JP6243598B2 - 樹脂膜及び樹脂膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂膜及び樹脂膜の製造方法に関する。
例えば特許文献1に開示されるように、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表面には、反射防止フィルムが貼り付けられることが多い。反射防止フィルムは、ディスプレイ表面での光の反射を防止することで、ディスプレイの視認性を向上させる。従来の反射防止フィルムは、屈折率が低い低屈折率層と、低屈折率層よりも屈折率が高い高屈折率層とを備える。低屈折率層は、中空シリカ粒子と、アクリル樹脂と、フッ素化アクリル樹脂と、添加剤とを含む。
中空シリカ粒子は、中空構造のシリカ粒子であり、低屈折率層の屈折率を低下させる役割を有する。中空シリカ粒子は、少なくとも光重合性官能基を有する。ここで、光重合性官能基としては、アクリロイル基及びメタクリロイル基が知られている。光重合性官能基は、電離放射線硬化性基とも称される。
アクリル樹脂は、中空シリカ粒子同士を結合させるバインダの役割を有する。フッ素化アクリル樹脂は、中空シリカ粒子同士を結合させるとともに、低屈折率層の屈折率を低下させる役割を有する。添加剤は、低屈折率層の表面に分布した中空シリカ粒子の官能基と結合することで、低屈折率層、すなわち反射防止フィルムに防汚性及び滑り性を付与するものである。添加剤としては、シリコーン及びフッ素ポリマーが知られている。
特開2007−264221号公報
ところで、添加剤は、低屈折率層の表面に存在する場合に、その機能が発揮される。しかし、従来の低屈折率層は、添加剤が表面だけでなく内部にも分布していた。添加剤が低屈折率層の内部に分布する理由としては、中空シリカ粒子及びフッ素化アクリル樹脂が添加剤のブリードアウト(表面への移動)を阻害することが挙げられる。すなわち、添加剤は、中空シリカ粒子が障壁となるため、表面へ効果的に移動することができない。また、添加剤はフッ素化アクリル樹脂と親和する。例えば、フッ素ポリマー及びフッ素化アクリル樹脂は、いずれもフッ素を含むので、親和しやすい。すなわち、添加剤は、フッ素化アクリル樹脂の近傍にとどまってしまう。
したがって、従来の低屈折率層は、添加剤を低屈折率層の表面に効果的に偏在させることができなかった。さらに、従来の添加材は直鎖状のポリマーであったため、非常に柔らかかった。このため、従来の低屈折率層は、防汚性及び滑り性の初期特性はある程度良好となるものの、表面拭き取り等によってこれらの特性が顕著に低下し、結果として容易に傷がついてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、耐擦傷性を向上することが可能な、新規かつ改良された樹脂膜及び樹脂膜の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の中空シリカ粒子と、中空シリカ粒子同士を結合するバインダ樹脂とを含む低屈折率層と、バインダ樹脂と反発することで、低屈折率層の表面に分布するフッ素粒子と、を備え、中空シリカ粒子の含有率は20質量%以上60質量%以下であり、フッ素粒子の含有率は2.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、樹脂膜が提供される。
この観点によれば、防汚性、滑り性、及び耐擦傷性に優れたバルク体であるフッ素粒子は、バインダ樹脂による反発力により効果的にブリードアウトすることができる。これにより、樹脂膜は、フッ素粒子を低屈折率層の表面に偏在させることができるので、耐擦傷性、防汚性、及び滑り性を向上させることができる。さらに、樹脂膜は、膜強度を向上させることもできる。
ここで、バインダ樹脂は、多分岐型アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーが重合することで形成された多分岐型アクリル樹脂を含んでいてもよい。
この観点によれば、バインダ樹脂は、多分岐型アクリル樹脂を含んでいるので、フッ素粒子をより効果的にブリードアウトさせることができる。
また、多分岐型アクリレートモノマーは、第2世代以上の分岐点と、第2世代以上の分岐点のいずれかに結合した複数の光重合性官能基と、を備えていてもよい。
この観点によれば、多分岐型アクリレートモノマーは、第2世代以上の分岐点と、第2世代以上の分岐点のいずれかに結合した複数の光重合性官能基と、を備えるので、フッ素粒子をより効果的にブリードアウトさせることができる。
本発明の他の観点によれば、複数の中空シリカ粒子と、中空シリカ粒子同士を結合可能なバインダ用モノマーまたはバインダ用オリゴマーと、バインダ用モノマーまたはバインダ用オリゴマーと反発するフッ素粒子と、を含むコート液を生成するステップと、コート液を基板に塗布するステップと、バインダ用モノマーまたはバインダ用オリゴマーの重合反応を開始させるステップと、を含み、中空シリカ粒子の含有率は20質量%以上60質量%以下であり、フッ素粒子の含有率は2.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする、樹脂膜の製造方法が提供される。
この観点によれば、樹脂膜は、各材料が溶解したコート液を塗布し、バインダ用モノマーまたはバインダ用オリゴマーの重合反応を開始させるだけで作成可能であるので、容易に作成される。
以上説明したように本発明によれば、樹脂膜は、耐擦傷性、防汚性、及び滑り性を向上させることができる。さらに、樹脂膜は、膜強度も向上させることができる。
本発明の実施形態に係る樹脂膜の構成を模式的に示す側断面図である。 実施形態で使用される多分岐型アクリレートモノマーの概略構成を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.樹脂膜の構成>
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る樹脂膜10の構成について説明する。樹脂膜10は、低屈折率層10aと、フッ素粒子40とを含む。低屈折率層10aは、中空シリカ粒子20と、バインダ樹脂30と、光開始剤とを有する。本実施形態の樹脂膜10は、例えば反射防止フィルムに使用されるが、他の分野、例えば低屈折率の膜を使用する分野等に好適に適用される。
(中空シリカ粒子20の構成)
中空シリカ粒子(中空シリカ微粒子)20は、低屈折率層10a内に分散しており、少なくとも光重合性官能基を有するナノスケールの粒子である。具体的には、中空シリカ粒子20は、外殻層を有し、外殻層の内部は中空または多孔質体となっている。外殻層及び多孔質体は、主に酸化ケイ素で構成される。また、外殻層には、光重合性官能基が多数結合している。光重合性官能基と外殻層とは、Si−O−Si結合及び水素結合のうち、少なくとも一方の結合を介して結合されている。光重合性官能基としては、アクリロイル基及びメタクリロイル基が挙げられる。すなわち、中空シリカ粒子20は、光重合性官能基として、アクリロイル基及びメタクリロイル基のうち少なくとも一方を含む。光重合性官能基は、電離放射線硬化性基とも称される。中空シリカ粒子20は少なくとも光重合性官能基を有していればよく、これらの官能基の数、種類は特に限定されない。中空シリカ粒子20は、他の官能基、例えば熱重合性官能基を有していてもよい。熱重合性官能基としては、例えば水酸基、シラノール基、アルコキシ基、ハロゲン、水素、イソシアネート基などが挙げられる。熱重合性官能基は、光重合性官能基と同様の形態で中空シリカ粒子20に結合している。
中空シリカ粒子20の平均粒径は特に限定されないが、10〜100nmであることが好ましく、40〜60nmであることがより好ましい。平均粒径が10nm未満の場合、中空シリカ粒子20が凝集しやすくなるので、中空シリカ粒子20の均一な分散が容易でない場合がある。また、平均粒径が100nmを超える場合、低屈折率層10aの透明性が落ちる場合がある。
ここで、平均粒径は、中空シリカ粒子20の粒径(中空シリカ粒子20を球と仮定したときの直径)の算術平均値である。中空シリカ粒子20の粒径は、例えば、レーザー回折・散乱粒度分布計(具体的には、HORIBA LA−920)によって測定される。なお、レーザー回折・散乱粒度分布計は、HORIBA LA−920に限られない。また、中空シリカ粒子20の屈折率は、低屈折率層10aに要求される屈折率に応じて変動するが、例えば1.10〜1.40、好ましくは1.15〜1.25となる。中空シリカ粒子20の屈折率は、例えば、シミュレーションソフト(Lambda Reserch社TracePro)によって測定される。
中空シリカ粒子20の含有率(中空シリカ粒子20、バインダ樹脂30、フッ素粒子40、及び光開始剤の総質量に対する質量%)は、20〜60質量%となる。後述するように、中空シリカ粒子20の含有率がこの範囲となる場合に、樹脂膜10の特性が良好となる。中空シリカ粒子のより好ましい含有率は、より好ましくは20〜50質量%となる。中空シリカ粒子の含有率がこの範囲となる場合、樹脂膜10の特性がさらに良好になる。
(バインダ樹脂30の構成)
バインダ樹脂30は、網目構造となっており、中空シリカ粒子20同士を連結する。さらに、バインダ樹脂30は、フッ素粒子40をブリードアウトさせることで、フッ素粒子40を低屈折率層10aの表面に配置させる。本実施形態では、バインダ樹脂30は、多分岐型(ハイパーブランチ型)アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーを重合させることで形成される多分岐型アクリル樹脂となっている。多分岐型アクリレートオリゴマーは、多分岐型アクリレートモノマーを重合させたものである。
図2に、多分岐型アクリレートモノマーの一例として、多分岐型アクリレートモノマー50の構成を示す。多分岐型アクリレートモノマー50は、コア部51と、複数の分岐点52と、複数の枝部53と、複数の光重合性官能基54とを有する。コア部51は、多分岐型アクリレートモノマー50の中心となる部分であり、少なくとも1つ以上の枝部53に結合する。コア部51は、単一元素で構成されていても、有機残基で構成されていてもよい。単一元素としては、炭素原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子等が挙げられる。また、有機残基としては、各種の鎖式化合物、環式化合物からなる有機残基が挙げられる。また、コア部51は複数存在していてもよい。
分岐点52は、枝部53の起点となる部分であり、1つの分岐点52から少なくとも3本の枝部53が伸びている。分岐点52は、コア部51または他の分岐点52に枝部53を介して接続する。分岐点52は、コア部51と同様の構成を有する。すなわち、分岐点52は、単一元素で構成されていても、有機残基で構成されていてもよい。分岐点52は、コア部51にもっとも近いものから順に第1世代、第2世代、・・・と称される。すなわち、コア部51に直接接続した分岐点52が第1世代となり、第1世代の分岐点52に接続した分岐点52が第2世代となる。
本実施形態で使用される多分岐型アクリレートモノマーは、少なくとも第2世代以上の分岐を有する。例えば、図2に示す例では、多分岐型アクリレートモノマー50は、第4世代の分岐点52aを有する。
枝部53は、コア部51と第1世代の分岐点52とを接続する他、第k世代(kは1以上の整数)の分岐点52と、第(k+1)世代の分岐点52とを接続する。枝部53は、コア部51または分岐点52が有する結合手である。なお、分岐点の世代数は多いことが好ましい。世代数が多いほど、多分岐型アクリレートモノマーの網目構造が複雑になるからである。後述するように、多分岐型アクリレートモノマーの網目構造が複雑であるほど、フッ素粒子40を強固に保持することができ、かつ、バインダ樹脂30の耐擦傷性が向上する。
光重合性官能基54は、具体的には、アクリロイル基またはメタクリロイル基である。なお、光重合性官能基54は複数存在し、複数の光重合性官能基54は、第2世代以上の分岐点52に結合している。もちろん、光重合性官能基54は、コア部51や第1世代の分岐点52に接続していても良い。なお、多分岐型アクリレートモノマー中の光重合性官能基54の数は、なるべく多いことが好ましい。光重合性官能基54の数が多いほど、バインダ樹脂30の架橋密度が大きくなり、ひいては、バインダ樹脂30の網目構造を複雑にすることができるからである。後述するように、バインダ樹脂30の網目構造が複雑であるほど、フッ素粒子40を強固に保持することができ、かつ、バインダ樹脂30の耐擦傷性が向上する。
多分岐型アクリレートモノマーとしては、具体的には、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアルキルアミン系、など、種々のタイプのアクリレートモノマーが挙げられる。多分岐型アクリレートモノマーは、Tadpole型デンドリマー、彗星型デンドリマー、ツイン型デンドリマー、シリンダー型デンドリマー等であっても良い。
上記の構成を有する多分岐型アクリレートモノマーは、以下の特徴を有する。第1に、多分岐型アクリレートモノマーは、表面張力が高い(例えば30以上)ので、フッ素粒子40との表面張力差により、フッ素粒子40を効果的にブリードアウトさせることができる。表面張力は、例えば、自動表面張力計(具体的には、協和界面科学 DY−300)によって測定される。なお、自動表面張力計は、協和界面科学 DY−300に限られない。なお、上記の範囲の表面張力を有する多官能性のアクリレートモノマーは他にも存在するが、本発明者が鋭意検討したところ、多分岐型アクリレートモノマーでなければフッ素粒子40を効果的にブリードアウトすることができないことが判明した。
このように、多分岐型アクリレートモノマーは、フッ素粒子40をブリードアウトさせることができるので、樹脂膜10の防汚性、滑り性、耐擦傷性等を向上させることができる。さらに、多分岐型アクリレートモノマーは、低屈折率層10a内に残留するフッ素粒子40を少なくすることができる。したがって、バインダ樹脂30の架橋密度が向上し、ひいては、低屈折率層10aの機械強度が向上する。
第2に、多分岐型アクリレートモノマー(または当該モノマーが重合した多分岐型アクリレートオリゴマー)は、室温(25℃)での粘度(mPa・s=cps)が数百程度と非常に低い。このため、当該多分岐型アクリレートモノマーは、乾燥時であっても大きく流動することができるので、フッ素粒子40のブリードアウトを助けることができる。
すなわち、後述するように、樹脂膜10を製造するためには、まず、多分岐型アクリレートモノマー(または多分岐型アクリレートオリゴマー)及びフッ素粒子40を溶媒に溶解させることでコート液を製造する。そして、このコート液を基板上に塗布、乾燥させることで塗工層を形成する。そして、塗工層に光を照射することで、多分岐型アクリレートモノマーを重合させる。これにより、樹脂膜10が形成される。ここで、フッ素粒子40のブリードアウトは塗工層内で起こるが、多分岐型アクリレートモノマーは、塗工層内で大きく流動することができるので、フッ素粒子40のブリードアウトを助けることができる。
なお、一般的に、アクリレートモノマー及びオリゴマーの光重合性官能基の数を増やすと、アクリレートモノマー及びオリゴマーの粘度が上昇することが知られている。例えば、ウレタン系のアクリレートオリゴマーとして、室温(25℃)での粘度(mPa・s=cps)が数万から数十万となるものも知られている。仮にこのようなオリゴマーをもちいて樹脂膜10を形成しようとすると、オリゴマー粒子は塗工層内でほとんど動かなくなるので、フッ素粒子40のブリードアウトを大きく阻害することが予測される。
なお、粘度の観点からは、単に粘度が低いアクリレートモノマーまたはオリゴマーを使用すればよいとも考えられるが、このようなモノマーまたはオリゴマーは、重合しても網目構造を形成しないので、フッ素粒子40を強固に保持することができない。
第3に、多分岐型アクリレートモノマーは、重合することで非常に複雑な網目構造を有するバインダ樹脂30(アクリル樹脂)を形成することができるので、この網目構造によってフッ素粒子40を強固に保持することができる。
すなわち、フッ素粒子40は、その表面に反応性の官能基を特に有しないので、バインダ樹脂30は、フッ素粒子40を物理的に保持する必要がある。この点、多分岐型アクリレートモノマーが重合することで形成されたアクリル樹脂は、非常に複雑な網目構造を有するので、この網目構造内にフッ素粒子40が入り込むことで、フッ素粒子40が強固に保持される。
第4に、多分岐型アクリレートモノマーは、重合することで非常に複雑な網目構造を有するバインダ樹脂30(アクリル樹脂)を形成することができるので、この網目構造によって耐擦傷性が向上する。
すなわち、フッ素粒子40は、塗工層内でブリードアウトすることによって、乾燥したコート液の表面に分布する。しかし、フッ素粒子40は、塗工層の表面に隙間なく分布するものではなく、フッ素粒子40間には隙間が形成される(図1参照)。したがって、バインダ樹脂30の一部が表面に露出することとなる。このため、バインダ樹脂30も耐擦傷性を有する必要がある。
バインダ樹脂30の耐擦傷性は、バインダ樹脂30の網目構造が複雑であるほど大きくなる。網目構造の複雑さは、多分岐型アクリレートモノマー自体の網目構造の複雑さと、バインダ樹脂30の架橋密度の大きさとに依存する。この点について、多分岐型アクリレートモノマーは、非常に複雑な網目構造を有している。また、多分岐型アクリレートモノマーは、多数の光重合性官能基を有するので、バインダ樹脂30の架橋密度も大きくなる。したがって、バインダ樹脂30の耐擦傷性も大きくなる。
第5に、多分岐型アクリレートモノマーは、光による劣化の影響を受けにくい。上述したように、フッ素粒子40は、塗工層の表面に隙間なく分布するものではなく、フッ素粒子40間には隙間が形成される。そして、この隙間において多分岐型アクリレートモノマーが露出する。
一方、多分岐型アクリレートモノマーは、光重合性官能基を有する。そして、光重合性官能基は、光を受けることで容易にラジカル化する。ラジカル化した光重合性官能基は、大気中の酸素と容易に反応して、酸化物(または過酸化物)を形成する。参加した光重合性官能基は、活性を失い、他の光重合性官能基と反応することができなくなる。
したがって、塗工層の表面に露出した多分岐型アクリレートモノマーが有する複数の光重合性官能基のうち、一部の光重合性官能基が不活性化することが予想される。しかし、多分岐型アクリレートモノマーは、非常に多数の光重合性官能基を有するので、一部の光重合性官能基が不活性化しても、残りの光重合性官能基が他の光重合性官能基と反応することができる。さらに、多分岐型アクリレートモノマーは、それ自体が複雑な網目構造を有するので、いずれか1つの光重合性官能基が他の光重合性官能基と反応することで、複雑な網目構造が形成される。したがって、多分岐型アクリレートモノマーは、仮に一部の光重合性官能基が不活性化しても、複雑な網目構造を形成することができる。そして、複雑な網目構造を有するバインダ樹脂30は、フッ素粒子40を強固に保持することができ、かつ、耐擦傷性も向上する。したがって、多分岐型アクリレートモノマーは、光による劣化の影響を受けにくい。
一方、仮に多分岐型でないアクリレートモノマーで樹脂膜10を形成しようとした場合、このアクリレートモノマーが有する光重合性官能基も光及び酸素によって不活性化する。ここで、アクリレートモノマーは少数の光重合性官能基しか有しないので、大半の光重合性官能基が不活性化してしまう。このため、バインダ樹脂の架橋密度は非常に小さくなる。さらに、アクリレートモノマー自体の構造も単純である。したがって、バインダ樹脂は非常に単純な構造となるので、フッ素粒子40を保持できず、耐擦傷性も低くなる。すなわち、多分岐型でないアクリレートモノマーは、光による劣化の影響を受けやすい。
第6に、多分岐型アクリレートモノマーは、中空シリカ粒子20の光重合性官能基と反応することで、中空シリカ粒子20とも強固に結合することができる。なお、中空シリカ粒子20同士が直接結合する場合もある。すなわち、中空シリカ粒子20の光重合性官能基は、他の中空シリカ粒子20の光重合性官能基と結合する。
以上により、多分岐型アクリレートモノマー(またはオリゴマー)は、樹脂膜10の製造時にフッ素粒子40を効果的にブリードアウトすることができる。また、多分岐型アクリレートモノマーは、互いに重合することで複雑な網目構造を形成することができるので、フッ素粒子40を低屈折率層10aの表面に強固に保持することができる。さらに、バインダ樹脂30の露出部分の耐擦傷性も向上する。さらに、多分岐型アクリレートモノマーは、光による劣化の影響を受けにくい。
(フッ素粒子40の構成)
フッ素粒子40は、低屈折率層10aに防汚性、滑り性、及び耐擦傷性を付与するために添加される添加剤である。フッ素粒子40は、多分岐型アクリレートモノマーと類似の構成を有するナノメートルサイズのフッ素基導入型球状高分子である。すなわち、フッ素粒子40は、末端基数の多さが特徴である機能性微粒子である。
具体的には、フッ素粒子40は、コア及び第2世代以上の分岐点を有する多分岐型ポリマーであり、末端基(多分岐型アクリレートモノマーの光重合性官能基に相当)として複数のフッ素系官能基を有する。フッ素系官能基は、第2世代以上の分岐点に結合している。
フッ素置換された置換基としては、例えば、(パー)フルオロアルキル基、(パー)フルオロポリエーテル基が挙げられる。(パー)フルオロアルキル基の構造は、特に限定されない。すなわち、(パー)フルオロアルキル基は、直鎖(例えば−CFCF,−CH(CFH、−CH(CFCF,−CHCH(CFH等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF,CHCF(CF,CH(CH)CFCF,CH(CH)(CFCFH等)であっても、脂環式構造(好ましくは5員環又は6員環、例えばパーフルオロシクロへキシル基、パーフルオロシクロペンチル基又はこれらで置換されたアルキル基等)であっても良い。
(パー)フルオロポリエーテル基は、エーテル結合を有する(パー)フルオロアルキル基であり、その構造は、特に限定されない。(パー)フルオロポリエーテル基としては、例えば、−CHOCHCFCF、−CHCHOCHH、−CHCHOCHCH17、−CHCHOCFCFOCFCFH、フッ素原子を5個以上有する炭素数4〜20のフルオロシクロアルキル基等があげられる。また、パーフルオロポリエーテル基としては、例えば、−(CFO(CFCFO)、−[CF(CF)CFO]―[CF(CF)]、(CFCFCFO)、(CFCFO)などが挙げられる。ここで、x、yは任意の自然数である。
このように、フッ素粒子40は、末端基がフッ素系官能基となっているので、フッ素粒子40の表面は実質的にフッ素系官能基で覆われている。このため、フッ素粒子40は、非常に強固なバルク体となっており、かつ、防汚性、滑り性に非常に優れる。本実施形態では、このようなフッ素粒子40を低屈折率層10aの表面にブリードアウトさせるので、樹脂膜10の防汚性、滑り性、及び耐擦傷性が格段に向上する。
フッ素粒子40の平均粒径(直径)は特に限定されないが、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましい。フッ素粒子40の平均粒径がこの範囲となる場合に、ブリードアウト性、防汚性、耐擦傷性がより向上する。
ここで、平均粒径は、フッ素粒子40の粒径(フッ素粒子40を球と仮定したときの直径)の算術平均値である。フッ素粒子40の粒径は、例えば、レーザー回折・散乱粒度分布計(具体的には、HORIBA LA−920)によって測定される。なお、レーザー回折・散乱粒度分布計は、HORIBA LA−920に限られない。
また、フッ素粒子40の表面張力は、多分岐型アクリレートモノマーの表面張力よりも小さければ特に制限されないが、20以下が好ましく、18以下がより好ましい。フッ素粒子40の平均粒径がこの範囲となる場合に、ブリードアウト性、防汚性、耐擦傷性がより向上する。
また、フッ素粒子40がブリードアウトされることで生成される樹脂膜10は、接触角が108度以上であることが好ましく、110度以上がより好ましい。接触角がこれらの範囲の値となる場合に、防汚性、擦傷性がより向上するからである。
なお、フッ素粒子40の含有率(中空シリカ粒子20、バインダ樹脂30、フッ素粒子40、及び光開始剤の総質量に対する質量%)は、2.0質量%以上10質量%以下となる。好ましくは、4.0質量%以上8質量%以下である。
フッ素粒子40は、低屈折率層10aの表面にブリードアウトし、その位置で固定されるが、フッ素粒子40の一部は低屈折率層10aの表面からわずかに突出している(図1参照)。これにより、樹脂膜10の耐擦傷性がより向上する。なお、フッ素粒子40の一部が低屈折率層10aの表面からわずかに突出していることは、例えば純水の接触角測定により容易に判断することが可能である。低屈折率層10aには、純水の接触角が100度以上に達する低表面張力材料としてフッ素粒子しか存在しない。そのため、低屈折率層10aの表面と純水との接触角が100度以上であれば、低屈折率層10aの表面からフッ素粒子40がわずかに突出しているといえる。従って、簡易的かつ精度良くフッ素粒子40の一部が低屈折率層10aの表面からわずかに突出していることを確認することができる。
また、フッ素粒子40は、その表面に反応性の官能基を有しなくてもよい。上述したように、バインダ樹脂30は多官能性アクリル樹脂なので、その複雑な網目構造によってフッ素粒子40が強固に保持されるからである。
光開始剤は、光重合を開始させるための材料であり、その種類は問われない。すなわち、本実施形態では、あらゆる光開始剤を使用することができる。ただし、光開始剤は、酸素阻害を受けにくく、表面硬化性が良いものが好ましい。
<2.樹脂膜10の製造方法>
次に、樹脂膜10の製造方法について説明する。まず、中空シリカ粒子20と、光開始剤と、バインダ用モノマー(またはバインダ用モノマーが重合したバインダ用オリゴマー)と、フッ素粒子40とを溶媒に投入、攪拌することで、コート液を生成する。ここで、バインダ用モノマーは、具体的には、多分岐型アクリレートモノマーであり、バインダ用オリゴマーは、多分岐型アクリレートモノマーを重合させた多分岐型アクリレートオリゴマーである。溶媒の種類は特に限定されないが、沸点110℃以上のケトン系溶媒が好適に使用される。この溶媒は、各材料を安定して溶解することができ、かつ、フッ素粒子40を容易にブリードアウトさせることができるからである。
ついで、コート液を任意の基板に塗布(塗工)、乾燥することで、塗工層を形成する。なお、塗布の方法は特に問われず、公知の方法が任意に適用される。このとき、フッ素粒子40は、多分岐型アクリレートモノマーからの反発力によってブリードアウトし、塗工層の表面に偏在する。ここで、多分岐型アクリレートモノマーは塗工層内で流動することで、フッ素粒子40のブリードアウトを助ける。
ついで、光重合反応を開始させる。これにより、バインダ樹脂30が形成される一方、フッ素粒子40は、バインダ樹脂30によって表面に保持される。これにより、樹脂膜10が形成される。
このように、多分岐型アクリレートモノマーがフッ素粒子40を効果的にブリードアウトさせることができるので、本実施形態に係る樹脂膜10は、非常に簡単なプロセスで製造される。また、低屈折率層10aの表面にフッ素粒子40が偏在するため、低屈折率層10aの表面に別途防汚シート等を貼り付ける必要がない。
(実施例1)
次に、本実施形態の実施例について説明する。実施例1では、以下の製法により樹脂膜10を製造した。
バインダ用オリゴマーとして43質量%(質量部)の多分岐型アクリレートオリゴマー(サートマー社 CN2304)、50質量%の中空シリカ微粒子(日揮触媒化成 スルーリア4320)、添加材として4質量%のフッ素粒子(日産化学工業 FX−012)、3質量%の光重合開始剤(BASFジャパン イルガキュア184)を用意した。ついで、これらの材料を8000質量%のメチルイソブチルケトン(MIBK)に投入、攪拌することで、コート液を作成した。
ここで、中空シリカ粒子の粒径は50nm〜60nmであった。したがって、平均粒径もこの範囲内の値となる。また、中空シリカ粒子の屈折率は1.25であった。また、多分岐型アクリレートオリゴマーの表面張力は32.6であり、25℃での粘度(mPa・a)は750であった。また、フッ素粒子の表面張力は、17.6であった。なお、測定は上述した装置またはシミュレーションソフトにより行われた。
ついで、コート液をPMMAからなる基板上に塗布し、コート液を90℃で約1分間乾燥処理することで、塗工層を形成した。ついで、窒素雰囲気化(酸素濃度1000ppm以下)で塗工層に紫外線を5秒間照射(メタルハライドランプ:光量1000mJ/cm)することにより塗工層を硬化させた。これにより、樹脂膜を作成した。樹脂膜の厚さは約110nmとなった。膜厚測定方法としては、たとえばHORIBA社の可視分光エリプソメータSMART SEなどが挙げられる。
(実施例2〜9、比較例1〜9)
各材料の含有率、添加材の種類、及びバインダ用オリゴマーの種類を変更したほかは、実施例1と同様の処理を行うことで、実施例2〜9、及び比較例1〜9に係る樹脂膜を作成した。ここで、各材料の含有率、添加材の種類、及びバインダ用モノマーの種類を表1にまとめて示す。
Figure 0006243598
表1中、無印は実施例1と同じ材料を使用したことを示す。添加材の項目中、※1は直鎖状の光反応性フッ素ポリマー(信越化学工業 KY−1203。表面張力16.7)である。※2は直鎖状の光反応性フッ素ポリマー(ダイキン工業 オプツールDAC。表面張力16.9)である。※3は光反応性フッ素ポリマー(DIC RS77。表面張力17.8)である。
また、アクリル樹脂の項目中、※4はペンタエリスリトールテトラアクリレート(表面張力40.1)、※5はジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(表面張力39.5)、※6はイソシアヌルジアクリレート(表面張力40.2)、※7は多分岐型アクリレートオリゴマー(サートマー社 CN2302。表面張力37.8。25℃での粘度(mPa・s)300)を示す。
(試験)
つぎに、各実施例及び比較例に係る樹脂膜について、以下のSW擦り試験を行った。
樹脂膜をコートしたPMMAからなる基板の表面を垂直方向(上下方向)に500g/cmの荷重をかけながらワイプにて10往復の摩耗を行った。ワイプは、日本製紙クレシア社製のキムワイプワイパーS−200を使用した。
(評価)
SW擦り試験後の樹脂膜について、耐擦傷性を評価した。さらに、初期(SW擦り試験を行う前)、SW擦り試験後のそれぞれの樹脂膜について、接触角及びヘイズ値を評価した。
(耐擦傷性評価)
耐擦傷性を以下の判断基準に従って評価した。
傷3本以下:◎
傷5本以下:○
傷10本以下:△
傷10本以上:×
(接触角評価)
全自動接触角計DM700(協和界面科学株式会社製)を使用し、樹脂膜をコートした基板上に2μlの純水を滴下し接触角(度)を測定した。
(ヘイズ値評価)
JIS−K−7136に準拠した方法によりヘイズ値を測定した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006243598
実施例と比較例とを比較すると、実施例は、初期特性のみならず、SW擦り試験後の特性も良好な結果が得られた。一方、比較例では、初期特性は良好であるものの、SW擦り試験後の結果は良くなかった。したがって、フッ素粒子を添加材とし、バインダ樹脂を多分岐型アクリル樹脂とし、かつ、各材料の含有率を上述した範囲とすることで、良好な特性が得られることがわかった。
以上により、本実施形態によれば、防汚性、滑り性、及び耐擦傷性に優れたバルク体であるフッ素粒子40は、バインダ樹脂30による反発力により効果的にブリードアウトすることができる。これにより、樹脂膜10は、フッ素粒子40を低屈折率層10aの表面に偏在させることができるので、耐擦傷性、防汚性、及び滑り性を向上することができる。さらに、樹脂膜10は、膜強度を向上させることができる。
さらに、バインダ樹脂30は、多分岐型アクリル樹脂で構成されているので、フッ素粒子40をより効果的にブリードアウトさせることができる。
さらに、多分岐型アクリル樹脂を構成する多分岐型アクリレートモノマーは、第2世代以上の分岐点52と、第2世代以上の分岐点のいずれかに結合した複数の光重合性官能基54と、を備えるので、フッ素粒子40をより効果的にブリードアウトさせることができる。
さらに、樹脂膜10は、各材料が溶解したコート液を塗布し、光重合反応を開始させるだけで作成可能であるので、容易に作成される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 樹脂膜
20 中空シリカ粒子
30 バインダ樹脂
40 フッ素粒子
50 多分岐型アクリレートモノマー

Claims (3)

  1. 複数の中空シリカ粒子と、前記中空シリカ粒子同士を結合するバインダ樹脂とを含む低屈折率層と、
    前記バインダ樹脂と反発することで、前記低屈折率層の表面に分布するフッ素粒子と、を備え、
    前記中空シリカ粒子の含有率は20質量%以上60質量%以下であり、
    前記フッ素粒子の含有率は2.0質量%以上10質量%以下であり、
    前記バインダ樹脂は、多分岐型アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーが重合することで形成された多分岐型アクリル樹脂を含み、
    前記フッ素粒子は、コア及び第2世代以上の分岐点を有する多分岐型ポリマーであり、末端基として複数のフッ素系官能基を有し、
    前記フッ素粒子は、その表面に反応性の官能基を有しておらず、
    前記フッ素粒子の表面張力は20以下であることを特徴とする、樹脂膜。
  2. 前記多分岐型アクリレートモノマーは、第2世代以上の分岐点と、前記第2世代以上の分岐点のいずれかに結合した複数の光重合性官能基と、を備えることを特徴とする、請求項1記載の樹脂膜。
  3. 複数の中空シリカ粒子と、前記中空シリカ粒子同士を結合可能な多分岐型アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーと、前記多分岐型アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーと反発するフッ素粒子と、を含むコート液を生成するステップと、
    前記コート液を基板に塗布するステップと、
    前記多分岐型アクリレートモノマーまたは多分岐型アクリレートオリゴマーの重合反応を開始させるステップと、を含み、
    前記中空シリカ粒子の含有率は20質量%以上60質量%以下であり、
    前記フッ素粒子の含有率は2.0質量%以上10質量%以下であり、
    前記フッ素粒子は、コア及び第2世代以上の分岐点を有する多分岐型ポリマーであり、末端基として複数のフッ素系官能基を有し、
    前記フッ素粒子は、その表面に反応性の官能基を有しておらず、
    前記フッ素粒子の表面張力は20以下であることを特徴とする、樹脂膜の製造方法。

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