JP6250436B2 - 運用パターン表示装置 - Google Patents

運用パターン表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6250436B2
JP6250436B2 JP2014038332A JP2014038332A JP6250436B2 JP 6250436 B2 JP6250436 B2 JP 6250436B2 JP 2014038332 A JP2014038332 A JP 2014038332A JP 2014038332 A JP2014038332 A JP 2014038332A JP 6250436 B2 JP6250436 B2 JP 6250436B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
demand value
operation pattern
partial
time
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014038332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015163017A (ja
Inventor
勝 朝倉
勝 朝倉
一人 田中
一人 田中
薫 境野
薫 境野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takaoka Toko Co Ltd
Original Assignee
Takaoka Toko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takaoka Toko Co Ltd filed Critical Takaoka Toko Co Ltd
Priority to JP2014038332A priority Critical patent/JP6250436B2/ja
Publication of JP2015163017A publication Critical patent/JP2015163017A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6250436B2 publication Critical patent/JP6250436B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Description

本発明は、電力需要家施設全体における最大デマンド値を低減するような運用パターンを表示する運用パターン表示装置に関する。
工場など高圧受電の電力需要家の電気料金は、主に契約電力(過去1年間におけるデマンド値のうち最大需要電力(最大デマンド値))によって増減する「基本料金」と、使用電力量に応じて課金される「電力量料金」と、からなる。「基本料金」は、例えば次式のように決定される。
[数1]
基本料金=単価×契約電力(最大デマンド値)×力率割引(割増)
したがって、「基本料金」の削減のために、最大需要電力(最大デマンド値)の削減が必要である。この最大需要電力(最大デマンド値)を削減する方法として、例えば、以下(1)〜(4)の方法が知られている。
(1)電力需要家の電気機器を稼働する時間帯を電力需要が少ない夜間などにシフトする。
(2)電力需要家の最大需要電力(最大デマンド値)を常時監視し、設定値を超える最大デマンド値の発生が予測される場合は、警報を管理者に通知、あるいは、電気機器への使用電力(出力)を抑制し、または運転を停止する制御を行う。
(3)予め蓄電装置に貯蔵した電力を利用する。
(4)使用電力量の合計値が最大となった時の最大デマンド電力の原因となる電気機器の順位をランク付けして、対策する対象機器を特定する、あるいは使用電力量と最大デマンド値との比を指標として効率的な電力使用を行う。
特に(4)の方法については特許文献1(特許第4606257号公報)および特許文献2(特開2006−14533号公報)にも開示されている。
特許第4606257号公報 特開2006−14533号公報
上記の(1)〜(4)の方法は、それぞれ以下の問題があった。
(1)電気機器の稼働時間帯を夜間帯にシフトする方法は生産活動に制約を受けやすい。
(2)電気機器の使用電力(出力)を制御する方法は制御装置が必要になる。
(3)蓄電装置及びその制御装置が必要になる。
(4)改善対象とすべき電気機器の選定や使用電力量の過去の実績は把握できるが改善後の効果を予測することはできない。これは特に特許文献1,2に記載の従来技術でも同様のことがいえる。
加えて、これら(1)の方法では労務コストが大きく、(2),(3)の方法では設備コストが大きく、(4)の方法では運用コストが大きいという問題があった。また、何れも結果が予想できないため、実際のシステムに採用してその結果をみながら調整していく必要もあり、更にコストが増大するという問題もあった。これら要因から導入に踏み切れず、この最大需要電力(最大デマンド値)の削減が進まないという問題もあった。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、最大需要電力(最大デマンド値)を小さくする運用パターンの決定をシミュレーションにより支援し、このシミュレーションの運用パターンを理解しやすく表示し、システムを導入しやすくするような運用パターン表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値と、時刻情報およびIDが関連付けられた全体電力量値と、を含む計測データを用いて決定された運用パターンを表示する運用パターン表示装置であって、
時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値に基づいて部分の所定時間単位別の部分デマンド値を全ての部分1,部分2,・・・,部分nについて時刻別に算出する部分デマンド値算出手段と、
時刻情報およびIDが関連付けられた全体電力量値を用いて電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出手段と、
前記全体デマンド値算出手段で算出された全体デマンド値の中で最大全体デマンド値を特定する最大全体デマンド値特定手段と、
最大全体デマンド値が検出された時刻を含む月日を選定する月日選定手段と、
選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する運用パターン決定手段と、
決定された運用パターンのグラフを表示する表示手段と、を備え
前記運用パターン決定手段は、
所定期間で部分1,部分2,・・・,部分nのうちの一の部分電力量値のタイムシフトを行うタイムシフト手段と、タイムシフトされた部分電力量値に基づいて模擬部分デマンド値を算出する模擬部分デマンド値算出手段と、前記全体デマンド値と前記模擬部分デマンド値との和から前記部分デマンド値を減じて模擬全体デマンド値を算出する模擬全体デマンド値算出手段とを備え、
前記表示手段が、所定時間単位別の全体デマンド値および模擬全体デマンド値による運用パターンのグラフを表示することを特徴とする。
求項2に係る発明は、
時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値を含む計測データを用いて決定された運用パターンを表示する運用パターン表示装置であって、
時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値に基づいて部分の所定時間単位別の部分デマンド値を全ての部分1,部分2,・・・,部分nについて時刻別に算出する部分デマンド値算出手段と、
時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出手段と、
前記全体デマンド値算出手段で算出された全体デマンド値の中で最大全体デマンド値を特定する最大全体デマンド値特定手段と、
最大全体デマンド値が検出された時刻を含む月日を選定する月日選定手段と、
選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する運用パターン決定手段と、
決定された運用パターンのグラフを表示する表示手段と、を備え
前記運用パターン決定手段は、
所定期間で部分1,部分2,・・・,部分nのうちの一の部分電力量値のタイムシフトを行うタイムシフト手段と、タイムシフトされた部分電力量値に基づいて模擬部分デマンド値を算出する模擬部分デマンド値算出手段と、前記全体デマンド値と前記模擬部分デマンド値との和から前記部分デマンド値を減じて模擬全体デマンド値を算出する模擬全体デマンド値算出手段とを備え、
前記表示手段が、所定時間単位別の全体デマンド値および模擬全体デマンド値による運用パターンのグラフを表示することを特徴とする。
求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の運用パターン表示装置において、 前記月日選定手段は、月日に加えて最大全体デマンド値が検出された時刻を基準として前後で同じ期間となるように計測データを選択する手段であり、前記運用パターン決定手段は、選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する手段であり、前記表示手段は、最大全体デマンド値が検出された時刻が略中央となるように運用パターンのグラフを表示する手段であることを特徴とする。
求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の運用パターン表示装置において、最大全体デマンド値が検出された時刻を含む日および前後複数の日からなる日付と、日付の日のそれぞれの最大全体デマンド値と、を併せて表示するデマンド選択部表示手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、最大需要電力(最大デマンド値)を小さくする運用パターンの決定をシミュレーションにより支援し、このシミュレーションの運用パターンを表示により理解しやすくし、システムを導入しやすくするような運用パターン表示装置を提供することができる。
本発明を実施するための形態の運用パターン表示装置の構成図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの出力を説明する説明図である。 最適な最大デマンド値の算出原理の説明図であり、図3(a)は改善前のデマンド値の説明図、図3(b)は改善後のデマンド値の説明図である。 運用パターン決定支援の具体例の説明図であり、図4(a)は実測による所定時間単位−最大デマンド値の特性図、図4(b)は最適化された所定時間単位−最大デマンド値の特性図である。 運用パターン表示を説明するフローチャートである。 運用パターンのシミュレーション前の表示を説明する説明図である。 運用パターンのシミュレーション後の表示を説明する説明図である。 運用パターンのシミュレーション前の他の表示を説明する説明図である。 運用パターンのシミュレーション後の他の表示を説明する説明図である。 運用パターンのシミュレーション前後の表示を説明する説明図である。 デマンド最大値が中央に位置するようにした運用パターンのシミュレーション前の表示を説明する説明図である。 デマンド最大値が中央に位置するようにした運用パターンのシミュレーション後の表示を説明する説明図である。 他の運用パターン表示を説明するフローチャートである。 日時指定した日の運用パターンのシミュレーション前の表示を説明する説明図である。 日時指定した日の運用パターンのシミュレーション後の表示を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 運用パターン決定支援のデータの説明図である。 運用パターン決定支援前のデマンド値(実測値)の説明図である。 運用パターン決定支援後のデマンド値(模擬値)の説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。 電力需要家に設置される計測システムから運用パターン表示装置への計測データの他の出力方法を説明する説明図である。
続いて、本発明の運用パターン表示装置について以下に説明する。運用パターン表示装置10は、具体的には専用に設計された端末とする他、パソコン(PC)、ノートパソコン、またはタブレットPCなどにアプリケーションソフトウェアをインストールしたものとするなど、各種の端末を採用することが可能である。運用パターン表示装置10は、運用パターンを決定する対象の電力に関する計測データを用いて運用パターンの表示を行うものであり、さらにインターフェース部11、記憶部12、外部記憶部13、演算部14、入力部15、表示部16を備える。
インターフェース部11は、入力部15や表示部16用のインターフェースなどに加えUSB端子や通信装置などとのインターフェース機能も有する。これら装置を一括してインターフェース部と称する。
記憶部12は、例えば各種データを一時的に記憶するメモリなどであり、演算部14により読み書きが制御される。
外部記憶部13は、例えば各種の大容量のデータを保存するハードディスクやメモリなどであり、演算部14により読み書きが制御される。
演算部14は、インターフェース部11、記憶部12、外部記憶部13と接続されており、後述する運用パターン表示のための各種の処理・制御を行う。
入力部15は、インターフェース部11に接続されており、運用パターン表示のための指示や各種データの入力がなされる。例えば、運用パターンについての各種設定(例えば5分間や10分間というシフト時間の入力や、時間を遅らせるという遅延シフトか時間を進ませるという先行シフトかの選択入力)や、運用パターンについての指示(例えばシミュレーション開始や表示開始)が行われる。入力部15は例えばタブレットPCのタッチパネルであり、表示部16に表示したアイコンのオブジェクトなどの箇所までカーソルまたはポインタなどをユーザが指などにより直接触れる操作により移動させて検出可能である。また、専用のコントローラ、キーボード、マウスなど、各種の入力装置を採用してもよい。
表示部16は、インターフェース部11に接続されており、シミュレーション結果など運用パターンについての表示がなされる。表示部16は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイ等により構成することができる。各部構成はこのようなものである。
続いてこの運用パターン表示装置10による計測データの取得について説明する。運用パターン表示装置10は電力需要家に設置される計測システム1から計測データを取得する。この電力需要家として、例えば図2で示すように、工場を想定して説明する。電力需要家は、電力供給部100、電力線200、電気機器300を備える。
電力供給部100は、例えば電力系統(商用電源)から供給される電力であって変圧器の二次側や、例えば太陽光発電などによって電力を供給するシステムや、電力を充放電することができる蓄電池システムなどである。この電力供給部100では、本発明の全体の使用電力または使用電力量が計測・算出される。
電力線200は、電力供給部100から供給される電力を送電する。
電気機器300は、例えば、空調、モータ、電炉、クレーン、コンベアなど各種機器が想定される。この電気機器300では、本発明の部分の使用電力または使用電力量が計測・算出される。
計測システム1は、運用パターン表示装置10、n個の部分計測部20、全体計測部30を備える。
部分計測部20は、電気機器300で使用される部分電力量(kWh)を実測データとして取得する携帯型のデータロガーである。この際、n個の部分計測部20は、それぞれ対応する電気機器300で使用される部分電力量を実測データとして取得する。そして、実測データに対し、n個あるうちの一の電気機器300からの出力であることを識別する情報であるIDと、測定した時刻情報(例えば、1分間単位別の時刻)と、を対応付けて計測データとする。なお、図示しないが部分計測部20が設置されないような電気機器300があっても良い。この電気機器300は常時オンの設備など電力変動が少ないものであり、この場合は一定電力として処理される。部分計測部20は、電力需要家の実情に応じて適宜設置される。
全体計測部30は、電力供給部100から設備全体で使用される全体電力量(kWh)を実測データとして取得する携帯型のデータロガーである。そして、実測データに対し、電力供給部100からの出力であることを識別する情報であるIDと、測定した時刻情報(例えば、1分間単位別の時刻)と、を対応付けて計測データとする。
ここにn個の部分計測部20や全体計測部30のそれぞれが、計測データの蓄積を一週間程度以上連続して行い、この計測データをUSBメモリ経由(または図示しないが通信線経由)で運用パターン表示装置10の外部記憶部13に読み込ませる。運用パターン表示装置10の外部記憶部13は、電気機器300別に時刻情報およびIDが関連付けられた部分電力量値が全ての電気機器300について登録され、また、時刻情報およびIDが関連付けられた電力供給部100からの全体電力値が登録されている。このようにして運用パターン表示装置10の外部記憶部13には所定期間が経過し過去の計測データが蓄積されているものとする。
続いて、この運用パターン表示装置10による運用パターンの表示処理について説明する。まず、運用パターン決定について説明する。運用パターン決定とは、電力需要家施設全体でのデマンド値(以下、全体デマンド値という)のうち、ある所定時間単位における最大全体デマンド値を最小化し、かつ他の時間で別の最大全体デマンド値が発生しないように運用パターン決定を行う。
具体的にはある部分の電気設備の運転時刻をタイムシフトにより変更するシミュレーションを行い、そして電力需要家における最大全体デマンド値を最小化する運用パターンを決定するというものである。この運用パターン決定では、1個の部分の電気設備の運転時刻の変更、2個の部分の電気設備の運転時刻の変更、・・・、全ての部分の電気設備の運転時刻の変更が可能である。
続いて、シミュレーションの原理について説明する。ここでは最も簡単なモデルに基づいて説明するものであり、例えば、2個の部分計測部20と全体計測部30とで需要家施設の電力量を計測するものとする。そして、図3(a)で示すように、第1の部分計測部20で計測されたデータによる部分デマンド値1と第2の部分計測部20で計測されたデータによる部分デマンド値2とがほぼ同じ時刻に最大になった場合を想定する。これは、例えば、始業開始してすぐに複数箇所でモータを起動したような場合などが想定される。
この場合、ほぼ同じ時刻に複数箇所でモータを同時に起動したため、全体計測部30で計測された全体デマンド値が最大を記録することが想定される。そこで、部分デマンド値1,2の一方(本形態では部分デマンド値1とした)をタイムシフトさせる。これは先の例によれば一の箇所のモータのみ数分早く起動させた場合が該当する。この場合、部分デマンド値1が最大になる時刻が移動して、全体デマンド値の最大値が減少する。時間を異ならせてモータを起動させることで、ピーク時点での電力が平準化されることになり、全体デマンド値の最大値を大幅に(図3では値A)低減させることをシミュレーションする。このように各部の部分デマンド値をタイムシフトさせることで、最大全体デマンド値を大幅に低減させる運用パターンを決定することができる。
続いてシミュレーションの具体例について説明する。
図4(a)はシミュレーション前の実測による全体デマンド値aと、実測による全ての部分デマンド値b,c,d,eと、が図示されている。図4(b)はシミュレーション後の模擬全体デマンド値Aと、タイムシフトが行われた全ての部分デマンド値B,C,D,Eと、が図示されている。なお、図4(a)と図4(b)で各電気機器のデマンド値のグラフの形が変わっているのは、時刻をずらしてデマンド値を計算したためである。
図4(a)において、算出した全体デマンド値の推移から電力需要家全体の全体デマンド値が最大である最大全体デマンド値が得られる時刻Tを検出する。検出した時刻Tにおいて、最も大きい部分デマンド値cを計測した電気機器Aを検出する。電気機器Aの始動時刻を10分間遅らせたと仮定して電力需要家全体の模擬全体デマンド値を計算する。
図4(b)において、時刻Tにおける電力需要家全体の模擬全体デマンド値が減少した場合は、電気機器Aの始動時刻を更に10分間遅らせた(当初から20分遅れ)と仮定して模擬全体デマンド値を再計算する。この再計算は、時刻Tの電力需要家全体の最大模擬全体デマンド値が減少しない、または、別の時刻Tにおける電力需要家全体の最大模擬全体デマンド値が最も大きくなった場合は、始動時刻をずらす対象とする電気機器Aを別の電気機器Aに変更して行う。
繰り返し計算は,始動時刻を最大で60分間ずらす(30分間遅らせる又は30分早める)まで繰り返し行う。なお、このシフト時間は±30分に限定するものではなく、任意の所定期間(例えば、±1分という短期間や、±120分という長期間)を採用することもできる。さらに上記の「遅らせた」に代えて「早めた」にして同様に模擬計算する。
例えば、電気機器Aの始動時刻を30分遅らせたとき、需要家全体の最大模擬全体デマンド値がある時刻で最大となった場合は、その時刻で部分デマンド値が最も大きい電気機器Aを検出する。
電気機器Aの始動時刻を10分間遅らせたと仮定して需要家全体の模擬全体デマンド値を計算する。このとき電気機器Aの始動時刻は30分遅らせた条件を変更しないで計算する。最終的には、図4(b)で示すように時刻Tの付近で最大模擬全体デマンド値が図4(a)の最大全体デマンド値よりも小さくなった運用パターンが決定される。
このようにして電力需要家の最大需要電力(最大デマンド値)を減少させることを目的とした電気機器の運用方法の検討を支援するための電気設備運転時刻変更のシミュレーションを行うことができる。
続いて、運用パターン表示装置10がこのようなシミュレーションにより行う運用パターン表示について図5のフローを参照しつつ説明する。
演算部14は、時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値に基づいて部分の所定時間単位別の部分デマンド値を全ての部分1,部分2,・・・,部分nについて時刻別に算出する部分デマンド値算出を行う。これは図5の部分デマンド値算出手順(ステップS10)に相当する。n個の部分計測部20それぞれの電力量の実測データを使って電気機器300それぞれについての部分デマンド値(kW)を算出する。
ここに、部分デマンド値は以下のように表される。
[数2]
部分デマンド値(kW)=30分間の積算電力量(kWh)/30(分)
=30分間の積算電力量(kWh)/0.5(h)
ここで、30分間とは、毎時ごとの0分から30分、30分から60分の30分間を表している。
演算部14は、時刻情報およびIDが関連付けられた全体電力量値を用いて電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出を行う。これは図5の全体デマンド値算出手順(ステップS11)に相当する。全体計測部30からの総電力量の実測データを使って電力需要家で使用される設備全体の全体デマンド値(kW)を算出する。
ここに、全体デマンド値は以下のように表される。
[数3]
全体デマンド値(kW)=30分間の積算電力量(kWh)/30(分)
=30分間の積算電力量(kWh)/0.5(h)
ここで、30分間とは、毎時ごとの0分から30分、30分から60分の30分間を表している。
演算部14は、算出された全体デマンド値の中でピークに相当する最大全体デマンド値を特定する。これは図5の最大全体デマンド値特定手順(ステップS12)に相当する。例えば、図3(a),図4(a)で示すように最大全体デマンド値が算出される。
演算部14は、最大デマンド値が検出された時刻を含む月日を選定する。これは図5の月日選定手順(ステップS13)に相当する。この選択では、例えば、最大全体デマンド値が記録された月日を選択する。また、その月日を含む夜0時から夜23時30分までの計測データが選択されるものとする。
演算部14は、選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する。この運用パターン決定は図5のタイムシフト手順(ステップS14)、模擬部分デマンド値算出手順(ステップS15)、模擬全体デマンド値算出手順(ステップS16)が運用パターン決定手順に相当する。以下詳細に説明する。
演算部14は、所定期間で部分1,部分2,・・・,部分nのうちの一の部分電力量値のタイムシフトを行う。これは図5のタイムシフト手順(ステップS14)に相当する。
演算部14は、ある電気機器300の始動時刻を所定期間(例えば5分とか10分間)遅らせた(又は早めた)と仮定した場合の部分電力量値を算出する。
演算部14は、タイムシフトされた部分電力量値に基づいて模擬部分デマンド値を算出する。これは図5の模擬部分デマンド値算出手順(ステップS15)に相当する。例えば、図3(b)で示すように模擬部分デマンド値1(折れ線Bの各値)が算出される。
演算部14は、全体デマンド値と模擬部分デマンド値との和から部分デマンド値を減じて模擬全体デマンド値を算出する。これは図5の模擬全体デマンド値算出手順(ステップS16)に相当する。模擬全体デマンド値=(全体デマンド値+模擬部分デマンド値−部分デマンド値)となる。例えば、図3(b)で示すように模擬全体デマンド値(折れ線Cの各値)が算出される。
なお、この運用パターン決定は図5のタイムシフト手順(ステップS14)、模擬部分デマンド値算出手順(ステップS15)、模擬全体デマンド値算出手順(ステップS16)を、シフト時間を変更して繰り返し行い、最大模擬全体デマンド値が最も小さくなるような運用パターンを決定するようにしても良い。
運用パターンの決定後、演算部14は、所定時間単位別の全体デマンド値および模擬全体デマンド値のグラフを表示部16に表示する。これは図5の表示手順(ステップS17)に相当する。例えば、図4(a),(b)や図6のシミュレーション前の図,図7のシミュレーション後の図で示すように、30分毎の時刻を横軸に、また、デマンド値を縦軸とし、全体デマンド値、および、各電気機器のデマンド値を、それぞれ折れ線で同時に表示する結果グラフとした。これにより、ピークである最大全体デマンド値が出現するときにどの電気機器の部分デマンド値が影響を与えているかを一目で理解できる。このような表示としても良い。
また、図8のシミュレーション前の図や図9のシミュレーション後の図で示すように、30分毎の時刻を横軸に、また、デマンド値を縦軸とし、全体デマンドを折れ線グラフで、また、各電気機器のデマンド別に合算した棒グラフで、それぞれ同時に表示する結果グラフとしたのでピークである最大全体デマンド値が出現するときにどの電気機器のデマンドが影響を与えているかを一目で理解できる。棒グラフにおける各棒の長さは、全体のデマンドを示す。一本の棒が色の異なる5つの領域を有している場合は、5個の部分デマンドの合算であることを示し、色によりどの部分デマンドが大きいかを判別できる。このような表示としても良い。
また、図10で示すように、30分毎の時刻を横軸に、また、デマンド値を縦軸とし、シミュレーション前の実測値の結果グラフと、シミュレーション後の結果グラフと、を比較できるように並べて表示して、新たな運用パターンの良否を判定できるようにする。このような表示としても良い。なお、図10では図6,図7のグラフでシミュレーションの前後の表示を並べて行ったが、図8,図9の折れ線と棒グラフを組み合わせたグラフでシミュレーションの前後のグラフを並べて表示するようにしても良い。
このような本発明の運用パターン表示装置10では、特に、最大全体デマンド値が最も大きい日の計測データを用いて、シミュレーションにより最大全体デマンド値が小さくなるような運用パターンが示され、上記のような電気機器300の始動時刻を所定期間(例えば5分とか10分間)遅らせた(又は早めた)タイムシフトが有効であることが確認される。例えば、デモンストレーションとして表示するときにシミュレーション前後で差が大きく効果が最も理解しやすいものが選択されており、システムの有効性を認識させてシステムの普及に寄与する。
例えば、営業担当者が運用パターン表示装置を携えて、顧客である電力需要家の元へ訪れ、電力需要家で使用される電気機器から計測データを実際に取得して、電気機器を始動する時刻や稼働する時間帯を調整するシミュレーションおよび表示を行うことで、電力需要家全体の最大使用電力(最大デマンド値)を抑制できる運用パターンを発見できることが理解される。運用パターン表示装置はこのようなものである。
続いて他の形態について説明する。運用パターン表示装置10でピークである最大全体デマンド値が画面右側や画面左側に偏在することがある。このような場合にシミュレーションの前後で運用パターンに変化があったか判別しにくいこともある。そこで、ピークである最大全体デマンド値が中央に位置するように表示する。
この場合、図5のフローにおいて、さらに図5の月日選定手段(ステップS13)では、最大全体デマンド値が検出された時刻を基準として前後で同じ期間となるように計測データを選択する。また、図5の運用パターン決定手段(ステップS14,S15,S16)は、最大全体デマンド値が検出された時刻を基準として前後で同じ期間となるように選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する。また、図5の表示手段(ステップS17)は、最大全体デマンド値が検出された時刻が略中央となるように運用パターンのグラフを表示する。
表示としては最大全体デマンド値が中央に表示されるシミュレーション前の図11や、模擬最大全体デマンド値が中央に表示されるシミュレーション後の図12が表示される。図11,図12では、最大全体デマンド値が出現する8時30分を中央に配置し、前日の20時30分から当日の夜20時00分までのデマンド値を表したグラフとしている。例えば、中央基準線などと共に表示して、最大全体デマンド値や模擬最大全体デマンド値の位置をわかりやすくしても良い。
なお、図11,図12では折れ線により最大全体デマンド値が中央に表示されるシミュレーションの前後の表示を行ったが、図8,図9の折れ線と棒グラフを組み合わせたグラフで最大全体デマンド値が中央に表示されるシミュレーションの前後の表示を行っても良い。このような表示とすることでも、効果がわかりやすくなる。
なお、運用パターン表示装置10では入力部15からの入力により、図6〜図12の何れかを選択的に表示できるようにしても良い。このような装置であっても、効果をわかりやすくすることができる。
続いて他の形態の運用パターン表示装置について説明する。ここでは、表示方式を追加したものである。図13で示すようなフローに従うものであるが、まず、先に図5で説明したステップS10〜ステップS17と同様の処理を行って運用パターンのグラフを表示させる。それから、他の運用パターンのグラフの表示を行うというものである。
最初の表示の終了後に、演算部14は、最大全体デマンド値が検出された時刻を含む日および前後複数の日からなる日付と、各日付の最大全体デマンド値と、を併せて表示する。これは図13のデマンド選択部表示手順(ステップS18)に相当する。例えば、図14で示すようにグラフの上に選択用のウィンドウ50を表示させ、この中に最大全体デマンド値が検出された時刻を含む日およびこの日を基準として前後複数の日、からなる日付と、各日付の最大全体デマンド値(図では△△,△△△○などと表示)、を併せて表示する。ピークが最も大きい日を色分けや下線を付して他と異なる表示として理解しやすいようにする。
そして、所望の日付を選択すると、図13で示すようにシミュレーションが再度開始されて、その選択された日付の部分デマンド値や全体デマンド値を用いてタイムシフト手順(ステップS14)、模擬部分デマンド値算出手順(ステップS15)、模擬全体デマンド値算出手順(ステップS16)、表示手順(ステップS17)を繰り返し行い、図15に示すようなシミュレーション結果を表示する。
このような図13〜図15を用いて説明した運用パターン表示装置では、多数の月日とその日のピークとなる最大全体デマンド値とをウィンドウ50に同時に表示して所望の日を選択できるようにして、月日が異なる複数のシミュレーション結果を表示するのでこの点でも比較が容易になるという利点がある。
なお、運用パターン表示装置10では入力部15からの入力により、図6〜図12や図14,図15の何れかを選択的に表示できるようにしても良い。このような装置であっても、シミュレーションの効果をわかりやすくすることができる。
続いて他の計測システム2からの計測データの取り込みについて説明する。計測システム2は、図16で示すように、運用パターン表示装置10、n個の部分計測部20、全体計測部30、通信回線40、携帯端末50を備える。
運用パターン表示装置10は、図1を用いて説明したものと同じ構成を有し、今まで説明した図5,図13の方法により運用パターン表示を行うが、本形態ではインターフェース部11が通信回線40と接続される点が相違している。
n個の部分計測部20は、電力需要家が有する電気機器300その他の部分の使用電力または使用電力量に基づいて部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値を算出して時刻情報およびIDとともに通信回線40を介して送信する機能を有し、電力量センサ、電力量計あるいは電力量算出手段を有する。また、データ送信手段も有する。IDにより複数ある部分計測部20のうちのどの部分計測部20であるかが判定できるようになっている。なお、部分計測部20が計測機能のみ有し、この部分計測部20の後段に図示しないデータ送信部を設けた構成としても良い。このような部分計測部20はn個配置されるが、全ての部分計測部20で計測される電力量を加算したものは、理論上では全体計測部30で計測される電力量と一致する。
電力量センサまたは電力量計は、デマンド時限より短い所定の間隔で使用電力量(kWh)を測定する。例えば、1分間隔である。電力量を計測する対象は、電気機器(1台以上)またはエリア毎(分電盤の分岐ブレーカー、コンセント単位など)という全体から適宜分割された単位である部分に含まれる各電気機器の電力量値(kWh)である。本形態では一の電気機器200を一の部分としている。一の電気機器200に特有のIDが割り振られている。送信する計測データにはこの電気機器200の使用電力量(kWh)はある時刻から所定期間までの時刻であることを示す時刻情報が付与される。また、どの部分計測部20からの出力であるかを特定するIDが付与される。
電力量算出手段は、電流センサで計測した電流値から電気機器(1台以上)またはエリア毎の電力量を次式数4の手法により簡易的に算出する機能を有する。
[数4]
使用電力量(kWh)=電流値(実測値)×電圧値(設定値)×力率(設定値)×時間
なお、数4の計算の前提条件として、電圧値は、計測対象の回路や電気機器の定格電圧を用いるか、又は、電流値を計測した任意(の時刻)に測定した電圧値をそのまま回路などの電圧と見做す(一定値と仮定して計算する)。力率は、任意の値を設定する(一定値と仮定して計算する。)。送信する計測データにはこの使用電力量(kWh)はある時刻から所定期間までの時刻であることの情報である時刻情報が付与される。また、全体計測部30からの出力であることを特定するIDが付与される。
全体計測部30は、電力供給部100から供給される電力需要家の全体の使用電力または使用電力量に基づいて全体電力量値を算出して時刻情報およびIDとともに通信回線40を介して送信する機能を有し、電力量センサ、電力量計あるいは電力量算出手段を有する。また、データ送信手段も有する。なお、全体計測部30が計測機能のみ有し、この全体計測部30の後段に図示しないデータ送信部を設けた構成としても良い。
電力量センサまたは電力量計は、デマンド時限より短い所定の間隔で使用電力量(kWh)を測定する。例えば、1分間隔である。電力量を計測する対象は、電力供給部100から供給される電力、すなわち電力需要家全体で使用される総電力量値(kWh)である。送信する計測データにはこの使用電力量(kWh)はある時刻から所定期間までの時刻であることを示す情報である時刻情報が付与される。また、全体計測部30からの出力であることを特定するIDが付与される。
また、電力量算出手段は、電力供給部100からの電流値を電流センサで計測し、この電流値から電力量を簡易的に算出する機能を有する。電力量の計測は、電流と電圧の2つの情報が必要となるため、センサなどの配線が複雑になり、既設の設備に簡易に設置できない場合が想定される。その場合は、取り付けが容易な電流センサで実測した電流値を用いて先の数4により電力量値を推定する。送信する計測データにはこの使用電力量(kWh)はある時刻から所定期間までの時刻であることの情報である時刻情報が付与される。また、全体計測部30からの出力であるかを特定するIDが付与される。
通信回線40は、部分計測部20および全体計測部30と、有線または無線により通信する。通信方式は適宜採用することができる。
続いて本システムによるデータの蓄積について説明する。
部分計測部20は、電気機器300で使用される部分電力量(kWh)を実測データとして取得する。この際、n個の部分計測部20は、それぞれ対応する電気機器300で使用される部分電力量を実測データとして取得する。そして、実測データに対し、n個あるうちの一の電気機器300からの出力であることを識別する情報であるIDと、測定した時刻情報(例えば、1分間単位別の時刻)と、を対応付けて計測データとする。
同様に全体計測部30は電力供給部100から設備全体で使用される全体電力量(kWh)を実測データとして取得する。そして、実測データに対し、電力供給部100からの出力であることを識別するための情報であるIDと、測定した時刻情報(例えば、1分間単位別の時刻)と、を対応付けて計測データとする。
これら計測データは、通信回線40を介して、運用パターン表示装置10へ送られる。運用パターン表示装置10の演算部14は、インターフェース部11を通じて取得したデータを記憶部12に記憶する。
ここで、電力量の計測データが通信エラーなどで欠落した場合、運用パターン表示装置10で補完が行われる。演算部14が欠落した期間(例えば、30分以内)の直前と直後の2つの計測データを記憶部12に記憶しておき、これら2つの計測データ間を直線近似で補完処理を行い、補完した計測データを外部記憶部13に記憶させる。
運用パターン表示装置10の演算部14は、最終的に計測データを外部記憶部13に記憶させる。運用パターン表示装置10は、このような計測データの蓄積を1週間程度以上連続して行うことが可能である。このようにして過去から現在までの計測データが蓄積されているものとする。そして、運用パターン表示装置10は、全体計測部30および複数の部分計測部20から送信された全体電力量値および複数の部分電力量値を含む計測データを登録して先に図1〜図13を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
続いて他の形態の計測システム3について図17を参照しつつ説明する。先に図16を用いて説明した計測システム2では、運用パターン表示装置10が通信回線40を通じて計測データをオンラインで収集していたが、計測データはオンラインで伝送されたものに限定する必要はない。そこで、計測システム3は、図16のシステムに加え、通信回線40と運用パターン表示装置10との間に、計測データ収集装置(iNC)60を設ける。
計測データ収集装置(iNC)60は、n個の部分計測部20および全体計測部30から送信された各値を用い、時刻情報とIDとが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値、および、時刻情報とIDとが関連付けられた全体電力量値を含む計測データとして登録する計測データを蓄積する機能を有する。この計測データ収集装置60に計測データを収集記憶させる。そして、運用パターン表示装置10は、所望のときに運用パターン表示装置10が計測データ収集装置60から計測データを読み出し、先に図1〜図15を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
続いて他の計測システム4について説明する。先に図17を用いて運用パターン決定を行うことを説明した計測システム3では、計測から運用パターン決定までを行う一体の装置であったが、本形態では、図18で示すように、n個の部分計測部20、全体計測部30、通信回線40、計測データ収集装置60までが設置され、計測データ収集装置60から計測データをUSBメモリなどで読み出し、他の箇所にある運用パターン表示装置10がUSBメモリから計測データを読み出して運用パターンの決定支援を行う。
この場合、データ収集は計測データ収集装置60がデータ収集を行う。そして、運用パターン表示装置10は、所望のときに運用パターン表示装置10が計測データ収集装置60からUSBメモリを介して計測データを読み出し、先に図1〜図15を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
続いて他の形態の計測システムについて説明する。先に図2を用いて説明した計測システム1では、n個の部分計測部20や全体計測部30を有するものとして説明した。しかしながら、図19に示す本形態の計測システム5では、図2の計測システム1のうちで全体計測部30のみを取り去った構成とした。
この場合、運用パターン表示装置10の演算部14は、図5,図13の全体デマンド値算出手順(S11)のみが相違することになり、部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出を行う。後は図5,図13を用いて説明したものと同じフローにて運用パターン決定支援が行われる。特にn個の部分電力量値を加算して全体電力量値を算出することで、全体計測部を省略した点が特徴となっている。
続いて実際の運用パターン決定支援の具体例について説明する。図20は運用パターンの決定に用いられるデータの説明図である。電気機器300として機器A1,A2,A3を備える。機器A1,A2,A3の部分電力量はそれぞれ、PA1,PA2,PA3であり、また、デマンド値はそれぞれDA1,DA2,DA3である(表の(1),(2),(3))。また、機器A1,A2,A3のデマンド値を全て加算したDA1+DA2+DA3が算出される(表の(4))。この結果は図21で示すようになる。8:30:00のデマンド値が突出している。
そこで、機器A1の始動時刻をタイムシフトする。電気機器A1の始動時刻を10分間遅らせたと仮定して電力需要家全体の全体デマンド値を計算する。タイムシフトしたときのデマンド値はDA1シフトである(表の(5))。機器A1,A2,A3のデマンド値を全て加算したDA1シフト+DA2+DA3が算出される(表の(6))。この結果は図22で示すようになる。実測では8:30:00のデマンド値(94.166667)が突出していたが、模擬後にはデマンド値(84.5)が減少しており、運用パターンの変更に効果があることが確認される。
このようにして電力需要家の最大需要電力(最大デマンド値)を減少させることを目的とした電気機器の運用方法の検討を支援するための電気設備運転時刻変更の簡易シミュレーション装置とすることができる。
このような本形態によれば、全体計測部を用いなくとも良くなり、システム構成の低コスト化を実現する。
また、先に図16を用いて説明した計測システム2では、n個の部分計測部20や全体計測部30を有するものとして説明した。しかしながら、図23に示す本形態の計測システム6では、図16の計測システム2のうちで全体計測部30のみを取り去った構成とした。この場合でも上記のように運用パターン表示装置10の演算部14は、図5,図13の全体デマンド値算出手順(S11)のみが相違することになり、部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出を行う。以下、同様のフローにて表示を行うことができる。運用パターン表示装置10は、先に図1〜図15を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
また、先に図17を用いて説明した計測システム3では、n個の部分計測部20や全体計測部30を有するものとして説明した。しかしながら、図24に示す本形態の計測システム7では、図17の計測システム3のうちで全体計測部30のみを取り去った構成とした。この場合でも上記のように運用パターン表示装置10の演算部14は、図5,図13の全体デマンド値算出手順(S11)のみが相違することになり、部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出を行う。以下、同様のフローにて表示を行うことができる。運用パターン表示装置10は、先に図1〜図15を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
また、先に図18を用いて説明した計測システム4では、n個の部分計測部20や全体計測部30を有するものとして説明した。しかしながら、図25に示す本形態の計測システム8では、図18の計測システム4のうちで全体計測部30のみを取り去った構成とした。この場合でも上記のように運用パターン表示装置10の演算部14は、図5,図13の全体デマンド値算出手順(S11)のみが相違することになり、部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出を行う。以下、同様のフローにて表示を行うことができる。運用パターン表示装置10は、先に図1〜図15を用いて説明したような運用パターン決定方法により運用パターンを決定し、表示を行う。このような装置とすることもできる。
以上本発明の運用パターン表示装置について説明した。本発明の運用パターン表示装置以下のような利点を有する。
(1)電力需要家で使用する電気機器の使用電力量の実測値をもとに、電気機器の始動時刻を変更した条件でデマンド値を模擬計算することで、設備全体の最大使用電力を抑制し、電気の基本料金を節約できる運用条件の検討が簡便に行える。このように電力需要家全体の全体デマンド値を減少させる電気機器の運用パターンを容易に推測することができる。このような運用パターンが表示されるため、効果の確認が容易になされる。
(2)電力需要家の電気設備の変更や使用する電力を抑制・停止する制御を行うことなく、一部の電気機器の始動時刻を調整することで対応できる点が表示され、この点でも効果の確認が行われる。
本発明の運用パターン表示装置は、工場、ビルディング、大型商業施設、病院などの大口電力需要家は勿論のこと最大デマンド値で基本料金が決定される契約形態の電力需要家全体など各種の運用パターンの表示を可能としており、幅広く適用が可能である。
1,2,3,4,5,6,7,8:計測システム
10:運用パターン表示装置
11:インターフェース部
12:記憶部
13:外部記憶部
14:演算部
15:入力部
16:表示部
20:部分計測部
30:全体計測部
40:通信回線
50:ウィンドウ
60:計測データ収集装置(iNC)

100:電力供給部
200:電力線
300:電気機器

Claims (4)

  1. 時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値と、時刻情報およびIDが関連付けられた全体電力量値と、を含む計測データを用いて決定された運用パターンを表示する運用パターン表示装置であって、
    時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値に基づいて部分の所定時間単位別の部分デマンド値を全ての部分1,部分2,・・・,部分nについて時刻別に算出する部分デマンド値算出手段と、
    時刻情報およびIDが関連付けられた全体電力量値を用いて電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出手段と、
    前記全体デマンド値算出手段で算出された全体デマンド値の中で最大全体デマンド値を特定する最大全体デマンド値特定手段と、
    最大全体デマンド値が検出された時刻を含む月日を選定する月日選定手段と、
    選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する運用パターン決定手段と、
    決定された運用パターンのグラフを表示する表示手段と、を備え
    前記運用パターン決定手段は、
    所定期間で部分1,部分2,・・・,部分nのうちの一の部分電力量値のタイムシフトを行うタイムシフト手段と、タイムシフトされた部分電力量値に基づいて模擬部分デマンド値を算出する模擬部分デマンド値算出手段と、前記全体デマンド値と前記模擬部分デマンド値との和から前記部分デマンド値を減じて模擬全体デマンド値を算出する模擬全体デマンド値算出手段とを備え、
    前記表示手段が、所定時間単位別の全体デマンド値および模擬全体デマンド値による運用パターンのグラフを表示することを特徴とする運用パターン表示装置。
  2. 時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値を含む計測データを用いて決定された運用パターンを表示する運用パターン表示装置であって、
    時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの部分電力量値に基づいて部分の所定時間単位別の部分デマンド値を全ての部分1,部分2,・・・,部分nについて時刻別に算出する部分デマンド値算出手段と、
    時刻情報およびIDが関連付けられた部分1,部分2,・・・,部分nの所定時間単位別の部分デマンド値を全て加算して電力需要家全体の所定時間単位別の全体デマンド値を時刻別に算出する全体デマンド値算出手段と、
    前記全体デマンド値算出手段で算出された全体デマンド値の中で最大全体デマンド値を特定する最大全体デマンド値特定手段と、
    最大全体デマンド値が検出された時刻を含む月日を選定する月日選定手段と、
    選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する運用パターン決定手段と、
    決定された運用パターンのグラフを表示する表示手段と、を備え
    前記運用パターン決定手段は、
    所定期間で部分1,部分2,・・・,部分nのうちの一の部分電力量値のタイムシフトを行うタイムシフト手段と、タイムシフトされた部分電力量値に基づいて模擬部分デマンド値を算出する模擬部分デマンド値算出手段と、前記全体デマンド値と前記模擬部分デマンド値との和から前記部分デマンド値を減じて模擬全体デマンド値を算出する模擬全体デマンド値算出手段とを備え、
    前記表示手段が、所定時間単位別の全体デマンド値および模擬全体デマンド値による運用パターンのグラフを表示することを特徴とする運用パターン表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の運用パターン表示装置において、
    前記月日選定手段は、月日に加えて最大全体デマンド値が検出された時刻を基準として前後で同じ期間となるように計測データを選択する手段であり、
    前記運用パターン決定手段は、選定された月日における時刻別の部分デマンド値および全体デマンド値を用いて運用パターンを決定する手段であり、
    前記表示手段は、最大全体デマンド値が検出された時刻が略中央となるように運用パターンのグラフを表示する手段であることを特徴とする運用パターン表示装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の運用パターン表示装置において、
    最大全体デマンド値が検出された時刻を含む日および前後複数の日からなる日付と、日付の日のそれぞれの最大全体デマンド値と、を併せて表示するデマンド選択部表示手段を備えることを特徴とする運用パターン表示装置。
JP2014038332A 2014-02-28 2014-02-28 運用パターン表示装置 Expired - Fee Related JP6250436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038332A JP6250436B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 運用パターン表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038332A JP6250436B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 運用パターン表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015163017A JP2015163017A (ja) 2015-09-07
JP6250436B2 true JP6250436B2 (ja) 2017-12-20

Family

ID=54185779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014038332A Expired - Fee Related JP6250436B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 運用パターン表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6250436B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7027273B2 (ja) * 2018-07-11 2022-03-01 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 設備選択支援装置及びプログラム
JP7206760B2 (ja) * 2018-10-02 2023-01-18 中国電力株式会社 データ管理システム
JP7387928B1 (ja) * 2023-02-16 2023-11-28 日鉄テックスエンジ株式会社 負荷平準化装置および負荷平準化方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4606257B2 (ja) * 2005-06-16 2011-01-05 中国電力株式会社 デマンド要因分析システムおよびデマンド要因分析方法
CN102057395A (zh) * 2008-06-10 2011-05-11 松下电工株式会社 能量管理系统以及计算机程序
JP5462733B2 (ja) * 2010-06-30 2014-04-02 株式会社デジタル プログラマブル表示器およびデータ表示プログラム
JP2012123059A (ja) * 2010-12-06 2012-06-28 Japan Techno Co.Ltd デマンドカレンダー、デマンドカレンダー作成装置、デマンドカレンダー作成方法
JP5679029B2 (ja) * 2013-10-18 2015-03-04 株式会社リコー 消費電力量導出装置、消費電力量導出方法、プログラム、及び消費電力量導出システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015163017A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190279262A1 (en) Information processing apparatus, method for generating electric power price list, information processing system, and display device
JP5537535B2 (ja) 消費電力表示装置及び消費電力表示方法
JPWO2013088584A1 (ja) 表示端末、電力制御システム、および表示方法
CN110283953B (zh) 冶炼控制方法、装置、电子设备及计算机可读存储介质
JP6250436B2 (ja) 運用パターン表示装置
JP6425818B2 (ja) 電力制御装置、コスト表示方法、及び、プログラム
JP5991611B2 (ja) エネルギー管理装置、エネルギー管理システム、プログラム
JP6127578B2 (ja) 表示装置、表示方法及びコンピュータプログラム
JP4326376B2 (ja) 省エネ行動指針提供システム
JP2013090485A (ja) Co2排出量監視装置、co2排出量監視方法、co2排出量監視プログラム、およびco2排出量監視システム
JP2017139957A (ja) デマンドカレンダー
JP6018348B1 (ja) 節電支援装置、及び節電支援方法
JP4977745B2 (ja) 省電力シート及び省電力シート出力装置
CN108872915A (zh) 判定方法和判定装置
JP6304706B2 (ja) 模擬装置、運用パターン決定支援システム及び運用パターン決定支援方法
JP2015102526A (ja) 電力推定装置及び電力推定方法
JP2013020498A (ja) 電力シミュレーションシステム
JP2016095591A (ja) 電力管理装置、及び情報提示方法
JP3173454U (ja) 省電力シート及び省電力シート出力装置
JP2016218681A (ja) インセンティブ予測量提示装置
JP5111570B2 (ja) 省エネルギー対策支援装置
JP6018349B1 (ja) 節電支援装置、及び節電支援方法
JP2010066792A (ja) オール電化試算システム、オール電化試算方法およびオール電化試算プログラム
JP2006184218A (ja) 電力量計
JP5615390B2 (ja) 使用電力推定装置、使用電力推定方法及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6250436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees