JP2015177566A - 電力融通システム、及び電力融通方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラスタ(需要家)間において融通された電力量を適切に把握することができる。
【解決手段】商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、第1クラスタ部を経由して商用電力の供給を受ける第2クラスタ部と、で構成され、第1クラスタ部と第2クラスタ部との間、及び複数の第2クラスタ部の間において、給電経路を介してパケット化した電力を融通する電力融通システム1Bであって、給電経路に対してパケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、給電経路を介して融通された電力量を算出する算出部1101を備える。
【選択図】図15
【解決手段】商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、第1クラスタ部を経由して商用電力の供給を受ける第2クラスタ部と、で構成され、第1クラスタ部と第2クラスタ部との間、及び複数の第2クラスタ部の間において、給電経路を介してパケット化した電力を融通する電力融通システム1Bであって、給電経路に対してパケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、給電経路を介して融通された電力量を算出する算出部1101を備える。
【選択図】図15
Description
本発明は、複数のクラスタ(需要家)間で電力を融通する、電力融通システム、及び電力融通方法に関する。
近年、太陽光発電や風力発電のような自然エネルギーを利用した再生可能エネルギー利用の分散型電源の導入が活発に行われている。しかし、その発電電力は天候や気象状況に大きく左右されるため、需要電力とのマッチングがとりにくく、発電電力が需要電力より多い場合には再生可能エネルギー利用の分散型電源による発電を停止したり、擬似負荷で消費させたり、または商用系統に逆流させる必要があり、自然エネルギーを十分に利用できないことが多かった。そこで、複数のクラスタ(需要家間)間で電力のエネルギー需給を効率良くマッチングさせる電力融通システムが注目されている。
例えば、電力システムの電力量融通制御方法が開示されている(特許文献1を参照)。この特許文献1に記載の電力システムの電力量融通制御方法では、融通先を示すヘッダ情報を付した電力パケットにより電力量を融通することにより、需要家間でエンドツーエンドに融通する。
しかしながら、需要家間において電力を融通する際の給電経路においては電力損失が生じるため、実際に融通された電力量を適切に把握することが困難であった。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、クラスタ(需要家)間において融通された電力量を適切に把握することができる、電力融通システム、及び電力融通方法を提供するものである。
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであり、クラスタ(需要家)間において融通された電力量を適切に把握することができる、電力融通システム、及び電力融通方法を提供するものである。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成され、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、パケット化した電力を給電経路を介して融通する電力融通システムであって、前記給電経路に対して前記パケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は前記給電経路から前記パケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、前記受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、前記給電経路を介して融通された電力量を算出する算出部、を備えることを特徴とする電力融通システムである。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれが、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記給電経路が、直流電力の給電経路であって、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、互いにパケット化した直流電力の融通を行うことを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記受電したクラスタ部が、受電した電力の電圧値を測定する電圧測定部、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記給電したクラスタ部が、給電した電力の電流値を測定する電流測定部、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記受電したクラスタ部が、受電した電力の電流値を測定する電流測定部、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムが、前記パケット化した電力の融通を制御するとともに、前記第1クラスタ部又は前記第2クラスタ部において測定された前記パケット化した電力の電圧値及び電流値を取得する給電管理部、を備え、前記算出部が前記給電管理部に備えられていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記電力融通システムにおいて、前記算出部が前記第1クラスタ部又は前記第2クラスタ部に備えられていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成され、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、給電経路を介してパケット化した電力を融通する電力融通システムにおける電力融通方法であって、前記給電経路に対して前記パケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は前記給電経路から前記パケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、前記受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、前記給電経路を介して融通された電力量を算出することを特徴とする電力融通方法である。
本発明によれば、クラスタ(需要家)間において融通された電力量を適切に把握することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
(電力融通システム1の概略構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力融通システム1の概略構成を示す構成図である。この電力融通システム1は、図1に示すように、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、電力を融通するようにしたものである。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
<第1の実施形態>
(電力融通システム1の概略構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力融通システム1の概略構成を示す構成図である。この電力融通システム1は、図1に示すように、親クラスタ部100と、この親クラスタ部100の配下に置かれる複数の子クラスタ部200及び子クラスタ部300とを、ACバス31とDCバス32とを介して接続し、電力を融通するようにしたものである。また、子クラスタ部300には、子クラスタ部400がカスケード接続されている。
なお、ACバス31は、親クラスタ部100と、複数の子クラスタ部200及び300とを共通接続して交流電力を融通するための給電バスとなる給電経路であり、以下の説明では、ACバス31を一次側ACバス31と呼ぶことがある。また、DCバス32は、親クラスタ部100と、複数の子クラスタ部200及び300とを共通接続して直流電力を融通するための給電バスとなる給電経路であり、以下の説明では、DCバス32を一次側DCバス32と呼ぶことがある。また、親クラスタ部100、子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400の内部において、交流電力を配電する給電経路を二次側ACバスと呼び、直流電力を配電する給電経路を二次側DCバスと呼ぶことがある。
この電力融通システム1において、親クラスタ部100、子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400の各制御部は、通信網12を介して、エネルギー管理装置(EMS)11に接続されている。このエネルギー管理装置(EMS)11は、各クラスタ部における電力の給電状態を監視するとともに、各クラスタ部の制御部に指令信号を送信してその動作を制御する。例えば、エネルギー管理装置(EMS)11は、各クラスタにおける電力消費量と、発電装置の発電量と、蓄電装置の蓄電池残容量SOC(State Of Charge)の情報を収集し、この収集した情報に基づいて、各クラスタ部間における電力消費のバランスを取るように電力融通の制御を行う。
なお、本実施形態における用語「クラスタ」とは、再生可能エネルギー利用の分散型電源から構成される発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び負荷装置を備える需要家を1単位(例えば、ビル単位の需要家)とする電力クラスタ(Electricity Cluster)を意味している。
例えば、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とのそれぞれは、再生可能エネルギーを利用する発電装置(例えば、太陽光発電装置)と、エネルギー貯蔵システムとなる蓄電装置と、需要家の負荷装置とから成る。
例えば、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とのそれぞれは、再生可能エネルギーを利用する発電装置(例えば、太陽光発電装置)と、エネルギー貯蔵システムとなる蓄電装置と、需要家の負荷装置とから成る。
上記電力融通システム1において、親クラスタ部100は、遮断器(CB)101、変圧器102、制御部110、変換装置A120、変換装置D130、発電装置141、発電装置142、交流負荷装置143、直流負荷装置144、蓄電装置145、パワーコンディショナ(PCSAC)150、パワーコンディショナ(PCSDC)150A、分電盤161、分電盤162、及び切替部160を備えている。
なお、以下の説明において、交流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSAC)を、単に「PCSAC」と呼び、直流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSDC)を、単に「PCSDC」と呼ぶことがある。
なお、以下の説明において、交流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSAC)を、単に「PCSAC」と呼び、直流電力を出力するパワーコンディショナ(PCSDC)を、単に「PCSDC」と呼ぶことがある。
この親クラスタ部100において、変圧器102は、商用電力系統2から供給される高圧交流電圧(例えば、3相AC6600V)を所定の低圧交流電圧(例えば、3相AC400V)に降圧し、この低圧交流電圧を変換装置A120に供給する。
制御部110は、この親クラスタ部100の全体の動作を統括して制御する制御部である。制御部110は、例えば、マイクロコンピュータとその周辺回路とを用いて構成されており、親クラスタ部100の各部に設置した図示していない電流や電圧の検知部で検知された電流や電圧の検知信号に応じて変換装置A120と変換装置D130と切替部160の動作を制御する。また、制御部110は、発電装置の発電量と、蓄電装置の蓄電池残容量SOCの情報を収集し、この収集した情報を、エネルギー管理装置(EMS)11に対して送信する。
変換装置A120は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置であり、変換装置D130は、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置A120と変換装置D130の構成については後述する。
この変換装置A120には給電経路175を介して分電盤161が接続され、また、給電経路172を介して分電盤162が接続される。分電盤161には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、一次側ACバス31と、交流負荷装置143と、切替部160の一端とが接続される。
また、分電盤162には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置145と、PCSDC150Aと、直流負荷装置144とが接続される。なお、直流負荷装置144は、直流電力によって動作する装置であり、例えば、直流家電、LED照明、パソコンやサーバなどの情報機器等である。
なお、分電盤161は、交流電力の分電盤であり、分電盤162は、直流電力の分電盤である。
この変換装置A120には給電経路175を介して分電盤161が接続され、また、給電経路172を介して分電盤162が接続される。分電盤161には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、一次側ACバス31と、交流負荷装置143と、切替部160の一端とが接続される。
また、分電盤162には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置145と、PCSDC150Aと、直流負荷装置144とが接続される。なお、直流負荷装置144は、直流電力によって動作する装置であり、例えば、直流家電、LED照明、パソコンやサーバなどの情報機器等である。
なお、分電盤161は、交流電力の分電盤であり、分電盤162は、直流電力の分電盤である。
発電装置141及び142は、例えば、太陽光発電、風力発電等の自然エネルギー型の発電装置や、エンジン発電装置や、燃料電池等である。パワーコンディショナ(PCSAC)150は、発電装置141の発電電力を所定の交流電力に変換して出力する。また、パワーコンディショナ(PCSDC)150Aは、発電装置142の発電電力を所定の直流電力に変換して出力する。発電装置141及び142の構成と、PCSAC150及びPCSDC150Aの構成については後述する。
蓄電装置145は、分電盤162に接続される。この蓄電装置145は、例えば、リチウムイオン電池、鉛電池、ニッケル水素電池等の2次電池を備える。この蓄電装置145は、PCSDC150Aを介して発電装置142から出力される電力によって充電される。また、蓄電装置145は、変換装置A120から出力される直流電流Idcにより充電される。この蓄電装置145は、商用電力系統2から交流電圧(AC6600V)が供給されない停電時には、蓄えた電荷により、分電盤162を介して直流負荷装置144に電力を供給するとともに、分電盤162と変換装置A120とを介して、交流負荷装置143と一次側ACバス31とに電力を供給する。また、蓄電装置145は、分電盤162と変換装置D130を介して、一次側DCバス32に電力を供給することもできる。
切替部160は、1c接点で構成され、共通接点cと接点aとによりメーク接点が構成され、共通接点cと接点bとによりブレーク接点が構成されている。この切替部160における接点の開閉動作は制御部110から出力される開閉信号(不図示)により制御され、共通接点cと接点aが導通する状態(共通接点cと接点bは非導通)と、共通接点cと接点bが導通する状態(共通接点cと接点aは非導通)との何れかの状態が選択される。
そして、共通接点cには、発電装置141がPCSAC150を介して接続されており、接点bには、分電盤161に繋がる給電経路174が接続されており、接点aには、変圧器102の二次側に繋がる給電経路171が接続されている。
そして、共通接点cには、発電装置141がPCSAC150を介して接続されており、接点bには、分電盤161に繋がる給電経路174が接続されており、接点aには、変圧器102の二次側に繋がる給電経路171が接続されている。
そして、切替部160において、接点bと共通接点cとが導通状態にされる場合、発電装置141で発電された電力が、給電経路174を介して分電盤161に出力される。また、切替部160において、接点aと共通接点cが導通状態にされる場合に、発電装置141で発電された電力が、余剰電力として、変圧器102を介して、商用電力系統2側に供給される。
なお、切替部160では、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、切替部160は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。後述する親クラスタ部100の切替部160A(図5)や、子クラスタ部200の切替部260や、切替部260A(図5)や、子クラスタ部300の切替部360や、子クラスタ部400の切替部460等についても同様である。
なお、切替部160では、機械式接点を用いたスイッチの例を示しているが、実際には、切替部160は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いた半導体スイッチで構成されている。後述する親クラスタ部100の切替部160A(図5)や、子クラスタ部200の切替部260や、切替部260A(図5)や、子クラスタ部300の切替部360や、子クラスタ部400の切替部460等についても同様である。
子クラスタ部200、子クラスタ部300、及び子クラスタ部400は、商用電力系統2の受電点を有しない点を除いて、基本的な構成は親クラスタ部100と同様である。
例えば、子クラスタ部200は、制御部210、変換装置B220、発電装置241、発電装置242、交流負荷装置243、直流負荷装置244、蓄電装置245、PCSAC250、PCSDC250A、切替部260、分電盤261、及び分電盤262を備えている。
例えば、子クラスタ部200は、制御部210、変換装置B220、発電装置241、発電装置242、交流負荷装置243、直流負荷装置244、蓄電装置245、PCSAC250、PCSDC250A、切替部260、分電盤261、及び分電盤262を備えている。
この子クラスタ部200において、制御部210は、子クラスタ部200の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置B220は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置B220の構成については後述する。
この変換装置B220には、クラスタ内部の二次側ACバス41を介して分電盤261が接続され、又、クラスタ内部の二次側DCバス42を介して分電盤262が接続される。この分電盤261には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置243と、切替部260の一端とが接続される。
この変換装置B220には、クラスタ内部の二次側ACバス41を介して分電盤261が接続され、又、クラスタ内部の二次側DCバス42を介して分電盤262が接続される。この分電盤261には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置243と、切替部260の一端とが接続される。
この切替部260は、親クラスタ部100の切替部160と同様に1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置241がPCSAC250を介して接続されており、切替部260の接点b側は、分電盤261に接続されており、切替部260の接点a側は、一次側ACバス31に接続されている。
そして、切替部260において、接点bと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置241で発電された電力が、PCSAC250を介して分電盤261に出力される。また、切替部260において、接点aと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置241で発電された電力が、余剰電力として一次側ACバス31に出力される。
また、分電盤262には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置245と、PCSDC250Aと、直流負荷装置244とが接続されている。
また、分電盤262には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置245と、PCSDC250Aと、直流負荷装置244とが接続されている。
また、子クラスタ部300において、制御部310は、この子クラスタ部300の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置E320は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置E320の構成については後述する。
この変換装置E320には、クラスタ内部の二次側ACバス51を介して分電盤361が接続され、又、二次側DCバス52を介して、分電盤362が接続される。この分電盤361には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置343と、切替部360の一端とが接続されている。
この変換装置E320には、クラスタ内部の二次側ACバス51を介して分電盤361が接続され、又、二次側DCバス52を介して、分電盤362が接続される。この分電盤361には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置343と、切替部360の一端とが接続されている。
切替部360は、子クラスタ部200の切替部260と同様に、不図示の1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置341がPCSAC350を介して接続されており、切替部360の接点b側は、分電盤361に接続されており、切替部360の接点a側は、一次側ACバス31に接続されている。
そして、切替部360において、不図示の接点bと共通接点cが導通状態とされる場合に、発電装置341で発電された電力が、分電盤361に出力される。また、切替部360において、不図示の接点aと共通接点cが導通状態とされる場合に、発電装置341で発電された電力が、余剰電力として一次側ACバス31に出力される。
また、分電盤362には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置345と、直流負荷装置344とが接続されている。
また、分電盤362には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置345と、直流負荷装置344とが接続されている。
また、子クラスタ部400は、子クラスタ部300にカスケード接続されるクラスタである。この子クラスタ部400において、制御部410は、この子クラスタ部400の全体の動作を統括して制御する制御部である。変換装置C420は、交流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行うとともに、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換を行う変換装置である。この変換装置C420の構成については後述する。
この変換装置C420は、二次側ACバス61及び二次側DCバス62を介して、子クラスタ部300と接続される。なお、二次側ACバス61は、子クラスタ部300において、分電盤361を介して二次側ACバス51に接続されている。また、二次側DCバス62は、子クラスタ部300において、分電盤362を介して二次側DCバス52に接続されている。また、この変換装置C420には、分電盤461と、分電盤462とが接続される。また、分電盤461には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置443と、切替部460の一端とが接続されている。また、分電盤462には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置445と直流負荷装置444とが接続されている。
この変換装置C420は、二次側ACバス61及び二次側DCバス62を介して、子クラスタ部300と接続される。なお、二次側ACバス61は、子クラスタ部300において、分電盤361を介して二次側ACバス51に接続されている。また、二次側DCバス62は、子クラスタ部300において、分電盤362を介して二次側DCバス52に接続されている。また、この変換装置C420には、分電盤461と、分電盤462とが接続される。また、分電盤461には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、交流負荷装置443と、切替部460の一端とが接続されている。また、分電盤462には、不図示の過電流遮断器(ブレーカ)を介して、蓄電装置445と直流負荷装置444とが接続されている。
切替部460は、子クラスタ部200の切替部260と同様に、不図示の1c接点で構成されており、共通接点cには、発電装置441がPCSAC450を介して接続されている。切替部460の接点bは、分電盤461に接続されており、切替部460の接点aは、二次側ACバス61に接続されている。
そして、切替部460において、不図示の接点bと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置441で発電された電力が、給電経路71を介して分電盤461に出力される。また、切替部460において、不図示の接点aと共通接点cが導通状態とされる場合、発電装置441で発電された電力が、余剰電力として、二次側ACバス61に出力される。
(発電装置とパワーコンディショナの構成)
次に、親クラスタ部100の発電装置141とPCSAC150の構成について説明する。なお、子クラスタ部200の発電装置241とPCSAC250、子クラスタ部300の発電装置341とPCSAC350、及び子クラスタ部400の発電装置441とPCSAC450についても同様な構成である。
次に、親クラスタ部100の発電装置141とPCSAC150の構成について説明する。なお、子クラスタ部200の発電装置241とPCSAC250、子クラスタ部300の発電装置341とPCSAC350、及び子クラスタ部400の発電装置441とPCSAC450についても同様な構成である。
図2は、発電装置141とPCSAC150の構成例を示す構成図である。この図2(A)に示す例は、発電装置141として、太陽電池アレイ141aを用いた例を示しており、PCSAC150は、発電量制御部151と、系統連系制御部152と、DC/ACコンバータ(インバータ)153と、変圧器154と、を備える。
発電量制御部151は、発電装置141から最大電力を取り出すために、太陽電池アレイ141aのI−V(電流−電圧)特性において、太陽電池アレイ141aの出力を最大とする動作点(最大電力点)を制御する。太陽電池アレイ141aは、接続されている負荷が実際に必要としている電圧によって最大電力点がずれる。I−V特性は、日射強度やモジュール温度や状態等によって変化することから、最大電力を得るためには、最適な電圧又は電流を自動で追従しなければならない。そこで、発電量制御部151は、太陽電池アレイ141aを、最大電力点で動作させるように制御する。
また、系統連系制御部152は、DC/ACコンバータ(インバータ)153の出力電圧の位相を調整することにより、一次側ACバス31に対して連系させてPCSAC150から出力される電力を給電できるように制御する。このDC/ACコンバータ(インバータ)153は、太陽電池アレイ141aから出力される直流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧を、変圧器154を介して、一次側ACバス31に供給するためのインバータである。
なお、PCSAC150は、商用電力系統2において停電が発生すると、一旦その動作を停止する。その後、バックアップ用の蓄電装置145から変換装置A120を介してACバス31への電力の供給が開始され、やがてこの蓄電装置145に蓄積された電荷が不足又は枯渇し、蓄電装置145からACバス31に電力を供給できなくなると、PCSAC150は、再び起動する。つまり、PCSAC150は、商用電力系統2の停電時において、蓄電装置145からACバス31に電力の供給ができなくなると起動し、発電装置141が発電した電力をACバス31に供給する。なお、この場合のPCSAC150は系統に連系する動作モードではなく、自立して電力を供給するモードで動作することは言うまでもない。
また、図2(B)は、発電装置142とPCSDC150Aの構成例を示す構成図である。なお、子クラスタ部200の発電装置242とPCSDC250Aについても同様な構成である。
この図2(B)に示す例では、図2(A)に示す例と同様に、発電装置142として太陽電池アレイ142aを用いた例を示している。そして、PCSDC150Aは、発電量制御部151と、系統連系制御部152Aと、DC/DCコンバータ155とを備える。
系統連系制御部152Aは、DC/DCコンバータ155の出力電圧を調整することにより、分電盤162に直流電力を供給する。
この図2(B)に示す例では、図2(A)に示す例と同様に、発電装置142として太陽電池アレイ142aを用いた例を示している。そして、PCSDC150Aは、発電量制御部151と、系統連系制御部152Aと、DC/DCコンバータ155とを備える。
系統連系制御部152Aは、DC/DCコンバータ155の出力電圧を調整することにより、分電盤162に直流電力を供給する。
(変換装置A120と変換装置D130の構成)
図3は、変換装置A120と変換装置D130の構成例を示す構成図である。
変換装置A120は、図3(A)に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)121と、スイッチ部(SW)122とを備える。
この変換装置A120は、スイッチ部122が閉状態の場合、破線aに示す方向に沿って、変圧器102から出力される商用の交流電圧(例えば、AC400V)を、分電盤161を介して、一次側ACバス31に出力する。また、商用電力系統2に停電が発生した場合、制御部110は、スイッチ部122を遮断して、変換装置A120の負荷側を商用電力系統2から解列する(すなわち切り離す)。
図3は、変換装置A120と変換装置D130の構成例を示す構成図である。
変換装置A120は、図3(A)に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)121と、スイッチ部(SW)122とを備える。
この変換装置A120は、スイッチ部122が閉状態の場合、破線aに示す方向に沿って、変圧器102から出力される商用の交流電圧(例えば、AC400V)を、分電盤161を介して、一次側ACバス31に出力する。また、商用電力系統2に停電が発生した場合、制御部110は、スイッチ部122を遮断して、変換装置A120の負荷側を商用電力系統2から解列する(すなわち切り離す)。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能とDC/ACコンバータ(インバータ)機能とを備える。双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線bに示す方向に沿って、変圧器102から入力される交流電力を直流電力に変換し、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に向けて出力する。
また、双方向交直変換部121は、DC/ACコンバータ(インバータ)機能により、破線cに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側ACバス31に融通する交流電力に変換し、この交流電力を一次側ACバス31に出力する。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置141や発電装置142等の余剰電力を交流電力として一次側ACバス31に向けて出力する動作を「交流融通」又は「AC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
また、双方向交直変換部121は、AC/DCコンバータ機能により、破線dに示す方向に沿って、分電盤161を介して一次側ACバス31から入力される交流電力を直流電力に変換して、クラスタ部内の直流電力の給電経路172を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置141や発電装置142等の余剰電力を交流電力として一次側ACバス31に向けて出力する動作を「交流融通」又は「AC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
また、図3(B)に示すように、変換装置D130は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131を備え、一次側DCバス32と分電盤162との間で、双方向に直流電力を変換して直流電力の受け渡しを行う。例えば、双方向直流変換部131は、破線eに示す方向に沿って、発電装置142及び蓄電装置145から供給される直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この直流電力を一次側DCバス32に出力する。
また、双方向直流変換部131は、破線fに示す方向に沿って、一次側DCバス32から直流電力を入力し、この直流電力をクラスタ部内に配電する直流電力に変換し、給電経路173を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置142や蓄電装置145等の余剰電力を直流電力として一次側DCバス32に向けて出力する動作を「直流融通」又は「DC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
また、双方向直流変換部131は、破線fに示す方向に沿って、一次側DCバス32から直流電力を入力し、この直流電力をクラスタ部内に配電する直流電力に変換し、給電経路173を介して分電盤162に出力する。
なお、親クラスタ部100内の発電装置142や蓄電装置145等の余剰電力を直流電力として一次側DCバス32に向けて出力する動作を「直流融通」又は「DC融通」と呼ぶことがある。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とについても同様である。
(変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成)
次に、変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成について説明する。この変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420とは、同じ構成の変換装置であるため、変換装置B220を代表として示し、この変換装置B220の構成について説明する。
図4は、変換装置B220の構成例を示す構成図である。
変換装置B220は、図4に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221と、スイッチ部(SW)222と、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223とスイッチ部(SW)224とを備えている。双方向交直変換部221は、交流電力を直流電力に変換する機能と、直流電力を交流電力に変換する機能を備えている。また、双方向直流変換部223は、DC/DCコンバータを備え、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換する機能を備えている。
次に、変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420の構成について説明する。この変換装置B220と変換装置E320と変換装置C420とは、同じ構成の変換装置であるため、変換装置B220を代表として示し、この変換装置B220の構成について説明する。
図4は、変換装置B220の構成例を示す構成図である。
変換装置B220は、図4に示すように、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221と、スイッチ部(SW)222と、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223とスイッチ部(SW)224とを備えている。双方向交直変換部221は、交流電力を直流電力に変換する機能と、直流電力を交流電力に変換する機能を備えている。また、双方向直流変換部223は、DC/DCコンバータを備え、直流電力と直流電力との間で双方向に電力変換する機能を備えている。
この変換装置B220は、スイッチ部222が閉状態の場合に、破線aに示す方向に沿って、一次側ACバス31から入力される交流電圧(例えば、AC400V)を、二次側ACバス41を介して分電盤261に出力する。また、変換装置B220は、スイッチ部222が閉状態の場合に、破線aに示す方向とは逆方向に、二次側ACバス41から一次側ACバス31に向けて交流電力を出力することができる。
また、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221は、スイッチ部222が閉状態の場合、破線bに示す方向に沿って、一次側ACバス31から供給される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、二次側DCバス42を介して、分電盤262に出力することができる。
また、双方向交直変換部(双方向AC/DC変換部)221は、スイッチ部222が閉状態の場合、破線bに示す方向に沿って、一次側ACバス31から供給される交流電力を直流電力に変換し、この直流電力を、二次側DCバス42を介して、分電盤262に出力することができる。
また、双方向交直変換部221は、破線cに示す方向に沿って、二次側DCバス42から入力される直流電力を交流電力に変換し、この交流電力を一次側ACバス31に供給することができる。また、双方向交直変換部221は、スイッチ部222が開状態の場合、破線dに示す方向に沿って、二次側DCバス42から入力される直流電力を交流電力に変換して二次側ACバス41に出力することができる。
また、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)223は、スイッチ部224が閉状態の場合に、破線eに示す方向に沿って、一次側DCバス32に供給されている直流電力をクラスタ部内の給電経路に配電する直流電力に変換し、二次側DCバス42に出力することができる。
また、双方向直流変換部223は、破線fに示す方向に沿って、二次側DCバス42に供給されている直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この変換した直流電力を一次側DCバス32に出力することができる。
また、双方向直流変換部223は、破線fに示す方向に沿って、二次側DCバス42に供給されている直流電力を一次側DCバス32に融通する直流電力に変換し、この変換した直流電力を一次側DCバス32に出力することができる。
なお、図4において、変換装置B220内のスイッチ部222を開状態にし、切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流電力を供給することができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通(AC融通)を行うことができる。このように、切替部260の共通接点cと接点aとを導通状態にすることにより、子クラスタ部200から一次側ACバス31にAC融通を行う際に、変換装置B220を経由することなく、PCSAC250から一次側ACバス31に直接電力を供給することができる。この切替部260を用いて交流融通を行う例については、後述する。
(電力融通システム1の変形例)
また、図5は、図1に示す電力融通システムの変形例を示す構成図である。
この図5に示す電力融通システム1Aは、図1に示す電力融通システム1と比較して、
親クラスタ部100Aにおいて、図1に示す親クラスタ部100内の変換装置D130を省略した点と、切替部160Aを新たに追加した点が構成上で異なる。また、図5に示す子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加した点が構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、図5は、図1に示す電力融通システムの変形例を示す構成図である。
この図5に示す電力融通システム1Aは、図1に示す電力融通システム1と比較して、
親クラスタ部100Aにおいて、図1に示す親クラスタ部100内の変換装置D130を省略した点と、切替部160Aを新たに追加した点が構成上で異なる。また、図5に示す子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加した点が構成上で異なる。他の構成は、図1に示す電力融通システム1と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
この電力融通システム1Aでは、親クラスタ部100Aに切替部160Aを追加することにより、PCSDC150Aの接続先を分電盤162するか、又は一次側DCバス32にするかを選択できるようにした点に特徴がある。また、子クラスタ部200A内に、新たに切替部260Aを追加することにより、PCSDC250Aの接続先を分電盤262にするか、又は一次側DCバス32にするかを選択できるようにした点に特徴がある。子クラスタ部300Aにおいても、子クラスタ部200Aと同様である。
この図5に示す電力融通システム1Aでは、親クラスタ部100A内に切替部160Aを設けることにより、発電装置142からPCSDC150Aを介して出力される直流電力を、切替部160Aを介して、一次側DCバス32に直接連系して出力できる効果がある。また、子クラスタ部200A内に切替部260Aを設けることにより、発電装置242からPCSDC250Aを介して出力される直流電力を、一次側DCバス32に直接連系して出力できる効果がある。
(電力融通システム1における電力融通制御処理)
次に、電力融通システムにおける電力融通制御処理について説明する。
上記構成の電力融通システム1においては、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との各クラスタ同士は、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、互いに交流電力及び直流電力を融通できるように構成されている。そして、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で電力を融通する場合の方法として、交流電力のみの融通、直流電力のみの融通、又は直流電力と交流電力との両方の融通との3通りの融通方法を選択可能としている。
次に、電力融通システムにおける電力融通制御処理について説明する。
上記構成の電力融通システム1においては、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との各クラスタ同士は、一次側ACバス31と一次側DCバス32とを介して、互いに交流電力及び直流電力を融通できるように構成されている。そして、親クラスタ部100と、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400との間で電力を融通する場合の方法として、交流電力のみの融通、直流電力のみの融通、又は直流電力と交流電力との両方の融通との3通りの融通方法を選択可能としている。
図6は、電力融通システムにおける電力融通の制御動作の概要を示す説明図である。
この図6では、親クラスタ部100を例にとり電力融通の制御動作について説明するが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様な制御動作が行われる。
図6に示す親クラスタ部100において、交流融通を行う場合は、PSAC150を介して出力される発電装置141の交流発電量Pacが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
この図6では、親クラスタ部100を例にとり電力融通の制御動作について説明するが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様な制御動作が行われる。
図6に示す親クラスタ部100において、交流融通を行う場合は、PSAC150を介して出力される発電装置141の交流発電量Pacが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
より具体的には、発電装置141の交流発電量Pacが交流負荷装置143の交流消費電力Loadacよりも大きく(Pac>Loadac)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す充電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側ACバス31を介して交流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
なお、図6における電流Idcは、蓄電装置145が負極接地されている場合の電流Idcの向きを示しており、この直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きを示している。つまり、直流系を正極接地とするか負極接地とするかで、GNDに対となる接続線の電流の向きが変化する。図6では、蓄電装置145が負極接地であるという条件の基での電流Idcの向きを示し、直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きと一致する場合の例である。
なお、図6における電流Idcは、蓄電装置145が負極接地されている場合の電流Idcの向きを示しており、この直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きを示している。つまり、直流系を正極接地とするか負極接地とするかで、GNDに対となる接続線の電流の向きが変化する。図6では、蓄電装置145が負極接地であるという条件の基での電流Idcの向きを示し、直流電流Idcの向きが直流電力を融通する向きと一致する場合の例である。
また、直流融通(DC融通)を行う場合は、PCSDC150Aを介して出力される発電装置142の直流発電量Pdcが余った場合であり、かつ、蓄電装置145が満充電又は満充電に近い状態の場合である。つまり、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上の場合である。
より具体的には、発電装置142の直流発電量Pdcが直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcよりも大きく(Pdc>Loaddc)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す放電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側DCバス32を介して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
より具体的には、発電装置142の直流発電量Pdcが直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcよりも大きく(Pdc>Loaddc)、変換装置A120から分電盤162に流れる電流Idcが、図に示す放電方向に流れ、かつ蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが所定の閾値以上である場合に、親クラスタ部100から他のクラスタに対して一次側DCバス32を介して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400についても同様である。
このように、各クラスタ部の間で、PCSAC150から出力される交流電力が大きい場合に、交流融通を行い、PCSDC150Aから出力される直流電力が大きい場合に、直流融通を行うことを基本にしている。また、後述するように、交流融通と直流融通とを同時に行うこともできる。
なお、一次側ACバス31には、商用電力系統2から電力が供給される他、発電装置141や発電装置142や蓄電装置145からも電力が供給されるため、商用電力系統2が停電になった場合でも、すぐに一次側ACバス31が停電になることなく給電可能状態が維持される。一方、一次側DCバス32は直流融通時に限り給電されるものである。
なお、一次側ACバス31には、商用電力系統2から電力が供給される他、発電装置141や発電装置142や蓄電装置145からも電力が供給されるため、商用電力系統2が停電になった場合でも、すぐに一次側ACバス31が停電になることなく給電可能状態が維持される。一方、一次側DCバス32は直流融通時に限り給電されるものである。
また、図7は、クラスタ部における電力融通動作について説明するための説明図である。この図7は、例えば、親クラスタ部100における交流発電量Pacと、交流負荷装置143の交流消費電力Loadacと、直流発電量Pdcと、直流負荷装置144の直流消費電力Loaddcと、電流Idcの方向と、蓄電装置145の状態と、に応じた電力の融通状態を表で示したものである。
なお、この表において、符号「CS」は、親クラスタ部100の場合は、商用電力系統2から供給される交流電力である。
なお、子クラスタ部200、300、400においても、親クラスタ部100の場合と同様に適用可能であり、それぞれの場合の符号「CS」は、子クラスタ部200と、子クラスタ部300とにおいては、一次側ACバス31から供給される交流電力であり、子クラスタ部400においては、子クラスタ部300の二次側ACバス61から供給される交流電力である。
また、この表において、電流Idcは、電流Idcの方向が「充電方向」の場合に、変換装置A120から直流系の分電盤162に向けて直流電力が融通される状態を示し、電流Idcの方向が「放電方向」の場合に、直流系の分電盤162から変換装置A120に向けて直流電力が融通される状態を示している。
なお、子クラスタ部200、300、400においても、親クラスタ部100の場合と同様に適用可能であり、それぞれの場合の符号「CS」は、子クラスタ部200と、子クラスタ部300とにおいては、一次側ACバス31から供給される交流電力であり、子クラスタ部400においては、子クラスタ部300の二次側ACバス61から供給される交流電力である。
また、この表において、電流Idcは、電流Idcの方向が「充電方向」の場合に、変換装置A120から直流系の分電盤162に向けて直流電力が融通される状態を示し、電流Idcの方向が「放電方向」の場合に、直流系の分電盤162から変換装置A120に向けて直流電力が融通される状態を示している。
この図7においては、後述する状態ST10及び状態ST11に示すように、例えば、親クラスタ部100の発電装置141のPCSAC150から出力される交流電力の発電量が交流負荷装置143の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに、電流Idcが充電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側ACバス31を介して他クラスタ部に交流融通が行われる。
また、後述する状態ST13に示すように、発電装置142のPCSDC150Aから出力される直流電力の発電量が直流負荷装置144の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに電流Idcが放電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側DCバス32を介して他クラスタ部に対して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様である。
また、後述する状態ST13に示すように、発電装置142のPCSDC150Aから出力される直流電力の発電量が直流負荷装置144の負荷電力よりも大きく、かつ、蓄電装置145が満充電の状態であり、さらに電流Idcが放電方向(図6参照)に流れる場合に、一次側DCバス32を介して他クラスタ部に対して直流融通が行われる。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても同様である。
以下、図7に示す表の状態ST1から状態ST14について説明する。
まず、状態ST1から状態ST3は、サブクラスタ消費の状態、つまり、クラスタ内の発電装置141から直流負荷装置144側に電力の融通が行われず、かつ、発電装置142と蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力の融通が行われない状態を示している。
この状態ST1から状態ST3においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通との両方とも行われない。
まず、状態ST1から状態ST3は、サブクラスタ消費の状態、つまり、クラスタ内の発電装置141から直流負荷装置144側に電力の融通が行われず、かつ、発電装置142と蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力の融通が行われない状態を示している。
この状態ST1から状態ST3においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通との両方とも行われない。
そして、状態ST1は、交流発電量Pacと商用電力CSとの合計値「Pac+CS」が、交流負荷装置143における交流消費電力Loadacと等しい場合であり(Pac+CS=Loadac)、また、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも小さい場合である(Pdc<Loaddc)。
この状態ST1においては、直流消費電力Loaddcの不足分を補うために、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。また、蓄電装置145から変換装置A120に向けて直流電流Idcが流れず、Idcは0である。
この状態ST1においては、直流消費電力Loaddcの不足分を補うために、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。また、蓄電装置145から変換装置A120に向けて直流電流Idcが流れず、Idcは0である。
また、状態ST2は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcと等しい場合である(Pdc=Loaddc)。この状態ST2においては、電流Idcは0となり、また、蓄電装置145からの放電は行われない(Ibatt=0)。
また、状態ST3は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST3においては、発電装置142から蓄電装置145に向けて充電方向の電流Ibattが流れる。
また、状態ST3は、「Pac+CS=Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST3においては、発電装置142から蓄電装置145に向けて充電方向の電流Ibattが流れる。
また、状態ST4から状態ST8は、クラスタ内で電力融通が行われる場合を示している。例えば、親クラスタ部100において、PCSAC150から直流負荷装置144側に電力が融通され、又、PCSDC150Aや蓄電装置145から交流負荷装置143側に電力が融通される場合を示している。この状態ST4から状態ST8においては、交流発電量Pacと直流発電量Pdcに交流融通又は直流融通を行うほどの余裕がないため、交流融通と直流融通とが両方とも行われない。
そして、状態ST4から状態ST6は、発電装置141による交流発電量Pacと商用電力系統2から供給される電力CSとの合計の電力量「Pac+CS」が交流負荷装置143における交流消費電力Loadacよりも小さい場合を示している。つまり、親クラスタ部100の内部で、発電装置142及び蓄電装置145から交流負荷装置143に交流電力の融通が行われる状態を示している。
そして、状態ST4は、交流発電量Pacと商用電力CSとの合計値「Pac+CS」が、交流負荷装置143における交流消費電力Loadacよりも小さく(Pac+CS<Loadac)、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも小さい場合である(Pdc<Loaddc)。
この状態ST4においては、交流電力と直流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143及び直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
この状態ST4においては、交流電力と直流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143及び直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
また、状態ST5においては、「Pac+CS<Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcと、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcと等しい場合である(Pdc=Loaddc)。この状態ST5においては、交流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から交流負荷装置143に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。このため、蓄電装置145から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。
また、状態ST6においては、「Pac+CS<Loadac」であり、かつ、直流発電量Pdcが、直流負荷装置144における直流消費電力Loaddcよりも大きい場合である(Pdc>Loaddc)。この状態ST6においては、交流電力の不足分を補うために、発電装置142から交流負荷装置143に向けて電力を供給する。このため、発電装置142から変換装置A120に向けて放電方向に直流電流Idcが流れる。また、発電装置142から直流負荷装置144と交流負荷装置143とに電力を供給した状態において、さらに出力電力に余裕がある場合には、蓄電装置145に充電方向にバッテリ電流Ibattを流す。
また、状態ST7と状態ST8は、発電装置141による交流発電量Pacが交流負荷装置143の消費電力よりも大きい場合を示している(Pac>Loadac)。
そして、状態ST7及び状態ST8においては、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
そして、状態ST7及び状態ST8においては、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
そして、状態ST7は、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、この場合、直流電力の不足を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcが流れるとともに、蓄電装置145から直流負荷装置144に向けて放電方向にバッテリ電流Ibattを流す。
状態ST8は、「Pdc+(Pac−Loadac)=Loaddc」の場合であり、この場合、直流電力の不足を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流す。なお、この場合、蓄電装置145のバッテリ電流Ibattは0となる(Ibatt=0)。
また、状態ST9から状態ST11は、発電装置141による交流発電量Pacが、交流負荷装置143の消費電力Laodacよりも大きい状態である。この場合、交流発電量Pacと消費電力Laodacとの差分の電力「Pac−Loadac」と発電装置142の直流発電量Pdcとの合計電力「Pdc+(Pac−Loadac)」が直流電力として利用可能となる。
そして、状態ST9は、「Pdc+(Pac−Loadac)>Loaddc」の場合であり、この場合、変換装置A120から直流負荷装置144側に電流Idcを流すか否かは、PdcとLoaddcとの大小関係により決定される。
また、状態ST10と状態ST11とは、蓄電装置145が満充電の状態であり、かつ、「Pac>Loadac」の場合であり、一次側ACバス31により交流融通を行う場合である。
換言すると、状態ST10は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の交流発電量Pacにさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
換言すると、状態ST10は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)<Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の交流発電量Pacにさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
また、状態ST11は、「Pac>Loadac」であり、「Pdc+(Pac−Loadac)=Loaddc」の場合であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、直流電力の不足分を補うために、変換装置A120から直流負荷装置144に向けて充電方向に電流Idcを流すとともに、発電装置141の発電力にさらに余裕のある場合は、一次側ACバス31に対して交流融通を行う。
また、状態ST12は、「Pac>Loadac」の場合であり、かつ、「Pdc>Loaddc」の場合である。発電装置142や蓄電装置145の充電状態により、AC融通又は交流融通を行うか否かが決定される。
また、状態ST13は、「Pac+CS<Loadac」であり、「Pdc>Loaddc」であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、交流電力の不足分を補うために、蓄電装置145から変換装置A120に放電方向に電流Idcを流す。また、蓄電装置145が満充電であるために、一次側DCバス32に対して直流融通を行うことが可能になる。
また、状態ST14は、「Pac+CS=Loadac」であり、「Pdc>Loaddc」であり、かつ、蓄電装置145が「満充電」の場合である。この場合、「Pac+CS=Loadac」であるため、発電装置142から変換装置A120に向けて電流を流す必要はなく、また、「Pdc>Loaddc」かつ蓄電装置145が満充電であるために、一次側DCバス32に対して直流融通を行うことが可能になる。
以上、図7の表について説明したが、交流融通を行うか直流融通を行うかの実際の判定処理としては、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを図示しない検出器によって検出して、制御部110は、検出されたバッテリ電流Ibattに基づいて満充電状態を判定する。また、分電盤162から変換装置A120に流れる電流Idcを図示しない検出器によって検出して、制御部110は、検出された電流Idcの方向を判定する。制御部110は、上記のバッテリ電流Ibattに基づいて判定した満充電の判定結果と、電流Idcの方向の判定結果とに基づいて、交流融通を行うか、又は、直流融通を行うか決定する。
(AC融通とDC融通とを蓄電池残容量SOCにより選択する例)
図7に示した表では、例えば、親クラスタ部100において、蓄電装置145が満充電の状態にある場合に、PCSAC150から出力される交流発電量Pacと、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcと、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの向きとを基にして、交流融通か直流融通かを決める例を示したが、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、交流融通を行うか直流融通を行うかを決めることもできる。
図7に示した表では、例えば、親クラスタ部100において、蓄電装置145が満充電の状態にある場合に、PCSAC150から出力される交流発電量Pacと、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcと、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの向きとを基にして、交流融通か直流融通かを決める例を示したが、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、交流融通を行うか直流融通を行うかを決めることもできる。
図8は、蓄電装置の蓄電池残容量SOCに応じてAC融通とDC融通を選択する例を示す説明図である。この図8に示す例では、蓄電装置145からAC融通を行うかDC融通を行うかを、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて切り替える例を示している。
この図8では、縦軸に蓄電池残容量SOCの大きさを取り、横軸に時間tを取り、蓄電池残容量SOCの変化と、蓄電池残容量SOCの変化に応じたAC融通期間とDC融通期間の変化を示している。
この図8では、縦軸に蓄電池残容量SOCの大きさを取り、横軸に時間tを取り、蓄電池残容量SOCの変化と、蓄電池残容量SOCの変化に応じたAC融通期間とDC融通期間の変化を示している。
この図8において、基準値SOC1Aは、例えば、蓄電池残容量SOCが満充電に近い状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC1Bは、例えば、基準値SOC1Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC1A>基準値SOC1Bである)であって、例えば、運用上、蓄電装置145に対して充電を開始させることが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する値に設定する。
また、図8において、基準値SOC2Aは、蓄電池残容量SOCが満充電の状態、又は運用上、発電装置142等から蓄電装置145にこれ以上充電させないことが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC2Bは、例えば、基準値SOC2Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC2A>基準値SOC2B)である。
また、図8において、基準値SOC2Aは、蓄電池残容量SOCが満充電の状態、又は運用上、発電装置142等から蓄電装置145にこれ以上充電させないことが好ましい状態の蓄電池残容量SOCの値に対応する基準値である。また、基準値SOC2Bは、例えば、基準値SOC2Aより小さい値を有する基準値(すなわち基準値SOC2A>基準値SOC2B)である。
例えば、親クラスタ部100の制御部110は、蓄電装置145の充放電電流の検出値の積算結果や、蓄電装置145の端子電圧の検知結果、あるいは蓄電装置145から受信した状態を表す信号等に基づいて、蓄電池残容量SOCを算出する。そして、制御部110は、この蓄電池残容量SOCと、基準値SOC1A及び基準値SOC1Bとの大小関係を比較するとともに、蓄電池残容量SOCと、基準値SOC2A及び基準値SOC2Bとの大小関係を比較する。
そして、図8に示すように、PCSAC150から出力される交流発電量Pacや、PCSDC150Aから出力される直流発電量Pdcが大きい場合は、蓄電装置145に充電電流が流れることにより、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが次第に増加する。
そして、制御部110は以下の処理をする。時刻t1において、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが基準値SOC1A以上になる場合に、最初にAC融通モードを開始する。そして、時刻t1以降、さらに蓄電池残容量SOCが上昇し、時刻t2において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Aを超える場合には、AC融通モードと合わせてDC融通モードを開始する。
その後、蓄電池残容量SOCが変化し、時刻t3において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Bまで低下するとDC融通モードを停止する。
そして、時刻t3以降、時刻t4において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC1Bまで低下するとAC融通モードを停止する。
そして、制御部110は以下の処理をする。時刻t1において、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCが基準値SOC1A以上になる場合に、最初にAC融通モードを開始する。そして、時刻t1以降、さらに蓄電池残容量SOCが上昇し、時刻t2において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Aを超える場合には、AC融通モードと合わせてDC融通モードを開始する。
その後、蓄電池残容量SOCが変化し、時刻t3において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC2Bまで低下するとDC融通モードを停止する。
そして、時刻t3以降、時刻t4において、蓄電池残容量SOCが基準値SOC1Bまで低下するとAC融通モードを停止する。
このように、制御部110は、時刻t1から時刻t2までの期間と時刻t3から時刻t4までの期間とにおいてAC融通モードを実行し、時刻t2から時刻t3までの期間においてAC融通モードとDC融通モードとの両方を実行する。つまり、制御部110は、蓄電装置145の蓄電池残容量SOCに応じて、AC融通モードを行う第1段階と、AC融通モードとDC融通モードの両方を実行する第2段階と、の2段階に分けて電力融通処理を行う。
これにより、制御部110は、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、他のクラスタへ交流融通を行う。上記の交流融通を行う期間において、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、制御部110は、AC融通に合わせて直流融通を行わせることにより、他のクラスタへ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避するように制御する。
これにより、制御部110は、蓄電装置145が満充電に近い状態になると、他のクラスタへ交流融通を行う。上記の交流融通を行う期間において、蓄電装置145が過充電になる恐れがある場合には、制御部110は、AC融通に合わせて直流融通を行わせることにより、他のクラスタへ融通する電力量を増やして、蓄電装置145が過充電されることを回避するように制御する。
(交流融通及び直流融通を行う場合に切替部を用いる例)
図9は、切替部を用いて交流融通及び直流融通を行う場合の例を示す説明図である。
例えば、図9に示す子クラスタ部200Aにおいて、制御部210が切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流融通を行うことができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通を行うことができる。
図9は、切替部を用いて交流融通及び直流融通を行う場合の例を示す説明図である。
例えば、図9に示す子クラスタ部200Aにおいて、制御部210が切替部260の共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSAC250を一次側ACバス31に直接接続し、PCSAC250から一次側ACバス31に向けて交流融通を行うことができる。つまり、破線A1で示す経路に沿って、PCSAC250から一次側ACバス31に交流融通を行うことができる。
また、制御部210が切替部260Aの共通接点cと接点aとを導通させることにより、PCSDC250Aを一次側DCバス32に直接接続し、PCSDC150Aから一次側DCバス32に向けて直流融通を行うことができる。つまり、破線A2で示す経路に沿って、PCSDC250Aから一次側DCバス32に直流融通を行うことができる。
これにより、子クラスタ部200Aから一次側ACバス31にAC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260を介して、一次側ACバス31に直接に交流電力を供給することができる。また、子クラスタ部200Aから一次側DCバス32にDC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260Aを介して一次側DCバス32に直接に直流電力を供給することができる。
これにより、子クラスタ部200Aから一次側ACバス31にAC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260を介して、一次側ACバス31に直接に交流電力を供給することができる。また、子クラスタ部200Aから一次側DCバス32にDC融通を行う場合に、変換装置B220を経由することなく、切替部260Aを介して一次側DCバス32に直接に直流電力を供給することができる。
(電力融通処理の手順)
図10は、電力融通処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10のフローチャートを参照して、電力融通処理の手順について説明する。
なお、図10では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
図10は、電力融通処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10のフローチャートを参照して、電力融通処理の手順について説明する。
なお、図10では、交流融通を「AC融通」と記載し、直流融通を「DC融通」と記載している。
そして、例えば、親クラスタ部100の制御部110において、電力融通が必要であることが検知される(ステップS100)。例えば、制御部110は、発電装置141の交流発電量Pacと、発電装置142の直流発電量Pdcと、蓄電池残容量SOC等に基づいて、電力融通が必要であることを検知する。或いは、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られる電力融通の要請信号を受信して、電力融通が必要であることを検知する。
続いて、制御部110では、AC融通が必要な状態か否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御部110が、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを検出して満充電状態を判定するとともに、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの方向を判定して、交流融通を行うことが必要な状態であるか否かを判定する。
続いて、制御部110では、AC融通が必要な状態か否かを判定する(ステップS105)。例えば、制御部110が、蓄電装置145に流れるバッテリ電流Ibattを検出して満充電状態を判定するとともに、変換装置A120と分電盤162との間に流れる電流Idcの方向を判定して、交流融通を行うことが必要な状態であるか否かを判定する。
そして、ステップS105においてAC融通が必要な状態であると判定された場合(ステップS105:Yes)、制御部110は、PCSAC150を切替部160を介して一次側ACバス31に接続する(ステップS110)。そして、制御部110は、PCSAC150において一次側ACバス31に対する連系運転検出処理を行わせる(ステップS115)。
続いて、制御部110は、AC融通の可否情報を収集する(ステップS120)。例えば、制御部110は、AC融通を行う場合に電力会社との取り決めによる規制上の制約があるか否かを判定する(ステップS125)。
続いて、制御部110は、指定された電力供給モードに応じて交流電力(AC)又は直流電力(DC)の何れを融通するかを判定する(ステップS130)。
そして、ステップS130において、交流融通(AC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:AC)、制御部110は、AC融通モードの起動処理を開始する(ステップS140)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの起動が必要か否かを判定する(ステップS145)。そして、ステップS145において、DC融通モードの起動が必要でないと判定された場合(ステップS145:No)、AC融通モードの起動状態を維持するか否かを判定する(ステップS180)。
そして、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持しないと判定された場合(ステップS180:No)、制御部110は、ステップS150に移行し、AC融通モードの終了処理を実行する(ステップS150)。
制御部110は、AC融通モードの終了処理に移行する(ステップS150)。そして、このステップS150の処理を実行した後に、制御部110は、この電力融通処理を終える。
一方、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持すると判定された場合(ステップS180:Yes)、つまり、AC融通モードを維持したままにする場合、制御部110は、ステップS180の判定を繰り返す。
続いて、制御部110は、指定された電力供給モードに応じて交流電力(AC)又は直流電力(DC)の何れを融通するかを判定する(ステップS130)。
そして、ステップS130において、交流融通(AC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:AC)、制御部110は、AC融通モードの起動処理を開始する(ステップS140)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの起動が必要か否かを判定する(ステップS145)。そして、ステップS145において、DC融通モードの起動が必要でないと判定された場合(ステップS145:No)、AC融通モードの起動状態を維持するか否かを判定する(ステップS180)。
そして、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持しないと判定された場合(ステップS180:No)、制御部110は、ステップS150に移行し、AC融通モードの終了処理を実行する(ステップS150)。
制御部110は、AC融通モードの終了処理に移行する(ステップS150)。そして、このステップS150の処理を実行した後に、制御部110は、この電力融通処理を終える。
一方、ステップS180において、AC融通モードの起動状態を維持すると判定された場合(ステップS180:Yes)、つまり、AC融通モードを維持したままにする場合、制御部110は、ステップS180の判定を繰り返す。
一方、ステップS105においてAC融通が必要でないと判定された場合(ステップS105:No)、ステップS125においてAC融通が可能でないと判定された場合(ステップS125:No)、ステップS130において直流融通(DC融通)を行うと判定された場合(ステップS130:DC)、及びステップS145においてDC融通モードの起動が必要と判定された場合(ステップS145:Yes)には、ステップS160に移行して、制御部110は、DC融通モードの起動処理を行う(ステップS160)。
続いて、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合、DC融通モードの終了処理を行い(ステップS170)、このステップS170の処理を終了した後に、ステップS180に進む。なお、DC融通モードの終了処理の詳細については後述する。
このように、電力融通システム1では、クラスタ間で交流融通及び直流融通を行うことにより複数のクラスタ間において電力の利用効率を高めることができる。
なお、図10のフローチャートでは、親クラスタ部100における電力融通処理の手順について説明したが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても、同様な電力融通処理が行われる。
なお、図10のフローチャートでは、親クラスタ部100における電力融通処理の手順について説明したが、子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400とにおいても、同様な電力融通処理が行われる。
(AC融通モードとDC融通モードの起動処理)
図11は、AC融通モードとDC融通モードの起動処理の例を示す説明図である。図11(A)は、AC融通モードの起動処理を、図11(B)は、DC融通モードの起動処理を示している。
図11は、AC融通モードとDC融通モードの起動処理の例を示す説明図である。図11(A)は、AC融通モードの起動処理を、図11(B)は、DC融通モードの起動処理を示している。
この図11(A)では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC150の動作状態とを並べて示している。
この図11(A)に示すように、時刻t1において、PCSAC150は制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、PCSAC150は、一旦、その動作を停止する。そして、時刻t2において、一次側ACバス31との連系動作を開始し、時刻t3から一次側ACバス31への交流電力の供給を開始する。
この図11(A)に示すように、時刻t1において、PCSAC150は制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、PCSAC150は、一旦、その動作を停止する。そして、時刻t2において、一次側ACバス31との連系動作を開始し、時刻t3から一次側ACバス31への交流電力の供給を開始する。
また、図11(B)では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側DCバス32の給電状態と、双方向直流変換部131(図3(B)参照)の動作状態とを並べて示している。
この図11(B)に示すように、時刻t1において、双方向直流変換部131は、制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、双方向直流変換部131は、一次側DCバス32との連系動作を開始し、時刻t3から一次側DCバス32への直流電力の供給を開始する。
なお、図5に示す電力融通システム1Aにおいて、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する場合のDC融通モードの起動処理は、図11(A)に示すPCSAC150を一次側ACバス31に接続する起動処理に準じた処理が行われる。
この図11(B)に示すように、時刻t1において、双方向直流変換部131は、制御部110から送られる融通モードの起動指示を検出すると、双方向直流変換部131は、一次側DCバス32との連系動作を開始し、時刻t3から一次側DCバス32への直流電力の供給を開始する。
なお、図5に示す電力融通システム1Aにおいて、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する場合のDC融通モードの起動処理は、図11(A)に示すPCSAC150を一次側ACバス31に接続する起動処理に準じた処理が行われる。
(DC融通モードの終了処理)
図12は、DC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。この図12に示すDC融通モードの終了処理は、DC融通を変換装置D130を用いて行う場合の例である。
例えば、親クラスタ部100において、制御部110は、DC融通モードの実行中に、DC融通モードの終了指示の検出を行う(ステップS171)。例えば、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるDC融通モードの終了指示の信号の検出を行う。そして、制御部110は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS172)。
そして、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS172:Yes)、制御部110は、融通先の給電状態と、自系統の給電状態とを検出し(ステップS173)、DC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS174)。
図12は、DC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。この図12に示すDC融通モードの終了処理は、DC融通を変換装置D130を用いて行う場合の例である。
例えば、親クラスタ部100において、制御部110は、DC融通モードの実行中に、DC融通モードの終了指示の検出を行う(ステップS171)。例えば、制御部110は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるDC融通モードの終了指示の信号の検出を行う。そして、制御部110は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS172)。
そして、制御部110は、DC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS172:Yes)、制御部110は、融通先の給電状態と、自系統の給電状態とを検出し(ステップS173)、DC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS174)。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能でないと判定された場合(ステップS174:No)、制御部110は、DC融通モードの終了が可能となるまで待機する。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS174:Yes)、制御部110は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131(図3(B)参照)の出力を遮断する(ステップS175)。
そして、制御部110は、ステップS175の処理を実行した後に、このDC融通モードの終了処理を終える。
そして、ステップS174においてDC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS174:Yes)、制御部110は、双方向直流変換部(双方向DC/DC変換部)131(図3(B)参照)の出力を遮断する(ステップS175)。
そして、制御部110は、ステップS175の処理を実行した後に、このDC融通モードの終了処理を終える。
なお、上述したDC融通モードの終了処理は、DC融通モードの終了時に双方向交直変換部121の出力を遮断する例を示したが、図5に示す親クラスタ部100Aのように、PCSDC150Aから切替部160Aを介して一次側DCバス32に直流電力を供給している場合は、PCSDC150Aの動作を停止させるようにしてもよい。
(AC融通モードの終了処理)
図13は、AC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、この図13に示す例は、図4に示すように、PCSAC250から切替部260を介して一次側DCバス32に交流電力を出力する場合の例である。
以下、子クラスタ部200を例にして、AC融通モードの終了処理について説明する。
まず、子クラスタ部200において、制御部210は、AC融通モードの実行中に、AC融通モードの終了指示の検出を行っている(ステップS151)。例えば、制御部210は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるAC融通モードの終了指示の検出を行う。そして、制御部210は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS152)。
図13は、AC融通モードの終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、この図13に示す例は、図4に示すように、PCSAC250から切替部260を介して一次側DCバス32に交流電力を出力する場合の例である。
以下、子クラスタ部200を例にして、AC融通モードの終了処理について説明する。
まず、子クラスタ部200において、制御部210は、AC融通モードの実行中に、AC融通モードの終了指示の検出を行っている(ステップS151)。例えば、制御部210は、エネルギー管理装置(EMS)11から送られるAC融通モードの終了指示の検出を行う。そして、制御部210は、終了指示を検出したか否かを判定する(ステップS152)。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出しなかった場合(ステップS152:No)、制御部210は、AC融通モードの終了処理が検出されるまで待機する。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS152:Yes)、制御部210は、融通先の状態と、自系統の状態を検出し(ステップS153)、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS154)。
そして、ステップS152において、AC融通モードの終了指示を検出した場合(ステップS152:Yes)、制御部210は、融通先の状態と、自系統の状態を検出し(ステップS153)、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する(ステップS154)。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能でないと判定された場合(ステップS154:No)、制御部210は、AC融通モードの終了が可能となるまで待機する。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS154:Yes)、制御部210は、PCSAC250の出力を停止する(ステップS155)。
続いて、制御部210は、PCSAC250の接続先を一次側ACバス31から子クラスタ部200の二次側ACバス41に変更する(ステップS156)。そして、制御部210は、PCSAC250の出力を二次側ACバス41に連系させ(ステップS157)、この連系が完了した後、PCSAC250から二次側ACバス41に電力を出力させる(ステップS158)。
そして、制御部210は、ステップS158の処理の実行後に、このAC融通モードの終了処理を終える。
そして、ステップS154においてAC融通モードの終了が可能であると判定された場合(ステップS154:Yes)、制御部210は、PCSAC250の出力を停止する(ステップS155)。
続いて、制御部210は、PCSAC250の接続先を一次側ACバス31から子クラスタ部200の二次側ACバス41に変更する(ステップS156)。そして、制御部210は、PCSAC250の出力を二次側ACバス41に連系させ(ステップS157)、この連系が完了した後、PCSAC250から二次側ACバス41に電力を出力させる(ステップS158)。
そして、制御部210は、ステップS158の処理の実行後に、このAC融通モードの終了処理を終える。
なお、図9に示す子クラスタ部200Aのように、PCSDC250Aを一次側DCバス32に接続する構成の場合において、DC融通モードを終了する際には、上記のAC融通モードの処理に準じた処理が行われる。
また、図14は、AC融通モードの終了処理の例を示す説明図である。この図14に示す終了処理は、上述した図13のフローチャートで説明した処理手順をタイムチャートで示したものである。
この図14では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC250の動作状態とを並べて示している。
この図14に示すように、時刻t1以前において、一次側ACバス31にはPCSAC250から電力が供給されている。そして、時刻t1において、制御部210は、AC融通モードの終了指示を検出し、その後の時刻t2において、融通先の状態と、自系統の状態を検出する。続いて、時刻t3において、制御部210は、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する。そして、AC融通モードの終了が可能と判定された場合に、時刻t3の後の時刻t4において、制御部210は、PCSAC150の出力を停止し、PCSAC250から一次側ACバス31への電力の供給を停止する。
この図14では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、一次側ACバス31の給電状態と、PCSAC250の動作状態とを並べて示している。
この図14に示すように、時刻t1以前において、一次側ACバス31にはPCSAC250から電力が供給されている。そして、時刻t1において、制御部210は、AC融通モードの終了指示を検出し、その後の時刻t2において、融通先の状態と、自系統の状態を検出する。続いて、時刻t3において、制御部210は、AC融通モードの終了が可能か否かを判定する。そして、AC融通モードの終了が可能と判定された場合に、時刻t3の後の時刻t4において、制御部210は、PCSAC150の出力を停止し、PCSAC250から一次側ACバス31への電力の供給を停止する。
そして、続く時刻t5において、切替部260により、PCSAC250と一次側ACバス31との接続を遮断し、そして、時刻t5に続く時刻t6において、制御部210は、PCSAC250を二次側ACバス41に接続する。そして、時刻t6に続く時刻t7において、制御部210は、PCSAC250を二次側ACバス41に連系させ、その後の時刻t8から、制御部210は、PCSAC250から二次側ACバス41に交流電力を供給させる。
なお、DC融通モードにおいて、図5の親クラスタ部100Aに示すように、PCSDC150Aを切替部160Aを介して一次側DCバス32に接続する構成の場合には、DC融通モード終了処理は、上述したAC融通モード終了処理に準じた処理となる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、各クラスタ部間において、電力をパケット化して融通するとともに、融通された電力量を算出する形態について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態では、各クラスタ部間において、電力をパケット化して融通するとともに、融通された電力量を算出する形態について説明する。
(電力融通システム1Bの概略構成)
図15は、本実施形態に係る電力融通システム1Bの概略構成を示す構成図である。この図15に示す電力融通システム1Bの構成は、パケット化した電力を融通する構成を説明するための主な構成のみを図示している。その他の構成は図1に示す電力融通システム1の構成と同様であり、その図示を省略している。ここでは、親クラスタ部100と子クラスタ部200との間において、一次側DCバス32を介して、パケット化した電力を融通する場合を例に説明する。なお。この図15において、図1の各部に対応する構成には同一の符号を付けており、その説明を省略する。
図15は、本実施形態に係る電力融通システム1Bの概略構成を示す構成図である。この図15に示す電力融通システム1Bの構成は、パケット化した電力を融通する構成を説明するための主な構成のみを図示している。その他の構成は図1に示す電力融通システム1の構成と同様であり、その図示を省略している。ここでは、親クラスタ部100と子クラスタ部200との間において、一次側DCバス32を介して、パケット化した電力を融通する場合を例に説明する。なお。この図15において、図1の各部に対応する構成には同一の符号を付けており、その説明を省略する。
親クラスタ部100Bの構成は、図1に示す親クラスタ部100の構成と対応する。親クラスタ部100Bは、一次側DCバス32の電圧を測定する電圧測定部171と、一次側DCバス32に流れる電流を測定する電流測定部172とを備えている点が、図1に示す親クラスタ部100の構成と相違する。ここで、電圧測定部171は、一次側DCバス32の経路のうちの親クラスタ部100Bにおける電圧を測定する。
なお、この電圧測定部171と電流測定部172とは、変換装置D130の内部に備えられていてもよい。
なお、この電圧測定部171と電流測定部172とは、変換装置D130の内部に備えられていてもよい。
親クラスタ部100Bの制御部110は、他のクラスタ部に対して給電可能な場合、変換装置D130等を制御して、パケット化した電力を一次側DCバス32に給電することにより、他のクラスタ部(例えば、子クラスタ部200B)に対して電力を融通する。また、制御部110は、他のクラスタ部(親クラスタ部100B以外のクラスタ部)から供給してもらう融通電力を必要としている場合、変換装置D130等を制御して、他のクラスタ部(例えば、子クラスタ部200B)がパケット化した電力を一次側DCバス32を介して受電する。そして、制御部110は、電圧測定部171又は電流測定部172を介して、給電中又は受電中の一次側DCバス32の電圧又は電流を測定する。
子クラスタ部200Bの構成は、図1に示す子クラスタ部200の構成と対応する。子クラスタ部200Bは、一次側DCバス32の電圧を測定する電圧測定部271と、一次側DCバス32に流れる電流を測定する電流測定部272とを備えている点が、図1に示す子クラスタ部200の構成と相違する。ここで、電圧測定部271は、一次側DCバス32の経路のうちの子クラスタ部200Bにおける電圧を測定する。
なお、この電圧測定部271と電流測定部272とは、変換装置B220の内部に備えられていてもよい。
なお、この電圧測定部271と電流測定部272とは、変換装置B220の内部に備えられていてもよい。
子クラスタ部200Bの制御部210は、他のクラスタ部に対して給電可能な場合、変換装置B220等を制御して、パケット化した電力を一次側DCバス32に給電することにより、他のクラスタ部(例えば、親クラスタ部100B)に対して電力を融通する。また、制御部210は、他のクラスタ部(子クラスタ部200B以外のクラスタ部)から供給してもらう融通電力を必要としている場合、変換装置B220等を制御して、他のクラスタ部(例えば、親クラスタ部100B)がパケット化した電力を一次側DCバス32を介して受電する。そして、制御部210は、電圧測定部271又は電流測定部272を介して、給電中又は受電中の一次側DCバス32の電圧又は電流を測定する。
エネルギー管理装置(EMS)11Bの構成は、図1に示すエネルギー管理装置(EMS)11の構成と対応する。エネルギー管理装置(EMS)11Bは、算出部1101を備えている点が、図1に示すエネルギー管理装置(EMS)11の構成と相違する。
エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通元のクラスタ部から融通先のクラスタ部に対して、パケット化された電力が1対1で融通されるように制御する。例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通元のクラスタ部と融通先のクラスタ部とを選択して、選択したクラスタ部間におけるパケット化した電力の融通を制御する。
また、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、パケット化した電力の融通が行われているときの各クラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値又は電流値を、各クラスタ部の制御部から通信網12を介して取得する。
例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通元のクラスタ部において給電中に測定された一次側DCバス32の電流値を、パケット化した電力を給電したクラスタ部(すなわち、融通元のクラスタ部)において測定された該給電した電力の電流値として取得する。なお、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通先のクラスタ部において受電中に測定された一次側DCバス32の電流値を、パケット化した電力を受電したクラスタ部(すなわち、融通先のクラスタ部)において測定された該受電した電力の電流値として取得してもよい。
また、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通先のクラスタ部において受電中に測定された一次側DCバス32の電圧値を、パケット化した電力を受電したクラスタ部(すなわち、融通先のクラスタ部)において測定された該受電した電力の電圧値として取得する。
算出部1101は、パケット化した電力を給電したクラスタ部(すなわち、融通元のクラスタ部)において測定された該給電した電力の電流値、又は、パケット化した電力を受電したクラスタ部(すなわち、融通先のクラスタ部)において測定された該受電した電力の電流値と、パケット化した電力を受電したクラスタ部(すなわち、融通先のクラスタ部)において測定された該受電した電力の電圧値と、融通された電力を受電していた時間とに基づいて、融通された電力量を算出する。
ここで、融通された電力を受電していた時間とは、パケット化した電力の1パケット毎に含まれる給電時間に応じて受電していた時間(受電時間)である。例えば、融通された電力を受電していた時間(受電時間)とは、パケット化した電力の1パケット毎に含まれる給電時間と同じ時間、または給電時間内の該給電時間よりも短い時間である。
ここで、融通された電力を受電していた時間とは、パケット化した電力の1パケット毎に含まれる給電時間に応じて受電していた時間(受電時間)である。例えば、融通された電力を受電していた時間(受電時間)とは、パケット化した電力の1パケット毎に含まれる給電時間と同じ時間、または給電時間内の該給電時間よりも短い時間である。
なお、融通された電力の1パケット毎の受電時間が予め決まっている場合には、算出部1101は、上述の受電時間を既知のものとして、一次側DCバス32の電流値と電圧値とのみに基づいて融通された電力量を算出してもよい。
すなわち、算出部1101は、一次側DCバス32を介して融通された電力量を、融通元のクラスタ部又は融通先のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電流値と、融通先のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値と、に基づいて算出する。このように、融通元のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値ではなく、融通先のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値に基づいて算出することにより、一次側DCバス32の経路上で生じる電力損失を除いた実際に融通先のクラスタ部に融通された電力量を算出することができる。
例えば、図15に示す破線aの向きに、親クラスタ部100Bから子クラスタ部200Bへ電力が融通された場合を例として説明する。この場合、親クラスタ部100Bにおいて測定された一次側DCバス32の電圧値(以下、「電圧V1」とも呼ぶ)と、子クラスタ部200Bにおいて測定された一次側DCバス32の電圧値(以下、「電圧V2」とも呼ぶ)とを比較すると、一次側DCバス32の経路上で生じる電力損失の影響によって、電圧V1より電圧V2のほうが低い電圧になる(「電圧V1」>「電圧V2」)。そこで、親クラスタ部100Bにおいて測定された電圧V1ではなく、子クラスタ部200Bにおいて測定された電圧V2に基づいて電力量を算出することにより、電力損失を除いた実際に融通された電力量を算出することができる。
(パケット化した電力を融通する処理)
図16は、パケット化した電力を融通する処理の一例を説明する説明図である。ここでは、親クラスタ部100Bが融通元のクラスタ部であって、子クラスタ部200Bが融通先のクラスタ部である場合を例として、1パケット分の処理を示している。
この図16では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、親クラスタ部100Bの給電制御(図(a))と、パケットの構成(変換装置D130の一次側DCバス32への給電状態、(図(b))と、子クラスタ部200Bにおける一次側DCバス32の電圧Vbdc(図(c))と、子クラスタ部200Bの受電制御状態(図(d))と、親クラスタ部100Bにおける一次側DCバス32の電流Ibdc(図(e))と、を並べて示している。
図16は、パケット化した電力を融通する処理の一例を説明する説明図である。ここでは、親クラスタ部100Bが融通元のクラスタ部であって、子クラスタ部200Bが融通先のクラスタ部である場合を例として、1パケット分の処理を示している。
この図16では、横方向に時間tの経過を示し、縦方向に、親クラスタ部100Bの給電制御(図(a))と、パケットの構成(変換装置D130の一次側DCバス32への給電状態、(図(b))と、子クラスタ部200Bにおける一次側DCバス32の電圧Vbdc(図(c))と、子クラスタ部200Bの受電制御状態(図(d))と、親クラスタ部100Bにおける一次側DCバス32の電流Ibdc(図(e))と、を並べて示している。
時刻t11から時刻t13までの期間が、パケット化した電力の1パケット分の期間を示している。親クラスタ部100Bの制御部110は、1パケット分の電力を給電する給電制御を行う(図(a))。ここで、1パケットは、ヘッダ情報を送るヘッダ部と、融通電力を給電するペイロード部とを含んで構成されている。ここでは、時刻t11から時刻t13までの期間のうち、時刻t11から時刻t12までの期間がヘッダ部を示し、時刻t12から時刻t13までの期間がペイロード部を示している(図(b))。
例えば、親クラスタ部100Bの制御部110は、変換装置D130等を制御して、時刻t11から時刻t12において、ヘッダ情報としての電力パルスを発生させてヘッダ部を生成する。また、制御部110は、時刻t12から時刻t13において、融通電力としての電力パルスを発生させてペイロード部を生成する。つまり、1パケットの期間のうち、融通電力が一次側DCバス32に供給される期間は、時刻t12から時刻t13までの期間である。以下の説明において、この1パケットにおいて融通電力が供給される給電期間(すなわち、給電時間)を「時間Tpi」とも呼ぶ。
なお、ヘッダ情報には、例えば、融通元のクラスタ部を示す情報、融通先のクラスタ部を示す情報、発電形態を示す情報、電力量を示す情報などの属性情報が含まれる。
このように、時刻t11から時刻t13において、親クラスタ部100から一次側DCバス32に対してパケット化した電力が供給されると、一次側DCバス32の電圧Vbdcは、供給された電力のパケットの構成に応じた電圧となる。
図(c)は、親クラスタ部100Bから一次側DCバス32に対してパケット化した電力が供給されたときに、子クラスタ部200Bにおいて測定される一次側DCバス32の電圧Vbdcの電圧波形を示している。ここでは、電圧V0が、給電されていないときの一次側DCバス32の電圧値(例えば、0V)を示しており、電圧V2が、給電されているときの一次側DCバス32の電圧値を示している。時刻t11から時刻t12のヘッダ部において、ヘッダ情報としての電圧V2のパルスが測定され、時刻t12から時刻t13のペイロード部において、融通電力として供給された電力の電圧V2のパルスが測定される。
また、親クラスタ部100Bから一次側DCバス32に対してパケット化した電力が供給されると、その給電に応じて、子クラスタ部200Bの制御部210は、1パケット分の電力を受電する受電制御を行う(図(d))。時刻t12から時刻t13までのペイロード部の期間において、子クラスタ部200Bの制御部210は、変換装置B220等を制御して、一次側DCバス32から受電する。ここでは、親クラスタ部100Bが供給する1パケット分の給電時間(時間Tpi)と、子クラスタ部200Bが受電する1パケット分の受電時間とが等しいものとして説明する。
図(e)は、親クラスタ部100Bにおいて測定された一次側DCバス32を流れる電流の電流波形を示している。ここでは、電流I0が、受電による電流が流れていないときの一次側DCバス32の電流値(例えば、0A)を示しており、電流I1が、受電による電流が流れているときの一次側DCバス32の電流値を示している。時刻t12から時刻t13のペイロード部において、子クラスタ部200Bが一次側DCバス32から受電することにより一次側DCバス32に電流が流れ、一次側DCバス32の電流Ibdcが電流I1となる。
なお、この図に示すパケット化した電力の融通の例においては、エネルギー管理装置(EMS)11Bの算出部1101は、親クラスタ部100Bから子クラスタ部200Bに融通された電力量(Wpi)を、例えば、電圧V0=0V、電流I0=0Aに定めると、式「Wpi=V2×I1×Tpi」により算出することができる。
(電力量の算出処理の手順)
図17は、本実施形態による電力量の算出処理の手順を説明する説明図である。以下、図17を参照して、本実施形態による電力融通処理において融通された電力量を算出する処理の手順の一例を説明する。ここでは、親クラスタ部100Bが融通元のクラスタ部であって、子クラスタ部200Bが融通先のクラスタ部である場合を例として説明する。
図17は、本実施形態による電力量の算出処理の手順を説明する説明図である。以下、図17を参照して、本実施形態による電力融通処理において融通された電力量を算出する処理の手順の一例を説明する。ここでは、親クラスタ部100Bが融通元のクラスタ部であって、子クラスタ部200Bが融通先のクラスタ部である場合を例として説明する。
エネルギー管理装置(EMS)11Bは、各クラスタ部における電力消費量と、発電装置の発電量と、蓄電装置の蓄電池残容量SOC(State Of Charge)の情報を収集し、この収集した情報に基づいて、他のクラスタ部に対して給電可能なクラスタ部と他のクラスタ部からの融通電力を必要としているクラスタ部とを検出する。次に、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、予め設定された優先度や検出状態に応じた緊急度等に基づいて、他のクラスタ部に対して給電可能なクラスタ部の中から融通元のクラスタ部を選択するとともに、他のクラスタ部からの融通電力を必要としているクラスタ部の中から融通先のクラスタ部を選択する。そして、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、選択した融通元のクラスタ部と融通先のクラスタ部との間における電力融通処理の開始を指示する(ステップS3010)。
例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通元のクラスタ部として親クラスタ部100Bを選択すると、電力融通処理の開始の指示として、給電を開始させることを指示する給電開始指示(給電要請信号)を親クラスタ部100Bに対して送信する。また、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、融通先のクラスタ部として子クラスタ部200Bを選択すると、電力融通処理の開始の指示として、受電を開始させることを指示する受電開始指示(換言すると、受電を許可すること示す受電許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。
親クラスタ部100Bの制御部110は、給電開始指示を受け取ると、変換装置D130等を制御して、一次側DCバス32に対してパケット化した電力の給電を開始するとともに、電流測定器172を介して給電電流(一次側DCバス32に流れる電流)の測定を開始する(ステップS1010)。
また、子クラスタ部200Bの制御部210は、受電開始指示を受け取ると、変換装置B220等を制御して、親クラスタ部100Bからの給電に応じて一次側DCバス32からの受電を開始するとともに、電圧測定器271を介して受電電圧(一次側DCバス32の電圧)の測定を開始する(ステップS2010)。
次に、親クラスタ部100Bの制御部110は、1パケットの給電期間において、所定の時間間隔で給電電流を測定し、測定結果(給電電流値の途中経過)を、エネルギー管理装置(EMS)11Bに対して送信する(ステップS1021、S1022、・・・)。また、子クラスタ部200Bの制御部210は、1パケットの給電期間において、所定の時間間隔で受電電圧を測定し、測定結果(受電電圧値の途中経過)を、エネルギー管理装置(EMS)11Bに対して送信する(ステップS2021、S2022、・・・)。
エネルギー管理装置(EMS)11Bは、所定の時間間隔で親クラスタ部100Bから送信された給電電流値と、子クラスタ部200Bから送信された受電電圧値と、所定の時間間隔で測定された給電電流値に基づいて測定される受電時間(経過時間)とに基づいて、融通された電力量の途中経過を算出してモニタリングする(ステップS3021、S3022、・・・)。
なお、親クラスタ部100Bから子クラスタ部200Bへの電力融通は、エネルギー管理装置(EMS)11Bから1パケット毎に給電開始指示及び受電開始指示が送信されることにより1パケットの単位で電力が融通されてもよいし、エネルギー管理装置(EMS)11Bからの給電開始指示及び受電開始指示により、連続して複数のパケットの電力が融通されてもよい。連続して複数のパケットの電力が融通される場合、上述の所定の時間間隔は、連続するパケット間の時間間隔としてもよく、1パケット毎に融通された電力量が途中経過として算出されてもよい。
次に、連続して複数のパケットの電力が融通される場合、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、電力融通処理の終了を指示する(ステップS3030)。
例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、電力融通処理の終了の指示として、給電を停止させることを指示する給電終了指示(給電停止信号)を親クラスタ部100Bに対して送信する。また、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、電力融通処理の終了の指示として、受電を終了させることを指示する受電終了指示(換言すると、受電を不許可とすることを示す受電不許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。
例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、電力融通処理の終了の指示として、給電を停止させることを指示する給電終了指示(給電停止信号)を親クラスタ部100Bに対して送信する。また、エネルギー管理装置(EMS)11Bは、電力融通処理の終了の指示として、受電を終了させることを指示する受電終了指示(換言すると、受電を不許可とすることを示す受電不許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。
親クラスタ部100Bの制御部110は、給電終了指示を受け取ると、変換装置D130等を制御して、一次側DCバス32に対する給電を終了するとともに、給電電流の測定を終了する(ステップS1030)。また、子クラスタ部200Bの制御部210は、受電終了指示を受け取ると、変換装置B220等を制御して、一次側DCバス32からの受電を終了するとともに、受電電圧の測定を終了する(ステップS2030)。
なお、エネルギー管理装置(EMS)11Bから1パケット毎に給電開始指示及び受電開始指示が送信されることにより1パケットの単位で電力が融通される場合には、エネルギー管理装置(EMS)11Bの電力融通処理の終了指示(ステップS3030)の処理を行わずに、1パケット分の給電が終了した時点で給電終了の処理(ステップS1030)及び受電終了の処理(ステップS2030)が実行されてもよい。
続いて、親クラスタ部100Bの制御部110は、測定した給電電流値の最終測定結果を、エネルギー管理装置(EMS)11Bに対して送信する(ステップS1040)。また、子クラスタ部200Bの制御部210は、測定した受電電圧値の最終測定結果を、エネルギー管理装置(EMS)11Bに対して送信する(ステップS2040)。この最終測定結果は、例えば、1パケットにおける給電期間内に測定を複数回行った場合、その複数回の測定結果の平均値であってもよいし、最後に測定した結果であってもよい。また、連続して複数のパケットの電力が融通された場合、この最終測定結果は、複数のパケットのそれぞれにおいて測定した結果の平均値であってもよいし、最後のパケットにおいて測定した結果であってもよい。
エネルギー管理装置(EMS)11Bは、親クラスタ部100と子クラスタ部200とから給電電流値の最終測定結果と受電電圧値の最終測定結果とをそれぞれ受け取ると、融通された電力量の最終結果(融通された電力量の総計)を算出する(ステップS3040)。
なお、図17では、融通された電力量の途中経過を算出する例を説明したが、これに限られるものではなく、途中経過の算出を行わずに電力量の最終結果(融通された電力量の総計)のみを算出してもよい。すなわち、ステップS1021、S1022、S2021、S2022、S3021、S3022の処理を行わなくてもよい。
(第2の実施形態の変形例)
なお、図17を参照して、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御により、パケット化した電力を融通する電力融通処理、及び融通された電力量を算出する処理を実行する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御によらずに、上述の処理を実行してもよい。
なお、図17を参照して、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御により、パケット化した電力を融通する電力融通処理、及び融通された電力量を算出する処理を実行する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御によらずに、上述の処理を実行してもよい。
例えば、他のクラスタ部に対して給電可能なクラスタ部がまず融通元のクラスタ部となって、融通先のクラスタ部を選択してもよい。このとき、融通先のクラスタ部に対して受電の許可を通知する方法としては、融通元のクラスタ部から通信網12を介して融通先のクラスタ部に対して通知する方法としてもよいし、融通元のクラスタ部が、パケット化した電力のヘッダ情報を利用して融通先のクラスタ部に対して通知する方法としてもよい。
そして、融通元のクラスタ部から一次側DCバス32に対して給電することに応じて、通知した融通先のクラスタ部が一次側DCバス32から受電してもよい。また、融通元のクラスタ部は、融通先のクラスタ部において測定された受電電圧を通信網12を介して取得することにより、取得した受電電圧と、自クラスタ部において測定した給電電流と、受電時間とに基づいて、融通された電力量を算出してもよい。
このように、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いずに電力融通を行う構成としてもよく、その場合には、各クラスタ部の制御部(例えば、親クラスタ部100Bの制御部110及び子クラスタ部200Bの制御部210)のいずれかが算出部1101を備えて、融通された電力量を算出する構成としてもよい。
そして、融通元のクラスタ部から一次側DCバス32に対して給電することに応じて、通知した融通先のクラスタ部が一次側DCバス32から受電してもよい。また、融通元のクラスタ部は、融通先のクラスタ部において測定された受電電圧を通信網12を介して取得することにより、取得した受電電圧と、自クラスタ部において測定した給電電流と、受電時間とに基づいて、融通された電力量を算出してもよい。
このように、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いずに電力融通を行う構成としてもよく、その場合には、各クラスタ部の制御部(例えば、親クラスタ部100Bの制御部110及び子クラスタ部200Bの制御部210)のいずれかが算出部1101を備えて、融通された電力量を算出する構成としてもよい。
図18は、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いずに電力量を算出する場合の算出処理の手順を説明する説明図である。この図18を参照して、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いずに、電力融通処理において融通された電力量を算出する処理の手順の一例を説明する。ここでは、親クラスタ部100Bが融通元のクラスタ部であって、子クラスタ部200Bが融通先のクラスタ部であるとし、親クラスタ部100Bが算出部1101を備えて電力量を算出する場合を例として説明する。
親クラスタ部100Bの制御部110は、発電装置141の交流発電量Pacと、発電装置142の直流発電量Pdcと、蓄電池残容量SOC等に基づいて、他のクラスタ部に対して給電可能(電力融通が可能)であると判定した場合、通信網12を介して他のクラスタ部の情報を取得し、他のクラスタ部からの融通電力を必要としているクラスタ部があるか否かを判定する。制御部110は、融通電力を必要としているクラスタ部があると判定した場合、その融通電力を必要としているクラスタ部(ここでは、子クラスタ部200B)を融通先のクラスタ部として選択して、該クラスタ部に対して電力融通処理の開始を指示する(ステップS1110)。
具体的には、制御部110は、電力融通処理の開始の指示として、受電を開始させることを指示する受電開始指示(換言すると、受電を許可すること示す受電許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。
また、制御部110は、変換装置D130等を制御して、一次側DCバス32に対してパケット化した電力の給電を開始するとともに、電流測定器172を介して給電電流(一次側DCバス32に流れる電流)の測定を開始する(ステップS1111)。
子クラスタ部200Bの制御部210は、受電開始指示を受け取ると、変換装置B220等を制御して、親クラスタ部100Bからの給電に応じて一次側DCバス32からの受電を開始するとともに、電圧測定器271を介して受電電圧(一次側DCバス32の電圧)の測定を開始する(ステップS2110)。また、制御部210は、1パケットの給電期間において、所定の時間間隔で受電電圧を測定し、測定結果(受電電圧値の途中経過)を、エネルギー管理装置(EMS)11Bに対して送信する(ステップS2121、S2122、・・・)。
次に、親クラスタ部100Bの制御部110は、1パケットの給電期間において、所定の時間間隔で給電電流を測定(給電電流の途中経過を測定)する(ステップS1121、S1123、・・・)。そして、親クラスタ部100Bの算出部1110は、所定の時間間隔で測定した給電電流値と、所定の時間間隔で子クラスタ部200Bから送信された受電電流値と、受電時間(経過時間)とに基づいて、融通された電力量の途中経過を算出してモニタリングする(ステップS1122、S1124、・・・)。
なお、親クラスタ部100Bから子クラスタ部200Bへの電力融通は、親クラスタ部100Bから1パケット毎に受電開始指示が送信されることにより1パケットの単位で電力が融通されてもよいし、親クラスタ部100Bからの電力融通処理の開始指示により、連続して複数のパケットの電力が融通されてもよい。連続して複数のパケットの電力が融通される場合、上述の所定の時間間隔は、連続するパケット間の時間間隔としてもよく、1パケット毎に融通された電力量が途中経過として算出されてもよい。また、上述の受電開始指示は、パケット化した電力のヘッダ情報に含めることで、子クラスタ部200Bに通知されてもよい。
次に、連続して複数のパケットの電力が融通される場合、親クラスタ部100Bの制御部110は、電力融通処理の終了を指示する(ステップS1130)。
具体的には、制御部110は、電力融通処理の終了の指示として、受電を終了させることを指示する受電終了指示(換言すると、受電を不許可とすることを示す受電不許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。また、制御部110は、変換装置D130等を制御して、一次側DCバス32に対する給電を終了するとともに、給電電流の測定を終了する(ステップS1131)。
具体的には、制御部110は、電力融通処理の終了の指示として、受電を終了させることを指示する受電終了指示(換言すると、受電を不許可とすることを示す受電不許可信号)を子クラスタ部200Bに対して送信する。また、制御部110は、変換装置D130等を制御して、一次側DCバス32に対する給電を終了するとともに、給電電流の測定を終了する(ステップS1131)。
子クラスタ部200Bの制御部210は、親クラスタ部100Bから受電終了指示を受け取ると、変換装置B220等を制御して、一次側DCバス32からの受電を終了するとともに、受電電圧の測定を終了する(ステップS2130)。また、制御部210は、測定した受電電圧値の最終測定結果を、親クラスタ部100Bに対して送信する(ステップS2140)。
なお、親クラスタ部100Bから1パケット毎に電力融通開始指示(受電開始指示)が送信されることにより1パケットの単位で電力が融通される場合には、親クラスタ部100Bからの電力融通処理の終了指示(ステップS1130)を行わずに、1パケット分の給電が終了した時点で、給電終了の処理(ステップS1130)及び受電終了の処理(ステップS2130)が実行されてもよい。
次に、親クラスタ部100Bの制御部110は、測定した給電電流値の最終測定結果と、子クラスタ部200から取得した受電電圧値の最終測定結果と、受電時間(トータルの受電時間)とに基づいて、電力量の最終結果(融通された電力量の総計)を算出する(ステップS1140)。
なお、図18では、融通された電力量の途中経過を算出する例を説明したが、これに限られるものではなく、途中経過の算出を行わずに電力量の最終結果(融通された電力量の総計)のみを算出してもよい。すなわち、ステップS1121、S1122、S1123、S1124、S2121、S2122の処理を行わなくてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態において、制御部110と、制御部210と、制御部310と、制御部410とは、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
なお、ここで、本発明と上述した実施形態との対応関係について補足して説明する。すなわち、本発明における電力融通システムは、例えば、図15に示す電力融通システム1Bが対応する。また、本発明における第1クラスタ部は、例えば、親クラスタ部100Bが対応し、本発明における第2クラスタ部は、例えば、子クラスタ部200Bが対応する。また、本発明における電圧測定部は、電圧測定部171又は電圧測定部271が対応し、本発明における電流測定部は、電流測定部172又は電流測定部272が対応する。また、本発明における給電管理部は、エネルギー管理装置(EMS)11Bが対応する。
(1)そして、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、商用電力系統2の受電点となり該商用電力系統2から商用電力の供給を受ける親クラスタ部100(第1クラスタ部)と、親クラスタ部100Bを経由して商用電力の供給を受ける一又は複数の子クラスタ部200B等(第2クラスタ部)と、で構成される。電力融通システム1では、親クラスタ部100Bと子クラスタ部200B等との間、及び複数の子クラスタ部200B等の間において、給電経路を介してパケット化した電力を融通する。また、電力融通システム1は、算出部1101を備えている。算出部1101は、給電経路に対してパケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、給電経路を介して融通された電力量を算出する。
このように、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)によれば、各クラスタ部間でパケット化した電力を融通するとともに、融通先のクラスタ部において測定された該電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出するため、給電経路上で生じる電力損失を除いた実際に融通先のクラスタ部に融通された電力量を算出することができる。よって、本実施形態によれば、クラスタ(需要家)間において融通された電力量を適切に把握することができる。
(2)本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)において、親クラスタ部100B(第1クラスタ部)と子クラスタ部200B等(第2クラスタ部)とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び負荷装置を備えている。
これにより、各クラスタ部は、自クラスタ部において発電した電力又は蓄電されている電力を他のクラスタ部に融通することができる。また、各クラスタ部は、他のクラスタ部から融通された電力を、自クラスタ部の負荷装置に供給することや蓄電装置に蓄電することができる。
これにより、各クラスタ部は、自クラスタ部において発電した電力又は蓄電されている電力を他のクラスタ部に融通することができる。また、各クラスタ部は、他のクラスタ部から融通された電力を、自クラスタ部の負荷装置に供給することや蓄電装置に蓄電することができる。
(3)例えば、上述の給電経路は、直流電力の給電経路となる一次側DCバス32である。そして、親クラスタ部100B(第1クラスタ部)と子クラスタ部200B等(第2クラスタ部)、及び複数の子クラスタ部200B等の間において、互いにパケット化した直流電力の融通を行う。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、一次側DCバス32を介して各クラスタ間において互いに直流電力を融通するとともに、融通先のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値に基づいて融通された電力量を算出するため、一次側DCバス32の経路上で生じる電力損失を除いた実際に融通先のクラスタ部に融通された電力量を算出することができる。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、一次側DCバス32を介して各クラスタ間において互いに直流電力を融通するとともに、融通先のクラスタ部において測定された一次側DCバス32の電圧値に基づいて融通された電力量を算出するため、一次側DCバス32の経路上で生じる電力損失を除いた実際に融通先のクラスタ部に融通された電力量を算出することができる。
(4)給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部(例えば、親クラスタ部100B又は子クラスタ部200B)は、受電した電力の電圧値を測定する電圧測定部(例えば、電圧測定部171又は電圧測定部271)、を備えている。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
(5)給電経路に対してパケット化した電力を給電したクラスタ部(例えば、親クラスタ部100B又は子クラスタ部200B)は、給電した電力の電流値を測定する電流測定部(例えば、電流測定部172又は電流測定部272)を備えている。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通元のクラスタ部(給電したクラスタ部)において測定された給電電力の電流値と、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通元のクラスタ部(給電したクラスタ部)において測定された給電電力の電流値と、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
(6)なお、給電経路からパケット化した電力を受電したクラスタ部(例えば、親クラスタ部100B又は子クラスタ部200B)が、受電した電力の電流値を測定する電流測定部(例えば、電流測定部172又は電流測定部272)を備えてもよい。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された給電電力の電流値と、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
これにより、本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された給電電力の電流値と、融通先のクラスタ部(受電したクラスタ部)において測定された受電電力の電圧値に基づいて融通された電力量を算出することができる。
(7)本実施形態の電力融通システム(例えば、電力融通システム1B)は、エネルギー管理装置(EMS)11B(給電管理部)を備えている。エネルギー管理装置(EMS)11Bは、パケット化した電力の融通を制御するとともに、親クラスタ部100B(第1クラスタ部)又は子クラスタ部200B等(第2クラスタ部)において測定されたパケット化した電力の電圧値及び電流値を取得する。そして、上述の算出部1101が、エネルギー管理装置(EMS)11Bに備えられている。
これにより、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御により、各クラスタ間において電力を融通するとともに、融通された電力量を適切に算出することができる。
これにより、エネルギー管理装置(EMS)11Bの制御により、各クラスタ間において電力を融通するとともに、融通された電力量を適切に算出することができる。
(8)なお、上述の算出部1101が親クラスタ部100B(第1クラスタ部)又は子クラスタ部200B等(第2クラスタ部)に備えられていてもよい。
これにより、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いなくとも、各クラスタ部のうちのいずれかの制御により、各クラスタ間において電力を融通するとともに、融通された電力量を適切に算出することができる。
これにより、エネルギー管理装置(EMS)11Bを用いなくとも、各クラスタ部のうちのいずれかの制御により、各クラスタ間において電力を融通するとともに、融通された電力量を適切に算出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の電力融通システム1、電力融通システム1A、及び電力融通システム1Bは、上述の図示例にのみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、親クラスタ部100(100A、100B)の蓄電装置145は、親クラスタ部100(100A、100B)とは独立して設けられていてもよい。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400の蓄電装置においても同様である。
例えば、親クラスタ部100(100A、100B)の蓄電装置145は、親クラスタ部100(100A、100B)とは独立して設けられていてもよい。子クラスタ部200と、子クラスタ部300と、子クラスタ部400の蓄電装置においても同様である。
なお、図15に示す電力融通システム1Bの構成は、図1に示す電力融通システム1の構成に、電圧測定部171、電流測定部172、電圧測定部271、電流測定部272、及び算出部1101を加えた構成としているが、これに限られるものではなく、図4に示す電力融通システム1の構成に、上述の各部を加えた構成としてもよい。
また、図15において、図15に示す電力融通システム1Bの構成において、電圧測定部271及び電流測定部272を備えた子クラスタ部200Bとの例を図示しているが、図1に示す子クラスタ部300、子クラスタ部400、図5に示す子クラスタ部300Aなど他の子クラスタ部が、電圧測定部及び電流測定部を備えてもよいし、各クラスタ部の変換装置が、電圧測定部及び電流測定部を備えてもよい。
また、図15において、図15に示す電力融通システム1Bの構成において、電圧測定部271及び電流測定部272を備えた子クラスタ部200Bとの例を図示しているが、図1に示す子クラスタ部300、子クラスタ部400、図5に示す子クラスタ部300Aなど他の子クラスタ部が、電圧測定部及び電流測定部を備えてもよいし、各クラスタ部の変換装置が、電圧測定部及び電流測定部を備えてもよい。
なお、上記実施形態による電力融通システム1(1A、1B)において、一次側DCバス32を介して融通する電力の給電開始時に、この融通する電力が徐々に給電されるように所謂「ソフトスタート」の制御を行ってもよい。例えば、他のクラスタ部に対して電力を融通するクラスタ部は、一次側DCバス32の電圧の立ち上がりがなだらかになるように、給電開始時の所定の時間において徐々に給電電圧を上げるように制御してもよい。また、電力を融通するクラスタ部は、給電開始時の所定の時間において間欠的に給電するように制御してもよい。なお、電力を融通するクラスタ部は、給電開始時の所定の時間において給電する電流値を制限するよう制御してもよい。また、電力を融通するクラスタ部は、融通する電力をパケット化して給電する場合には、給電開始時の所定の時間においてパケット毎の給電時間が徐々に長くなるように制御してもよいし、各パケットの時間間隔が徐々に短くなるように制御してもよい。
このように、ソフトスタートの制御を行うことにより、給電電圧の電圧降下や給電停止などの原因となる給電開始時の突入電流の発生を抑制することができる。
このように、ソフトスタートの制御を行うことにより、給電電圧の電圧降下や給電停止などの原因となる給電開始時の突入電流の発生を抑制することができる。
1,1A,1B・・・電力融通システム、2・・・商用電力系統、
11,11B・・・エネルギー管理装置(EMS)、12・・・通信網、
31・・・一次側ACバス、32・・・一次側DCバス、
100,100A,100B・・・親クラスタ部(第1クラスタ部)、
102・・・変圧器、
200,200A,200B,
300,300A・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
110,210,310,410・・・制御部、
121,221・・・双方向交直変換部、
131,223・・・双方向直流変換部、
141・・・発電装置(第1発電装置)、142・・・発電装置(第2発電装置)、
241・・・発電装置(第3発電装置)、
242・・・発電装置(第4発電装置)、
143,243,343,443・・・交流負荷装置、
144,244,344,444・・・直流負荷装置、
145,245,345,445・・・蓄電装置、
150・・・パワーコンディショナ(第1パワーコンディショナ)、
150A・・・パワーコンディショナ(第2パワーコンディショナ)、
250・・・パワーコンディショナ(第3パワーコンディショナ)、
250A・・・パワーコンディショナ(第4パワーコンディショナ)、
160・・・切替部(第1切替部),160A・・・切替部(第2切替部)、
260・・・切替部(第3切替部)、
260A・・・切替部(第4切替部)、
161,261,361,461・・・分電盤、
162,262,362,462・・・分電盤、
171,271・・・電圧測定部、172,272・・・電流測定部、
1101・・・算出部
11,11B・・・エネルギー管理装置(EMS)、12・・・通信網、
31・・・一次側ACバス、32・・・一次側DCバス、
100,100A,100B・・・親クラスタ部(第1クラスタ部)、
102・・・変圧器、
200,200A,200B,
300,300A・・・子クラスタ部(第2クラスタ部)、
110,210,310,410・・・制御部、
121,221・・・双方向交直変換部、
131,223・・・双方向直流変換部、
141・・・発電装置(第1発電装置)、142・・・発電装置(第2発電装置)、
241・・・発電装置(第3発電装置)、
242・・・発電装置(第4発電装置)、
143,243,343,443・・・交流負荷装置、
144,244,344,444・・・直流負荷装置、
145,245,345,445・・・蓄電装置、
150・・・パワーコンディショナ(第1パワーコンディショナ)、
150A・・・パワーコンディショナ(第2パワーコンディショナ)、
250・・・パワーコンディショナ(第3パワーコンディショナ)、
250A・・・パワーコンディショナ(第4パワーコンディショナ)、
160・・・切替部(第1切替部),160A・・・切替部(第2切替部)、
260・・・切替部(第3切替部)、
260A・・・切替部(第4切替部)、
161,261,361,461・・・分電盤、
162,262,362,462・・・分電盤、
171,271・・・電圧測定部、172,272・・・電流測定部、
1101・・・算出部
Claims (9)
- 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成され、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、パケット化した電力を給電経路を介して融通する電力融通システムであって、
前記給電経路に対して前記パケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は前記給電経路から前記パケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、前記受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、前記給電経路を介して融通された電力量を算出する算出部、
を備えることを特徴とする電力融通システム。 - 前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部とのそれぞれは、発電装置及び負荷装置、又は蓄電装置及び前記負荷装置、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力融通システム。 - 前記給電経路は、直流電力の給電経路であって、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、互いにパケット化した直流電力の融通を行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電力融通システム。 - 前記受電したクラスタ部は、
受電した電力の電圧値を測定する電圧測定部、
を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 前記給電したクラスタ部は、
給電した電力の電流値を測定する電流測定部、
を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 前記受電したクラスタ部は、
受電した電力の電流値を測定する電流測定部、
を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 前記パケット化した電力の融通を制御するとともに、前記第1クラスタ部又は前記第2クラスタ部において測定された前記パケット化した電力の電圧値及び電流値を取得する給電管理部、を備え、
前記算出部が前記給電管理部に備えられている
ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 前記算出部が前記第1クラスタ部又は前記第2クラスタ部に備えられている
ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電力融通システム。 - 商用電力系統の受電点となり該商用電力系統から商用電力の供給を受ける第1クラスタ部と、前記第1クラスタ部を経由して前記商用電力の供給を受ける1又は複数の第2クラスタ部と、で構成され、前記第1クラスタ部と前記第2クラスタ部との間、及び前記複数の第2クラスタ部の間において、給電経路を介してパケット化した電力を融通する電力融通システムにおける電力融通方法であって、
前記給電経路に対して前記パケット化した電力を給電したクラスタ部において測定された該給電した電力の電流値又は前記給電経路から前記パケット化した電力を受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電流値と、前記受電したクラスタ部において測定された該受電した電力の電圧値と、に基づいて、前記給電経路を介して融通された電力量を算出する
ことを特徴とする電力融通方法。
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