JP2017220568A - 電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケース - Google Patents

電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケース Download PDF

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Abstract

【課題】電子部品を実装した基板とその基板を収納するケースにおいて、基板とケースとの間に充填される熱伝導材料の使用量を抑制しつつ効率的な利用を図る。【解決手段】ケース本体300の基板配置面310に、基板配置面310に基板を配置した場合に基板に実装された発熱性電子部品が、基板の裏面に投影する面積部分に対向する部分である発熱性電子部品対向部分のうち、ヒートスプレッダ対向部分310Sの発熱中心対向部分を放射の中心とした、組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dを形成する。複数の溝310dは、ヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁から形成されるようにし、基板はヒートスプレッダ対向部分310S及びその周囲に誘導されて設けられる熱伝導材料を介して基板配置面310に配置されるようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースに関するものであり、更に詳細には、発熱性の高い電子部品(発熱性電子部品)が実装された基板をケースの基板配置面に熱伝導性グリス等の熱伝導材料を介して配置する場合に、上記ケースの基板配置面であって上記基板に実装された上記発熱性電子部品が上記基板と上記熱伝導材料を介して当接される部分(発熱性電子部品対向部分)の周辺に、組み合わせる事により放射状になる複数の溝を形成しておき、上記基板を上記ケースに取付ける場合に上記熱伝導材料を上記溝を利用して誘導し、上記基板とケースの基板配置面との間で上記熱伝導材料が薄く均一に形成されるように構成した、電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースに関するものである。
従来から、例えば、自動車などの車両に用いられる電動パワーステアリング装置(EPS)等では、インバータ回路や電源回路のように大電流(例えば、約100A以上)を扱う電子回路は、搭載スペースの制約などに応じた機器の小型化等にともない専用基板化(1枚化)が進んでいる。
そして、このようなパワー半導体等を備える基板の1枚化を達成するためには、高密度実装された上記パワー半導体等の損失による発熱の放熱性をより向上させる必要がある。
また、上記のような、電動パワーステアリング装置等に搭載されている基板の場合には、上記電動パワーステアリング装置が使用されている自動車の操舵状態などにより、上記基板を流れる電流が大きくなり、例えば、端当てなどの操舵状態によっては、瞬間的に120Aに近い乃至はこれを超える電流がインバータ回路を流れることもある。そのため、このような場合にも上記基板からの熱を効率的に上記基板が配置されるヒートシンクやケース等を介して外部に放熱する必要がある。
また、このように1枚化された基板のパワーモジュール半導体部(例えば、主にはインバータ回路等)は高密度実装され、発熱は微小な隙間に充填された放熱グリス等の熱伝導材料(TIM:Thermal Interface Material)を経由して、上記ヒートシンクやケースへと放熱される構成を採用される場合が多い。そして、このような場合には上記熱伝導材料(TIM)は、上記ケースの基板配置面などに塗布などの方法により設けて、その上から上記基板により上記熱伝導材料(TIM)を押圧して上記基板配置面に上記基板を配置し、上記基板とケースとの間に上記熱伝導材料(TIM)が充填されること等により、設けられるように構成されている。
しかし、上記熱伝導材料(TIM)は熱伝導性が高いもの程高価でもあるため、上記熱伝導材料(TIM)の充填は、上記基板の放熱面に対向させた部位の絶縁性を確保しつつ、極力薄くして、効率的に外部マスへの放熱を図りたいという要求があり、特に上述した電動パワーステアリング装置では、上記のように瞬間的な発熱などに対応するために、上記熱伝導材料(TIM)を、より薄く均一にしたいという要求が強い。
一方、上記のような放熱性を向上させるために、パワーMOSFET等のパワーデバイス等から発生する熱を放熱することを目的に、上記パワーデバイス等とヒートシンクとの間に熱伝導性グリス等を用いる技術が知られている。
そして、例えば、このような技術として、特許第5071447号公報(特許文献1)に開示されたものでは、基板に実装されるパワーデバイスの放熱面に対向する部分のヒートシンク側(ケース側)に溝部とリブとからなる収容室を設け、そこに放熱ゲルを塗布して、上記放熱ゲルの移動を制御して、パワーデバイスの放熱性を向上させている。
また、例えば、特開平6−232294号公報(特許文献2)に開示された技術では、パワーデバイス(半導体チップ)の放熱性を向上させる目的で、樹脂封止パッケージされた半導体の主面上に位置する部分に、半導体チップの主面に近接するように窪む凹部を設けている。
特許第5071447号公報 特開平6−232294号公報
上記特許文献1に記載された技術は、ケースのうち基板に実装されたパワーMOSFET等の半導体素子の放熱面に対向する部位に凹部を形成し、当該凹部に形成された複数の溝部、および、ケースに設けられ複数の半導体素子の間を仕切るリブなどにより収容室を形成し、車両等からの振動による放熱ゲルの移動を、その収容室内に納めることで抑制する手段を構成している。
しかし、上記特許文献1に記載された例では、上記放熱ゲルは基板に実装された半導体素子に対向するケースの対向面で、上記ケースに設けられた溝部を埋めた上で上記基板とケースとの間に設けられることになっている。そのため、上記半導体素子の対向面では、上記放熱ゲルの厚さが不均一になることから、上記ケースからの効果的な放熱に影響するおそれがあり、また、上記基板の対向面における放熱ゲルの量が上記溝部を埋める分だけ余分に必要となって、コストが増大していた。したがって、上述した電動パワーステアリング装置の制御装置などに求められるような、上記熱伝導材料(TIM)を、より薄く均一にして、低コストかつ効率的に外部マスへの放熱を図りたい、という要求に応えられるものではなかった。
また、上記特許文献2に記載された技術は、半導体チップ支持体(ダイパッド)上に裏面が接合された半導体チップを封止する樹脂封止パッケージ本体において、半導体チップの主面上に位置する部分に、半導体チップの主面に近接するように窪む凹部を設け、上記樹脂封止パッケージ本体の凹部の形成された面に、その凹部に嵌合される凸部が形成された熱拡散板を接合することで放熱性の向上を図っている。そして、上記熱拡散板には、例えば、上記熱拡散板の各辺の中央から熱拡散板の中心に向かって延びるような分割孔が形成されている。
しかし、上記特許文献2に記載された技術では、半導体チップが封止された樹脂封止パッケージと熱拡散板とを用いる放熱構造が開示されているものの、上記樹脂封止パッケージと熱拡散板との間に用いられるような接着剤(熱伝導材料を含む)の効率的な利用については何らも言及されていなかった。
また、上記分割孔も、上記樹脂封止パッケージ本体と熱拡散板とを接着する接着剤層中の気泡を、その分割孔を通じて外部に逃がすことにより、接着剤層にボイドが発生するのを低減するために形成されているものであると言及されているに留まり、上記同様に熱伝導材料の効率的な利用についての課題は解決されていなかった。
そこで、本発明は上記課題を解決するためのものであり、本発明は、発熱性の高い電子部品(発熱性電子部品)が実装された基板をケースの基板配置面に熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して配置する場合に、上記熱伝導材料(TIM)の使用量を抑制しつつ、上記熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を上記基板に実装された上記発熱性電子部品のうち発熱性が高い部分の対向面に均一の厚さで配置すると共に、その周囲へ均等に誘導し、上記発熱性電子部品から発生する熱を効率的に上記ケースから放熱することが可能なケースを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、電子部品を実装した基板を配置するケースであって、前記ケースには前記基板を配置する基板配置面が設けられ、前記基板配置面には、前記基板を配置した場合に前記基板に実装された発熱性電子部品が前記基板の裏面に投影する面積部分に対向する部分である発熱性電子部品対向部分のうち、ヒートスプレッダ対向部分の発熱中心対向部分を放射の中心とした、組み合わせる事により放射状になる複数の溝が形成され、前記複数の溝は、前記発熱性電子部品対向部分のうち前記ヒートスプレッダ対向部分の外縁から形成されており、前記基板は前記発熱性電子部品対向部分及びその周囲に誘導されて設けられる熱伝導材料を介して前記基板配置面に配置されることを特徴とする熱伝導材料を誘導するための溝を備えた電子部品を実装した基板を配置するケースを提供する。
また、上記課題を解決するために本発明は、前記ヒートスプレッダ対向部分の発熱中心対向部分は、前記発熱性電子部品対向部分の幾何学的中心であることにより、或いは、
上記記載の熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースを用いた制御装置を備える電動パワーステアリング装置により、更に効果的に達成される。
本発明では、電子部品を実装した基板を配置するケースにおいて、前記ケースの基板配置面に、前記基板を前記基板配置面に配置した場合に前記基板に実装された発熱性電子部品が前記基板の裏面に投影する面積部分に対向する部分である発熱性電子部品対向部分のうちヒートスプレッダ対向部分の発熱中心対向部分を放射の中心とした、組み合わせる事により放射状になる複数の溝を設ける構成を採用している。
そして、上述のような複数の溝は、前記発熱性電子部品対向部分のうち前記ヒートスプレッダ対向部分の外縁から形成されるようになっている。
そのため、本発明によれば、パワーMOSFET等の発熱量の大きな電子部品(発熱性電子部品)を前記基板に実装し、前記基板を熱伝導グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して前記ケースに取付ける場合に、前記基板により前記熱伝導材料(TIM)を押圧することで、前記熱伝導材料(TIM)を前記複数の溝を利用して誘導することが可能である。
したがって、前記基板の裏面のうち前記基板に実装された前記パワーMOSFET等の発熱性電子部品のうちヒートスプレッダ部分が前記基板の裏面に投影する面積部分と、前記ケースの前記発熱性電子部品対向部分のうち前記ヒートスプレッダ対向部分との間では、前記熱伝導材料(TIM)の厚さが均一に充填されることになり、前記発熱性電子部品対向部分のうち前記ヒートスプレッダ対向部分の外縁部分周辺では、前記充填された熱伝導材料(TIM)を前記複数の溝に沿って誘導させることにより、前記発熱性電子部品対向部分うち前記ヒートスプレッダ対向部分の周囲に略均等に配置させることが可能である。
そのため、本発明によれば、発熱性の高い電子部品(発熱性電子部品)が実装された基板をケースの基板配置面に熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して配置する場合に、上記熱伝導材料(TIM)の使用量を抑制しつつ、上記熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を上記基板に実装された上記発熱性電子部品のうち発熱性が高い部分の対向面に均一の厚さで配置すると共に、その周囲へ均等に誘導し、上記発熱性電子部品から発生する熱を効率的に上記ケースから放熱することが出来るケースを提供することが可能である。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を示した構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)の構成例を示すブロック図である。 (A)は本発明によるケースの例を示す斜視図であり、(B)は(A)に示した枠Kで囲まれた領域を拡大して示した斜視図である。 基板に実装された発熱性電子部品及びその周囲における、基板、ケース本体、熱伝導材料及び溝の関係を示す断面図である。 発熱性電子部品の底面とケース本体における発熱性電子部品対向部分とヒートスプレッダ対向部分とを説明する図であり、(A)は発熱性電子部品の側断面図であり、(B)は、発熱性電子部品の底面に対向するケース本体の基板配置面の一部を表す平面図である。 本発明によるケースと関連要素との関係を示す斜視図である。 基板組付け工程の概略の流れを示した工程図である。 本発明によるケースに熱伝導材料を介して基板を組付ける際の状態を示した断面図であり、図8(A)は、取付前の状態を示し、図8(B)は上記基板により、上記ケースに配設された熱伝導材料を押圧して延伸している状態を示す断面図であり、図8(C)は、上記基板が上記ケースに熱伝導材料を介して組付けられた状態を示す断面図である。 本発明によるケースの基板配置面の発熱性電子部品対向部分に、前記基板を介して発熱性電子部品を当接した状態を、前記基板を透視した状態により示した上面図である。
以下に、本発明による、電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料(TIM)を誘導するための溝を備えたケースの構成例を、車両の電動パワーステアリング装置などに用いられる電動モータの制御装置に用いた場合を例として、本発明の実施形態を説明する。
ここで、上記電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング機構に電動モータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与するものである。そして、上記電動パワーステアリング装置では、電力供給部(インバータ)から供給される電力により制御されるモータの駆動力を、減速機構を介して、ギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に上記操舵補助力を付与するようになっている。そして、このような電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるために、モータ電流のフィードバック制御を行っている。
かかるフィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)と電動モータ電流検出値との差が小さくなるように電動モータ印加電圧を調整するものであり、電動モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティ(Duty)の調整で行っている。
上記の電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構3の減速ギア、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3の減速ギア(ギア比n)を介してコラム軸2に連結されている。
そして、上記の電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)100には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。
このように構成されるコントロールユニット100では、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって電動モータ20に供給する電流を制御する。なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、電動モータ20に連結されたレゾルバ等の回転位置センサから操舵角を取得することも可能である。
また、上記コントロールユニット100には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)50が接続されており、車速VelはCAN50から受信することも可能である。また、コントロールユニット100には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続されている。
また、上記コントロールユニット100は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット100を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN50からの)車速Velは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部101に入力される。電流指令値演算部101は、入力された操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて、電動モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部102Aを経て電流制限部103に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部102Bにフィードバック入力され、モータ電流値Imとの偏差I(Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御部104に入力される。PI制御部104で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部105に入力され、更に、発熱性電子部品等で構成されるインバータ106を介して電動モータ20がPWM駆動される。電動モータ20の電流値Imはモータ電流検出器107で検出され、減算部102Bにフィードバックされる。インバータ106は駆動素子としてのFETのブリッジ回路で構成されている。
上記電動モータ20にはレゾルバ等の回転センサ21が連結されており、回転センサ21からモータ回転角度θが出力され、更にモータ速度ωがモータ速度演算部22で演算される。
また、加算部102Aには補償信号生成部110からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部110は、セルフアライニングトルク(SAT)113と慣性112を加算部114で加算し、その加算結果に更に収れん性111を加算部115で加算し、加算部115の加算結果を補償信号CMとしている。
そして、上記のように構成される電動パワーステアリング装置において、上記コントロールユニット100などが収納される本発明の電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースは、次のように構成されている。なお、以下の説明では、同一の構成要素については、他の形態を採り得るものについても同一の記号を用い、重複する説明や構成乃至表示については、一部省略する場合がある。また、図面に示す各構成要素の大きさや比率などは説明の便宜のために実際のものとは異なる場合が有る。
本発明は、電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースに関するものである。そして、上記ケースは、図3(A)に示すようなケース本体300と、後述する図6に示すような上記ケース本体300と組み合わされるケースのカバー500とからなり、場合によっては、これらと組み合わされて一体化されるコネクタや端子台なども含めてケースと呼称される場合も含む。なお、ここで、図3のうち上記図3(A)は本発明によるケース本体300を示す斜視図であり、図3(B)は、上記図3(A)のうち二点鎖線で示したKに囲まれた領域部分の周辺を拡大して示した斜視図である。また上記図6は本発明によるケース本体300と、ここで示す基板400等に接続される各種コネクタ等の関連要素を示す斜視図である。
本発明によるケース本体300は、図6に示したような発熱性電子部品を含む電子部品ECが実装された基板400を配置するための、図3に示したような基板配置面310を有している。そして、上記基板配置面310には、図3(B)等に示し、更に後述するように、上記基板配置面310に上記基板400を配置した場合に上記基板400に実装された発熱性電子部品ECが上記基板400の裏面側に投影する面積部分に対向する部分である発熱性電子部品対向部分(図3(B)中に点線で示す仮想的な枠の部分)310Aと、上記発熱性電子部品対向部分310Aの内側にあるヒートスプレッダ対向部分310S(図3(B)中に一点鎖線で示す仮想的な枠の部分)の発熱中心対向部分(図3(B)中に点線による+として仮想的に示した部分)を放射の中心とした、組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dが形成されている。
以下これらを順に詳述すると、上記ケース本体300は、後述する図6に示すように、上記のような電子部品ECを実装した基板400を収納するケースの一部を構成するものであって、基本的にはケースのカバー500と組み合わせて使用される。
そして、上記ケース本体300は、例えば、ADC12といったアルミニウム合金や熱伝導性の樹脂などで構成されており、上記ケース全体乃至ケースの一部に、ヒートシンクや放熱器を取付けたり、或いは、ケース自体を放熱器として構成したりすることにより、放熱機能を有するように形成されている。
また、上記のうち基板配置面310は、上記ケース本体300に、上記電子部品ECが実装された上記基板400乃至その一部を配置すると共に、上記基板400から発生する熱を上記ケース本体300に伝達するために用いられるものである。
そのため、上記基板配置面310は、上記ケース本体300に配置する上記基板400に合わせて平面的に形成されており、上記基板400乃至その一部は上記基板配置面310とは、後述するように、上記発熱性電子部品対向部分310Aを中心として、その周囲の領域に延伸するようにして充填された放熱グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して配置されている。
そして、本発明では上記熱伝導材料(TIM)を効率的に利用するために、上記ケース本体300の上記基板配置面310上に、組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dを形成し、上記基板400に実装された上記発熱性電子部品ECの上記基板400の裏面側からその周囲へ向けて上記熱伝導材料(TIM)が、薄く均一に広がるような構造を採用している。
すなわち、上記基板400に実装されたFET等の上記発熱性電子部品ECから生ずる熱は、図4に記載したように、上記ケース本体300の上記基板配置面310に上記基板400を配置した場合には、上記ケース本体300方向へは上記基板400を通して上記基板400の裏面側に伝達され、そこから上記熱伝導材料(TIM)等を介して上記ケース本体300へと伝導される。ここで、上記図4は、上記基板400に実装された上記発熱性電子部品EC及び上記発熱性電子部品ECの周囲における、基板400、ケース本体300、熱伝導材料(TIM)及び溝310dの関係を示す断面図である。
そして、上記のような構成において、上記基板400の裏面を介した上記発熱性電子部品ECからの熱の伝達は、上記図4に矢印で示したように、上記発熱性電子部品ECを構成する発熱源となる半導体素子40a、40bから、ヒートスプレッダ40HSを通り、上記ヒートスプレッダ40HSの下の接着層40dから上記発熱性電子部品ECのパッケージ外層40PSを通って上記基板400に行われるようになっている。そのため、一般的には、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのパッケージ外層40PSが上記基板400の裏面に投影する面積部分である上記図4におけるAの領域のうち、ヒートスプレッダ40HSの直下の領域に相当するSの領域の部分で最も大きくなっている。
そこで、本発明では、図5に示すように、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのパッケージ外層40PSが上記基板400の裏面に投影する面積部分に対向する上記基板配置面310上のAの領域(図5(B)中の太い点線で囲まれた領域)を、上述のように発熱性電子部品対向部分310Aと定義し、その内側に当たる、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ40HS部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分に対向する上記基板配置面310上のSの領域(図5(B)中の太い一点鎖線で囲まれた領域)をヒートスプレッダ対向部分310Sと定義した。なお、ここで、上記図5は、上記発熱性電子部品ECの底面と上記ケース本体300における発熱性電子部品対向部分310Aとヒートスプレッダ対向部分310Sとを説明する図であり、図5(A)は上記発熱性電子部品ECの側断面図であり、図5(B)は、上記発熱性電子部品ECの底面に対向する上記ケース本体300の基板配置面310の一部(上記発熱性電子部品対向部分310A周辺)を表す平面図である。(なお、上記図5(B)では後述するヒートスプレッダ40HSの発熱中心対向部分を上記図3(B)と同様に点線による+として仮想的に示している。)
そして、本発明では、上記基板400の裏面と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間に均一に上記熱伝導材料(TIM)が配設されるようにしつつ、後述するように、上記基板400を上記ケース本体300の基板配置面310に配置する過程で、上記熱伝導材料(TIM)が上記基板400の裏面と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間の周辺領域から周囲に円滑に延伸されるように、後述するような組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dを形成する構成としている。
そして、上記組み合わせる事により放射状になる複数の上記溝310dは、例えば、図3(B)に点線により表示した仮想的な枠で示したような、上記発熱性電子部品対向部分310Aのうち、その更に内側にあるヒートスプレッダ対向部分310Sの発熱中心対向部分を放射の中心として、組み合わせる事により放射状になるような複数の溝として形成されており、これら組み合わせる事により放射状になる複数の上記溝310dは、上記発熱性電子部品対向部分310Aの外縁から形成されるようになっている。
ここで、上記発熱性電子部品対向部分310Aとは、上述したように、上記ケース本体300の上記基板配置面310に、上記基板400を配置した場合に上記基板400に実装された上記発熱性電子部品ECのパッケージ部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分に対向する部分である。また、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとは、同じく上述したように、上記ケース本体300の上記基板配置面310に、上記基板400を配置した場合に上記基板400に実装された上記発熱性電子部品ECの内部のヒートスプレッダ部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分に対向する部分である。
そして、上記発熱性電子部品対向部分310Aとヒートスプレッダ対向部分310Sとは、上記基板配置面310上に仮想的に設定される面であり、その形状は、上記発熱性電子部品ECを上記基板400に実装した場合にその底面が採る形状に対応するものとなる。
そのため、上記図3乃至6ではこれらを四角形状に表現しているが、これらは例示したものであるため、上記のように実装される上記発熱性電子部品ECの種類に応じて異なるものとなる。
また、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの発熱中心対向部分とは、図3(B)や図5(B)に点線による+で表示したように、上記発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ部分(図5では40HSに相当する部分)が上記基板400の裏面に投影する面積部分のうちで最も発熱性が高い部分の中心(発熱中心)に対向する基板配置面310上の部分を意味している。そのため、上記発熱中心対向部分は予め実測するなどして特定しておくことが望ましいが、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの発熱中心対向部分については、上記発熱性電子部品対向部分310Aの幾何学的な中心とすることも可能である。
また、上述のような組み合わせる事により放射状になる複数の上記溝310dは、個々の溝を組み合わせる事により、全体的には放射状を形成する溝として形成されており、上記のように、上記発熱性電子部品対向部分310Aのうち、ヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁から形成されるようになっている。
これは、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分と、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間では上記熱伝導材料(TIM)を均等な厚さになるように配設しつつ、これを外れた領域であるヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁では、上記熱伝導材料(TIM)が、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの近傍の領域から円滑に周囲に延伸できるようにする趣旨によるものである。
すなわち、上記のように、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間の空間では、上記熱伝導材料(TIM)が均一でかつ薄い方が上記ケース本体300への熱伝導効率の上から望ましい。そして、その周囲の空間では、上記熱伝導材料(TIM)を上記基板400と基板配置面310の間に延伸させることが望ましいため、上記溝310dを利用して、上記のような延伸を行わせつつ、余分な上記熱伝導材料(TIM)が生ずる場合には、上記溝310dの中に留まらせることを可能として、上記熱伝導材料(TIM)の効率的な利用を行うためである。
そのため、上記のように組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dの個々の溝の数については特に限定を設けるものではないが、本実施形態では、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの幾何学的な中心部分から放射状の方向に、上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁から略45度間隔に8本の溝を形成している。
また、上記のように組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dの深さについては特に限定を設けるものではないが、本発明の趣旨は上記熱伝導材料(TIM)を効率的に利用するものであるため、上記熱伝導材料(TIM)の熱伝導率や、上記発熱性電子部品ECが上記基板400の裏面に投影する面積部分と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間の間隔、及び、上記間隔の間に設けた熱伝導材料(TIM)の量から想定される上記熱伝導材料(TIM)の上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの近傍の領域からのはみ出し量などとの相関を考慮し、適切な深さのものを設けることが可能である。
また、上記のように組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dの形態については、上記図3の例では組み合わせる事により放射状を形成するような複数の略長方形状の溝を採用しているがこれに限られるものではなく、上記熱伝導材料(TIM)を円滑に延伸できる範囲で他の形態を選択することも可能である。
また、上記ケース本体300に構成されている上記基板配置面310への基板400の配置又は取付けは、上記基板400を取付けるための上記基板配置面310から突出して形成される複数の係止部313、又は、前記ケース本体300の上記基板配置面310の周囲に配設された基板係止用柱353の一方又は双方に、図6で示したように、上記基板400をねじ360を用いて係止することにより行うように構成されている。
そして、上記係止部313の上端の高さ及び上記基板係止用柱353の上端の高さは、上記基板配置面310に上記基板400を配置した場合に、上記熱伝導材料(TIM)が上記基板400と上記基板配置面310との間に塗れ拡がる程度の厚さが確保されるように形成されており、例えば、上記実施形態の例では、上記基板配置面310から見た場合に、上記基板400の裏面側と上記基板配置面310とが200マイクロメートル程度の間隔を生ずる程度に構成されている。
次に、図6に記載したように、上記のように基板配置面310の上記発熱性電子部品対向部分310Aの内側のヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁に組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dを形成した本発明のケース本体300に、基板400を取付けてケースのカバー500を被せる例について説明する。ここで、上記図6は、上述したように、例えば、電動パワーステアリング装置のコントロールユニットが収納される本発明による上記ケース本体300と、ここで示す上記基板400等に接続される各種コネクタ等の関連要素を示す斜視図である。
本発明のケースは、図3に示したような上記ケース本体300と、図6に記載したようなケースの上記カバー500とから構成されており、上記ケース本体300の上記基板配置面310に上記基板400の一部乃至全部を配置乃至取付けるように構成されている。
そして、ここで取付けられる上記基板400は、一般的には、絶縁体により構成される樹脂材などに導体からなる回路パターンを形成したものであり、本発明ではどのような基板を用いることも可能であるが、図6に示した例では、FET等を用いたインバータ等を含む発熱量の大きな電子部品ECを含むパワーモジュール部(又はインバータ部)とこれらの制御を行う制御部の双方を一体化して実装した1枚化基板を用いており、更に上記基板400は一部について多層化した物(多層基板)を用いている。
また、上記基板400は、上記ケース本体300の上記基板配置面310に対して、上記熱伝導材料(TIM)を介して、上記基板400のうちパワーモジュール部が配設されるように構成されている。そして、上記熱伝導材料(TIM)を上記基板400と上記基板配置面310の間に充填する具体的方法については後述するが、上記熱伝導材料(TIM)は、上述したように、上記パワーモジュールに用いられるFET等の発熱性電子部品ECが上記基板400の裏面に投影する面積部分と上記基板配置面310のヒートスプレッダ対向部分310S間に集中して配設されるように構成されている。
なお、ここで、上記熱伝導材料(TIM)については特に限定を設けるものではないが、上記ケース本体300と上記基板400との絶縁性を確保乃至向上させるために絶縁特性を向上させたものや、上記基板配置面310に塗布して設けるものであっても良い。また、上記基板配置面310と上記基板400の裏面とのクリアランスは100〜500マイクロメートル程度が望ましいため、その間の空間に形成可能であり、耐久試験などによりオイル抜けなどが発生しない仕様であることが望ましい。そこで、本実施形態では上記熱伝導材料(TIM)として絶縁性のある放熱グリスを用いている。
また、上記基板400には、更に、上記基板400のパワーモジュール部に接続されるモータ端子台600と、上記基板400の制御部に接続され各種センサなどの信号線と接続されるコネクタ700が、それぞれ、ねじ660とねじ760により、モータ端子台係止部613やコネクタ係止部473等を介して接続固定されるようになっており、上記基板400とこれらモータ端子台600とコネクタ700がケース本体300に接続された後に、上記ケース本体300のカバー500が上部から上記基板400と上記ケース本体300を覆うようにしてカシメ固定される。
これを更に図7に示す基板組み付けの工程フローにより具体的に説明すると次のようになる。なおここで、上記図7は基板組付け工程の概略の流れを示した図である。
すなわち、最初に、上記ケース本体300に配置する上記基板400対して、上記モータ端子台600をモータ端子台係止部613を介して上記ねじ660により組付けてねじ締めにより固定する(ステップS10)。ここで、上記モータ端子台600は上記基板400のうちパワーモジュールを形成する部分と電動モータ20からの端子を接続するためのものであり、ここでは、例えば、上記電動モータ20として3相ブラシレスモータのU相、V相、W相の各相へ接続される3端子が形成されている。
そして、次に、放熱グリス等の熱伝導材料(TIM)を上記ケース本体300の基板配置面(310)に塗布する(ステップS20)。ここで、上記放熱グリス等の熱伝導材料(TIM)の塗布は、本発明では上記基板配置面310の全面に行うのではなく、例えば、図8に示したように、上記基板配置面310のうち、上述した発熱性電子部品対向部分310Aの内側の領域に、上記放熱グリス等の熱伝導材料(TIM)を滴下すること等により行われる。なおここで、上記図8は本発明によるケース本体300に熱伝導材料(TIM)を介して基板400を組付ける際の状態の概要を示した断面図であり、図8(A)は、取付前の状態を示し、図8(B)は上記基板400により、上記ケース本体300に配設された熱伝導材料(TIM)を押圧して延伸している状態を示す断面図であり、図8(C)は、上記基板400が上記ケース本体300に熱伝導材料(TIM)を介して組付けられた状態を示す断面図である。
そして、上記図8(A)に示すように、上記滴下する熱伝導材料(TIM)の量は、上述したように、上記基板400に実装された発熱性電子部品ECが上記基板400の裏面に投影する面積部分と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間の隙間を上記熱伝導材料(TIM)が十分に充填できる程度の量である一方、これらをそれほど超えない量であり、上述したような、組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dに充填される量との相関を考慮し、上記熱伝導材料(TIM)の熱伝導率や上記隙間の大きさ、及び、上記隙間における上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの近傍の領域からのはみ出し量等を考慮して決定される。
そして、次に、上記図8(A)の白抜きの矢印の方向に、上記基板400を上記ケース本体300に相対的に接近させることで、上記ケース本体300に上記基板400の組み付けが行われる(ステップS30)。
ここで、上記基板400の上記ケース本体300への組み付けは、上記図8(B)に示したように、上記基板400を上記基板配置面310の上記係止部313や上記ケース本体300に構成された係止部353に、それぞれの係止部に対応する上記基板400に形成されたねじ穴403が適合する所定の位置に配置した上で、上記基板400に形成されたねじ穴403にねじ360を通し、上記ねじ360のねじ締めにより組付けて固定するものである。そして、その際には、上記図8(B)に示したように、上記熱伝導材料(TIM)の粘性によって上記基板400が応力を受けて、多少歪むが、後述するように、上記基板400が上記熱伝導材料(TIM)を徐々に延伸して上記基板400と上記基板配置面310の間に薄く均一に伸ばすために、上記基板400の歪みは解消する。
そのため、このように上記基板400を上記ケース本体300に取付けると、図9に示したように、上記基板400に実装されたFET等の発熱性電子部品ECは上記基板配置面310上に形成した仮想的な発熱性電子部品対向部分310Aの上側に、上記組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dに取り囲まれるように配設されることになり、続いて、次のように熱伝導材料(TIM)がその部分に拡がって充填されることになる。なお、ここで、上記図9は、本発明による上記ケース本体300の上記基板配置面310の発熱性電子部品対向部分310Aに、上記基板400を介してFET等の発熱性電子部品ECを当接した状態を、上記基板400を透視した状態により示した上面図である。
すなわち、本発明では、上記ねじ締めにより、上記のように発熱性電子部品対向部分310Aの内側に滴下された上記放熱グリス等の熱伝導材料(TIM)が、上述したような上記基板400の裏面のうち上記基板400に実装された発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ部分が上記基板400の裏面に投影する面積部分と上記ヒートスプレッダ対向部分310Sとの間に充填されることになり、そこからはみ出した上記熱伝導材料(TIM)については、上述のような組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dにより上記ヒートスプレッダ対向部分310Sの周囲に延伸して充填されることになる。そのため本発明では、上記のように熱伝導材料(TIM)を上記ケース本体300の上記基板配置面310の発熱性電子部品対向部分310Aの内側のヒートスプレッダ対向部分310Sを中心として薄くかつ均一に配することが可能になることにより、上記熱伝導材料(TIM)の使用量を減らしつつ効率的な利用が可能である。
そして、図7及び図6に戻って説明を続けると、上記のように基板400をケース本体300に組付けた後には、上記基板400に対して、コネクタ700を上記基板400のコネクタ係止部473に対して上記ねじ760により組付けてねじ締めにより固定する(ステップS40)。そしてここで、上記コネクタ700は上記基板400に形成された制御回路に対して、上述したトルクセンサ10や舵角センサ14、或いはCAN50等の制御系の信号を接続するためのものであり、上記基板400のうち制御系を構成する部分に接続されるようになっている。
そして次に、上記のように組み付けられた上記コネクタ700や上記モータ端子台600等の半田接続が行われ(ステップS50)、最後に上記基板400やコネクタ700等の組み上がったケース本体300にカバー500がカシメ接続などにより被せて固定される。
以上のように、本発明では、前記電子部品のうちパワーFET等の発熱量の大きな電子部品(発熱性電子部品)ECを前記基板400に実装し、前記基板400を熱伝導グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して前記ケース本体300に配置する場合に、前記基板400の裏面のうち前記基板400に実装された前記FET等の発熱性電子部品ECのヒートスプレッダ部分が前記基板400の裏面に投影する面積部分と前記ケース本体300の基板配置面310に設けられる発熱性電子部品対向部分310Aの内側のヒートスプレッダ対向部分310Sの間では、前記熱伝導材料(TIM)の厚さが均一に充填されることになり、前記ヒートスプレッダ対向部分310Sの外縁部分周辺では、前記充填された熱伝導材料(TIM)を前記組み合わせる事により放射状になる複数の溝310dに沿って誘導させることにより、前記発熱性電子部品対向部分310Aの周縁に略均等に配置させることが可能である。
そのため、本発明によれば、発熱性の高い電子部品(発熱性電子部品)が実装された基板をケースの基板配置面に上記熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を介して配置する場合に、上記熱伝導材料(TIM)の使用量を抑制しつつ、上記熱伝導性グリス等の熱伝導材料(TIM)を上記基板に実装された上記発熱性電子部品のうち発熱性が高い部分の対向面に均一の厚さで配置すると共に、その周囲へ均等に誘導し、上記発熱性電子部品から発生する熱を効率的に上記ケースから放熱することができるケースを提供することが可能である。
なお、上記実施形態は、本発明の一例を示したものであり、本発明の趣旨の範囲で、異なる構成を採用することも可能である。そのため、例えば、上記電子部品ECはFET等の本来的な発熱性電子部品に限らず、例えば、上記電子部品を接続する金属クリップ等、上記発熱性電子部品の間に配設され熱伝導による発熱を伴うものを含めても構わない。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
3 減速機構
4a 4b ユニバーサルジョイント
5 ピニオンラック機構
6a 6b タイロッド
7a 7b ハブユニット
8L 8R 操向車輪
10 トルクセンサ
11 イグニションキー
12 車速センサ
13 バッテリ
14 舵角センサ
20 電動モータ
23 モータリレー
40a 40b 半導体素子
40HS ヒートスプレッダ
40d 接着層
40PS パッケージ外層
100 制御装置(コントロールユニット、ECU)
101 電流指令値演算部
104 PI制御部
105 PWM制御部
106 インバータ
110 補償信号生成部
300 ケース本体
310 基板配置面
310A 発熱性電子部品対向部分
310S ヒートスプレッダ対向部分
+ 発熱中心対向部分
310d 組み合わせる事により放射状になる複数の溝
353 基板係止用柱
360 660 760 ねじ
400 基板
403 基板のねじ穴
473 コネクタ係止部
500 ケースのカバー
600 モータ端子台
613 モータ端子台係止部
700 コネクタ
TIM 熱伝導材料
EC 電子部品(発熱性電子部品を含む)

Claims (3)

  1. 電子部品を実装した基板を配置するケースであって、
    前記ケースには前記基板を配置する基板配置面が設けられ、
    前記基板配置面には、前記基板を配置した場合に前記基板に実装された発熱性電子部品が前記基板の裏面に投影する面積部分に対向する部分である発熱性電子部品対向部分のうち、ヒートスプレッダ対向部分の発熱中心対向部分を放射の中心とした、組み合わせる事により放射状になる複数の溝が形成され、
    前記複数の溝は、前記発熱性電子部品対向部分のうち前記ヒートスプレッダ対向部分の外縁から形成されており、
    前記基板は前記発熱性電子部品対向部分及びその周囲に誘導されて設けられる熱伝導材料を介して前記基板配置面に配置されることを特徴とする熱伝導材料を誘導するための溝を備えた電子部品を実装した基板を配置するケース。
  2. 前記ヒートスプレッダ対向部分の発熱中心対向部分は、前記発熱性電子部品対向部分の幾何学的中心である請求項1に記載の電子部品を実装した基板を配置するケース。
  3. 請求項1又は2に記載の電子部品を実装した基板を配置するための熱伝導材料を誘導するための溝を備えたケースを用いた制御装置を備える電動パワーステアリング装置。
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