以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である画像処理システム1の全体構成例を示す図である。図1に示すように、画像処理システム1は、複数の画像処理装置2(2a〜2c)が通信ネットワーク3を介して相互に通信が可能な構成である。通信ネットワーク3は、例えば、一般的なオフィス内に構築されるLAN(Local Area Network)である。但し、これに限定されず通信ネットワーク3は、WAN(Wide Area Network)などの広域的な通信網を含む複合的な通信ネットワークであってもよい。また、画像処理装置2は、少なくとも2台用意されていれば良く、図示されている数に限られるものではない。
画像処理装置2は、例えばMFPなどのような複数のドキュメント処理機能を有する装置によって構成される。そのようなドキュメント処理機能としては、例えばスキャン機能やプリント機能、ファクシミリ機能、ボックス機能などがある。スキャン機能は、原稿を読み取ってドキュメントファイルを生成する機能である。プリント機能は、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルに基づいて印刷出力を行う機能である。ファクシミリ機能は、ドキュメントファイルをファクシミリ送信したり、ファクシミリ受信によりドキュメントファイルを取得したりする機能である。更に、ボックス機能は、ドキュメントファイルを保存しておく機能である。そして画像処理装置2は、上記のような各機能を単独で或いは複合的に動作させることにより、スキャンジョブやプリントジョブなどのユーザーによって指定されたジョブを実行する。
尚、複数の画像処理装置2a,2b,2cのそれぞれで処理可能なドキュメントファイルのファイル形式(データフォーマット)は互いに異なるものであっても構わない。また複数の画像処理装置2a,2b,2cのそれぞれに搭載されているドキュメント処理機能は互いに異なるものであっても構わない。
各画像処理装置2は、ドキュメントファイルを保存する記憶部25(図2参照)を備えている。この記憶部25には、ドキュメントファイルを保存するための記憶領域である文書ボックスが設けられる。文書ボックスは、例えばユーザーごとに設けられ、各ユーザーの識別情報(ユーザーID及びパスワード)が設定されている。そのため、各ユーザーは、自身の識別情報を入力することによって各画像処理装置2にログインすると、各画像処理装置2に設けられている自身の文書ボックスにアクセスすることが可能となり、その文書ボックスに保存されているドキュメントファイルに対してもアクセスすることができる。
また各画像処理装置2は、通信ネットワーク3を介した通信により、他の画像処理装置2における文書ボックス内のドキュメントファイルに関する情報を取得して、例えばドキュメントファイルのリストなどを表示することが可能となっている。
さらに各画像処理装置2は、図1に示すようにスマートフォンやタブレット端末などの外部端末9と近距離無線通信などによって互いに通信可能である。そして各画像処理装置2は、自機において表示する操作画面を外部端末9に送信することにより、その操作画面を外部端末9の表示部9aに表示させることが可能である。
図2は、画像処理装置2の構成例を示す図である。図2に示すように、画像処理装置2は、画像読取部21、画像形成部22及び操作パネル23を備えている。また、画像処理装置2は、通信ネットワーク3を介して他の画像処理装置と通信を行ったり、近距離無線通信などによって外部端末9と通信を行ったりするための通信インタフェース(I/F)部24と、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性記憶手段で構成される記憶部25と、CPU及びメモリを有する制御部26とを備えている。そして、画像処理装置2は、これらの構成要素21〜26がデータバスDBを介して相互にデータの入出力を行うことができる構成とされている。
操作パネル23は、表示部231と操作部232とを備えている。表示部231は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、操作パネル23を操作するユーザーに対して各種の情報を表示する。操作部232は、表示部231に隣接配置された各種の押しボタンキーや表示部231の表示画面上に配置されるタッチパネルセンサーなどで構成され、画像処理装置2のユーザーから操作入力を受け付ける。このような構成により、操作パネル23は、例えばドキュメントファイルに関する操作画面などの各種操作画面を表示部231に表示して、ユーザーからの各種操作入力を受け付けることができる。
制御部26は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各部の動作を制御するものである。また、本実施形態では、制御部26は、CPUがプログラムを実行することにより、ジョブ制御部261、操作検知部262及び表示制御部263として機能する。
ジョブ制御部261は、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。例えばプリントジョブの場合、ジョブ制御部261は、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルに基づいて画像形成部22の動作を制御することによりプリントジョブの実行を制御する。操作検知部262は、操作部232から出力される操作信号に基づいて、表示部231の操作画面に対する操作を検知する。
表示制御部263は、表示部231に表示する各種操作画面の表示制御を行う。例えば、表示制御部263は、ユーザーがジョブの設定操作を行うための操作画面や、ユーザーがドキュメントファイルを指定するためのドキュメントファイルに関する操作画面などを表示部231に表示する。また表示制御部263は、それらの操作画面を表示しているときに、操作検知部262によって操作画面に対するユーザーの操作が検知されると、その操作に基づき表示部231に表示している操作画面を更新する。
また表示制御部263は、操作パネル23の表示部231に表示するために生成する各種操作画面を、通信インタフェース部24を介して外部端末9に送信することにより、それらの操作画面を外部端末9の表示部9aに表示させることが可能である。それらの操作画面を外部端末9に表示しているときに、外部端末9においてユーザーによる操作が行われると、表示制御部263は、外部端末9から操作情報を取得し、その操作情報に基づいて外部端末9に表示している操作画面を更新する。したがって、ユーザーは、操作パネル23に対する操作を行うことによって画像処理装置2を使用することが可能であると共に、外部端末9を操作することによって画像処理装置2から比較的離れた位置で画像処理装置2を使用することも可能である。
特に本実施形態の表示制御部263は、画像処理装置2にユーザーがログインした状態となり、そのユーザーがアクセス可能な文書ボックスやドキュメントファイルなどのドキュメントに関する操作画面を表示するとき、通信ネットワーク3を介して他の画像処理装置と通信を行うことにより、他の画像処理装置においてそのユーザーがアクセス可能な文書ボックスやドキュメントファイルなどをその操作画面に表示することができるように構成される。
また表示制御部263は、そのような操作画面に表示される文書ボックスの中から一の文書ボックスを指定する操作が操作検知部262により検知されると、その指定された文書ボックスに格納されているドキュメントファイルに関する情報を表示する操作画面に更新する。このとき、ユーザーによって他の画像処理装置2の文書ボックスが指定されていれば、表示制御部263は、通信ネットワーク3を介して他の画像処理装置と通信を行うことにより、操作画面を更新するための情報を他の画像処理装置から取得する。
また表示制御部263は、ユーザーによって指定された一の文書ボックスに格納されているドキュメントファイルに関する情報を操作画面に表示するとき、その操作画面の一部に、ドキュメントファイルに関する情報を表示するための表示領域を設ける。このような表示領域は、例えば操作画面の中央の一部に設定され、ドキュメントファイルのサムネイル画像(ドキュメントファイル画像)やプレビュー画像などのドキュメント情報に関する各種表示画像を表示するための領域として使用される。そして表示制御部263は、例えばユーザーによって指定された文書ボックスが他の画像処理装置2に存在し、その文書ボックスに保存されているドキュメントファイルが自機で処理可能なファイル形式でない場合には、その文書ボックスを有する他の画像処理装置2に対して、その表示領域に表示する表示画像の作成を要求する。そして表示制御部263は、他の画像処理装置2から表示画像を受信すると、その受信した表示画像を表示部231に表示されている操作画面の一部の表示領域に嵌め込んで表示する。以下、このような画像処理システム1における具体的な動作について説明する。尚、以下においては、主として操作パネル23の表示部231に表示する操作画面の画面制御を例に挙げて説明するが、ユーザーが外部端末9を操作することによって画像処理装置2を使用している場合には、以下に説明する操作画面と同様の操作画面が外部端末9の表示部9aに表示されることになる。
図3は、一の画像処理装置2aから他の画像処理装置2bの文書ボックスにアクセスする場合の画像処理装置2a,2bの処理手順の一例を示すプロセス図である。なお、図3以降の各図においては、文書ボックスを「BOX」と表記している。
図3に示すように、画像処理装置2aにおいてユーザーが自身の識別情報を用いてログインすると(プロセスP1)、表示制御部263は、例えば図4に示すようなログインユーザーに対応する操作画面G1を表示部231に表示する。この操作画面G1には、「BOX」ボタンB1が設けられており、ログインユーザーがこの「BOX」ボタンB1を操作すると(プロセスP2)、表示制御部263は、通信ネットワーク3を介して接続されている他の画像処理装置2bに対して当該ログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスに関する情報を要求する。このとき、表示制御部263は、さらに別の画像処理装置2cに対してもログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスに関する情報を要求しても良い。
画像処理装置2aからログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスに関する情報が要求される他の画像処理装置2bは、ログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスを自機に格納しているか否か検索する(プロセスP3)。これと並行して、一の画像処理装置2aにおいてもログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスの検索が行われる(プロセスP4)。なお、ここでは、ログインユーザーに対応する文書ボックス「BOX1」が画像処理装置2aに存在し、文書ボックス「BOX2」が画像処理装置2bに存在するものとする。
画像処理装置2bは、ログインユーザーがアクセス可能な文書ボックス「BOX2」が自機に存在していることを検出すると、その文書ボックス「BOX2」に関する情報を画像処理装置2aに送信する。その結果、画像処理装置2aは、画像処理装置2bから文書ボックス「BOX2」に関する情報を受信する。また画像処理装置2aは、ログインユーザーがアクセス可能な文書ボックス「BOX1」が自機に存在していることを検出する。
その後、画像処理装置2aと画像処理装置2bは機能情報の交換を行う。この機能情報の交換により、画像処理装置2bから画像処理装置2aに対して画像処理装置2bに搭載されているドキュメント処理機能に関する機能情報が通知されるので、画像処理装置2aは、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能を把握することができる。
画像処理装置2aの表示制御部263は、画像処理装置2bとの機能情報の交換後、画像処理装置2bに存在するログインユーザーがアクセス可能な文書ボックス「BOX2」に関する情報を表示部231に表示するとともに、自機に存在するログインユーザーがアクセス可能な文書ボックス「BOX1」に関する情報を表示部231に表示することにより操作画面を更新する(プロセスP5)。このとき表示部231に表示される操作画面G2の一例を図5に示す。
図5に示すように、操作画面G2には、自機に存在する文書ボックス「BOX1」を示すアイコンと、画像処理装置2bに存在する文書ボックス「BOX2」を示すアイコンとが表示されている。また、操作画面G2は、図4に示す操作画面G1に対して、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンB2〜B4が新たに設けられた画面構成となっている。これら操作ボタンB2〜B4は、上述した機能情報の交換によって画像処理装置2bにおいて実行可能な機能が特定されることにより追加的に表示されるボタンである。尚、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンB2〜B4を追加して操作画面G2に表示するときには、画像処理装置2aにおいて実行可能なドキュメント処理機能を除外し、画像処理装置2bにおいてのみ実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンだけを表示するようにしても良い。
また図5に示す操作画面G2では、それ以前の操作画面G1で表示されていた「BOX」ボタンB1の表示状態が継続される。そのため、操作画面G1から操作画面G2に更新された後に、ユーザーが再度「BOX」ボタンB1を操作するときでも、操作画面G2をそれ以前の操作画面G1に戻す必要がなく、操作性が向上する。
このような操作画面G2において、矢印Aに示すように、画像処理装置2bに存在する文書ボックス「BOX2」を指定する操作がログインユーザーによって行われると(プロセスP6)、表示制御部263は、その指定された文書ボックス「BOX2」のドキュメントファイルに関する表示画像を画像処理装置2bに要求する。この要求情報のフォーマット例を図6(a)に示す。
図6(a)に示すように、要求情報は、ドキュメントファイルに関する表示画像の要求対象である文書ボックスを特定するために文書ボックスの名称などの情報を含んでいる。また要求情報には、ドキュメントファイルに関する表示画像の画像サイズを指定するために画像幅と画像高さとを指定する情報が含まれる。図6(a)に示す例では、文書ボックス「BOX2」に保存されているドキュメントファイルに関する情報を表示するための表示画像を、幅500(pixel)、高さ200(pixel)の表示サイズで画像処理装置2bに要求する要求情報となっている。
画像処理装置2bの表示制御部263は、文書ボックス「BOX2」のドキュメントファイルに関する表示画面を要求されると、その文書ボックス「BOX2」に保存されているドキュメントファイルに基づくサムネイル画像を生成すると共に、そのサムネイル画像を配置したビットマップ画像を生成することにより、画像処理装置2aに返信すべき表示画像を作成する(プロセスP7)。このとき、画像処理装置2bの表示制御部263は、画像処理装置2aから指定されたサイズの表示画像を生成する。ただし、画像処理装置2bの表示制御部263に実装されている表示画像生成機能によっては、画像処理装置2aから指定されたサイズの表示画像を生成することができない場合もある。そのような場合、画像処理装置2bの表示制御部263は、画像処理装置2aから指定されたサイズには一致しないサイズの表示画像を生成する。このようにして生成される表示画像GH1の一例を図7(b)に示す。図7(b)に示す表示画像GH1は、文書ボックス「BOX2」に2つのドキュメントファイルが存在することを示す画像であり、それら2つのドキュメントファイルのそれぞれに対応するサムネイル画像L1,L2が含まれる。つまり、画像処理装置2bの表示制御部263は、文書ボックス「BOX2」に保存されている2つのドキュメントファイルを読み出し、それぞれのサムネイル画像を生成してビットマップに変換することにより、図7(b)に示すような表示画像GH1を生成する。そして、画像処理装置2bの表示制御部263は、上記のようにして生成した表示画像GH1を画像処理装置2aに送信する。このとき、画像処理装置2bの表示制御部263は、表示画像GH1と共に、その表示画像GH1に関する返信情報を画像処理装置2aに送信する。この返信情報のフォーマット例を図6(b)に示す。
図6(b)に示すように、返信情報は、表示画像GH1に対応する文書ボックスの名称、表示画像GH1の幅及び高さ、表示画像GH1のデータ量、文書ボックス「BOX2」に存在するドキュメントファイルの数、各ドキュメントファイルのファイル形式、各ドキュメントファイルに付加されている情報(付加情報)の各項目から成る情報である。図6(b)に示す例では、文書ボックス「BOX2」のドキュメントファイルに関する表示画像GH1を、幅500(pixel)、高さ200(pixel)の画像サイズで作成したこと、及び、その表示画像GH1のデータ量が「1024(Kbyte)」であることを示している。また、文書ボックス「BOX2」に格納されているドキュメントファイルの数は2つであり、1つは、地紋及びスタンプが付加されたPDF形式のドキュメントファイル、もう1つは、付加情報の無いJPEG形式のドキュメントファイルであることを示している。このような返信情報が表示画像GH1と共に送信されることにより、画像処理装置2aは、ログインユーザーによって指定された文書ボックスに保存されているドキュメントファイルのファイル形式などを把握することができるようになる。
画像処理装置2aは、画像処理装置2bからドキュメントファイルに関する表示画像GH1と、その表示画像GH1に関する返信情報とを受信すると、返信情報をメモリなどに一時的に記憶する。そして画像処理装置2aは、画像処理装置2bから受信する表示画像GH1を操作画面の一部の表示領域に嵌め込んで表示する。図7(a)は、操作画面G3の一部に設定される表示画像GH1の表示領域Rを示している。この表示領域Rは、例えば幅500(pixel)、高さ200(pixel)のサイズで構成される。尚、以下においては、図7(a)に示す一部の表示領域Rを嵌込み領域Rという。
画像処理装置2aの表示制御部263は、図7(a)に示す嵌込み領域Rに、他の画像処理装置2bで生成された図7(b)の表示画像GH1を嵌め込むことにより、図8に示すような操作画面G4を生成し、その操作画面G4を表示部231に表示する(プロセスP8)。これにより、画像処理装置2aの操作パネル23に表示される操作画面は、図5の操作画面G2から図8の操作画面G4へと更新される。
このように本実施形態では、一の画像処理装置2aを操作しているユーザーが他の画像処理装置2bに設けられている文書ボックスを指定した場合には、その文書ボックスに保存されているドキュメントファイルに関する表示画面GH1が他の画像処理装置2bで作成されるため、一の画像処理装置2aでは、表示画像GH1を生成する必要がない。そして他の画像処理装置2bの文書ボックスに保存されているドキュメントファイルが一の画像処理装置2aにおいて処理可能なファイル形式でない場合であっても、当該一の画像処理装置2aにおいて、そのドキュメントファイルに対応するサムネイル画像を正常に表示することができるようになる。
また他の画像処理装置2bで作成された表示画像GH1は、表示部231に表示される操作画面G4の全体に表示されるのではなく、操作画面G4の一部の嵌込み領域Rに表示される。これにより、図8に示す操作画面G4における嵌込み領域R以外の領域では、それ以前の操作画面G2で表示されていた「BOX」ボタンB1や、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンB2〜B4の表示状態を継続することができる。そのため、操作画面G2から操作画面G4に更新された後に、ユーザーがそれらのボタンB1〜B4を操作するときでも、操作画面G4をそれ以前の操作画面G2に戻す必要がなく、そのまま操作を行うことができるので操作性が向上する。
またユーザーがそれ以前にジョブの設定操作などを行っていた場合には、表示画像GH1が嵌め込まれた嵌込み領域Rを除く、周辺の表示領域に対して、それ以前にユーザーが設定したジョブの設定内容などを表示することも可能である。そのため、ユーザーが設定内容などを確認するために画面切り替え操作などを行う必要がなくなるので、この点においても操作性が向上する。
ここで、画像処理装置2aが画像処理装置2bから受信する表示画像GH1の画像サイズは、嵌込み領域Rのサイズに必ずしも一致しないこともある。そのような場合、画像処理装置2aの表示制御部263は、次のような倍率調整処理を行うように構成される。図9は、この倍率調整処理のフローチャートである。
図9に示すように、表示制御部263は、まず画像処理装置2bから受信した表示画像GH1の幅及び高さから画像サイズ(面積)を取得する(ステップS21)。例えば、表示制御部263は、表示画像GH1と共に受信する返信情報から画像幅及び画像高さを抽出することにより画像サイズを取得してもよい。ただし、これに限らず、表示画像GH1を解析することにより、画像サイズを取得するものであっても構わない。そして表示制御部263は、嵌込み領域Rのサイズと、画像処理装置2bから受信した表示画像GH1の画像サイズのサイズ比、すなわち倍率を算出する(ステップS22)。例えば表示画像GH1の画像サイズを、嵌込み領域Rのサイズで除算することにより倍率を算出する。
次に、表示制御部263は、算出した倍率が100(%)であるか否かを判断する(ステップS23)。算出した倍率が100(%)でない場合(ステップS23でNO)、表示制御部263は、その算出倍率が100(%)より大きいか否かを判断する(ステップS24)。算出倍率が100(%)より大きい場合(ステップS24でYES)、表示制御部263は、幅方向の倍率及び高さ方向の倍率をそれぞれ算出し、嵌込み領域Rからはみ出ないようにするため、それらの倍率のうち大きい方の倍率が100(%)となるように表示画像GH1を縮小する(ステップS25)。一方、算出倍率が100(%)より小さい場合(ステップS24でNO)、表示制御部263は、嵌込み領域Rからはみ出ないようにするため、幅方向及び高さ方向の倍率のうち大きい方の倍率が100(%)となるように表示画像GH1を拡大する(ステップS26)。ステップS25又はS26の処理後、表示制御部263は、倍率調整した表示画像GH1を嵌込み領域Rに嵌め込む(ステップS27)。
なお、表示制御部263は、算出した倍率が100(%)である場合(ステップS23でYES)、ステップS24〜S26の処理をとばして、ステップS27の処理を行う。
このようにして生成される操作画面G4が表示されているとき、ユーザーによって嵌込み領域Rの内側に対する操作が行われると(プロセスP9)、表示制御部263は、その操作情報を画像処理装置2bに送信する。この操作情報のフォーマット例を図10に示す。
図10に示すように、操作情報は、通知内容と、操作位置を示すX座標及びY座標に関する情報とを含んでいる。通知内容は、ユーザーが行った操作内容を示す情報である。またX座標及びY座標は、嵌込み領域Rに表示されている表示画像GH1に対してユーザーが行った操作位置を示す情報であり、例えば表示画像GH1の左上隅などを原点として定義されるXY2次元座標系で表された座標である。この座標は、図11に示すような座標変換処理を行うことで算出する。図11は、座標変換処理を示すフローチャートである。
図11に示すように、表示制御部263は、操作検知部262からユーザーによってタッチされた座標を取得すると(ステップS31)、そのタッチ位置が嵌込み領域R内であるか否かを判断する(ステップS32)。表示制御部263は、そのタッチ位置が嵌込み領域R内であると判断すると(ステップS32でYES)、そのタッチ位置を、嵌込み領域R内に定義されるXY2次元座標系に基づく座標値に変換する(ステップS33)。
次に、表示制御部263は、前述したように嵌込み領域Rへの表示画像GH1の嵌込み時に表示画像GH1の倍率調整(拡大・縮小)が行ったか否かを判断する(ステップS34)。倍率調整が行われている場合には(ステップS34でYES)、表示制御部263は、その調整倍率を用いて、ステップS33で算出した座標値を、倍率調整を行う前の表示画像(画像処理装置2bから受信した表示画像)における座標に変換する(ステップS35)。この座標は、画像処理装置2bが画像処理装置2aに送信した表示画像においてユーザーがタッチした位置を示す座標となる。尚、図10の例では、このような座標変換処理によって得られる座標が(X,Y)=(50,40)であることを示している。そして表示制御部263は、その座標を含む操作情報を画像処理装置2aに送信する(ステップS36)。
図3に戻り、この操作情報を受信した画像処理装置2bは、その操作情報の座標に基づき、表示画像GH1においてユーザーが指定したドキュメントファイルを特定する。そして画像処理装置2bの表示制御部263は、指定されたドキュメントファイルとそれ以外のドキュメントファイルとを視覚的に区別できる新たな表示画像GH2を作成し、その新たな表示画像GH2を画像処理装置2aに送信する(プロセスP10)。
そして画像処理装置2aの表示制御部263は、画像処理装置2bから受信する新たな表示画像GH2を適宜倍率調整を行いながら嵌込み領域Rに嵌め込んで表示することにより操作画面を更新する(プロセスP11)。図12に、このときの操作画面G5の一例を示す。図12に示す操作画面G5においては、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルに対応するサムネイル画像L1が例えば所定の色に着色された表示画像GH2が嵌込み領域Rに表示されている。これにより、ログインユーザーは、自身が指定したドキュメントファイルが指定された状態になっていることを確認することができる。
また他の画像処理装置2bで作成された表示画像GH2は、表示部231に表示される操作画面G5の全体に表示されるのではなく、上述した表示画像GH1と同様、操作画面G5の一部の嵌込み領域Rに嵌め込まれた状態で表示される。これにより、図12に示す操作画面G5の嵌込み領域R以外の領域では、それ以前の操作画面G4で表示されていた「BOX」ボタンB1や、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンB2〜B4の表示状態を継続することができる。そのため、操作画面G4から操作画面G5に更新された後に、ユーザーがそれらのボタンB1〜B4を操作するときでも、操作画面G5をそれ以前の操作画面G4に戻す必要がなく、そのまま操作を行うことができるので操作性が向上する。
またこの操作画面G5においても、ユーザーがそれ以前にジョブの設定操作などを行っていた場合には、表示画像GH2が嵌め込まれた嵌込み領域Rを除く、周辺の表示領域に対して、それ以前にユーザーが設定したジョブの設定内容などを表示することも可能である。そのため、ユーザーが設定内容などを確認するために画面切り替え操作などを行う必要がなくなるので操作性が向上する。
次に、プロセスP11で表示される操作画面G5のうち、嵌込み領域R以外の周辺表示領域に対して操作が行われた場合の表示処理について説明する。ここでは、その周辺表示領域に、ドキュメントファイルのプレビュー画像を表示指示するためのプレビューボタンB2(図12参照)が表示されており、このプレビューボタンB2がログインユーザーにより操作された場合を例示する。図13は、この操作が行われた場合の表示処理を示すフローチャートである。
図13に示すように、ログインユーザーにより周辺表示領域が操作されると(プロセスP41)、画像処理装置2aの表示制御部263は、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきか否かを判定する処理を行う(プロセスP42)。例えば、ユーザーによって指定されたプレビュー機能が画像処理装置2aに搭載されておらず、画像処理装置2bにおいてのみ実行可能な機能である場合、或いは、画像処理装置2aにプレビュー機能が搭載されているものの、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルが、画像処理装置2aにおいてプレビュー画像を生成することができないファイル形式のドキュメントファイルである場合、表示制御部263は、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであると判定する。またこの他にも、例えば、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルに地紋及びスタンプの少なくとも一方が付加されている場合、或いは、画像処理装置2aがジョブ実行中の状態である場合に、表示制御部263は、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであると判定する。
ここで、ドキュメントファイルに地紋及びスタンプの少なくとも一方が付加されている場合に、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであるのは、地紋やスタンプのデータは画像処理装置2bから画像処理装置2aに渡されておらず、画像処理装置2bにおいてのみ保持されているため、画像処理装置2aでは地紋やスタンプをドキュメントに付加したプレビュー画像を作成することができないからである。したがって、表示制御部263は、ユーザーによって指定されたドキュメントファイルが、画像処理装置2aにおいてプレビュー画像を生成することが可能なファイル形式のドキュメントファイルであっても、そのドキュメントファイルに地紋及びスタンプの少なくとも一方が付加されていれば、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであると判定する。
また画像処理装置2aがジョブ実行中の状態である場合に、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであるのは、プレビュー画像の作成により実行中のジョブの処理能力が低下するのを回避するためである。
表示制御部263は、画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求すべきであると判断すると、図13に示すように、その周辺表示領域に対する操作情報を画像処理装置2bに送信する。つまり、表示制御部263は、プレビューボタンB2が操作されたことを示す操作情報を画像処理装置2bに送信することにより、操作画面の一部に設けられた嵌込み領域Rに嵌め込むためのプレビュー画像を含んだ表示画像を画像処理装置2bへ要求するのである。このとき送信される操作情報のフォーマットの一例を図14(a)に示す。
図14(a)に示すように、操作情報は、通知内容及び指示内容に関する情報を含んでいる。図14(a)に示す操作情報は、「タッチ操作」によってプレビュー画像を含んだ表示画像の作成を要求することを示す情報である。
画像処理装置2bの表示制御部263は、この操作情報に基づいて、ログインユーザーによって指定されたドキュメントファイルに基づいてプレビュー画像を生成し、更にそのプレビュー画像を含む表示画像を生成する。そして画像処理装置2bの表示制御部263は、プレビュー画像を含む表示画像をビットマップに変換することにより、画像処理装置2aで表示可能な表示画像GH3を生成する。そして画像処理装置2bの表示制御部263は、画像処理装置2aで表示可能なプレビュー画像を含む表示画像GH3を画像処理装置2aに送信する(プロセスP43)。このとき、画像処理装置2bの表示制御部263は、表示画像GH3と共に、その表示画像GH3に関する返信情報を画像処理装置2aに送信する。この返信情報のフォーマットの一例を図14(b)に示す。
図14(b)に示すように、返信情報は、更新種別、画像種別、表示領域の幅及び高さ、及び、表示画像のデータ量に関する情報を含んでいる。更新種別とは、嵌込み領域Rのみの更新(画像更新)であるのか、操作画面全体の更新(画面更新)であるのかを示すものであり、周辺表示領域に対して操作が行われた場合、操作画面全体の更新(画面更新)が行われる。画像種別は、嵌込み領域Rに表示する画像の種類を示すものである。表示領域幅、高さ及びデータ量は、図6(b)に示すものと同様のものである。
図14(b)に示す返信情報は、現在指定されているドキュメントファイルのプレビュー画像、及び、そのプレビュー画像を含む表示画像GH3が、幅600(pixel)、高さ400(pixel)、データ量1024(Kbyte)であることを示している。プレビュー画像を含む表示画像GH3の一例を図15(b)に示す。この表示画像GH3では、画像全体の左側部分にドキュメントファイルのプレビュー画像が含まれている。尚、表示画像GH3の右側部分には、例えばプレビュー対象となっているドキュメントファイルのファイル名、ファイル形式、作成日、作成者、全ページ数、プレビュー中のページなどの付属情報が表示されるようになる。
一方、画像処理装置2aの表示制御部263は、画像処理装置2bにおいて表示画像GH3が作成される処理と並行して、操作画面全体の更新を行う(プロセスP44)。図15(a)に更新後の操作画面G6の一例を示す。図15(a)に示す操作画面G6は、その一部の表示領域に、画像処理装置2bに作成されるプレビュー画像を含む表示画像GH3を嵌め込むための嵌込み領域Rが設けられた画面構成となる。
また、操作画面G6は、それ以前の操作画面G5で表示されていた「BOX」ボタンB1や、画像処理装置2bにおいて実行可能なドキュメント処理機能に対応する操作ボタンB2〜B4が継続して表示されると共に、プレビュー画像の表示に関する操作ボタンB5〜B7が新たに追加された画面構成となっている。例えば、操作ボタンB5は、嵌込み領域Rに表示されるプレビュー画像の拡大表示を指示するボタン、操作ボタンB6は、プレビュー画像の縮小表示を指示するボタン、操作ボタンB7は、プレビュー画像のページ切替を指示するボタンとなっている。ただし、上記以外のボタンが更に追加されて表示されるものであっても構わない。
そして画像処理装置2aが表示画像GH3とその表示画像GH3に関する返信情報とを受信すると、表示制御部263は、表示画像GH3を、図15(a)に示すような更新後の操作画面G6における嵌込み領域Rに嵌め込み(プロセスP45)、表示画像GH3を嵌め込んだ操作画面を表示部231に表示する(プロセスP46)。図16に、画像処理装置2bから受信した表示画像GH3を嵌込み領域Rに嵌め込んだ操作画面G7を示す。このように操作画面G7では画像処理装置2bで生成されたプレビュー画像が表示されるため、ログインユーザーによって選択されたドキュメントファイルが画像処理装置2aでプレビュー画像を作成することができないファイルであっても、そのファイルに対応するプレビュー画像を表示することができる。また他の画像処理装置2bで作成される表示画像GH3は、上述した表示画像GH1,GH2と同様、表示部231に表示される操作画面G7の全体に表示されるのではなく、操作画面G7の一部の嵌込み領域Rに表示されるため、その嵌込み領域Rを除く、周辺の表示領域に対して、それ以前から表示されているボタンを継続的に表示したり、ユーザーがそれ以前に設定したジョブの設定内容などを表示したりできるため、操作性が向上する。
これに対し、表示制御部263は、画像処理装置2aにおいてプレビュー画像を作成すると判断した場合には、次のような表示処理を行う。図17は、この場合の表示処理を示すフローチャートである。
図17に示すように、ログインユーザーにより周辺表示領域が操作され(プロセスP51)、表示制御部263が画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求する必要はないと判断すると(プロセスP52)、その周辺表示領域に対して行われた操作に基づく操作情報を画像処理装置2bに送信して、他の画像処理装置2bにドキュメントファイルを要求する。この操作情報のフォーマットの一例を図18に示す。図18に示す操作情報は、要求種類及びドキュメント名に関する情報を含んでいる。そして要求種類には、ドキュメントファイルの取得を要求する情報が含まれ、ドキュメント名には取得対象となるドキュメントのファイル名などが含まれる。図18に示す要求情報は、「ドキュメント2」のドキュメントファイルを要求することを示している。
画像処理装置2bは、この操作情報を受信すると、該操作情報に基づいてドキュメント2のドキュメントファイルを記憶部25の文書ボックスから読み出して画像処理装置2aに送信する(プロセスP53)。
一方、画像処理装置2aの表示制御部263は、ドキュメントファイルの要求と並行して、操作画面全体の更新を行う(プロセスP54)。この更新後の操作画面は、プレビュー画像の作成要求を画像処理装置2bに対して行った場合の操作画面(図15(a)参照)と同様である。ただし、嵌込み領域Rについては、特に設定されていなくても構わない。
また画像処理装置2aの表示制御部263は、画像処理装置2bからドキュメントファイルを受信すると、その受信したドキュメントファイルに基づいてプレビュー画像を作成する(プロセスP55)。そして、例えば図19に示すように、表示制御部263は、そのプレビュー画像PVを操作画面G6に合成した操作画面G8を表示部231に表示する(ステップS56)。尚、図19の例では、嵌込み領域Rに対してプレビュー画像PVを嵌め込むのではなく、操作画面G8の中央に比較的大きなサイズでプレビュー画像PVを配置する例を示しているが、これに限られるものではない。例えば、画像処理装置2aで生成したプレビュー画像PVを嵌込み領域Rに嵌め込むことにより、図16と同様の画面構成とするものであっても良い。
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置2aは、他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメントのドキュメント情報を操作画面に表示する際、他の画像処理装置2bにそのドキュメント情報に関する表示画像を要求し、他の画像処理装置2bから受信する表示画像を操作画面の嵌込み領域Rに嵌め込んで表示する機能を有している。一方、画像処理装置2bは、他の画像処理装置2aからドキュメント情報に関する表示画像が要求されると、その要求に応じた表示画像を生成して他の画像処理装置2aに送信する機能を有している。このような構成によれば、一の画像処理装置2aが他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメント情報を操作画面に表示する際には、それまでの操作画面で表示されていた操作ボタンやジョブの設定内容などを、嵌め込み領域R以外の領域に配置して表示することができるため、ユーザーが画面切り替え操作を行う回数を低減することが可能である。また他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメントのファイル形式が画像処理装置2aにおいて処理可能なファイル形式でない場合であっても、画像処理装置2aは、そのドキュメントのドキュメント情報を操作画面に表示することが可能であり、しかもファイル形式を変換する必要もない。したがって、他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメント情報に関する操作画面に表示する際の利便性を向上することができる。
また、画像処理装置2aは、他の画像処理装置2bで生成された表示画像が表示されている嵌込み領域Rに対してユーザーによる操作が行われたときには、その操作に基づく操作情報を他の画像処理装置2bに送信することにより、他の画像処理装置2において更新された表示画像を更に取得し、嵌込み領域Rに嵌め込んで表示する。したがって、画像処理装置2aは、他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメントのファイル形式が画像処理装置2aにおいて処理可能なファイル形式でない場合であっても、ユーザーによる操作に基づいて嵌込み領域Rに嵌め込んで表示する表示画像を順次更新していくことができるようになる。
また、画像処理装置2aは、嵌込み領域Rに嵌め込まれた表示画像に含まれるドキュメントファイルを指定する操作が行われたときには、その操作に基づく操作情報を他の画像処理装置2bに送信することにより、他の画像処理装置2bからドキュメントファイルが指定された状態を示す表示画面を取得し、その表示画像を嵌込み領域Rに嵌め込んで表示する。これにより、そのドキュメントファイルが指定された状態を示す表示画面をユーザーに視認させることができる。
また、画像処理装置2aは、ユーザーにより嵌込み領域R以外の周辺表示領域に対する操作が行われたときには、その操作に基づいて操作画面の全体を更新する。これにより、嵌込み領域Rに表示画像を表示しつつ、ユーザーによって指定された機能に対応する操作画面を表示することができる。
また、画像処理装置2aは、プレビュー画像の作成を自機で行える状況や環境である場合にはプレビュー画像の作成を行うようにしても良い。この場合、他の画像処理装置2bにプレビュー画像の作成を要求するよりも、早期にプレビュー画像をユーザーに視認させることができる。
また、画像処理装置2aは、他の画像処理装置2bに記憶されているドキュメント情報を操作画面に表示する際、他の画像処理装置2において実行可能なドキュメント処理に関する機能情報を取得し、その機能情報に基づいて嵌込み領域R以外の周辺表示領域に操作ボタンなどの画像を表示する。そして、その操作ボタンなどの画像に対する操作が行われると、画像処理装置2aは、その操作に基づく操作情報を他の画像処理装置2bに送信して他の画像処理装置2bにドキュメント処理を実行させると共に、他の画像処理装置2bにおいて更新された表示画像を取得して嵌込み領域Rに嵌め込んで表示するように構成される。このような構成に関し、上記実施形態では、画像処理装置2aが他の画像処理装置2bに対してプレビュー画像の生成処理を実行させる場合を例示したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理装置2aが他の画像処理装置2bに対してOCR(Optical Character Reader)などの文字認識処理を実行させてその認識結果に関する表示画面を取得して表示するものであっても良いし、また画像処理装置2aが他の画像処理装置2bに対して自動翻訳処理を実行させてその処理結果に関する表示画面を取得して表示するものであっても良い。そしてこのような構成によれば、画像処理装置2aは、自機が有していない機能であっても、他の画像処理装置2bが有する機能であれば、他の画像処理装置2bに処理を行わせてその処理結果を操作画像に表示することができるようになる。
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した一実施形態の内容に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、画像処理装置2aにおいてログインユーザーがアクセス可能な文書ボックスの一覧表示を行うとき、画像処理装置2aが他の画像処理装置2bから取得する文書ボックスに関する情報に基づいて図5に示した操作画面G2の全体を作成し、表示部231に表示する例について説明した。しかし、これに限られるものではない。文書ボックスはドキュメントファイルを保存しておくためのものであるため、文書ボックスに関する情報もドキュメント情報の一つである。そのため、画像処理装置2aが他の画像処理装置2bに設けられている文書ボックスの一覧表示を行うときには、他の画像処理装置2bに表示画像の作成を要求し、他の画像処理装置2bから文書ボックスの一覧表示に関する表示画像を取得するようにしても良い。この場合、画像処理装置2aの表示制御部263は、他の画像処理装置2bから取得する文書ボックスの一覧表示に関する表示画像を、操作画面の一部の表示領域(嵌込み領域)Rに嵌め込んで表示することが可能である。
また上記実施形態では、画像処理装置2がMFPなどのような複数のドキュメント処理機能を有する装置によって構成される場合を例示した。しかし、本発明の画像処理装置は、そのような装置に限られるものではない。例えば、プリント機能のみを備えたプリンターであっても良い。また本発明の画像処理装置は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成されるものであっても良い。