JP6244990B2 - 固定子鉄心、固定子鉄心の製造方法、固定子、回転電機および車輪 - Google Patents

固定子鉄心、固定子鉄心の製造方法、固定子、回転電機および車輪 Download PDF

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本発明は、磁性鋼板を用いて成形されるティース部を有する固定子鉄心、固定子鉄心の製造方法、固定子、回転電機および車輪に関する。
従来では、巻線スペースを確実に確保するとともに、従来よりも体格を小さくすることを目的とするアキシャルギャップ型回転電機に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このアキシャルギャップ型回転電機のティース部は、複数枚の磁性薄板を積層して成形される。
特開2013−162677号公報
しかし、複数枚の磁性薄板を積層しただけのティース部は、角部が角ばっているので、そのまま巻線を巻き回すと角部で損傷(例えば巻線に絶縁被膜が破れる等)する場合がある。この損傷を防止するため、巻線の巻き回し前にティース部をインシュレータ(insulator;絶縁体や絶縁材などの絶縁性部材)で覆うのが一般的である。
インシュレータで覆った場合でも、厚みが薄い等のように強度が不足すると、巻線が損傷する可能性がある。よって、ティース部の角部に対抗できる強度のインシュレータで覆わなければならない。絶縁性樹脂をインシュレータとして用いる場合は、所定の厚み以上で覆う必要がある。絶縁性樹脂の厚みが増すにつれて損傷し難くなる反面、巻線の占積率が下がるために同一体格の固定子では性能(例えば磁束やトルク等)が低下してしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、同一体格における巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる固定子鉄心、固定子鉄心の製造方法、固定子、回転電機および車輪を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、磁性鋼板を用いて成形されるティース部を有する固定子鉄心において、前記固定子鉄心は、ヨークを有せず、軸穴を有するセンターピースと、前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とが樹脂で一体化されたものであり、前記ティース部は、巻き回される巻線と接触し得る全ての角部が丸められていることを特徴とする。
この構成による固定子鉄心は、ヨークを有せず、センターピースと複数のティース部とが樹脂で一体化されたものである。それぞれのティース部は巻線と接触し得る全ての角部が丸められるので、当該角部に巻線を巻き回しても損傷しない。そのため、丸められた角部をインシュレータで覆う場合には強度を低く(例えば厚みを薄くする等)してもよく、インシュレータで覆わなくてもよい。同一体格の固定子鉄心では、インシュレータが薄くなる分だけ巻線を太くすることができるので、巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
第2の発明は、磁性鋼板を用いて成形されるティース部を有する固定子鉄心の製造方法において、一以上の前記磁性鋼板を内部側に配置する内部配置工程と、巻線と接触し得る全ての角部が丸められた一以上の前記磁性鋼板を外部側に配置する外部配置工程と、前記内部配置工程および前記外部配置工程によって配置された複数の前記磁性鋼板を積層して固定することで前記ティース部を成形する積層成形工程と、軸穴を有するセンターピースと、前記積層成形工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型に入れて、樹脂で一体化して固定する成形固定工程と、を有することを特徴とする。
第3の発明は、磁性鋼板を用いて成形されるティース部を有する固定子鉄心の製造方法において、一以上の前記磁性鋼板を積層して積層体を成形する積層体成形工程と、巻き回される巻線が接触し得る全ての角部が丸められるように、前記積層体成形工程で成形された前記積層体について前記巻線と接触し得る面に沿って長板状の磁性鋼板で巻き付けて前記ティース部を成形する巻付工程と、軸穴を有するセンターピースと、前記巻付工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型に入れて、樹脂で一体化して固定する成形固定工程と、を有することを特徴とする。
第4の発明は、磁性鋼板を用いて成形されるティース部を有する固定子鉄心の製造方法において、前記磁性鋼板は一以上の長板状部材であり、巻線と接触し得る全ての前記角部が丸められるように、曲げ方向を変えながら複数回折り曲げて前記ティース部を成形する折曲工程と、軸穴を有するセンターピースと、前記折曲工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型に入れて、樹脂で一体化して固定する成形固定工程と、を有することを特徴とする。
これらの構成によれば、ヨークを有せず、センターピースと複数のティース部とが樹脂で一体化された固定子鉄心が製造される。結果としてティース部を構成する全ての角部が丸められる。当該角部に巻線を巻き回しても損傷しない。そのため、丸められた角部をインシュレータで覆う場合には強度を低く(例えば厚みを薄くする等)してもよく、インシュレータで覆わなくてもよい。同一体格の固定子鉄心では、インシュレータが薄くなる分だけ巻線を太くすることができるので、巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
の発明は、固定子において、請求項1から5のいずれか一項に記載の固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻き回される前記巻線とを有することを特徴とする。
この構成によれば、同一体格における巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる固定子を提供することができる。
の発明は、回転電機において、請求項10に記載の固定子と、回転子とを有することを特徴とする。
この構成によれば、同一体格における巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる回転電機を提供することができる。
の発明は、車輪において、請求項11または12に記載の回転電機を有することを特徴とする。
この構成によれば、同一体格における巻線の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる車輪を提供することができる。
なお「磁性鋼板」は、磁束が流れる部材であればよいので、鋼板に限られない磁性薄板を含む。「巻線と接触し得る角部」は、実際に巻線と接触するか否かを問わず、巻線の巻き回しに関与する角部である。言い換えれば、巻線と交差する辺を有する角部である。
ティース部の第1構成例を模式的に示す斜視図である。 図1の矢印D1a方向からみた側面図である。 図1の矢印D1b方向からみた側面図である。 磁性鋼板の積層過程を説明する図である。 ティース部の第2構成例を模式的に示す斜視図である。 図5の矢印D3方向からみた側面図である。 磁性鋼板を積層する積層工程を説明する図である。 磁性鋼板を巻き付ける巻付工程を説明する図である。 面方向から相対的に加圧して成形する加圧成形工程を説明する図である。 ティース部の第3構成例を模式的に示す斜視図である。 図10の矢印D7方向からみた側面図である。 第3構成例の第1成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 第3構成例の第2成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 第3構成例の第3成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 ティース部の第3構成例を組み立てる組立工程を説明する図である。 ティース部の第4構成例を模式的に示す斜視図である。 図16の矢印D18方向からみた側面図である。 第4構成例の第1成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 第4構成例の第2成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 第4構成例の第3成形体を成形する成形工程を説明する斜視図である。 ティース部の第4構成例を組み立てる組立工程を説明する図である。 ティース部の第5構成例を模式的に示す斜視図である。 図22の矢印D21方向からみた側面図である。 第4構成例を成形する成形工程を説明する斜視図である。 成形型の構成例を模式的に示す平面図である。 ティース部とピース本体を収容した状態を模式的に示す平面図である。 固定子鉄心の構成例を模式的に示す断面図である。 回転子の構成例を模式的に示す平面図である。 回転電機を含む車輪の構成例を模式的に示す断面図である。 ティース部の第6構成例を模式的に示す側面図である。 ティース部の第7構成例を模式的に示す側面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的に接続することを意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示しているとは限らない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。英数字の連続符号は記号「〜」を用いて略記する。例えば「ティース部10A〜10E」は「ティース部10A,10B,10C,10D,10E」を意味し、「磁性鋼板11〜15」は「磁性鋼板11,12,13,14,15」を意味する。
〔ティース部の第1構成例〕
固定子鉄心の一部をなすティース部の第1構成例について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1に示すティース部10Aは、ティース部10の一例であって、磁性鋼板11a〜11dを有する。図1の矢印D1a方向からみると図2のようになり、同じく矢印D1b方向からみると図3のようになる。矢印D1b方向からみる形状は、後述する第2構成例〜第5構成例についても同様である。
図3に示すティース部10Aは、二点鎖線で示す巻線40と接触し得る全ての角部が丸められてラウンド部位Rになっている。磁性鋼板11c,11dを同じ大きさで成形し、磁性鋼板11a,11bは外径側(図2の上側)が広がり、内径側(図2の下側)が狭くなるように縦方向(径方向)長さを調整して成形する。磁性鋼板11aは角部となる2辺が丸められ、磁性鋼板11b,11cは角部となる1辺が丸められる。
ティース部10Aは、磁性鋼板11a〜11cについて所要の角部を予め丸めておき、磁性鋼板11dとあわせて図4に示すように積層して成形される。このティース部10Aの製造は、内部配置工程,外部配置工程,積層成形工程などからなる。
内部配置工程は、一以上の磁性鋼板11dを内部側に配置する。複数枚の磁性鋼板11dを積層した積層体に代えて、当該積層体と同一形状の単体を用いてもよい。この場合も単体を内部側に配置する。外部配置工程は、巻線40と接触し得る角部が丸められた磁性鋼板11a〜11cを外部側に配置する。内部配置工程と外部配置工程は順不同で行ってよい。これらの配置後に積層成形工程を行う。積層成形工程は、磁性鋼板11a〜11dを矢印D2aや矢印D2bのように相対的に移動させて積層する。積層する磁性鋼板11a〜11dの各枚数は任意に設定してよい。図1や図3では2段の段差を設けているが、固定子鉄心の大きさに合わせて任意の段差(例えば1段や3段以上等)を設けてもよく、段差を設けなくてもよい。積層する時以降は、型くずれ防止のために圧着やネジ止め等で固定するとよい。
〔ティース部の第2構成例〕
固定子鉄心の一部をなすティース部の第2構成例について、図5〜図9を参照しながら説明する。図5に示すティース部10Bは、ティース部10の一例であって、磁性鋼板12a〜12eを有する。図5の矢印D3方向からみると図6のようになる。
図6に示すティース部10Bは、巻線40(図2を参照)と接触し得る全ての角部が丸められてラウンド部位Rになっている。図7に示すように、一以上の磁性鋼板12dを同じ大きさで成形し、磁性鋼板12a〜12dは外径側(図6,図7の上側)が広がり、内径側(図6,図7の下側)が狭くなるように縦方向長さを調整して成形する。ティース部10Bの製造は、積層体成形工程や巻付工程などからなる。
積層体成形工程は、磁性鋼板12a〜12dを積層して、図8に示すような積層体12fを成形する。すなわち、磁性鋼板12a〜12dを矢印D4aや矢印D4bのように相対的に移動させて積層する。積層に用いる磁性鋼板12a〜12dの各枚数は、固定子鉄心や磁束の大きさ等に応じて任意に設定してよい。図5,図6では磁性鋼板12a,12bによって2段の段差を設けているが、固定子鉄心や磁束の大きさ等に応じて任意の段差(例えば1段や3段以上等)を設けてもよく、段差を設けなくてもよい。積層後は、型くずれ防止や磁性鋼板12eの巻き付けを容易にするために、例えば圧着,ネジ止め,接着等によって積層体12f全体を固定するとよい。
巻付工程は、積層体成形工程で成形された積層体12fに対して、図8に示す矢印D5のように(すなわち巻線40の巻き回しと同様に)、磁性鋼板12eを巻き付ける。磁性鋼板12eは「巻付体」に相当する。磁性鋼板12eを巻き付けた後の状態を図9に示す。磁性鋼板12eの巻き付けで生じる隙間G1は、一般的に製造誤差範囲内の大きさであり、巻線40(図2を参照)が損傷するのを防止するために限りなくゼロに近いほうがよい。図9に示すティース部10Bは巻線40と接触し得る角部(図9では四隅)が丸められているので、このまま用いてもよい。
ティース部10Bを図5,図6に示す形状にするには、さらに加圧成形工程を行うとよい。加圧成形工程は、成形型や加工機等を用いて面方向(図9の矢印D6aや矢印D6bの方向;固定子鉄心の周方向に相当)から相対的に加圧して成形する。
上述したティース部10Bの製造例では、積層体成形工程の後に巻付工程を行った。これに限らず、積層体成形工程と巻付工程は並行して行ってもよく、巻付工程の後に積層体成形工程を行ってもよい。すなわち、積層体成形工程と巻付工程は順不同で行ってよい。巻付工程の後に積層体成形工程を行う場合は、積層体12fが入るように筒状に磁性鋼板12eを成形し、磁性鋼板12eの内側に積層体12fを入れるとよい。さらに、必要に応じて成形型や加工機等を用いて面方向から加圧成形してもよい。
〔ティース部の第3構成例〕
固定子鉄心の一部をなすティース部の第3構成例について、図10〜図15を参照しながら説明する。図10に示すティース部10Cは、ティース部10の一例であって、磁性鋼板13を用いて成形される成形体13a〜13cを有する。図10の矢印D7方向からみると図11のようになる。
図11に示すティース部10Cは、巻線40(図2を参照)と接触し得る全ての角部(図11では8つの角部)が丸められてラウンド部位Rになっている。このティース部10Cは、図12〜図14にそれぞれ示す成形体13a〜13cを有する。
成形体13a〜13cは、いずれも曲げ方向を変えながらに複数回折り曲げる折曲工程を行うことで成形される。必要に応じて、成形型や加工機等を用いて面方向から加圧して成形する加圧成形工程を行ってもよい。成形体13a〜13cの成形は順不同で行ってよい。以下では、各成形体の折曲工程や加圧成形工程について簡単に説明する。
図12には、成形体13aの折曲工程と加圧成形工程を示す。例えば左上側→右上側→右下側→左下側の形状に変化するように加工する。左上側の長板状部材は磁性鋼板13であり、面方向(矢印D8aや矢印D8bの方向)から相対的に加圧して成形すると、右上側の階段状形状になる。階段状形状になった部材について、両端部がJ字状になるように所定方向(矢印D9aや矢印D9bの方向)に折り曲げると、右下側の折り曲げ体になる。さらに、右下側に示す部材の中央部がU字状になるように所定方向(矢印D10aや矢印D10bの方向)に折り曲げると、左下側に示す成形体13aが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体13aが成形される。
図13には、成形体13bの折曲工程と加圧成形工程を示す。例えば左上側→右上側→右下側→左下側の形状に変化するように加工する。左上側の長板状部材は磁性鋼板13であり、長手方向の一方側端部(図13では下側端部)が折り重なるように所定方向(例えば矢印D11方向)に折り曲げると、右上側の折り曲げ体になる。次に、長手方向の他方側端部(図13では上側端部)が折り重なるように所定方向(例えば矢印D12方向)に折り曲げると、右下側の折り曲げ体になる。さらに、右下側の折り曲げ体に対して、面方向(矢印D13aや矢印D13bの方向)から相対的に加圧して成形すると、左下側に示す階段状の成形体13bが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体13bが成形される。
図14には、成形体13cの折曲工程と加圧成形工程を示す。例えば左上側→右上側→右下側→左下側の形状に変化するように加工する。左上側の長板状部材は磁性鋼板13であり、長手方向の一方側端部(図14では下側端部)が折り重なるように所定方向(例えば矢印D14方向;矢印D11と逆方向)に折り曲げると、右上側の折り曲げ体になる。次に、長手方向の他方側端部(図14では上側端部)が折り重なるように所定方向(例えば矢印D15方向;矢印D12と逆方向)に折り曲げると、右下側の折り曲げ体になる。さらに、右下側の折り曲げ体に対して、面方向(矢印D16aや矢印D16bの方向)から相対的に加圧して成形すると、左下側に示す階段状の成形体13cが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体13cが成形される。なお、成形体13bと成形体13cの形状は向きを変えれば同じ(すなわち鏡像)になるので、図13または図14に示すいずれの工程で成形してもよい。
図15には、図12〜図14にそれぞれ示す成形体13a〜13cを用いて、ティース部10Cを組み立てる組立工程を示す。組立工程は、成形体13aの内側に対して、矢印D17のように成形体13b,13cを収容して組み立てる。成形体13bと成形体13cの形状は鏡像であるのが望ましい。この組立工程を経て、図10や図11に示すティース部10Cが製造される。なお組立工程の後、必要に応じて(例えば最終形状に成形する目的や、製造公差範囲内に収める目的等で)面方向から相対的に加圧成形してもよい。
〔ティース部の第4構成例〕
固定子鉄心の一部をなすティース部の第4構成例について、図16〜図21を参照しながら説明する。図16に示すティース部10Dは、ティース部10の一例であって、磁性鋼板14を用いて成形される成形体14a〜14cを有する。図16の矢印D18方向からみると図17のようになる。
図17に示すティース部10Dは、巻線40(図2を参照)と接触し得る全ての角部(図17では4つの角部)が丸められてラウンド部位Rになっている。このティース部10Dは、図18〜図20にそれぞれ示す成形体14a〜14cを有する。
成形体14a〜14cは、いずれも曲げ方向を変えながらに複数回折り曲げる折曲工程を行うことで成形される。成形体14a〜14cの成形は順不同で行ってよい。以下では、各成形体の折曲工程について簡単に説明する。
図18には、成形体14aの折曲工程を示す。例えば左側→中側→右側の形状に変化するように加工する。左側の長板状部材は磁性鋼板14であり、両端部がJ字状になるように所定方向(矢印D19aや矢印D19bの方向)に折り曲げると、中側の折り曲げ体になる。さらに、中側に示す部材の中央部がU字状になるように所定方向(矢印D20aや矢印D20bの方向)に折り曲げると、右側に示す成形体14aが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体14aが成形される。
図19には、成形体14bの折曲工程を示す。例えば左側→中側→右側の形状に変化するように加工する。左側に示す長板状部材は磁性鋼板14であり、長手方向の一方側端部(図19では下側端部)が折り重なり、かつ、他方側端部(図19では上側端部)と角度θ1をなすように所定方向(例えば矢印D21方向)に折り曲げると、中側の折り曲げ体になる。さらに、他方側端部が折り重なるように所定方向(例えば矢印D22方向)に折り曲げると、右側に示す成形体14bが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体14bが成形される。
図20には、成形体14cの折曲工程を示す。例えば左側→中側→右側の形状に変化するように加工する。左側の長板状部材は磁性鋼板14であり、長手方向の一方側端部(図20では下側端部)が折り重なり、かつ、他方側端部(図20では上側端部)と角度θ2をなすように所定方向(例えば矢印D23方向;矢印D21と逆方向)に折り曲げると、中側の折り曲げ体になる。角度θ2は角度θ1と同じでもよく、異なってもよい。さらに、他方側端部が折り重なるように所定方向(例えば矢印D24方向;矢印D22と逆方向)に折り曲げると、右側に示す成形体14cが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げることで成形体14cが成形される。なお、成形体14bと成形体14cの形状は向きを変えれば同じ(すなわち鏡像)になるので、図19または図20に示すいずれの工程で成形してもよい。
図21には、図18〜図20にそれぞれ示す成形体14a〜14cを用いて、ティース部10Cを組み立てる組立工程を示す。組立工程は、成形体14aの内側に対して、矢印D25のように成形体14b,14cを収容して組み立てる。成形体14bと成形体14cの形状は鏡像であるのが望ましい。この組立工程を経て、図10や図11に示すティース部10Cが製造される。なお組立工程の後、必要に応じて(例えば最終形状に成形する目的や、製造公差範囲内に収める目的等で)面方向から相対的に加圧成形してもよい。
〔ティース部の第5構成例〕
固定子鉄心の一部をなすティース部の第5構成例について、図22〜図24を参照しながら説明する。図22に示すティース部10Eは、ティース部10の一例であって、磁性鋼板15を用いて成形される。図22の矢印D26方向からみると図23のようになる。
図23に示すティース部10Eは、巻線40(図2を参照)と接触し得る全ての角部(図23では8つの角部)が丸められてラウンド部位Rになっている。このティース部10Eは、長板状で1枚の磁性鋼板15を用いて、図24に示す工程で成形される。
図24の左上側には、既に磁性鋼板15の一方側端部(図24では上側端部)が折り重なるように折り曲げられている。折り重なる部位を以下では「折重部位」と呼ぶ。左上側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D27方向)に折り曲げると、中上側の折り曲げ体になる。中上側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D28方向)に折り曲げると、右上側の折り曲げ体になる。
右上側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D29方向)に折り曲げると、右中側の折り曲げ体になる。右中側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D30方向)に折り曲げると、中央側の折り曲げ体になる。中央側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D31方向)に折り曲げると、左中側の折り曲げ体になる。左中側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D32方向)に折り曲げると、左下側の折り曲げ体になる。
左下側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D33方向)に折り曲げると、中下側の折り曲げ体になる。中下側の折り曲げ体について、折重部位に折り重なるように所定方向(例えば矢印D34方向)に折り曲げると、右下側の折り曲げ体になる。右下側の折り曲げ体について、面方向(矢印D35aや矢印D35bの方向)から相対的に加圧して成形すると、図22や図23に示すティース部10Eが成形される。このように、曲げ方向を変えて折り曲げ、面方向から加圧することでティース部10Eが成形される。
〔固定子(ステータ)の製造例〕
上述した第1構成例〜第5構成例によって成形されるティース部10(10A〜10E)を有する固定子30(図27を参照)の製造方法について、図25と図26を参照しながら説明する。当該製造方法は、配置工程,成形固定工程,巻回工程などを有する。各工程は、特に明記しない限り、順不同で行ってよい。
配置工程は、成形型20に対して、センターピース60や、当該センターピース60の周縁に沿って一以上のティース部10などを配置する。図25に示す成形型20は、一以上で所定数の収容部21や、突起部22,23などを有する。収容部21は、ティース部10を配置して収容する部位である。収容部21の数はティース部10の数と同じである。ティース部10の数(Sc)は、相数(Ph)と極数(Po)とを乗算した数以上(すなわちSc≧Ph×Po)で設定する。この設定によれば、相数に応じた回転子80(図28,図29を参照)の回転制御を行うことができる。突起部22は必要に応じて設けられ、例えば配線用穴として用いる。突起部23は、センターピース60の軸穴62と同心軸上にあり、支軸90を通す貫通孔83(図29を参照)になる。図26には、センターピース60やティース部10を収容部21に配置した後の成形型20を示す。
成形固定工程は、配置工程の後に行われる。当該成形固定工程は、溶融物を成形型20に入れて、センターピース60と複数のティース部10を一体化して固定する。溶融物の材料は任意に設定してよいが、本形態では樹脂50を用いる。樹脂50が固形化した後に成形型20から外すと、図27に示す固定子鉄心70が製造される。固定子鉄心70は、センターピース60や複数のティース部10などを有する。センターピース60は、ピース本体61や、ピース本体61に設けた軸穴62などを有する。巻線40を巻き回す対象となるティース部10の面を覆う樹脂50は、インシュレータの役割をも担う。
巻回工程は、ティース部10に対して巻線40の巻回(巻き回すこと)を行ったり、予め巻回後の形態となるように巻線40を組成してからティース部10を挿入したりする。ティース部10と巻線40の間にインシュレータ41を介在させてもよく、介在させなくてもよい。巻線40は、相数(例えば二相,三相,六相等)に応じた本数で巻き回す。図27には、固定子鉄心70(具体的にはティース部10)に対して、インシュレータ41を介して巻線40が巻き回された固定子30を示す。固定子30は、固定子鉄心70,巻線40,インシュレータ41などを有する。
〔回転子(ロータ)の構成例〕
回転子80(回転子80Aと回転子80B)の構成例について、図28を参照しながら説明する。なお、回転子80Aと回転子80Bは同等に構成してよいので、以下では回転子80Aを代表して説明する。
図28に示すように、回転子80Aは回転子鉄心82や複数の磁石81などを有する。回転子鉄心82は任意の形状で成形可能であるが、本形態では円板状(円盤状)に成形している。この回転子鉄心82は、支軸90と同心軸上にあり、支軸90よりも径が大きい貫通孔83(軸孔)を有する。複数の磁石81は板状に成形された磁性体であり、図示するように外周の周縁に沿ってタイル状に配置して固定される。各磁石81の固定は、回転子鉄心82の周縁部に直接行ってもよく、当該周縁部の内周側に成形されたボス(図示せず)に対して行ってもよい。固定手段は任意であり、例えばボルトやネジ等の締結部材を用いる締結や、母材を溶かすことでハンダ付けやアーク溶接等を行う接合、接着剤を用いる接着などが該当する。隣り合う磁石81同士を磁気的に分離するため、ギャップが設けられる。
〔回転電機と車輪の構成例〕
上述のように構成される固定子30を含む回転電機100と、当該回転電機100を備える車輪200の構成例を図29に示す。
図29の回転電機100は、図27に示す固定子30や、図28に示す回転子80(80A,80B)などを有する。固定子30と回転子80は、軸線方向AX(アキシャル方向)にギャップG2を介して対向する。ギャップG2の間隔は任意に設定してよいが、外力を受けて回転子80が変形してもティース部10と磁石81が接触しないような値を設定するのが望ましい。図示しないが、一の固定子30と一の回転子80で回転電機100を構成してもよい。また、径方向RY(ラジアル方向)にギャップを介して固定子(固定子30に相当する)と回転子(回転子80に相当する)を対向させて回転電機100を構成してもよい。
図29に示す車輪200は、上述した回転電機100のほかにホイールリム84などを有する。タイヤ110の有無は問わない。回転電機100を構成する支軸90は車軸に相当し、回転子80はホイールキャップを兼ねる。ホイールリム84は、図29に示すように一方または双方の回転子80と一体成形してもよく、別体に成形したうえで固定してもよい。回転子80と支軸90の間には、ベアリング91(91A,91B)が介在される。この構成によって、回転子80は支軸90に対して回転自在に支持される。
タイヤ110はホイールリム84に取り付けられ、図29の例ではチューブレスタイヤを示す。制御装置(例えばECU等)から伝達される制御信号に基づいて回転電機100が作動し、回転子80とともにタイヤ110が径方向RY(ラジアル方向)に沿って回転する。よって、車輪200を自動車(車輪数を問わない)の駆動輪として用いることができる。なお、制御装置は車輪200の内部に備えてもよく、車輪200の外部(例えば車両等)に備えてもよい。
巻線40は高密度で巻き回すことができるので、ティース部10とホイールリム84の隙間が少なくても確実に巻き回すことができる。逆に言えば、同じ剛性で成形されるティース部10とホイールリム84の隙間を従来よりも狭めることができる。
車輪200が回転している時(例えば自動車の走行時)には、凹凸のある路面に接したり、障害物等に接触したりする場合がある。この場合において図29に示すように成形される回転子80(80A,80B)は、路面や障害物等から支軸90に向かう方向に外力を受ける。このような外力を受けても、回転子80Aは左方向に変形し、回転子80Bは右方向に変形する。このように外力を受けて回転子80A,80Bは非接触方向に変形するので、ティース部10と磁石81とが接触する事態を防止できる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、軸線方向AXからみるティース部10(10A〜10E)の側面形状は、外径側(各図の上側)が広がり、内径側(各図の下側)が狭くなるように成形する構成とした(図2,図6,図11,図17,図23を参照)。この形態に代えて、図30に示すティース部10Fのように外径側と内径側が同じ幅となるように成形してもよい。ティース部10Fは、一以上の角部が丸められて外部側に配置される磁性鋼板16aや、内部側に配置される一以上の磁性鋼板16bなどを有する。図示しないが、外径側が狭くなり、内径側が広がるように成形してもよい。ティース部10の側面形状が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、径方向RYからみるティース部10(10A〜10E)の側面形状は、四角形状で成形する構成とした(図3を参照)。この形態に代えて、図31に示すティース部10Gのように外径側(図31の上側)が内径側(図31の下側)よりも幅広となる台形状に成形してもよい。ティース部10Gは、図2の磁性鋼板11aに対応する磁性鋼板17a、磁性鋼板11bに対応する磁性鋼板17b、磁性鋼板11cに対応する磁性鋼板17c、磁性鋼板11dに対応する磁性鋼板(図示せず)などを有する。図示しないが、他の形状(四角形状や台形状を除く多角形状、楕円形状を含む円形状、複数の形状を合成した合成形状など)で成形してもよい。ティース部10の側面形状が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、ティース部10(10A〜10E)は巻線40と接触し得る全ての角部が丸められている構成とした(図1,図5,図10,図16,図22を参照)。この形態に代えて、一以上の角部を丸める構成としてもよい。すなわち、丸められた角部については、インシュレータ41で覆う場合には強度を低くしてもよく、インシュレータで覆わなくてもよい。丸める角部が増えるにつれて、インシュレータ41を薄くでき、巻線40を太くすることができる。したがって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
上述した実施の形態では、巻線40と接触し得る角部を丸める構成とした(図1,図5,図10,図16,図22を参照)。この形態に代えて、巻線40が損傷しない範囲で角部を面取りする構成としてもよい。丸める形態よりは劣るものの、角部の加工を行わない場合に比べてインシュレータ41を薄くでき、巻線40を太くすることができる。したがって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
上述した実施の形態では、固定子鉄心70は、センターピース60とティース部10を樹脂50で一体成形する構成とした(図27を参照)。この形態に代えて、樹脂50以外の材料(例えばアルミニウムなどの金属や、ステンレスなどの合金等)で一体成形する構成としてもよい。センターピース60の外周縁にティース部10の一部(例えば図4に示す磁性鋼板11dや図7に示す磁性鋼板12d等)を成形してもよい。いずれの構成にせよ、固定子鉄心70の構造が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、回転電機100を自動車の駆動輪である車輪200に適用した(図29を参照)。この形態に代えて、自動車以外の輸送機器(例えば自転車の駆動輪、機関車や電車の駆動輪、船舶のプロペラなど)に適用することもできる。対象となる輸送機器の相違に過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
〔作用効果〕
上述した実施の形態および他の実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)固定子鉄心70は、ヨークを有せず、センターピース60と複数のティース部10とが樹脂50で一体化されたものであり、それぞれのティース部10(10A〜10E)は巻線40と接触し得る全ての角部が丸められている構成とした(図1,図5,図10,図16,図22を参照)。この構成によれば、ティース部10を構成する全ての角部が丸められるので、当該角部に巻線40を巻き回しても損傷しない。そのため、丸められた角部をインシュレータ41で覆う場合には強度を低くしてもよく、インシュレータで覆わなくてもよい。同一体格の固定子鉄心70では、インシュレータ41が薄くなる分だけ巻線40を太くすることができるので、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(2)ティース部10Aは、一以上の磁性鋼板11dを内部側に配置し、少なくとも巻線40と接触し得る角部が丸められた一以上の磁性鋼板11a〜11cを外部側に配置して成形される構成とした(図1〜図4を参照)。この構成によれば、外部側に配置される磁性鋼板11a〜11cの角部が丸められるので、巻線40を巻き回しても損傷しない。よって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(3)ティース部10Bは、複数の磁性鋼板12dを積層した積層体12fと、積層体12fについて巻線40と接触し得る面に沿って長板状の磁性鋼板12eで巻き付けた巻付体とを有する構成とした(図5〜図9を参照)。この構成によれば、巻付体である磁性鋼板12eは積層体12fの角部で丸められるので、巻線40を巻き回しても損傷しない。よって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(4)ティース部10C,10D,10Eは、一以上の長板状部材である磁性鋼板13〜15を用いて、曲げ方向を変えながら複数回折り曲げられ、折り曲げによって巻線40と接触し得る全ての角部が丸められる構成とした(図10〜図24を参照)。この構成によれば、折り曲げによって角部が丸められるので、巻線40を巻き回しても損傷しない。よって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(5)ティース部10B,10Eは、成形型や加工機等を用いて面方向から加圧して成形される構成とした(図9,図24を参照)。この構成によれば、最終形状に成形することができたり、製造公差範囲内に収めることができたりする。
(6)磁性鋼板11を用いて成形されるティース部10Aを有する固定子鉄心70の製造方法において、一以上の磁性鋼板11dを内部側に配置する内部配置工程と、巻線40と接触し得る全ての角部が丸められた一以上の磁性鋼板11a〜11cを外部側に配置する外部配置工程と、内部配置工程および外部配置工程によって配置された複数の磁性鋼板11dを積層して固定することでティース部10Aを成形する積層成形工程と、軸穴62を有するセンターピース60と、積層成形工程によって成形されてセンターピース60の周縁に沿って周方向に配置された複数のティース部10Aとを成形型20に入れて、樹脂50で一体化して固定する成形固定工程とを有する構成とした(図4,図25〜図27を参照)。この構成によれば、外部配置工程によって巻線40と接触し得る全ての角部が丸められた磁性鋼板11〜15を外部側に配置され、結果としてティース部10を構成する全ての角部が丸められる。当該角部に巻線40を巻き回しても損傷しない。そのため、丸められた角部をインシュレータ41で覆う場合には強度を低くしてもよく、インシュレータで覆わなくてもよい。同一体格の固定子鉄心70では、インシュレータ41が薄くなる分だけ巻線40を太くすることができるので、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(7)磁性鋼板12を用いて成形されるティース部10Bを有する固定子鉄心70の製造方法において、一以上の磁性鋼板12dを積層して積層体12fを成形する積層体成形工程(図7を参照)と、巻き回される巻線40が接触し得る全ての角部が丸められるように積層体成形工程で成形された積層体12fについて巻線40と接触し得る面に沿って長板状の磁性鋼板12eで巻き付けてティース部10Bを成形する巻付工程(図8を参照)と、軸穴62を有するセンターピース60と、センターピース60の周縁に沿って周方向に配置された複数のティース部10Bとを成形型20に入れて、樹脂50で一体化して固定する成形固定工程(図25〜図27を参照)とを有する構成とした。この構成によれば、巻付体である磁性鋼板12eは積層体12fの角部で丸められるので、巻線40を巻き回しても損傷しない。よって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(8)磁性鋼板13〜15を用いて成形されるティース部10C〜10Eを有する固定子鉄心70の製造方法において、磁性鋼板13〜15は一以上の長板状部材であり、巻線40と接触し得る全ての角部を丸めるように、曲げ方向を変えながらに複数回折り曲げてティース部10C〜10Eを成形する折曲工程(図12〜図14,図18〜図20,図24を参照)と、軸穴62を有するセンターピース60と、センターピース60の周縁に沿って周方向に配置された複数のティース部10Bとを成形型20に入れて、樹脂50で一体化して固定する成形固定工程(図25〜図27を参照)とを有する構成とした。図示しないが、図12〜図14,図18〜図20,図24に示す折り曲げ以外の折り曲げによってティース部10C〜10Eを成形してもよい。これらの構成によれば、折り曲げによって角部が丸められるので、巻線40を巻き回しても損傷しない。よって、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる。
(9)成形型や加工機等を用いて面方向から加圧して成形する加圧成形工程を有する構成とした(図9,図24を参照)。この構成によれば、最終形状に成形することができたり、製造公差範囲内に収めることができたりする。
(10)固定子30は、固定子鉄心70と、固定子鉄心70(具体的にはティース部10)に巻き回される巻線40とを有する構成とした(図27,図29を参照)。この構成によれば、固定子鉄心70を同一体格とした場合における巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる固定子30を提供することができる。
(11)回転電機100は、固定子30と、回転子80(80A,80B)とを有する構成とした(図29を参照)。この構成によれば、回転電機100を同一体格とした場合における巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させることができる回転電機100を提供することができる。
(12)一の固定子30に対して径方向(RX)と直交する軸線方向AXにギャップG2を挟んで回転子80A,80Bを対向させる構成とした(図29を参照)。図示しないが、一の固定子30に対して径方向RYにギャップを挟んで回転子80A,80Bを対向させる構成としてもよい。また、一の回転子80(回転子80Aまたは回転子80B)に対して軸線方向AXまたは径方向RYにギャップを挟んで複数の固定子30を対向させる構成としてもよい。いずれの構成にせよ、巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させ得る回転電機100を提供することができる。
(13)車輪200は、回転電機100を有する構成とした(図29を参照)。この構成によれば、車輪200を同一体格とした場合における巻線40の占積率を従来よりも向上させ、性能を向上させ得る車輪200を提供することができる。
10(10A,10B,10C,10D,10E) ティース部
11,12,13,14,15 磁性鋼板(磁性薄板)
30 固定子
40 巻線
70 固定子鉄心(固定子コア)
80(80A,80B) 回転子
100 回転電機
200 車輪
R ラウンド部位(丸め部位)

Claims (13)

  1. 磁性鋼板(11,12,13,14,15)を用いて成形されるティース部(10,10A,10B,10C,10D,10E)を有する固定子鉄心(70)において、
    前記固定子鉄心は、ヨークを有せず、軸穴(62)を有するセンターピース(60)と、前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とが樹脂(50)で一体化されたものであり、
    前記ティース部は、巻き回される巻線(40)と接触し得る全ての角部が丸められていることを特徴とする固定子鉄心。
  2. 前記ティース部(10A)は、一以上の前記磁性鋼板(11d)を内部側に配置し、少なくとも前記巻線と接触し得る角部が丸められた一以上の前記磁性鋼板(11a,11b,11c)を外部側に配置して成形されることを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心。
  3. 前記ティース部(10B)は、複数の前記磁性鋼板を積層した積層体(12f)と、前記積層体について前記巻線と接触し得る面に沿って長板状の前記磁性鋼板で巻き付けた巻付体(12e)と、を有することを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心。
  4. 前記ティース部(10C,10D,10E)は、前記磁性鋼板(13,14,15)は一以上の長板状部材であり、曲げ方向を変えながらに複数回折り曲げられ、前記折り曲げによって前記巻線と接触し得る一以上の前記角部が丸められることを特徴とする請求項1に記載の固定子鉄心。
  5. 前記ティース部(10B,10E)は、面方向から加圧して成形されることを特徴とする請求項4に記載の固定子鉄心。
  6. 磁性鋼板(11)を用いて成形されるティース部(10A)を有する固定子鉄心(70)の製造方法において、
    一以上の前記磁性鋼板(11d)を内部側に配置する内部配置工程と、
    巻線(40)と接触し得る全ての角部が丸められた一以上の前記磁性鋼板(11a,11b,11c)を外部側に配置する外部配置工程と、
    前記内部配置工程および前記外部配置工程によって配置された複数の前記磁性鋼板を積層して固定することで前記ティース部を成形する積層成形工程と、
    軸穴(62)を有するセンターピース(60)と、前記積層成形工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型(20)に入れて、樹脂(50)で一体化して固定する成形固定工程と、
    を有することを特徴とする固定子鉄心の製造方法。
  7. 磁性鋼板(12)を用いて成形されるティース部(10B)を有する固定子鉄心(70)の製造方法において、
    一以上の前記磁性鋼板(12a,12b,12c,12d)を積層して積層体(12f)を成形する積層体成形工程と、
    巻き回される巻線(40)が接触し得る全ての角部が丸められるように、前記積層体成形工程で成形された前記積層体について前記巻線と接触し得る面に沿って長板状の磁性鋼板(12e)で巻き付けて前記ティース部を成形する巻付工程と、
    軸穴(62)を有するセンターピース(60)と、前記巻付工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型(20)に入れて、樹脂(50)で一体化して固定する成形固定工程と、
    を有することを特徴とする固定子鉄心の製造方法。
  8. 磁性鋼板(13,14,15)を用いて成形されるティース部(10C,10D,10E)を有する固定子鉄心(70)の製造方法において、
    前記磁性鋼板は一以上の長板状部材であり、
    巻線(40)と接触し得る全ての前記角部が丸められるように、曲げ方向を変えながら複数回折り曲げて前記ティース部を成形する折曲工程と、
    軸穴(62)を有するセンターピース(60)と、前記折曲工程によって成形されて前記センターピースの周縁に沿って周方向に配置された複数の前記ティース部とを成形型(20)に入れて、樹脂(50)で一体化して固定する成形固定工程と、
    を有することを特徴とする固定子鉄心の製造方法。
  9. 前記磁性鋼板の面方向から加圧して成形する加圧成形工程を有することを特徴とする請求項8に記載の固定子鉄心の製造方法。
  10. 請求項1から5のいずれか一項に記載の固定子鉄心(70)と
    前記固定子鉄心に巻き回される巻線(40)と、
    を有することを特徴とする固定子(30)。
  11. 請求項10に記載の固定子(30)と、回転子(80,80A,80B)と、を有することを特徴とする回転電機(100)。
  12. 一の前記固定子に対して、径方向(RX)と直交する軸線方向(AX)にギャップ(G2)を挟んで前記回転子を対向させることを特徴とする請求項11に記載の回転電機。
  13. 請求項11または12に記載の回転電機(100)を有することを特徴とする車輪(200)。
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