JP6251609B2 - 電力融通システム、及び電力融通方法 - Google Patents

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本発明は、複数のクラスタ(需要家)間で電力を融通する、電力融通システム、及び電力融通方法に関する。
近年、太陽光発電や風力発電のような自然エネルギーを利用した再生可能エネルギー利用の分散型電源の導入が活発に行われている。しかし、その発電電力は天候や気象状況に大きく左右されるため、需要電力とのマッチングがとりにくく、発電電力が需要電力より多い場合には再生可能エネルギー利用の分散型電源による発電を停止したり、擬似負荷で消費させたり、または商用系統に逆流させる必要があり、自然エネルギーを十分に利用できないことが多かった。そこで、複数のクラスタ(需要家間)間で電力のエネルギー需給を効率良くマッチングさせる電力融通システムが注目されている。
例えば、関連する小形風力発電蓄電システムが開示されている(特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の小形風力発電蓄電システムでは、風力発電機を備えた風力発電機設置需要家Aと、小型の風力発電機で発電した電気を充電する蓄電池を備えた蓄電池設置者Bと、蓄電池の電気を利用する中小事業者Cと、から成り、風力発電機により発電した電気の一部を風力発電機設置需要家A内で利用し、その余剰電力は前記蓄電池に蓄電し、蓄電池の電気を中小事業者Cに供給する。つまり、風力発電機設置需要家Aと、蓄電池設置者Bと、中小事業者Cとの間で、蓄電池を介して電力を交流で融通する。
特開2007−318844号公報
ところで、上述した電力融通システムでは、各需要者間において電力を融通する際に、商用電力を受電し、この受電した商用電力を他の電気使用場所に分配することが規制されている。例えば、商用電力を受電中に、受電した交流電力を交流電力のまま公道を跨いで外部に給電することが規制されている。
上記の特許文献1においても、電力を交流で融通することについて開示されているが、公道を跨いで外部に給電して、他の需要家に電力を融通することについては開示されていない。
このため、需要家が電力を供給する分散型の再生可能エネルギー源を有していても、上記のように公道を跨いで外部に給電する際の制限を回避して電力を融通することができず、複数の需要家間において再生可能エネルギーの相互利用を図り、電力の利用効率を高める上での障害になっていた。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、複数のクラスタ(需要家間)間において公道を跨いで電力を融通する場合に、電力の利用効率を高めることができる、電力融通システム、及び電力融通方法を提供するものである。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の電力融通システムは、商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成される電力融通システムであって、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続され、前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部は、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、直流電力による電力の融通を行い、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行うことを特徴とする。
また、上記電力融通システムにおいて、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間は、交流電力の給電経路となるACバスで接続されるとともに、直流電力の給電経路となるDCバスで接続されており、前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間で、前記ACバスを介して前記交流電力を融通し、前記DCバスを介して前記直流電力を融通することを特徴とする。
また、上記電力融通システムにおいて、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において電力を融通する際には、交流電力のみを融通するモードと、直流電力のみを融通するモードと、交流電力と直流電力との両方を融通するモードとを選択可能に構成されることを特徴とする。
また、上記電力融通システムにおいて、前記複数の第2クラスタ部のうちの何れかには、前記商用電力系統から商用電力の供給を受ける受電点を備えるとともに、前記公道を跨いで敷設される前記ACバスと前記DCバスとにより前記第1クラスタ部と接続される第3クラスタ部が含まれ、前記第3クラスタ部は、交流系統の接続先として、前記商用電力系統の受電点と前記ACバスとを含み、前記商用電力系統の受電点と前ACバスとを切り替える系統切替部を備えることを特徴とする。
また、上記電力融通システムにおいて、前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記商用電力系統とし、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態の場合には、前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとし、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとして、前記第3クラスタ部における商用電力の受電を停止し、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において商用電力を受電できない状態の場合には、前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記ACバスとし、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通することを特徴とする。
また、上記電力融通システムにおいて、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とは、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向交直変換部と、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向直流変換部と、を備え、前記双方向交直変換部は、前記ACバスから供給された交流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、自クラスタ部が備える前記発電装置又は前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する交流電力に変換し、該交流電力を前記ACバスに供給する動作モードと、を備え、前記双方向直流変換部は、前記DCバスから供給された直流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、前記発電装置及び前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する直流電力に変換し、該直流電力を前記DCバスに供給する動作モードと、を備えることを特徴とする。
また、上記電力融通システムは、前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、前記双方向交直変換部において交流電力と直流電力との間で変換を行う際の当該直流電力の供給方向に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定することを特徴とする。
また、上記電力融通システムは、前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部のうち供給元に当たるクラスタ部が備える前記蓄電装置の蓄電池残容量に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定することを特徴とする。
また、本発明の電力融通方法は、商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成されるとともに、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続される電力融通システムにおける電力融通方法であって、前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部において、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、直流電力による電力の融通を行い、前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行うことを特徴とする。
本発明によれば、複数のクラスタ(需要家)間において公道を跨いで電力を融通する場合に、電力の利用効率を高めることができる。
基本となる電力融通システム1の概略構成を示す構成図である。 発電装置141とPCSAC150の構成例を示す構成図である。 変換装置A120と変換装置D130の構成例を示す構成図である。 変換装置B220の構成例を示す構成図である。 図1に示す電力融通システムの変形例を示す構成図である。 電力融通システムにおける電力融通の制御動作の概要を示す説明図である。 クラスタ部における電力融通動作について説明するための説明図である。 蓄電装置の蓄電池残容量SOCに応じてAC融通とDC融通を選択する例を示す説明図である。 切替部を用いて交流融通及び直流融通を行う場合の例を示す説明図である。 電力融通処理の手順を示すフローチャートである。 AC融通モードとDC融通モードの起動処理の例を示す説明図である。 DC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。 AC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。 AC融通モードの終了の例を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る電力融通システム1Bの概略構成を示す構成図である。 子クラスタ部300Bの構成を示す構成図である。 電力融通システム1Bにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る電力融通システム1Cの概略構成を示す構成図である。 電力融通システム1Cにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。 本発明の第3実施形態に係る電力融通システム1Dの概略構成を示す構成図である。 電力融通システム1Dにおける電力融通処理の例を示す説明図である。 電力融通システム1Dにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
(概要)
図1は、電力融通システムの基本構成を示す構成図である。この図1に示す電力融通システム1は、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、この一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、電力を融通する。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
本発明の電力融通システムは、図1に示す電力融通システム1の構成を基本として、この電力融通システム1に改良を加えたものである。
例えば、図15に示す本発明の第1実施形態に係る電力融通システム1Bは、図1に示す電力融通システム1と基本的な構成が同じであるが、図15に示すように、ACバス31とDCバス32とが、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で公道3を跨ぐ場合の電力融通システム1Bの例である。
また、図18に示す本発明の第2実施形態に係る電力融通システム1Cは、図1に示す電力融通システム1と基本的な構成が同じであるが、図18に示すように、ACバス31とDCバス32とが、子クラスタ部200と子クラスタ部300との間で公道3を跨ぐ場合の電力融通システム1Cの例である。
また、図20に示す本発明の第3実施形態に係る電力融通システム1Dは、図1に示す電力融通システム1と基本的な構成が同じであるが、図20に示すように、ACバス31とDCバス32とが、子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間で公道3を跨ぐとともに、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力の供給を受ける場合の電力融通システム1Dの例である。
以下、最初に、基本と成る電力融通システム1について説明し、その説明の後に、第1実施形態の電力融通システム1Bと、第2実施形態の電力融通システム1Cと、第3実施形態の電力融通システム1Dと、について説明する。
[基本と成る電力融通システム1の構成と動作]
(電力融通システム1の概略構成)
図1は、基本と成る電力融通システム1の概略構成を示す構成図である。この電力融通システム1は、図1に示すように、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、電力を融通するようにしたものである。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
なお、ACバス31は、親クラスタ部100と、複数の子クラスタ部200及び300とを共通接続して交流電力を融通するための給電バスとなる給電経路であり、以下の説明では、ACバス31を一次側ACバス31と呼ぶことがある。また、DCバス32は、親クラスタ部100と、複数の子クラスタ部200及び300とを共通接続して直流電力を融通するための給電バスとなる給電経路であり、以下の説明では、DCバス32を一次側DCバス32と呼ぶことがある。また、親クラスタ部100、子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400の内部において、交流電力を配電する給電経路を二次側ACバスと呼び、直流電力を配電する給電経路を二次側DCバスと呼ぶことがある。
この電力融通システム1において、親クラスタ部100、子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400の各制御部は、通信網12を介して、エネルギー管理装置(EMS)11に接続されている。このエネルギー管理装置(EMS)11は、各クラスタ部における電力の給電状態を監視するとともに、各クラスタ部の制御部に指令信号を送信してその動作を制御する。例えば、エネルギー管理装置(EMS)11は、各クラスタにおける電力消費量と、発電装置の発電量と、蓄電装置の蓄電池残容量SOC(State Of Charge)の情報を収集し、この収集した情報に基づいて、各クラスタ部間における電力消費のバランスを取るように電力融通の制御を行う。
なお、本実施形態における用語「クラスタ」とは、再生可能エネルギー利用の分散型電源から構成される発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び負荷装置を備える需要家を1単位(例えば、ビル単位の需要家)とする電力クラスタ(Electricity Cluster)を意味している。
例えば、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とのそれぞれは、再生可能エネルギーを利用する発電装置(例えば、太陽光発電装置)と、エネルギー貯蔵システムとなる蓄電装置と、需要家の負荷装置とから成る。
上記電力融通システム1において、親クラスタ部100は、遮断器(CB)101、変圧器102、制御部110、変換装置A120、変換装置D130、発電装置141、発電装置142、交流負荷装置143、直流負荷装置144、蓄電装置145、パワーコンディショナ(PCSAC)150、パワーコンディショナ(PCSDC)150A、分電盤161、分電盤162、及び切替部160を備えている。
なお、以下の説明において、交流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSAC)を、単に「PCSAC」と呼び、直流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSDC)を、単に「PCSDC」と呼ぶことがある。
この親クラスタ部100において、変圧器102は、商用電力系統2から供給される高圧交流電圧(例えば、3相AC6600V)を所定の低圧交流電圧(例えば、3相AC400V)に降圧し、この低圧交流電圧を変換装置A120に供給する。
制御部110は、この親クラスタ部100の全体の動作を統括して制御する制御部である。制御部110は、例えば、マイクロコンピュータとその周辺回路とを用いて構成されており、親クラスタ部100の各部に設置した図示していない電流や電圧の検知部で検知された電流や電圧の検知信号に応じて変換装置A120と変換装置D130と切替部160の動作を制御する。また、制御部110は、発電装置の発電量と、蓄電装置の蓄電池残容量SOCの情報を収集し、この収集した情報を、エネルギー管理装置(EMS)11に対して送信する。
変換装置A120は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置であり、変換装置D130は、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置A120と変換装置D130の構成については後述する。
この変換装置A120には給電経路175を介して分電盤161が接続され、また、給電経路172を介して分電盤162が接続される。分電盤161には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、一次側ACバス31と、交流負荷装置143と、切替部160の一端とが接続される。
また、分電盤162には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置145と、PCSDC150Aと、直流負荷装置144とが接続される。なお、直流負荷装置144は、直流電力によって動作する装置であり、例えば、直流家電、LED照明、パソコンやサーバなどの情報機器等である。
なお、分電盤161は、交流電力の分電盤であり、分電盤162は、直流電力の分電盤である。
発電装置141及び142は、例えば、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギー型の発電装置や、エンジン発電装置や、燃料電池等である。パワーコンディショナ(PCSAC)150は、発電装置141の発電電力を所定の交流電力に変換して出力する。また、パワーコンディショナ(PCSDC)150Aは、発電装置142の発電電力を所定の直流電力に変換して出力する。発電装置141及び142の構成と、PCSAC150及びPCSDC150Aの構成については後述する。
蓄電装置145は、分電盤162に接続される。この蓄電装置145は、例えば、リチウムイオン電池、鉛電池、ニッケル水素電池等の2次電池を備える。この蓄電装置145は、PCSDC150Aを介して発電装置142から出力される電力によって充電される。また、蓄電装置145は、変換装置A120から出力される直流電流Idcにより充電される。この蓄電装置145は、商用電力系統2から交流電圧(AC6600V)が供給されない停電時には、蓄えた電荷により、分電盤162を介して直流負荷装置144に電力を供給するとともに、分電盤162と変換装置A120とを介して、交流負荷装置143と一次側ACバス31とに電力を供給する。また、蓄電装置145は、分電盤162と変換装置D130を介して、一次側DCバス32に電力を供給することもできる。
切替部160は、1c接点で構成され、共通接点cと接点aとによりメーク接点が構成され、共通接点cと接点bとによりブレーク接点が構成されている。この切替部160における接点の開閉動作は制御部110から出力される開閉信号(不図示)により制御され、共通接点cと接点aが導通する状態(共通接点cと接点bは非導通)と、共通接点cと接点bが導通する状態(共通接点cと接点aは非導通)との何れかの状態が選択される。
そして、共通接点cには、発電装置141がPCSAC150を介して接続されており、接点bには、分電盤161に繋がる給電経路174が接続されており、接点aには、変圧器102の二次側に繋がる給電経路171が接続されている。
そして、切替部160において、接点bと共通接点cとが導通状態にされる場合、発電装置141で発電された電力が、給電経路174を介して分電盤161に出力される。また、切替部160において、接点aと共通接点cが導通状態にされる場合に、発電装置141で発電された電力が、余剰電力として、変圧器102を介して、商用電力系統2側に供給される。
なお、切替部160では、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、切替部160は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。後述する親クラスタ部100の切替部160A(図5)や、子クラスタ部200の切替部260や、切替部260A(図5)や、子クラスタ部300の切替部360や、子クラスタ部400の切替部460等についても同様である。
子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400は、商用電力系統2の受電点を有しない点を除いて、基本的な構成は親クラスタ部100と同様である。
例えば、子クラスタ部200は、制御部210、変換装置B220、発電装置241、発電装置242、交流負荷装置243、直流負荷装置244、蓄電装置245、PCSAC250、PCSDC250A、切替部260、分電盤261、及び分電盤262を備えている。
この子クラスタ部200において、制御部210は、子クラスタ部200の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置B220は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置B220の構成については後述する。
この変換装置B220には、クラスタ内部の二次側ACバス41を介して分電盤261が接続され、又、クラスタ内部の二次側DCバス42を介して分電盤262が接続される。この分電盤261には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置243と、切替部260の一端とが接続される。
この切替部260は、親クラスタ部100の切替部160と同様に1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置241がPCSAC250を介して接続されており、切替部260の接点b側は、分電盤261に接続されており、切替部260の接点a側は、一次側ACバス31に接続されている。
そして、切替部260において、接点bと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置241で発電された電力が、PCSAC250を介して分電盤261に出力される。また、切替部260において、接点aと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置241で発電された電力が、余剰電力として一次側ACバス31に出力される。
また、分電盤262には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置245と、PCSDC250Aと、直流負荷装置244とが接続されている。
また、子クラスタ部300において、制御部310は、この子クラスタ部300の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置E320は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置E320の構成については後述する。
この変換装置E320には、クラスタ内部の二次側ACバス51を介して分電盤361が接続され、又、二次側DCバス52を介して、分電盤362が接続される。この分電盤361には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置343と、切替部360の一端とが接続されている。
切替部360は、子クラスタ部200の切替部260と同様に、不図示の1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置341がPCSAC350を介して接続されており、切替部360の接点b側は、分電盤361に接続されており、切替部360の接点a側は、一次側ACバス31に接続されている。
そして、切替部360において、不図示の接点bと共通接点cが導通状態とされる場合に、発電装置341で発電された電力が、分電盤361に出力される。また、切替部360において、不図示の接点aと共通接点cが導通状態とされる場合に、発電装置341で発電された電力が、余剰電力として一次側ACバス31に出力される。
また、分電盤362には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置345と、直流負荷装置344とが接続されている。
また、子クラスタ部400は、子クラスタ部300にカスケード接続されるクラスタである。この子クラスタ部400において、制御部410は、この子クラスタ部400の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置C420は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置C420の構成については後述する。
この変換装置C420は、二次側ACバス61及び二次側DCバス62を介して、子クラスタ部300と接続される。なお、二次側ACバス61は、子クラスタ部300において、分電盤361を介して二次側ACバス51に接続されている。また、二次側DCバス62は、子クラスタ部300において、分電盤362を介して二次側DCバス52に接続されている。また、この変換装置C420には、分電盤461と、分電盤462とが接続される。また、分電盤461には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置443と、切替部460の一端とが接続されている。また、分電盤462には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置445と直流負荷装置444とが接続されている。
切替部460は、子クラスタ部200の切替部260と同様に、不図示の1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置441がPCSAC450を介して接続されている。切替部460の接点bは、分電盤461に接続されており、切替部460の接点a側は、二次側ACバス61に接続されている。
そして、切替部460において、不図示の接点bと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置441で発電された電力が、給電経路71を介して分電盤461に出力される。また、切替部460において、不図示の接点aと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置441で発電された電力が、余剰電力として、二次側ACバス61に出力される。
(発電装置とパワーコンディショナの構成)
次に、親クラスタ部100の発電装置141とPCSAC150の構成について説明する。なお、子クラスタ部200の発電装置241とPCSAC250、子クラスタ部300の発電装置341とPCSAC350、及び子クラスタ部400の発電装置441とPCSAC450についても同様な構成である。
図2は、発電装置141とPCSAC150の構成例を示す構成図である。この図2(A)に示す例は、発電装置141として、太陽電池アレイ141aを用いた例を示しており、PCSAC150は、発電量制御部151と、系統連系制御部152と、DC/ACコンバータ(インバータ)153と、変圧器154と、を備える。
発電量制御部151は、発電装置141から最大電力を取り出すために、太陽電池アレイ141aのI−V(電流−電圧)特性において、太陽電池アレイ141aの出力を最大とする動作点(最大電力点)を制御する。太陽電池アレイ141aは、接続されている負荷が実際に必要としている電圧によって最大電力点がずれる。I−V特性は、日射強度やモジュール温度や状態等によって変化することから、最大電力を得るためには、最適な電圧又は電流を自動で追従しなければならない。そこで、発電量制御部151は、太陽電池アレイ141aを、最大電力点で動作させるように制御する。
また、系統連系制御部152は、DC/ACコンバータ(インバータ)153の出力電圧の位相を調整することにより、一次側ACバス31に対して連系させてPCSAC150から出力される電力を給電できるように制御する。このDC/ACコンバータ(インバータ)153は、太陽電池アレイ141aから出力される直流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧を、変圧器154を介して、一次側ACバス31に供給するためのインバータである。
なお、PCSAC150は、商用電力系統2において停電が発生すると、一旦その動作を停止する。その後、バックアップ用の蓄電装置145から変換装置A120を介してACバス31への電力の供給が開始され、やがてこの蓄電装置145に蓄積された電荷が不足又は枯渇し、蓄電装置145からACバス31に電力を供給できなくなると、PCSAC150は、再び起動する。つまり、PCSAC150は、商用電力系統2の停電時において、蓄電装置145からACバス31に電力の供給ができなくなると起動し、発電装置141が発電した電力をACバス31に供給する。なお、この場合のPCSAC150は系統に連系する動作モードではなく、自立して電力を供給するモードで動作することは言うまでもない。
また、図2(B)は、発電装置142とPCSDC150Aの構成例を示す構成図である。なお、子クラスタ部200の発電装置242とPCSDC250Aについても同様な構成である。
この図2(B)に示す例では、図2(A)に示す例と同様に、発電装置142として太陽電池アレイ142aを用いた例を示している。そして、PCSDC150Aは、発電量制御部151と、系統連系制御部152Aと、DC/DCコンバータ155とを備える。
系統連系制御部152Aは、DC/DCコンバータ155の出力電圧を調整することにより、分電盤162に直流電力を供給する。
(変換装置A120と変換装置D130の構成)
図3は、変換装置A120と変換装置D130の構成例を示す構成図である。
変換装置A120は、図3(A)に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)121と、スイッチ部(SW)122とを備える。
この変換装置A120は、スイッチ部122が閉状態の場合、破線aに示す方向に沿って、変圧器102から出力される商用の交流電圧(例えば、AC400V)を、分電盤161を介して、一次側ACバス31に出力する。また、商用電力系統2に停電が発生した場合、制御部110は、スイッチ部122を遮断して、変換装置A120の負荷側を商用電力系統2から解列する(すなわち切り離す)。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能とDC/ACコンバータ(インバータ)機能とを備える。双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線bに示す方向に沿って、変圧器102から入力される交流電力を直流電力に変換し、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に向けて出力する。
また、双方向交直変換部121は、DC/ACコンバータ(インバータ)機能により、破線cに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側ACバス31に融通する交流電力に変換し、この交流電力を一次側ACバス31に出力する。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置141や発電装置142等の余剰電力を交流電力として一次側ACバス31に向けて出力する動作を「交流融通」又は「AC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
また、図3(B)に示すように、変換装置D130は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131を備え、DCバス32と分電盤162との間で、双方向に直流電力を変換して直流電力の受け渡しを行う。例えば、双方向直流変換部131は、破線eに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この直流電力を一次側DCバス32に出力する。
また、双方向直流変換部131は、破線fに示す方向に沿って、一次側DCバス32から直流電力を入力し、この直流電力をクラスタ部内に配電する直流電力に変換し、給電経路173を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置142や蓄電装置145等の余剰電力を直流電力として一次側DCバス32に向けて出力する動作を「直流融通」又は「DC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
(変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成)
次に、変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成について説明する。この変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420とは、同じ構成の変換装置であるため、変換装置B220を代表として示し、この変換装置B220の構成について説明する。
図4は、変換装置B220の構成例を示す構成図である。
変換装置B220は、図4に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221と、スイッチ部(SW)222と、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223とスイッチ部(SW)224とを備えている。双方向交直変換部221は、交流電力を直流電力に変換する機能と、DC/ACコンバータ(インバータ)により直流電力を交流電力に変換する機能を備えている。また、双方向直流変換部223は、DC/DCコンバータを備え、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換する機能を備えている。
この変換装置B220は、スイッチ部222が閉状態の場合に、破線aに示す方向に沿って、一次側ACバス31から入力される交流電圧(例えば、AC400V)を、二次側ACバス41を介して分電盤261に出力する。また、変換装置B220は、スイッチ部222が閉状態の場合に、破線aに示す方向とは逆方向に、二次側ACバス41から一次側ACバス31に向けて交流電力を出力することができる。
また、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221は、スイッチ部222が閉状態の場合、破線bに示す方向に沿って、一次側ACバス31から供給される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、二次側DCバス42を介して、分電盤262に出力することができる。
また、双方向交直変換部221は、破線cに示す方向に沿って、二次側DCバス42から入力される直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を一次側ACバス31に供給することができる。また、双方向交直変換部221は、スイッチ部222が開状態の場合、破線dに示す方向に沿って、二次側DCバス42から入力される直流電力を交流電力に変換して二次側ACバス41に出力することができる。
また、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223は、スイッチ部224が閉状態の場合に、破線eに示す方向に沿って、一次側DCバス32に供給されている直流電力をクラスタ部内の給電経路に配電する直流電力に変換し、二次側DCバス42に出力することができる。
また、双方向直流変換部223は、破線fに示す方向に沿って、二次側DCバス42に供給されている直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この変換した直流電力を一次側DCバス32に出力することができる。
なお、図4において、変換装置B220内のスイッチ部222を開状態にし、切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流電力を供給することができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通(AC融通)を行うことができる。このように、切替部260の共通接点cと接点aとを導通状態にすることにより、子クラスタ部200から一次側ACバス31にAC融通を行う際に、変換装置B220を経由することなく、PCSAC250から一次側ACバス31に直接電力を供給することができる。この切替部260を用いて交流融通を行う例については、後述する。
(電力融通システム1の変形例)
また、図5は、図1に示す電力融通システムの変形例を示す構成図である。
この図5に示す電力融通システム1Aは、図1に示す電力融通システム1と比較して、
親クラスタ部100Aにおいて、図1に示す親クラスタ部100内の変換装置D130を省略した点と、切替部160Aを新たに追加した点が構成上で異なる。また、図5に示す子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加した点が構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この電力融通システム1Aでは、親クラスタ部100Aに切替部160Aを追加することにより、PCSDC150Aの接続先を分電盤162するか、又は一次側DCバス32にするかを選択できるようにした点に特徴がある。また、子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加することにより、PCSDC250Aの接続先を分電盤262にするか、又は一次側DCバス32にするかを選択できるようにした点に特徴がある。子クラスタ部300Aにおいても、子クラスタ部200Aと同様である。
この図5に示す電力融通システム1Aでは、親クラスタ部100A内に切替部160Aを設けることにより、発電装置142からPCSDC150Aを介して出力される直流電力を、切替部160Aを介して、一次側DCバス32に直接連系して出力できる効果がある。また、子クラスタ部200A内に切替部260Aを設けることにより、発電装置242からPCSDC250Aを介して出力される直流電力を、一次側DCバス32に直接連系して出力できる効果がある。
(電力融通システム1における電力融通制御処理)
次に、電力融通システムにおける電力融通制御処理について説明する。
上記構成の電力融通システム1においては、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との各クラスタ同士は、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、互いに交流電力及び直流電力を融通できるように構成されている。そして、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で電力を融通する場合の方法として、交流電力のみの融通、直流電力のみの融通、又は直流電力と交流電力との両方の融通との3通りの融通方法を選択可能としている。
図6は、電力融通システムにおける電力融通の制御動作の概要を示す説明図である。
この図6では、親クラスタ部100を例にとり電力融通の制御動作について説明するが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様な制御動作が行われる。
図6に示す親クラスタ部100において、交流融通を行う場合は、PSAC150を介して出力される発電装置141の交流発電量Pacが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
より具体的には、発電装置141の交流発電量Pacが交流負荷装置143の交流消費電力Loadacよりも大きく(Pac>Loadac)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す充電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側ACバス31を介して交流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
なお、図6における電流Idcは、蓄電装置145が負極接地されている場合の電流Idcの向きを示しており、この直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きを示している。つまり、直流系を正極接地とするか負極接地とするかで、GNDに対となる接続線の電流の向きが変化する。図6では、蓄電装置145が負極接地であるという条件の基での電流Idcの向きを示し、直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きと一致する場合の例である。
また、直流融通(DC融通)を行う場合は、PCSDC150Aを介して出力される発電装置142の直流発電量Pdcが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
より具体的には、発電装置142の直流発電量Pdcが直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcよりも大きく(Pdc>Loaddc)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す放電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側DCバス32を介して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
このように、各クラスタ部の間で、PCSAC150から出力される交流電力が大きい場合に、交流融通を行い、PCSDC150Aから出力される直流電力が大きい場合に、直流融通を行うことを基本にしている。また、後述するように、交流融通と直流融通とを同時に行うこともできる。
なお、一次側ACバス31には、商用電力系統2から電力が供給される他、発電装置141や発電装置142や蓄電装置145からも電力が供給されるため、商用電力系統2が停電になった場合でも、すぐに一次側ACバス31が停電になることなく給電可能状態が維持される。一方、一次側DCバス32は直流融通時に限り給電されるものである。
また、図7は、クラスタ部における電力融通動作について説明するための説明図である。この図7は、例えば、親クラスタ部100における交流発電量Pacと、交流負荷装置143の交流消費電力Loadacと、直流発電量Pdcと、直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcと、電流Idcの方向と、蓄電装置145の状態と、に応じた電力の融通状態を表で示したものである。
なお、この表において、符号「CS」は、親クラスタ部100の場合は、商用電力系統2から供給される交流電力である。
なお、子クラスタ部200、300、400においても、親クラスタ部100の場合と同様に適用可能であり、それぞれの場合の符号「CS」は、子クラスタ部200と、子クラスタ部300とにおいては、一次側ACバス31から供給される交流電力であり、子クラスタ部400においては、子クラスタ部300の二次側ACバス61から供給される交流電力である。
また、この表において、電流Idcは、電流Idcの方向が「充電方向」の場合に、変換装置A120から直流系の分電盤162に向けて直流電力が融通される状態を示し、電流Idcの方向が「放電方向」の場合に、直流系の分電盤162から変換装置A120に向けて直流電力が融通される状態を示している。
この図7においては、後述する状態ST10及び状態ST11に示すように、例えば、親クラスタ部100の発電装置141のPCSAC150から出力される交流電力の発電量が交流負荷装置143の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに、電流Idcが充電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側ACバス31を介して他クラスタ部に交流融通が行われる。
また、後述する状態ST13に示すように、発電装置142のPCSDC150Aから出力される直流電力の発電量が直流負荷装置144の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに電流Idcが放電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側DCバス32を介して他クラスタ部に対して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様である。
以下、図7に示す表の状態ST1から状態ST14について説明する。
まず、状態ST1から状態ST3は、サブクラスタ消費の状態、つまり、クラスタ内の発電装置141から直流負荷装置144側に電力の融通が行われず、かつ、発電装置142と蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力の融通が行われない状態を示している。
この状態ST1から状態ST3においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通との両方とも行われない。
そして、状態ST1は、交流発電量Pacと商用電力CSとの合計値「Pac+CS」が、交流負荷装置143における交流消費電力Loadacと等しい場合であり(Pac+CS=Loadac)、また、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも小さい場合である(Pdc<Loaddc)。
この状態ST1においては、直流消費電力Loaddcの不足分を補うために、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。また、蓄電装置145から変換装置A120に向けて直流電流Idcが流れず、Idcは0である。
また、状態ST2は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcと等しい場合である(Pdc=Loaddc)。この状態ST2においては、電流Idcは0となり、また、蓄電装置145からの放電は行われない(Ibatt=0)。
また、状態ST3は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST3においては、発電装置142から蓄電装置145に向けて充電方向の電流Ibattが流れる。
また、状態ST4から状態ST8は、クラスタ内で電力融通が行われる場合を示している。例えば、親クラスタ部100において、PCSAC150から直流負荷装置144側に電力が融通され、又、PCSDC150Aや蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力が融通される場合を示している。この状態ST4から状態ST8においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通とが両方とも行われない。
そして、状態ST4から状態ST6は、発電装置141による交流発電量Pacと商用電力系統2から供給される電力CSとの合計の電力量「Pac+CS」が交流負荷装置143における交流消費電力Loadacよりも小さい場合を示している。つまり、親クラスタ部100の内部で、発電装置142及び蓄電装置145から交流負荷装置143に交流電力の融通が行われる状態を示している。
そして、状態ST4は、交流発電量Pacと商用電力CSとの合計値「Pac+CS」が、交流負荷装置143における交流消費電力Loadacよりも小さく(Pac+CS<Loadac)、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも小さい場合である(Pdc<Loaddc)。
この状態ST4においては、交流電力と直流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143及び直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
また、状態ST5においては、「Pac+CS<Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcと、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcと等しい場合である(Pdc=Loaddc)。この状態ST5においては、交流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
また、状態ST6においては、「Pac+CS<Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST6においては、交流電力の不足分を補うために、発電装置142から交流負荷装置143に向けて電力を供給する。このため、発電装置142から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。また、発電装置142から直流負荷装置144と交流負荷装置143とに電力を供給した状態において、さらに出力電力に余裕がある場合には、蓄電装置145に充電方向にバッテリ電流Ibattを流す。
また、状態ST7と状態ST8は、発電装置141による交流発電量Pacが交流負荷装置143の消費電力よりも大きい場合を示している(Pac>Loadac)。
そして、状態ST7及び状態ST8においては、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
そして、状態ST7は、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、この場合、直流電力の不足を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcが流れるとともに、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。
状態ST8は、「Pdc+(Pac−Loadac)=Loaddc」の場合であり、この場合、直流電力の不足を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流す。なお、この場合、蓄電装置145のバッテリ電流Ibattは0となる(Ibatt=0)。
また、状態ST9から状態ST11は、発電装置141による交流発電量Pacが、交流負荷装置143の消費電力Laodacよりも大きい状態である。この場合、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
そして、状態ST9は、「Pdc+(Pac−Loadac)>Loaddc」の場合であり、この場合、変換装置A120から直流負荷装置144側に電流Idcを流すか否かは、PdcとLoaddcとの大小関係により決定される。
また、状態ST10と状態ST11とは、蓄電装置145が満充電の状態であり、かつ、「Pac>Loadac」の場合であり、一次側ACバス31により交流融通を行う場合である。
換言すると、状態ST10は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の交流発電量Pacにさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
また、状態ST11は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)=Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の発電力にさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
また、状態ST12は、「Pac>Loadac」の場合であり、かつ、「Pdc>Loaddc」の場合である。蓄電装置145の充電状態により、AC融通又は交流融通を行うか否かが決定される。
また、状態ST13は、「Pac+CS<Loadac」であり、「Pdc>Loaddc」であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、交流電力の不足分を補うために、発電装置142や蓄電装置145から変換装置A120に放電方向に電流Idcを流す。また、蓄電装置145が満充電であるために、一次側DCバス32に対して直流融通を行うことが可能になる。
また、状態ST14は、「Pac+CS=Loadac」であり、「Pdc>Loaddc」であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、「Pac+CS=Loadac」であるため、発電装置142から変換装置A120に向けて電流を流す必要はなく、また、「Pdc>Loaddc」かつ蓄電装置145が満充電であるために、一次側DCバス32に対して直流融通を行うことが可能になる。
以上、図7の表について説明したが、交流融通を行うか直流融通を行うかの実際の判定処理としては、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを図示しない検出器によって検出して、制御部110は、検出されたバッテリ電流Ibattに基づいて満充電状態を判定する。また、分電盤162から変換装置A120に流れる電流Idcを図示しない検出器によって検出して、制御部110は、検出された電流Idcの方向を判定する。制御部110は、上記のバッテリ電流Ibattに基づいて判定した満充電の判定結果と、電流Idcの方向の判定結果とに基づいて、交流融通を行うか、又は、直流融通を行うか決定する。
(AC融通とDC融通とを蓄電池残容量SOCにより選択する例)
図7に示した表では、例えば、親クラスタ部100において、蓄電装置145が満充電の状態にある場合に、PCSAC150から出力される交流発電量Pacと、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcと、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの向きとを基にして、交流融通か直流融通かを決める例を示したが、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、交流融通を行うか直流融通を行うかを決めることもできる。
図8は、蓄電装置の蓄電池残容量SOCに応じてAC融通とDC融通を選択する例を示す説明図である。この図8に示す例では、蓄電装置145からAC融通を行うかDC融通を行うかを、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて切り替える例を示している。
この図8では、縦軸に蓄電池残容量SOCの大きさを取り、横軸に時間tを取り、蓄電池残容量SOCの変化と、蓄電池残容量SOCの変化に応じたAC融通期間とDC融通期間の変化を示している。
この図8において、基準値SOC1Aは、例えば、蓄電池残容量SOCが満充電に近い状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC1Bは、例えば、基準値SOC1Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC1A>基準値SOC1Bである)であって、例えば、運用上、蓄電装置145に対して充電を開始させることが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する値に設定する。
また、図8において、基準値SOC2Aは、蓄電池残容量SOCが満充電の状態、又は運用上、発電装置142等から蓄電装置145にこれ以上充電させないことが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC2Bは、例えば、基準値SOC2Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC2A>基準値SOC2B)である。
例えば、親クラスタ部100の制御部110は、蓄電装置145の充放電電流の検出値の積算結果や、蓄電装置145の端子電圧の検知結果、あるいは蓄電装置145から受信した状態を表す信号等に基づいて、蓄電池残容量SOCを算出する。そして、制御部110は、この蓄電池残容量SOCと、基準値SOC1A及び基準値SOC1Bとの大小関係を比較するとともに、蓄電池残容量SOCと、基準値SOC2A及び基準値SOC2Bとの大小関係を比較する
そして、図8に示すように、PCSAC150から出力される交流発電量Pacや、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcが大きい場合は、蓄電装置145に充電電流が流れることにより、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが次第に増加する。
そして、制御部110は以下の処理をする。時刻t1において、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが基準値SOC1A以上になる場合に、最初にAC融通モードを開始する。そして、時刻t1以降、さらに蓄電池残容量SOCが上昇し、時刻t2において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Aを超える場合には、AC融通モードと合わせてDC融通モードを開始する。
その後、蓄電池残容量SOCが変化し、時刻t3において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Bまで低下するとDC融通モードを停止する。
そして、時刻t3以降、時刻t4において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC1Bまで低下するとAC融通モードを停止する。
このように、制御部110は、時刻t1から時刻t2までの期間と時刻t3から時刻t4までの期間とにおいてAC融通モードを実行し、時刻t2から時刻t3までの期間においてAC融通モードとDC融通モードとの両方を実行する。つまり、制御部110は、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、AC融通モードを行う第1段階と、AC融通モードとDC融通モードの両方を実行する第2段階と、の2段階に分けて電力融通処理を行う。
これにより、制御部110は、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、他のクラスタへ交流融通を行う。上記の交流融通を行う期間において、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、制御部110は、AC融通に合わせて直流融通を行わせることにより、他のクラスタへ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避するように制御する。
(交流融通及び直流融通を行う場合に切替部を用いる例)
図9は、切替部を用いて交流融通及び直流融通を行う場合の例を示す説明図である。
例えば、図9に示す子クラスタ部200Aにおいて、制御部210が切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流融通を行うことができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通を行うことができる。
また、制御部210が切替部260Aの共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSDC250Aを一次側DCバス32に直接接続し、PCSDC150Aから一次側DCバス32に向けて直流融通を行うことができる。つまり、破線A2で示す経路に沿って、PCSDC250Aから一次側DCバス32に直流融通を行うことができる。
これにより、子クラスタ部200Aから一次側ACバス31にAC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260を介して、一次側ACバス31に直接に交流電力を供給することができる。また、子クラスタ部200Aから一次側DCバス32にDC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260Aを介して一次側DCバス32に直接に直流電力を供給することができる。
(電力融通処理の手順)
図10は、電力融通処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10のフローチャートを参照して、電力融通処理の手順について説明する。
なお、図10では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
そして、例えば、親クラスタ部100の制御部110において、電力融通が必要であることが検知される(ステップS100)。例えば、制御部110は、発電装置141の交流発電量Pacと、発電装置142の直流発電量Pdcと、蓄電池残容量SOC等に基づいて、電力融通が必要であることを検知する。或いは、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られる電力融通の要請信号を受信して、電力融通が必要であることを検知する。
続いて、制御部110では、AC融通が必要な状態か否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御部110が、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを検出して満充電状態を判定するとともに、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの方向を判定して、交流融通を行うことが必要な状態であるか否かを判定する。
そして、ステップS105においてAC融通が必要な状態であると判定された場合(ステップS105:Yes)、制御部110は、PCSAC150を切替部160を介して一次側ACバス31に接続する(ステップS110)。そして、制御部110は、PCSAC150において一次側ACバス31に対する連系運転検出処理を行わせる(ステップS115)。
続いて、制御部110は、AC融通の可否情報を収集する(ステップS120)。例えば、制御部110は、AC融通を行う場合に電力会社との取り決めによる規制上の制約があるか否かを判定する(ステップS125)。
続いて、制御部110は、指定された電力供給モードに応じて交流電力(AC)又は直流電力(DC)の何れを融通するかを判定する(ステップS130)。
そして、ステップS130において、交流融通(AC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:AC)、制御部110は、AC融通モードの起動処理を開始する(ステップS140)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの起動が必要か否かを判定する(ステップS145)。そして、ステップS145において、DC融通モードの起動が必要でないと判定された場合(ステップS145:No)、AC融通モードの起動状態を維持するか否かを判定する(ステップS180)。
そして、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持しないと判定された場合(ステップS180:No)、制御部110は、ステップS150に移行し、AC融通モードの終了処理を実行する(ステップS150)。
制御部110は、AC融通モードの終了処理に移行する(ステップS150)。そして、このステップS150の処理を実行した後に、制御部110は、この電力融通処理を終える。
一方、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持すると判定された場合(ステップS180:Yes)、つまり、AC融通モードを維持したままにする場合、制御部110は、ステップS180の判定を繰り返す。
一方、ステップS105においてAC融通が必要でないと判定された場合(ステップS105:No)、ステップS125においてAC融通が可能でないと判定された場合(ステップS125:No)、ステップS130において直流融通(DC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:DC)、及びステップS145においてDC融通モードの起動が必要と判定された場合(ステップS145:Yes)には、ステップS160に移行して、制御部110は、DC融通モードの起動処理を行う(ステップS160)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合、DC融通モードの終了処理を行い(ステップS170)、このステップS170の処理を終了した後に、ステップS180に進む。なお、DC融通モードの終了処理の詳細については後述する。
このように、電力融通システム1では、クラスタ間で交流融通及び直流融通を行うことにより複数のクラスタ間において電力の利用効率を高めることができる。
なお、図10のフローチャートでは、親クラスタ部100における電力融通処理の手順について説明したが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても、同様な電力融通処理が行われる。
(AC融通モードとDC融通モードの起動処理)
図11は、AC融通モードとDC融通モードの起動処理の例を示す説明図である。図11(A)は、AC融通モードの起動処理を、図11(B)は、DC融通モードの起動処理を示している。
この図11(A)では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC150の動作状態とを並べて示している。
この図11(A)に示すように、時刻t1において、PCSAC150は制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、PCSAC150は、一旦、その動作を停止する。そして、時刻t2において、一次側ACバス31との連系動作を開始し、時刻t3から一次側ACバス31への交流電力の供給を開始する。
また、図11(B)では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側DCバス32の給電状態と、双方向直流変換部131(図3(B)参照)の動作状態とを並べて示している。
この図11(B)に示すように、時刻t1において、双方向直流変換部131は、制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、双方向直流変換部131は、一次側DCバス32との連系動作を開始し、時刻t3から一次側DCバス32への直流電力の供給を開始する。
なお、図5に示す電力融通システム1Aにおいて、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する場合のDC融通モードの起動処理は、図11(A)に示すPCSAC150を一次側ACバス31に接続する起動処理に準じた処理が行われる。
(DC融通モードの終了処理)
図12は、DC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。この図12に示すDC融通モードの終了処理は、DC融通を変換装置D130を用いて行う場合の例である。
例えば、親クラスタ部100において、制御部110は、DC融通モードの実行中に、DC融通モードの終了指示の検出を行う(ステップS171)。例えば、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるDC融通モードの終了指示の信号の検出を行う。そして、制御部110は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS172)。
そして、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS172:Yes)、制御部110は、融通先の給電状態と、自系統の給電状態とを検出し(ステップS173)、DC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS174)。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能でないと判定された場合(ステップS174:No)、制御部110は、DC融通モードの終了が可能となるまで待機する。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS174:Yes)、制御部110は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131(図3(B)参照)の出力を遮断する(ステップS175)。
そして、制御部110は、ステップS175の処理を実行した後に、このDC融通モードの終了処理を終える。
なお、上述したDC融通モードの終了処理は、DC融通モードの終了時に双方向交直変換部121の出力を遮断する例を示したが、図5に示す親クラスタ部100Aのように、PCSDC150Aから切替部160Aを介して一次側DCバス32に直流電力を供給している場合は、PCSDC150Aの動作を停止させるようにしてもよい。
(AC融通モードの終了処理)
図13は、AC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、この図13に示す例は、図4に示すように、PCSAC250から切替部260を介して一次側DCバス32に交流電力を出力する場合の例である。
以下、子クラスタ部200を例にして、AC融通モードの終了処理について説明する。
まず、子クラスタ部200において、制御部210は、AC融通モードの実行中に、AC融通モードの終了指示の検出を行っている(ステップS151)。例えば、制御部210は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるAC融通モードの終了指示の検出を行う。そして、制御部210は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS152)。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出しなかった場合(ステップS152:No)、制御部210は、AC融通モードの終了処理が検出されるまで待機する。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS152:Yes)、制御部210は、融通先の状態と、自系統の状態を検出し(ステップS153)、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS154)。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能でないと判定された場合(ステップS154:No)、制御部210は、AC融通モードの終了が可能となるまで待機する。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS154:Yes)、制御部210は、PCSAC250の出力を停止する(ステップS155)。
続いて、制御部210は、PCSAC250の接続先を一次側ACバス31から子クラスタ部200の二次側の二次側ACバス41に変更する(ステップS156)。そして、制御部210は、PCSAC250の出力を二次側ACバス41に連系させ(ステップS157)、この連系が完了した後、PCSAC250から二次側ACバス41に電力を出力させる(ステップS158)。
そして、制御部210は、ステップS158の処理の実行後に、このAC融通モードの終了処理を終える。
なお、図9に示す子クラスタ部200Aのように、PCSDC250AをDCバス32に接続する構成の場合において、DC融通モードを終了する際には、上記のAC融通モードの処理に準じた処理が行われる。
また、図14は、AC融通モードの終了処理の例を示す説明図である。この図14に示す終了処理は、上述した図13のフローチャートで説明した処理手順をタイムチャートで示したものである。
この図14では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC250の動作状態とを並べて示している。
この図14に示すように、時刻t1以前において、一次側ACバス31にはPCSAC250から電力が供給されている。そして、時刻t1において、制御部210は、AC融通モードの終了指示を検出し、その後の時刻t2において、融通先の状態と、自系統の状態を検出する。続いて、時刻t3において、制御部210は、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する。そして、AC融通モードの終了が可能と判定された場合に、時刻t3の後の時刻t4において、制御部210は、PCSAC150の出力を停止し、PCSAC250から一次側ACバス31への電力の供給を停止する。
そして、続く時刻t5において、切替部260により、PCSAC250と一次側ACバス31との接続を遮断し、そして、時刻t5に続く時刻t6において、制御部210は、PCSAC250を二次側ACバス41に接続する。そして、時刻t6に続く時刻t7において、制御部210は、PCSAC250を二次側ACバス41に連系させ、その後の時刻t8から、制御部210は、PCSAC250から二次側ACバス41に交流電力を供給させる。
なお、DC融通モードにおいて、図5の親クラスタ部100Aに示すように、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する構成の場合には、DC融通モード終了処理は、上述したAC融通モード終了処理に準じた処理となる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について説明する。図15は、本発明の第1実施形態に係る電力融通システム1Bの概略構成を示す構成図である。この図15に示す電力融通システム1Bは子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で、二次側ACバス61と二次側DCバス62とが公道3を跨いで敷設されている例である。
上述のように、商用電力の受電中に、受電した交流電力を交流電力のまま公道を跨いで外部に給電することが規制されている。
従って、第1実施形態の電力融通システム1Bでは、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電しており、かつ、親クラスタ部100と子クラスタ部300Bとの間で一次側ACバス31を介して交流電力が融通されている場合、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で、交流電力の融通ができなくなる。
つまり、親クラスタ部100が商用電力系統2から給電を受けている場合に、子クラスタ部400は、子クラスタ部300Bを介して商用電力の供給を受ける可能性があるため、子クラスタ部400と子クラスタ部300Bとは、二次側ACバス61による交流電力の融通ができなくなる。
従って、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電している場合、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とは、二次側DCバス62による直流電力の融通を行うことになる。
一方、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態の場合、つまり電力融通システム1Bの全体が商用電力の供給を受けない自立運転状態になる場合は、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bと、子クラスタ部400との間で、一次側ACバス31を介しての交流電力の融通を行うととともに、一次側DCバス32による直流電力の融通を行うことができる状態になる。なお、子クラスタ部400は、子クラスタ部300Bを介して、親クラスタ部100及び子クラスタ部200との間で、一次側ACバス31による交流電力の融通、及び一次側DCバス32による直流電力の融通を行う。
そして、一次側ACバス31による交流電力の融通と、一次側DCバス32による直流電力の融通との両方を行うことができる場合、各クラスタ部において一次側ACバス31を介して交流電力の融通を行うか、又は、一次側DCバス32を介して直流電力の融通を行うかは、例えば、図6で示した親クラスタ部100の場合と同様にして、双方向交直変換部121への直流電力の流通方向(電流Idcの流れる方向)により選択できるとともに、図8で示した蓄電池残容量SOCに応じて選択することができる。
そして、図15に示す電力融通システム1Bは、図1に示す電力融通システム1と比較して、図16に示すように、子クラスタ部300Bの分電盤361B内に開閉器363を新たに追加した点だけが構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この分電盤361B内の開閉器363の一方の接点aは、分電盤361B内の給電経路61Aに接続されており、他方の接点bは二次側ACバス61に接続されている。この開閉器363における接点の開閉動作は制御部310から出力される開閉信号(不図示)により制御される。
そして、子クラスタ部300Bが一次側ACバス31から商用電力の供給を受けることができる場合、制御部310は、開閉器363を開状態(非導通)にし、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との二次側ACバス61による接続を開放し、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間での交流電力の融通を停止する。
一方、子クラスタ部300Bが、一次側ACバス31を介して商用電力の供給を受けることができない場合、制御部310は、開閉器363を閉状態(導通)にし、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とを二次側ACバス61で接続し、この二次側ACバス61を介して交流電力の融通を行う。
なお、開閉器363は、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、開閉器363は、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。
また、図17は、電力融通システム1Bにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。図17では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、商用電力系統2からの商用電力の受電状態(図(a))と、親クラスタ部100のPCSAC150の運転状態(図(b))と、一次側DCバス32の給電状態(図(c))と、一次側ACバス31の給電状態(図(d))と、親クラスタ部100と子クラスタ部200と子クラスタ部300Bとの間のDC融通の状態(図(e))と、親クラスタ部100と子クラスタ部200と子クラスタ部300Bとの間のAC融通の状態(図(f))と、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間のDC融通の状態(図(g))と、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間のAC融通の状態(図(h))と、を並べて示した図である。なお、図17では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
(時刻t1以前)
この図17において、時刻t1以前は、親クラスタ部100のPCSAC150は、例えば、一次側ACバス31に連系している(図(a))。そして、一次側DCバス32は、給電状態にあり(図(b))、また、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとは、一次側ACバス31に連系している。このため、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとの間は、一次側DCバス32を介してDC融通を行うとともに(図(e))、一次側ACバス31を介してAC融通を行うことができる(図(f))。
一方、時刻t1以前において、子クラスタ部400は、子クラスタ部300Bに接続される二次側ACバス61と二次側DCバス62とが公道3を跨いでいるため、子クラスタ部300Bの開閉器363が開状態にされており、子クラスタ部300Bとの間でのAC融通は停止され(図(h)、DC融通のみを行うことができる(図(g))。
つまり、一次側DCバス32を介してのDC融通は、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bと、子クラスタ部400との間で常時行われている。また、一次側ACバス31を介したAC融通は、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Bとの間で行われているが、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間では、二次側ACバス51によるAC融通は停止されている。
(時刻t1以降)
そして、時刻t1において、親クラスタ部100が停電状態になると電力融通システム1Bの全体が自立運転状態になる。そして、この時刻t1以降、PCSAC150は、変換装置A120と連系する自立運転状態になり(図(b))、一次側ACバス31には、各クラスタ部内の蓄電装置と各発電装置による給電、例えば、親クラスタ部100の蓄電装置145と発電装置141及び142による給電が行われる。
そして、親クラスタ部100と子クラスタ部200及び300Bとの間において、各クラスタ部内の蓄電装置と各発電装置とによる一次側ACバス31を介しての交流電力の融通が開始される(図(d))。
そして、時刻t1において、電力融通システム1Bの全体が自立運転状態になると、この時刻t1において、子クラスタ部300Bの開閉器363が閉状態になり、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とが二次側ACバス61を介して接続される。
そして、この時刻t1から、子クラスタ部400において二次側ACバス61への連系動作が開始され、時刻t1の後の時刻t2から、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間での交流融通が開始される(図(h))。
このように、電力融通システム1Bにおいて、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400とを結ぶ給電経路が公道3を跨ぐ場合は、親クラスタ部100が商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になり、電力融通システム1Bの全体が自立運転状態になった場合に、子クラスタ部300Bと子クラスタ部400との間で交流融通を行うことができる。
[第2実施形態]
図18は、本発明の第2実施形態に係る電力融通システム1Cの構成を示す構成図である。この図18に示す電力融通システム1Cは、子クラスタ部200と子クラスタ部300との間で、一次側ACバス31と一次側DCバス32とが公道3を跨いで敷設されている場合の例である。
上述のように、電力融通システムでは、親クラスタ部が商用電力を受電し、この受電した商用電力の受電中に、受電した交流電力を交流電力のまま公道を跨いで外部に給電することが規制されている。
従って、第2実施形態の電力融通システム1Cでは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している場合、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で、一次側DCバス32を介した直流電力の融通を行う。なお、子クラスタ部400は、子クラスタ部300を介して、親クラスタ部100C及び子クラスタ部200との間で、一次側ACバス31による交流電力の融通、及び一次側DCバス32による直流電力の融通を行う。
そして、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態の場合、電力融通システム1Cの全体が自立運転状態になるため、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で、一次側ACバス31を介した交流電力の融通を行うととともに、一次側DCバス32を介した直流電力の融通を行う。
なお、一次側ACバス31を介して交流電力の融通を行うか、又は、一次側DCバス32を介して直流電力の融通を行うかは、図6で示したクラスタ部内での直流電力の流通方向(例えば、電流Idcの流れる方向)により選択できるとともに、図8で示した蓄電池残容量SOCに応じて選択することができる。
そして、図18に示す電力融通システム1Cは、図1に示す電力融通システム1と比較して、親クラスタ部100Cの分電盤161C内に開閉器163を新たに追加した点だけが構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この分電盤161C内の開閉器163の一方の接点bは、分電盤161内の給電経路174aに接続されており、他方の接点aは一次側ACバス31に接続されている。この開閉器163における接点の開閉動作は制御部110から出力される開閉信号(不図示)により制御される。
そして、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している場合、制御部110は、開閉器163を開状態(非導通)にし、親クラスタ部100Cと一次側ACバス31との接続を開放し、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300と子クラスタ部400との間での交流電力による電力の融通を停止する。
また、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態の場合、制御部110は、開閉器163を閉状態(導通)にし、親クラスタ部100Cと一次側ACバス31とを接続し、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で、一次側ACバス31を介した交流電力による電力の融通を行えるようにする。
なお、開閉器163は、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、開閉器163は、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。
また、図19は、電力融通システム1Cにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。図19では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、商用電力系統2からの商用電力の受電状態(図(a))と、親クラスタ部100C内のPCSAC150の運転状態(図(b))と、一次側DCバス32の給電状態(図(c))と、一次側ACバス31の給電状態(図(d))と、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300との間のDC融通の状態(図(e))と、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300との間のAC融通の状態(図(f))と、子クラスタ部300と子クラスタ部400との間のDC融通の状態(図(g))と、子クラスタ部300と子クラスタ部400との間のAC融通の状態(図(h))と、を並べて示した図である。
なお、図19では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
(時刻t1以前)
この図19において、時刻t1以前は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している状態であり(図(a))、親クラスタ部100CのPCSAC150は、例えば、商用電力系統2に連系している(図(b))。また、一次側DCバス32は給電状態にあり(図(c))、一次側ACバス31は給電されていない(図(d))。
そして、時刻t1以前において、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300との間でDC融通が行われているが(図(e))、AC融通は停止されている(図(f))。
つまり、DC融通は、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で常時行われているが、一次側ACバス31によるAC融通は停止されている。
(時刻t1以降)
そして、時刻t1において、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になり、電力融通システム1Cの全体が自立運転状態になる。時刻t1以後、親クラスタ部100Cが停電状態になると、PCSAC150は、変換装置A120と連系する自立運転状態になり(図(b))、一次側ACバス31には、例えば、各クラスタ部の蓄電装置と各発電装置による給電、例えば、親クラスタ部100Cの蓄電装置145と発電装置141及び142による給電が行われる(図(d))。
そして、時刻t1から、子クラスタ部200における一次側ACバス31への連系処理と、子クラスタ部300における一次側ACバス31への連系処理と、が開始される。そして、時刻t1に続く時刻t2から、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300との間で一次側ACバス31によるAC融通が開始される(図(f))。
そして、時刻t2から一次側ACバス31と子クラスタ部300との間で交流融通が開始されると、この時刻t2から子クラスタ部300と子クラスタ部400とを接続する二次側ACバス61に対する子クラスタ部400の連系処理が開始され、この時刻t2の後の時刻t3から、子クラスタ部300と子クラスタ部400との間における交流融通が開始される(図(h))。
これにより、親クラスタ部100Cが停電状態の場合に、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200と、子クラスタ部200と、子クラスタ部400との間において、一次側ACバス31を介した交流電力の融通が可能になる。
[第3実施形態]
第1実施形態の電力融通システム1B(図15)では、二次側ACバス61が公道3を跨ぎ、第2実施形態の電力融通システム1C(図18)では、一次側ACバス31が公道3を跨ぐが、子クラスタ部200、子クラスタ部300及び300B、及び子クラスタ部400が、商用電力系統2から商用電力の供給を受けない場合の例について説明したが、本発明の第3実施形態として、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力の供給を受ける場合の例について説明する。
図20は、本発明の第3実施形態に係る電力融通システム1Dの概略構成を示す構成図である。この図20に示す例は、子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとを接続する一次側ACバス31と一次側DCバス32とが公道3を跨ぐととともに、子クラスタ部300Dが商用電力の受電点を備える例である。
図20に示す電力融通システム1Dは、図18に示す電力融通システム1Cと比較して、図20に示す子クラスタ部300D内に、商用電力系統2Aの受電設備となる遮断器(CB)301と変圧器302と、系統切替部370とを新たに追加した点が構成上で異なる。他の構成は、図18に示す電力融通システム1Cと同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この電力融通システム1Dにおいて、商用電力系統2と商用電力系統2Aとは、同じ変電所の同じフィーダから分岐される配電系統であるが、変電所から受電点に至るまでの配電経路が異なるため、例えば、商用電力系統2が停電状態になった場合において、商用電力系統2Aが停電状態でない場合があり、また、逆に、商用電力系統2Aが停電状態になった場合において、商用電力系統2が停電状態でない場合がある。
なお、商用電力系統2と商用電力系統2Aとは、同じ商用電力系統であってもよく、この場合においても、例えば、親クラスタ部100Cの受電設備の状態と、子クラスタ部300Dの受電設備の状態とにより、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になった場合において、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できる場合があり、また、逆に、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できる場合において、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できない停電状態になる場合がある。
この子クラスタ部300Dにおいて、変圧器302は、商用電力系統2Aから供給される高圧交流電圧(例えば、3相AC6600V)を所定の低圧交流電圧(例えば、3相AC400V)に降圧し、この低圧交流電圧を系統切替部370を介して変換装置E320に供給する。系統切替部370は、2個の開閉器370A及び370Bから構成され、開閉器370Aの一方の端子b1は、変圧器302の二次側に接続され、他方の端子a1は、変換装置E320の交流入力側に接続される。また、開閉器370Bの一方の端子b2は、一次側ACバス31に接続され、他方の端子a2は、変換装置E320の交流入力側に接続される。つまり、開閉器370Aの端子a1と開閉器370Bの端子a2とは、共通接続されて変換装置E320の交流入力側に接続される。
この開閉器370Aと開閉器370Bとは、制御部310から送られる不図示のスイッチ開閉信号により開閉動作が行われる。この開閉器370Aと開閉器370Bとは、実際には、IGBT等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されているが、電磁開閉器等であってもよい。
このように、系統切替部370は、交流系統の接続先として、商用電力系統2Aの受電点と一次側ACバス31とを含み、商用電力系統2Aの受電点と一次側ACバス31とを切り替えることができる。
また、図21は、電力融通システム1Dにおける電力融通処理の例を示す説明図である。この図21では、親クラスタ部100Cにおける商用電力の受電状態と、子クラスタ部300Dにおける商用電力の受電状態と、電力融通をするか否かと、に対応して、交流融通(AC融通)が可能か、直流融通(DC融通)が可能かを表で示したものである。
図21の表における状態ST1Aは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電しているとともに、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電している状態であり、かつ、電力融通をすることが選択された場合である。この状態ST1Aの場合は、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとが商用電力を受電しているので、一次側ACバス31による公道3を跨いでのAC融通は不可能であり、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400とは、一次側DCバス32を介したDC融通のみが可能である。
また、状態ST1Bは、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとが商用電力を受電している状態であり、かつ、電力融通をしないことが選択されている場合である。この状態ST1Bの場合は、電力融通をしないことが選択されているので、一次側ACバス31によるAC融通が不可能であり、又、一次側DCバス32によるDC融通も不可能である。
状態ST2Aは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電しているが、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できない停電状態であり、かつ、電力融通が選択されている場合である。この状態ST2Aの場合は、親クラスタ部100Cにおいて商用電力を受電しているので、一次側ACバス31による公道3を跨いでのAC融通は不可能であり、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400とは、一次側DCバス32を介してのDC融通のみが可能である。
また、状態ST2Bは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電しているが、子クラスタ部200では商用電力系統2Aから商用電力を受電できない停電状態であり、かつ、電力融通をしないことが選択されている場合である。この状態ST2Bの場合は、電力融通をしないことが選択されているので、一次側ACバス31によるAC融通が不可能であり、又、一次側DCバス32によるDC融通も不可能である。
状態ST3Aは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態であるが、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電している状態であり、かつ、電力融通をすることが選択されている場合である。この状態ST3Aの場合は、子クラスタ部300Dにおいて商用電力を正常に受電できているので、一次側ACバス31による公道3を跨いでのAC融通が不可能であり、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400とは、一次側DCバス32によるDC融通のみが可能である。
なお、この状態ST3Aの場合は、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を商用電力系統2Aから一次側ACバス31に切り替えることにより、商用電力系統2Aからの受電を停止し、後述する状態ST4Aに移行することにより、電力融通システム1Dの全体を商用電力系統2及び商用電力系統2Aから受電を行わない自立運転状態にして、一次側ACバス31によるAC融通と一次側DCバス32によるDC融通との両方を行うこと可能になる。
状態ST3Bは、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態であるが、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電している状態であり、かつ、電力融通をしないことが選択されている場合である。この状態ST3Bの場合は、電力融通をしないことが選択されているので、一次側ACバス31によるAC融通が不可能であり、又、一次側DCバス32によるDC融通も不可能である。
状態ST4Aは、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dの両方が商用電力を受電できていない停電状態であり、かつ、電力融通をすることが選択されている場合である。この状態ST4Aの場合は、商用電力系統2及び商用電力系統2Aからの受電を停止した自立運転状態にあるので、一次側ACバス31による交流融通と一次側DCバス32による直流融通の両方が可能になる。
また、状態ST4Bは、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dの双方が商用電力を受電できていない停電状態であり、かつ、電力融通をしないことが選択されている場合である。この状態ST4Bの場合は、商用電力系統2及び商用電力系統2Aからの受電を停止した自立運転状態にあるが、電力融通をしないことが選択されているので、一次側ACバス31によるAC融通が不可能であり、又、一次側DCバス32によるDC融通も不可能である。
この表に示すように、電力融通システム1Dにおいて、一次側ACバス31により交流融通を行うことができるのは、少なくとも電力融通システム1Dが自立運転の状態(状態ST4A)にある場合である。また、状態ST3Aの場合は、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を商用電力系統2Aから一次側ACバス31に切り替えることにより、子クラスタ部300Dにおいて商用電力系統2Aからの受電を停止し、電力融通システム1Dの全体を商用電力系統2及び商用電力系統2Aから受電を行わない自立運転状態にすることにより、一次側ACバス31による交流融通と一次側DCバス32による直流融通の両方が可能になる。
なお、状態ST3Aにおいて、親クラスタ部100Cに停電状態が発生していることを検出して、系統切替部370の接続先を一次側ACバス31に切り替える場合、例えば、子クラスタ部300Dは、親クラスタ部100Cから停電状態が発生したことを示す接点信号を通信線により引き込み、この接点信号に基づいて、系統切替部370の接続先を一次側ACバス31に切り替えることができる。
また、状態ST2Aで示すように、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電しているが、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できない停電状態にある場合、親クラスタ部100Cにおける商用電力の受電を停止し、状態ST4Aに示す自立運転の状態に移行することにより、一次側ACバス31を介しての交流融通が可能になる。
また、図22は、電力融通システム1Dにおける電力融通処理の流れを示す説明図である。図22では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、商用電力系統2からの商用電力の受電状態(図(a))と、親クラスタ部100CのPCSAC150の運転状態(図(b))と、一次側DCバス32の給電状態(図(c))と、一次側ACバス31の給電状態(図(d))と、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間のDC融通の状態(図(e))と、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間のAC融通の状態(図(f))と、商用電力系統2Aからの商用電力の受電状態(図(g))と、子クラスタ部300DのPCSAC350の運転状態(図(h))と、子クラスタ部300D内の二次側DCバス52の給電状態(図(i))と、子クラスタ部300D内の二次側ACバス51の給電状態(図(j))と、を並べて示した図である。
そして、この図22では、時刻t1において、最初に、親クラスタ部100Cにおいて商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態が発生し、その後の時刻t2において、子クラスタ部300Dにおいて商用電力系統2Aからの商用電力の受電を停止する例を示している。
なお、図22では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
(時刻t1以前)
この図22において、時刻t1以前は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電している(図(a))。そして、親クラスタ部100CのPCSAC150は、例えば、商用電力系統2に連系している(図(b))。また、親クラスタ部100Cは、一次側DCバス32を介して、子クラスタ部200と、子クラスタ部300Dと、子クラスタ部400との間でDC融通を行う(図(c))。
この時刻t1以前において、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電し、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電しているため、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間は、一次側ACバス31による交流電力の融通は停止され(図(f))、一次側DCバス32によるDC融通のみが行われる(図(e))。
また、時刻t1以前において、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電しているため、子クラスタ部300DのPCSAC350は、例えば、商用電力系統2Aに連系する(図(h))。そして、子クラスタ部300Dの内部DCバスである二次側DCバス52は、一次側DCバス32とDC融通が可能であり(図(i))、子クラスタ部300Dの内部ACバスである二次側ACバス51は、商用電力系統2Aに連系している(図(j))。
(時刻t1から時刻t2)
続いて、時刻t1において、商用電力系統2が停電状態になる(図(a))。この商用電力系統2が停電状態になると、PCSAC150は、変換装置A120に連係する自立運転状態になる(図(b))。そして、この時刻t1から時刻t2においては、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電しているために、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間では、一次側DCバス32によるDC融通を行うが(図(e))、一次側ACバス31による交流融通は停止している(図(f))。
なお、子クラスタ部300Dの内部ACバスである二次側ACバス51は、商用電力系統2Aに連系している(図(j))。
(時刻t2以降)
続いて、時刻t2において、子クラスタ部300Dは、系統切替部370により商用電力系統2Aからの受電を停止する(図(g))。
子クラスタ部300Dにおいて、商用電力系統2Aからの受電を停止すると、子クラスタ部300DのPCSAC350は、変換装置E320に連係する自立運転状態になる(図(h))。そして、この時刻t2からは、子クラスタ部300Dが商用電力の受電を停止しているため、電力融通システム1Dの全体が自立運転状態になる。
そして、時刻t2の後の時刻t3から、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400との間で、一次側ACバス31によるAC融通が開始される(図(f)。
このように、電力融通システム1Dにおいて、子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電するとともに、子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとを結ぶ一次側ACバス31と一次側DCバス32とが公道3を跨ぐ場合は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態になると、子クラスタ部300Dでは、商用電力系統2Aからの受電を停止し、電力融通システム1Dの全体を自立運転状態にする。これにより、電力融通システム1Dでは、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dと子クラスタ部400との間で、直流融通(DC融通)を行うとともに交流融通(AC融通)を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態において、親クラスタ部100及び100C内の制御部110と、子クラスタ部200内の制御部210と、子クラスタ部300、300B、300D内の制御部310と、子クラスタ部400内の制御部410とは、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
なお、ここで、本発明と上述した実施形態との対応関係について補足して説明する。すなわち、本発明における電力融通システムは、図15に示す電力融通システム1B、図18に示す電力融通システム1C、又は、図20に示す電力融通システム1Dが対応する。また、本発明における第1クラスタ部は、親クラスタ部100又は親クラスタ部100C(図18)が対応し、本発明における第2クラスタ部は、例えば、子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部300D(図20)等が対応する。
また、本発明における第3クラスタ部は、第2クラスタ部のうちの商用電力系統から商用電力を受電できる子クラスタ部300D(図20)が対応し、この第3クラスタ部は、広義には第2クラスタ部に含まれる。
また、本発明におけるACバスは、一次側ACバス31が対応し、本発明におけるDCバスは、一次側DCバス32が対応する。
(1)そして、上記実施形態において、例えば、図18に示す電力融通システム1C(電力融通システム)は、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と、親クラスタ部100Cを経由して商用電力の供給を受ける1又は複数の子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)と、で構成される。また、電力融通システム1Cにおいて、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200及び300等とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び負荷装置を備え、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200及び300等との間、又は複数の子クラスタ部200及び300等の間が、公道3を跨いで敷設された給電経路で接続される。そして、この給電経路で接続された、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200及び300等、又は子クラスタ部200及び300等は、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できている状態の場合には、直流電力による電力の融通を行い、親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない停電状態の場合には、交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行う。
このような構成の電力融通システム1C(電力融通システム)では、商用電力系統の受電点となる親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と、複数の子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)とを一次側ACバス31と一次側DCバス32とで共通接続する。この場合に、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200及び300等との間、又は複数の子クラスタ部200及び300等の間を接続する一次側ACバス31及び一次側DCバス32が、公道3を跨いで敷設される。そして、親クラスタ部100Cが停電状態の場合に、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200及び300等との間で、交流電力の融通と直流電力の融通との何れか又は両方を行う。
これにより、複数のクラスタ(需要家間)間において公道を跨いで電力を融通する場合に、電力の利用効率を高めることができる。
(2)また、上記実施形態において、例えば、電力融通システム1C(電力融通システム)は、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間は、交流電力の給電経路となる一次側ACバス31で接続されるとともに、直流電力の給電経路となる一次側DCバス32で接続されている。そして、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200及び300等との間で、一次側ACバス31を介して交流電力を融通し、一次側DCバス32を介して直流電力を融通する。
これにより、電力融通システム1C(電力融通システム)では、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間、及び複数の子クラスタ部200及び300等との間で公道を跨いで電力を融通することができる。
(3)また、上記実施形態において、例えば、電力融通システム1C(電力融通システム)は、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間、及び複数の子クラスタ部200及び300等の間で電力を融通する際には、交流電力のみを融通するモードと、直流電力のみを融通するモードと、交流電力と直流電力との両方を融通するモードとを選択可能に構成される。
これにより、電力融通システム1C(電力融通システム)では、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)との間、及び複数の子クラスタ部200及び300等の間で電力を融通する際に、親クラスタ部100Cと、子クラスタ部200及び300等とにおける電力の需給状態に応じて、交流電力を融通するか、直流電力を融通するか、又は、交流電力と直流電力との両方を融通するかを選択することができる。
(4)また、上記実施形態において、例えば、図20に示す電力融通システム1D(電力融通システム)において、複数の子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)のうちの何れかには、商用電力系統2Aから商用電力の供給を受ける受電点を備えるとともに、公道3を跨いで敷設される一次側ACバス31と一次側DCバス32とにより親クラスタ部100Cと接続される子クラスタ部300D(第3クラスタ部)が含まれ、子クラスタ部300Dは、交流系統の接続先として、商用電力系統2Aの受電点と一次側ACバス31とを含み、商用電力系統の受電点と一次側ACバス31とを切り替える系統切替部370を備える。
このような構成の電力融通システム1D(電力融通システム)であれば、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとが、公道3を跨いで敷設された一次側ACバス31と一次側DCバス32とで接続されるとともに、双方が商用電力の受電点を有する。そして、親クラスタ部100Cが商用電力を受電できない停電状態が発生した場合に、子クラスタ部300Dは、系統切替部370の接続先を商用電力の受電点から一次側ACバス31に切り替えることにより商用電力の受電を停止し、親クラスタ部100Cとの間で一次側ACバス31を介して交流電力を融通する。
これにより、親クラスタ部100Cが停電状態になった場合に、親クラスタ部100Cと子クラスタ部300Dとの間で、公道を跨いで一次側ACバス31を介して交流電力を融通することができる。
(5)また、上記実施形態において、例えば、図20に示す電力融通システム1D(電力融通システム)は、下記のように電力を融通する。親クラスタ部100C(第1クラスタ部)及び子クラスタ部300D(第3クラスタ部)の両方において商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、電力融通システム1Dは、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を商用電力系統2Aとし、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200(第2クラスタ部)と子クラスタ部300Dとの間において、一次側DCバス32を介して直流電力を融通する。親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できる状態であり、かつ子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できない状態の場合には、電力融通システム1Dは、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を一次側ACバス31とし、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200(第2クラスタ部)と子クラスタ部300Dとの間において、一次側DCバス32を介して直流電力を融通する。親クラスタ部100Cが商用電力系統2から商用電力を受電できない状態であり、かつ子クラスタ部300Dが商用電力系統2Aから商用電力を受電できる状態の場合には、電力融通システム1Dは、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を一次側ACバス31として、子クラスタ部300Dにおける商用電力の受電を停止し、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間において、一次側ACバス31を介して交流電力を融通するとともに、一次側DCバス32を介して直流電力を融通する。親クラスタ部100C及び子クラスタ部300Dの両方において商用電力を受電できない状態の場合には、電力融通システム1Dは、子クラスタ部300Dの系統切替部370の接続先を一次側ACバス31とし、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間において、一次側ACバス31を介して交流電力を融通するとともに、一次側DCバス32を介して直流電力を融通する。
このような構成の電力融通システム1D(電力融通システム)であれば、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)が停電状態にあり、子クラスタ部300D(第3クラスタ部)が停電状態でない場合には、子クラスタ部300Dにおける商用電力の受電を停止することにより、親クラスタ部100Cと子クラスタ部200と子クラスタ部300Dとの間で一次側ACバス31による交流電力の融通が行える。
(6)また、上記実施形態において、例えば、図18に示す電力融通システム1C(電力融通システム)は、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)と、子クラスタ部200及び300等(第2クラスタ部)とは、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向交直変換部(例えば、双方向交直変換部121)と、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向直流変換部(例えば、双方向直流変換部131)と、を備える。そして、例えば、親クラスタ部100Cにおいて、双方向交直変換部121は、一次側ACバス31から供給された交流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置144に供給するとともに、該変換した直流電力を蓄電装置145に蓄える動作モードと、自クラスタ部が備える発電装置142又は蓄電装置145から供給される直流電力を融通する交流電力に変換し、該交流電力を一次側ACバス31に供給する動作モードと、を備える。また、双方向直流変換部131は、一次側DCバス32バスから供給された直流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置144に供給するとともに、該変換した直流電力を蓄電装置145に蓄える動作モードと、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を融通する直流電力に変換し、該直流電力を一次側DCバス32バスに供給する動作モードと、を備える。
このような構成の電力融通システム1C(電力融通システム)であれば、親クラスタ部100Cは、図3に示す変換装置A120及び変換装置D130を有している。そして、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータとDC/ACコンバータ(インバータ)とを備える。この双方向交直変換部121は、破線bに示す方向に沿って、変圧器102から入力される交流電力を直流電力に変換し、クラスタ部の内部の給電経路172を介して分電盤162に向けて出力することができる。
また、双方向交直変換部121は、破線cに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側ACバス31に融通する交流電力に変換し、該交流電力を一次側ACバス31に出力することができる。また、双方向交直変換部121は、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部の内部の給電経路172を介して分電盤162に向けて出力することができる。なお、子クラスタ部200等(第2クラスタ部)においても同様である。
また、図3(B)に示すように、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131は、例えば、破線eに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この直流電力を一次側DCバス32に供給することができる。また、双方向直流変換部131は、破線fに示す方向に沿って、一次側DCバス32から直流電力を入力し、この直流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、この直流電力を給電経路173を介して分電盤162に出力することができる。なお、子クラスタ部200等(第2クラスタ部)においても同様である。
(7)また、上記実施形態において、例えば、図18に示す電力融通システム1C(電力融通システム)は、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)及び子クラスタ部200等(第2クラスタ部)の間において、一次側ACバス31を介した交流融通と一次側DCバス32を介した直流融通との両方が可能の場合に、双方向交直変換部(例えば、双方向交直変換部121)において交流電力と直流電力との間で変換を行う際の当該直流電力の供給方向に応じて、交流融通を行うか、直流融通を行うか、又は交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する。
例えば、図18に示す親クラスタ部100C(第1クラスタ部)に示すように、パワーコンディショナ(PCSAC)150から出力される交流電力が大きく、変換装置A120から分電盤162の方向に電流Idcが流れる場合には、親クラスタ部100Cは、子クラスタ部200等(第2クラスタ部)に対して一次側ACバス31を介して交流融通を行う。また、PCSDC150Aから出力される直流電力が大きく、分電盤162から変換装置A120の方向に電流Idcが流れる場合には、親クラスタ部100Cは、子クラスタ部200等に対して一次側DCバス32を介して直流融通を行う。子クラスタ部200等(第2クラスタ部)においても同様である。
これにより、パワーコンディショナ(PCSAC)150から出力される交流電力が大きい場合には、このPCSAC150から出力される交流電力を用いて交流融通を行うことができる。また、PCSDC150Aから出力される直流電力が大きい場合には、このPCSDC150Aから出力される直流電力を用いて直流融通を行うことができる。このため、交流融通を行うか直流融通を行うかの判定処理が容易になるととともに、電力融通制御を簡略化できる。
(8)また、上記実施形態において、例えば、図18に示す電力融通システム1C(電力融通システム)において、親クラスタ部100C(第1クラスタ部)及び子クラスタ部200等(第2クラスタ部)の間において、一次側ACバス31を介した交流融通と一次側DCバス32を介した直流融通との両方が可能の場合に、親クラスタ部100C及び子クラスタ部200等のうち供給元に当たるクラスタ部が備える蓄電装置の蓄電池残容量SOCに応じて、交流融通を行うか、直流融通を行うか、又は交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する。
このような構成の電力融通システム1C(電力融通システム)であれば、例えば、親クラスタ部100Cにおいて、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、AC融通モードを行う第1段階と、AC融通モードとDC融通モードの両方を実行する第2段階と、の2段階に分けて電力融通処理を行う。
これにより、例えば、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、AC融通モードにより他のクラスタ部へ交流融通を行うことができるとともに、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、交流融通と合わせて直流融通を行うことにより、他のクラスタ部へ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の電力融通システム1B、電力融通システム1C、及び電力融通システム1Dは、上述の図示例にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、親クラスタ部100の蓄電装置145は、親クラスタ部100及び100Cとは独立して設けられていてもよい。子クラスタ部200と、子クラスタ部200Aと、子クラスタ部300と、子クラスタ部300Bと、子クラスタ部300Dと、子クラスタ部400の蓄電装置においても同様である。
なお、上記実施形態による電力融通システム1(1A)において、一次側DCバス32を介して融通する電力の給電開始時に、この融通する電力が徐々に給電されるように所謂「ソフトスタート」の制御を行ってもよい。例えば、他のクラスタ部に対して電力を融通するクラスタ部は、一次側DCバス32の電圧の立ち上がりがなだらかになるように、給電開始時の所定の時間において徐々に給電電圧を上げるように制御してもよい。また、電力を融通するクラスタ部は、給電開始時の所定の時間において間欠的に給電するように制御してもよい。なお、電力を融通するクラスタ部は、給電開始時の所定の時間において給電する電流値を制限するよう制御してもよい。
このように、ソフトスタートの制御を行うことにより、給電電圧の電圧降下や給電停止などの原因となる給電開始時の突入電流の発生を抑制することができる。
1,1A,1B,1C,1D・・・電力融通システム、2,2A・・・商用電力系統、
11・・・エネルギー管理装置(EMS)、12・・・通信網、
31・・・一次側ACバス(ACバス)、32・・・一次側DCバス(DCバス)、
100,100A,100C・・・親クラスタ部(第1クラスタ部)、
102,302・・・変圧器、
200,200A・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
300,300A,300B・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
300D・・・子クラスタ部(第3クラスタ部)、
110,210,310,410・・・制御部、
121,221・・・双方向交直変換部、
131,223・・・双方向直流変換部、
141,142,241,242・・・発電装置、
143,243,343,443・・・交流負荷装置、
144,244,344,444・・・直流負荷装置、
145,245,345,445・・・蓄電装置、
150,150A,250,250A,350,350A・・・パワーコンディショナ、160,160A,260,260A・・・切替部、
161,161C,261,361,361B,461・・・分電盤、
163,363・・・開閉器、370・・・系統切替部、
162,262,362,462・・・分電盤

Claims (9)

  1. 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成される電力融通システムであって、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続され、
    前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部は、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、
    直流電力による電力の融通を行い、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、
    交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行う
    ことを特徴とする電力融通システム。
  2. 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間は、交流電力の給電経路となるACバスで接続されるとともに、直流電力の給電経路となるDCバスで接続されており、
    前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間で、前記ACバスを介して前記交流電力を融通し、前記DCバスを介して前記直流電力を融通する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電力融通システム。
  3. 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において電力を融通する際には、
    交流電力のみを融通するモードと、直流電力のみを融通するモードと、交流電力と直流電力との両方を融通するモードとを選択可能に構成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の電力融通システム。
  4. 前記複数の第2クラスタ部のうちの何れかには、前記商用電力系統から商用電力の供給を受ける受電点を備えるとともに、前記公道を跨いで敷設される前記ACバスと前記DCバスとにより前記第1クラスタ部と接続される第3クラスタ部が含まれ、
    前記第3クラスタ部は、
    交流系統の接続先として、前記商用電力系統の受電点と前記ACバスとを含み、前記商用電力系統の受電点と前ACバスとを切り替える系統切替部を備える
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電力融通システム。
  5. 前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、
    前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記商用電力系統とし、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態の場合には、
    前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとし、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない状態であり、かつ前記第3クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できる状態の場合には、
    前記第3クラスタ部の前記系統切替部の接続先を前記ACバスとして、前記第3クラスタ部における商用電力の受電を停止し、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通し、
    前記第1クラスタ部及び第3クラスタ部の両方において商用電力を受電できない状態の場合には、
    前記第3クラスタ部の系統切替部の接続先を前記ACバスとし、
    前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部と前記第3クラスタ部との間において、前記ACバスを介して前記交流電力を融通するとともに、前記DCバスを介して前記直流電力を融通する
    ことを特徴とする請求項4に記載の電力融通システム。
  6. 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とは、
    交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向交直変換部と、
    直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う双方向直流変換部と、
    を備え、
    前記双方向交直変換部は、
    前記ACバスから供給された交流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、
    自クラスタ部が備える前記発電装置又は前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する交流電力に変換し、該交流電力を前記ACバスに供給する動作モードと、
    を備え、
    前記双方向直流変換部は、
    前記DCバスから供給された直流電力をクラスタ部の内部の給電経路に配電する直流電力に変換し、該変換した直流電力を直流負荷装置に供給するとともに、該変換した直流電力を前記蓄電装置に蓄える動作モードと、
    前記発電装置及び前記蓄電装置から供給される直流電力を前記融通する直流電力に変換し、該直流電力を前記DCバスに供給する動作モードと、
    を備えることを特徴とする請求項2から請求項5の何れか一項に記載の電力融通システム。
  7. 前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、
    前記双方向交直変換部において交流電力と直流電力との間で変換を行う際の当該直流電力の供給方向に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電力融通システム。
  8. 前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部の間において、前記ACバスを介した交流融通と前記DCバスを介した直流融通との両方が可能の場合に、
    前記第1クラスタ部及び前記第2クラスタ部のうち供給元に当たるクラスタ部が備える前記蓄電装置の蓄電池残容量に応じて、前記交流融通を行うか、前記直流融通を行うか、又は前記交流融通と直流融通の両方を行うかを決定する
    ことを特徴とする請求項2から請求項7の何れか一項に記載の電力融通システム。
  9. 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成されるとともに、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置を備え、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、又は前記複数の第2クラスタ部の間が、公道を跨いで敷設された給電経路で接続される電力融通システムにおける電力融通方法であって、
    前記給電経路で接続された、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部、又は前記複数の第2クラスタ部において、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できている状態の場合には、
    直流電力による電力の融通を行い、
    前記第1クラスタ部が前記商用電力系統から商用電力を受電できない停電状態の場合には、
    交流電力による電力の融通と直流電力による電力の融通との何れか又は両方を行う
    ことを特徴とする電力融通方法。
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