JP7058107B2 - 電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に係り、特に電子制御装置を内蔵した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
一般的な産業機械分野においては、電動モータによって機械系制御要素を駆動することが行われているが、最近では電動モータの回転速度や回転トルクを制御する半導体素子等からなる電子制御部を電動モータに一体的に組み込む、いわゆる機電一体型の電動駆動装置が採用され始めている。
機電一体型の電動駆動装置の例として、例えば自動車の電動パワーステアリング装置においては、運転者がステアリングホィールを操作することにより回動するステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出し、この検出値に基づいてステアリングシャフトの回動方向と同じ方向へ回動するように電動モータを駆動し、操舵アシストトルクを発生させるように構成されている。この電動モータを制御するため、電子制御部(ECU:Electronic Control Unit)がパワーステアリング装置に設けられている。
従来の電動パワーステアリング装置としては、例えば、特開2015-134598号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1には、電動モータ部と電子制御部とにより構成された電動パワーステアリング装置が記載されている。そして、電動モータ部の電動モータは、アルミ合金等から作られた筒部を有するモータハウジングに収納され、電子制御部の電子部品が実装された基板は、モータハウジングの軸方向の出力軸とは反対側に配置されたECUハウジングとして機能するヒートシンクに取り付けられている。
ヒートシンクに取り付けられる基板は、電源回路部、電動モータを駆動制御するMOSFET、或いはIGBT等のようなパワースイッチング素子を有する電力変換回路部、及びパワースイッチング素子を制御する制御回路部を備え、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータの入力端子とはバスバーを介して電気的に接続されている。
そして、ヒートシンクに取り付けられた電子制御部には、合成樹脂から作られたコネクタケースを介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が供給されている。コネクタケースは蓋体として機能しており、ヒートシンクを密閉して塞ぐように固定され、また固定ねじによってヒートシンクの外周表面に固定されている。
尚、この他に電子制御装置を一体化した電動駆動装置としては、電動ブレーキや各種油圧制御用の電動油圧制御器等が知られているが、以下の説明では代表して電動パワーステアリング装置について説明する。
特開2015-134598号公報
ところで、特許文献1にあるような構成の電動パワーステアリング装置においては、モータハウジングとヒートシンク及びコネクタケースは外周側に突出して形成された固定部を挿通した固定ねじによって共締めされる構成である。
そして、モータハウジングとヒートシンクの間、或いはヒートシンクとコネクタケースの間は液密のためにOリング等のシール部材が使用されている。更に、モータハウジングとヒートシンクの間、或いはヒートシンクとコネクタケースの固定には固定ねじによって固定されている。尚、ヒートシンクを使用しない場合は、モータハウジングとコネクタケースの間にOリングを介装して固定ねじで固定する構成となっている。
しかしながら、自動車においては塩害が著しい地域で使用される場合が往々にしてあり、Oリングだけの液密シール構造の場合、Oリングが配置されている領域までの間は、実質的に嵌合隙間が形成されることになる。このため、この嵌合隙間に塩水が入り込み、Oリング収納部が腐食されて、最悪の場合は液密不良を惹起して塩水が内部に浸入して電気的な信頼性を損なう恐れがある。
そこで、このような課題を解決するために、本出願人は例えば図13に示す通り、モータハウジングの端面部に電子制御部を配置し、これを覆う金属カバーの開口端をモータハウジングの端面に液状シール剤を介して接合する構成を提案している。
図13において、モータハウジング50の端面の外周部に、軸方向に延びる環状溝51よりなるモータハウジング側環状溝部52を形成し、このモータハウジング側環状溝部52の環状溝51には液状シール剤53が充填されている。この液状シール剤53内には、金属カバー54の開口端である金属カバー側環状先端部55が収納されて液状シール剤53に浸漬されており、液状シール剤53が乾燥、硬化工程で硬化されることで、モータハウジング側環状溝部52と金属カバー側環状先端部55とが、液状シール剤53によって液密的に接合されるものである。
ところで、液状シール剤53によってシールした場合において、金属カバー54の外周面54Aやモータハウジング側環状溝部52の外周側面壁52Aと液状シール剤53の間に、隙間やへこみ等の水分滞留部Pが形成されることがある。そして、上述した通り、自動車においては塩害が著しい地域で使用される場合が往々にしてあり、この隙間やへこみ等の水分滞留部Pに塩水等の水分が滞留する現象が発生する。
特に、モータハウジング側環状溝部52の溝51の開口面より底面側の、金属カバー54の外周面54Aとモータハウジング側環状溝部52の外周側面壁52Aとの間に形成された隙間やへこみ等の水分滞留部Pに滞留した塩水等の水分は、外部に流れ出にくく、長期にわたって滞留する傾向にある。このように、隙間やへこみの水分滞留部Pに塩水等の水分が長期にわたって滞留すると、長い時間をかけて水分が、金属カバー54の外表面や溝51の内表面を伝って、金属カバー54内に浸入して電子制御部を腐食させる、更にこの腐食によって電気的な短絡を発生するといった悪影響を与える恐れがある。
したがって、このような課題に対応した電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置が要請されている。本発明の主たる目的は、機械的及び電気的な信頼性を高めた新規な電動駆動装置及び電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の特徴は、電動モータの回転軸の出力部とは反対側の金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された環状の溝からなるモータハウジング側環状溝部と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの開口端に形成され、モータハウジング側環状溝部の環状の溝の内部に収納される金属カバー側環状先端部とを備え、モータハウジング側環状溝部に金属カバー側環状先端部が収納された状態で、モータハウジング側環状溝部と金属カバー側環状先端部との間に液状シール剤が充填されていると共に、モータハウジング側環状溝部の外周側面壁と金属カバー側環状先端部の外周面との間に存在する液状シール剤が、モータハウジング側環状溝の開口端より外側にはみ出るようにして充填されている、ところにある。
本発明によれば、液状シール剤がモータハウジング側環状溝の開口面より外側にはみ出るように充填されているので、金属カバーの外周面とモータハウジング側環状溝部の外周側面壁との間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制され、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。
本発明が適用される一例としての操舵装置の全体斜視図である。 本発明の実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体形状を示す斜視図である。 図2に示す電動パワーステアリング装置の分解斜視図である。 図3に示すモータハウジングの斜視図である。 図4に示すモータハウジングを軸方向に断面した断面図である。 図4に示すモータハウジングに電力変換回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図6に示すモータハウジングに電源回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図7に示すモータハウジングに制御回路部を載置、固定した状態を示す斜視図である。 図8に示すモータハウジングにコネクタ端子組立体を載置、固定した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態になる、金属カバーをモータハウジングに加締め固定を行った後の電動パワーステアリング装置の外観図である。 図11に示す電動パワーステアリング装置の断面図である。 図10のQ部の拡大断面図である。 本発明の課題を説明するための、モータハウジングと金属カバーの液状シール剤による接合部の拡大断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される一例としての操舵装置の構成について図1を用いて簡単に説明する。
まず、自動車の前輪を操舵するための操舵装置について説明する。操舵装置1は図1に示すように構成されている。図示しないステアリングホイールに連結されたステアリングシャフト2の下端には図示しないピニオンが設けられ、このピニオンは車体左右方向へ長い図示しないラックと噛み合っている。このラックの両端には前輪を左右方向へ操舵するためのタイロッド3が連結されており、ラックはラックハウジング4に覆われている。そして、ラックハウジング4とタイロッド3との間にはゴムブーツ5が設けられている。
ステアリングホイールを回動操作する際のトルクを補助するため、電動パワーステアリング装置6が設けられている。即ち、ステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサ7が設けられ、トルクセンサ7の検出値に基づいてラックにギヤ10を介して操舵補助力を付与する電動モータ部8と、電動モータ部8に配置された電動モータを制御する電子制御装置(ECU)部9とが設けられている。電動パワーステアリング装置6の電動モータ部8は、出力軸側の外周部の3箇所が図示しないねじを介してギヤ10に接続され、電動モータ8部の出力軸とは反対側に電子制御部9が設けられている。
電動パワーステアリング装置6においては、ステアリングホイールが操作されることによりステアリングシャフト2がいずれかの方向へ回動操作されると、このステアリングシャフト2の回動方向と回動トルクとをトルクセンサ7が検出し、この検出値に基づいて制御回路部が電動モータの駆動操作量を演算する。この演算された駆動操作量に基づいて電力変換回路部のパワースイッチング素子により電動モータが駆動され、電動モータの出力軸はステアリングシャフト1を操作方向と同じ方向へ駆動するように回動される。出力軸の回動は、図示しないピニオンからギヤ10を介して図示しないラックへ伝達され、自動車が操舵されるものである。これらの構成、作用は既によく知られているので、これ以上の説明は省略する。
繰り返しなるが、図13において、液状シール剤53によってシールした場合において、金属カバー54の外周面54Aやモータハウジング側環状溝部52の外周側面壁52Aと液状シール剤53の間に、隙間やへこみ等の水分滞留部Pが形成されることがある。そして、上述した通り、自動車においては塩害が著しい地域で使用される場合が往々にしてあり、この隙間やへこみ等の水分滞留部Pに塩水が滞留する現象が発生する。
このように、隙間やへこみ等の水分滞留部Pに塩水が滞留すると、長い時間をかけて塩水が金属カバー54の外表面や環状溝51の内表面を伝って、金属カバー54内に浸入して電子制御部を腐食させる、更にこの腐食によって電気的な短絡を発生するといった悪影響を与える恐れがある。
このような背景から、本実施形態では次のような構成の電動パワーステアリング装置を提案するものである。
本実施形態においては、電動モータの回転軸の出力部とは反対側の金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された環状の溝からなるモータハウジング側環状溝部と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの開口端に形成され、モータハウジング側環状溝部の環状の溝の内部に収納される金属カバー側環状先端部とを備え、モータハウジング側環状溝部に金属カバー側環状先端部が収納された状態で、モータハウジング側環状溝と金属カバー側環状先端部との間に液状シール剤が充填されていると共に、モータハウジング側環状溝の外周側面壁と金属カバー側環状先端部の外周面との間に存在する液状シール剤が、モータハウジング側環状溝の開口面より外側にはみ出るようにして充填されている構成とした。
これによれば、液状シール剤がモータハウジング側環状溝の開口面より外側にはみ出るように充填されているので、金属カバーの外周面とモータハウジング側環状溝部の外周側面壁との間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制され、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。
以下、本発明の実施形態になる電動パワーステアリング装置の具体的な構成について、図2乃至図12を用いて詳細に説明する。
図2は本実施形態になる電動パワーステアリング装置の全体的な構成を示した図面であり、図3は図2に示す電動パワーステアリング装置の構成部品を分解して斜め方向から見た図面であり、図4から図9は各構成部品の組み立て順序にしたがって各構成部品を組み付けていった状態を示す図面である。したがって、以下の説明では、各図面を適宜引用しながら説明を行うものとする。
図2に示すように、電動パワーステアリング装置を構成する電動モータ部8は、アルミニウム、或いはアルミ合金等のアルミ系金属或いは鉄系の金属から作られた筒部を有するモータハウジング11及びこれに収納された図示しない電動モータとから構成され、電子制御部9は、モータハウジング11の軸方向の出力軸とは反対側に配置された、アルミニウム、或いはアルミ合金等のアルミ系金属、或いは鉄系の金属で作られた金属カバー12及びこれに収納された図示しない電子制御組立体から構成されている。
モータハウジング11と金属カバー12は、その対向端面に形成され外周方向の固定領域部において、後述する「加締め固定」によって一体的に固定される。金属カバー12の内部に収納された電子制御組立体は、必要な電源を生成する電源回路部や、電動モータ部8の電動モータを駆動制御するMOSFET或いはIGBT等からなるパワースイッチング素子を有する電力変換回路や、このパワースイッチング素子を制御する制御回路部からなり、パワースイッチング素子の出力端子と電動モータのコイル入力端子とは直接またはバスバーを介して電気的に接続されている。
モータハウジング11とは反対側の金属カバー12の端面には、金属カバー12に形成した孔部からコネクタ端子組立体13が露出している。また、コネクタ端子組立体13は、モータハウジング11に形成した固定部に固定ねじによって固定されている。コネクタ端子組立体13には電力供給用のコネクタ端子形成部13A、検出センサ用のコネクタ端子形成部13B、制御状態を外部機器に送出する制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを備えている。
そして、金属カバー12に収納された電子制御組立体は、合成樹脂から作られた電力供給用のコネクタ端子形成部13Aを介して電源から電力が供給され、また検出センサ類から運転状態等の検出信号が検出センサ用のコネクタ形成端子部13Bを介して供給され、現在の電動パワーステアリング装置の制御状態信号が制御状態送出用のコネクタ端子形成部13Cを介して送出されている。
図3に電動パワーステアリング装置6の分解斜視図を示している。モータハウジング11には内部に円環状の鉄製のサイドヨーク(図示せず)が嵌合されており、このサイドヨーク内に電動モータ(図示せず)が収納されているものである。電動モータの出力部14はギヤを介してラックに操舵補助力を付与している。尚、電動モータの具体的な構造は良く知られているので、ここでは説明を省略する。
モータハウジング11はアルミ合金から作られており、電動モータで発生した熱や、後述する電源回路部や電力変換回路部で発生した熱を外部大気に放出するヒートシンク部材として機能している。電動モータとモータハウジング11で電動モータ部8を構成している。
電動モータ部8の出力部14の反対側のモータハウジング11の端面部15には電子制御部ECが取り付けられている。電子制御部ECは、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18、コネクタ端子組立体13から構成されている。モータハウジング11の端面部15は、モータハウジング11と一体的に形成されているが、この他に端面部15だけを別体に形成し、ねじや溶接によってモータハウジング11と一体化しても良いものである。
ここで、電力変換回路部16、電力変換回路部17、制御回路部18は冗長系を構成するものであり、主電子制御部と副電子制御部の二重系を構成している。そして、通常は主電子制御部によって電動モータが制御、駆動されているが、主電子制御部に異常や故障が生じると、副電子制御部に切り換えられて電動モータが制御、駆動されるようになるものである。
したがって、後述するが、通常は主電子制御部からの熱がモータハウジング11に伝えられ、主電子制御部に異常や故障が生じると、主電子制御部が停止して副電子制御部が作動し、モータハウジング11には副電子制御部からの熱が伝えられるものである。
ただ、本実施形態では採用していないが、主電子制御部と副電子制御部を合せて正規の電子制御部として機能させ、一方の電子制御部に異常、故障が生じると、他方の電子制御部で半分の能力によって電動モータを制御、駆動することも可能である。この場合、電動モータの能力は半分となるが、いわゆる「パワーステアリング機能」は確保されるようになっている。したがって、通常の場合は、主電子制御部と副電子制御部の熱がモータハウジング11に伝えられるものである。
電子制御部ECは制御回路部18、電源回路部17、電力変換回路部16、コネクタ端子組立体13から構成されており、端面部15側から離れる方向に向かって、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18、コネクタ端子組立体13の順序で配置されている。制御回路部18は電力変換回路部16のスイッチング素子を駆動する制御信号を生成するもので、マイクロコンピュータ、周辺回路等から構成されている。電源回路部17は、制御回路部18を駆動する電源及び電力変換回路部16の電源を生成するもので、コンデンサ、コイル、スイッチング素子等から構成されている。電力変換回路部16は、電動モータのコイルに流れる電力を調整するもので、3相の上下アームを構成するスイッチング素子等から構成されている。
電子制御部ECで発熱量が多いのは、主に電力変換回路部16、電源回路部17であり、電力変換回路部16、電源回路部17の熱は、アルミ合金からなるモータハウジング11から放熱されるものである。この詳細な構成については、図4乃至図9を用いて後述する。
制御回路部18と金属カバー12の間には、合成樹脂からなるコネクタ端子組立体13が設けられており、車両バッテリ(電源)や外部の図示しない他の制御装置と接続されている。もちろん、このコネクタ端子組立体13は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と接続されていることはいうまでもない。
金属カバー12は、電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18を収納してこれらを液密的に封止する機能を備えているものであり、本実施形態では加締め固定によってモータハウジング11に固定されている。
次に、図4から図9に基づき各構成部品の構成と組み立て方法について説明する。先ず、図4はモータハウジング11の外観を示しており、図5はその軸方向断面を示している。
図4、図5において、モータハウジング11は、筒状の形態に形成されて側周面部11Aと、側周面部11Aの一端を閉塞する端面部15と、側周面部11Aの他端を閉塞する端面部19とから構成されている。本実施形態では、モータハウジング11は有底円筒状であり、側周面部11Aと端面部15は一体的に形成されている。また、端面部19は、蓋の機能を備えており、側周面部11Aに電動モータを収納した後に側周面部11Aの他端を閉塞するものである。
また、端面部15の全周面には径方向外側に拡開して形成された環状溝部(以下、モータハウジング側環状溝部と表記する)35が設けられており、このモータハウジング側環状溝部35に、図9に示す金属カバー12の開口端(以下、金属カバー側環状先端部と表記する)37が収納されるものである。モータハウジング側環状溝部35と金属カバー12の金属カバー側環状先端部37の間の部分は、いわゆる液状シール剤によって液密的に接合されている。この接合形態については後述する。
図5にあるように、モータハウジング11の側周面部11Aの内部には、鉄心にコイル20が巻回されたステータ21が嵌合されており、このステータ21の内部に、永久磁石を埋設したロータ22が回転可能に収納されている。ロータ22には回転軸23が固定されており、一端は出力部14となり、他端は回転軸23の回転位相や回転数を検出するための回転検出部24となっている。回転検出部24には永久磁石が設けてあり、端面部15に設けた貫通孔25を貫通して外部に突き出している。そして、図示しないGMR素子等からなる感磁部によって回転軸23の回転位相や回転数を検出するようになっている。
図4に戻って、回転軸23の出力部14とは反対側に位置する端面部15の面には電力変換回路部16(図3参照)、電源回路部17(図3参照)の放熱部15A、15Bが形成されている。端面部15の四隅には、基板/コネクタ固定凸部26が一体的に植立されており、内部にねじ穴26Sが形成されている。
基板/コネクタ固定凸部26は後述する制御回路部18の基板、及びコネクタ端子組立体13を固定するために設けられている。また、後述する電力変換用放熱領域15Aから植立した基板/コネクタ固定凸部26には、これも後述する電源用放熱領域15Bと軸方向で同じ高さの基板受け部27が形成され、基板受け部27には、ねじ孔27Sが形成されている。この基板受け部27は後述する電源回路部17のガラスエポキシ基板31を載置、固定するためのものである。
端面部15を形成する、回転軸23と直交する径方向の平面領域は2分割されている。1つはMOSFET等のスイッチング素子よりなる電力変換回路部16が取り付けられる電力変換用放熱領域15Aを形成し、もう1つは電源回路部17が取り付けられる電源用放熱領域15Bを形成している。本実施形態では、電力変換用放熱領域15Aの方が電源用放熱領域15Bより面積が大きく形成されている。これは、上述したように二重系を採用しているため、電力変換回路部16の設置面積を確保するためである。
そして、電力変換用放熱領域15Aと電源用放熱領域15Bは、軸方向(回転軸23が延びる方向)に向けて高さが異なる段差を有している。つまり、電源用放熱領域15Bは、電動モータの回転軸23の方向で見て、電力変換用放熱領域15Aに対して離れる方向に段差を有して形成されている。この段差は、電力変換回路部16を設置した後に電源回路部17を設置した場合に、電力変換回路部16と電源回路部17が夫々干渉しない長さに設定されている。
電力変換用放熱領域15Aには、3個の細長い矩形の突状放熱部28が形成されている。この突状放熱部28は後述する二重系の電力変換回路部16が設置されるものである。また、突状放熱部28は、電動モータの回転軸23の方向で見て電動モータから離れる方向に突出して延びているものである。
また、電源用放熱領域15Bは平面状であって、後述する電源回路部17が設置されるものである。したがって、突状放熱部28は電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能し、電源用放熱領域15Bは電源回路部17で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能するものである。
尚、突状放熱部28は省略することができ、この場合は電力変換用放熱領域15Aが電力変換回路部16で発生した熱を端面部15に伝熱する放熱部として機能する。ただ、本実施形態では、突状放熱部28に電力変換回路部16の金属基板を摩擦撹拌接合によって溶着して確実な固定を図っている。
このように、本実施形態になるモータハウジング11の端面部15においては、ヒートシンク部材を省略して軸方向の長さを短くできるようになるものである。また、モータハウジング11は十分な熱容量を有しているので、電源回路部17や電力変換回路部16の熱を効率よく外部に放熱することができるようになるものである。
次に、図6は電力変換回路部16を突条放熱部28(図4参照)に設置した状態を示している。図6にある通り、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28(図4参照)の上部には二重系よりなる電力変換回路部16が設置されている。電力変換回路部16を構成するスイッチング素子は金属基板(ここではアルミ系の金属を使用している)に載置され、放熱されやすく構成されている。そして、金属基板は突状放熱部28に摩擦撹拌接合によって溶着されている。
したがって、金属基板は突状放熱部28(図4参照)に強固に固定され、またスイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28(図4参照)に伝熱させることができる。突状放熱部28(図4参照)に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、更にモータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、上述した通り、電力変換回路部16の軸方向の高さは、電源用放熱領域15Bの高さより低くなっているので、後述する電源回路部17と干渉することはないものである。
このように、電力変換用放熱領域15Aに形成された突状放熱部28の上部に電力変換回路部16が設置されている。したがって、電力変換回路部16のスイッチング素子で発生した熱を効率良く突状放熱部28に伝熱させることができる。更に、突状放熱部28に伝えられた熱は電力変換用放熱領域15Aに拡散され、モータハウジング11の側周面部11Aに伝熱されて外部に放熱されるようになる。
次に、図7は電力変換回路部16の上から電源回路部17を設置した状態を示している。図7にある通り、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17を構成するコンデンサ29やコイル30等はガラスエポキシ基板31に載置されている。電源回路部17も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対称にコンデンサ29やコイル30等からなる電源回路が形成されている。尚、ガラスエポキシ基板31には、電力変換回路16のスイッチング素子以外のコンデンサ等の電気素子が載置されている。
このガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B(図6参照)側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。固定方法は、図7にあるように、基板/コネクタ固定凸部26の基板受け部27に設けられたねじ穴27Sに図示しない固定ねじによって固定されている。また、電源用放熱領域15B(図6参照)に設けられたねじ穴27Sにも図示しない固定ねじによって固定されている。
尚、電源回路部17がガラスエポキシ基板31で形成されているため、両面実装が可能となっている。そして、ガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B(図6参照)側の面には、図示しないGMR素子やこれの検出回路等からなる回転位相、回転数検出部が実装され、回転軸23(図5参照)に設けた回転検出部24(図5参照)と協働して、回転の回転位相や回転数を検出するようになっている。
このように、ガラスエポキシ基板31は電源用放熱領域15B(図6参照)に接触するようにして固定されているので、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15B(図6参照)に伝熱させることができる。電源用放熱領域15B(図6参照)に伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱されるものである。ここで、ガラスエポキシ基板31と電源用放熱領域15B(図6参照)の間は、熱伝達性の良い接着剤、放熱グリース、放熱シートのいずれか1つを介在させることで、更に熱伝達性能を向上させることができる。
このように、電源用放熱領域15Bの上部には電源回路部17が設置されている。電源回路部17の回路素子が載置されたガラスエポキシ基板31の電源用放熱領域15B側の面は、電源用放熱領域15Bと接触するようにして端面部15に固定されている。したがって、電源回路部17で発生した熱を効率良く電源用放熱領域15Bに伝熱させることができる。電源用放熱領域15Bに伝えられた熱は、モータハウジング11の側周面部11Aに拡散して伝熱されて外部に放熱されるようになる。
次に、図8は電源回路部17の上から制御回路部18を設置した状態を示している。図8にある通り、電源回路部17の上部には制御回路部18が設置されている。制御回路部18を構成するマイクロコンピュータ32や周辺回路33はガラスエポキシ基板34に載置されている。制御回路部18も二重系が採用されており、図からわかるように、夫々対象にマイクロコンピュータ32や周辺回路33からなる制御回路が形成されている。尚、マイクロコンピュータ32や周辺回路33は、ガラスエポキシ基板34の電源回路17側の面に設けられていても良いものである。
このガラスエポキシ基板34は、図8にあるように、基板/コネクタ固定凸部26(図7参照)の頂部に設けられたねじ穴26Sにコネクタ端子組立体13によって挟まれる形態で図示しない固定ねじによって固定されており、電源回路部17(図7参照)のガラスエポキシ基板31と制御回路部18のガラスエポキシ基板34の間は、図7に示す電源回路部17のコンデンサ29やコイル30等が配置される空間となっている。
次に、図9は制御回路部18の上からコネクタ端子組立体13を設置した状態を示している。図9にある通り、制御源回路部18の上部にはコネクタ端子組立体13が設置されている。そして、コネクタ端子組立体13は基板/コネクタ固定凸部26の頂部に設けられたねじ穴に制御回路部18を挟み込むようにして固定ねじ36によって固定されている。この状態で、図3に示すようにコネクタ端子組立体13が電力変換回路部16、電源回路部17、制御回路部18と接続されている。
更にこの後に金属カバー12の金属カバー側環状先端部37が、モータハウジング11のモータハウジング側環状溝部35に収納され、金属カバー12の外周方向に沿って設けられた加締め固定部によって固定されるものである。図10に示す通り、この加締め固定部38は、金属カバー12の外周において、回転軸23の軸線を中心にして、ほぼ120°間隔に形成されている。
次に、加締め固定部38と、金属カバー12及びモータハウジング11の端面部15の接合部分の詳細を図10乃至図12を用いて説明する。
図10は、モータハウジング11と金属カバー12が加締め固定によって固定された状態の電動パワーステアリング装置6の外観を示し、図11は、図10の軸方向の断面を示している。
金属カバー12の外周面には、複数(3個)の加締め固定部38が形成されている。この加締め固定部38は、モータハウジング11の端面部15の全周面に形成したモータハウジング側環状溝部35からコネクタ端子組立体13側に向けて軸方向に延びた、電力変換用放熱領域15A、電源用放熱領域15Bを形成する固定壁39に設けられた加締め溝、或いは加締め孔等からなる加締め凹部40に、金属カバー12の壁面が押し込み工具によって押し込まれて塑性変形して加締められることで形成されている。金属カバー12の軸方向の位置決めは、コネクタ組立体13を利用して行われており、金属カバー12の軸方向位置が決まった状態で、金属カバー12の壁面が押し込み工具によって加締め凹部40に押し込まれて加締められるようになっている。
また、金属カバー12の金属カバー側環状先端部37が収納される、モータハウジング側環状溝部35によって形成される空間には、液密用の液状シール剤41が隙間なく充填されている。したがって、加締め固定部38と金属カバー12の金属カバー側環状先端部37の間には液密用のシール領域が形成されるので、塩水等はシール領域で浸入が阻止される。このため、加締め固定部38には塩水等が浸入しないので、加締め固定部38が腐食するのが抑制されて、機械的な信頼性を向上することが可能となる。更には、電子制御部9への塩水等の浸入が抑制されるので電気的な信頼性を併せて向上することが可能となる。
次に、図11に示したQ部の更に詳細な構成について図12を用いて説明する。
図12において、モータハウジング11の端面部15の外周面に形成されたモータハウジング側環状溝部35は、固定壁39に繋がる環状の内周側面壁35inと、環状の底面壁35btmと、環状の外周側面壁35outからなる環状溝である。この環状溝の環状の開口35opnには、金属カバー12の金属カバー側環状先端部37が挿通されており、この金属カバー側環状先端部37は、環状の内周側面壁35inと環状の外周側面壁35outの間に収納されている。そして、モータハウジング側環状溝部35内には液状シール剤41が充填されている。
この液状シール部材41は、流動可能なように所要の粘度を付与された状態にされており、先ず液状シール剤41をモータハウジング側環状溝部35内に流し込んでおき、この状態で金属カバー12の金属カバー側環状先端部37がモータハウジング側環状溝部35内に進入して収納されるものである。そして、金属カバー側環状先端部37の進入にあわせて、液状シール剤41が、金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間と、金属カバー側環状先端部37と環状の内周側面壁35inの間の隙間を埋めるように流動していくものである。
ここで、金属カバー側環状先端部37の外周面と環状の外周側面壁35outの間の距離Goutは、金属カバー側環状先端部37の内周面と環状の内周側面壁35inの間の距離Ginより大きく設定されている。したがって、金属カバー側環状先端部37と環状の内周側面壁35inの間の隙間の方の流動抵抗が大きくなり、液状シール剤41は、金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間の方に多く流動するようになる。これによって、モータハウジング側環状溝35の外周側面壁35outと金属カバー側環状先端部37の外周面との間に存在する液状シール剤41が、モータハウジング側環状溝35の開口35opnの開口端Osfより外側にはみ出るようにして充填されるようになる。
このように、液状シール剤41がモータハウジング側環状溝35の開口35opnの開口端Osfより外側にはみ出るように充填されているので、金属カバー12の外周面とモータハウジング側環状溝部35の外周側面壁35outとの間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制され、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。また、図12に示す状態で液状シール剤41を充填すれば、液状シール剤41は自身の粘性、重力等の作用で、下方向に傾斜した露出部41sを形成することができる。
更に、モータハウジング側環状溝35の内周側面壁35inは、回転軸23の軸線とほぼ平行に延びている(図10参照)のに対して、モータハウジング側環状溝35の外周側面壁35outは、回転軸23の軸線に対して、外側に向けて角度θだけ傾斜しながら拡開する傾斜面として形成されている。このため、金属カバー側環状先端部37の進入にあわせて、液状シール剤41は金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間を埋めるように流動していくものであるが、金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間が傾斜しながら拡開されているので、更に多くの液状シール剤41が、モータハウジング側環状溝部35の開口35opnの開口面Osfより外側にはみ出るようにして充填されるようになる。
このように、金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間を大きくしたことによる液状シール剤41の流動作用、モータハウジング側環状溝35の外周側面壁35outを外側に向けて角度θだけ拡開したことによる液状シール剤41の流動作用のどちらか一方、或いは両方の作用によって、液状シール剤41がモータハウジング側環状溝35の開口35opnの開口面Osfより外側にはみ出て露出部41sが形成される。このため、金属カバー12の外周面とモータハウジング側環状溝部35の外周側面壁35outとの間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制されて、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。
又、上述の構成の他に、金属カバー側環状先端部37の外周端面に面取り部37cを形成すると、金属カバー側環状先端部37と環状の外周側面壁35outの間の隙間に向けて更に多くの液状シール剤41を流動させることができ、これによって液状シール剤41の露出部41sを更に形成し易くなるものである。
更に、モータハウジング側環状溝部35を構成する外周側面壁35outの開口35opnの開口縁の形状は、円弧状に形成されており、開口端Osfからはみ出した液状シール部材41の接着性を高めている。これによって、露出部41sの形状を維持する作用を高めることができる。
ここで、金属カバー12の金属カバー側環状先端部37がモータハウジング側環状溝部35に収納されて、液状シール剤41が図12に示す状態になった後に、金属カバー12の壁面が押し込み工具によって加締め凹部40に押し込まれて加締められるようになっている。更にこの後に、硬化工程を実施して液状シール剤41を硬化させてやれば、金属カバー12の金属カバー側環状先端部3とモータハウジング側環状溝部35とが、液密的に接合されることになる。
尚、液密用の液状シール剤41は、接着性を有する合成樹脂を使用しており、本実施形態ではシリコンゴム系の弾性接着剤を使用している。シリコンゴム系の弾性接着剤は、外的な振動、衝撃等の応力を吸収し、接着界面に応力が集中しにくい性質を有している。このため、電動パワーステアリング装置のように振動、衝撃等が作用するものでは、接着界面が剥がれて液密機能が喪失する恐れがあるが、シリコンゴム系の弾性接着剤を使用することで、液密機能が喪失する恐れを少なくすることができる。また、本実施形態では、接着性を有する液状シール剤41で封止を行うため、従来から使用されてきた液密用のOリングを省略することができる。このため、Oリングを収納する収納溝を固定壁39に形成する必要がなく、製造コストの高騰を抑制することができる。
このシリコン系の弾性接着剤(液状シール剤)41は、接着機能を備える液状ガスケット(FIPG:FORMED IN PLACE GASKET)であっても良いものであり、常温硬化や加熱硬化する材料で作られているものを使用することができる。
本実施形態によれば、液状シール剤がモータハウジング側環状溝部35の開口35opnの開口端Osfより外側にはみ出るようにして充填されているので、金属カバー12の外周面とモータハウジング側環状溝部35の外周側面壁35outとの間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制され、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。
また、固定ねじを使用しないで金属カバー12とモータハウジング11を加締め固定によって固定するので、外観形状を小さく、しかも重量を低減することができる。更に、Oリングを用いる場合は、Oリングを収納する収納溝を形成する必要があるが、本実施形態の場合はOリングを使用しないので収納溝等の加工が必要なく、製造コストの高騰を抑制することができる。
尚、液状シール剤41をアルミナ等の伝熱性の良い材料を混練した高放熱性の液状シール剤41とすることで、接着面積が大きいことと併せて、電力変換用放熱領域15Aや電源用放熱領域15Bの熱を金属カバー12に効率的に放熱させることが可能となる。これによって、電源回路部や電力変換回路部を構成する電気部品からの熱を効率よく外部に放熱してやることができ、小型化が可能となる。
上述した実施形態では、固定ねじを使用しないで金属カバー11とモータハウジング11を固定する固定手段として、3ヶ所に加締め固定部38を形成したが、全周に亘って加締め固定部を形成することも可能である。
以上述べた通り、本発明によれば、電動モータの回転軸の出力部とは反対側の金属製のモータハウジングの端面部の外周面に形成された環状の溝からなるモータハウジング側環状溝部と、電動モータを制御する電子制御部を覆う金属カバーの開口端に形成され、モータハウジング側環状溝部の溝の内部に収納される金属カバー側環状先端部とを備え、モータハウジング側環状溝部に金属カバー側環状先端部が収納された状態で、モータハウジング側環状溝部と金属カバー側環状先端部との間に液状シール剤が充填されていると共に、モータハウジング側環状溝部の外周側面壁と金属カバー側環状先端部の外周面との間に存在する液状シール剤が、モータハウジング側環状溝部の開口の開口端より外側にはみ出るようにして充填されている、構成とした。
これによれば、液状シール剤がモータハウジング側環状溝部の開口面より外側にはみ出るように充填されているので、金属カバーの外周面とモータハウジング側環状溝部の外周側面壁との間に水分が滞留する隙間やへこみが形成されるのが抑制され、機械的及び電気的な信頼性を高めることができる。
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
6…電動パワーステアリング装置、8…電動モータ部、9…電子制御部、11…モータハウジング、12…金属カバー、13…コネクタ端子組立体、14…出力部、15…端面部、15A…電力変換用放熱領域、15B…電源用放熱領域、16…電力変換回路部、17…電源回路部、18…制御回路部、19…端面部、20…コイル、21…ステータ、22…ロータ、23…回転軸、24…回転検出部、25…貫通孔、26…基板/コネクタ固定凸部、27…基板受け部、28…突状放熱部、29…コンデンサ、30…コイル、31…ガラスエポキシ基板、32…マイクコンピュータ、33…周辺回路、34…ガラスエポキシ基板、35…モータハウジング側環状溝部、35in…内周側面壁、35out…外周側面壁、35opn…開口、36…固定ねじ、37…金属カバー側環状先端部、38…加締め固定部、39…固定壁、40…加締め凹部、41…液状シール剤、41s…露出部。

Claims (8)

  1. 機械系制御要素を駆動する電動モータが収納された金属製のモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部と、前記電子制御部を覆うカバーと、を備えた電動駆動装置であって、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面に形成された環状溝からなるモータハウジング側環状溝部と、前記カバーの開口端に形成され、前記モータハウジング側環状溝部の前記環状溝の内部に収納されるカバー側環状先端部とを備え、
    前記モータハウジング側環状溝部に前記カバー側環状先端部が収納された状態で、前記モータハウジング側環状溝部と前記カバー側環状先端部との間に液状シール剤が充填されており、充填されたシール剤は、前記カバー側環状先端部と前記モータハウジング側環状溝部の外周側面壁との間と、前記カバー側環状先端部と前記モータハウジング側環状溝部の内周側面壁との間の両方に存在し、
    前記カバー側環状先端部の外周面と前記モータハウジング側環状溝部の外周側面壁の間距離が、前記カバー側環状先端部の内周面と前記モータハウジング側環状溝部の内周側面壁の間の距離より大きく設定されて、前記モータハウジング側環状溝部の前記外周側面壁と前記カバー側環状先端部の前記外周面との間に存在する前記液状シール剤が、前記モータハウジング側環状溝部の開口端より外側にはみ出るようにして充填されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  2. 請求項1に記載の電動駆動装置において、
    前記モータハウジング側環状溝部の前記外周側面壁は、前記回転軸の軸線に対して外側に拡開して延びる傾斜面に形成されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  3. 請求項2に記載の電動駆動装置において、
    前記カバー側環状先端部の外周端面は面とりされた形状に形成されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  4. 請求項2、または請求項3に記載の電動駆動装置において、
    前記カバーは金属カバーであり、前記金属カバーの外周面には、複数の加締め固定部が形成されており、
    前記加締め固定部は、前記モータハウジングの前記端面部に設けられた加締め凹部に、前記カバーの壁面が押し込まれて塑性変形することで形成されている
    ことを特徴とする電動駆動装置。
  5. ステアリングシャフトの回動方向と回動トルクとを検出するトルクセンサからの出力に基づきステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータと、前記電動モータが収納されたアルミ系金属製のモータハウジングと、前記電動モータの回転軸の出力部とは反対側の前記モータハウジングの端面部の側に配置された、前記電動モータを駆動するための電子制御部と、前記電子制御部を覆うカバーと、を備えた電動パワーステアリング装置であって、
    前記電動モータの前記回転軸の前記出力部とは反対側の前記モータハウジングの前記端面部の外周面に形成された環状溝からなるモータハウジング側環状溝部と、前記カバーの開口端に形成され、前記モータハウジング側環状溝部の前記環状溝の内部に収納されるカバー側環状先端部とを備え、
    前記モータハウジング側環状溝部に前記カバー側環状先端部が収納された状態で、前記モータハウジング側環状溝部と前記カバー側環状先端部との間に液状シール剤が充填されており、充填されたシール剤は、前記カバー側環状先端部と前記モータハウジング側環状溝部の外周側面壁との間と、前記カバー側環状先端部と前記モータハウジング側環状溝部の内周側面壁との間の両方に存在し、
    前記カバー側環状先端部の外周面と前記モータハウジング側環状溝部の外周側面壁の間の距離が、前記カバー側環状先端部の内周面と前記モータハウジング側環状溝部の内周側面壁の間の距離より大きく設定されて、前記モータハウジング側環状溝部の前記外周側面壁と前記カバー側環状先端部の前記外周面との間に存在する前記液状シール剤が、前記モータハウジング側環状溝部の開口端より外側にはみ出るようにして充填されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  6. 請求項5に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータハウジング側環状溝部の前記外周側面壁は、前記回転軸の軸線に対して外側に拡開して延びる傾斜面に形成されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  7. 請求項6に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記カバー側環状先端部の外周端面は面とりされた形状に形成されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 請求項6、または請求項7に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記カバーは金属カバーであり、前記金属カバーの外周面には、複数の加締め固定部が形成されており、
    前記加締め固定部は、前記モータハウジングの前記端面部に設けられた加締め凹部に、前記カバーの壁面が押し込まれて塑性変形することで形成されている
    ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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