JP6250365B2 - ロジウム及びルテニウムの濃縮方法 - Google Patents

ロジウム及びルテニウムの濃縮方法 Download PDF

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本発明は、ロジウム及びルテニウムの濃縮方法に関し、より具体的には、銅電解殿物の湿式処理により得られるセレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含むアルカリ浸出残渣のロジウム及びルテニウムの濃縮に好適なロジウム及びルテニウムの濃縮方法に関する。
銅の電解精製は、転炉からの粗銅を、精製炉において99.5%程度に精製し、鋳造した陽極(アノード)と陰極としての種板あるいはステンレス板を、電解槽に交互に数十枚一組で吊して実施する。種板あるいはステンレス板上に電着した銅は電気銅と呼ばれる。電解槽の底には陽極中に含まれる不純物が泥状に沈積する。この沈積物は銅電解殿物(アノードスライム)と呼ばれる。銅電解物中には、銅に加えて金を始め原料中の種々の貴金属が濃縮しており、貴金属回収の主要原料とされている。
銅電解殿物の処理においては、乾式法、湿式法のいずれの処理法も実用化されているが、設備コスト、処理流れなどの面から、湿式法の有用性が高いと考えられてきている。湿式法においては、銅電解殿物を脱銅工程、塩化浸出工程、金抽出工程を経由する予備処理の後、亜硫酸ガスを用いて白金属を還元し白金属含有還元物を得て、さらに亜硫酸ガスを用いてセレン、テルルを含む還元残渣を得る。
このセレン、テルルを含む還元残渣には、セレン、テルルの他にロジウム、ルテニウムが含有しているため、還元残渣を処理施設へ運搬してロジウム、ルテニウムを回収する工程が行われている。
しかしながらこの還元残渣中のロジウム、ルテニウムの品位はそれほど高くないため、ロジウム、ルテニウムを回収するための前処理として、還元残渣から不純物であるセレン及びテルルを更に浸出させ、ロジウム、ルテニウムを浸出残渣中に濃縮することが望ましい。
例えば特開2005−126800号公報には、セレン、テルルを含む還元滓中に含まれるロジウム、ルテニウムを濃縮する方法として、セレン、テルルを含む還元残渣を水酸化ナトリウムにリパルプし、一定量の過酸化水素を添加し続ける方法で、セレン、テルルを酸化浸出する方法が提案されている。
特開2007−270233号公報には、ロジウム及びルテニウムを含む残渣を、セレン及び又はテルルのモル数の合計に対して水酸化ナトリウムのモル数が2〜5倍である水溶液と混合させて空気を吹き込む方法が提案されている。
特開2005−126800号公報 特開2007−270233号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、過酸化水素の薬液コストが大きくなるという問題がある。更に一定の酸化還元電位で浸出を終了しても、水溶液中に残存する過酸化水素の影響により、酸化反応が停止するまでの反応が一定しないため、浸出反応が進みすぎてルテニウム又はロジウムを浸出させてしまう問題がある。
特許文献2に記載された方法では、過酸化水素の代わりに空気を吹き込んでセレン、テルルを酸化浸出することで、特許文献1に比べて薬液コストも小さく、より安定的に反応を進めることができるが、処理効率の面を鑑みると未だ改善の余地がある。
上記課題を鑑み、本発明は、ロジウム及びルテニウムを浸出させることなく、安価で効率良くロジウム及びルテニウムを濃縮することが可能なロジウム及びルテニウムの濃縮方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む残渣をアルカリ浸出すること(アルカリ浸出工程)によってアルカリ浸出残渣とアルカリ浸出後液を得て、得られた浸出残渣を硫酸で浸出すること(硫酸浸出工程)により硫酸浸出残渣と硫酸浸出後液とを得る処理方法において、アルカリ浸出工程及び/又は硫酸浸出工程で得られるアルカリ浸出残渣及び/又は硫酸浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程に繰り返すことにより、ロジウム及びルテニウムを安価で効率的に濃縮できることを見出した。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む浸出残渣にアルカリを添加し、空気を吹き込むことによりセレン及びテルルをアルカリ浸出するアルカリ浸出工程と、アルカリ浸出工程後の溶液を固液分離し、セレン及びテルルを含むアルカリ浸出後液とロジウム及びルテニウムとを含むアルカリ浸出残渣を得る固液分離工程と、アルカリ浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返すことを含むロジウム及びルテニウムの濃縮方法である。
本発明は別の一側面において、セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む浸出残渣にアルカリを添加し、空気を吹き込むことにより、セレン及びテルルをアルカリ浸出するアルカリ浸出工程と、アルカリ浸出工程後の溶液を固液分離し、セレン及びテルルを含むアルカリ浸出後液とロジウム及びルテニウムとを含むアルカリ浸出残渣を得る第1の固液分離工程と、アルカリ浸出残渣に酸を添加し、アルカリ浸出残渣に含まれるセレンを浸出させる酸浸出工程と、酸浸出工程後の溶液を固液分離し、セレンを含む酸浸出後液とロジウム及びルテニウムを含む酸浸出残渣とを得る第2の固液分離工程と、酸浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返すことを含むロジウム及びルテニウムの濃縮方法である。
本発明に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は別の一実施態様において、酸浸出残渣の20〜70質量%をアルカリ浸出工程へ繰り返すことを含む。
本発明に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は更に別の一実施態様において、アルカリ浸出残渣の20〜70質量%をアルカリ浸出工程へ繰り返すことを含む。
本発明に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は更に別の一実施態様において、アルカリ浸出工程が、50〜150g/Lのパルプ濃度で50〜150g/Lの苛性ソーダを添加しながら空気を吹き込んで液中の酸化還元電位を−150〜−240mVの範囲に調整することを含む。
本発明に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は更に別の一実施態様において、酸浸出工程が、100〜150g/Lのパルプ濃度で30〜80g/Lの硫酸を添加しながら70〜90℃で8時間以上撹拌することを含む。
本発明によれば、ロジウム及びルテニウムを浸出させることなく、安価で効率良くロジウム及びルテニウムを濃縮することが可能なロジウム及びルテニウムの濃縮方法が提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法を表す処理フロー図である。 本発明の第2の実施の形態に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法を表す処理フロー図である。
<処理対象とする残渣>
以下、本発明の詳細について説明する。本発明に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法が処理対象とする残渣は、セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを少なくとも含む残渣である。
この残渣は、典型的には、銅電解殿物の湿式処理工程で得られるセレン、テルル、ロジウム、ルテニウムを含む残渣である。より具体的には、銅電解殿物に対して脱銅浸出、塩化浸出、金抽出、セレン還元処理を行った後のテルル還元滓を、苛性ソーダによりアルカリ浸出した後のアルカリ浸出残渣が利用可能である。
この還元残渣には、セレンが21〜80質量%、テルルが10〜40質量%、ロジウムが0.05〜質量%、ルテニウムが0.5〜13質量%含まれている。本発明では、この残渣を処理し、ロジウム及びルテニウムを濃縮するための2つの実施形態について以下に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は、図1に示すように、アルカリ浸出工程、第1の固液分離工程、第1の固液分離工程後の残渣繰り返し工程、酸浸出工程、第2の固液分離工程を含む。
アルカリ浸出工程では、セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む残渣を、50〜150g/L、より好ましくは70〜100g/Lのパルプ濃度で50〜150g/L、より好ましくは80〜100g/Lの苛性ソーダなどのアルカリ水溶液にリパルプし、溶液を70〜90℃、より好ましくは75〜85℃に加熱しながら空気を吹き込むことで、溶液中にセレン、テルルを浸出させる。セレン、テルルを効率良く浸出させるためには、溶液の酸化還元電位(銀−塩化銀基準)を−150〜−240mV、より好ましくは−180〜−220mVで空気の吹き込みを止め、アルカリ浸出反応を停止させることが好ましい。
次に、アルカリ浸出工程後の水溶液を固液分離し、セレン及びテルルを含むアルカリ浸出後液とロジウム及びルテニウムとを含むアルカリ浸出残渣とを得る。固液分離方法としては特に制限されないが、例えばフィルタープレス等を用いた固液分離方法が利用可能である。
第1の固液分離工程で得られたアルカリ浸出残渣には、回収対象とするロジウム及びルテニウムの他にも、不純物としてのセレン、テルルが含まれている。最終的に得られる残渣中のロジウム及びルテニウムの含有率を上げるため、アルカリ浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返す。
アルカリ浸出工程へ繰り返すアルカリ浸出残渣の量は、アルカリ浸出反応により得られるアルカリ浸出残渣の総質量の20%以上とするのが好ましい。得られたアルカリ浸出残渣の全量をアルカリ浸出工程へ繰り返してもよいが、アルカリ浸出処理にアルカリ浸出残渣を全量繰り返すことで処理時間が長くなり処理効率が向上しない場合がある。また、その後のロジウム、ルテニウムの回収用原料として回収すべき残渣(酸浸出残渣)の発生量を考慮すると、繰り返し量は、得られるアルカリ浸出残渣の全質量に対して20〜70%、より好ましくは20〜50%、更に好ましくは1/3(33%)程度である。
次いで、固液分離によって得られたアルカリ浸出残渣に酸を加え、100〜150g/Lのパルプ濃度で30〜80g/Lの酸を添加しながら70〜90℃で8時間以上撹拌し、アルカリ浸出残渣中のセレンを更に浸出させる。酸としては、硫酸が利用可能である。
酸浸出後の水溶液をフィルタープレスなどにより固液分離し、ロジウム及びルテニウムとを含む酸浸出残渣とセレンを含む酸浸出後液を得る。得られた酸浸出残渣は、ロジウム及びルテニウム回収用の原料残渣として、ロジウム、ルテニウム回収工程へ送られる。
第1の実施の形態に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法によれば、固液分離後のアルカリ浸出残渣の一部(例えば1/3)をアルカリ浸出工程へ繰り返すことで、ロジウム及びルテニウムを浸出させることなく、安価で効率良くロジウム及びルテニウムを濃縮することが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るロジウム及びルテニウムの濃縮方法は、図2に示すように、アルカリ浸出工程、第1の固液分離工程、酸浸出工程、第2の固液分離工程、及び第2の固液分離工程で得られた酸浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返す工程を含んでいる。特に第2の実施形態では、酸浸出残渣をアルカリ浸出工程に繰り返す点が、第1の実施の形態と異なる。
第2の固液分離後で得られた酸浸出残渣には、回収対象とするロジウム及びルテニウムの他にも不純物としてのセレン、テルルがまだ含まれている。酸浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返すことで、セレン、テルル等の不純物を更に浸出させることができるため、最終的に得られるロジウム、ルテニウム回収用残渣中のロジウム及びルテニウムの品位が従来に比べて向上する。
アルカリ浸出工程へ繰り返す酸浸出残渣の量は、酸浸出反応により得られる酸浸出残渣の総質量の20%以上とするのが好ましい。酸浸出残渣の全量をアルカリ浸出工程へ繰り返してもよいが、アルカリ浸出処理に酸浸出残渣を全量繰り返すことで処理時間が長くなり処理効率が向上しない場合がある。また、ロジウム、ルテニウムの回収用原料として回収すべき最終的に得られる残渣(図2の酸浸出残渣)の発生量を考慮すると、繰り返し量は、得られるアルカリ浸出残渣の全質量に対して20〜70%とするのが好ましく、より好ましくは20〜50%、更に好ましくは1/3(33%)程度である。その他の各工程(アルカリ浸出工程、第1の固液分離工程、酸浸出工程、第2の固液分離工程)は第1の実施の形態と実質的に同様であるので重複した説明を省略する。
第1の固液分離工程後に得られるアルカリ浸出残渣はベトベトとしており、残渣の一部を繰り返し用に分けることが難しい場合がある。一方、第2の固液分離工程後に得られる酸浸出残渣は、第1の固液分離工程後に得られるアルカリ浸出残渣に比べて粘性が低く、操作者による取り扱いが容易であり、不純物が酸浸出され、残渣発生量も減るため、第1の実施の形態に比べて作業効率をより向上させることが可能となる。また、第2の固液分離工程で得られる酸浸出残渣の一部をアルカリ浸出工程へ繰り返すことで、残渣中の不純物(セレン、テルル)が更に除去されるため、ルテニウム回収用原料中のロジウム、ルテニウムの高濃度化が可能となる。なお、図2に図示はしていないが、第2の実施の形態においては第1の固液分離工程で得られたアルカリ浸出残渣の一部を更にアルカリ浸出残渣工程に繰り返してもよいことは勿論である。
なお、第2の実施の形態においてアルカリ浸出工程へ一部繰り返す酸浸出残渣としては、図2の第2の固液分離工程後に得られる酸浸出残渣に限定されるものではなく、セレン、テルル、ロジウム、ルテニウムを含む他の工程由来の酸浸出残渣であっても構わない。例えば、セレンを10〜65質量%、テルルを5〜30質量%、ロジウムが1〜3質量%、ルテニウムを10〜25質量%含む酸浸出残渣であれば、本発明に利用可能である。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
表1に示すようにセレンを21質量%、テルルを13質量%、ロジウムを1質量%、ルテニウムを13質量%含む銅電解殿物由来のアルカリ浸出残渣を25質量%苛性ソーダと水により、パルプ濃度80g/L、苛性ソーダ濃度90g/Lに調整してリパルプした。この水溶液を80℃に加熱した後、撹拌しながら空気を吹き込んでアルカリ浸出処理を開始した。銀−塩化銀基準の酸化還元電位が−200mVになったところで空気の吹き込みを止めて反応を終了させ、これをフィルタープレスでろ過して、アルカリ浸出残渣と浸出後液を得た。
得られたアルカリ浸出残渣の総重量の1/3を抽出して原料と混合させ、上記と同様の条件で第2回目のアルカリ浸出処理を実施し、銀−塩化銀基準の酸化還元電位が−200mVになったところで空気の吹き込みを止めて反応を終了させ、これをフィルタープレスによる固液分離でアルカリ浸出残渣と浸出後液を得た。固液分離により得られたアルカリ浸出残渣と浸出後液の各成分組成を表2及び表3に示す。
Figure 0006250365
Figure 0006250365
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表1〜表3に示すように、アルカリ浸出残渣の一部を繰り返して更にアルカリ浸出を実施することにより、Rh、Ruを浸出させることなく、セレン及びテルルを浸出後液中に移行させることができ、効率良くロジウム及びルテニウムを濃縮することができていることが分かる。但し、実施例1でアルカリ浸出工程へ繰り返したアルカリ浸出残渣はベトベトとしており、繰り返し用に所定量分けることが難しい結果となった。
(実施例2)
表5に示す酸浸出残渣の総重量の1/3を表4に示すアルカリ浸出残渣に混合し、25質量%苛性ソーダと水により、パルプ濃度80g/L、苛性ソーダ濃度90g/Lに調整してリパルプした。この水溶液を80℃に加熱した後、撹拌しながら空気を吹き込んでアルカリ浸出処理を開始した。銀−塩化銀基準の酸化還元電位が−200mVになったところで空気の吹き込みを止めて反応を終了させ、これをフィルタープレスでろ過して、アルカリ浸出残渣と浸出後液を得た。得られたアルカリ浸出残渣と浸出後液の各成分組成を表6及び表7に示す。
Figure 0006250365
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酸浸出残渣とアルカリ浸出残渣を混合して更にアルカリ浸出を実施することにより、Rh、Ruを浸出させることなく、セレンを浸出後液中に浸出させることができ、効率良くロジウム及びルテニウムを濃縮することができた。

Claims (2)

  1. セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む浸出残渣を50〜150g/Lのパルプ濃度でアルカリ成分が50〜150g/Lのアルカリ水溶液にリパルプし、加熱しながら空気を吹き込んで液中の酸化還元電位(銀−塩化銀電極基準)を−150〜−240mVの範囲に調整することによりセレン及びテルルをアルカリ浸出するアルカリ浸出工程と、
    前記アルカリ浸出工程後の溶液を固液分離し、セレン及びテルルを含むアルカリ浸出後液とロジウム及びルテニウムとを含むアルカリ浸出残渣を得る第1の固液分離工程と、
    前記アルカリ浸出残渣の20〜70質量%を前記アルカリ浸出工程へ繰り返すことと、
    前記アルカリ浸出残渣に100〜150g/Lのパルプ濃度で硫酸濃度30〜80g/Lの硫酸溶液を添加し、70〜90℃に加熱しながら撹拌することにより、アルカリ浸出残渣に含まれるセレンを浸出させる酸浸出工程と、
    前記酸浸出工程後の溶液を固液分離し、セレンを含む酸浸出後液とロジウム及びルテニウムを含む酸浸出残渣とを得る第2の固液分離工程と
    を含むロジウム及びルテニウムの濃縮方法。
  2. セレン、テルル、ロジウム及びルテニウムを含む浸出残渣を50〜150g/Lのパルプ濃度でアルカリ成分が50〜150g/Lのアルカリ水溶液にリパルプし、加熱しながら空気を吹き込んで液中の酸化還元電位(銀−塩化銀電極基準)を−150〜−240mVの範囲に調整することにより、セレン及びテルルをアルカリ浸出するアルカリ浸出工程と、
    前記アルカリ浸出工程後の溶液を固液分離し、セレン及びテルルを含むアルカリ浸出後液とロジウム及びルテニウムとを含むアルカリ浸出残渣を得る第1の固液分離工程と、
    前記アルカリ浸出残渣に100〜150g/Lのパルプ濃度で硫酸濃度30〜80g/Lの硫酸溶液を添加し、70〜90℃に加熱しながら撹拌することにより、アルカリ浸出残渣に含まれるセレンを浸出させる酸浸出工程と、
    前記酸浸出工程後の溶液を固液分離し、セレンを含む酸浸出後液とロジウム及びルテニウムを含む酸浸出残渣とを得る第2の固液分離工程と
    前記酸浸出残渣の20〜70質量%をアルカリ浸出工程へ繰り返すこと
    を含むロジウム及びルテニウムの濃縮方法。
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