JP2017027993A - 電子部品実装基板 - Google Patents

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Shigeru Shimakawa
茂 嶋川
孝明 関根
Takaaki Sekine
孝明 関根
崇 須永
Takashi Sunaga
崇 須永
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Abstract

【課題】モータ駆動用など大電力回路を形成するパワー回路基板において、放熱のための熱伝導性の改良と電気絶縁性との両立を図り、パワー回路基板の構成層を少なくすることで薄型化と低コスト化を図る。【解決手段】電子部品ECを実装するための基板300において、前記基板300をアルミベース基板310とし、前記電子部品ECの実装面側の絶縁層としてアルマイト層330を設け、前記電子部品ECが実装される配線層305と前記アルマイト層330とを接着層303により接着した。【選択図】図3

Description

本発明は、部品実装面側の絶縁層として熱伝導性の高いアルマイト層を形成した電子部品実装基板に関するものである。
一般的に自動車のような高度の技術産業が発展するにつれて、これに用いられる電子部品や各種制御基板には、小型化の要請が高まっており、それに伴い、高集積化・高容量化が要求されている。
またさらに、モータ駆動用など大電力回路を形成するパワー回路基板においては、放熱のための熱伝導性の改良と、電気絶縁性との両立がきわめて重要であるが、上記のような各種制御基板には上記高集積化・高容量化において、基板上に高集積化・高容量化された電子部品からは、高い熱が発生し、当該高い熱は、各電子部品の機能を低下させる原因(例:セラミック基板の割れ→絶縁不良、半田接合面のクラック発生→素子の動作不能)となっている。
一方、上記自動車などに用いられる、モータ駆動用など大電力回路を形成するパワー回路基板は、安全性の確保などの点から高い信頼性が求められるが、例えば振動が多く温度が高いというような家電品などと比べて過酷な環境に長時間さらされるため、上記高い信頼性を確保するためには、十分な電気絶縁性を確保しつつ、前記高集積化・高容量化された各電子部品から発生する熱を外部に迅速かつ円滑に放出できるようにする高い放熱技術の開発が要求されている。
そのため、上記従来からの要求を解決するために、例えば、特開2012−182413号公報(特許文献1)や、特開2013−73957号公報(特許文献2)等に記載された技術が開示されている。
上記特許文献1に開示された技術では、発熱素子を備える回路基板と、この回路基板が取り付けられる放熱部材からなる制御回路構造において、放熱部材の回路基板の取り付け面に、アルマイト処理層を形成し、その上にSi処理層を形成し、このSi処理層の上にDLC処理層を形成している。
そして、上記の構成によれば、アルマイト処理層、Si処理層、DLC処理層を積層して膜を形成しているので、単層膜に較べて絶縁性を向上でき、金属酸化物であるアルマイトの上に単一物質のSi膜を形成することで、アルマイトの剥離、脱落を防止し、更にDLC処理層により絶縁性を向上できる旨が記載されている。
また、上記特許文献2に記載された技術は、車両のステアリングの操舵力をモータでアシストする電動パワーステアリング装置において、モータ電流値はモータの出力の上昇に応じて大きくなり、モータ電流値が大きくなればモータを駆動させるパワー基板に備えられた半導体モジュールの温度が上昇し、過熱状態が続くと半導体モジュールが熱破壊を起こしてしまう、という課題を前提としている。
そして、上記の課題を解決するために、特許文献2の技術では、パワー基板及び制御基板を収容するケース内に金属製のGNDプレーンを備え、当該GNDプレーンはパワー基板接続部及び制御基板接続部、トルクセンサアンプ基板接続部、掛部のカバーとの接続部、ヒートシンク接触面を除く表面にアルマイト加工を施し、アルマイト皮膜を備え、パワー基板の半導体モジュール対向面とパワー基板接触面のアルマイト皮膜が接触する構造を有している。
特開2012−182413号公報 特開2013−73957号公報
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、アルマイト処理層、Si処理層は上記基板の絶縁層に一般的に用いられる樹脂よりも高い熱伝導率を持つので、課題である絶縁性と熱伝導性が両立できる、と記載されているものの、上記回路基板に多くの層を製作する必要が有り、それに伴いコストが高くついてしまうという課題があった。
また、上記特許文献2に記載された技術では、アルマイト処理を施した部分が半導体モジュールの対面に接触する構造のため、電動パワーステアリング装置の電子コントロールユニット(ECU)に用いた場合には、当該ECUを薄型に作ることが困難になるという問題が有り、車両に搭載した場合に場所を取ることから搭載性が悪化するという課題があった。
そこで、本発明は、上記問題と課題の解決を目的とするものであり、モータ駆動用など大電力回路を形成するパワー回路基板において、放熱のための熱伝導性の改良と電気絶縁性との両立を図り、パワー回路基板の構成層を少なくすることで薄型化と低コスト化を達成する電子部品実装用放熱基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、電子部品を実装するための基板であって、前記基板の前記電子部品の実装面側の絶縁層としてアルマイト層を設けた事を特徴とする、電子部品実装基板を提供する。
また、上記課題の解決は、前記基板はアルミ製ベース基板であり、前記アルマイト層は、前記アルミ製ベース基板の上面の前記電子部品の実装面を構成するアルミ素材にアルマイト処理加工を施すことで形成されることにより、或いは、前記アルマイト層の上面側には配線層が設けられており、前記配線層と前記アルマイト層とは、接着層で接続されることにより、或いは、前記接着層は絶縁性を有する素材とすることにより、或いは、前記アルマイト層の上面側に設けられた配線層の上面は、前記アルマイト層の上面と同一の平面上に形成されることにより、更に効果的に達成される。
また、前記電子部品実装基板には、インバータ回路を搭載したことにより、或いは、前記電子部品実装基板を用いた電動パワーステアリング装置により、或いは、前記電子部品実装基板を備える放熱ケースであって、前記放熱ケースは、少なくとも1面にヒートシンクを有し、前記ヒートシンクに前記電子部品実装基板を配設して収納することを特徴とする放熱ケースであることにより、或いは、上記放熱ケースを用いた電動パワーステアリング装置により、前記電子部品実装基板の課題の達成をより効果的に行い、活用することが可能である。
本発明では、上記のように、例えば、電動パワーステアリングのパワー基板(主にブラシレスモータへの電流を流す複数のFETで構成されるインバータ回路基板)に用いられるアルミ基板の絶縁層(部品搭載側の方)に絶縁アルマイトを使用する構成を採用することが可能である。
そのため、従来用いられていた熱伝導率の悪い樹脂系の素材により形成される絶縁層に替わって熱伝導率の良いアルマイト(Alumite)を用いることで、放熱特性が従来の絶縁層比で10倍程度向上させることが出来る。
また、基板上に実装された発熱部品(FETや電源コンデンサ)からの熱を配線層を構成する銅(Cu)層→接着層→アルマイト絶縁層→アルミ基板ベース→アルミ製等の放熱ケースへと放熱させることが可能である。
そして、上記アルマイト層はもともとのアルミベース基板に直接アルマイト処理を施す、いわば一体製作とする選択も可能となるため放熱性能の面では特に信頼性の高いECUを提供するものである。
また上記Cu層直下の接着層については、アルマイトが電気的絶縁性を有する(特性として問題ない)為、厚みを薄く出来るので放熱性が向上する。
また上記の構成により、パワー基板も単純構造(多層化や接触構造体の無いもの)とする選択が可能であり、小型化・コスト低減をも可能とした。
本発明に係る放熱基板を備えた電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示した図である。 上記電動パワーステアリング装置の制御系の構成の概略を示すブロック図である。 図3(A)は本発明の実施形態に係る電子部品実装基板に電子部品を実装した例を示す側断面図であり、図3(B)は本発明の更に異なる実施形態に係る電子部品実装基板に電子部品を実装した例を示す側断面図である。 図4(A)は図3(A)に示した基板を放熱ケースに収納した状態を示す側断面図であり、図4(B)は図4(A)で円形の点線で囲まれたBの領域周辺の状態を示した拡大断面図である。
以下に、本発明の実施形態を、車両に搭載される電動パワーステアリング装置の制御装置である電子コントロールユニット(ECU)に用いた場合を例として説明する。
ここで、上記電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング機構に電動モータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与するものであり、当該電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力として付与するようになっている。
そして、このような電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。
かかるフィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)と電動モータ電流検出値との差が小さくなるように電動モータ印加電圧を調整するものであり、電動モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティ(Duty)の調整で行っている。
上記の電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構3の減速ギア、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクThを検出するトルクセンサ9及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ200が減速機構3の減速ギア(ギア比n)を介してコラム軸2に連結されている。
そして、上記の電動パワーステアリング装置を制御する制御装置であるコントロールユニット(ECU)10は、マイクロコントロールユニット(MCU)を基幹部品として構成され、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。
このように構成されるコントロールユニット10では、トルクセンサ9で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって電動モータ200に供給する電流を制御する。なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、電動モータ200に連結されたレゾルバ等の回転位置センサから操舵角を取得することも可能である。
また、上記コントロールユニット10には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)15が接続されており、車速VelはCAN15から受信することも可能である。また、コントロールユニット10には、CAN15以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN16も接続されている。
コントロールユニット10は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
そこで、図2を参照してコントロールユニット10の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ9で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN15からの)車速Velは、電流指令値演算部210に入力される。電流指令値演算部210は、入力された操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ200に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部220Aを経て電流制限部230に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部220Bに入力され、モータ200側からフィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御部250に入力される。そうすると、PI制御部250で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部260に入力され、更にモータ駆動部としてのインバータ回路270を介してモータ200がPWM駆動される。なおここで、モータ200の電流値Imはモータ電流検出器280で検出され、減算部220Bにフィードバックされる。また、インバータ回路270は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
また、加算部220Aには補償信号生成部240からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部240は、セルフアライニングトルク(SAT)243と慣性242を加算部244で加算し、その加算結果に更に収れん性241を加算部245で加算し、加算部245の加算結果を補償信号CMとしている。
そして、上記のように構成される電動パワーステアリング装置において、上記電子コントロールユニット10のケース内部に設けられる本発明の電子部品実装基板は、次のように構成されている。なお、以下の説明では、同一の構成要素については、他の形態を採り得るものについても同一の記号を用い、重複する説明や構成については、一部省略する場合がある。また、本発明の理解を容易にするために、電子部品と電子部品実装基板の大きさ並びに放熱ケース等との比率や図面の縮尺は、実際のものとは適宜変更して表現する場合が有る。また、以下の電子部品ECは各種電子部品の総称として用いるものであり、FETや電源用コンデンサ等の高発熱性の電子部品その他の電子部品が含まれる。
図3は本発明の電子部品実装基板の実施形態を図示したものであり、図3(A)は上記本発明の電子部品実装基板の実施形態である電子部品実装基板300に電子部品ECを実装した例を示す側断面図であり、図3(B)は上記とは異なる実施形態に係る電子部品実装基板350に電子部品ECを実装した例を示す側断面図である。
上記のうち図3(A)に示した電子部品実装基板300は、上記基板300の上面(上記図3中で上側)を上記電子部品ECの実装面として構成されるものであり、上記基板300のベース310部分は、アルミニウム乃至その合金により構成されている。
そして、上記ベース310部分の厚さは上記基板300の板面上に実装される各種電子部品ECの発熱量等に応じて選択することが可能である。
また、上記ベース310の厚さについては、上記実装される電子部品ECの実装箇所に応じて異なる厚さとすることも可能である。すなわち、上記ベース310部分の厚さが厚い場合には当該部分における基板の断面積が高まるため熱伝導性が向上することから、実装される電子部品ECが高発熱性のものであればその部分の板厚を厚くし、低発熱性のものであればその部分の板厚を薄く構成する事も可能である。なお、このように電子部品ECの実装箇所に応じて上記ベース310の厚さを異なるものとした場合には、上記基板300の上面である電子部品実装面又は上記基板300の裏面側が、平面から外れて板面に凹凸が生ずる場合が想定される。しかし、このような場合に、例えば、上記電子部品実装面を平面に設定し、裏面に凹凸が生じている場合には、上記基板300の裏面に形成される凹凸を後述するようなTIM410の厚さを変動させることで吸収し、後述する放熱ケース400のヒートシンク430部分との接触面を平滑化することで、上記放熱ケース400から外部への熱伝導を有効に行うことが可能である。
また、上記基板300のベース310の上面側には、アルマイト層330が配設されている。そのため、本発明では、上記ベース310の上面にアルマイト層330を配設する事により、上記アルマイト層330を絶縁層として機能させる事と併せて、高熱伝導体として機能させることが可能である。
すなわち、上記アルマイトは電気的絶縁性を有すると共に、従来同様の基板に絶縁層として用いられていた樹脂等と比較して熱伝導特性が優れている。そのため、本発明では、上記アルマイト層330を上記電子部品実装基板の部品実装面における絶縁層として用いることにより、放熱特性を従来の絶縁層との対比で10倍程度向上させることが可能である。
そして、上記アルマイト層330が設けられる上記ベース310の素材については特に限定を設けるものではないが、上記ベース310がアルミニウムをベースとして形成している基板(アルミ製ベース基板)の場合には、上記アルミ製ベース基板をアルマイト処理して上記アルマイト層330を形成することが可能である。
そのため、上記ベース310がアルミ製ベース基板の場合には上記アルマイト層330の形成が容易となることから、本電子部品実装基板の製作が容易であり、製造コストを低下させることも可能である。
また、上記アルマイト層330の上面側には電子部品ECを実装するための配線層305が配設されており、上記配線層305は接着層303により上記アルマイト層330に接着されている。
ここで、上記配線層305は銅や銅を主成分とする導体から構成され、上記電子部品ECからのリードや端子を接続するものであり、上記基板300の上面から見た場合には上記電子部品ECを実装するための配線パターン状に形成されている。
また、上記接着層303は、絶縁性を有する素材(例えば、エポキシ系の樹脂素材など)から形成されており、上記配線層303を上記アルマイト層330に保持することを目的として配設されている。
そして、上記接着層303は上記配線層303を上記アルマイト層330に保持することが可能であれば、上記アルマイト層330が電気的絶縁性を有することから、極力厚みを薄くしたものを用いることが可能である。したがって、本発明では、上記接着層303を薄く形成することにより、上記配線層303から上記アルマイト層330への熱伝導効率を向上させ、放熱性能を改善させることが可能である。
また、本発明では、上記アルマイト層330の上面側に構成される、電子部品ECを実装するための配線層305と接着層303とは、上記図3(B)に示したように、上記配線層305の上面が上記アルマイト層330の上面と同一の平面上に形成されるように構成する事も可能である。
すなわち、上記図3(B)に示したように、配線層355とそれを上記アルマイト層330に接着する接着層353とを上記アルマイト層に埋没させるように配設して、上記配線層355の上面が上記アルマイト層330の上面と同一の平面を形成するように構成する事も可能である。
そのため、本発明では、このように上記配線層355の上面が上記アルマイト層330の上面と同一の平面を形成するように構成する事により、上記配線層355の側面から上記アルマイト層330への伝熱を促進することが可能であり、その際には、上記配線層355の厚みを増大させることによって、上記配線層355の側面から上記アルマイト層330への伝熱を更に促進することも可能である。
なお、本発明の上記配線層(303、353)と接着層(305、355)とは、上記構成を採っていれば、その形成方法については特に限定を設けるものではない。
そのため、上記配線層(303、353)と接着層(305、355)とがエッチング等により形成されるものであっても良いし、上記配線層(303、353)をプレス成型等により形成し、上記接着層(305、355)により上記アルマイト層330に貼り着けるように構成したものであっても構わない。
また、上記のようにして配設された接着層(305、355)については、上記配線層を導体として利用した誘導加熱により溶融させて、上記配線層(303、353)と上記アルマイト層330とを接着させるものであっても良い。
次に、上記本発明の電子部品実装基板を、例えば、上記のような電動パワーステアリング装置の電子コントロールユニットのケース等に組み合わせた、本発明の電子部品実装基板を備えた放熱ケースについて、図4を参照して説明する。
ここで上記図4は、図3(A)に示した基板300を放熱ケース400に収納した状態を示す側断面図であり、図4(B)は図4(A)で円形の点線で囲まれたBの領域周辺の状態を示した拡大断面図である。
ここで上記放熱ケース400は、全体的には蓋を有する箱型形状に形成された、樹脂材料乃至アルミ材料等から形成されており、上面側を構成する蓋体403と下面側を構成する箱体405とからなっている。そして上記箱体405の下面側にはヒートシンク430が形成されており、その側面には図示しないコネクタが形成されていて、上記放熱ケース400内の回路基板と外部機器との入出力を行っている。
そして、上記放熱ケース400の内部には、比較的発熱量の少ない制御基板450が配設されると共に、本発明の電子部品実装基板300が配設されている。
このうち、上記電子部品実装基板300は、上記放熱ケース400の底面側に形成されたヒートシンク430の上面に、上記電子部品実装基板300の底面が面接触するように形成されており、ここでは、上記電子部品実装基板300と上記ヒートシンク430との間にTIM(熱伝導材料:Thermal Interface Material)層410を設けた例を示している。
そのため、上記のように構成される本発明の電子部品実装基板300を備えた放熱ケース400では、次のように熱の伝導が行われ、効率的な放熱を達成することが可能である。
すなわち、上記電子部品実装基板300上に実装された電子部品ECから発生した熱は、銅などからなる配線層305へと伝導され、それが接着層303を介して絶縁体と熱伝導体とを兼ねるアルマイト層330に伝導し、上記アルマイト層330の下方に配置されるアルミ基板ベース310からTIM層410を介して、上記アルミ製等の放熱ケース400のヒートシンク430へと伝導されて放熱が行われる。
なお、ここで、上記放熱ケース400に上記図3(B)で示したような電子部品実装基板350を配設した場合には、上記電子部品ECからの熱の伝導は、上記に加えて、上記配線層353から直接上記アルマイト層330に対しても行うことが可能である。
したがって、本発明によれば、上記アルマイト層330は従来の絶縁層に比較して約10倍の熱伝導率を有するため放熱性の向上が図れ、上記銅などから構成される配線層(305,355)と上記アルマイト層330との間にエポキシ系等の接着層(303,353)を設けることで、上記アルマイト層330に電気的絶縁性があるために上記接着層(303,353)の厚みを薄くすることが可能であり、上記接着層(303,353)の薄膜化を図ることが可能である。
また、上記基板実装面における電気的絶縁性は上記アルマイト処理による上記アルマイト層330の厚みの制御により絶縁性の確保が可能であり、上記アルマイト層330を設けることから熱伝導率の悪い接着層(絶縁含む)を薄くできる等により基板の薄型化が可能であり、上記アルミ製ベース基板の表面部全体をアルマイト処理とする事により、発熱性の電子部品からの発熱が上記アルマイト層全体へ広がることから発熱の均一化が可能であり、上記アルマイト製ベース基板の素材をアルマイト化することができる為上記基板全体の軽量化も可能である。
そのため、上記の効果を有する本発明の電子部品実装基板により、モータ駆動用など大電力回路を形成するパワー回路基板において、放熱のための熱伝導性の改良と電気絶縁性との両立を図り、パワー回路基板の構成層を少なくすることで薄型化と低コスト化を達成することが可能である。また更に、本発明では、本発明の電子部品実装基板を電子コントロール装置のケースや電動パワーステアリング装置に用いることによって、機器の小型化と信頼性の向上とを図ることも可能である。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
3 減速機構
4a 4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6a 6b タイロッド
7a 7b ハブユニット
8L 8R 操向車輪
9 トルクセンサ
10 コントロールユニット
11 イグニションキー
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
15 CAN
16 非CAN
200 電動モータ
210 電流指令値演算部
230 電流制御部
240 補償信号生成部
250 PI制御部
260 PWM制御部
270 インバータ回路
280 モータ電流検出器

300 350 電子部品実装基板
303 353 接着層
305 353 配線層
310 基板ベース
330 アルマイト層

400 放熱ケース
403 蓋体
405 箱体
410 TIM層
430 ヒートシンク
450 制御基板

EC 電子部品

Claims (9)

  1. 電子部品を実装するための基板であって、
    前記基板の前記電子部品の実装面側の絶縁層としてアルマイト層を設けた事を特徴とする
    電子部品実装基板。
  2. 前記基板はアルミ製ベース基板であり、
    前記アルマイト層は、前記アルミ製ベース基板の上面の前記電子部品の実装面を構成するアルミ素材にアルマイト処理加工を施すことで形成された請求項1に記載の電子部品実装基板。
  3. 前記アルマイト層の上面側には配線層が設けられており、
    前記配線層と前記アルマイト層とは、接着層で接続される請求項1又は2に記載の電子部品実装基板。
  4. 前記接着層は、絶縁性を有する素材とする請求項3に記載の電子部品実装基板。
  5. 前記アルマイト層の上面側に設けられた配線層の上面は、
    前記アルマイト層の上面と同一の平面上に形成される請求項4に記載の電子部品実装基板。
  6. 前記電子部品実装基板には、インバータ回路を搭載した請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子部品実装基板。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子部品実装基板を用いた電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子部品実装基板を備える放熱ケースであって、
    前記放熱ケースは、少なくとも1面にヒートシンクを有し、前記ヒートシンクに前記電子部品実装基板を配設して収納することを特徴とする放熱ケース。
  9. 請求項8に記載の放熱ケースを用いた電動パワーステアリング装置。
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