JP6251609B2 - 電力融通システム、及び電力融通方法 - Google Patents
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Description
上記の特許文献1においても、電力を交流で融通することについて開示されているが、公道を跨いで外部に給電して、他の需要家に電力を融通することについては開示されていない。
このため、需要家が電力を供給する分散型の再生可能エネルギー源を有していても、上記のように公道を跨いで外部に給電する際の制限を回避して電力を融通することができず、複数の需要家間において再生可能エネルギーの相互利用を図り、電力の利用効率を高める上での障害になっていた。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、複数のクラスタ(需要家間)間において公道を跨いで電力を融通する場合に、電力の利用効率を高めることができる、電力融通システム、及び電力融通方法を提供するものである。
図1は、電力融通システムの基本構成を示す構成図である。この図1に示す電力融通システム1は、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、この一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、電力を融通する。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
本発明の電力融通システムは、図1に示す電力融通システム1の構成を基本として、この電力融通システム1に改良を加えたものである。
(電力融通システム1の概略構成)
図1は、基本と成る電力融通システム1の概略構成を示す構成図である。この電力融通システム1は、図1に示すように、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、電力を融通するようにしたものである。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
例えば、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とのそれぞれは、再生可能エネルギーを利用する発電装置(例えば、太陽光発電装置)と、エネルギー貯蔵システムとなる蓄電装置と、需要家の負荷装置とから成る。
なお、以下の説明において、交流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSAC)を、単に「PCSAC」と呼び、直流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSDC)を、単に「PCSDC」と呼ぶことがある。
この変換装置A120には給電経路175を介して分電盤161が接続され、また、給電経路172を介して分電盤162が接続される。分電盤161には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、一次側ACバス31と、交流負荷装置143と、切替部160の一端とが接続される。
また、分電盤162には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置145と、PCSDC150Aと、直流負荷装置144とが接続される。なお、直流負荷装置144は、直流電力によって動作する装置であり、例えば、直流家電、LED照明、パソコンやサーバなどの情報機器等である。
なお、分電盤161は、交流電力の分電盤であり、分電盤162は、直流電力の分電盤である。
そして、共通接点cには、発電装置141がPCSAC150を介して接続されており、接点bには、分電盤161に繋がる給電経路174が接続されており、接点aには、変圧器102の二次側に繋がる給電経路171が接続されている。
なお、切替部160では、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、切替部160は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。後述する親クラスタ部100の切替部160A(図5)や、子クラスタ部200の切替部260や、切替部260A(図5)や、子クラスタ部300の切替部360や、子クラスタ部400の切替部460等についても同様である。
例えば、子クラスタ部200は、制御部210、変換装置B220、発電装置241、発電装置242、交流負荷装置243、直流負荷装置244、蓄電装置245、PCSAC250、PCSDC250A、切替部260、分電盤261、及び分電盤262を備えている。
この変換装置B220には、クラスタ内部の二次側ACバス41を介して分電盤261が接続され、又、クラスタ内部の二次側DCバス42を介して分電盤262が接続される。この分電盤261には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置243と、切替部260の一端とが接続される。
また、分電盤262には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置245と、PCSDC250Aと、直流負荷装置244とが接続されている。
この変換装置E320には、クラスタ内部の二次側ACバス51を介して分電盤361が接続され、又、二次側DCバス52を介して、分電盤362が接続される。この分電盤361には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置343と、切替部360の一端とが接続されている。
また、分電盤362には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置345と、直流負荷装置344とが接続されている。
この変換装置C420は、二次側ACバス61及び二次側DCバス62を介して、子クラスタ部300と接続される。なお、二次側ACバス61は、子クラスタ部300において、分電盤361を介して二次側ACバス51に接続されている。また、二次側DCバス62は、子クラスタ部300において、分電盤362を介して二次側DCバス52に接続されている。また、この変換装置C420には、分電盤461と、分電盤462とが接続される。また、分電盤461には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置443と、切替部460の一端とが接続されている。また、分電盤462には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置445と直流負荷装置444とが接続されている。
次に、親クラスタ部100の発電装置141とPCSAC150の構成について説明する。なお、子クラスタ部200の発電装置241とPCSAC250、子クラスタ部300の発電装置341とPCSAC350、及び子クラスタ部400の発電装置441とPCSAC450についても同様な構成である。
この図2(B)に示す例では、図2(A)に示す例と同様に、発電装置142として太陽電池アレイ142aを用いた例を示している。そして、PCSDC150Aは、発電量制御部151と、系統連系制御部152Aと、DC/DCコンバータ155とを備える。
系統連系制御部152Aは、DC/DCコンバータ155の出力電圧を調整することにより、分電盤162に直流電力を供給する。
図3は、変換装置A120と変換装置D130の構成例を示す構成図である。
変換装置A120は、図3(A)に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)121と、スイッチ部(SW)122とを備える。
この変換装置A120は、スイッチ部122が閉状態の場合、破線aに示す方向に沿って、変圧器102から出力される商用の交流電圧(例えば、AC400V)を、分電盤161を介して、一次側ACバス31に出力する。また、商用電力系統2に停電が発生した場合、制御部110は、スイッチ部122を遮断して、変換装置A120の負荷側を商用電力系統2から解列する(すなわち切り離す)。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置141や発電装置142等の余剰電力を交流電力として一次側ACバス31に向けて出力する動作を「交流融通」又は「AC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
また、双方向直流変換部131は、破線fに示す方向に沿って、一次側DCバス32から直流電力を入力し、この直流電力をクラスタ部内に配電する直流電力に変換し、給電経路173を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置142や蓄電装置145等の余剰電力を直流電力として一次側DCバス32に向けて出力する動作を「直流融通」又は「DC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
次に、変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成について説明する。この変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420とは、同じ構成の変換装置であるため、変換装置B220を代表として示し、この変換装置B220の構成について説明する。
図4は、変換装置B220の構成例を示す構成図である。
変換装置B220は、図4に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221と、スイッチ部(SW)222と、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223とスイッチ部(SW)224とを備えている。双方向交直変換部221は、交流電力を直流電力に変換する機能と、DC/ACコンバータ(インバータ)により直流電力を交流電力に変換する機能を備えている。また、双方向直流変換部223は、DC/DCコンバータを備え、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換する機能を備えている。
また、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221は、スイッチ部222が閉状態の場合、破線bに示す方向に沿って、一次側ACバス31から供給される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、二次側DCバス42を介して、分電盤262に出力することができる。
また、双方向直流変換部223は、破線fに示す方向に沿って、二次側DCバス42に供給されている直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この変換した直流電力を一次側DCバス32に出力することができる。
また、図5は、図1に示す電力融通システムの変形例を示す構成図である。
この図5に示す電力融通システム1Aは、図1に示す電力融通システム1と比較して、
親クラスタ部100Aにおいて、図1に示す親クラスタ部100内の変換装置D130を省略した点と、切替部160Aを新たに追加した点が構成上で異なる。また、図5に示す子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加した点が構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
次に、電力融通システムにおける電力融通制御処理について説明する。
上記構成の電力融通システム1においては、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との各クラスタ同士は、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、互いに交流電力及び直流電力を融通できるように構成されている。そして、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で電力を融通する場合の方法として、交流電力のみの融通、直流電力のみの融通、又は直流電力と交流電力との両方の融通との3通りの融通方法を選択可能としている。
この図6では、親クラスタ部100を例にとり電力融通の制御動作について説明するが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様な制御動作が行われる。
図6に示す親クラスタ部100において、交流融通を行う場合は、PSAC150を介して出力される発電装置141の交流発電量Pacが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
なお、図6における電流Idcは、蓄電装置145が負極接地されている場合の電流Idcの向きを示しており、この直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きを示している。つまり、直流系を正極接地とするか負極接地とするかで、GNDに対となる接続線の電流の向きが変化する。図6では、蓄電装置145が負極接地であるという条件の基での電流Idcの向きを示し、直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きと一致する場合の例である。
より具体的には、発電装置142の直流発電量Pdcが直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcよりも大きく(Pdc>Loaddc)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す放電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側DCバス32を介して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
なお、一次側ACバス31には、商用電力系統2から電力が供給される他、発電装置141や発電装置142や蓄電装置145からも電力が供給されるため、商用電力系統2が停電になった場合でも、すぐに一次側ACバス31が停電になることなく給電可能状態が維持される。一方、一次側DCバス32は直流融通時に限り給電されるものである。
なお、子クラスタ部200、300、400においても、親クラスタ部100の場合と同様に適用可能であり、それぞれの場合の符号「CS」は、子クラスタ部200と、子クラスタ部300とにおいては、一次側ACバス31から供給される交流電力であり、子クラスタ部400においては、子クラスタ部300の二次側ACバス61から供給される交流電力である。
また、この表において、電流Idcは、電流Idcの方向が「充電方向」の場合に、変換装置A120から直流系の分電盤162に向けて直流電力が融通される状態を示し、電流Idcの方向が「放電方向」の場合に、直流系の分電盤162から変換装置A120に向けて直流電力が融通される状態を示している。
また、後述する状態ST13に示すように、発電装置142のPCSDC150Aから出力される直流電力の発電量が直流負荷装置144の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに電流Idcが放電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側DCバス32を介して他クラスタ部に対して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様である。
まず、状態ST1から状態ST3は、サブクラスタ消費の状態、つまり、クラスタ内の発電装置141から直流負荷装置144側に電力の融通が行われず、かつ、発電装置142と蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力の融通が行われない状態を示している。
この状態ST1から状態ST3においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通との両方とも行われない。
この状態ST1においては、直流消費電力Loaddcの不足分を補うために、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。また、蓄電装置145から変換装置A120に向けて直流電流Idcが流れず、Idcは0である。
また、状態ST3は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST3においては、発電装置142から蓄電装置145に向けて充電方向の電流Ibattが流れる。
この状態ST4においては、交流電力と直流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143及び直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
そして、状態ST7及び状態ST8においては、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
換言すると、状態ST10は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の交流発電量Pacにさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
図7に示した表では、例えば、親クラスタ部100において、蓄電装置145が満充電の状態にある場合に、PCSAC150から出力される交流発電量Pacと、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcと、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの向きとを基にして、交流融通か直流融通かを決める例を示したが、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、交流融通を行うか直流融通を行うかを決めることもできる。
この図8では、縦軸に蓄電池残容量SOCの大きさを取り、横軸に時間tを取り、蓄電池残容量SOCの変化と、蓄電池残容量SOCの変化に応じたAC融通期間とDC融通期間の変化を示している。
また、図8において、基準値SOC2Aは、蓄電池残容量SOCが満充電の状態、又は運用上、発電装置142等から蓄電装置145にこれ以上充電させないことが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC2Bは、例えば、基準値SOC2Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC2A>基準値SOC2B)である。
そして、制御部110は以下の処理をする。時刻t1において、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが基準値SOC1A以上になる場合に、最初にAC融通モードを開始する。そして、時刻t1以降、さらに蓄電池残容量SOCが上昇し、時刻t2において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Aを超える場合には、AC融通モードと合わせてDC融通モードを開始する。
その後、蓄電池残容量SOCが変化し、時刻t3において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Bまで低下するとDC融通モードを停止する。
そして、時刻t3以降、時刻t4において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC1Bまで低下するとAC融通モードを停止する。
これにより、制御部110は、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、他のクラスタへ交流融通を行う。上記の交流融通を行う期間において、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、制御部110は、AC融通に合わせて直流融通を行わせることにより、他のクラスタへ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避するように制御する。
図9は、切替部を用いて交流融通及び直流融通を行う場合の例を示す説明図である。
例えば、図9に示す子クラスタ部200Aにおいて、制御部210が切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流融通を行うことができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通を行うことができる。
これにより、子クラスタ部200Aから一次側ACバス31にAC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260を介して、一次側ACバス31に直接に交流電力を供給することができる。また、子クラスタ部200Aから一次側DCバス32にDC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260Aを介して一次側DCバス32に直接に直流電力を供給することができる。
図10は、電力融通処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10のフローチャートを参照して、電力融通処理の手順について説明する。
なお、図10では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
続いて、制御部110では、AC融通が必要な状態か否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御部110が、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを検出して満充電状態を判定するとともに、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの方向を判定して、交流融通を行うことが必要な状態であるか否かを判定する。
続いて、制御部110は、指定された電力供給モードに応じて交流電力(AC)又は直流電力(DC)の何れを融通するかを判定する(ステップS130)。
そして、ステップS130において、交流融通(AC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:AC)、制御部110は、AC融通モードの起動処理を開始する(ステップS140)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの起動が必要か否かを判定する(ステップS145)。そして、ステップS145において、DC融通モードの起動が必要でないと判定された場合(ステップS145:No)、AC融通モードの起動状態を維持するか否かを判定する(ステップS180)。
そして、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持しないと判定された場合(ステップS180:No)、制御部110は、ステップS150に移行し、AC融通モードの終了処理を実行する(ステップS150)。
制御部110は、AC融通モードの終了処理に移行する(ステップS150)。そして、このステップS150の処理を実行した後に、制御部110は、この電力融通処理を終える。
一方、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持すると判定された場合(ステップS180:Yes)、つまり、AC融通モードを維持したままにする場合、制御部110は、ステップS180の判定を繰り返す。
なお、図10のフローチャートでは、親クラスタ部100における電力融通処理の手順について説明したが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても、同様な電力融通処理が行われる。
図11は、AC融通モードとDC融通モードの起動処理の例を示す説明図である。図11(A)は、AC融通モードの起動処理を、図11(B)は、DC融通モードの起動処理を示している。
この図11(A)に示すように、時刻t1において、PCSAC150は制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、PCSAC150は、一旦、その動作を停止する。そして、時刻t2において、一次側ACバス31との連系動作を開始し、時刻t3から一次側ACバス31への交流電力の供給を開始する。
この図11(B)に示すように、時刻t1において、双方向直流変換部131は、制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、双方向直流変換部131は、一次側DCバス32との連系動作を開始し、時刻t3から一次側DCバス32への直流電力の供給を開始する。
なお、図5に示す電力融通システム1Aにおいて、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する場合のDC融通モードの起動処理は、図11(A)に示すPCSAC150を一次側ACバス31に接続する起動処理に準じた処理が行われる。
図12は、DC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。この図12に示すDC融通モードの終了処理は、DC融通を変換装置D130を用いて行う場合の例である。
例えば、親クラスタ部100において、制御部110は、DC融通モードの実行中に、DC融通モードの終了指示の検出を行う(ステップS171)。例えば、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるDC融通モードの終了指示の信号の検出を行う。そして、制御部110は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS172)。
そして、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS172:Yes)、制御部110は、融通先の給電状態と、自系統の給電状態とを検出し(ステップS173)、DC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS174)。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS174:Yes)、制御部110は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131(図3(B)参照)の出力を遮断する(ステップS175)。
そして、制御部110は、ステップS175の処理を実行した後に、このDC融通モードの終了処理を終える。
図13は、AC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、この図13に示す例は、図4に示すように、PCSAC250から切替部260を介して一次側DCバス32に交流電力を出力する場合の例である。
以下、子クラスタ部200を例にして、AC融通モードの終了処理について説明する。
まず、子クラスタ部200において、制御部210は、AC融通モードの実行中に、AC融通モードの終了指示の検出を行っている(ステップS151)。例えば、制御部210は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるAC融通モードの終了指示の検出を行う。そして、制御部210は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS152)。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS152:Yes)、制御部210は、融通先の状態と、自系統の状態を検出し(ステップS153)、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS154)。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS154:Yes)、制御部210は、PCSAC250の出力を停止する(ステップS155)。
続いて、制御部210は、PCSAC250の接続先を一次側ACバス31から子クラスタ部200の二次側の二次側ACバス41に変更する(ステップS156)。そして、制御部210は、PCSAC250の出力を二次側ACバス41に連系させ(ステップS157)、この連系が完了した後、PCSAC250から二次側ACバス41に電力を出力させる(ステップS158)。
そして、制御部210は、ステップS158の処理の実行後に、このAC融通モードの終了処理を終える。
この図14では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC250の動作状態とを並べて示している。
この図14に示すように、時刻t1以前において、一次側ACバス31にはPCSAC250から電力が供給されている。そして、時刻t1において、制御部210は、AC融通モードの終了指示を検出し、その後の時刻t2において、融通先の状態と、自系統の状態を検出する。続いて、時刻t3において、制御部210は、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する。そして、AC融通モードの終了が可能と判定された場合に、時刻t3の後の時刻t4において、制御部210は、PCSAC150の出力を停止し、PCSAC250から一次側ACバス31への電力の供給を停止する。
次に、本発明の第1実施形態について説明する。図15は、本発明の第1実施形態に係る電力融通システム1Bの概略構成を示す構成図である。この図15に示す電力融通システム1Bは子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で、二次側ACバス61と二次側DCバス62とが公道3を跨いで敷設されている例である。
従って、第1実施形態の電力融通システム1Bでは、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電しており、かつ、親クラスタ部100と子クラスタ部300Bとの間で一次側ACバス31を介して交流電力が融通されている場合、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で、交流電力の融通ができなくなる。
つまり、親クラスタ部100が商用電力系統2から給電を受けている場合に、子クラスタ部400は、子クラスタ部300Bを介して商用電力の供給を受ける可能性があるため、子クラスタ部400と子クラスタ部300Bとは、二次側ACバス61による交流電力の融通ができなくなる。
従って、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電している場合、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とは、二次側DCバス62による直流電力の融通を行うことになる。
そして、一次側ACバス31による交流電力の融通と、一次側DCバス32による直流電力の融通との両方を行うことができる場合、各クラスタ部において一次側ACバス31を介して交流電力の融通を行うか、又は、一次側DCバス32を介して直流電力の融通を行うかは、例えば、図6で示した親クラスタ部100の場合と同様にして、双方向交直変換部121への直流電力の流通方向(電流Idcの流れる方向)により選択できるとともに、図8で示した蓄電池残容量SOCに応じて選択することができる。
そして、子クラスタ部300Bが一次側ACバス31から商用電力の供給を受けることができる場合、制御部310は、開閉器363を開状態(非導通)にし、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との二次側ACバス61による接続を開放し、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間での交流電力の融通を停止する。
なお、開閉器363は、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、開閉器363は、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。
この図17において、時刻t1以前は、親クラスタ部100のPCSAC150は、例えば、一次側ACバス31に連系している(図(a))。そして、一次側DCバス32は、給電状態にあり(図(b))、また、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとは、一次側ACバス31に連系している。このため、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとの間は、一次側DCバス32を介してDC融通を行うとともに(図(e))、一次側ACバス31を介してAC融通を行うことができる(図(f))。
つまり、一次側DCバス32を介してのDC融通は、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bと、子クラスタ部400との間で常時行われている。また、一次側ACバス31を介したAC融通は、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとの間で行われているが、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間では、二次側ACバス51によるAC融通は停止されている。
そして、時刻t1において、親クラスタ部100が停電状態になると電力融通システム1Bの全体が自立運転状態になる。そして、この時刻t1以降、PCSAC150は、変換装置A120と連系する自立運転状態になり(図(b))、一次側ACバス31には、各クラスタ部内の蓄電装置と各発電装置による給電、例えば、親クラスタ部100の蓄電装置145と発電装置141及び142による給電が行われる。
そして、親クラスタ部100と子クラスタ部200及び300Bとの間において、各クラスタ部内の蓄電装置と各発電装置とによる一次側ACバス31を介しての交流電力の融通が開始される(図(d))。
そして、この時刻t1から、子クラスタ部400において二次側ACバス61への連系動作が開始され、時刻t1の後の時刻t2から、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間での交流融通が開始される(図(h))。
このように、電力融通システム1Bにおいて、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とを結ぶ給電経路が公道3を跨ぐ場合は、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になり、電力融通システム1Bの全体が自立運転状態になった場合に、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で交流融通を行うことができる。
図18は、本発明の第2実施形態に係る電力融通システム1Cの構成を示す構成図である。この図18に示す電力融通システム1Cは、子クラスタ部200と子クラスタ部300との間で、一次側ACバス31と一次側DCバス32とが公道3を跨いで敷設されている場合の例である。
上述のように、電力融通システムでは、親クラスタ部が商用電力を受電し、この受電した商用電力の受電中に、受電した交流電力を交流電力のまま公道を跨いで外部に給電することが規制されている。
従って、第2実施形態の電力融通システム1Cでは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している場合、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で、一次側DCバス32を介した直流電力の融通を行う。なお、子クラスタ部400は、子クラスタ部300を介して、親クラスタ部100C及び子クラスタ部200との間で、一次側ACバス31による交流電力の融通、及び一次側DCバス32による直流電力の融通を行う。
なお、一次側ACバス31を介して交流電力の融通を行うか、又は、一次側DCバス32を介して直流電力の融通を行うかは、図6で示したクラスタ部内での直流電力の流通方向(例えば、電流Idcの流れる方向)により選択できるとともに、図8で示した蓄電池残容量SOCに応じて選択することができる。
そして、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している場合、制御部110は、開閉器163を開状態(非導通)にし、親クラスタ部100Cと一次側ACバス31との接続を開放し、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300と子クラスタ部400との間での交流電力による電力の融通を停止する。
なお、開閉器163は、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、開閉器163は、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。
なお、図19では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
この図19において、時刻t1以前は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している状態であり(図(a))、親クラスタ部100CのPCSAC150は、例えば、商用電力系統2に連系している(図(b))。また、一次側DCバス32は給電状態にあり(図(c))、一次側ACバス31は給電されていない(図(d))。
つまり、DC融通は、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で常時行われているが、一次側ACバス31によるAC融通は停止されている。
そして、時刻t1において、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になり、電力融通システム1Cの全体が自立運転状態になる。時刻t1以後、親クラスタ部100Cが停電状態になると、PCSAC150は、変換装置A120と連系する自立運転状態になり(図(b))、一次側ACバス31には、例えば、各クラスタ部の蓄電装置と各発電装置による給電、例えば、親クラスタ部100Cの蓄電装置145と発電装置141及び142による給電が行われる(図(d))。
そして、時刻t1から、子クラスタ部200における一次側ACバス31への連系処理と、子クラスタ部300における一次側ACバス31への連系処理と、が開始される。そして、時刻t1に続く時刻t2から、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300との間で一次側ACバス31によるAC融通が開始される(図(f))。
これにより、親クラスタ部100Cが停電状態の場合に、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部200と、子クラスタ部400との間において、一次側ACバス31を介した交流電力の融通が可能になる。
第1実施形態の電力融通システム1B(図15)では、二次側ACバス61が公道3を跨ぎ、第2実施形態の電力融通システム1C(図18)では、一次側ACバス31が公道3を跨ぐが、子クラスタ部200、子クラスタ部300及び300B、及び子クラスタ部400が、商用電力系統2から商用電力の供給を受けない場合の例について説明したが、本発明の第3実施形態として、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力の供給を受ける場合の例について説明する。
この電力融通システム1Dにおいて、商用電力系統2と商用電力系統2Aとは、同じ変電所の同じフィーダから分岐される配電系統であるが、変電所から受電点に至るまでの配電経路が異なるため、例えば、商用電力系統2が停電状態になった場合において、商用電力系統2Aが停電状態でない場合があり、また、逆に、商用電力系統2Aが停電状態になった場合において、商用電力系統2が停電状態でない場合がある。
なお、商用電力系統2と商用電力系統2Aとは、同じ商用電力系統であってもよく、この場合においても、例えば、親クラスタ部100Cの受電設備の状態と、子クラスタ部300Dの受電設備の状態とにより、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になった場合において、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できる場合があり、また、逆に、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できる場合において、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できない停電状態になる場合がある。
このように、系統切替部370は、交流系統の接続先として、商用電力系統2Aの受電点と一次側ACバス31とを含み、商用電力系統2Aの受電点と一次側ACバス31とを切り替えることができる。
なお、この状態ST3Aの場合は、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を商用電力系統2Aから一次側ACバス31に切り替えることにより、商用電力系統2Aからの受電を停止し、後述する状態ST4Aに移行することにより、電力融通システム1Dの全体を商用電力系統2及び商用電力系統2Aから受電を行わない自立運転状態にして、一次側ACバス31によるAC融通と一次側DCバス32によるDC融通との両方を行うこと可能になる。
また、状態ST4Bは、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dの双方が商用電力を受電できていない停電状態であり、かつ、電力融通をしないことが選択されている場合である。この状態ST4Bの場合は、商用電力系統2及び商用電力系統2Aからの受電を停止した自立運転状態にあるが、電力融通をしないことが選択されているので、一次側ACバス31によるAC融通が不可能であり、又、一次側DCバス32によるDC融通も不可能である。
そして、この図22では、時刻t1において、最初に、親クラスタ部100Cにおいて商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態が発生し、その後の時刻t2において、子クラスタ部300Dにおいて商用電力系統2Aからの商用電力の受電を停止する例を示している。
なお、図22では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
この図22において、時刻t1以前は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している(図(a))。そして、親クラスタ部100CのPCSAC150は、例えば、商用電力系統2に連系している(図(b))。また、親クラスタ部100Cは、一次側DCバス32を介して、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Dと、子クラスタ部400との間でDC融通を行う(図(c))。
続いて、時刻t1において、商用電力系統2が停電状態になる(図(a))。この商用電力系統2が停電状態になると、PCSAC150は、変換装置A120に連係する自立運転状態になる(図(b))。そして、この時刻t1から時刻t2においては、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電しているために、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間では、一次側DCバス32によるDC融通を行うが(図(e))、一次側ACバス31による交流融通は停止している(図(f))。
なお、子クラスタ部300Dの内部ACバスである二次側ACバス51は、商用電力系統2Aに連系している(図(j))。
続いて、時刻t2において、子クラスタ部300Dは、系統切替部370により商用電力系統2Aからの受電を停止する(図(g))。
子クラスタ部300Dにおいて、商用電力系統2Aからの受電を停止すると、子クラスタ部300DのPCSAC350は、変換装置E320に連係する自立運転状態になる(図(h))。そして、この時刻t2からは、子クラスタ部300Dが商用電力の受電を停止しているため、電力融通システム1Dの全体が自立運転状態になる。
そして、時刻t2の後の時刻t3から、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400との間で、一次側ACバス31によるAC融通が開始される(図(f)。
また、本発明における第3クラスタ部は、第2クラスタ部のうちの商用電力系統から商用電力を受電できる子クラスタ部300D(図20)が対応し、この第3クラスタ部は、広義には第2クラスタ部に含まれる。
また、本発明におけるACバスは、一次側ACバス31が対応し、本発明におけるDCバスは、一次側DCバス32が対応する。
これにより、複数のクラスタ(需要家間)間において公道を跨いで電力を融通する場合に、電力の利用効率を高めることができる。
これにより、電力融通システム1C(電力融通システム)では、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間、及び複数の子クラスタ部200及び300等との間で公道を跨いで電力を融通することができる。
これにより、電力融通システム1C(電力融通システム)では、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間、及び複数の子クラスタ部200及び300等の間で電力を融通する際に、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200及び300等とにおける電力の需給状態に応じて、交流電力を融通するか、直流電力を融通するか、又は、交流電力と直流電力との両方を融通するかを選択することができる。
このような構成の電力融通システム1D(電力融通システム)であれば、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとが、公道3を跨いで敷設された一次側ACバス31と一次側DCバス32とで接続されるとともに、双方が商用電力の受電点を有する。そして、親クラスタ部100Cが商用電力を受電できない停電状態が発生した場合に、子クラスタ部300Dは、系統切替部370の接続先を商用電力の受電点から一次側ACバス31に切り替えることにより商用電力の受電を停止し、親クラスタ部100Cとの間で一次側ACバス31を介して交流電力を融通する。
これにより、親クラスタ部100Cが停電状態になった場合に、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとの間で、公道を跨いで一次側ACバス31を介して交流電力を融通することができる。
また、双方向交直変換部121は、破線cに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側ACバス31に融通する交流電力に変換し、該交流電力を一次側ACバス31に出力することができる。また、双方向交直変換部121は、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部の内部の給電経路172を介して分電盤162に向けて出力することができる。なお、子クラスタ部200等(第2クラスタ部)においても同様である。
これにより、例えば、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、AC融通モードにより他のクラスタ部へ交流融通を行うことができるとともに、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、交流融通と合わせて直流融通を行うことにより、他のクラスタ部へ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避できる。
例えば、親クラスタ部100の蓄電装置145は、親クラスタ部100及び100Cとは独立して設けられていてもよい。子クラスタ部200と、子クラスタ部200Aと、子クラスタ部300と、子クラスタ部300Bと、子クラスタ部300Dと、子クラスタ部400の蓄電装置においても同様である。
このように、ソフトスタートの制御を行うことにより、給電電圧の電圧降下や給電停止などの原因となる給電開始時の突入電流の発生を抑制することができる。
11・・・エネルギー管理装置(EMS)、12・・・通信網、
31・・・一次側ACバス(ACバス)、32・・・一次側DCバス(DCバス)、
100,100A,100C・・・親クラスタ部(第1クラスタ部)、
102,302・・・変圧器、
200,200A・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
300,300A,300B・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
300D・・・子クラスタ部(第3クラスタ部)、
110,210,310,410・・・制御部、
121,221・・・双方向交直変換部、
131,223・・・双方向直流変換部、
141,142,241,242・・・発電装置、
143,243,343,443・・・交流負荷装置、
144,244,344,444・・・直流負荷装置、
145,245,345,445・・・蓄電装置、
150,150A,250,250A,350,350A・・・パワーコンディショナ、160,160A,260,260A・・・切替部、
161,161C,261,361,361B,461・・・分電盤、
163,363・・・開閉器、370・・・系統切替部、
162,262,362,462・・・分電盤
Claims (9)
- 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成される電力融通システムであって、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続され、
前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部は、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、
直流電力による電力の融通を行い、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、
交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行う
ことを特徴とする電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間は、交流電力の給電経路となるACバスで接続されるとともに、直流電力の給電経路となるDCバスで接続されており、
前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間で、前記ACバスを介して前記交流電力を融通し、前記DCバスを介して前記直流電力を融通する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において電力を融通する際には、
交流電力のみを融通するモードと、直流電力のみを融通するモードと、交流電力と直流電力との両方を融通するモードとを選択可能に構成される
ことを特徴とする請求項2に記載の電力融通システム。 - 前記複数の第2クラスタ部のうちの何れかには、前記商用電力系統から商用電力の供給を受ける受電点を備えるとともに、前記公道を跨いで敷設される前記ACバスと前記DCバスとにより前記第1クラスタ部と接続される第3クラスタ部が含まれ、
前記第3クラスタ部は、
交流系統の接続先として、前記商用電力系統の受電点と前記ACバスとを含み、前記商用電力系統の受電点と前ACバスとを切り替える系統切替部を備える
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、
前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記商用電力系統とし、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態の場合には、
前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとし、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、
前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとして、前記第3クラスタ部における商用電力の受電を停止し、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において商用電力を受電できない状態の場合には、
前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記ACバスとし、
前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通する
ことを特徴とする請求項4に記載の電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とは、
交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向交直変換部と、
直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向直流変換部と、
を備え、
前記双方向交直変換部は、
前記ACバスから供給された交流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、
自クラスタ部が備える前記発電装置又は前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する交流電力に変換し、該交流電力を前記ACバスに供給する動作モードと、
を備え、
前記双方向直流変換部は、
前記DCバスから供給された直流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、
前記発電装置及び前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する直流電力に変換し、該直流電力を前記DCバスに供給する動作モードと、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、
前記双方向交直変換部において交流電力と直流電力との間で変換を行う際の当該直流電力の供給方向に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、
前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部のうち供給元に当たるクラスタ部が備える前記蓄電装置の蓄電池残容量に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する
ことを特徴とする請求項2から請求項7の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成されるとともに、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続される電力融通システムにおける電力融通方法であって、
前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部において、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、
直流電力による電力の融通を行い、
前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、
交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行う
ことを特徴とする電力融通方法。
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