JP2008024706A - ジニトロトルエンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トルエンと硝酸とを硫酸の存在下で反応させてジニトロトルエンを形成するにあたり、高いトルエン転化率とともにDNTに関する高い選択性と、反応段階に直接供給される硝酸を高くかつ選択的な利用を簡単なプラントの調整を用いて可能にする。
【解決手段】(1)モノニトロ化工程における水相と有機相との質量比が2:1より高い;(2)有機相を、各ニトロ化反応において酸含有の水相中に分散させる;及び(3)トルエン1モル当たりに使用される硝酸の量は、2.06モル未満であるジニトロトルエンの製造のための二段階ニトロ化法によって解決される。
【選択図】なし
【解決手段】(1)モノニトロ化工程における水相と有機相との質量比が2:1より高い;(2)有機相を、各ニトロ化反応において酸含有の水相中に分散させる;及び(3)トルエン1モル当たりに使用される硝酸の量は、2.06モル未満であるジニトロトルエンの製造のための二段階ニトロ化法によって解決される。
【選択図】なし
Description
本発明は、ジニトロトルエンを、トルエンの混酸(硝酸と硫酸との混合物)でのニトロ化によって製造するための方法において、第一段階で、トルエンをモノニトロトルエン(MNT)に変換させ、次いで第二段階で、モノニトロトルエンをジニトロトルエン(DNT)に変換させるジニトロトルエンの製造方法に関する。
ジニトロトルエン(DNT)は、トルエンジイソシアネート(TDI)の製造のための中間体であり、トルエンジイソシアネートは、ポリウレタンの製造のために工業的規模で製造される重要な出発材料である。
ジニトロトルエンを、トルエンの混酸(硝酸と硫酸との混合物)でのニトロ化により製造することは知られており、その製造は、多くに記載されている(例えばウールマンの工業化学事典、第4版、第17巻、第391頁以降、1979年、Chemie出版、ヴァインハイム/ニューヨーク(Ullmann's Enzyklopedie der technischen Chemie,4th edition,volume 17,pages 391 ff,1979,Verlag Chemie Weinheim/New York)を参照のこと)。その工業的製造は、例えばH.Hermann、J.Gebauer、P.Konieczny著の"トルエンのジニトロトルエンへの工業的ニトロ化"、ACS−シンポジウム、シリーズ623、234−249、1996年、L.F.Albright編、R.V.C.Carr、R.J.Schmitt(H.Hermann,J.Gebauer,P.Konieczny,"Industrial Nitration of Toluene to Dinitrotoluene" in ACS−Symposium,Series 623,234−249,1996,ed.L.F.Albright,R.V.C.Carr,R.J.Schmitt)に記載されるようにして、主として等温的に、硝酸を用いて触媒として硫酸の存在下で連続的に二段階において、
− a)ジニトロ化(MNTのDNTへのニトロ化)で得られた反応混合物を相分離によって分離し、そして使用された酸を再び硝酸で強化し、次いでトルエンと混合し、モノニトロ化(トルエンのMNTへのニトロ化)中に供給し、そして
− b)モノニトロ化からの反応混合物を、分離段階において反応の完了時に、モノニトロトルエンを含有する有機相と、主に硫酸を含有する水相("廃酸")とに分離し、そして
− c)モノニトロトルエンを含有するb)で得られた有機相を、ジニトロ化中に供給し、そこでモノニトロトルエンと硝酸とを硫酸の存在下で反応させて、ジニトロトルエンを形成させる
ことで行われる。
− a)ジニトロ化(MNTのDNTへのニトロ化)で得られた反応混合物を相分離によって分離し、そして使用された酸を再び硝酸で強化し、次いでトルエンと混合し、モノニトロ化(トルエンのMNTへのニトロ化)中に供給し、そして
− b)モノニトロ化からの反応混合物を、分離段階において反応の完了時に、モノニトロトルエンを含有する有機相と、主に硫酸を含有する水相("廃酸")とに分離し、そして
− c)モノニトロトルエンを含有するb)で得られた有機相を、ジニトロ化中に供給し、そこでモノニトロトルエンと硝酸とを硫酸の存在下で反応させて、ジニトロトルエンを形成させる
ことで行われる。
産業上の仕様を達成するために、こうして得られた粗製DNTは、一般に下流段階で処理、主に洗浄され、こうして溶解された硫酸と硝酸の含分並びに反応段階で形成された二次成分、例えばクレゾール及びその分解産物の大部分が除去される。典型定な産業上のDNT生成物は、DNT生成物混合物の質量に対して、98.5質量%より多いDNT含有率、0.1質量%未満のモノニトロトルエン、0.1質量%未満のトリニトロトルエン、そして0.1質量%未満の他の二次成分を有し、その際、DNT収率は98%より高く、トルエン転化率は99.9%より高い。2,4−DNT異性体及び2,6−DNT異性体の全体と、2,3−DNT異性体、3,4−DNT異性体、2,5−DNT異性体及び3,5−DNT異性体の全体との質量比もまた必須である。産業上の仕様によれば、粗製DNT中の2,4−DNT異性体及び2,6−DNT異性体の全体の含有率は、粗製DNTの質量に対して95質量%より高い。2,4−DNTの含有率は、2,4−DNT及び2,6−DNTの質量の合計に対して79.0〜81.0質量%であることが好ましい。従って、2,6−DNTの含有率は、2,4−DNT及び2,6−DNTの質量の合計に対して19.0〜21.0質量%である。
粗製DNTに加えて、モノニトロ化において得られる反応混合物の分離において廃酸が得られ、該廃酸は、二次物質流として系から排出される。廃酸は、一般に、70〜74質量%の硫酸含有率を有し、かつ一般に、0.1質量%より多い、有利には0.2質量%〜1.5質量%より多い未反応の硝酸、二次反応で生ずる酸化過程からのニトロスルホン酸、0.2質量%より多い相分離で分離されなかったMNT、及び一般に26質量%より多く30質量%未満の濃度範囲で水(プロセス中に供給される新たな硫酸とともに導入される水と、硝酸中に含まれる水と、トルエンとモノニトロトルエンのニトロ化の間に形成される水とを含んでいる)を含有する、その際、含有率はそれぞれの場合に廃酸の質量に対するものである。
硝酸を用いた硫酸の存在下での、トルエンのジニトロトルエンへの二段階の等温ニトロ化において、高度に濃縮された硝酸の使用(DE102004005913号A)と、共沸硝酸及び準共沸硝酸の使用(EP0903336号A2)の両方が、57〜69質量%より高い濃度範囲で記載されている。69質量%より高い濃度は、高められたコスト集約的な技術的入力を要求し、それは実質的に共沸物の払拭により引き起こされる。
触媒としてかつ除水剤として作用する、使用される硫酸の濃度は、工業的なDNTプラントにおいて、実質的に、プロセス中に供給される硝酸の濃度と、モノニトロ化段階における反応条件とによって影響される。
好適な条件下では、硝酸は、トルエンのジニトロトルエンへの硝酸を用いた硫酸の存在下での等温的な二段階ニトロ化において、有機化合物をニトロ化しうるだけでなく、その酸化もしうることが知られている。トルエン、MNT又はDNTの酸化により得られる考えられる化合物は、クレゾール、フェノール及びそれらのニトロ化生成物である。低濃度の硫酸は、硝酸の酸化傾向を強化するので、反応混合物中の有機副生成物の含有率は、硫酸濃度の低下にともない増大する。他方で、硫酸濃度が低下すると、モノニトロ化において望まれるニトロ化反応の速度が低下する。両方の現象は、工業的なDNTプラントにおいて、このプロセスを経済的に運転できる硫酸濃度についての下限に導く。この限界は、一般に約70質量%である(EP0903336号A2)。
この限界値は、ジニトロ化段階の相分離において得られ、かつモノニトロ化段階に再循環される廃酸の硫酸濃度についての帰結を有する。ジニトロ化段階からの廃酸中のH2SO4の濃度は、一般に80質量%より高く、一方で、モノニトロ化を通じた硫酸スループットを制限し、そして他方で、ジニトロ化段階におけるニトロ化についての高い反応速度を保証する。硫酸の濃度は、またジニトロ化段階における所望の反応の速度に多大な影響を及ぼすので、濃度低下は、より遅い反応速度をもたらす。
概説した所要濃度と、前記の工業的なDNTの仕様を満足するために、硫酸の質量に対して、93〜98質量%のH2SO4又はそれより多くが、一般に、等温的な二段階法を用いた工業的なDNTプラントにおいて使用される。硝酸の質量に対して、60〜65質量%のHNO3の範囲の準共沸硝酸を使用する場合に、硫酸の質量に対して、95質量%より高い濃度のH2SO4を有する硫酸が一般に使用される。これとは異なり、EP0903336号A2は、86〜91質量%、有利には87〜89質量%の硫酸の使用を教示している。その使用される酸は、新たに製造することもでき、又はモノニトロ化からの反応混合物の相分離からの廃酸を濃縮プラントにおいて濃縮することによっても得ることができる。
トルエンの硝酸での硫酸の存在下での二段階の連続的な等温的なニトロ化のための前記の標準的な方法の他に、トルエンのジニトロトルエンへのニトロ化を混酸を用いて連続的に三段階で(EP903336号A)又は断熱的に一段階又は二段階において、EP597361号A及びEP696570号Aに記載されるように、全ての反応熱を、トルエンのDNTへのニトロ化からか又はEP696571号に記載されるようにDNT段階だけから用いて、ニトロ化からの反応水と硝酸により混酸中に導入される水とを分離除去して実施することが提案されている。更に、US5948944号A及びUS2362743号Aにおいては、トルエンのDNTへのニトロ化を、硝酸中でのみ反応媒体として実施し、こうして硫酸の使用を回避することが提案された。
硝酸を用いたトルエンのニトロ化によるDNTの製造のための全ての方法において、プロセスの経済的な運転のためには、例えばEP155586号A及びUS5275701号Aに記載されるように、プロセスにおいて形成する廃酸を、これらが反応媒体として再び反応プロセス中に供給できるように再生できることが不可欠である。
しかしながら、ニトロ化プロセスの選択に必須の配慮は、また、その固有プロセス安全性、運転することができる堅牢性、トルエンをジニトロトルエンに転化できる選択性と完全性、そしてトルエンのジニトロトルエンへの転化に必要な硝酸の特殊な使用である。
前記の基準の観点で、ジニトロトルエンのトルエンからの硝酸を用いた工業的規模の製造は、主にいわゆる混酸法又は混合酸法に従って行われ、その際、トルエンを、連続的に硝酸と硫酸の存在下で等温的に運転される2つの反応段階において反応させて、ジニトロトルエンが形成される。前記の混酸法において、
− a)ジニトロ化(MNTのDNTへのニトロ化)において得られる反応混合物を、相分離によって分離し、そしてこうして得られる使用される酸を、硝酸を用いて再び強化させ、次いでトルエンと混合し、そしてモノニトロ化(トルエンのMNTへのニトロ化)中に供給し、そして
− b)モノニトロ化からの反応混合物を、分離段階において反応完了時に、モノニトロトルエンを含有する有機相と、主に硫酸を含有する水相("廃酸")とに分離し、そして
− c)モノニトロトルエンを含有するb)において得られる有機相を、ジニトロ化中に供給し、そこでモノニトロトルエンと硝酸とを、硫酸の存在下で反応させて、ジニトロトルエンが形成する。
− a)ジニトロ化(MNTのDNTへのニトロ化)において得られる反応混合物を、相分離によって分離し、そしてこうして得られる使用される酸を、硝酸を用いて再び強化させ、次いでトルエンと混合し、そしてモノニトロ化(トルエンのMNTへのニトロ化)中に供給し、そして
− b)モノニトロ化からの反応混合物を、分離段階において反応完了時に、モノニトロトルエンを含有する有機相と、主に硫酸を含有する水相("廃酸")とに分離し、そして
− c)モノニトロトルエンを含有するb)において得られる有機相を、ジニトロ化中に供給し、そこでモノニトロトルエンと硝酸とを、硫酸の存在下で反応させて、ジニトロトルエンが形成する。
トルエン反応の選択性は、実質的に、プロセスの2つの反応段階における硫酸濃度によって影響される。上述したように、モノニトロ化における、硫酸の質量に対して70質量%未満のH2SO4の硫酸濃度は、硝酸の高められた酸化傾向をもたらし、トルエン、MNT又はDNTの酸化の結果として、クレゾール、フェノール及びそれらのニトロ生成物及び分解生成物が得られる。他方で、ジニトロ化段階における高すぎる硫酸濃度は、一定に存在する硝酸のため、トリニトロトルエンの高められた形成をもたらす。
該反応段階における反応の所望の完全性は、所定の滞留時間で、硫酸濃度と選択された反応温度とによっても影響される。更に、それは、硫酸相中の硝酸濃度に依存する。また、反応段階で生ずる界面にも依存する。それというのも、両方のニトロ化段階における反応混合物は、微量の酸のみを含有する有機相と硫酸相とに分解する傾向にあるからである。
ニトロ化されるべき成分に対する硝酸の高い特殊な使用は、それらの反応を促進するが、他方で、それは、モノニトロ化段階の相分離で得られる廃酸又はジニトロ化段階の相分離で分離されるDNTの顕著な硝酸負荷を引き起こす。また、多大な量の未反応の硝酸をもたらし、該酸を両方の物質流から除去し、そして後続段階において再生する必要があり、それは次いで反応段階に返送することができる。
トルエンの硝酸を用いた硫酸の存在下での等温的な二段階反応はその経済的効率の点で改良の試みに事欠かなかった。それというのも、ジニトロトルエンの製造は、大規模で工業的に実施され、この重要な工業法において小さな経済的改善でさえも大きな経済的関心につながるからである。
EP903336号Aは、有利には87〜89質量%の硫酸の使用を教示しており、該硫酸は、モノニトロ化からの廃酸の再生によって製造され、そしてかなり少ない費用で89質量%より高い含有率を有する硫酸として得ることができる。より低い硫酸濃度は、プロセスを二段階よりむしろ三段階で実施するという事実によって考慮される。第二段階の相分離において得られるジニトロトルエンを含有する有機相は、ポリシング帯域(polishing zone)として知られる第三の反応段階に供給され、そしてポリシング帯域において、硝酸の分割量割合とプロセス中に供給された新たな硫酸の全てを含有する混酸と反応される。この方法の基礎は、ポリシング帯域中に供給される硫酸を、分割量の硝酸フィードの含水率と、ポリシング帯域で行われる残留ニトロ化によって形成される反応水とによってのみ希釈されることである。標準的方法における酸濃度より更に高い酸濃度が、こうしてポリシング帯域で達成される。この三段階法の欠点は、追加の投資及び第三段階の運転コストの他に、ポリシング帯域が1つだけの反応器を有することである。従って、MNTの完全な転化のためには、第三段階から引き続き得られる廃酸が約0.4質量%の硝酸含有率を有するほど多量の硝酸を添加せねばならない。係る硝酸含有率は、高められた硫酸濃度に関連して、一方で、高められたTNT形成を引き起こし(US3157706号A)、そして経験によれば、排出されたDNT中に0.4質量%より著しく高い硝酸の含有率をもたらし、こうして他方では、多大な量の未反応の硝酸がもたらされる。
DNT排出を通しての硝酸損失を最小限にすることは、EP279312号A2で求められる目標である。EP279312号A2は、トルエンと混酸とによるジニトロ化で得られる硫酸と硝酸とを含有するジニトロトルエンから硫酸と硝酸とを分離するための方法を教示している。前記の開示された方法においては、より多くの部分の硫酸と硝酸とを分離した後に得られ、6質量%までの硫酸及び5質量%までの硝酸を依然として含有するジニトロトルエンは、ジニトロトルエンの量に対して10質量%までの水と混合され、そして硫酸と硝酸とを含有する後に分離される水相が除去される。DNTの洗浄は、このプロセスにおいて1段階又はそれより多くの段階で実施される。
EP279312号A2と比較して改善された酸回収は、EP736514号A1によって教示されている。EP736514号A1は、硝酸、硫酸及び窒素酸化物を、トルエン又はモノニトロトルエンのニトロ化で形成された、混酸の除去後の粗製ジニトロトルエンから除去及び回収するための方法を開示している。前記の開示された方法においては、粗製ジニトロトルエンを、向流において、硝酸、硫酸及び亜硝酸の希釈水溶液で多段階において、特に二段階ないし四段階において抽出しており、その際、ジニトロトルエンとその水溶液との容量比は、それぞれの場合において1:3〜10:1、有利には1:1〜4:1である。水性抽出物は、ニトロ化中に直接的に又は濃縮後に再循環される。
全ての抽出段階において、ジニトロトルエンの融点より高い温度で作業することが有用である。水溶液の密度は、全ての段階においてジニトロトルエンのそれとは異なり、有利にはそれより低いことが望ましい。希釈水溶液は、各抽出段階内で有利に循環される。ジニトロトルエンと、硝酸、硫酸及び亜硝酸の希釈水溶液との所望の容量比は、新たな水を、最後の抽出段階からの希釈溶液の抽出循環中に添加することによって調整することができる。特に、水性抽出物を濃縮したときに形成される凝縮物を添加する。第一の抽出段階から排出された水溶液は、25〜40質量%の全酸を有する硝酸/硫酸混合物である。これは、単独で又は有利には最後のモノニトロトルエン酸の処理からの硝酸と一緒に、HNO3として計算した65質量%の全酸含有率にまで濃縮される。
未使用の硝酸を最少化させる観点で、モノニトロ化段階の相分離で得られる廃酸の硝酸含有率は、また多くの調査の対象である。
US2947791号Aは、トルエンのニトロ化のための改善された連続的な方法において、等モル量の硝酸(硝酸と硫酸との、50〜60質量%の硫酸、20〜40質量%の硝酸及び10〜20質量%の水を含有する混酸の成分)及びトルエンを、50〜100℃で、直列に接続された2つの反応器からなるよく撹拌された系において、硝酸1モルあたり0.4〜0.7モルのトルエンを、第一の反応器中に供給し、そして残りの量のトルエンを次いで、第一の反応器を出た反応混合物に添加し、そして第二の反応器で反応させて反応させる、トルエンのニトロ化のための改善された連続的な方法を教示している。
実施されたトルエンの分割の結果として、US2947791号Aの教示によれば95%より高いトルエン転化率がモノニトロ化段階において得られ、それとともに窒素酸化物と硝酸の低い含有率が水相中で得られる。後続のジニトロ化において、5〜10%モル過剰の硝酸がその際常に使用される。
US2475095号Aは、モノニトロ化反応混合物中のトルエンの残留量は、後続の反応混合物の相分離をより困難にすることを教示している。従って、US2475095号Aは、トルエンと比較して過剰の硝酸は、既にモノニトロ化中に供給されていることを教示している。この場合に、モノニトロ化段階からの廃酸は、1質量%の硝酸含有率を有するとされている。
またUS4496782号Aは、モノニトロ化における硝酸過剰と、従ってモノニトロ化段階からの廃酸中の硝酸の高い含有率を基礎としている。これらの含有率を使用するために、US4496782号Aは、付加的な硝酸をモノニトロ化からの廃酸に2質量%より高い硝酸含有率まで添加し、次いでこの硝酸とモノニトロトルエンの分割量とを撹拌反応器中で断熱的に110℃より高い温度で反応させ、後続の相分離において、0.25質量%未満の硝酸含有率を有する廃酸が得られることを教示している。高められた工業的インプットの他に、この方法は、安全における危険性を引き起こす。
DE102004005913号A1は、トルエンと硝酸との硫酸の存在下での二段階の等温的反応に必要な工業的インプットを強調している。DE102004005913号の教示によれば、先行技術(DE102004005913号A1によれば、モノニトロ化段階とジニトロ化段階のそれぞれにおける二段階ないし四段階の撹拌槽カスケードである)と比較してこの工業的インプットを低減させることが必須である。DE102004005913号Aは、モノニトロ化段階における1つの撹拌槽の使用と、ジニトロ化段階におけるカスケードで接続された2つの撹拌槽の使用を教示している。
DE102004005913号A1は、また不完全なトルエン変換を教示しており、それと同時にモノニトロ化段階における廃酸の大きな硝酸含有率(そこに教示される方法を説明する実施例においては0.96質量%)と、好適な過剰の硝酸によって達成されるジニトロ化段階での完全な変換とを教示している。
DE102004005913号A1は、モノニトロ化又はジニトロ化からの廃酸中での、該系から排出される多量の未反応の硝酸の問題に向かっており、以下のことが言及されている:"例えばEP0736514号に記載されるように最終生成物に変換されることとならない硝酸の損失を最小限にするために、粗製DNTの洗浄からの硝酸を、ニトロ化に23.73〜40%の全酸の全酸含有率を有する弱酸として、廃ガス洗浄からの硝酸及び廃酸のストリッピングからの硝酸と一緒に、直接的に又は濃縮後に再循環させる"。従って、DE102004005913号は、反応段階におけるより低い経費と引き替えに、DNT後処理段階及び廃酸後処理段階における経費を高め、かつモノニトロ化段階における更なる反応が制御不能に進行することと、ジニトロトルエン段階におけるトリニトロトルエン(TNT)の増大の危険性をはらんでいる。
EP0903336号A2
EP597361号A
EP696570号A
EP696571号
US5948944号A
US2362743号A
EP155586号A
US5275701号A
US3157706号A
EP279312号A2
EP736514号A1
US2947791号A
US2475095号A
US4496782号A
DE102004005913号A1
Ullmann's Enzyklopedie der technischen Chemie,4th edition,volume 17,pages 391 ff,1979,Verlag Chemie Weinheim/New York
H.Hermann,J.Gebauer,P.Konieczny,"Industrial Nitration of Toluene to Dinitrotoluene" in ACS−Symposium,Series 623,234−249,1996,ed.L.F.Albright,R.V.C.Carr,R.J.Schmitt
従って、本発明の課題は、トルエンと硝酸とを硫酸の存在下で反応させてジニトロトルエンを形成するにあたり、高いトルエン転化率とともにDNTに関する高い選択性と、反応段階に直接供給される硝酸を高くかつ選択的な利用を簡単なプラントの調整を用いて可能にする方法を提供することである。
前記課題は、本発明のジニトロトルエンの製造のための二段階ニトロ化法によって解決され、該方法では:(1)モノニトロ化工程における水相と有機相との質量比が2:1より高い;(2)有機相を、各ニトロ化反応において酸含有の水相中に分散させる;及び(3)トルエン1モル当たりに使用される硝酸の量は、2.06モル未満である。
トルエン又はモノニトロトルエンの硝酸による硫酸の存在下での所望の等温的なニトロ化において、芳香族化合物のニトロ化は、実質的に二相の水相中で行われる(ウールマンの工業化学事典、第4版、第17巻、第391頁、1979年、Chemie出版、ヴァインハイム−ニューヨーク(Ullmann's Enzyklopadie der technischen Chemie,4th edition,volume 17,p. 391,1979,Verlag Chemie,Weinheim−New York))。共に反応させるために、モノニトロ化におけるトルエンとジニトロ化におけるモノニトロトルエンを、二相間の界面を通じて拡散させて、水相中で硫酸の存在下にそこに存在する硝酸と反応させる必要がある。
また、係る場合において、反応温度、有機相中で反応されるべき成分の濃度と水相中の硝酸濃度及び硫酸濃度のような反応条件の関数として、効率的な反応速度は、常に更新している界面の寸法に大きく依存することと、この寸法は、例えば激しい撹拌によって増大させることができることとは知られている。これは、反応速度に好ましい影響を及ぼす。
混合の種類と2つの不混和性の液体からなる系の組成との関係として達成できる常に更新している界面の考えられる依存性は、また文献(J.M.Zaldivar他著のChemical Engineering and Processing 34(1995),529ff)に記載されている。このように、トルエンと硝酸との硫酸の存在下でのモノニトロ化における相応の依存性もまたとりわけ報告されている(同書に)。
驚くべきことに、目下、トルエンの反応について記載された基礎的な依存性は、モノニトロトルエンと硝酸との硫酸の存在下でのジニトロトルエンの形成のための反応について、かなりより顕著に観察できることが判明した。
このように、トルエンと硝酸とを硫酸の存在下に等温的にニトロ化(モノニトロ化及びジニトロ化)させることでジニトロトルエンを得る反応段階の両方において、達成できる常に更新している界面の寸法は、反応系中に導入される撹拌エネルギーにだけでなく、反応系中に存在する相の質量比にも依存する。また、どちらの相がどちらの相中に分散されているかにも依存する。
このように、水相と有機相との質量比が、モノニトロ化段階において>2:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1であり、かつジニトロ化段階において>1.5:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1であり、そして水相中の有機相の分散液が同時に存在すると(かつ逆分散液又は"ドロップインドロップ"エマルジョン)が存在しないと)、常に更新している界面が得られ、その界面は、驚くべきことに、全プロセスにおいてトルエン1モル当たりに2.06モル未満の硝酸を使用するにも拘わらず、主として、トルエンのモノのトロトルエンへの完全な変換及びモノニトロトルエンのジニトロトルエンへの完全な変換が達成される。
本発明は、トルエンの混酸でのニトロ化によりジニトロトルエンを製造するための方法において、
a)トルエンと混酸とを反応させて、モノニトロトルエンを形成させ、その際、モノニトロトルエンを含有する反応混合物が得られ、かつ
b)モノニトロトルエンを含有する反応混合物を、モノニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離し、かつ
c)モノニトロトルエンを含有する有機相と混酸とを反応させ、その際、ジニトロトルエンを含有する反応混合物が得られ、かつ
d)ジニトロトルエンを含有する反応混合物を、ジニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離し、その際、
1)工程a)におけるニトロ化での水相と有機相との質量比は、>2:1、有利には>3:1、最も有利には3.5:1であり、かつ工程c)においては、>1.5:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1であり、かつ
2)工程a)及びc)において、有機相をそれぞれの場合において水相中に分散させ、かつ
3)全体で、トルエン1モル当たり2.06モル未満の硝酸が使用される
ジニトロトルエンの製造方法に関する。
a)トルエンと混酸とを反応させて、モノニトロトルエンを形成させ、その際、モノニトロトルエンを含有する反応混合物が得られ、かつ
b)モノニトロトルエンを含有する反応混合物を、モノニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離し、かつ
c)モノニトロトルエンを含有する有機相と混酸とを反応させ、その際、ジニトロトルエンを含有する反応混合物が得られ、かつ
d)ジニトロトルエンを含有する反応混合物を、ジニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離し、その際、
1)工程a)におけるニトロ化での水相と有機相との質量比は、>2:1、有利には>3:1、最も有利には3.5:1であり、かつ工程c)においては、>1.5:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1であり、かつ
2)工程a)及びc)において、有機相をそれぞれの場合において水相中に分散させ、かつ
3)全体で、トルエン1モル当たり2.06モル未満の硝酸が使用される
ジニトロトルエンの製造方法に関する。
本発明の方法において、モノニトロ化段階(工程a)において、水相と有機相との質量比を、>2:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1の値に調整し、かつジニトロ化段階(工程c)において、>1.5:1、有利には>3:1、最も有利には>3.5:1の値に調整することが必須である。また、工程a)と工程c)の両方において、有機相を、分散相として水相(均質相)中にそれぞれの場合において分散させることと同時に、全体で、トルエン1モル当たりに2.06モル未満の硝酸を、プロセス(工程a)〜d))中に供給することが必須である。
本発明の方法で特に重要なことは、工程a)と工程c)の両方において存在する反応混合物が、有機相を均質相としての水相中にそれぞれの場合において分散された分散液の形であることである。混合エネルギー又は分散エネルギーのインプットは、有利には、所望の分散液が非常に大きな界面をもって生ずるが、安定な"ドロップインドロップ"エマルジョンの形成が回避されるように選択される。反応工程中に有利に導入されるべき混合エネルギー又は分散エネルギーは、簡単な試験において容易に決定することができる。本発明に必要とされる相比に忠実である場合でさえも、所望のエネルギー量は、選択された反応器及び撹拌機の形態と、反応混合物の物理的データに依存する。しかしながら調整すれば、反応系中に存在する分散液の状態を、均質に混合された反応混合物の導電率を介して有利に監視することができる。
工程a)及び/又は工程c)におけるニトロ化反応は、有利には等温的に実施される。
本発明の好ましい一実施態様においては、反応工程a)とc)のそれぞれの反応は、反応器のカスケードであって混合が有利には2ないし4以下の反応器を有するカスケード中でそれぞれの場合に行われる反応器のカスケード中で行われる。特に好ましい形態において、循環ポンプと熱交換器を有するループ型反応器が反応器として使用される。
本発明のより好ましい一実施態様においては、直列に接続された2つのループ型反応器であって循環ポンプと熱交換器とを有する反応器がモノニトロ化段階で使用される。ジニトロ化段階において、直列に接続された2つのループ型反応器であって循環ポンプと熱交換器とを有する反応器がその際使用され、そして更に、循環ポンプを有するが熱交換器を有さないもう一つのループ型反応器が使用される。循環ポンプの需要性は、均質な水相中で有機相の分散が常に行われることである。この実施態様においては、導電率測定を、有利には、使用される反応器の少なくとも1つにおいて行い、循環された分散液の状態を連続的に監視する。
相分離工程b)とd)は、反応工程a)とc)にそれぞれ引き続く。相分離に適した任意の装置を使用することができる。ダイナミック分離器とスタティック分離器の両方が適している。好ましい一実施態様では、スタティック分離器が両方の段階(工程b)とd))で使用される。
本発明の方法において、トルエンは、工程a)のモノニトロ化段階中に供給される。トルエンの供給は、有利には、第一の反応器中に行われるが、またトルエン添加を幾つかの反応器にわたって分割することも可能である。第一の反応器中に供給されるトルエンは、有利には、1つ以上のノズルを介して混酸と混合された反応器に添加される。このために、工程d)からの硫酸を含有する水相(ジニトロ化段階からの廃酸)を、有利には硝酸と予め混合し、こうして混酸を生成させる。しかしながら、新たな硫酸又は新たな硫酸とジニトロ化段階からの廃酸との混合物を使用することもできる。
トルエンと混酸との別々の添加も可能である。硝酸と硫酸、例えばジニトロ化段階からの廃酸の別々の添加も可能である。モノニトロ化段階の反応器中の相の質量比は、有利には反応器中に供給される硫酸、例えばジニトロ化段階からの廃酸の量を介して調整される。しかしながら、工程b)で得られるモノニトロ化段階からの硫酸を含有する水相を再循環させることも可能であり、その際、有利には硫酸を含有する再循環された水相は、該段階の第一の反応器中に供給される。しかしながら該段階の幾つかの反応器への添加も可能である。モノニトロ化中に供給される硝酸の幾つかの反応器にわたる分割も可能である。
本発明の特に好ましい実施態様では、トルエン1モル当たりに≦1.03モルの硝酸がモノニトロ化段階(工程a))中に供給される。全体で、トルエン1モル当たりに2.06モル未満の硝酸が、プロセスにおいて2つのニトロ化段階にわたって使用される。
トルエンの反応は、モノニトロ化段階(工程a))において、30〜70℃の温度範囲で行われ、その際、モノニトロ化段階の反応器を同じ反応温度で運転することが可能である。しかしながら、個々の反応器において、反応の進行に適合させて、異なる反応温度も可能である。
モノニトロ化段階(工程a))の反応器中に存在する分散液は、有利には連続的に導電率測定によって監視される。従って、例えば循環される反応混合物の導電率の大きな低下から認識できる許容外の逸脱は、混合装置又は分散装置を介して反応器中への混合エネルギー入力に変更を加えることによるか又は、有利にはニトロ化段階の反応器中の相比の変更によって修正される。
本発明の方法では、非常に高いトルエン転化率が、モノニトロ化段階中に供給される硝酸の非常に効率的な利用と共に達成される。後続の相分離で得られる硫酸を含有する水相(廃酸)は、一般に、廃酸の質量に対して、0.1質量%未満の硝酸含有率を有する。この低い硝酸含有率は、本発明の方法に必要な非常に低い特殊な硝酸の要求をもたらす。更に、それは、モノニトロ化段階からの廃酸を濃縮するために必要とされる経費を減少させる。
本発明の方法では、モノニトロ化段階(工程b))からの相分離において得られた有機相は、有利には如何なる更なる後処理を行うことなくジニトロ化段階(工程c))の反応器中に供給される。MNTを含有する有機相の供給は、有利には、第一の反応器中に行われるが、幾つかの反応器にわたって分割することも可能である。第一の反応器中に供給されるMNTは、有利には、1つ以上のノズルを用いて混酸と混合された反応器に添加される。このために、工程b)からの硫酸を含有する水相(モノニトロ化段階からの廃酸)は、場合により再生され、そして有利には、硝酸と予め混合され、こうして混酸を生成させる。しかしながら、新たな硫酸又は新たな硫酸とモノニトロ化段階からの廃酸との混合物を使用することもできる。工程b)からのMNT含有有機相と混酸の別々の添加も可能である。硝酸と硫酸、例えばモノニトロ化段階からの再生された廃酸の別々の添加も可能である。ジニトロ化段階(工程c))の反応器中の相の質量比は、有利には反応器中に供給される硫酸、例えばモノニトロ化段階からの再生された廃酸の量を介して調整される。しかしながら、工程d)で得られるジニトロ化段階からの硫酸を含有する水相を再循環させることも可能であり、その際、有利には硫酸を含有する再循環された水相は、該段階の第一の反応器中に供給される。しかしながら該段階の幾つかの反応器への添加も可能である。ジニトロ化中に供給される硝酸の幾つかの反応器にわたる分割も可能である。
本発明の特に好ましい実施態様では、モノニトロトルエン1モル当たりに≦1.03モルの硝酸がジニトロ化(工程c))中に供給される。全体で、トルエン1モル当たりに2.06モル未満の硝酸が、プロセスにおいて2つのニトロ化段階にわたって使用される。
モノニトロトルエンの反応は、ジニトロ化段階(工程c))において、55〜80℃の温度範囲で行われ、その際、ジニトロ化段階の反応器を同じ反応温度で運転することが可能である。しかしながら、個々の反応器において、反応の進行に適合させて、異なる反応温度も可能である。
ジニトロ化段階(工程c))の反応器中に存在する分散液は、有利には連続的に導電率測定によって監視される。従って、例えば循環される反応混合物の導電率の大きな低下から認識できる許容外の逸脱は、反応器中への混合エネルギー入力に、混合装置又は分散装置を介して変更を加えることによるか又は、有利にはニトロ化段階の反応器中の相比の変更によって修正される。
本発明の方法では、非常に高いモノニトロトルエン転化率が、ジニトロ化段階中に供給される硝酸の非常に効率的な利用と共に達成される。後続の相分離で得られる硫酸を含有する水相(廃酸)は、一般に、廃酸の質量に対して、0.2質量%未満の硝酸含有率を有する。工程d)で得られるDNT含有有機相の硝酸での負荷は、有機相の質量に対して0.4質量%未満のHNO3である。
全体で、本発明の方法は、DNTを、使用される硝酸に対して97.7%より高い収率で生成する。使用される硝酸に対する係る高いDNT収率は、先行技術法では、モノニトロ化で得られる廃酸の費用のかかる処理又は下流の抽出及び/又は洗浄において得られる水相の費用のかかる処理によってのみ達成できる。
このように、本発明の方法は、従来技術法とは、使用される硝酸に対する非常に高いDNT収率と同時に、簡単なプラント調整の点で異なる。本発明で必要な低い硝酸の要求は、低い特殊な硝酸消費を達成するために従来技術法で使用されるいかなる費用のかかるエネルギー集約的な付加的な硝酸回収なくして達成される。
任意の廃酸及び洗浄水の再生なくして低い特殊な硝酸消費のためには、有機相が、水相中に両方の反応段階で分散されていることが必須である。これは、反応工程a)とc)における相の一定の質量比を予め設定することによって可能となり又はより容易となる。結果として、適宜選択された反応器構成を用いて、逆分散液と比較して大きく高められた、迅速に更新される、有機相と水相との界面を同じエネルギーインプットで得ることが可能である。こうして使用される硝酸に対して驚くべき高さのDNT収率は、従来技術と比較して反応段階においてほぼ同じ硫酸濃度及びより低い硝酸濃度で可能となる。
ジニトロ化段階(工程c))における反応率は、本発明においては特に重要である。本発明の方法で達成できる大きな迅速に更新される界面の結果として、モノニトロトルエンの反応の輸送限界は殆ど排除される。このように、ほぼ同じ硫酸濃度で、より低い残留濃度の硝酸が、MNTの完全な転化のために、該段階を出る反応混合物で必要である。またより低い硝酸の含有率は、後続の分離段階(工程d))で得られるジニトロトルエンを含有する有機相の顕著に低い硝酸負荷をもたらし、こうして反応系a)〜d)から排出される未反応の硝酸に著しい低減がもたらされる。
一般事項
ニトロ化は、連続的に運転可能な二段階の研究室用の装置中で実施され、該装置は、それぞれの場合において
− 計量供給ポンプを有する供給容器と
− 直列に接続された2つの反応器(加熱/冷却ジャケットと高速研究室用撹拌機を備えた撹拌槽)と
− 第二の反応器の排出口に取り付けられた分離器と
− 分離された相を回収するための下流の受容器と
から構成され、その際、それぞれの場合において、回収された水相を、追加の計量供給ポンプを介してそれぞれのカスケードの第一の反応器に再循環させることが可能である。
ニトロ化は、連続的に運転可能な二段階の研究室用の装置中で実施され、該装置は、それぞれの場合において
− 計量供給ポンプを有する供給容器と
− 直列に接続された2つの反応器(加熱/冷却ジャケットと高速研究室用撹拌機を備えた撹拌槽)と
− 第二の反応器の排出口に取り付けられた分離器と
− 分離された相を回収するための下流の受容器と
から構成され、その際、それぞれの場合において、回収された水相を、追加の計量供給ポンプを介してそれぞれのカスケードの第一の反応器に再循環させることが可能である。
ニトロ化の実施において、硫酸を、まず不活性にされた装置中に、連続運転で予測されるべき濃度で装入し、次いで成分を以下に示される質量比及び量で計量供給する一方で、反応器中への混合エネルギーの入力を、微分散された反応系中で測定される導電率の最適値にすることを目的として撹拌機を介して調整した。
定常的平衡に達した後に、分離器から排出された有機相を、それらの転化率に関して、そしてDNT相の場合には、またそれらの主成分の消費とそれらの硝酸負荷に関しても分析した。分離器から排出された水相を、またそれらの硝酸含有率に関して調査した。
更に、該相を、副生成物について定性的に分析した。ニトロクレゾールとニトロ安息香酸が、異なるニトロ化度合いで少ない程度で見出された。
実施例1(本発明によるものでない)
1時間あたり720gの96%硫酸を、連続的に331gの98.5%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約90mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
1時間あたり720gの96%硫酸を、連続的に331gの98.5%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約90mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
ジニトロ化段階の水相を、また連続的に、1時間あたり331gの98.5%の硝酸と混合し、この混合物を、連続的に460.7g/hのトルエンと一緒にMNT段階の第一の反応器中に計量供給し、そしてそこで50℃の温度及び約80mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。分離器中にあふれ出た反応混合物を、そこで有機相と水相とに分離し、そして次いで有機相を、連続的にジニトロ化段階に供給し、そして水相を後処理に移送した。
得られた結果を、第2表にまとめる。
実施例2(本発明による)
1時間あたり715gの96%硫酸を、連続的に328gの98.5%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/h及びDNT段階の分離器からの水相2190g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約160mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
1時間あたり715gの96%硫酸を、連続的に328gの98.5%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/h及びDNT段階の分離器からの水相2190g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約160mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
ジニトロ化段階の水相を、また連続的に、1時間あたり328gの98.5%の硝酸と混合し、この混合物を、連続的に460.7g/hのトルエン及びMNT段階の分離器からの水相2310g/hと一緒にMNT段階の第一の反応器中に計量供給し、そこで50℃の温度及び約120mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。分離器中にあふれ出た反応混合物を、有機相と水相とに分離し、そして次いで有機相を、連続的にジニトロ化段階に供給し、そして水相を後処理に移送した。
得られた結果を、また第2表にまとめる。
実施例3(本発明による)
1時間あたり275.4gの92%硫酸を、連続的に474.9gの68%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約160mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
1時間あたり275.4gの92%硫酸を、連続的に474.9gの68%の硝酸と混合し(混酸を形成する)、この混合物を、連続的にDNT段階の第一の反応器中に、MNT段階からの粗製MNT685.7g/hと一緒に計量供給し、そこで70℃の温度及び約160mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。完全に反応した反応混合物を、後続の分離器中で有機相と水相とに分離した。
ジニトロ化段階の水相を、また連続的に、1時間あたり474.9gの68%の硝酸と混合し、この混合物を、連続的に460.7g/hのトルエンと一緒にMNT段階の第一の反応器中に計量供給し、そこで50℃の温度及び約120mSの導電率で反応器カスケード中で反応させた。分離器中にあふれ出た反応混合物を、そこで有機相と水相とに分離し、そして次いで有機相を、連続的にジニトロ化段階に供給し、そして水相を後処理に移送した。
得られた結果を、また第2表にまとめる。
第2表中の欄"ジニトロ化段階の硝酸"から、本発明による実施例2及び3における硝酸の量(工程a)におけるニトロ化での水相と有機相との質量比は>2:1であり、かつ工程c)では>1.5:1である)は、本発明によるものではない実施例1より少ないことが理解できる。このことから、本発明の方法の最適化された作業条件下で、硝酸は、ほぼ完全に使用され、そして消費されたという事実が結果として示され、これは、第2表における欄"ジニトロ化段階の廃酸中のHNO3残分"における排出された硝酸の量から理解できる。
同様の状況は、モノニトロ化段階にも当てはまり、それは欄"モノニトロ化段階の硝酸"及び"モノニトロ化段階の廃酸中のHNO3残分"のデータによって裏付けられる。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。
Claims (1)
- トルエンの混酸でのニトロ化によるジニトロトルエンの製造方法において:
a)トルエンを含有する有機相と、混酸を含有する水相とを反応させて、モノニトロトルエンを含有する反応混合物を形成させることと、
b)モノニトロトルエンを含有する反応混合物を、モノニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離することと、
c)モノニトロトルエンを含有する有機相と、混酸とを反応させて、ジニトロトルエンを含有する反応混合物を形成させることと、
d)ジニトロトルエンを含有する反応混合物を、ジニトロトルエンを含有する有機相と、硫酸を含有する水相とに分離することと
を含み、その際、
1)工程a)における水相と有機相との質量比が、>2:1であり、
2)工程c)における水相と有機相との質量比が、>1.5:1であり、
3)有機相が、工程a)において水相中に分散されており、
4)有機相が、工程c)において水相中に分散されており、かつ
5)トルエン1モル当たりに2.06モル未満の硝酸が使用される
ジニトロトルエンの製造方法。
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