
フィルムを構成する樹脂の層は、本発明の効果を著しく損なわない限り、脂環式構造含有重合体等の重合体に加えて、それ以外の任意成分を含んでいてもよい。任意成分の例を挙げると、顔料、染料等の着色剤;蛍光増白剤;分散剤;熱安定剤;光安定剤;紫外線吸収剤;耐電防止剤;酸化防止剤;滑剤;などの添加剤が挙げられる。なお、任意成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、フィルムを構成する樹脂の層は、脂環式構造含有重合体等の重合体を、一般的には約50%〜100%、または約70%〜100%含むことが好ましい。
フィルムを構成する樹脂の層は、樹脂を公知のフィルム成形法で成形することによって得られる。フィルム成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。中でも、溶剤を使用しない溶融押出法の方が、残留揮発成分量を効率よく低減させることができ、地球環境や作業環境の観点、及び製造効率に優れる観点から好ましい。溶融押出法としては、ダイスを用いるインフレーション法などが挙げられるが、生産性や厚さ精度に優れる点でTダイを用いる方法が好ましい。得られた樹脂の層は、そのまま本発明の製造方法に供するフィルムとして用いることができる。または、得られた樹脂の層の表面上に、任意に易滑層、帯電防止層等の任意の層を形成し、これを本発明の製造方法に供するフィルムとして用いることもできる。
〔3.2.易滑層〕
本発明の製造方法に供するフィルムの好ましい態様として、基材層と、前記基材層の表面上に形成された易滑層とを含むものが好ましく挙げられる。フィルムがその表面に易滑層を備える場合、フィルムの滑り性を向上させることができ、フィルムのハンドリング性を良好なものとし、フィルム間の摩擦による傷の発生、ブロッキング及びしわを安定して抑制できる。
易滑層は、易接着層としての機能をも備えたものとしうる。易接着層とは、接着剤を介して凹凸構造付きフィルムの一部であるフィルム片を他の部材(例えば、偏光子等)と貼り付ける際に、接着剤によるフィルム片と他の部材との接着を補強して、より強固に接着させる機能を有する層である。
易滑層は、フィルムの片面に設けられてもよく、両面に設けられてもよい。フィルムの片面のみに易滑層が設けられる場合、レーザー光を照射する面は、易滑層を有する側の面でもよく、その反対側の面でもよい。
易滑層は、例えば、水系樹脂を含む層とすることが好ましい。水系樹脂とは、水を媒体とした溶液または分散液として調製されうる樹脂である。水系樹脂を含む水溶液又は水分散液を基材層の表面に塗布して乾燥することにより、基材層の表面に、水系樹脂の層を形成することができる。水系樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびそれぞれの樹脂のエマルジョンなどが挙げられ、好ましくは水系ウレタン樹脂が挙げられる。
水系ウレタン樹脂はポリウレタンと、必要に応じてその他の成分とを含む。ポリウレタンは、接着性が低い炭化水素重合体を含む基材層に対して強力に接着できるので、易滑層が基材層から剥離することを効果的に抑制することができる。水系ウレタン樹脂に含まれるポリウレタンとしては、例えば、(i)1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分と(ii)多価イソシアネート成分とを反応させて得られるポリウレタン;または、上記(i)成分及び(ii)成分をイソシアネート基過剰の条件下で、反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒中でウレタン化反応させてイソシアネート基含有プレポリマーとし、次いで、該プレポリマーを中和し、鎖延長剤を用いて鎖延長し、水を加えて分散体とすることによって製造されるポリウレタン;などが挙げられる。これらのポリウレタン中には酸構造(酸残基)を含有させてもよい。
なお、イソシアネート基含有プレポリマーの鎖伸長方法は公知の方法によればよく、例えば、鎖伸長剤として、水、水溶性ポリアミン、グリコール類などを使用し、イソシアネート基含有プレポリマーと鎖伸長剤とを、必要に応じて触媒の存在下で反応させればよい。
前記(i)成分(すなわち、1分子中に平均2個以上の活性水素を含有する成分)としては、特に限定されるものではないが、水酸基性の活性水素を有するものが好ましい。このような化合物の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
(1)ポリオール化合物
ポリオール化合物として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、2,5−ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチルプロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。
(2)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとして、例えば、前記のポリオール化合物のアルキレンオキシド付加物;アルキレンオキシドと環状エーテル(例えばテトラヒドロフランなど)との開環(共)重合体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコールの共重合体;グリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリオクタメチレングリコールなどのグリコール類;などが挙げられる。
(3)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとして、例えば、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸又はその無水物と、上記(1)で挙げられたようなエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール、ネオペンチルグリコールなどのポリオール化合物とを、水酸基過剰の条件で重縮合させて得られたものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、エチレングリコール−アジピン酸縮合物、ブタンジオール−アジピン縮合物、ヘキサメチレングリコール−アジピン酸縮合物、エチレングリコール−プロピレングリコール−アジピン酸縮合物、またはグリコールを開始剤としてラクトンを開環重合させたポリラクトンジオールなどが挙げられる。
(4)ポリエーテルエステルポリオール
ポリエーテルエステルポリオールとして、例えば、エーテル基含有ポリオール(例えば、前記(2)のポリエーテルポリオールやジエチレングリコール等)あるいは、これと他のグリコールとの混合物を上記(3)で例示したようなジカルボン酸又はその無水物に加えてアルキレンオキシドを反応させてなるものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、ポリテトラメチレングリコール−アジピン酸縮合物などが挙げられる。
(5)ポリカーボネートポリオール
ポリカーカーボネートポリオールとしては、例えば、一般式HO−R−(O−C(O)−O−R)x−OH(ただし、式中、Rは炭素原子数1〜12の飽和脂肪酸ポリオール残基を示す。また、xは分子の繰り返し単位の数を示し、通常5〜50の整数である。)で示される化合物などが挙げられる。これらは、飽和脂肪族ポリオールと置換カーボネート(例えば、炭酸ジエチル、ジフェニルカーボネートなど)とを、水酸基が過剰となる条件で反応させるエステル交換法;前記飽和脂肪族ポリオールとホスゲンとを反応させるか、または必要に応じて、その後さらに飽和脂肪族ポリオールを反応させる方法;などにより得ることができる。
上記の(1)から(5)に例示したような化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
前記(i)成分と反応させる(ii)成分(即ち、多価イソシアネート成分)としては、例えば、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を含有する脂肪族、脂環族または芳香族の化合物を使用してもよい。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、炭素原子数1〜12の脂肪族ジイソシアネートが好ましく、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。脂環式ジイソシアネート化合物としては、炭素原子数4〜18の脂環式ジイソシアネートが好ましく、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)などが挙げられる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、水系ウレタン樹脂のうちでポリウレタンが酸構造を含有するもの(以下、適宜「酸構造含有水系ウレタン樹脂」という。)は、界面活性剤を使用せずに、若しくは界面活性剤の量が少なくても、水中に分散させることが可能となるので、易滑層の耐水性が良くなることが期待される。これを自己乳化型といい、界面活性剤を使用すること無く分子イオン性のみで、水中にポリウレタン樹脂が分散安定化しうることを意味する。このような水系ウレタン樹脂を用いた易滑層は、界面活性剤が不要であるために、炭化水素重合体樹脂、脂環式構造含有重合体樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、およびポリエステル樹脂との接着性に優れ、かつ高い透明性を維持できるため、好ましい。
酸構造としては、例えば、カルボキシル基(−COOH)、スルホン酸基(−SOH)等の酸基などを挙げることができる。また、酸構造は、ポリウレタンにおいて側鎖に存在していてもよく、末端に存在していてもよい。なお、酸構造は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
酸構造の含有量としては、水系ウレタン樹脂中の酸価として、好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは25mgKOH/g以上であり、好ましくは250mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下である。酸価が20mgKOH/g未満では水分散性が不十分となりやすく、一方、酸価が250mgKOH/gより大きいと易滑層の耐水性が劣る傾向となる。
ポリウレタンに酸構造を導入する方法は、従来から用いられている方法が特に制限なく使用できる。好ましい例を挙げると、ジメチロールアルカン酸を、前記(2)から(4)に記載したグリコール成分の一部もしくは全部と置き換えることによって、予めポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等にカルボキシル基を導入する方法が挙げられる。ここで用いられるジメチロールアルカン酸としては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。なお、ジメチロールアルカン酸は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、ポリウレタンが含む酸構造の一部又は全部は、中和することが好ましい。酸構造を中和することにより、水系ウレタン樹脂の水分散性を向上させることができる。酸成分を中和する中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基;などを挙げられる。なお、中和剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ポリウレタンの数平均分子量は、1,000以上が好ましく、より好ましくは20,000以上であり、1,000,000以下が好ましく、より好ましくは200,000以下である。
水系ウレタン樹脂として、市販されている水系ウレタン樹脂をそのまま使用することも可能である。水系ウレタン樹脂としては、例えば、旭電化工業(株)製の「アデカボンタイター」シリーズ、三井東圧化学(株)製の「オレスター」シリーズ、大日本インキ化学工業(株)製の「ボンディック」シリーズ、「ハイドラン」シリーズ、バイエル社製の「インプラニール」シリーズ、日本ソフラン(株)製の「ソフラネート」シリーズ、花王(株)製の「ポイズ」シリーズ、三洋化成工業(株)製の「サンプレン」シリーズ、保土谷化学工業(株)製の「アイゼラックス」シリーズ、第一工業製薬(株)製の「スーパーフレックス」シリーズ、ゼネカ(株)製の「ネオレッツ」シリーズなどを用いることができる。なお、水系ウレタン樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、易滑層は、微粒子を含むことが好ましい。したがって、易滑層が水系樹脂により形成される場合、当該水系樹脂は微粒子を含むことが好ましい。易滑層に微粒子を含ませることにより、易滑層の表面に凹凸が形成される。それによって巻き取りの際に易滑層が他の層と接触する面積が小さくなり、小さくなった面積分だけ易滑層の表面の滑り性を向上させて、凹凸構造付きフィルムを巻き取る際のシワの発生を抑制できる。
微粒子の平均粒子径は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上であり、通常500nm以下、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下である。平均粒子径を前記範囲の下限値以上にすることにより易滑層の滑り性を効果的に高めることができ、前記範囲の上限値以下にすることによりヘイズを低く抑えることができる。なお、微粒子の平均粒子径としては、レーザー回折法によって粒径分布を測定し、測定された粒径分布において小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(50%体積累積径D50)を採用する。
微粒子としては、無機微粒子、有機微粒子のいずれを用いてもよいが、水分散性の微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の材料を挙げると、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物;炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム等が挙げられる。また、有機微粒子の材料を挙げると、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。シリカの微粒子は、シワの発生を抑制する能力及び透明性に優れ、ヘイズを生じ難く、着色が無いため、凹凸構造付きフィルムの光学特性に与える影響がより小さいからである。また、シリカはウレタン樹脂への分散性および分散安定性が良好だからである。また、シリカの微粒子の中でも、非晶質コロイダルシリカ粒子が特に好ましい。
なお、微粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
易滑層に含まれる微粒子の量は、易滑層に含まれる重合体100重量部に対し、通常0.5重量部以上、好ましくは5重量部以上、より好ましくは8重量部以上であり、通常20重量部以下、好ましくは18重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。微粒子の量を前記の範囲の下限値以上とすることにより、フィルムのハンドリング性を向上させることができるので、凹凸構造付きフィルムを巻回した場合にシワの発生を抑制できる。また、微粒子の量を前記範囲の上限値以下とすることにより、凹凸構造付きフィルムの白濁の無い外観を維持できる。
易滑層の厚みが1μm以下の場合、易滑層の機械強度を向上させる目的で、易滑層の製造に用いる水系樹脂には、更に架橋剤を含ませることが好ましい。架橋剤としては、水系樹脂に含まれる重合体が有する反応性基と反応する官能基を有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。例えば、水系樹脂として水系ウレタン樹脂を用いる場合には、架橋剤として水系エポキシ化合物、水系アミノ化合物、水系イソシアネート化合物、水系カルボジイミド化合物、水系オキサゾリン化合物等を使用することが、材料の汎用性の観点から好ましい。易滑層を易接着層として機能させたい場合、特に水系エポキシ化合物、水系アミノ化合物、水系オキサゾリン化合物を使用することが、接着性の観点から好ましい。
水系エポキシ化合物としては、水に溶解性があるか、又はエマルジョン化した2個以上のエポキシ基を有する化合物であればよい。水系エポキシ化合物の例を挙げると、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール;1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類1モルと、エピクロルヒドリン2モルとのエーテル化によって得られるジエポキシ化合物;グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類1モルと、エピクロルヒドリン2モル以上とのエーテル化によって得られるポリエポキシ化合物;フタル酸、テレフタル酸、シュウ酸、アジピン酸等のジカルボン酸1モルと、エピクロルヒドリン2モルとのエステル化によって得られるジエポキシ化合物等のエポキシ化合物;などが挙げられる。
水系アミノ化合物としては、水に溶解性があるか、又はエマルジョン化した2個以上のアミノ基を有する化合物であればよい。水系アミノ化合物の例を挙げると、カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタール酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、グリコリック酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、メラミン樹脂、ユリア樹脂、グアナミン樹脂などが挙げられる。
水系イソシアネート化合物としては、水に溶解性があるか、又はエマルジョン化した2個以上の非ブロック型のイソシアネート基若しくはブロック型のイソシアネート基を有する化合物であればよい。非ブロック型のイソシアネート化合物としては、例えば、多官能イソシアネート化合物と一価又は多価のノニオン性ポリアルキレンエーテルアルコールとを反応させて得られる化合物が挙げられる。ブロック型イソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルシクロヘキシルジイソシアネート(H6TDI)、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、2,4,6−トリイソプロピルフェニルジイソシアネート(TIDI)、1,12−ジイソシアネートドデカン(DDI)、2,4,−ビス−(8−イソシアネートオクチル)−1,3−ジオクチルシクロブタン(OCDI)、n−ペンタン−1,4−ジイソシアネート、およびこれらのイソシアヌレート変性体、アダクト変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体、並びに、これらの重合体で1個以上のイソシアネート基を有するものをポリオキシアルキレン基、カルボキシル基等で変性し、水溶性およびまたは水分散性にし、イソシアネート基をブロック剤(フェノール、ε−カプロラクタムなど)でマスクすることにより得られる化合物などが挙げられる。
水系カルボジイミド化合物としては、水に溶解性があるか、又はエマルジョン化した2個以上のカルボジイミド結合(−N=C=N−)を有する化合物であればよい。2個以上のカルボジイミド結合を有する化合物は、例えば、2分子以上のポリイソシアネートとカルボジイミド化触媒とを用いて、2個のイソシアネート基を脱炭酸反応させてカルボジイミド結合を形成させる方法によって得ることができる。2個以上のカルボジイミド結合を有する化合物を作製する際に使用されるポリイソシアネートおよびカルボジイミド化触媒は特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。
水系オキサゾリン化合物としては、水に溶解性があるか、又はエマルジョン化した2個以上のオキサゾリン基を有する化合物であればよい。
架橋剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
易滑層が水系ウレタン樹脂で形成されている場合、架橋剤の量は、ポリウレタン100重量部に対して、固形分で、通常1重量部以上、好ましくは5重量部以上であり、通常70重量部以下、好ましくは65重量部以下である。このような配合にすることにより、易滑層の強度と、水系ウレタン樹脂の水分散体の安定性を両立できることが可能となる。
さらに、易滑層には、必要に応じて、例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、架橋剤などを含ませてもよい。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
易滑層の厚みは、0.01μm以上が好ましく、0.02μm以上がより好ましく、0.03μm以上が特に好ましく、また、5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましく、1μm以下が特に好ましい。前記範囲内にあると、基材層と易滑層との十分な接着強度が得られ、かつ、フィルムの反りなどの欠陥を無くすことができる。
基材層の厚みtと易滑層の厚みtとの比t/tは、0.0003以上が好ましく、0.0010以上がより好ましく、0.0025以上が特に好ましく、また、0.0100以下が好ましく、0.0080以下がより好ましく、0.0050以下が特に好ましい。これにより、凹凸構造付きフィルムの高い透明性と高い滑り性との両立が可能となる。フィルムが基材層を2層以上備える場合にはそれらの基材層の厚みの合計が厚みtとなり、フィルムが易滑層を2層以上備える場合にはそれらの易滑層の厚みの合計が厚みtとなる。
易滑層は、厚み20μmにおける鉛筆硬度がH以上であることが好ましい。前記範囲にすることにより、凹凸構造付きフィルムに耐擦傷性を付与することができる。
基材層と易滑層との界面屈折率差は、0.05以下であることが好ましい。界面屈折率差が前記範囲内にあると、フィルムを光が透過する際の光の損失を抑えることができる。
易滑層の製造方法に制限は無い。易滑層は、例えば、重合体、粒子及び溶媒、並びに必要に応じて任意の成分を含む樹脂組成物を用意し、その樹脂組成物を基材層の表面に塗布して前記樹脂組成物の層を形成した後で、その樹脂組成物の層を硬化させることにより製造しうる。また、樹脂組成物の層の硬化は、例えば、紫外線等の活性エネルギー線の照射、加熱等により行ないうる。
例えば、易滑層をウレタン樹脂により形成する場合は、基材層の表面に、水系ウレタン樹脂の水分散体を直接に塗布することにより、易滑層としてのウレタン樹脂層を形成してもよい。水系ウレタン樹脂の水分散体は、水系ウレタン樹脂が水に分散された液状の組成物であり、例えば、エマルション、コロイド分散系、水溶液などの形態としてもよい。
水系ウレタン樹脂の水分散体には、水溶性の溶剤が含まれていてもよい。水溶性の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
水系ウレタン樹脂の水分散体に分散する水系ウレタン樹脂の粒子の粒径は、凹凸構造付きフィルムの光学特性の観点から、0.01μm〜0.4μmであることが好ましい。水系ウレタン樹脂粒子の粒径は、動的光散乱法により測定することができ、例えば、大塚電子(株)製の光散乱光度計DLS−8000シリーズにより測定することができる。
水系ウレタン樹脂の水分散体の粘度は、15mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であるのが特に好ましい。水系ウレタン樹脂の分散体の粘度が前記範囲内にあると、基材層の表面に水系ウレタン樹脂の水分散体を均一に塗布することができる。水系ウレタン樹脂の水分散体の粘度は、音叉型振動式粘度計により25℃の条件下で測定した値である。水系ウレタン樹脂の水分散体中の水系ウレタン樹脂の割合及び水系ウレタン樹脂の粒径などを変化させることにより、水系ウレタン樹脂の水分散体の粘度を調整することができる。
水系樹脂を含む塗布液の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布法を採用することができる。具体的な塗布法としては、例えば、ワイヤーバーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スライドコート法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
易滑層を設ける前に、易滑層を設ける基材層の表面に改質処理を施し、基材層と易滑層との密着性をより向上させることが好ましい。基材層に対する表面改質処理としては、例えば、エネルギー線照射処理及び薬品処理等が挙げられる。エネルギー線照射処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理、紫外線照射処理等が挙げられ、処理効率の点等から、コロナ放電処理、プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。また、薬品処理としては、例えば、ケン化処理、重クロム酸カリウム溶液、濃硫酸等の酸化剤水溶液中に浸漬し、その後、水で洗浄する方法が挙げられる。
易滑層を易接着層としても機能させる場合、易滑層の表面には、親水化表面処理を施すことが好ましい。易滑層の表面は、通常は凹凸構造付きフィルムの一部であるフィルム片を他の部材と貼り合わせる際の貼り合せ面となる。したがって、この面の親水性を更に向上させることにより、フィルム片と他の部材との接着性を顕著に向上させることができる。
易滑層に対する親水性表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理などが挙げられる。中でも、処理効率の点などからコロナ放電処理及び大気圧プラズマ処理が好ましく、コロナ放電処理が特に好ましい。
〔4.照射工程後の工程:ロール体の製造方法〕
照射工程を経て得られた凹凸構造付きフィルムは、必要に応じて、フィルム幅方向に平行な軸を回転軸として巻き取り、それにより凹凸構造付きフィルムのロール体を製造しうる。再び図1の例を参照して説明すると、得られた凹凸構造付きフィルム100は、円筒形の巻芯150に、巻芯150の軸151が凹凸構造付きフィルム100の幅方向と平行となるよう巻きつけられる。巻芯150を、その軸151を回転軸として回転させることにより、凹凸構造付きフィルム100を巻回し、凹凸構造付きフィルムロール体160を得ることができる。凹凸構造付きフィルムロール体160は、凹凸構造付きフィルム100の端部110及び120に高さの変動が抑制された凹凸構造130が形成されているので、しわ、ねじれ等の不具合が抑制され、保管及び運搬が容易なものとすることができる。
図1に示す例では、ロール体160には凹凸構造付きフィルム100のみを巻回しているが、本発明のロール体の製造方法はこれに限られず、凹凸構造付きフィルム100とマスキングフィルム等の他の部材とを重ねた状態で巻回を行って、重なった凹凸構造付きフィルム100のおもて面及び裏面が直接接しない状態のロール体を製造してもよい。しかしながら、本発明の凹凸構造付きフィルムの製造方法では、上に述べた特定の照射工程により凹凸構造を形成しているので、マスキングフィルムを用いず、凹凸構造付きフィルム100のおもて面及び裏面が直接接するよう巻回しても、良好なロール体の巻回を行うことができる。特に、フィルムとして、易滑層を備えるものを採用することにより、特に良好にロール体の巻回を行うことができる。
凹凸構造付きフィルムロール体160の巻回数に制限は無いが、通常40回以上、好ましくは60回以上であり、通常27000回以下、好ましくは13000回以下である。また、凹凸構造付きフィルムロール体160の外径に制限はないが、通常160mm以上、好ましくは190mm以上であり、通常2300mm以下、好ましくは1200mm以下である。凹凸構造付きフィルムの巻回速度に制限はないが、巻回速度が速すぎると空気の巻き込みを生じやすくなり、また巻回速度が遅すぎると製造効率が低下するため、通常5m/分以上、好ましくは10m/分以上であり、通常300m/分以下、好ましくは250m/分以下、より好ましくは200m/分以下である。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。また、以下の説明において、量を表す「部」及び「%」は、特に断らない限り重量基準である。以下に述べる操作は、特に断らない限り、常温常圧の環境において行った。
以下の実施例及び比較例において、凹凸構造付きフィルムの凹凸構造の高さ変動の評価、凹凸構造付きフィルムのロール体の状態の評価、並びにTavg、Tmax及びTminの測定は、以下の通り行った。
(凹凸構造の高さ変動の評価)
凹凸領域内の凸部をランダムに100箇所抽出し、フィルムの表面に対して凸部が突出している高さを、干渉型表面形状測定装置(ZYGO社製「NewView7200」)を用いて測定し、平均値、最大値、及び最小値を求め、平均値に対して最大値及び最小値が何パーセント変動しているかを計算した。結果を表1に示す。
(凹凸構造付きフィルムのロール体の状態の評価)
凹凸構造付きフィルムのロール体の状態を、目視で、ねじれ、しわ等の不具合の有無について観察し、下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
○:しわ及びねじれが確認されなかった。
△:しわ又はねじれが観察された。
×:顕著なしわ又はねじれが観察された。
(Tavg、Tmax及びTminの測定)
実施例及び比較例のそれぞれにおいて、フィルム10として用いたフィルムについて、Perkin Elmer製「Spectrum100」を用いて、透過する光の波長と透過率との関係を測定した。当該測定結果から、照射工程において用いたレーザー光の出光波長範囲における透過率、平均値Tavg、最大値Tmax、及び最小値Tminを計算した。
<実施例1>
(1−1.基材層の製造)
脂環式構造含有重合体樹脂(日本ゼオン社製「ZEONOR」;ガラス転移温度135℃)のペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥した後、直径65mmのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機を使用し、溶融樹脂温度270℃、Tダイの幅1500mmの成形条件で、厚さ100μm、幅1200mm、長さ2000mの、基材層として用いるフィルムを製造した。
(1−2.易滑層の形成)
温度計、攪拌機、窒素導入管および冷却管を備えた2000mlの四つ口フラスコに、ポリエステルポリオールであるマキシモールFSK−2000(川崎化成工業社製、水酸基価56mgKOH/g)840gと、多価イソシアネート成分であるトリレンジイソシアネート119gと、溶媒であるメチルエチルケトン200gとを入れ、窒素を導入しながら75℃で1時間反応させた。反応終了後、60℃まで冷却し、酸構造を導入するためにジメチロールプロピオン酸35.6gを加え、75℃で反応させて、イソシアネート基(−NCO基)の含有量が0.5%の酸構造含有水系ウレタン樹脂溶液を得た。次いで、この酸構造含有水系ウレタン樹脂溶液を40℃にまで冷却し、水1500gと、中和剤である水酸化ナトリウム10.6gとを加え、ホモミキサーで高速撹拌することにより乳化を行った。この乳化液から加熱減圧下によりメチルエチルケトンを留去した後、シリカビーズ(日本アエロジル社製「アエロジル130」;平均粒子径16nm)99.5gを加え攪拌し、さらに固形分濃度が10%になるように水を加えて中和処理し、水系ウレタン樹脂の水分散体を得た。
工程(1−1)で得られた基材層として用いるフィルムの片面に、上記ウレタン樹脂の水分散体をリバースロール法で、乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布した後、90℃にて乾燥した。これにより、基材層の片面に易滑層を形成して、基材層及び易滑層を備えるフィルムを得た。得られたフィルムについて、下記(1−3)で用いたレーザー光の出光波長範囲におけるTavg、Tmax及びTminを測定した。結果を表1に示す。
(1−3.照射工程及びロール体の形成)
図1に模式的に示す形態で、工程(1−2)で得られたフィルムをフィルム10として用いて照射工程を実施し、凹凸構造付きフィルム100を製造した。
フィルム10の易滑層を有する側の面に、レーザー装置20及び21からレーザー光を照射し、凹凸構造を有する凹凸領域11及び12を形成し、凹凸構造付きフィルム100を製造した。凹凸領域11及び12の幅W110及びW120は、それぞれ15mmとした。フィルム10を搬送するラインスピードは10m/分とした。
レーザー装置20及び21としては、炭酸ガスレーザー装置を用い、レーザー装置の出力を20W、出光波長の中心波長を10.59μm、出光波長範囲を、中心波長を中心として±0.01μm以下とした。
レーザー光のフィルム10への照射は、炭酸ガスレーザー装置から発光した平行化したビームを、2枚のガルバノミラー(不図示)で反射し、fθレンズ(焦点距離200mm)(不図示)を介して、搬送されるフィルム10の表面に集光させることにより行った。ガルバノミラーの角度を制御することで、集光位置を、フィルム平面方向に移動させ、それにより、フィルム表面上へのレーザー光の照射の軌跡を制御した。
本実施例において描いたレーザー光の照射の軌跡を、図3に示す。図3には、凹凸領域11及び12のうち凹凸領域12のみを図示するが、凹凸領域11においても、レーザー光の照射の軌跡は同様とした。レーザー光の照射の軌跡は、図3に示す通り、フィルム表面の凹凸領域内に多数の円430を描画するよう制御し、それにより円430に対応する形状の凹凸構造を形成した。個々の円430の直径は2.5mmとした。円430は、幅15mmの凹凸領域内に、フィルム長尺方向に延長する5つの列を形成するよう配置した。図3中、線411〜415は、それぞれの列の円の中心を通る線であり、隣り合う線411〜415の間隔(矢印A41〜A44のそれぞれで示される距離)は2.5mmとした。それぞれの列における、円430の中心間の距離(矢印A45及びA46で示される距離)は6mmとした。線411、413及び415上の円は幅方向に整列し、線412及び414上の円も幅方向に整列し、線411、413及び415上の幅方向に整列する円の中心を通る線421と、線412及び414上の幅方向に整列する円の中心を通る線422との距離(矢印A47及びA48で示される距離)は3mmとした。凹凸構造の形成速度を調整することにより、凹凸構造の高さは、10μm程度とした。
得られた凹凸構造付きフィルム100を巻芯150に巻き取り、ロール体160を得た。
(1−4.評価)
得られた凹凸構造付きフィルムについて、凹凸構造の高さの変動を評価した。加えて、凹凸構造付きフィルムのロール体の状態を評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
レーザー装置として、炭酸ガスレーザー装置を用い、レーザー装置の出力を40W、出光波長の中心波長を9.27μm、出光波長範囲を、中心波長を中心として±0.04μmとした他は、実施例1と同様にして、フィルムに凹凸構造を形成し、凹凸構造付きフィルム及びロール体を得て、評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
レーザー装置として、炭酸ガスレーザー装置を用い、レーザー装置の出力を45W、出光波長の中心波長を10.2μm、出光波長範囲を、中心波長を中心として±0.1μmとした他は、実施例1と同様にして、フィルムに凹凸構造を形成し、凹凸構造付きフィルム及びロール体を得て、評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
レーザー装置として、炭酸ガスレーザー装置を用い、レーザー装置の出力を20W、出光波長の中心波長を10.60μm、出光波長範囲を、中心波長を中心として±0.03μmとした他は、実施例1と同様にして、フィルムに凹凸構造を形成し、凹凸構造付きフィルム及びロール体を得て、評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
炭酸ガスレーザー装置を用い、レーザー装置の出力を40W、出光波長の中心波長を9.3μm、出光波長範囲を、中心波長を中心として±0.2μmとした他は、実施例1と同様にして、フィルムに凹凸構造を形成し、凹凸構造付きフィルム及びロール体を得て、評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006252299
1)顕著なねじれが観察された。
2)ねじれが観察された。
表1に示す通り、レーザー光として式(1)の条件を満たすものを用いた実施例1〜3で得られた凹凸構造付きフィルムの凹凸構造の高さは、変動が抑制され、またロール体(凹凸構造付きロール体)の状態も、しわ、ねじれがなく良好であった。レーザー光として、式(1)の条件を満たさないものを用いた比較例1および2で得られた凹凸構造付きフィルムの凹凸構造の高さは、変動が大きく、またロール体の状態も、ねじれがあり良好ではなかった。
10 フィルム
11,12 端部
20,21 レーザー装置
100 凹凸構造付きフィルム
110,120 凹凸領域
130 凹凸構造
140 領域
150 巻芯
160 凹凸構造付きフィルムロール体
A 搬送方向
MD MD方向
TD TD方向
110,W120

Claims (8)

  1. フィルムの少なくとも一方の面に、レーザー装置から出光する波長範囲λ〜λのレーザー光を照射し、凹凸構造を形成する照射工程を含み、
    前記照射工程は、波長範囲λ〜λにおける前記フィルムの透過率の最大値Tmax%、最小値Tmin%、及びこれらの平均値Tavg%が、下記式(1):
    (Tmax−Tmin)/(100−Tavg)×100≦15・・・式(1)
    を満たす条件で行う、凹凸構造付きフィルム製造方法。
  2. 前記フィルムは、炭化水素重合体を含む、請求項1に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  3. 前記炭化水素重合体が、脂環式構造含有重合体である、請求項2に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  4. 前記レーザー装置が、炭酸ガスレーザー装置である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  5. 前記波長範囲λ〜λは、中心波長として9.2〜9.4μmの範囲中の波長を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  6. 前記フィルムが、基材層と、前記基材層の表面上に形成された易滑層とを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  7. 前記フィルムが長尺フィルムであり、
    前記照射工程が、前記フィルムの少なくとも一方の面であって、幅方向における少なくとも一方の端部に凹凸構造を形成する工程である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法。
  8. 請求項7に記載の凹凸構造付きフィルム製造方法により得られる凹凸構造付きフィルムを、フィルム幅方向に平行な軸を回転軸として巻回する工程を含む、凹凸構造付きフィルムロール体の製造方法。
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