JP6597420B2 - モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置 - Google Patents

モータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータを駆動するインバータ(配線パターン)の温度を検出して電子部品を過熱保護する機能を備えたモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置に関し、特にインバータと電源との間の電源ラインの配線パターン上に温度検出素子を配置して、電源電圧の変動に影響されることなく温度を検出し、温度検出値に基づいて電流指令値を制限するモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置に関する。
モータ制御装置を搭載した装置として電動パワーステアリング装置(EPS)があり、電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与するものであり、電力供給部(インバータ)から供給される電力で制御されるモータの駆動力を、ギア等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与する。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)100には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット100は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Vsとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、また、モータ20に連結されたレゾルバ等の回転センサから操舵角を取得することも可能である。
コントロールユニット100には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)40が接続されており、車速VsはCAN40から受信することも可能である。また、コントロールユニット100には、CAN40以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN41も接続可能である。
コントロールユニット100は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット100を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN40からの)車速Vsは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部101に入力される。電流指令値演算部101は、入力された操舵トルクTh及び車速Vsに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部102Aを経て電流制限部103に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部102Bにフィードバック入力され、モータ電流値Imとの偏差ΔI(=Irefm−Im)が演算され、その偏差ΔIが操舵動作の特性改善のためのPI制御部104に入力される。PI制御部104で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部105に入力され、更にインバータ106Aを介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器107で検出され、減算部102Bにフィードバックされる。インバータ106Aは、半導体スイッチング素子(パワー半導体素子)としてのFETのブリッジ回路で構成されている。
モータ20にはレゾルバ等の回転センサ21が連結されており、回転センサ21からモータ回転角度θが出力され、更にモータ速度ωがモータ速度演算部22で演算される。
また、加算部102Aには補償信号生成部110からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部110は、セルフアライニングトルク(SAT)113と慣性112を加算部114で加算し、その加算結果に更に収れん性111を加算部115で加算し、加算部115の加算結果を補償信号CMとしている。
モータ20が3相ブラシレスモータの場合、PWM制御部105及びインバータ106Aの詳細は例えば図3に示すような構成となっており、PWM制御部105は、電圧制御指令値Vrefを所定式に従って3相分のPWMデューティ値D1〜D6を演算するデューティ演算部105Aと、PWMデューティ値D1〜D6で駆動素子(パワー半導体素子)としてのFETのゲートを駆動すると共に、デッドタイムの補償をしてON/OFFするゲート駆動部105Bとで構成されている。インバータ106Aは半導体スイッチング素子としてのFET(例えばn型MOS−FET)の3相ブリッジ(FET1〜FET6)で構成されており、PWMデューティ値D1〜D6でON/OFFされることによってモータ20を駆動する。また、インバータ106Aとモータ20との間の電力供給線には、電力供給を行い(ON)、異常時に電流を遮断(OFF)するためのモータリレー23が各相に接続されている。
なお、図3では、モータ電流検出器107を省略している。
一般にモータ駆動のために構成されるインバータでは、コンデンサ、FET及びこれらの部品を実装する回路基板等の構成部品は、通電電流による抵抗損失或いはスイッチング損失により発熱する。この発熱がインバータの動作を不安定にさせたり、故障させる原因となる。このため、従来は、インバータを構成する回路基板上に、サーミスタ等の温度検出素子を設置して、その温度を検出し、構成部品の耐熱温度を超えないように、検出温度が所定温度に達すると、電流を抑制したり、動作を停止させたりする過熱保護機構が提案されてきた。
しかしながら、一般にサーミスタなどの温度検出素子は温度検出回路を構成する際に、安定した電源電圧(例えば一定の5V電源)が必要なため、発熱するインバータを構成する導電性の配線パターンと、温度検出素子を含む回路とが電気的に絶縁されている。これにより、一般的な多層基板等においては、熱伝導特性の悪い絶縁性の基材を介して、インバータの発熱を温度検出素子に伝えなければならないため、インバータの発熱を効率良く温度検出素子に伝熱できない。即ち、保護されるべき部品に対して、的確に過熱保護を実施できない可能性があるといった問題点があった。また、上述の問題を解決するために、発熱部と温度検出素子との熱的な結合を高める手段として、余分な伝熱材(サーマルグリス等)や、特殊な基板加工(VIA等)が必要となり、製造コストアップの要因となることが問題であった。
図4はこのような従来のサーミスタの配設構造例を基板断面図で示しており、本例は4層の多層基板(導体層122−1〜122−4、絶縁層123−1〜123−3)を示しており、その最上層の導体層122−1上にFET等の発熱部品121が半田121Aで取付けられている。そして、発熱部品121とは分離された近辺で、最上層の導体層122−1上にサーミスタ120が半田120Aで配設され、放熱部材に放熱させるサーマルVIA124が設けられている。サーミスタ120は、絶縁されたパターン島に配置されており、また、矢印は各部位における熱の伝導方向を示しており、かかる構造の温度検出では上述したような問題がある。
特許第3889562号公報 特開2013−187322号公報 特開2013−62269号公報
特許第3889562号公報(特許文献1)に開示された半導体装置では、回路基板上の金属層に半導体素子と温度検出素子とを電気的に接続し、金属層を介して温度検出素子に伝熱させる構成となっている。しかし、特許文献1の装置では、アームの中点の電位をサーミスタの片側に接続しており、レベルシフト回路を必要とする点で回路構成が複雑化する問題がある。また、回路中の熱的最弱部が明確ではなく、精度良く過熱制御を実施するためには複数の温度検出素子が必要となり、コストがアップしてしまう問題もある。
特開2013−187322号公報(特許文献2)に開示された電子部品では、発熱デバイスと温度検出素子とをビア(VIA)と伝熱部材を用いて熱結合性を高めた構造となっているが、製造時のコストがアップしてしまう問題がある。
また、特開2013−62269号公報(特許文献3)に示される半導体装置では、発熱デバイスとヒートシンクの間の層に複数個の温度検出素子(サーミスタ)をサンドイッチ構造で設置している。特許文献3の装置では、3つの温度検出デバイスを用いており、部材費、製造時のコストアップと発熱デバイスの過渡熱特性の検出にタイムラグが出る虞がある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、インバータの温度検出を安価な構成で、時間遅れなく正確に実施でき、検出温度に基づいて電子部品を確実に過熱保護制御することが可能なモータ制御装置及びそれを搭載した電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、電流指令値に基づいてインバータを介してモータを駆動制御するモータ制御装置に関し、本発明の上記目的は、前記インバータに接続された電源の電源電圧を検出する電圧検出部と、前記インバータ及び前記電源の間の、回路基板の配線パターン上に配置された温度検出素子と、前記温度検出素子及び抵抗で前記電源電圧を分圧する分圧回路と、前記分圧回路からの分圧電圧及び前記電圧検出部で検出された電圧検出値に基づいて、前記配線パターンの温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の温度検出値に基づいて前記電流指令値を制限する過熱保護制御部とを備え、前記温度検出部は、予め設定された温度変換テーブルを用いて、前記電源電圧の影響を受けることなく前記配線パターンの温度を検出するようになっていることにより達成される。
本発明の上記目的は、前記回路基板において、前記温度検出素子が配置される前記インバータ及び前記電源の間の配線パターンの幅が、他の部位の配線パターンの幅よりも狭くなっていることにより、或いは前記温度検出素子が配置される前記インバータ及び前記電源の間の配線パターンが、前記回路基板の裏面若しくは内部又は近辺で放熱されない構造になっていることにより、或いは前記温度検出素子がサーミスタであることにより、より効果的に達成される。
モータを駆動するインバータの電源ライン(VR)の配線パターンには大電流が流れ、FET、コンデンサなどの電子部品はもとより、回路基板そのものも抵抗値を持っているため発熱する。本発明に係るモータ制御装置によれば、その発熱部品が実装される配線パターンであり、その配線パターン上に温度検出素子を直に実装することで、高い部品と温度検出素子との熱結合性を高め、温度検出性に優れている。回路基板に対して、別途伝熱材(サーマルグリス)等や特殊な加工が不要のためローコストであり、インバータの中心付近に絶縁されたパターン島を設ける必要がなく、インバータの配線自由度が上がる利点がある。
また、電源ライン上の温度検出部の回路基板の配線パターンの発熱量を他の部位より大きくすることで、過熱保護機能の温度閾値の設計自由度を高めることができ、信頼性の高い過熱保護機能を実施することが可能である。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)の構成例を示すブロック図である。 電動パワーステアリング装置のモータ制御部の構成例を示す線図である。 従来のサーミスタの配設例を示す基板断面図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 本発明によるサーミスタの配設例を示す基板断面図である。 分圧回路の構成例を示す接続図である。 温度変換テーブルの一例を示す特性図である。 回路基板における配線パターンの発熱量の調整例を示す平面図である。 回路基板における配線パターンの発熱量の他の調整例を示す断面図である。 本発明の温度検出素子の回路基板への装着配置の例を、従来例と比較して示す平面図である。
本発明では、EPS等が具備するモータ制御装置のインバータにおいて、発熱し易いインバータの電源ライン(VRライン)の導電性の(熱伝導に優れる)配線パターンに直接例えばサーミスタ等の温度検出素子の一方の接点を接続し、他方の接点に電源(VR)を接続することで、発熱部の温度検出の過渡応答性に優れたモータ駆動装置を提供する。具体的には、温度検出素子(電源側)及び抵抗(GND側)と電源及び接地に接続された抵抗とで電源電圧の分圧電圧を検出し、検出された分圧電圧で電源の電圧検出値を除算することで、電源の電圧変動の影響を排除し、演算若しくは温度変換テーブルを参照することで温度検出(温度検出素子の一方の接点が接続された配線パターンの温度)を可能としている。電源電圧は通常、車両のバッテリ電圧とほとんど同じ電圧であるため電圧変動が大きく、また、自身のモータ駆動による電圧変動が顕著であるため、正確な温度検出を可能にするためには電源電圧の変動を排除する必要がある。
また、本発明では、温度検出部位である電源ラインの導電性の配線パターンの発熱量が大きくなるように、配線パターンの形状を工夫する。具体的には、温度検出する回路基板の配線パターン幅を部分的に狭くしたり、或いは温度検出する配線パターンのサーマルVIAの数を調整したり、或いは温度検出する配線パターンの周辺の熱をヒートシンク等へ放熱しないようにする、などして、電源ラインの配線パターンの発熱を高めることにより、自由度の高い過熱保護を実施し、インバータを構成する部品の耐熱温度を超過することを確実に遅れなく防ぐことができる。
本発明はモータを駆動するインバータにおいて、発熱し易い電源ラインの配線パターンに直接温度検出素子を設置して温度を検出し、発熱部からの熱結合性が高く温度検出性能に優れたモータ制御装置を提供する。発熱部からの熱結合性を高めるための、回路基板に対して別途伝熱部材や特殊な加工を必要とせず、ローコストである。即ち、従来は、発熱部から温度検出素子の伝熱を高めるために、サーマルVIAや伝熱材が別途設けられているが、本発明では発熱部から温度検出素子にサーマルグリスのような介在物がなく、また、発熱部から温度検出素子の間の伝熱効率を上げるためのサーマルVIAなどは新たに設けていない。
また、温度検出部の配線パターンの幅を狭くし、かつ検出部位付近の熱をヒートシンク等に放熱しないように設計することで、温度検出部を意図的に大きく発熱させることができ、調整も可能である。検出温度に基づき、過熱保護の閾値設計の自由度を高め、インバータの構成部品の耐熱温度を超過することを防ぐことができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図5は本発明の構成例を図3に対応させて示しており、インバータ106の電源ラインには温度検出素子としてサーミスタ130が接続されると共に、モータ駆動時のインバータ106の電源(VR)電圧の変動を抑制することを目的に、電源ラインには大容量キャパシタC1〜C3が各アームに配置されている。大容量キャパシタC1〜C3は、電解コンデンサ又は導電性高分子ハイブリッド電解コンデンサ等で構成される。なお、インバータ106内の矢印は、電流の流れを示している。
インバータ106には、電源電圧を検出する電圧検出部143が接続されると共に、サーミスタ130と抵抗で電源電圧を分圧する分圧回路144が接続されている。電圧検出部143で検出された電源電圧VRd及び分圧回路144の分圧電圧V1,V2は温度検出部142に入力され、温度検出部142は温度変換テーブル等により温度を検出する。温度検出部142で検出された温度検出値Tmは過熱保護制御部141に入力され、電流制限値Irをモータ駆動制御部140に入力する。モータ駆動制御部140は電流制限値Irに基づいて、電流指令値(アシスト指令)を制限する。
図6はサーミスタ130の配設例を図4に対応させて示しており、サーミスタ130は半田130Aで配線パターン上に取付けられている。本例では、サーマルVIA124を示しているが、なくても良い。
図7は分圧回路144の構成例とサーミスタ130の接続を示しており、サーミスタ130の一端は電源に接続され、他端は抵抗R1を経て接地(GND)されている。また、電源と接地との間には、抵抗R3及びR4の分圧回路が設けられている。ここで、電源電圧をVR、サーミスタ130の抵抗をRZとすると、サーミスタ130と抵抗R1による分圧回路の出力電圧V1は下記数1となり、出力電圧V1は電源電圧VRの変動で影響を受ける。
また、抵抗R3及びR4による分圧回路の出力電圧V2は下記数2となり、同様に出力電圧V2は電源電圧VRの変動で影響を受ける。
分圧回路144からの電圧V1及びV2は温度検出部142に入力されてそれぞれA/D変換され、それぞれのディジタル値をVAL1及びVAL2とする。そして、ディジタル値VAL1をディジタル値VAL2で除算した値VAL3を得る。即ち、値VAL3は下記数3である。
上記数3において抵抗R1、R3及びR4は固定値であり、電源電圧VRの項も排除されているので、値VAL3はサーミスタ130の抵抗RZにのみ依存することになる。従って、予めサーミスタ130の抵抗と温度との関係をテーブル化して用意するか、若しくは演算することによって温度Tmを検出することができる。即ち、図8に示すような値VAL3と温度検出値Tmの関係で温度検出を行うことで、電圧変動の大きい電源電圧を用いた構成であっても、電圧変動の影響を受けることなく温度を正確に検出することが可能となる。
過熱保護制御部141は、温度検出値Tmに応じて電流指令値を小さく制限するか、或いはモータ駆動を停止することで、インバータ106の部品の温度上昇を抑制する。即ち、温度検出値Tmが大きくなるに従って、電流指令値(アシスト指令)が小さくなるように制限するか、或いはモータ駆動を停止する。なお、モータ駆動の停止は、温度検出値Tmが所定値Tm2を超えたときに行うようにしても良い。
また、インバータ106の構成部品の温度上昇と温度検出値Tmの相関値を予め実験等により解析しておき、構成部品のいずれかの耐熱温度を超過するときの温度検出値Tm1よりも大きい温度を、過熱保護開始温度(閾値温度)とすることで、構成部品の耐熱温度超過を防ぐことができる。
インバータの電源ラインはモータ電流制御中、大きな電流が流れることが多く、回路基板のパターン抵抗、電解コンデンサのESR(誘電体や電極などの損失による抵抗)によるFETからの伝熱により発熱し易い。そのため、電源ラインのパターン幅を広くとるとか、或いはサーマルVIAを配置するとか、回路基板から熱伝導材を介してケース(ヒートシンク)に放熱する等の対策を採る場合がある。しかし、電源ラインの配線パターンを放熱し過ぎると、インバータのその他構成部品が発熱しているにも拘わらず低い温度しか検出できず、過熱保護を適切に実施できなくなる可能性がある。そのため、温度検出部である電源ラインの配線パターンに一定程度の発熱(回路基板の耐熱温度を確実に超えない範囲の温度)を持たせるために、本発明では以下の方法により調整する。
(1)図9に示すように、温度検出素子を配設する部位の、電源ラインの配線パターンの幅を他の部位の幅よりも狭くする。配線パターンの厚さは均一とすると、幅を狭くすることにより電気的抵抗が大きくなり、通電電流によりパターン発熱が上昇する。図9(A)は配設部位と他の部位との幅が同一になっているので温度検出部の発熱量が小さく、図9(B)に示すように、一端面側からV字状の凹部を設けてパターン幅を狭くすることにより、温度検出部の発熱量を大きくすることができる。
(2)図6に示すような電源ラインの配線パターンのサーマルVIAを少なくすることにより、温度検出部の発熱量を大きくすることができ、逆にサーマルVIAを多くすることにより、温度検出部の発熱量を小さくすることができる。
(3)図10に示すように配線パターンの回路基板からケースへの放熱量を調整することにより、温度検出部の発熱量を調整することができる。即ち、図10(A)では、温度検出素子の配設位置の裏側にグリス、ヒートシンクを介して放熱するようにしているので、発熱量を小さく調整することができ、図10(B)では、温度検出素子の配設位置の裏側には放熱材料が配置されていないので、発熱量を大きく調整することができる。

上記方法(1)〜(3)により、電源ラインの配線パターンの発熱量を調整することで、過熱保護の閾値温度を設計し易くし、過熱保護の閾値設計の自由度を高め、構成部品の耐熱温度超過を防ぐことが可能となる。
図11は、本発明の温度検出素子の回路基板への装着配置の例を示しており、本発明では温度検出素子を回路基板の端部に配置する。従来は、回路基板の内側に配置されていた。その理由は、以下の通りである。
発熱素子はパワー部の回路基板に配置されており、その中心が最も温度が高くなるポイントとなり易く、また、パワー部の中心に温度検出素子を配置した方が、それぞれの素子からの距離が平均化され、各発熱素子の温度を万遍なく取得できるためである。換言すれば、距離が遠くなり過ぎて、温度が拾えないという状態に陥り難くするためである。本発明では、最弱部位をVRパターン(電源ラインの配線パターン)に意図的に作成することで、そこの温度を拾えればその他の素子はその温度以下であるため、通常、パワー部の中心には配線されないVRパターン上で温度検出することで、パワー回路部の基板中心に配置する必要はない。
なお、上述の実施形態では温度センサとしてサーミスタを例に挙げているが、測温抵抗体、熱電対、トランジスタの温度特性を利用したIC化温度センサ、水晶のYカットを利用した水晶温度計等を利用することも可能である。
また、本発明の実施形態では、サーマルVIA、グリスが示されているが、単純にシステムの放熱のために必要なものであり、発熱部から温度検出素子までの伝熱を助けるために設けているものではない。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
100 コントロールユニット(ECU)
101 電流指令値演算部
104 PI制御部
105 PWM制御部
106、106A インバータ
110 補償信号生成部
120、130 サーミスタ
121 発熱部品
122−1〜122−4 導体層
123−1〜123−3 絶縁層
140 モータ駆動制御部
141 過熱保護制御部
142 温度検出部
143 電圧検出部
144 分圧回路

Claims (5)

  1. 電流指令値に基づいてインバータを介してモータを駆動制御するモータ制御装置において、
    前記インバータに接続された電源の電源電圧を検出する電圧検出部と、
    前記インバータ及び前記電源の間の、回路基板の配線パターン上に配置された温度検出素子と、
    前記温度検出素子及び抵抗で前記電源電圧を分圧する分圧回路と、
    前記分圧回路からの分圧電圧及び前記電圧検出部で検出された電圧検出値に基づいて、前記配線パターンの温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部の温度検出値に基づいて前記電流指令値を制限する過熱保護制御部と、
    を備え、
    前記温度検出部は、予め設定された温度変換テーブルを用いて、前記電源電圧の影響を受けることなく前記配線パターンの温度を検出するようになっていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記回路基板において、前記温度検出素子が配置される前記インバータ及び前記電源の間の配線パターンの幅が、他の部位の配線パターンの幅よりも狭くなっている請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記温度検出素子が配置される前記インバータ及び前記電源の間の配線パターンが、前記回路基板の裏面若しくは内部又は近辺で放熱されない構造になっている請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記温度検出素子がサーミスタである請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ制御装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかのモータ制御装置を搭載したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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