JP6894714B2 - 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6894714B2
JP6894714B2 JP2017015711A JP2017015711A JP6894714B2 JP 6894714 B2 JP6894714 B2 JP 6894714B2 JP 2017015711 A JP2017015711 A JP 2017015711A JP 2017015711 A JP2017015711 A JP 2017015711A JP 6894714 B2 JP6894714 B2 JP 6894714B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed
convex portion
metal cover
motor housing
electric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017015711A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018125948A (ja
Inventor
政男 藤本
政男 藤本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Priority to JP2017015711A priority Critical patent/JP6894714B2/ja
Publication of JP2018125948A publication Critical patent/JP2018125948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6894714B2 publication Critical patent/JP6894714B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Description

本発明は電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に係り、特に電子制御装置を内蔵した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
一般的な産業機械分野においては、電動モータによって機械系制御要素を駆動することが行われているが、最近では電動モータの回転速度や回転トルクを制御する半導体素子等からなる電子制御部を電動モータに一体的に組み込む、いわゆる機電一体型の電動駆動装置が採用され始めている。
機電一体型の電動駆動装置の例として、例えば自動車の電動パワーステアリング装置においては、運転者がステアリングホィールを操作することにより回動するステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出し、この検出値に基づいてステアリングシャフトの回動方向と同じ方向へ回動するように電動モータを駆動し、操舵アシストトルクを発生させるように構成されている。この電動モータを制御するため、電子制御部(ECU:Electronic Control Unit)がパワーステアリング装置に設けられている。
従来の電動パワーステアリング装置としては、例えば、特開2015−134598号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1には、電動モータ部と電子制御部とにより構成された電動パワーステアリング装置が記載されている。そして、電動モータ部の電動モータは、アルミ合金等から作られた筒部を有するモータハウジングに収納され、電子制御部の電子部品が実装された基板は、モータハウジングの軸方向の出力軸とは反対側に配置されたECUハウジングとして機能するヒートシンクに取り付けられている。ヒートシンクに取り付けられる基板は、電源回路部、電動モータを駆動制御するMOSFET、或いはIGBT等のようなパワースイッチング素子を有する電力変換回路部、及びパワースイッチング素子を制御する制御回路部を備え、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータの入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
そして、ヒートシンクに取り付けられた電子制御部には、合成樹脂から作られたコネクタケースを介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が供給されている。コネクタケースは蓋体として機能しており、ヒートシンクを密閉して塞ぐように固定され、また固定ねじによってヒートシンクの外周表面に固定されている。
尚、この他に電子制御装置を一体化した電動駆動装置としては、電動ブレーキや各種油圧制御用の電動油圧制御器等が知られているが、以下の説明では代表して電動パワーステアリング装置について説明する。
特開2015−134598号公報
ところで、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、金属製のモータハウジングと金属製のヒートシンク及び合成樹脂製のコネクタケースは外周側に突出して形成された固定部を挿通した固定ねじによって共締めされる構成である。
しかしながら、モータハウジングとヒートシンク及びコネクタケースの外周に固定部及び固定ねじを設けると外観形状が大きくなる、重量が増加するという課題が生じる。更には、モータハウジング、ヒートシンクの間は密着しているが、密着部分は熱抵抗が大きくなり良好な熱移動ができず放熱特性が良くない、合成樹脂製のコネクタケースによって電子制御部を密閉しているのでコネクタケースが放熱に寄与しておらず放熱特性が良くないという課題も生じる。したがって、これらの課題を解決した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置が要請されている。
更に、副次的であるが、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、特に電源回路部、電力変換回路部の熱を外部に放熱するためのヒートシンク部材が、モータハウジングとECUハウジングの間に配置されている。このため、ヒートシンク部材の分だけ余分に軸方向の長さが長くなる傾向になる。また、電源回路部や電力変換回路部を構成する電気部品は発熱量が大きく、小型化する場合はこの熱を効率よく外部に放熱してやる必要がある。したがって、軸方向の長さをできるだけ短くすると共に、電源回路部や電力変換回路部の熱を効率よく外部に放熱することも求められている。
本発明の主たる目的は、外観形状を小さくして重量を低減すると共に、良好な放熱特性を備えた新規な電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、電動モータの回転軸の出力部とは反対側のアルミ系金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された径方向内側に凹む所定数の固定凹部と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの開口端に形成され、固定凹部に収納される径方向内側に突出する固定凸部とを備え、固定凹部に固定凸部を収納して径方向から内側に向けて金属製の固定手段によって固定手段の頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態で固定凸部を固定凹部に固定する、ところにある。
本発明によれば、モータハウジングの外周面に形成された固定凹部に、金属カバーの開口端に形成された固定凸部を収納して、径方向から内側に向けて金属製の固定手段によって固定手段の頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態で金属カバーの固定凸部をモータハウジングの固定凹部に固定するので、外観形状を小さくして重量を低減できるようになる。また、金属製の固定手段で固定するので、モータハウジングからの熱が固定手段を介して金属カバーに伝えられるので放熱特性を向上することができる。
本発明が適用される一例としての操舵装置の全体斜視図である。 本発明の実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体形状を示し、接着剤による封止を行う前の全体斜視図である。 図2に示す電動パワーステアリング装置の分解斜視図である。 図3に示すモータハウジングの斜視図である。 図4に示すモータハウジングを軸方向に断面した断面図である。 図4に示すモータハウジングに電力変換回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図6に示すモータハウジングに電源回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図7に示すモータハウジングに制御回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図8に示すモータハウジングにコネクタ端子組立体を載置、固定した状態を示す斜視図である。 接着剤による封止を行う前の電動パワーステアリング装置の正面図である。 図10に示す電動パワーステアリング装置の断面を示し、しかも接着剤による封止を行った後の断面図である。 モータハウジングと金属カバーの接合部付近で、接着剤による封止を行う前の軸方向断面を示す部分断面図である。 モータハウジングと金属カバーの接合部付近で、接着剤による封止を行った後の軸方向断面を示す部分断面図である。 本発明の実施形態の変形例を示し、モータハウジングと金属カバーの接合部付近で、接着剤による封止を行った後の軸方向断面を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に本発明が適用される一例としての操舵装置の構成について図1を用いて簡単に説明する。
まず、自動車の前輪を操舵するための操舵装置について説明する。操舵装置1は図1に示すように構成されている。図示しないステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト2の下端には図示しないピニオンが設けられ、このピニオンは車体左右方向へ長い図示しないラックと噛み合っている。このラックの両端には前輪を左右方向へ操舵するためのタイロッド3が連結されており、ラックはラックハウジング4に覆われている。そして、ラックハウジング4とタイロッド3との間にはゴムブーツ5が設けられている。
ステアリングホイールを回動操作する際のトルクを補助するため、電動パワーステアリング装置6が設けられている。即ち、ステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサ7が設けられ、トルクセンサ7の検出値に基づいてラックにギヤ10を介して操舵補助力を付与する電動モータ部8と、電動モータ部8に配置された電動モータを制御する電子制御装置(ECU)部9とが設けられている。電動パワーステアリング装置6の電動モータ部8は、出力軸側の外周部の3箇所が図示しないねじを介してギヤ10に接続され、電動モータ8部の出力軸とは反対側に電子制御部9が設けられている。
電動パワーステアリング装置6においては、ステアリングホイールが操作されることによりステアリングシャフト2がいずれかの方向へ回動操作されると、このステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとをトルクセンサ7が検出し、この検出値に基づいて制御回路部が電動モータの駆動操作量を演算する。この演算された駆動操作量に基づいて電力変換回路部のパワースイッチング素子により電動モータが駆動され、電動モータの出力軸はステアリングシャフト1を操作方向と同じ方向へ駆動するように回動される。出力軸の回動は、図示しないピニオンからギヤ10を介して図示しないラックへ伝達され、自動車が操舵されるものである。これらの構成、作用は既によく知られているので、これ以上の説明は省略する。
上述したように、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、金属製のモータハウジングと金属製のヒートシンク及び合成樹脂製のコネクタケースは外周側に突出して形成された固定部を挿通した固定ねじによって共締めされる構成である。このため、モータハウジングとヒートシンク及びコネクタケースの外周に固定部及び固定ねじを設けると外観形状が大きくなる、重量が増加するという課題が生じる。更には、合成樹脂製のコネクタケースによって電子制御部を密閉しているのでコネクタケースが放熱に寄与しておらず放熱特性が良くないという課題も生じる。
このような背景から、本実施形態では次のような構成の電動パワーステアリング装置を提案するものである。つまり、本実施形態においては、電動モータの回転軸の出力部とは反対側のアルミ系金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された径方向内側に凹む所定数の固定凹部である「ねじ止め凹部」と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの開口端に形成され、ねじ止め凹部に収納される径方向内側に突出する固定凸部である「ねじ止め凸部」とを備え、ねじ止め凹部にねじ止め凸部を収納して径方向から内側に向けて金属製の固定手段である「固定ねじ」によって固定ねじの頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態でねじ止め凸部をねじ止め凹部に固定するものである。
これによれば、モータハウジングの外周面に形成されたねじ止め凹部に、金属カバーの開口端に形成されたねじ止め凸部を収納して、径方向から内側に向けて金属製の固定ねじによって固定ねじの頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態で金属カバーのねじ止め凸部をモータハウジングのねじ止め凹部に固定するので、外観形状を小さくして重量を低減できるようになる。また、金属製の固定ねじで固定するので、モータハウジングからの熱が固定ねじを介して金属カバーに伝えられるので放熱特性を向上することができる。
以下、本発明の一実施形態になる電動パワーステアリング装置の具体的な構成について、図2乃至図13を用いて詳細に説明する。尚、図2は本実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体的な構成を示した図面であり、図3は図2に示す電動パワーステアリング装置の構成部品を分解して斜め方向から見た図面であり、図4から図9は各構成部品の組み立て順序にしたがって各構成部品を組み付けていった状態を示す図面であり、図10は接着剤による封止を行う前の電動パワーステアリング装置を示す図面であり、図11は電動パワーステアリング装置の断面を示し、しかも接着剤による封止を行った後の断面を示す図面であり、図12はモータハウジングと金属カバーの接合部付近の接着剤による封止を行う前の軸方向断面を示す図面であり、図13はモータハウジングと金属カバーの接合部付近の接着剤による封止を行った後の軸方向断面を示す図面である。したがって、以下の説明では、各図面を適宜引用しながら説明を行うものとする。
図2に示すように、電動パワーステアリング装置を構成する電動モータ部8は、アルミニウム、或いはアルミ合金等のアルミ系金属から作られた筒部を有するモータハウジング11及びこれに収納された図示しない電動モータとから構成され、電子制御部9は、モータハウジング11の軸方向の出力軸とは反対側に配置された、アルミニウム、或いはアルミ合金等のアルミ系金属、或いは鉄系の金属で作られた金属カバー12及びこれに収納された図示しない電子制御組立体から構成されている。
モータハウジング11と金属カバー12は、その対向端面に形成され外周方向に所定数の固定領域EAにおいて、後述する固定ねじ37によって一体的に固着されている。金属カバー12の内部に収納された電子制御組立体は、必要な電源を生成する電源回路部や、電動モータ部8の電動モータを駆動制御するMOSFET或いはIGBT等からなるパワースイッチング素子を有する電力変換回路や、このパワースイッチング素子を制御する制御回路部からなり、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータのコイル入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
モータハウジング11とは反対側の金属カバー12の端面には、金属カバー12に形成した孔部からコネクタ端子組立体13が露出している。また、コネクタ端子組立体13は、モータハウジング11に形成した固定部に固定ねじによって固定されている。コネクタ端子組立体13には電力供給用のコネクタ端子形成部13A、検出センサ用のコネクタ端子形成部13B、制御状態を外部機器に送出する制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを備えている。
そして、金属カバー12に収納された電子制御組立体は、合成樹脂から作られた電力供給用のコネクタ端子形成部13Aを介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が検出センサ用のコネクタ形成端子部13Bを介して供給され、現在の電動パワーステアリング装置の制御状態信号が制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを介して送出されている。
図3に電動パワーステアリング装置6の分解斜視図を示している。モータハウジング11には内部に円環状の鉄製のサイドヨーク(図示せず)が嵌合されており、このサイドヨーク内に電動モータ(図示せず)が収納されているものである。電動モータの出力部14はギヤを介してラックに操舵補助力を付与している。尚、電動モータの具体的な構造は良く知られているので、ここでは説明を省略する。
モータハウジング11はアルミ合金から作られており、電動モータで発生した熱や、後述する電源回路部や電力変換回路部で発生した熱を外部大気に放出するヒートシンク部材として機能している。電動モータとモータハウジング11で電動モータ部8を構成している。
電動モータ部8の出力部14の反対側のモータハウジング11の端面部15には電子制御部ECが取り付けられている。電子制御部ECは、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18、コネクタ端子組立体13から構成されている。モータハウジング11の端面部15は、モータハウジング11と一体的に形成されているが、この他に端面部15だけを別体に形成し、ねじや溶接によってモータハウジング11と一体化しても良いものである。
ここで、電力変換回路部16、電力変換回路部17、制御回路部18は冗長系を構成するものであり、主電子制御部と副電子制御部の二重系を構成している。そして、通常は主電子制御部によって電動モータが制御、駆動されているが、主電子制御部に異常や故障が生じると、副電子制御部に切り換えられて電動モータが制御、駆動されるようになるものである。
したがって、後述するが、通常は主電子制御部からの熱がモータハウジング11に伝えられ、主電子制御部に異常や故障が生じると、主電子制御部が停止して副電子制御部が作動し、モータハウジング11には副電子制御部からの熱が伝えられるものである。
ただ、本実施形態では採用していないが、主電子制御部と副電子制御部を合せて正規の電子制御部として機能させ、一方の電子制御部に異常、故障が生じると、他方の電子制御部で半分の能力によって電動モータを制御、駆動することも可能である。この場合、電動モータの能力は半分となるが、いわゆる「リンプホーム機能」は確保されるようになっている。したがって、通常の場合は、主電子制御部と副電子制御部の熱がモータハウジング11に伝えられるものである。
電子制御部ECは制御回路部18、電源回路部17、電力変換回路部16、コネクタ端子組立体13から構成されており、端面部15側から離れる方向に向かって、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18、コネクタ端子組立体13の順序で配置されている。制御回路部18は電力変換回路部16のスイッチング素子を駆動する制御信号を生成するもので、マイクロコンピュータ、周辺回路等から構成されている。電源回路部17は、制御回路部18を駆動する電源及び電力変換回路部16の電源を生成するもので、コンデンサ、コイル、スイッチング素子等から構成されている。電力変換回路部16は、電動モータのコイルに流れる電力を調整するもので、3相の上下アームを構成するスイッチング素子等から構成されている。
電子制御部ECで発熱量が多いのは、主に電力変換回路部16、電源回路部17であり、電力変換回路部16、電源回路部17の熱は、アルミ合金からなるモータハウジング11から放熱されるものである。この構成については、後述する。
制御回路部18と金属カバー12の間には、合成樹脂からなるコネクタ端子組立体13が設けられており、車両バッテリ(電源)や電動パワーステアリング装置の現在の制御状態を外部の図示しない他の制御装置と接続されている。もちろん、このコネクタ端子組立体13は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と接続されていることはいうまでもない。
金属カバー12は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18を収納してこれらを液密的に封止する機能を備えているものであり、本実施形態では径方向内側に向けてねじ込まれる金属製の固定ねじによってモータハウジング11に固着されている。この金属製の固定ねじは、頭部が金属カバー12の外表面から外側に突出しないような形状となっており、その詳細は後述する。
したがって、外観形状を小さくできると共に、重量を軽減することができる。また、金属カバー12とモータハウジング11が金属製の固定ねじによって固定されているので、金属カバー11とモータハウジングの間での熱伝達性能を向上することができる。更に、金属カバー12は金属で作られているので、電力変換回路部16、電源回路部17等によって発生した熱を外部に放熱することができる。
次に、図4から図9に基づき各構成部品の構成と組み立て方法について説明する。先ず、図4はモータハウジング11の外観を示しており、図5はその軸方向断面を示している。図4、図5において、モータハウジング11は、筒状の形態に形成されて側周面部11Aと、側周面部11Aの一端を閉塞する端面部15と、側周面部11Aの他端を閉塞する端面部19とから構成されている。本実施形態では、モータハウジング11は有底円筒状であり、側周面部11Aと端面部15は一体的に形成されている。また、端面部19は、蓋の機能を備えており、側周面部11Aに電動モータを収納した後に側周面部11Aの他端を閉塞するものである。
また、端面部15の端面周面には径方向内側に後退した環状の段部35が形成されており、この段部35に金属カバー12の開口端が嵌合するものである。段部35と金属カバー12の開口端の嵌合形態は、いわゆる「印籠係合」或いは「印籠嵌め」と呼ばれる形態である。
図5にあるように、モータハウジング11の側周面部11Aの内部には、鉄心にコイル20が巻回されたステータ21が嵌合されており、このステータ21の内部に、永久磁石を埋設したロータ22が回転可能に収納されている。ロータ22には回転軸23が固定されており、一端は出力部14となり、他端は回転軸23の回転位相や回転数を検出するための回転検出部24となっている。回転検出部24には永久磁石が設けてあり、端面部15に設けた貫通孔25を貫通して外部に突き出している。そして、図示しないGMR素子等からなる感磁部によって回転軸23の回転位相や回転数を検出するようになっている。
図4に戻って、回転軸23の出力部14とは反対側に位置する端面部15の面には電力変換回路部16(図3参照)、電源回路部17(図3参照)の放熱部15A、15Bが形成されている。端面部15の四隅には、基板/コネクタ固定凸部26が一体的に植立されており、内部にねじ穴が形成されている。基板/コネクタ固定凸部26は後述する制御回路部18の基板、及びコネクタ端子組立体13を固定するために設けられている。また、後述する電力変換用放熱領域15Aから植立した基板固定凸部26には、これも後述する電源用放熱領域15Bと軸方向で同じ高さの基板受け部27が形成されている。この基板受け部27は後述する電源回路部17のガラスエポキシ基板31を載置、固定するためのものである。
端面部15を形成する、回転軸23と直交する径方向の平面領域は2分割されている。1つはMOSFET等のスイッチング素子よりなる電力変換回路部16が取り付けられる電力変換用放熱領域15Aを形成し、もう1つは電源回路部17が取り付けられる電源用放熱領域15Bを形成している。本実施形態では、電力変換用放熱領域15Aの方が電源用放熱領域15Bより面積が大きく形成されている。これは、上述したように二重系を採用しているため、電力変換回路部16の設置面積を確保するためである。
そして、電力変換用放熱領域15Aと電源用放熱領域15Bは、軸方向(回転軸23が延びる方向)に向けて高さが異なる段差を有している。つまり、電源用放熱領域15Bは、電動モータの回転軸23の方向で見て、電力変換用放熱領域15Aに対して離れる方向に段差を有して形成されている。この段差は、電力変換回路部16を設置した後に電源回路部17を設置した場合に、電力変換回路部16と電源回路部17が夫々干渉しない長さに設定されている。
電力変換用放熱領域15Aには、3個の細長い矩形の突状放熱部28が形成されている。この突状放熱部28は後述する二重系の電力変換回路部16が設置されるものである。また、突状放熱部28は、電動モータの回転軸23の方向で見て電動モータから離れる方向に突出して延びているものである。
また、電源用放熱領域15Bは平面状であって、後述する電源回路部17が設置されるものである。したがって、突状放熱部28は電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能し、電源用放熱領域15Bは電源回路部17で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能するものである。
尚、突状放熱部28は省略することができ、この場合は電力変換用放熱領域15Aが電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能する。ただ、本実施形態では、突状放熱部28に電力変換回路部16の金属基板を摩擦撹拌接合によって溶着して確実な固定を図っている。
このように、本実施形態になるモータハウジング11の端面部15においては、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできるようになるものである。また、モータハウジング11は十分な熱容量を有しているので、電源回路部17や電力変換回路部16の熱を効率よく外部に放熱することができるようになるものである。
次に、図6は電力変換回路部16を突条放熱部28(図4参照)に設置した状態を示している。図6にある通り、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28(図4参照)の上部には二重系よりなる電力変換回路部16が設置されている。電力変換回路部16を構成するスイッチング素子は金属基板(ここではアルミ系の金属を使用している)に載置され、放熱されやすく構成されている。そして、金属基板は突状放熱部28に摩擦撹拌接合によって溶着されている。
したがって、金属基板は突状放熱部28(図4参照)に強固に固定され、またスイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28(図4参照)に伝熱させることができる。突状放熱部28(図4参照)に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、更にモータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、上述した通り、電力変換回路部16の軸方向の高さは、電源用放熱領域15Bの高さより低くなっているので、後述する電源回路部17と干渉することはないものである。
このように、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28の上部に電力変換回路部16が設置されている。したがって、電力変換回路部16のスイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28に伝熱させることができる。更に、突状放熱部28に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、モータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱されるようになる。
次に、図7は電力変換回路部16の上から電源回路部17を設置した状態を示している。図7にある通り、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17を構成するコンデンサ29やコイル30等はガラスエポキシ基板31に載置されている。電源回路部17も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対称にコンデンサ29やコイル30等からなる電源回路が形成されている。尚、ガラスエポキシ基板31には、電力変換回路16のスイッチング素子以外のコンデンサ等の電気素子が載置されている。
このガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B(図6参照)側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。固定方法は、図7にあるように、基板固定凸部26の基板受け部27に設けられたねじ穴に図示しない固定ねじによって固定されている。また、電源用放熱領域15B(図6参照)に設けられたねじ穴にも図示しない固定ねじによって固定されている。
尚、電源回路部17がガラスエポキシ基板31で形成されているため、両面実装が可能となっている。そして、ガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B(図6参照)側の面には、図示しないGMR素子やこれの検出回路等からなる回転位相、回転数検出部が実装され、回転軸23(図5参照)に設けた回転検出部24(図5参照)と協働して、回転の回転位相や回転数を検出するようになっている。
このように、ガラスエポキシ基板31は電源用放熱領域15B(図6参照)に接触するようにして固定されているので、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15B(図6参照)に伝熱させることができる。電源用放熱領域15B(図6参照)に伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、ガラスエポキシ基板31と電源用放熱領域15B(図6参照)の間は、熱伝達性の良い接着剤、放熱グリース、放熱シートのいずれか1つを介在させることで、更に熱伝達性能を向上させることができる。
このように、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17の回路素子が載置されたガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。したがって、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15Bに伝熱させることができる。電源用放熱領域15Bに伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱されるようになる。
次に、図8は電源回路部17の上から制御回路部18を設置した状態を示している。図8にある通り、電源回路部17の上部には制御回路部18が設置されている。制御回路部18を構成するマイクロコンピュータ32や周辺回路33はガラスエポキシ基板34に載置されている。制御回路部18も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対象にマイクロコンピュータ32や周辺回路33からなる制御回路が形成されている。尚、マイクロコンピュータ32や周辺回路33は、ガラスエポキシ基板34の電源回路17側の面に設けられていても良いものである。
このガラスエポキシ基板34は、図8にあるように、基板固定凸部26(図7参照)の頂部に設けられたねじ穴にコネクタ端子組立体13によって挟まれる形態で図示しない固定ねじによって固定されており、電源回路部17(図7参照)のガラスエポキシ基板31と制御回路部18のガラスエポキシ基板34の間は、図7に示す電源回路部17のコンデンサ29やコイル30等が配置される空間となっている。
次に、図9は制御回路部18の上からコネクタ端子組立体13を設置した状態を示している。図9にある通り、制御源回路部18の上部にはコネクタ端子組立体13が設置されている。そして、コネクタ端子組立体13は基板固定凸部26の頂部に設けられたねじ穴に制御回路部18を挟み込むようにして固定ねじ36によって固定されている。この状態で、図3に示すようにコネクタ端子組立体13が電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と接続され、更に、金属カバー12の開口端が、モータハウジング11の段部35に印籠嵌め等によって嵌合され、外周方向に設けられた所定数の固定領域EAにおいて固定ねじ37で固定されるものである。
ここで、固定領域EAについて図10を用いて説明するが、図10では接着剤による封止を行う前の状態を示している。モータハウジング11の側周面部11Aの段部35付近、言い換えれば金属カバー12との嵌合面付近には、ねじ止め凹部38が所定数(ここでは等間隔に3か所)だけ形成されている。このねじ止め凹部38は径方向内側に向けて凹んでおり、後述する金属カバー12のねじ止め凸部を収納する機能を備えている。
金属カバー12には、ねじ止め凹部38に収納されるねじ止め凸部39が形成されており、金属カバー12の開口端をモータハウジング11の端面の段部35に嵌合させた状態で、ねじ止め凸部39がねじ止め凹部38に整合して収納される形態となっている。ねじ止め凸部39は、金属カバー12の開口端の一部に一対の平行な切り欠きを形成し、この切り欠きの間の開口端を内側に突出するように折り曲げて形成した、舌片状の形状に形成されたものである。
このように切り欠きによってねじ止め凸部39を形成すると、加工しやすいという効果がある。尚、切り欠きによる方法以外に、塑性変形を利用してねじ止め凸部39を形成することもできる。この場合は、押し出し治具を使用して金属カバー12の開口端を内側に突出するようにして形成することができる。
また、モータハウジング11の側周面部11Aと金属カバー12の開口端の対向面には、相補的な形状に形成された位置決め部40が形成されている。これによって、金属カバー12とモータハウジング11の位置決めが図られるようになっている。
ここで、モータハウジング11の側周面部11Aと金属カバー12の開口端の対向面には、接着剤によって封止されるが、封止前の状態では、モータハウジング11の側周面部11Aと金属カバー12の開口端の対向面は、所定距離Gの隙間を介して相互に固定されるようになっている。このように所定距離Gの隙間を形成したのは、充分な量の接着剤を塗布できるようにして、水密機能を確保するためである。所定距離Gの隙間を形成しないで、モータハウジング11の側周面部11Aと金属カバー12の開口端の対向面を接触させた状態だと、接着剤が接触面に浸透せず、水密機能を充分に確保できない恐れが生じるからである。
図11に、図10に示す電動パワーステアリング装置の軸方向断面を示している。尚、この図11では、接着剤による封止を行なった状態の断面を示している。モータハウジング11の端面部15に形成された電源用放熱領域15Bには、固定ねじ37がねじ込まれるねじ孔41が形成されている。ねじ孔41を形成するには、ねじ孔41の直径より大きい所定以上の厚さが必要であるが、本実施形態では電力変換用放熱領域15Aより軸方向側に高くなった電源用放熱領域15Bを利用しているため、ねじ孔41を形成するための厚さを充分備えているものである。
そして、モータハウジング11の端面部15の外周面付近に形成されたねじ止め凹部38には、金属カバー12の開口端に形成されたねじ止め凸部39が収納されている。この状態で、固定ねじ37がねじ止め凸部39に穿孔された挿通孔(図示せず)を貫通して、電源用放熱領域15Bに形成されたねじ孔41にねじ込まれることで、ねじ止め凸部39がねじ止め凹部38に固定されるようになる。尚、ねじ孔41は径方向で、回転軸23の軸心側に向かって形成されている。
ここで、1つの固定ねじ37は、厚く形成された電源用放熱領域15Bに形成されたねじ孔41にねじ込まれるが、残りの2つの固定ねじ37は、電力変換用放熱領域15Aから植立した基板固定凸部26(図4参照)に形成されたねじ孔(図示せず)にねじ込まれるものである。この図示しないねじ孔も径方向で、回転軸23の軸心側に向かって形成されている。
また、金属カバー12の開口端とモータハウジング11の端面部15の外周面の間の対向面には、接着剤42が充填されて水密機能を付与している。この接着材42は、固定ねじ37で固定されたねじ止め凹部38とねじ止め凸部39を外側から覆うべく、固定ねじ37を含めて外側から覆い被さるようにして充填されており、更に、金属カバー12開口端とモータハウジング11の端面部15の間に形成された所定距離Gを有する隙間にも充填されている。これによって、金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の接合部付近から水分が内部に侵入するのを防ぐことが可能となる。
また、固定ねじ37は、径方向から内側に向けて金属カバー12とモータハウジング11の端面部15を固定するため、特許文献1のように固定部が外側に露出しないので、外観形状を小さくでき、また、重量を軽減することができる。
図12は、接着剤42によって金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の間を封止する前の拡大断面を示し、図13は、接着剤42によって金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の間を封止した後の拡大断面を示している。
図12において、金属カバー12の開口端に形成した一対の平行な切り欠きの間の開口端は、径方向で内側に向けて突出するように折り曲げられて、ねじ止め凸部39が形成されている。また、モータハウジング11の端面部15の外周面、好ましくは電源用放熱領域15B、基板固定凸部26(図4参照)の外周面部分には、径方向に内側に凹むようにしてねじ止め凹部38が形成されている。そして、金属カバー12のねじ止め凸部39は、モータハウジング11の端面部15のねじ止め凹部38に収納されている。また、固定ねじ37が、径方向から内側に向けて、金属カバー12のねじ止め凸部39をモータハウジング11の端面部15のねじ止め凹部に固定するようにねじ込まれている。
この状態で、固定ねじ37の頭部37Hは、金属カバー12の外表面12OSから外側に突出しない状態に寸法が決められており、金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の接合部付近の外観が、金属カバー12の形状によって決まるようになっている。つまり、固定ねじ37の固定部が、金属カバーの外周面12OSから外側に出ないようになっている。これによって、特許文献1のように固定部が外側に露出しないので、外観形状を小さくすることができる。
次に、図13に示すように、金属カバー12の開口端とモータハウジング11の端面部15の外周面の間の対向面に、接着剤42を充填して水密機能を得るようにしている。接着剤42は、接着性を有する合成樹脂を使用しており、本実施形態ではシリコンゴム系の弾性接着剤を使用している。シリコンゴム系の弾性接着剤は、外的な振動、衝撃等の応力を吸収し、接着界面に応力が集中しにくい性質を有している。このため、電動パワーステアリング装置のように振動、衝撃等が作用するものでは、接着界面が剥がれて水密機能が喪失する恐れがあるが、シリコンゴム系の弾性接着剤を使用することで、水密機能が喪失する恐れを少なくすることができる。尚、本実施形態では、接着材42で封止を行うため、従来から使用されてきた水密用のOリングを省略することができる。更に、このシリコン系の弾性接着剤42は、接着機能を備える液状ガスケット(FIPG:FORMED IN PLACE GASKET)であっても良いものであり、常温硬化や加熱硬化する材料で作られているものを使用することができる。
そして、接着剤42は固定ねじ37で固定された、ねじ止め凹部38とねじ止め凸部39、及び固定ねじ37を含めて外側から覆い被さるようにして充填されており、更に、金属カバー12の開口端とモータハウジング11の端面部15の間に形成された所定距離Gを有する隙間にも充填されている。これによって、金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の接合部付近から水分が内部に侵入するのを防ぐことが可能となる。
また、金属製の固定ねじ37によって金属カバー12とモータハウジング11とを固定したので、モータハウジング11の熱を固定ねじ37を介して金属カバー12に伝えることができる。これによって金属カバー12からも放熱できるので、電動パワーステアリング装置の全体としての放熱特性を向上することができる。
次に本発明の変形例を図14に基づき説明する。図13においては固定ねじ37を固定手段としていたが、図14に示す変形例は、リベットを固定手段とするものである。
図14において、金属カバー12の開口端に形成した一対の平行な切り欠きの間の開口端は、径方向で内側に向けて突出するように折り曲げられて、固定凸部としてのリベット止め凸部43が形成されている。また、モータハウジング11の端面部15の外周面、好ましくは電源用放熱領域15B、基板固定凸部26(図4参照)の外周面部分には、径方向に内側に凹むようにして固定凹部としてのリベット止め凹部44が形成されている。そして、金属カバー12のリベット止め凸部43は、モータハウジング11の端面部15のリベット止め凹部44に収納されている。また、固定リベット45が、径方向から内側に向けて、金属カバー12のリベット止め凸部43をモータハウジング11の端面部15のリベット止め凹部44に固定するように打ち込まれている。
この状態で、固定リベット45の頭部45Hは、金属カバー12の外表面12OS(図12参照)から外側に突出しない状態に寸法が決められており、金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の接合部付近の外観が、金属カバー12の形状によって決まるようになっている。つまり、固定リベット45の固定部が、金属カバーの外周面12OSから外側に出ないようになっている。これによって、特許文献1のように固定部が外側に露出しないので、外観形状を小さくすることができる。
ここで、モータハウジング11の端面部15に形成した空洞部15Gで、固定リベット45の先端は拡開部45Eが形成されており、打ち込んだ固定リベット45が抜け出すのを抑制している。拡開部45Eを形成するためには、例えばプッシュリベットを用いることができる。そして、金属カバー12の開口端とモータハウジング11の端面部15の外周面の間の対向面に、接着剤42を充填して水密機能を得るようにしている。接着剤42は上述したものと同じものである。
接着剤42は固定リベット45で固定された、リベット止め凹部44とリベット止め凸部43、及び固定リベット45を含めて外側から覆い被さるようにして充填されており、更に、金属カバー12の開口端とモータハウジング11の端面部15の間に形成された所定距離Gを有する隙間にも充填されている。これによって、金属カバー12とモータハウジング11の端面部15の接合部付近から水分が内部に侵入するのを防ぐことが可能となる。
また、金属製の固定リベット45によって金属カバー12とモータハウジング11とを固定したので、モータハウジング11の熱を固定リベット45を介して金属カバー12に伝えることができる。これによって金属カバー12からも放熱できるので、電動パワーステアリング装置の全体としての放熱特性を向上することができる。
以上述べた通り、本発明は電動モータの回転軸の出力部とは反対側のアルミ系金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された径方向内側に凹む所定数のねじ止め凹部と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの外周面に形成されたねじ止め凹部に収納される径方向内側に突出するねじ止め凸部とを備え、ねじ止め凹部にねじ止め凸部を収納して径方向から内側に向けて金属製の固定ねじによって固定ねじの頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態でねじ止め凸部をねじ止め凹部に固定した。
これによって、モータハウジングの外周面に形成されたねじ止め凹部に、金属カバーの外周面に形成されたねじ止め凸部を収納して、径方向から内側に向けて金属製の固定ねじによって固定ねじの頭部が金属カバーの外表面から突出しない状態で金属カバーのねじ止め凸部をモータハウジングのねじ止め凹部に固定するので、外観形状を小さくして重量を低減できるようになる。また、金属製の固定ねじで固定するので、モータハウジングの熱を固定ねじを介して金属カバーに伝えることができるので放熱特性を向上することができる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
6…電動パワーステアリング装置、8…電動モータ部、9…電子制御部、11…モータハウジング、12…金属カバー、13…コネクタ端子組立体、14…出力部、15…端面部、15A…電力変換用放熱領域、15B…電源用放熱領域、16…電力変換回路部、17…電源回路部、18…制御回路部、19…端面部、20…コイル、21…ステータ、22…ロータ、23…回転軸、24…回転検出部、25…貫通孔、26…基板固定凸部、27…基板受け部、28…突状放熱部、29…コンデンサ、30…コイル、31…ガラスエポキシ基板、32…マイクコンピュータ、33…周辺回路、34…ガラスエポキシ基板、35…段部、37…固定ねじ、38…ねじ止め凹部、39…ねじ止め凸部、40…位置決め部、41…ねじ孔、42…接着剤、EA…固定領域。

Claims (12)

  1. 筒状の側周壁面部及び前記側周壁面部と一体的に形成された端面部を有し、電動モータの回転軸の出力部が前記端面部とは反対側に位置するように前記電動モータが収容される金属製のモータハウジングと、前記電動モータよって機械系制御要素を駆動するための制御回路部、電源回路部、電力変換回路部からなる電子制御部と、前記電子制御部を覆う金属カバーと、を備え、
    前記金属カバーの開口端には、径方向内側に突出する固定凸部が形成され、
    前記端面部は、前記電子制御部の電子部品の放熱先として肉厚に形成され、その外周面には、径方向内側に凹み、前記固定凸部が収納される固定凹部が形成され、
    前記固定凸部が前記固定凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の固定手段によって、前記固定手段の頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記固定凸部前記固定凹部とが固定され、
    水密機能を備える接着剤が、前記金属カバーの開口端の全周に塗布されると共に、前記固定手段による固定位置に外側から塗布されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動駆動装置において、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面には、径方向内側に凹む所定数の前記固定凹部としてのねじ止め凹部が形成され、
    前記電子制御部を覆う前記金属カバーの開口端には、前記ねじ止め凹部に収納される径方向内側に突出する前記固定凸部としてのねじ止め凸部が形成され、
    前記ねじ止め凸部が前記ねじ止め凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の前記固定手段としての固定ねじによって、前記固定ねじの頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記ねじ止め凸部が前記ねじ止め凹部に固定されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  3. 請求項1に記載の電動駆動装置において、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面には、径方向内側に凹む所定数の前記固定凹部としてのリベット止め凹部が形成され、
    前記電子制御部を覆う前記金属カバーの開口端には、前記リベット止め凹部に収納される径方向内側に突出する前記固定凸部としてのリベット止め凸部が形成され、
    前記リベット止め凸部が前記リベット止め凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の前記固定手段としての固定リベットによって、前記固定リベットの頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記リベット止め凸部が前記リベット止め凹部に固定されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  4. 請求項2に記載の電動駆動装置において、
    前記モータハウジングの前記端面部には電力変換用放熱領域、及び電源用放熱領域が形成され、前記電力変換用放熱領域には前記電力変換回路部が設置され、前記電源用放熱領域には前記電源回路部が設置され、
    前記モータハウジングの前記端面部に形成された前記電源用放熱領域は、前記電動モータの前記回転軸の延びる方向で見て、前記電力変換用放熱領域に対して離れる方向に段差を有して形成され、前記ねじ止め凹部の1つは前記電源用放熱領域に形成されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  5. 請求項2に記載の電動駆動装置において、
    前記固定ねじ、前記ねじ止め凸部、及び前記ねじ止め凹部は水密機能を備える接着剤によって外側から覆われ、また、前記モータハウジングの前記端面部と前記金属カバーの対向面には、前記水密機能を備える接着剤が充填されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  6. 請求項2に記載の電動駆動装置において、
    前記ねじ止め凸部は、前記金属カバーの開口端に形成された一対の平行な切り欠きの間の前記開口端を内側に折り曲げて形成されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  7. ステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサからの出力に基づきステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータと、筒状の側周壁面部及び前記側周壁面部と一体的に形成された端面部を有し、前記電動モータの回転軸の出力部が前記端面部とは反対側に位置するように前記電動モータが収容される金属製のモータハウジングと、前記電動モータよって機械系制御要素を駆動するための制御回路部、電源回路部、電力変換回路部からなる電子制御部と、前記電子制御部を覆う金属カバーと、を備え、
    前記金属カバーの開口端には、径方向内側に突出する固定凸部が形成され、
    前記端面部は、前記電子制御部の電子部品の放熱先として肉厚に形成され、その外周面には、径方向内側に凹み、前記固定凸部が収納される固定凹部が形成され、
    前記固定凸部が前記固定凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の固定手段によって、前記固定手段の頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記固定凸部前記固定凹部とが固定され、
    水密機能を備える接着剤が、前記金属カバーの開口端の全周に塗布されると共に、前記固定手段による固定位置に外側から塗布されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項7に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面には、径方向内側に凹む所定数の前記固定凹部としてのねじ止め凹部が形成され、
    前記電子制御部を覆う前記金属カバーの開口端には、前記ねじ止め凹部に収納される径方向内側に突出する前記固定凸部としてのねじ止め凸部が形成され、
    前記ねじ止め凸部が前記ねじ止め凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の前記固定手段としての固定ねじによって、前記固定ねじの頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記ねじ止め凸部が前記ねじ止め凹部に固定されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 請求項7に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面には、径方向内側に凹む所定数の前記固定凹部としてのリベット止め凹部が形成され、
    前記電子制御部を覆う前記金属カバーの開口端には、前記リベット止め凹部に収納される径方向内側に突出する前記固定凸部としてのリベット止め凸部が形成され、
    前記リベット止め凸部が前記リベット止め凹部に収納された状態で、径方向から内側に向けて金属製の前記固定手段としての固定リベットによって、前記固定リベットの頭部が前記金属カバーの外表面から突出しないように前記リベット止め凸部が前記リベット止め凹部に固定されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  10. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータハウジングの前記端面部には電力変換用放熱領域、及び電源用放熱領域が形成され、前記電力変換用放熱領域には前記電力変換回路部が設置され、前記電源用放熱領域には前記電源回路部が設置され、
    前記モータハウジングの前記端面部に形成された前記電源用放熱領域は、前記電動モータの前記回転軸の延びる方向で見て、前記電力変換用放熱領域に対して離れる方向に段差を有して形成され、前記ねじ止め凹部の1つは前記電源用放熱領域に形成されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  11. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記固定ねじ、前記ねじ止め凸部、及び前記ねじ止め凹部は水密機能を備える接着剤によって覆われ、また、前記モータハウジングの前記端面部と前記金属カバーの対向面には、前記水密機能を備える接着剤が充填されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  12. 請求項8に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記ねじ止め凸部は、前記金属カバーの開口端に形成された一対の平行な切り欠きの間の前記開口端を内側に折り曲げて形成されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2017015711A 2017-01-31 2017-01-31 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 Active JP6894714B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017015711A JP6894714B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017015711A JP6894714B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018125948A JP2018125948A (ja) 2018-08-09
JP6894714B2 true JP6894714B2 (ja) 2021-06-30

Family

ID=63109808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017015711A Active JP6894714B2 (ja) 2017-01-31 2017-01-31 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6894714B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7085439B2 (ja) * 2018-08-10 2022-06-16 日立Astemo株式会社 電動駆動装置、及び電動パワーステアリング装置
CN109038915B (zh) * 2018-08-29 2019-10-08 嘉兴学院 一种便于安装的电动机
JP7110849B2 (ja) * 2018-09-10 2022-08-02 株式会社ジェイテクト モータ装置
JP2020044952A (ja) * 2018-09-19 2020-03-26 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh ブレーキ液圧制御装置
JP7296205B2 (ja) * 2018-11-30 2023-06-22 日立Astemo株式会社 配線基板、及び電動駆動装置
DE102020202340A1 (de) * 2020-02-24 2021-08-26 Thyssenkrupp Ag Antriebseinheit einer elektrischen Hilfskraftlenkung für ein Kraftfahrzeug

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6564174B2 (ja) * 2014-09-10 2019-08-21 アクア株式会社 ドラム式洗濯機
JP6416647B2 (ja) * 2015-02-05 2018-10-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP2016181950A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 株式会社デンソー 電動モータ、および電動モータの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018125948A (ja) 2018-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6894714B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6867245B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6524023B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP2017159768A (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
WO2018087965A1 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6944889B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
CN109964392B (zh) 电动驱动装置以及电动动力转向装置
JP6723201B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP2019004635A (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP2019080468A (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
WO2018047516A1 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6879870B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
WO2020090568A1 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6864029B2 (ja) 電動駆動装置
JP7085458B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP7041541B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6909689B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP6852945B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP7041546B2 (ja) 電子制御装置、及び電動駆動装置
JP7058107B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
KR20200108051A (ko) 전동 구동 장치 및 전동 파워 스티어링 장치
JP6770938B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置
JP7296205B2 (ja) 配線基板、及び電動駆動装置
JP7194574B2 (ja) 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210604

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6894714

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250