JP6250662B2 - 断熱的ニトロ化によりニトロベンゼンを製造する方法 - Google Patents

断熱的ニトロ化によりニトロベンゼンを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学量論的に過剰のベンゼンを使用し、かつ未反応ベンゼンを再利用して、硫酸および硝酸の混合物によりベンゼンをニトロ化することによってニトロベンゼンを調製する断熱的プロセスであって、プロセス中の少なくとも1点で脂肪族有機化合物を特異的に除去することによって、出発ベンゼン中の脂肪族有機化合物の含量を出発ベンゼンの総質量基準で1.5質量%未満に限定するプロセスを提供する。
本発明は、硫酸および硝酸の混合物(いわゆる「混酸」)によるベンゼンの断熱的ニトロ化によってニトロベンゼンを調製する連続プロセスに関する。このようなプロセスは、米国特許第2256999号明細書で最初に主張され、米国特許第4091042号明細書、米国特許第5313009号明細書および米国特許第5763697号明細書のより最新の実施形態に記載されている。
開示されている断熱的プロセスの共通の特徴は、出発材料であるベンゼンおよび硝酸を、反応中に発生する反応熱および形成される水を吸収する大過剰の硫酸中で反応させることである。
反応手順は一般的に、硝酸と硫酸を組み合わせていわゆる「ニトロ化酸」(「混酸」とも呼ばれる)を得ることを含む。ベンゼンをこのニトロ化酸に計り入れる。反応生成物は本質的に水およびニトロベンゼンである。ニトロ化反応では、ベンゼンを、硝酸のモル量基準で少なくとも化学量論量であるが、好ましくは2%〜10%過剰で使用する。先行技術によると、例えば、欧州特許第1816117号明細書(2頁、26〜42行)、米国特許第4091042号明細書(上記参照)または米国特許第5763697号明細書(上記参照)に記載されるように、反応装置中で形成され、相分離装置で酸相から分離された粗製ニトロベンゼンを洗浄し、蒸留によって後処理する。この後処理の特徴は、洗浄後に、未反応過剰ベンゼンを最終蒸留でニトロベンゼンから分離し、低沸点非芳香族有機化合物(いわゆる「低沸点溶剤」)も含むリサイクルベンゼンとしてニトロ化反応に再利用することである(独国特許出願公開第102009005324号明細書参照)。断熱的ニトロ化反応からのオフガスの処理は、欧州特許第0976718号明細書に記載されている。酸回路および最終的な粗製ニトロベンゼンからのオフガスを排出し、合わせ、NOx吸収材に通過させて希硝酸を回収し、これを反応にリサイクルする。リサイクル酸と呼ばれる硫酸をフラッシュ蒸発器で濃縮し、可能な限り有機物を除去する。微量の高沸点有機物、例えば、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼンおよびニトロフェノールがリサイクル酸中に残っているので、これらも反応にリサイクルする。
芳香族炭化水素のニトロ化のための断熱的プロセスの品質は、一方では、芳香族炭化水素またはニトロ芳香族の多重ニトロ化または酸化によって形成される生成物中の望ましくない反応副産物の含量によって定義される。ニトロベンゼンの調製においては、ジニトロベンゼンおよびニトロフェノール、特に爆発物として分類されるトリニトロフェノール(ピクリン酸)の含量を最小化しようと努められている。
断熱的プロセスの品質は、他方では、ニトロベンゼンを調製するための可能な最小量のエネルギーの使用によって定義される。これは特に、硫酸を濃縮するために反応の断熱的熱を利用する、または粗製ニトロベンゼンの洗浄および最終的な蒸留に不要な量のエネルギーを消費しないために硝酸基準で反応に要求される化学量論的に過剰のベンゼンを最小化することによって確保される。
特に高い選択性でニトロベンゼンを得るために、使用される混酸の性質が詳細に規定されており(欧州特許第0373966号明細書、欧州特許第0436443号明細書および欧州特許第0771783号明細書)、最高温度の値によって副産物の含量が決定されることが示されている(欧州特許第0436443号明細書、15段、22〜25行)。高い初期変換が高い選択性に有利であること、およびこれは最適な相互混合が反応開始時に適用される場合に達成されることも知られている(欧州特許第0771783号明細書、第0012〜0014段落)。
選択される初期反応温度が極めて低いと、反応時間を数倍増加させるのに等しいが、顕著な選択性が得られる(国際公開第2010/051616号パンフレット)。高空時収率は、容量に対して低い資本支出によって区別される小型反応装置を構築することを可能にするので、プロセスの工業用途に有利である。そのため、この手順は非生産的となる。
ニトロベンゼンの断熱的調製におけるベンゼン出発材料の品質に関して、欧州特許出願公開第2246320号明細書は、その供給源に応じて、商業的に入手可能なベンゼンが多かれ少なかれ汚染され得ることを記載している。典型的な不純物は、他の芳香族、特にトルエンおよびキシレンであり、これらはそれぞれ一般的な純度のベンゼン中に最大で0.05質量%の量で存在し得る。ベンゼンに典型的な他の不純物は非芳香族有機化合物であり、これらは合計で最大0.07質量%を占め得る。シクロヘキサン(最大で0.03質量%)およびメチルシクロヘキサン(最大で0.02質量%)が特にここで挙げられる。言及される濃度では、上記不純物は、例えば、ベンゼン中の非芳香族有機物によりニトロベンゼンプロセスの廃水およびオフガス処理をわずかに妨害することによって、MDIプロセスチェーン(MDI=ジフェニルメタン系列のジ−およびポリイソシアネート)のその後のステップに全く有害効果をもたらさないまたは極めてわずかな有害効果しかもたらさない。そのため、MDIプロセスチェーンに使用するためのベンゼンの骨の折れる精製は過剰とみなされ、省略することができる。欧州特許出願公開第2246320号明細書は、反応の最後に粗製生成物から分離され、ニトロ化にリサイクルされるベンゼン(いわゆる「リサイクルベンゼン」)中の非芳香族有機化合物を詳細に論じていない。
独国特許出願公開第102009005324号明細書は、技術的等級のベンゼンが慣用的に0.01%〜0.5%の低沸点非芳香族有機化合物(低沸点溶剤)を含むことを開示している。しかしながら、一般的なベンゼンニトロ化プロセスは、技術的等級のベンゼンそれ自体ではなく、むしろリサイクルベンゼンおよび技術的等級のベンゼンの混合物を使用するので、結果として実際に使用されるベンゼン中の低沸点溶剤の含量は商業的に入手可能な技術的等級のベンゼンよりもかなり高くなり得る。例として、独国特許出願公開第102009005324号明細書は、5%の値を開示している([0007]段落)。この明細書の教示によると、この大きさの低沸点溶剤含量は、実際のニトロ化においてまだ不利ではない。独国特許出願公開第102009005324号明細書は、その後の相分離の課題を詳細に論じているに過ぎない([0008]段落)。圧力保持吸引管を使用する特別な相分離法がこれらの課題を解決するために提案されている。
欧州特許第2155655号明細書は、ベンゼン中の芳香族不純物(アルキル置換芳香族)を詳細に論じているに過ぎない。
独国特許第1129466号明細書は、慣用的な量の脂肪族炭化水素を含む、技術的等級のベンゼン、キシレンおよびトルエンをモノニトロ化するプロセスであって、脂肪族不純物に富むニトロ芳香族の蒸留で得られた未反応芳香族の初回運転を新鮮な芳香族と混合し、ニトロ化に供給し、各回で得られた初回運転を望む回数だけリサイクルするプロセスを記載している。(ベンゼンが出発材料である場合、この明細書の芳香族の初回運転は上記リサイクルベンゼンに相当する。)そのため、当業者であれば、この明細書から、使用される芳香族中の脂肪族不純物の割合増加がニトロ化に悪影響を及ぼさないという技術的教示を推論する。
欧州特許出願公開第0976718号明細書は、オフガスをNOx吸収材で処理し、次いで、燃やすプロセスを開示している。結果として生じるベンゼン損失およびこのように除去される低沸点溶剤についての言及はない。
先行技術の記載されるプロセスが、低含量の副産物を有する、すなわち、約100ppm〜300ppmのジニトロベンゼンおよび1500ppm〜2500ppmのニトロフェノールしか含まないニトロベンゼンを調製することに成功したことは事実であり、ピクリン酸がニトロフェノールの10質量%〜50質量%を構成することが可能である。これらのプロセスはまた、高空時収率により区別される。
粗製ニトロベンゼンの純度は別として、ニトロ芳香族の調製を、可能な最も小型の反応装置でかつ好ましいエネルギー条件(小過剰のベンゼンなど)下で行うことができることが工業製造にとって決定的に重要である。望ましくない二次成分を含み得るが、可能な最も好ましい原材料を有することも望ましい。
新しく導入されるベンゼンおよび/またはリサイクルベンゼン中の不純物は、ベンゼンの利用可能な総濃度を低下させ、それによって、反応を減速させる。ベンゼン濃度の低下は、過剰量の硝酸の使用をもたらし得る。今度はこれが望ましくないポリニトロ化生成物およびNOxガスの量を増加させ、後者はさらなる副産物の形成をもたらす。この意味で重要な不純物は特に、脂肪族有機化合物(低沸点溶剤、上記参照)である。これらは反応中にNOxガスと共に脱ガスするので、さらなる不利益、例えば、反応物質の相互混合不良および反応体積減少を引き起こし得る。そのため、断熱的ニトロ化プロセスに実際に使用されるベンゼン中の脂肪族有機化合物の含量を最小化する、または理想的には完全に除去する方法が必要とされた。
米国特許第2256999号明細書 米国特許第4091042号明細書 米国特許第5313009号明細書 米国特許第5763697号明細書 欧州特許第1816117号明細書 独国特許出願公開第102009005324号明細書 欧州特許第0976718号明細書 欧州特許第0373966号明細書 欧州特許第0436443号明細書 欧州特許第0771783号明細書 国際公開第2010/051616号パンフレット 欧州特許出願公開第2246320号明細書 欧州特許第2155655号明細書 独国特許第1129466号明細書 欧州特許出願公開第0976718号明細書
以上を踏まえて、本発明は、脂肪族有機化合物の有害効果を最小化することに関する。この目的のために2つの基本的な変形例が開発された:
第1の変形例において、本発明は、ニトロ化装置中でベンゼンのニトロ化によってニトロベンゼンを調製する連続断熱的プロセスであって、
a)各場合で、(a.1)の総質量基準で、少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%、特に好ましくは少なくとも99質量%のベンゼンを含むベンゼン含有流(a.1)を、断熱的条件下で、反応器中で硫酸(a.2)および硝酸(a.3)の混合物と反応させ、ベンゼンは硝酸(a.3)基準で、化学量論的に過剰で、好ましくは理論値の2.0%〜20%、特に好ましくは5.0%〜10%過剰で使用し、
b)ステップa)で得られたプロセス生成物を相分離装置中で、硫酸を含む水相(b.1)およびニトロベンゼンを含む有機相(b.2)に分離し、
c)ステップb)で得られた水相(b.1)を水の蒸発によって濃縮して、(b.1)よりも高い硫酸濃度を有する水相(c.1)を得て、相(c.1)の全部または一部をステップa)にリサイクルして(a.2)の構成成分として使用し、かつ
d)ステップb)で得られた有機相(b.2)を、好ましくは水性媒体での洗浄およびその後の精留によって純粋なニトロベンゼン(d.1)まで後処理し、各場合で、(d.2)の総質量基準で、好ましくは40.0質量%〜99.9質量%、特に好ましくは60.0質量%〜99.9質量%、極めて特に好ましくは80.0質量%〜99.9質量%、極度に特に好ましくは90.0質量%〜99.9999質量%のベンゼンを含むベンゼン含有流(d.2)(いわゆる「リサイクルベンゼン」)を得て、その全部または一部をステップa)のニトロ化装置で(a.1)の構成成分として使用し、
ここで、脂肪族有機化合物の以下の含量:各場合で、(a.1)の総質量基準で1.5質量%未満、好ましくは0.50質量%未満、特に好ましくは0.20質量%未満、極めて特に好ましくは0.10質量%未満、を有するベンゼン含有流(a.1)のみが反応器に供給されるように少なくとも1つの点でプロセスから脂肪族有機化合物を特異的に除去する、
連続断熱的プロセスを提供する。
第2の変形例において、本発明は、それぞれ少なくとも1つの反応器(1、1)を有する一連の2つのニトロ化装置(100、200)中でベンゼンのニトロ化によってニトロベンゼンを調製する断熱的プロセスであって、
a)各場合で、(a.1.1)の総質量基準で、1.5質量%未満、好ましくは0.50質量%未満、特に好ましくは0.20質量%未満、極めて特に好ましくは0.10質量%未満の脂肪族有機化合物の含量を有するベンゼン(a.1.1)のみを、断熱的条件下で、第1の連続運転ニトロ化装置(100)の反応器(1)中で硫酸(a.2.1)および硝酸(a.3.1)の混合物と反応させ、ベンゼンは硝酸(a.3.1)基準で、化学量論的に過剰で、好ましくは理論値の2.0%〜20%、特に好ましくは5.0%〜10%過剰で使用し、
b)ステップa)で得られたプロセス生成物を相分離装置(2)中で、硫酸を含む水相(b.1.1)およびニトロベンゼンを含む有機相(b.2.1)に分離し、
c)ステップb)で得られた水相(b.1.1)を水の蒸発によって濃縮して、(b.1.1)よりも高い硫酸濃度を有する水相(c.1.1)を得て、相(c.1.1)の全部または一部をステップa)にリサイクルして(a.2.1)の構成成分として使用し、かつ
d)ステップb)で得られた有機相(b.2.1)を純粋なニトロベンゼン(d.1.1)まで後処理し、各場合で、(d.2.1)の総質量基準で、好ましくは40.0質量%〜99.9質量%、特に好ましくは60.0質量%〜99.9質量%、極めて特に好ましくは80.0質量%〜99.9質量%、極度に特に好ましくは90.0質量%〜99.9999質量%のベンゼンを含むベンゼン含有流(d.2.1)を得て、
ここで、ベンゼン含有流(d.2.1)を、断熱的条件下で、第2の連続または不連続運転ニトロ化装置(200)の反応器(1)中で硫酸(a.2.2)および硝酸(a.3.2)の混合物と反応させてニトロベンゼンを得て、ベンゼンは硝酸(a.3.2)基準で、化学量論的に過剰で、好ましくは理論値の2.0%〜20%、特に好ましくは5.0%〜10%過剰で使用し、次いでこのように形成されたニトロベンゼンを後処理して純粋なニトロベンゼンとする、
断熱的プロセスを提供する。
本発明によると、ニトロ化装置は、少なくとも1つのニトロ化反応器と、少なくとも1つの相分離装置と、パイプライン、ポンプ、場合により熱交換器等などの、運転に必要な周辺装置とを含む。一連の2つのニトロ化装置(100、200)を用いる実施形態では、粗製ニトロ化生成物の相分離後に得られるニトロベンゼンを含む有機相、および硫酸を含む水相をさらに処理するために必要とされる装置(蒸発装置および後処理装置、例えば、洗浄器および蒸留塔)を、両ニトロ化装置(100、200)によって一緒に利用することができる(図2も参照)。ニトロ化装置が1つしか存在しない場合(図1も参照)、これらの装置も当然前記装置の一部である。
硝酸基準で理論値の2.0%〜20%、好ましくは5.0%〜10%過剰のベンゼンは、ベンゼンと硝酸のモル比を指す。理論的には、硝酸1モルがベンゼン1モルと反応してニトロベンゼン1モルをもたらす。
本発明に関して、脂肪族有機化合物としては、好ましくはシクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、ビシクロヘプタン、ジメチルシクロペンタンの異性体、エチルシクロペンタン、ペンタン、シクロペンタンおよび2−メチルヘキサンが挙げられる。本発明によると、ベンゼン含有流(a.1)(いわゆる「出発ベンゼン」)中の脂肪族有機化合物の含量を監視(モニタリング)しなければならない。分析測定がこの目的のために要求される。槽中の新鮮なベンゼンである出発ベンゼン、およびリサイクルベンゼン(d.2)を、好ましくは適当な点で試料を採取し、ガスクロマトグラフィーによってこれらを分析することによって測定する。あまり好ましくないが、場合によりオンラインまたはインラインでもある、他の測定法(例えば、分光学的方法)も原則として同様に使用することができる。しかしながら、本発明による脂肪族有機化合物の含量の上限についての確定値は、ガスクロマトグラフィーによって測定されるものである。1つの好ましい実施形態、すなわち、精留による後処理では、流(d.2)を精留塔の塔頂で分析する。
本発明の枠組み内では、数えられる量の文脈における「a/an」という単語は、これが明確に述べられている場合には数字としてのみ理解されるべきである。例えば、「a reactor(反応器)」という表現は、ニトロ化装置内のいくつかの反応器(直列または並列に接続されている)の存在の可能性を除外しない。
本発明の本質的な特徴は、ベンゼン含有流(a.1)または(a.1.1)(いわゆるニトロ化装置のまたは直列の2つのニトロ化装置の最初のものの「出発ベンゼン」)中の脂肪族有機化合物の含量が上記濃度に相当するということである。両変形例において、この目的は、プロセス中の少なくとも1点での脂肪族有機化合物の特異的除去によって最終的に達成される。
本発明の第1の変形例では、連続的または不連続的に行うことができるこの除去を、同じニトロ化装置のステップa)にリサイクルされたベンゼン含有流(d.2)が、出発ベンゼン(a.1)が本発明による要件を満たすようなものである、脂肪族有機化合物の濃度を有するように行う。特異的除去の態様の詳細を後述する。
本発明の第2の変形例では、脂肪族有機化合物が第1のニトロ化装置(100)のベンゼン含有流(d.2.1)中に優勢にまたは完全に残っており、これを第1のニトロ化装置(100)からの前記流で除去する。このベンゼン含有流(d.2.1)は、好ましくは第2のニトロ化装置(200)の出発ベンゼン(a.1.2)の成分としてのみ働く。本質的に第1のニトロ化装置(100)からの過剰なベンゼンのみを第2のニトロ化装置(200)で処理するので、第2のニトロ化装置(200)は第1のニトロ化装置(100)よりも実質的に小さい。ここで、出発ベンゼン中の脂肪族有機化合物の可能性のある増加した含量の欠点ははるかに重要でない。この手順により、第1のニトロ化装置(100)で使用される出発ベンゼン(a.1.1)が、もっぱら(すなわち、リサイクルされた「リサイクルベンゼン」の混和物を含まない)商業的に入手可能なベンゼンであることが可能であり(但し、これは一般的に事実であるが、後者が脂肪族有機化合物の最大含量に関して本発明による要件を満たす限り)、手順は先行技術から知られているプロセスに関して非経済的であるだろう。
図2の第1のニトロ化装置(一次装置)のみを使用するプロセスを示す。 一次装置を使用するプロセスを示す。
両変形例の実施形態を以下により詳細に記載する。当業者が文脈上自明の矛盾を認知しない限り、異なる実施形態を互いに自由に組み合わせることができる。
第1の変形例:
本発明によるプロセスの一実施形態では、脂肪族有機化合物の特異的除去がステップb)で行われる。この目的のために、ステップb)での相分離を、脂肪族有機化合物が使用される相分離装置の気相中に優勢に残り、前記した相で除去されるような条件下で行う。そのため、相分離装置の気相中の大気圧に対して測定される圧力(「過剰圧力」)を好ましくは20mbar〜200mbar、特に好ましくは30mbar〜100mbarの値に調節し、相分離装置中の温度を好ましくは100℃〜140℃、特に好ましくは120℃〜140℃の値に調節する。次いで、この気相(「低沸点溶剤流」または「低沸点流」とも言う)を、相分離装置のガス空間に接続されたオフガスラインを介してプロセスから除去し、さらに処理する。特に脂肪族有機化合物と共に窒素のガス(窒素酸化物)が存在する可能性のために、不活性ガス、好ましくは窒素を相分離装置に供給して低沸点溶剤流でガス状窒素酸化物を有効に除去することができるようにすることが好ましい。そのため、本発明はまた、特に脂肪族有機化合物および場合により窒素酸化物の除去を助けるために、不活性ガスを相分離装置に供給し、脂肪族有機化合物および場合により窒素酸化物を相分離装置のガス空間に接続されたオフガスラインを介して前記不活性ガスと共に除去するプロセスを提供する。
低沸点溶剤流のさらなる処理の性質は、その組成、すなわち、特に同伴するベンゼンの割合に依存する。ベンゼン含量が低い場合、好ましくは低沸点溶剤流を燃焼させる。しかしながら、低沸点溶剤流のベンゼン含量が十分に高い場合、このことは低沸点溶剤流が含有するベンゼンを回収または利用することをより経済的に意味があるものにし得る。そのため、本発明はまた、除去された脂肪族有機化合物の全部または一部を蒸留によって後処理して、脂肪族有機化合物と共に除去されたベンゼンを回収するプロセスを提供する。この目的のために、分離した低沸点溶剤流を、好ましくは1つまたは複数の段階で凝縮によって液化し、同時に凝縮水を分離するために相分離装置に供給する。好ましくは、脂肪族有機化合物を得られた有機相から蒸留して、ベンゼンを蒸留の塔底生成物流として得る。回収したベンゼンは好ましくは流(a.1)に加えられる。低沸点溶剤流のベンゼン含量が、各場合で、低沸点溶剤流の総質量基準で50.0質量%超、好ましくは70.0質量%超である場合に、この手順が好ましい。分離された脂肪族有機化合物は、好ましくは燃焼させられ、または石油化学工業に戻される。この変形例は、分離された脂肪族有機化合物がステップd)の後処理を受けないという利点を有する。特に、好ましい後処理の変形例では、水性媒体による洗浄およびその後の精留が、特に、いわゆる「中性洗浄」(詳細については以下の「ステップd(iii)」を参照)の相分離において、過剰量の脂肪族有機化合物が存在する場合、相分離の課題を生じさせるおそれがある。例えば、脂肪族有機化合物の含量があまりに高い場合、相分離時間が急激に増加することが確認されている。
別の実施形態では、脂肪族有機化合物の特異的除去がステップd)で起こる。ベンゼン、脂肪族有機化合物および残留水を含む、好ましくはステップd)で使用されるベンゼン精留塔の蒸気流をニトロベンゼンから蒸留すると、ニトロベンゼン生成物(d.1)が塔底生成物流として得られる。ベンゼンおよび脂肪族有機化合物の混合物を残留水から分離する。分離された残留水を、洗浄のためにリサイクルする。プロセスにリサイクルされる脂肪族有機化合物の総量を減少させるために、ベンゼンおよび脂肪族有機化合物の混合物の一部を、好ましくは「リサイクルベンゼン」(d.2)を使用するまで一時的に保存する槽から除去する。除去は、好ましくは「リサイクルベンゼン」(d.2)を使用するまで一時的に保存する槽、またはその入口もしくは出口ラインから、連続的または不連続的に行うことができる。除去されるベンゼンおよび脂肪族有機化合物の混合物の量は、本発明により要求される、脂肪族有機化合物に関しての出発ベンゼン(a.1)の仕様(または「規格」ともいう)を満たすように選択される。そのため、除去されるベンゼンおよび脂肪族有機化合物の混合物の量は、供給される新鮮なベンゼン中の脂肪族有機化合物の含量に依存する。ベンゼンおよび脂肪族有機化合物の混合物の大部分をニトロ化にリサイクルする。ニトロ化にリサイクルされない除去された有機物質は、燃焼させる、蒸留により後処理してベンゼンを回収する、または石油化学工業に戻すことができる。蒸留により回収したベンゼンは、好ましくは流(a.1)に追加される。
適当な選択透過膜を用いて、低沸点溶剤の分離を助けることができる。
第2の変形例:
本発明によるプロセスの第2の変形例では、ニトロ化が一連の2つのニトロ化装置で起こり、第2のニトロ化装置(二次装置、200)で使用される出発ベンゼンは、優勢にまたは完全に第1のニトロ化装置(一次装置、100)で得られる「リサイクルベンゼン」である。
第1のニトロ化装置(100)は、好ましくはいくつかの並列反応経路、特に好ましくは2〜4つの並列反応経路を含む。第2のニトロ化装置(200)は、好ましくは1つの反応経路のみを含む。第1のニトロ化装置は連続的に運転される。第2のニトロ化装置も連続的に運転することができるが、する必要はない。処理能力が小さいために(第2のニトロ化装置の出発ベンゼンは優勢にまたは完全に第1の反応経路の「リサイクルベンゼン」、すなわち、化学量論的過剰で使用されるベンゼンのみからなる)、第2のニトロ化装置は不連続的に運転することもできる。第1のニトロ化装置の運転中に第2のニトロ化装置中での製造が中断された場合、得られたリサイクルベンゼンを一時的にバッファ槽に保管する。
第1のニトロ化装置では、出発ベンゼン(以下の(a.1.1)により表される第2のニトロ化装置の出発ベンゼンとは異なる;手順は他のプロセス流と類似である)が、脂肪族有機化合物の含量が、各場合で、(a.1.1)の総質量基準で1.5質量%未満、好ましくは0.50質量%未満、特に好ましくは0.20質量%未満、極めて特に好ましくは0.10質量%未満であるベンゼンからなる。ここでは、ニトロ化の抽出物としてまだ使用されていないベンゼン(いわゆる「新鮮なベンゼン」または「未使用のベンゼン」)を使用することが好ましい。ここでは「リサイクルベンゼン」の追加を故意に省略する。商業的に入手可能な新鮮なベンゼン中の脂肪族有機化合物の含量は一般的に本発明による要件を満たすので、通常は直接使用することができる。しかしながら、入手可能な唯一の新鮮なベンゼンの純度が本発明による要件を満たさないものである場合には、これを第1のニトロ化装置のステップa)に使用する前に、好ましくは蒸留によって精製しなければならない。出発ベンゼン(a.1.1)中の脂肪族有機化合物の低い含量およびリサイクルベンゼンの計画的な省略のために、第1のニトロ化装置中の脂肪族有機化合物の特異的除去を省略した場合でさえ(これは好ましい手順である)、第1のニトロ化装置を問題なく運転することができる。しかしながら、脂肪族有機化合物を第1のニトロ化装置で特異的に除去しなげればならない場合、これを、好ましくは第1の変形例に関して上記のように、すなわち、ステップb)で使用される相分離装置の気相から低沸点溶剤流を除去することによって行うことができる。出発ベンゼンの構成成分としてのリサイクルベンゼンを省略するという特別な点を除いて、先行技術から知られている任意の断熱的ニトロ化プロセスによって第1のニトロ化装置を運転することができる。第1のニトロ化装置のステップd)で得られる「リサイクルベンゼン」(d.2.1)は、第1のニトロ化装置のステップa)にリサイクルしないが、場合により他のベンゼン、好ましくは新鮮なベンゼンと混合して、第2のニトロ化装置の出発ベンゼン(a.1.2)として使用される。出発ベンゼン中の脂肪族有機化合物の含量に関して本発明による上記で定義される要件を満たす(各場合で、出発ベンゼンの総質量基準で1.5質量%未満、好ましくは0.50質量%
未満、特に好ましくは0.20質量%未満、極めて特に好ましくは0.10質量%未満である)ことは、第2のニトロ化装置の出発ベンゼン(a.1.2)に必須ではない。この特別な点を除いて、先行技術から知られている任意の断熱的ニトロ化プロセスによって第2のニトロ化装置を運転することができる。相分離装置での硫酸を含む水相(b.1.2)の分離後に第2のニトロ化装置中に得られる粗製ニトロベンゼン(b.2.2)を、好ましくは第1のニトロ化装置の粗製ニトロベンゼン(b.2.1)と合わせて、これらを一緒にステップc)およびd)でさらに後処理する。したがって、2つのニトロ化装置を用いる変形例のこの好ましい態様では、合わせた粗製ニトロベンゼン流(b.2.1)および(b.2.2)の蒸留に由来する、ステップd)からのただ1つの「リサイクルベンゼン流」(d.2)が存在する。この実施形態では−オフガスを介してある程度は常に起こるので、第1のニトロ化装置でも起こる非特異的除去を除いて−第1のニトロ化装置(100)からの脂肪族有機化合物の特異的除去は、(他の従来のリサイクルよりむしろ)「リサイクルベンゼン」(d.2.1)の除去を介して行なわれる。第2のニトロ化装置からの脂肪族有機化合物の除去の態様については、異なる可能性が利用可能である:
第1のニトロ化装置の粗製ニトロベンゼン(b.2.1)と合わせる前に、第2のニトロ化装置からの粗製ニトロベンゼン(b.2.2)から、蒸留塔で脂肪族有機化合物および過剰なベンゼンを除去することができる。酸残留物が流(b.2.2)中に存在する可能性があるために、好ましくはこのような蒸留塔を耐食設計とする。ここで得られる、脂肪族有機化合物および過剰のベンゼンからなる低沸点溶剤流を、種々の方法でさらに処理することができる。ベンゼン含量が低い場合、低沸点溶剤流を好ましくは燃焼させる。しかしながら、低沸点溶剤流のベンゼン含量が十分に高い場合、このことは低沸点溶剤流が含有するベンゼンを回収または利用することをより経済的に意味があるものにし得る。そのため、本発明はまた、除去された脂肪族有機化合物の全部または一部を蒸留によって後処理して、脂肪族有機化合物と共に除去されたベンゼンを回収するプロセスを提供する。好ましくは脂肪族有機化合物を蒸留して、ベンゼンを蒸留の塔底生成物流として得る。回収したベンゼンを好ましくは流(a.1.1)に加える。低沸点溶剤流のベンゼン含量が、各場合で、低沸点溶剤流の総質量基準で50.0質量%超、好ましくは70.0質量%超である場合に、この手順が好ましい。分離された脂肪族有機化合物は好ましくは燃焼させられる。極めて特に好ましくは、この低沸点溶剤流を新鮮なベンゼン供給業者に返す。第2のニトロ化装置は脂肪族有機化合物の含量増加に明らかにあまり影響を受けないので、低沸点溶剤流の少なくとも一部をそのままで、すなわち、脂肪族有機化合物およびベンゼンへの蒸留分離なしに、出発ベンゼン(a.1.2)の追加の構成成分として使用するさらなる可能性がある。
原則として、第1の変形例のために記載した上記の脂肪族有機化合物を特異的に除去する異なる選択肢を第2の変形例のニトロ化装置(200)にも使用することができる。しかしながら、脂肪族有機化合物の含量増加の不利な効果が、小型の二次装置(200)では一次装置(100)ほどはるかに実質的ではないので、これは必須ではない。
第2の変形例の1つの可能な実施形態を添付の図2を用いて以下により詳細に示す:
第1のニトロ化装置(一次装置)
硫酸流(11)=(a.2.1)、硝酸流(12)=(a.3.1)および新鮮なベンゼン流(13)=(a.1.1)を反応器(1)に供給する。いったん断熱的反応条件下で全ての硝酸がベンゼンと反応してニトロベンゼンが得られたら、ここでは約130℃の温度で、反応生成物(14)を相分離装置(2)に供給し、この装置中で反応生成物(14)を、有機相((15)=(b.2.1)=ニトロベンゼンに加えてベンゼンおよび低沸点溶剤を含む、粗製ニトロベンゼン)および水相((16)=(b.1.1)=硫酸に加えてごく一部のニトロベンゼンおよびベンゼンをまだ含む、廃酸)に分離する。主に硫酸を含む水相(16)を、急な減圧によるエバポレーター(3)中での水のフラッシュ蒸発に供し、それによって濃縮する。濃硫酸(17)を再利用するまで硫酸槽(4)に保管する。相分離装置での分離後、粗製ニトロベンゼン(15)=(b.2.1)を粗製ニトロベンゼン冷却器(5)で約50℃に冷却し、洗浄器(6)に供給する。ニトロフェノールおよび塩を実質的に除去し、得られた予備精製ニトロベンゼン(18)流を再度加熱し、蒸留塔(7)で、まだ存在する水、ベンゼンおよび低沸点溶剤(これらは塔頂で分離する(19))を除去し、純粋なニトロベンゼン(20)=(d.1.1)を得て、これを槽(8)に保管する。蒸留塔(7)の凝縮塔頂生成物(19)を相分離装置(9)に供給し、この装置中で塔頂生成物を、有機相((21)=(d.2.1)、ベンゼンを含む)および水相(22)に分離する。有機相(21)=(d.2.1)を槽(10)に導き入れる。
第2のニトロ化装置(小型、単一経路二次装置)
硫酸流(11)=(a.2.2)、硝酸流(12)=(a.3.2)、場合により新鮮なベンゼン流(13)および槽(10)からの有機相(21)=(d.2.1)を反応器(1)に供給する。いったん断熱的反応条件下で全ての硝酸がベンゼンと反応してニトロベンゼンが得られたら、ここでは約130℃の温度で反応生成物(14)を相分離装置(2)に供給し、この装置中で反応生成物(14)を、有機相((15)=(b.2.2)=ニトロベンゼンに加えてベンゼンおよび低沸点溶剤を含む、粗製ニトロベンゼン)および水相((16)=(b.1.2)=硫酸に加えてごく一部のニトロベンゼンおよびベンゼンをまだ含む、廃酸)に分離する。主に硫酸を含む水相(16)=(b.1.2)を、第1のニトロ化装置中での新鮮なベンゼンの上流ニトロ化の、主に硫酸を含む相(16)=(b.1.1)と合わせ、これらを一緒に急な減圧によるエバポレーター(3)中での水のフラッシュ蒸発に供し、それによってこれらも濃縮する。濃硫酸(17)を再利用するまで硫酸槽(4)に保管する。相分離装置(2)での分離後、蒸留塔(7)中で粗製ニトロベンゼン(15)=(b.2.2)から低沸点溶剤および相当する量のベンゼンを除去する。これは直接的または蒸気を用いた間接的加熱によって行うことができる。脂肪族有機化合物が少なく、蒸留塔(7)の塔頂で回収されなかったニトロベンゼンを含む塔底生成物(24)=(b.2.2)を、粗製ニトロベンゼン流(15)=(b.2.1)と合わせ、これらを一緒に粗製ニトロベンゼン冷却器(5)で約50℃に冷却し、洗浄器(6)に供給する。したがって、この変形例では、古典的な意味でのリサイクルベンゼン流が存在しない。しかしながら、(b.2.1)=(15)および(b.2.2)=(24)を合わせた粗製ニトロベンゼン流の蒸留に由来する、ステップd)からのリサイクルベンゼン流(d.2)=(21)が存在し、これは第2のニトロ化装置で処理される。蒸留塔(7)の塔頂生成物(23)(低沸点溶剤流)をバッファ槽(25)に一時的に保管する。
全ての実施形態で、脂肪族有機化合物の分画を、例えば、ニトロ化装置の洗浄および蒸留装置などの他の運転装置のオフガスを介して除去することがさらに可能である。
本発明によるプロセスの全ての実施形態では、脂肪族有機化合物の特異的除去を、好ましくはリサイクルベンゼン(d.2)中の脂肪族有機化合物の含量が、各場合で、(d.2)の総質量基準で0.1質量%〜60.0質量%、特に好ましくは0.1質量%〜40.0質量%、極めて特に好ましくは0.1質量%〜20.0質量%、極度に特に好ましくは0.0001質量%〜10.0質量%となるように調整する。
両変形例および脂肪族有機化合物の特異的除去の全ての上記実施形態で同じである本発明のステップを以下に詳細に示す。当業者が文脈上自明の矛盾を認知しない限り、異なる実施形態を互いに自由に組み合わせることができる。
原則として、過剰のベンゼンおよび出発材料の純度に関する特定の境界条件を満たすことができる限り、先行技術から知られている断熱的ニトロ化プロセスのいずれかによってステップa)を行うことができる。本発明によるプロセスのこのステップを、好ましくはいくつかの分散要素が反応器の長さにわたって分布しており、ベンゼン、硝酸および硫酸の強い分散および相互混合を確保する管型反応器を用いて実行する。このような反応器、および使用することができる分散要素の形状は、例えば、欧州特許第0708076号明細書(図2)および欧州特許出願公開第1291078号明細書(図1)に記載されている。好ましくは、独国特許出願公開第102008048713号明細書の特に第0024段落に記載されているような手順によってステップa)を実行する。
ステップb)での相分離も、当業者によく知られている分離槽で、先行技術からそれ自体知られている方法によって行う。水相(b.1)は、無機不純物と共に本質的に硫酸(反応の水の形成および使用される硝酸からの反応への水の吸い込みにより希釈されている)を含み、有機相(b.2)は過剰のベンゼンおよび有機不純物と共に本質的にニトロベンゼンを含む。
原則として、ステップc)での水相(b.1)の濃縮は、先行技術から知られている様式で行う。水相中の硫酸は、減圧の領域に水を蒸発させることによるフラッシュエバポレーターで濃縮する。混酸によるベンゼンの断熱的ニトロ化における反応条件が正確に選択されると、発熱反応の熱が、フラッシュエバポレーター中の硫酸を含む水相の濃度および温度を、この相がベンゼンおよび硝酸との反応の前に反応空間に入るような濃度および温度に同時に戻すことができるのに十分な程度に、硫酸を含む水相(b.1)を加熱する、すなわち、(c.1)は温度および濃度に関して(a.2)に合致している。これは、欧州特許出願公開第2354117号明細書の特に第0045段落に記載されている。
原則として、ステップd)での有機相(b.2)の後処理は、先行技術から知られている様式で行う。好ましい手順を以下に記載する:
通常、依然として微量の酸を含有する有機相(b.2)を、水性洗浄液により1回または2回の洗浄で、好ましくは1回の洗浄で洗浄し、次いで、(数回の洗浄の場合には、各個々の洗浄後に)相分離によって酸性水相から分離する。粗製ニトロベンゼン(b.2)に含有している酸残留物をこのプロセスで洗い流すので、このプロセスステップは酸洗浄とも呼ばれる。このステップは先行技術から十分に周知であるので、ここでは簡単に概説する。好ましくは、運転中に得られる水性流を、この酸洗浄を行う目的でリサイクルする。(ステップd(i).)
次いで、得られた有機相を、好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸水素ナトリウムから選択される塩基の水溶液により1回または2回のアルカリ洗浄で、好ましくは1回の洗浄で洗浄し、次いで、(数回の洗浄の場合には、各個々の洗浄後に)相分離によってアルカリ性洗浄水から分離する。特に好ましくは、水酸化ナトリウム溶液を水性塩基溶液として使用する。このステップは先行技術から十分に周知であるので、ここでは簡単に概説する。使用する水酸化ナトリウム溶液のpHおよびその有機相との質量比を、酸性不純物(例えば、副産物として形成されたニトロフェノールおよびステップd(i)で完全には除去されなかった酸残留物)が、この/これらのアルカリ洗浄で実質的にまたは完全に中和され、好ましくは完全に中和されるように調節する。アルカリ性溶出物のその後の後処理は、先行技術の、例えば、欧州特許出願公開第1593654号明細書および欧州特許出願公開第1132347号明細書によるプロセスによって行うことができる。(ステップd(ii).)
最後に、得られた有機相を水により少なくとも1回、好ましくは2〜4回、特に好ましくは2または3回、極めて特に好ましくは2回の中性洗浄で洗浄し、次いで、(数回の洗浄の場合には、各個々の洗浄後に)相分離によって水相から分離する。原則として、これは、先行技術で慣用的に使用されるプロセスのいずれかによって行うことができる。ここで使用する洗浄水は、好ましくは脱塩水、特に好ましくは脱塩水と蒸気凝縮物(すなわち、水と任意の発熱プロセスステップとの間の熱交換によって得られた水蒸気の凝縮物)の混合物、極めて特に好ましくは蒸気凝縮物である。好ましい手順は、電気泳動(electrophoresis)を最後の中性洗浄に使用するものである(国際公開第2012/013678号パンフレット参照)。(ステップd(iii).)
洗浄されたニトロベンゼンから最後に、さらなる後処理によって、溶解した水、未反応ベンゼン、および場合により有機不純物を除去する。この後処理は、好ましくは蒸留によって行い、水、ベンゼンおよび場合により有機不純物の蒸気を塔頂で除去する。蒸気を冷却し、分離槽に導き入れる。水が下相に沈殿するのでこれを分離する。上相はベンゼンおよび低沸点溶剤を含み、これらをリサイクルベンゼン(d.2)として反応にリサイクルする。好ましくは精留塔を蒸留装置として使用する。場合によりニトロベンゼンが留出物として(すなわち、塔頂または側流生成物として)得られるさらなる蒸留後の、蒸留の塔底生成物を、他の目的(アニリンへの水素化など)のために純粋なニトロベンゼン(d.1)として使用する。(ステップd(iv).)
出発ベンゼン(a.1またはa.1.1)中の脂肪族有機化合物の含量が最小化されると、以下の利点が得られる:
i)ステップb)の分離槽で得られる、脂肪族有機化合物が少ない粗製ニトロベンゼンは、酸洗浄に入る前の冷却のための冷却媒体をあまり必要としない。
ii)洗浄後の蒸留で要求される、脂肪族有機化合物が少ない粗製ニトロベンゼンの加熱が、加熱媒体をあまり必要としない。
iii)ピクリン酸などの反応副産物の形成が最小化される。
iv)酸洗浄での硫酸損失がより少ない。
v)脂肪族化合物を含まないベンゼンのニトロ化が、反応への水力学負荷が小さいので利用可能な製造能力が高いという追加の利点を有する。
vi)相分離時間の短縮によって、ステップd(iii)での相分離の課題が最小化され、装置のための資本支出が低減される。
vii)窒素酸化物(NOx)などの反応副産物の形成が最小化される。
プロセスサイクルからの脂肪族有機化合物の連続的または不連続的排出があるベンゼンの断熱的ニトロ化によるニトロベンゼンの調製においては、本発明による仕様(または「規格」とも言う)を満たす出発ベンゼンを用いてニトロ化を行うと、高いプラント生産性、低いエネルギーコストおよび優れた製品品質が達成される。
特に明示しない限り、含量(ppmまたは%)は、当の材料(材料流)の総質量に基づく質量による。分析値はガスクロマトグラフィーによって測定した。
実施例1〜5
図1に示すプロセスによりニトロ化を行った。図1は、図2の第1のニトロ化装置(一次装置)のみを使用するプロセスを示している。図1の参照番号は、図2の一次装置について上に示されるものと同じ意味を有する。新鮮なベンゼンは200ppm〜2000ppmの範囲の脂肪族有機化合物(以下、「脂肪族化合物」とも言う)を含んでいた。硝酸基準で化学量論的に過剰のベンゼンを、理論値の4.0%〜10%の値に調節した。リサイクルベンゼン(21)=(d.2)は、リサイクルベンゼンの総質量基準で10質量%〜50質量%の脂肪族化合物を含んでいた。出発ベンゼンの脂肪族化合物含量は、新鮮なベンゼンの特定の脂肪族化合物含量およびリサイクルベンゼンの対応する脂肪族化合物含量からなる。出発ベンゼンの脂肪族化合物含量が増加するにつれて、硫酸損失およびピクリン酸値が増加することが分かる。脂肪族化合物を、53mbarの過剰窒素圧力下、相分離装置で除去した。ニトロ化溶液の温度は130℃〜133℃であった。相分離装置からのオフガスを1段階で凝縮した。
実施例6
図2に示すプロセスにより、第1のニトロ化装置(一次装置)と第2の下流ニトロ化装置(二次装置)でニトロ化を行った。
一次装置を、もっぱら1013ppmの脂肪族有機化合物(以下、「脂肪族化合物」とも言う)を含む新鮮なベンゼン(13)を用いて運転した。得られたリサイクルベンゼン(21)=(d.2.1)は、リサイクルベンゼンの総質量基準で約1.818質量%の脂肪族化合物を含んでおり、これを二次装置の反応(1)に供給した。硫酸流(11)=(a.2.2)および硝酸流(12)=(a.3.2)も二次装置の反応器(1)に供給した。硝酸基準で化学量論的に過剰のベンゼンを、一次および二次装置で理論値の4.0%〜10%の値に調節した。出発ベンゼン中約1000ppmという極めて低含量の脂肪族化合物を用いる一次装置では、硫酸損失が極めて少量に過ぎず、粗製ニトロベンゼン中のピクリン酸値が極めて低いことが分かる。二次装置において、リサイクルされた硫酸を相分離装置(2)で低相(16)として分離し、一次装置からリサイクルされた硫酸(流16)と合わせて、一次装置のエバポレーター(3)で濃縮した。分離装置の上部有機相を二次装置の蒸留塔(7)に導き入れ、ここでニトロベンゼンからベンゼン、脂肪族化合物および微量の水を除去し、流(24)として一次装置にリサイクルし、ここでこれを粗製ニトロベンゼン(流15)と合わせ、一次装置の熱交換器(5)で冷却した。蒸留塔からの蒸気から、相分離装置で水を除去し、有機相(23)をバッファ槽(25)に導き入れた。
実施例1〜6を以下の表1で説明する。
Figure 0006250662
実施例は、本発明によるプロセスが、硫酸損失を最小化し、粗製ニトロベンゼンのピクリン酸含量を著しく低下させることができることを示している。
実施例7:相分離と脂肪族化合物含量との間の関係の説明
脂肪族化合物含量の、ニトロベンゼン、場合によりベンゼンと脂肪族化合物の混合物の相分離への影響を調査するために、各場合で、有機混合物の総質量基準で最大で3.89質量%の含量まで、ニトロベンゼンおよびニトロベンゼン/ベンゼン混合物に脂肪族化合物を添加した。使用したニトロベンゼンの脂肪族化合物含量は無視できるほど小さい(<100ppm)ので、その後の検討では無視した。ニトロベンゼンはニトロフェノールおよび酸を含まなかった。結果として、再処理される場合は、粗製ニトロベンゼンの中性洗浄の場合であった(ステップd(iii))。脂肪族化合物含量を変化させることによって、脂肪族化合物の事前の分離が、洗浄で注目すべきものとなるかどうかを試験することが可能であった。
実施例7a:ニトロベンゼンおよび脱塩水(脱塩水に対する有機相の質量比=2.8)を、ディスク型攪拌機を備える加熱可能な分離漏斗中40℃および600rpmで10分間攪拌した。次いで、攪拌を停止し、完全な相分離にかかった時間を測定した。
実施例7b:ニトロベンゼン、ベンゼン(ニトロベンゼンの質量の8.74%)および脱塩水(脱塩水に対する有機相の比=2.8)を、ディスク型攪拌機を備える加熱可能な分離漏斗中40℃および600rpmで10分間攪拌した。次いで、攪拌を停止し、完全な相分離にかかった時間を測定した。
実施例7cおよび7d:ニトロベンゼン、ベンゼン/脂肪族化合物混合物および脱塩水(脱塩水に対する有機相の比=2.8)を、ディスク型攪拌機を備える加熱可能な分離漏斗中40℃および600rpmで10分間攪拌した。次いで、攪拌を停止し、完全な相分離にかかった時間を測定した。
表2の結果は、中性洗浄における脂肪族化合物の含量が低いことが相分離時間に有利な効果をもたさすので、脂肪族化合物の一部のみが分離される場合でさえ、相分離に要する槽のサイズを低減することが可能であることを示している。
Figure 0006250662
結果は、相分離時間が脂肪族化合物含量と共に増加することを示している。
1 反応器
2、2 相分離装置
3 エバポレーター
4 硫酸槽
5 粗製ニトロベンゼン冷却器、一次装置の熱交換器
6 洗浄器
7、7 蒸留塔
8 槽
9 相分離装置
10 槽
11、11 硫酸流
12、12 硝酸流
13、13 ベンゼン流
14、14 反応生成物
15、15 粗製ニトロベンゼン流、有機相
16、16 硫酸流、水相
17 濃硫酸
18 予備精製ニトロベンゼン
19 凝縮塔頂生成物
20 ニトロベンゼン
21 有機相、リサイクルベンゼン
22 水相
23 塔頂生成物、有機相
24 塔底生成物、流
25 バッファ槽
100 第1の連続運転ニトロ化装置(一次装置)
200 第2の連続または不連続運転ニトロ化装置(二次装置)

Claims (8)

  1. ニトロ化装置中でベンゼンのニトロ化によってニトロベンゼンを調製する連続断熱的プロセスであって、
    a) (a.1)の総質量基準で少なくとも90質量%のベンゼンを含むベンゼン含有流(a.1)を、断熱的条件下で、反応器中で硫酸(a.2)および硝酸(a.3)の混合物と、前記ベンゼンを硝酸(a.3)基準で化学量論的に過剰量で使用して反応させ、
    b) ステップa)で得られたプロセス生成物を相分離装置中で、硫酸を含む水相(b.1)およびニトロベンゼンを含む有機相(b.2)に分離し、
    c) ステップb)で得られた前記水相(b.1)を水の蒸発によって濃縮して、(b.1)よりも高い硫酸濃度を有する水相(c.1)を得て、前記相(c.1)の全部または一部をステップa)にリサイクルして(a.2)の成分として使用し、かつ
    d) ステップb)で得られた前記有機相(b.2)を純粋なニトロベンゼン(d.1)まで後処理して、ベンゼン含有流(d.2)を得て、この全部または一部をステップa)の前記ニトロ化装置における(a.1)の成分として使用し、
    前記(a.1)の総質量基準で1.5質量%未満の脂肪族有機化合物の含量を有するベンゼン含有流(a.1)のみが前記反応器に供給されるように、少なくとも1つの点で前記プロセスから脂肪族有機化合物を除去することを特徴とする、
    連続断熱的プロセス。
  2. それぞれ少なくとも1つの反応器(1、1)を有する一連の2つのニトロ化装置(100、200)中でのベンゼンのニトロ化によってニトロベンゼンを調製する断熱的プロセスであって、
    a) (a.1.1)の総質量基準で1.5質量%未満の脂肪族有機化合物の含量を有するベンゼン(a.1.1)のみを、断熱的条件下で、第1の連続運転ニトロ化装置(100)の反応器(1)中で硫酸(a.2.1)および硝酸(a.3.1)の混合物と、前記ベンゼンを硝酸(a.3.1)基準で化学量論的に過剰で使用して反応させ、
    b) ステップa)で得られたプロセス生成物を、相分離装置(2)中で硫酸を含む水相(b.1.1)およびニトロベンゼンを含む有機相(b.2.1)に分離し、
    c) ステップb)で得られた前記水相(b.1.1)を水の蒸発によって濃縮して、(b.1.1)よりも高い硫酸濃度を有する水相(c.1.1)を得て、前記相(c.1.1)の全部または一部をステップa)にリサイクルして(a.2.1)の成分として使用し、
    d) ステップb)で得られた前記有機相(b.2.1)を純粋なニトロベンゼン(d.1.1)まで後処理し、ベンゼン含有流(d.2.1)を得て、
    かつ、前記ベンゼン含有流(d.2.1)を、断熱的条件下で、第2の連続または不連続運転ニトロ化装置(200)の反応器(1)中で硫酸(a.2.2)および硝酸(a.3.2)の混合物と反応させてニトロベンゼンを得て、前記ベンゼンは硝酸(a.3.2)基準で化学量論的に過剰で、好ましくは理論値の2.0%〜20%過剰、特に好ましくは5.0%〜10%過剰で使用し、次いで第2の連続または不連続運転ニトロ化装置(200)の反応器(1 )中で形成された前記ニトロベンゼンを後処理して純粋なニトロベンゼンとする、
    断熱的プロセス。
  3. 前記脂肪族有機化合物が、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、ビシクロヘプタン、ジメチルシクロペンタンの異性体、エチルシクロペンタン、ペンタン、シクロペンタン、2−メチルヘキサン、またはそれらの組合せを含んでなる、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. ステップb)で使用される前記相分離装置の気相中の大気圧に対して測定される圧力を20mbar〜200mbarの値に調節し、ステップb)で使用される前記相分離装置中の温度を100℃〜140℃の値に調節し、かつ脂肪族有機化合物をステップb)で使用される前記相分離装置の前記気相で除去する、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記脂肪族有機化合物の除去を助けるために、不活性ガスを前記相分離装置に供給し、前記脂肪族有機化合物を前記相分離装置のガス空間に接続されたオフガスラインを介して前記不活性ガスと共に除去する、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記反応器(1)中での断熱的反応で得られた前記プロセス生成物を、相分離装置(2)中で硫酸を含む水相(b.1.2)およびニトロベンゼンを含む有機相(b.2.2)に分離し、前記有機相(b.2.2)=(15)から、蒸留塔(7)中で、脂肪族有機化合物および過剰なベンゼンを除去し、次いで、これを前記第1のニトロ化装置(100)の前記有機相(b.2.1)=(15)と混合する、請求項2に記載のプロセス。
  7. 除去された前記脂肪族有機化合物の全部または一部を蒸留によって後処理して、前記脂肪族有機化合物と共に除去されたベンゼンを回収する、請求項1および3から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記回収されたベンゼンの全部または一部を前記流(a.1)または(a.1.1)の成分として使用する、請求項7に記載のプロセス。
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