JP6249742B2 - 積層ボトル - Google Patents
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Description
ところで、この種の積層ボトルに、例えば積層ボトルの底部に向けて延びる吸い上げパイプを有するポンプおよび押下ヘッドを具備する吐出器を組み合わせて吐出容器を構成した場合、内容物の吐出に伴って内層が上方にせり上がる(浮き上がる)ように減容変形して、例えば吸い上げパイプの吸い上げ口を塞いでしまうなどの可能性がある。また、前記吐出器が組み合わされていない積層ボトルであっても、内層の減容変形後の形状が積層ボトルごとにばらつき易く内容物の吐出が安定しない可能性がある。このように内層が浮き上がった積層ボトルでは、吐出不良や内容物の残量増加を招いてしまうおそれがあった。
そこで、積層ボトルにおけるボトル底部において、外層と内層とを一体的に保持する係止部を設け、減容変形時に内層の浮き上がりを抑制した積層ボトルが知られている(特許文献1参照)。
本発明に係る積層ボトルは、外層と、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形する可撓性に富む内層と、を備え、前記外層の内面に前記内層が剥離可能に積層された有底筒状の積層ボトルであって、前記外層のうち、ボトル底部に位置する底部部分には、前記内層を挟み込んで一体的に保持する保持リブが形成され、前記底部部分において前記保持リブを回避した位置には、前記内層との間に外気を吸入させる吸気孔が形成され、前記底部部分には、前記吸気孔の開口周縁部に全周にわたって配置され、前記吸気孔の周囲を囲繞するようにボトル軸方向に沿う外側に向けて延在する囲繞壁部が形成され、前記底部部分において前記保持リブを回避した位置には、底壁面に前記吸気孔が形成されるとともに、側壁面が前記囲繞壁部を構成する第1凹部が形成され、前記第1凹部の幅は指幅よりも狭く、前記第1凹部内に指が進入不能であることを特徴とする。
このように、内層の浮き上がりを効果的に抑制できるので、内層の減容変形を高精度に制御したり、例えばこの積層ボトルに、ボトル底部付近まで延びる吸い上げパイプを有する吐出器を装着した場合に、吸い上げパイプの吸い上げ口を内層が塞いでしまうのを防止したりすること等ができる。従って、吐出不良や内容物の残量増加等を招いてしまうことを防止することができる。
また、外層の底部部分に囲繞壁部が形成されているので、例えば使用者の指やこの積層ボトルが接地する接地面などと、ボトル底部と、が接触したときに、これらの指や接地面などが吸気孔に達するのを囲繞壁部により規制することができる。これにより、水分や塵埃等が、吸気孔を通して外層と内層との間に入り込んだり、吸気孔に詰まって吸気孔を閉塞させたりするのを抑制することが可能になり、内層を確実に減容変形させることができる。
また吸気孔が、第1凹部の底壁面に形成されているので、外層の底部部分において吸気孔が形成された部分を、第1凹部の凹リブ効果により補強することができる。これにより、例えば内層が減容変形したときに外層に加えられる外力などにより、吸気孔の開口面積が意図せず拡大するのを抑制することが可能になり、内層を精度良く減容変形させることができる。
また、吸気孔がボトル底部に形成されているので、吸気孔を隠すことができ、例えばボトル胴部を全周にわたって平滑面にすること等が可能である。従って、この積層ボトルの外観性や加飾性の低下を防止できる。
また一対の第2凹部が、吸気孔を間に挟み込んでいるので、例えば使用者の指がボトル底部に接触するときに、外層のうち、第2凹部が形成された部分をたわみ変形させることが可能になり、指が吸気孔に達するのを確実に抑制することができる。
以下、本発明に係る積層ボトルの第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(積層ボトルの構成)
図1および図2に示すように、本実施形態の積層ボトル101は、スクイズ変形可能に形成された外層102と、図示しない内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内層103と、を備え、外層102の内面に内層103が剥離可能に積層された有底筒状のデラミボトル(積層剥離型容器)とされている。
なお外層102は、スクイズ変形可能な容器であり、この外層102のスクイズ変形によって内層103を減容変形させる。外層102は、弾性変形可能に形成されていて、外層102のうち、ボトル胴部111に位置する胴部部分は、ボトル径方向の内側に向けて弾性変形可能となっている。
ボトル口部110には、吐出口40を有する吐出キャップ41が装着されていて、この積層ボトル101と吐出キャップ41とは、積層ボトル101内に収容された内容物を吐出口40から吐出する吐出容器42を構成している。
中栓部43は、ボトル口部110の上端開口部上に配置されたベース部46と、ベース部46をボトル軸O1方向に貫通する収容筒部47と、収容筒部47内に収容された弁体部48と、を備えている。ベース部46および収容筒部47は、いずれもボトル軸O1と同軸に配置され、これらのベース部46および収容筒部47は一体に形成されている。
本体部44には、垂下筒部56と、吐出筒部57と、が設けられている。垂下筒部56は、本体部44から下方に向けて延び、段部51内に嵌合されている。吐出筒部57は、垂下筒部56よりも小径とされ、本体部44から上方に向けて延びている。
なお以下では、吐出筒部57の軸線およびボトル軸O1の両方向に直交する方向を前後方向といい、前後方向に沿って、吐出筒部57の軸線側を後側といい、ボトル軸O1側を前側という。
第3シール筒部61の下端部は、第2シール筒部58内に、着脱可能に嵌合されていて、連通路59を通した内層103内と吐出口40との連通を遮断している。
図4に示すように、保持リブ130は、ボトル径方向に沿って延設されていて、保持リブ130のボトル径方向に沿った大きさである長さは、ボトル底部112の半径よりも小さくなっている。保持リブ130は、ボトル軸O1を回避した位置に1つのみ設けられている。保持リブ130のうち、ボトル径方向の外側の端部は、接地部112aの内周縁に連なり、ボトル径方向の内側の端部は、ボトル軸O1に対して傾斜する直線状に延在している。
つまり、ブロー成形の際に金型のピンチオフ部で保持リブ130該当部分を挟み込むことで形成されることが好ましく、この場合には保持リブ130が金型のパーティングライン上に、このパーティングラインに沿って形成されている。なお、保持リブ130の形成時、より好ましくは、ピンチオフ部に突設されたピンを利用して、横穴状の凹孔132を、その開口方向が交互に逆向きとなるように保持リブ130の延在方向に沿って複数形成するとよい。こうすることで、外層102と内層103とが圧着された圧着部133(食い込み部)を保持リブ130に沿って交互に配置させることができ、内層103の保持の信頼性を効果的に高めることができる。
次に、このように構成された積層ボトル101を有する吐出容器42から、内容物を吐出する場合について説明する。
この場合には、まず図1に示すように、吐出キャップ41の蓋部45をヒンジ部60回りに回動させて吐出口40を開放した後、例えば積層ボトル101の外層102をスクイズ変形(弾性変形)させることで、内層103を外層102とともに変形させて減容させ、内層103の内圧を上昇させる。すると、弁体部48が縮径部54から離反して連通路59を通して内層103内と吐出口40とが連通するとともに、内層103に収容された内容物が、連通路59を通って吐出口40から吐出される。
ここで、積層ボトル101のスクイズ変形を解除すると、外層102が復元変形しようとして外層102と内層103との間に負圧が生じ、吸気孔131を通じて外層102と内層103との間に外気が吸入される。これにより、図1に示す二点鎖線のように、外層102が復元変位しても、内層103を外層102から剥離させて減容変形させておくことができる。このとき、外層102の底部部分に形成された保持リブ130が、内層103を挟み込んで一体的に保持するので、内層103が浮き上がってしまうことを効果的に防止できる。さらに本実施形態では、固着部135が、ボトル軸O1を挟んで保持リブ130とはボトル径方向の反対側に位置している上、固着部135が、ボトル胴部111の全長にわたってボトル軸O1方向に延在していて、固着部135が、ボトル胴部111において、ボトル底部112に連結された下端部にも配置されているので、保持リブ130だけでなく、固着部135によっても内層103の浮き上がりを防止することができる。なお本実施形態のように、固着部135が、ボトル軸O1を挟んで保持リブ130とはボトル径方向の反対側に位置している上、固着部135が、ボトル胴部111およびボトル底部112の両方にわたって設けられている場合には、内層103の浮き上がりをより効果的に防止することができる。
また外層102が、スクイズ変形可能に形成されていているので、例えば、外層102をスクイズ変形させることで内層103の内圧を上昇させ、内層103内の内容物をボトル口部110を通して吐出すること等が可能になる。これにより、例えばこの積層ボトル101の用途を多岐にわたらせること等ができる。
以下、本発明に係る積層ボトルの第2実施形態について、図面を参照して説明する。
(積層ボトルの構成)
図8から図10に示すように、本実施形態の積層ボトル1は、外層2と、図示しない内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形(しぼみ変形)する可撓性に富む内層3と、を備え、外層2の内面に内層3が剥離可能に積層された有底筒状のデラミボトル(積層剥離型容器)とされている。
前記ポンプ部は、ステム23の押し込みによって内容物を送り出す送出器である。前記ポンプ部は、装着キャップ22に一体的に組み付けられたシリンダ筒26と、シリンダ筒26内に上下動可能に挿入された図示しないピストン筒と、を有している。
図12に示すように、保持リブ30は、ボトル径方向に沿って延設されていて、保持リブ30のボトル径方向に沿った大きさである長さは、ボトル底部12の半径よりも小さくなっている。保持リブ30は、ボトル軸Oを回避した位置に1つのみ設けられている。保持リブ30のうち、ボトル径方向の外側の端部は、接地部12aの内周縁に連なり、ボトル径方向の内側の端部は、ボトル軸Oに対して傾斜する直線状に延在している。
つまり、ブロー成形の際に金型のピンチオフ部で保持リブ30該当部分を挟み込むことで形成されることが好ましく、この場合には保持リブ30が金型のパーティングライン上に、このパーティングラインに沿って形成されている。なお、保持リブ30の形成時、より好ましくは、ピンチオフ部に突設されたピンを利用して、横穴状の凹孔32を、その開口方向が交互に逆向きとなるように保持リブ30の延在方向に沿って複数形成するとよい。こうすることで、外層2と内層3とが圧着された圧着部33(食い込み部)を保持リブ30に沿って交互に配置させることができ、内層3の保持の信頼性を効果的に高めることができる。
次に、このように構成された積層ボトル1に装着された吐出器20を利用して、内容物を吐出する場合について説明する。
この場合には、押下ヘッド25の押し下げ操作によってステム23を押し下げ、吸い上げパイプ27の下端に開口した吸い上げ口27aから内層3に収容されている内容物を吸い上げる。すると、この吸い上げられた内容物は、ステム23を通じて、押下ヘッド25の吐出ノズル28内に噴出される。これにより、吐出ノズル28の吐出口28aを通じて、外部に向けて内容物を吐出させることができる。
さらに第1凹部36、136に代えて、外層の底部部分に、吸気孔の開口周縁部に全周にわたって配置され、吸気孔の周囲を囲繞するようにボトル軸方向に沿う外側に向けて突出する環状の突条部を設けてもよい。つまり、外層の底部部分に、吸気孔の開口周縁部に全周にわたって配置され、吸気孔の周囲を囲繞するようにボトル軸方向に沿う外側に向けて延在する囲繞壁部が形成された他の構成に適宜変更してもよい。
さらに前記実施形態では、保持リブ30、130が、ボトル軸Oを回避した位置に1つのみ設けられているが、本発明はこれに限られず、2つ以上設けられていてもよい。
2、102 外層
3、103 内層
12、112 ボトル底部
12a、112a 接地部
12b、112b 陥没凹部
30、130 保持リブ
31、131 吸気孔
34、134 囲繞壁部
35、135 固着部
36、136 第1凹部
37、137 第2凹部
L、L1 延長線
O、O1 ボトル軸
Claims (6)
- 外層と、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴い減容変形する可撓性に富む内層と、を備え、前記外層の内面に前記内層が剥離可能に積層された有底筒状の積層ボトルであって、
前記外層のうち、ボトル底部に位置する底部部分には、前記内層を挟み込んで一体的に保持する保持リブが形成され、
前記底部部分において前記保持リブを回避した位置には、前記内層との間に外気を吸入させる吸気孔が形成され、
前記底部部分には、前記吸気孔の開口周縁部に全周にわたって配置され、前記吸気孔の周囲を囲繞するようにボトル軸方向に沿う外側に向けて延在する囲繞壁部が形成され、
前記底部部分において前記保持リブを回避した位置には、底壁面に前記吸気孔が形成されるとともに、側壁面が前記囲繞壁部を構成する第1凹部が形成され、
前記第1凹部の幅は指幅よりも狭く、前記第1凹部内に指が進入不能であることを特徴とする積層ボトル。 - 請求項1記載の積層ボトルであって、
前記保持リブは、ボトル径方向に沿って延設され、
前記吸気孔は、前記底部部分において前記保持リブの延長線上に、この延長線に沿って延設されていることを特徴とする積層ボトル。 - 請求項2記載の積層ボトルであって、
前記底部部分には、前記吸気孔に平行に延在し、前記吸気孔を間に挟み込むように前記吸気孔と並列に配置された一対の第2凹部が形成されていることを特徴とする積層ボトル。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の積層ボトルであって、
前記ボトル底部は、外周縁部に位置する接地部と、前記接地部にボトル径方向の内側から連なり、ボトル内側に底上げされた陥没凹部と、を備え、
前記保持リブおよび前記吸気孔は、前記陥没凹部に形成されていることを特徴とする積層ボトル。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の積層ボトルであって、
前記外層および前記内層それぞれのボトル周方向の一部同士は、固着部を介して互いに固着され、
前記固着部は、ボトル軸を挟んで前記保持リブとはボトル径方向の反対側に位置していることを特徴とする積層ボトル。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の積層ボトルであって、
前記外層は、スクイズ変形可能に形成されていることを特徴とする積層ボトル。
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