JP6248591B2 - 電子制御ユニット及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2に記載の技術にあっては、回路基板にヒートシンクを密着させる構成であるが、回路基板が反ってしまった場合、密着力が変化して放熱性が悪化する。
そこで、本発明は、構成部品を増加することなく、効果的に発熱素子の熱を放熱させることができる電子制御ユニット、及びそれを備える電動パワーステアリング装置を提供することを課題としている。
さらに、上記において、弾性部材は、熱伝導性材料を含んで構成されていることで、回路基板と矯正部との間の弾性部材に放熱機能を持たせることができる。
さらにまた、上記において、熱伝導性部材は、絶縁性材料を含んで構成されていることが好ましい。これにより、発熱素子及び回路基板と放熱部との間の熱伝導性部材に絶縁機能を持たせることができる。
図1は、本実施形態の電子制御ユニットが搭載される電動パワーステアリング装置の基本構造を示す図である。
図中、符号1はステアリングホイールであり、運転者からこのステアリングホイール1に作用される操舵力はステアリングシャフト2に伝達される。ステアリングホイール1に伝達された操舵力は、減速ギヤ3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を介してタイロッド6に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。
コントローラ10には、バッテリー(図示せず)から電力が供給されるとともに、イグニションキー(図示せず)を経てイグニションキー信号IGN(図2参照)が入力される。コントローラ10は、トルクセンサ7で検出した操舵トルクTsと車速センサ9で検出した車速Vとに基づいて操舵補助指令値の演算を行い、演算した操舵補助指令値に基づいて電動モータ8に供給する電流を制御する。
制御演算装置11は、操舵トルクTs及び車速Vの他に、電流検出回路15で検出した3相のモータ電流ia〜icと、ロータ位置検出回路17で検出した電動モータ8の回転位置θとを入力し、これらに基づいて電動モータ8の電流指令値を演算する。制御演算装置11は、演算した電流指令値をゲート駆動回路12に出力する。
また、イグニションキーからのイグニション信号IGNはイグニション電圧モニタ部18及び電源回路部19に入力され、電源回路部19から制御演算装置11に、電源電圧Vddと装置停止用となるリセット信号RSとが入力されるようになっている。
図3及び図4は、コントローラ10を構成する電子制御ユニット(ECU)の分解斜視図である。
回路基板30はFR−4等を基材とした樹脂製であり、回路基板30の表面には、発熱素子であるFET31が、半田によって実装されている。ここで、FET31は、モータ駆動用のFETTr1〜Tr6や、遮断装置14として半導体リレーを用いたときのリレー用のFETなどである。
ECUベース40の底部には、回路基板30を取り付けた状態でFET31と直接または回路基板30を介して対向する位置に、開口部側に突出する放熱部41が形成されている。放熱部41は、回路基板30側の端部に、回路基板30と平行の平面である放熱面41aを備える。
これら放熱面41a及び矯正面42aには、それぞれ絶縁層が形成されている。その絶縁層は、アルマイト処理やフッ素コーティングにより形成する。
プレート50は、ECUベース40の開口部を塞ぐようにECUベース40に固定される板状の金属性の部材である。プレート50には、回路基板30を取り付けたECUベース40に固定された状態で、FET31と直接または回路基板30を介して対向する位置に、回路基板30側に突出する放熱部51が形成されている。放熱部51は、回路基板30側の端部に、回路基板30と平行の平面である放熱面51aを備える。
これら放熱面51a及び矯正面52aには、それぞれ絶縁層が形成されている。その絶縁層は、アルマイト処理やフッ素コーティングにより形成する。
そして、回路基板30を取り付けたECUベース40に対し、回路基板30の上からプレート50を取り付け、図5に示すように取付ねじ60によって固定することで電子制御ユニット20が完成する。
電子制御ユニット20の組付け状態では、図6(b)に示すように、回路基板30に実装されたFET31は、ECUベース40に形成された放熱面41aとプレート50に形成された放熱面51aとによって、回路基板30の厚さ方向両側から挟まれた状態となっている。このとき、FET31と放熱部41との間、及びFET31と放熱部51との間に、それぞれグリース状またはシート状の熱伝導性材料(TIM)を介在させる。
すなわち、図8に図6(c)のβ部の拡大図を示すように、回路基板30の上面(ECUベース40側の面)には接着部材32aによって弾性部材32が固定されており、回路基板30は、この弾性部材32を介して絶縁層42bが形成された矯正面42aによって下方向(プレート50側)に押圧される。
ここで、矯正部42,52の回路基板30に対する押圧力は、回路基板30の反りが矯正される程度に設定する。
このように、FET31の両面からFET31の熱を効率的に放熱することができる。
また、ECUベース40の放熱部41及びプレート50の放熱部51の回路基板30側表面には、それぞれ絶縁層41b,51bを形成する。そのため、万が一、放熱部41,51がFET31や回路基板30に接触した場合であっても、電気ショートを起こさず、動作を維持することができる。
以上のように、本実施形態では、回路基板30の反りを矯正する矯正機構を持たせることで、FET31と回路基板30とをECUベース40とプレート50とで挟み込み、FET31の両面から放熱を行う構造において、FET31の熱を効率良く、安定的に逃がすことができる。また、ECUベース40及びプレート50の回路基板30に対向する側に絶縁層を形成するため、放熱性と絶縁性とを両立させることができる。
上記実施形態においては、回路基板30の反りを矯正する矯正機構として、ECUベース40(矯正部42)とプレート50(矯正部52)とで、弾性部材32を介して回路基板30を挟み込む場合について説明したが、図9に示すように、ECUベース40(矯正部42)とプレート50(矯正部52)とによって、回路基板30を直接挟み込むようにしてもよい。これにより、弾性部材32を追加することなく、回路基板30の矯正機構を実現することができる。
また、上記実施形態においては、弾性部材32を、熱伝導性材料を含む弾性部材(弾性TIM)とし、放熱機能を持たせることもできる。
また、上記実施形態においては、回路基板30と放熱部41との間、及び回路基板30と放熱部51との間に介装する熱伝導性材料としてのTIM34に、絶縁補助材を添加するようにしてもよい。これにより、放熱性と絶縁性とをより効果的に実現することができる。
また、上記実施形態においては、ECUベース40とプレート50の両方に放熱部41,51を形成する場合について説明したが、何れか一方のみでもよい。
Claims (5)
- 発熱素子を含む電子部品が表面実装された回路基板と、
金属製のベースと金属製のカバーとで構成され、前記回路基板の周縁部を厚さ方向に挟持固定して当該回路基板を収容するハウジングと、を備え、
前記ベース及びカバーの少なくとも一方は、前記発熱素子と直接又は前記回路基板を挟んで対向する位置に、熱伝導性部材と絶縁層とを介して、前記発熱素子に直接又は前記回路基板を挟んで間接的に接触する放熱部を備え、
前記ベース及びカバーは、前記回路基板の反りを矯正するように、当該回路基板を、絶縁層を介して厚さ方向に押圧する矯正部を備え、
前記回路基板と前記矯正部との間に弾性部材を備え、
前記矯正部と前記弾性部材は、嵌め合い構造で組付けられていることを特徴とする電子制御ユニット。 - 前記弾性部材は、熱伝導性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御ユニット。
- 前記絶縁層は、前記ベース及びカバーに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子制御ユニット。
- 前記熱伝導性部材は、絶縁性材料を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電子制御ユニット。
- ステアリングホイールから伝達される操舵トルクを検出するトルク検出部と、
前記トルク検出部で検出した操舵トルクに応じた操舵補助トルクを発生する電動モータと、
前記電動モータの駆動を制御する前記請求項1〜4の何れか1項に記載の電子制御ユニットと、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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