JP6818432B2 - コーティング組成物、照明装置、コーティング膜の敷設方法、および、照明装置の製造方法 - Google Patents

コーティング組成物、照明装置、コーティング膜の敷設方法、および、照明装置の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、コーティング組成物、照明装置、コーティング膜の敷設方法、および、照明装置の製造方法に関する。
陰イオンと陽イオンとの塩からなる帯電防止剤と、水酸基を有するフッ素系樹脂と、水酸基を有するシリコーン変性アクリル樹脂と、有機溶剤とを含有することによって、撥水性や脂汚れなどに対する防汚性に加えて、埃の付着に対する防汚性にも優れる膜を形成可能な防汚用塗料組成物およびその膜が形成された付着防止体が開示されている(特許文献1)。
また、防汚性を向上させる空気調和機に用いるコーティング組成物が開示されている(特許文献2)。
特開2009−155499号公報 特開2010−96437号公報
しかしながら、特許文献1に開示された防汚用塗料組成物は高い含有率で有機溶剤を含んでおり、防汚用塗料組成物が樹脂材料を含む被敷設物に敷設されると、被敷設物が変性して防汚効果が持続できないおそれがある。また、特許文献1に開示された防汚用塗料組成物は、光学特性および低摩擦性の作用効果について言及がなく、光学機能部品への採否を決定するに至らない。
また、特許文献2に開示されたコーティング組成物も、光学特性の作用効果について言及がなく、光学機能部品への採否を決定するに至らない。
本発明は、樹脂材料を含む被敷設物に敷設可能であり、防汚性、親水性、光透過性、光拡散性、光反射性、および低摩擦性のうちのいずれかの機能を付与するコーティング組成物、このコーティング組成物が敷設された光学機能部品を用いた照明装置を提供する。
この発明の一態様に係るコーティング組成物は、
シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含み、光学機能部品の表面に敷設されているコーティング組成物であって、
前記フッ素樹脂粒子が、前記シリカ微粒子から成るシリカ膜の表面から部分的に露出するように点在した状態で、コーティング膜として敷設されていることを特徴とする。
本発明に係るコーティング組成物により形成されたコーティング膜は、防汚性、親水性、光透過性、光拡散性、光反射性、および低摩擦性のうちのいずれかの機能を有する。
実施の形態1の図で、照明装置1000の斜視図。 実施の形態1の図で、照明装置1000を器具本体1100と光源ユニット1200とに分解した分解斜視。 実施の形態1の図で、電源装置1260側を示す光源ユニット1200の斜視図。 実施の形態1の図で、器具本体1100の分解斜視図。 実施の形態1の図で、器具本体1100の斜視図。 実施の形態1の図で、光源ユニット1200の分解斜視図。 実施の形態1の図で、光源ユニット1200の図3に示す断面A−AにおけるA−A断面図。 実施の形態1の図で、光源ユニット1200の図3に示す断面A−Aに相当する断面図。 実施の形態1の図で、カバー1230の断面図。 実施の形態1の図で、主部1231の厚み変化を説明するための模式的なカバーの断面図。 コーティング組成物200が樹脂表面にコーティングされ、コーティング膜103が形成された状態の断面を示す概念図。 図11のコーティング膜103の部分のみを示した概念図である。 図12のコーティング膜103の上面を見た概念図。 樹脂表面に付着した水滴の接触角θを説明する模式図。 比較のために示すプライマー処理を用いた従来のコーティングの断面を示す概念図。 ラジカル発生材111または過酸化物112を添加したコーティング組成物200が樹脂表面にコーティングされ、コーティング膜103が形成された状態の断面を示す概念図。 実施例1〜7および比較例1〜3のコーティング組成物200を調合を示す図。 実施例1〜7および比較例1〜3のコーティング膜103の性状、初期接触角θおよび防汚性能を示す図。 実施例4と比較例2の表面における水滴挙動の比較を示す高速度カメラ画像図。 ラジカル発生材111と過酸化物112を添加した被コーティング物107の耐拭き取り回数を示す図。 ラジカル発生材111と過酸化物112を添加した被コーティング物107の耐拭き取り回数を示す図である。 実施の形態1に係るカバー1230の製造工程を示すフローチャート。 実施の形態1に係るスポンジ1900によるコーティング溶液の塗布方法の図。 実施の形態1に係るカバー1230と保護膜1970とコーティング膜103との断面模式図。 実施の形態1に係るコーティング組成物200の効果を示す図。 実施の形態2に係る灯具の被コーティング部位を示す断面図。 実施の形態3に係る灯具の被コーティング部位を示す断面図。 実施の形態4に係る照明器具の被コーティング部位を示す断面図。 実施の形態5に係る照明装置を示す図。 実施の形態6に係る照明装置を示す図。 実施の形態7に係る照明装置を示す図。 実施の形態7に係る照明装置を示す図。 実施の形態8に係る照明装置を示す図。 実施の形態8に係る照明装置を示す図。 実施の形態9に係る照明装置を示す図。 実施の形態9に係る照明装置を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表、裏といった方向あるいは位置が示されている場合、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置、器具、部品などの配置や向きなどを限定するものではない。
***実施の形態の説明***
以下、コーティング組成物、灯具および照明装置について、説明する。
以下の実施の形態では、照明装置を構成する光学機能を有した光学機能部品への、露付き防止および多様性汚れの付着防止、並びに光透過性および光拡散性を同時に実現する照明装置を説明する。
また、防汚性、親水性、光透過性、光拡散性、光反射性、および低摩擦性のうちのいずれかの機能を付与するコーティング組成物について説明する。
実施の形態1.
実施の形態1では、コーティング組成物をカバーの表面へ敷設した態様を説明する。
図1は、照明装置1000の斜視図である。
図2は、照明装置1000を器具本体1100と光源ユニット1200とに分解した分解斜視図である。
図3は、電源装置1260側を示す光源ユニット1200の斜視図である。
図4は、器具本体1100の分解斜視図である。
図5は、器具本体1100の斜視図である。
図6は、光源ユニット1200を構成する基本部品の分解斜視図である。
図7は、光源ユニット1200の図3のA−A断面図である。
図8は、図3のA−A断面に相当する断面であり、ハーネスクランプ1270を示す断面である。
図9は、カバー1230の断面図である。
はじめに、図1から図8を参照して照明装置1000の構成を説明する。照明装置1000は、長尺状の器具本体1100と、器具本体1100に着脱可能に取り付けられる長尺状の光源ユニット1200とを備える。
実施の形態1の照明装置1000の構造的特徴は、カバー1230の表面にコーティング組成物200により形成されたコーティング膜103が敷設されたことである。
光源ユニット1200は、器具本体1100の後述する凹部1111に一部を挿入された状態で、器具本体1100に着脱可能に取り付けられる。器具本体1100、光源ユニット1200はいずれも長尺状であるが、以下では、その長手方向を長手方向Xとし、長手方向Xに対して幅方向となる短手方向を短手方向Y(図1)とする。
(光源ユニット1200)
図6に示すように、光源ユニット1200は、発光素子基板1210、基台1220、光源ユニットのカバーであるカバー1230、光源蓋部1240を備える。
(1)発光素子基板1210は発光素子1212を有する。発光素子基板1210は、長尺に形成された基板1211に複数の発光素子1212が実装されている。以下の実施の形態では発光素子1212は発光ダイオード(以下、LEDという。)である。
(2)基台1220には、発光素子基板1210が取り付けられている。図6〜図8に示すように、基台1220は、平板状をなす取付部1221であって器具本体1100の平板部1112に対向する対向面1221bの裏面である取付面1221aに発光素子基板1210が取り付けられる取付部1221を有する。
(3)カバー1230は、発光素子基板1210を覆うように基台1220に取り付けられている。カバー1230は基台1220に取り付けられて基台1220に保持されている。カバー1230は、主部1231と、一対として設けられたカバー側壁部1232とを有する。主部1231は、平板部1112の長手方向Xに沿う長尺状をなし発光素子基板1210を覆う。対となるカバー側壁部1232は、主部1231の長手方向Xに沿う一方の端部1231aと他方の端部1231bとから間に基台1220を挟んでそれぞれ平板部1112の位置する方向に立ち上がる側壁部であり、対となるカバー側壁部1232である。平板部1112の位置する方向は、基台1220の一方の面である取付面1221aから取付面1221aの反対側の他方の面である対向面1221bに向かう方向である。
(4)光源蓋部1240は、光源ユニット1200の長手方向両端を塞ぐ。
(5)また、光源ユニット1200は、器具本体1100に取り付けられたバネ部1130と係合する連結金具1250を有する。
(発光素子基板1210)
発光素子基板1210は、長尺に形成された基板1211と、基板1211に直線状に実装される複数の発光素子1212とれる複数の発光素子1212を備える。なお、発光素子1212を直線状に実装する列は一列でもよく、複数列でもよい。
(基台1220)
基台1220は、発光素子基板1210が取り付けられる略矩形状をした取付部1221と、取付部1221の長手両側辺より発光素子基板1210が取り付けられる取付面1221aから裏面である対向面1221bの方向に立設した第一の側面部1222−1、第二の側面部1222−2とを有する。
(カバー1230)
図6〜図10を参照してカバー1230の詳細を説明する。カバー1230は、図9に示すように、中心軸1011を対称軸として略対象に形成されている。以下、主に中心軸1011の左側側を説明するが、カバー1230は中心軸1011に線対称で形成されているので、説明する構成は中心軸1011の右側にも同様に当てはまる。本実施の形態におけるカバー1230は、ポリカーボネートに拡散剤を添加した混合樹脂材料で形成され、光を拡散透過する乳白色の覆いであり、点状光源である発光素子1212の粒状感を軽減する拡散機能を有している。
カバー1230は、主部1231、カバー側壁部1232、第一の支持部である上側支持部1233、第二の支持部である下側支持部1234を備える。主部1231、一対のカバー側壁部1232および一対の傾斜部1232−1は、全体が同じ材料で形成されている。この材料は、光の拡散性と、透光性とを有する。また、上側支持部1233および下側支持部1234は、全体が同じ材料で形成されている。この材料は遮光性と高反射性を有し、主部1231などを形成する材料とは異なる。図9に示すように、主部1231は、長手方向Xを法線方向とする断面の形状が、カバー側壁部の立ち上がる方向と反対方向(Z方向)に凸となる凸断面形状1230Dをなす。凸断面形状1230Dとは図9の主部1231の断面形状をいう。
(1)主部1231は発光素子基板1210から照射される光を拡散する。ここで、発光素子基板1210から照射される光は、発光素子1212から出射する光と、取付面1221aまたは基板1211の表面からカバー1230側に反射する光とを含む。
(2)カバー側壁部1232は、主部1231の両端に一対として配設され、カバー1230の側面をなす。
(3)上側支持部1233は、基台1220の第一の側面部1222−1、第二の側面部1222−2の先端と当接する第一の支持部である。
(4)下側支持部1234は、取付部1221に当接する第二の支持部である。
(主部1231)
主部1231は、発光素子基板1210が照射する光を透過させ拡散させるものであり、発光素子基板1210を覆う凸形状をしている。主部1231は、一方のカバー側壁部1232の端部B(一方の端部1231aに一致)、他方のカバー側壁部1232の端部B(他方の端部1231bに一致)を繋ぐように配設されている。言い換えれば、カバー側壁部1232は端部Aと端部Bとの間に形成されている。
(カバー側壁部1232)
カバー側壁部1232は、主部1231の両端(端部B)に対になるよう配設される。カバー側壁部1232は、器具本体1100の凹部1111の第一の側壁部1113−1、第二の側壁部1113−2と略平行に形成されている。また、対になるカバー側壁部1232の外側の面の距離である寸法L1(図9)は、図8に示す凹部1111の巾である寸法L2(第一の側壁部1113−1の内側面1113−1aと、第二の側壁部1113−2の内側面1113−2aとの短手方向の距離)に対して、器具本体1100の凹部1111に挿入可能に略同等の寸法で形成されている。なお、挿入可能に略同等の寸法とは、光源ユニット1200が凹部1111との間に形成される隙間をなるべく抑え、挿入できる寸法である。例えば寸法L1が59mmに対して寸法L2が60mmなどである。つまり、照明装置1000は、器具本体1100に光源ユニット1200が取り付けられた状態において、凹部1111の短手方向Yにおける内側面1113−1aと、内側面1113−2aとの距離である凹部内側巾寸法L2から、カバー1230の短手方向Yにおける一方の先端部1232bの外側面1232cと他方の先端部1232bの外側面1232cとの距離である先端部外側巾寸法L1(図9)を引いた寸法が、0mm以上3mm以下である。つまり、照明装置1000は、器具本体1100に光源ユニット1200が取り付けられた状態において、図8の断面において、左右の各隙間を同じとすれば、各隙間は0mm以上1.5mm以下の範囲である。
また、図8に示すように、カバー側壁部1232は、光源ユニット1200の器具本体1100への取り付けが完了して光源ユニット1200の一部が器具本体1100の凹部1111に収納された際に、凹部1111の開口部1111a(図2の矩形abcd)から外側に露出する。器具本体1100への取付完了時に光源ユニット1200の一部が凹部1111に収納された状態において、各上側支持部1233が凹部1111に収納される。
そして、光源ユニット1200は、各カバー側壁部1232が掴まれてZ方向における照明側(下方)に引っ張られた場合に、凹部1111から引き出される。ここで、図7に示すように、カバー側壁部1232の周辺には破線で示す操作空間1500が確保されている。操作空間1500によって、着脱時に容易に光源ユニット1200のカバー側壁部1232を掴むことができる。
図8に示すように、各カバー側壁部1232は、Z方向において、少なくとも一部が、発光素子1212よりも照明側(下方)に位置する。このため発光素子1212の発した光を各カバー側壁部1232でも拡散できるので、照明効果が向上する。
(上側支持部1233)
カバー1230は、上側支持部1233を有する。図9に示すように、上側支持部1233は、主部1231の長手方向Xに沿う各カバー側壁部1232の立ち上がりの終る端部Aの上方に形成される傾斜部1232−1の先端から、対になるように形成されている。上側支持部1233は、図9に示すように、側壁部1233a,係合部1233b,反射リブ1233cを備える。
(1)図9に示すように、側壁部1233aは傾斜部1232−1の先端に中心軸と平行な壁形状に形成されている。
(2)係合部1233bは、側壁部1233aの上端部から水平方向に伸びるように形成されて、第一の側壁部1222−1の上端部と係合する。
(3)反射リブ1233cは、カバー側壁部1232の外側に形成されている。
(下側支持部1234)
下側支持部1234は、下側凸部1234a,下側押圧部1234bを備える。
(1)図9に示すように、下側凸部1234aは、側壁部1233aの下端から他方の側壁部1233aの方向に伸びるように形成されている。下側凸部1234aは発光素子基板1210が取り付けられる基台1220の取付面1221aを覆うZ方向に凸となる形状である。
(2)下側凸部1234aの短手方向Yの縁部は、取付部1221の取付面1221aを押圧する下側押圧部1234bをなす。
上側支持部1233の係合部1233bと、下側支持部1234の下側押圧部1234bとが、基台1220の第一の側面部1222−1の先端および取付部1221を挟持することで、カバー1230は基台1220に固定される。
(器具本体1100)
次に器具本体1100の構成を説明する。図4に示すように、器具本体1100は、凹部1111、傾斜部1114−1、1114−2、蓋部1120−1、1120−2を備える。
(1)凹部1111は長手方向Xに沿って略中央に形成されている。
(2)斜部1114−1、1114−2は、凹部1111の開口部1111aの長手側辺それぞれから被取付部方向へ互いに離れ,広がるように傾斜する。
(3)蓋部1120−1、1120−2は、長手方向の両端に配設され、長手方向Xの端部において、凹部1111および傾斜部1114−1、1114−2を覆う。
(4)器具本体1100は、バネ部1130、端子台1140を備える。バネ部1130は平板部1112に配置され、光源ユニット1200に配置された連結金具1250と連結する。
器具本体1100は、凹部1111を備える。図4に示すように、凹部1111は、長尺状の平板部1112と、平板部1112の長手方向Xに沿う一方の平板端部1112aと他方の平板端部1112bとからそれぞれ立ち上がる第一の側壁部1113−1および第二の側壁部1113−2とを有する凹形状をなし光源ユニット1200の一部を収納する。平板部1112は天井などの取付部に当接する。開口部1111aの周部には開口縁部1111b(図8)が配設されている。平板部1112には、バネ部1130と端子台1140が配設されている。また平板部1112には、商用電源からの電力供給を受ける為の電源線を引き込む電源引込孔1112cと、ボルトなどの取付材により被取付部へ固定する為の固定孔1112dが形成されている。
図10は、主部1231の厚み変化を説明するための模式的なカバー断面図である。
(1)図10に示すように、カバー1230の主部1231は、両側領域1236の厚みが、中央領域1237よりも薄い。この構成により、主部1231から出射される光の照射を主部1231の短手方向Yにおいて、簡易な構成で均一に近づけることができる。中央領域1237とは、主部1231の凸断面形状1230Dの短手方向Yにおいて、両側領域1236に挟まれる領域である。
両側領域1236は、中央領域1237の両側に存在する。両側領域1236は、左側の両側領域1236は一方の端部1231aを含み、右側の両側領域1236は他方の端部1231bを含む領域である。
(2)図10は、主部1231の厚みという構造から、主部1231から出射される光の照射を主部1231の短手方向Yにおいて簡易な構成で均一に近づける構成であるが、主部1231の拡散度という観点から光の照射の均一化を図ってもよい。例えば、図8の状態において主部1231は、短手方向Yにおいて、光源である発光素子1212から出射され主部1231に到達する光の強さに応じた拡散度の場合である。より具体的には、主部1231は、一方の端部1231aと他方の端部1231bとを含む短手方向Yの両側領域1236の光の拡散度が、短手方向Yの中央領域1237よりも小さい構成の場合である。拡散度の調整は、主部1231の厚み変化に限らず、あるいは厚みの変化に加え、主部1231の表面加工や、主部1231を構成する材料の成分構成で拡散度を調整してもよい。
(3)また、主部1231は拡散度の観点からではなく光の透過率の観点から構成されてもよい。つまり両側領域1236の光の透過率が中央領域1237よりも大きい構成でもよい。透過率の場合も、主部1231の厚みの他、主部1231の表面加工や、主部1231を構成する材料の成分構成で拡散度を調整してもよい。拡散度、透過率、厚みのいずれか一つ、あるいはいずれか二つ、あるいは三つ全部によって、簡易な構成で、短手方向Yの光の照射の均一化を向上させることができる。
***コーティング組成物の説明***
以下、親水性汚損物質105と疎水性汚損物質106の両方に対して優れた防汚性能を発揮する樹脂用コーティング組成物に関して、図に基づいて説明する。
図11から図13は、実施の形態1を示す図であり、図11はコーティング組成物200が被コーティング物である樹脂製部品にコーティングされ、コーティング膜103が形成された状態での断面を示す概念図、図12は図11におけるコーティング組成物200によるコーティング膜103の部分のみを示した概念図、図13は図11もしくは図12のコーティング膜103の上面を見た概念図である。図11から図13においては、いずれもコーティング組成物200が乾燥されコーティング膜103を形成している状態を示している。本実施の形態において、被コーティング物である樹脂製部品は、カバー1230である。
この実施の形態1のコーティング組成物200は、乾燥された状態において、シリカ微粒子101から成る親水性を示すシリカ膜104中に疎水性を示すフッ素樹脂粒子102が点在し、シリカ膜104から全部でなく部分的に露出した構成のコーティング膜103が形成されるものである。
シリカ(SiO)は、地殻の約60%を占める珪素の酸化物であり、主として珪砂を原料として化学的に反応させて、多孔質で大きな表面積構造を持つ合成シリカを作り出すことにより各種分野における優れた特性を生み出す。その化学的な安定性と共に広い分野で脚光を浴びている。
このコーティング組成物200は、シリカ微粒子101が分散された水(分散液)と、フッ素樹脂粒子102が分散された水(分散液)とを混合することによって得られるもので、コーティング膜103が形成される前は水分中にシリカ微粒子101やフッ素樹脂粒子102が分散された液の状態であり、物品表面にその分散液(コーティング溶液)を塗布したり、物品をその分散液中に浸漬させたりした後で、乾燥させ水分を除去することにより、コーティング膜103が物品表面に形成されるものである。コーティング膜103におけるシリカ膜104は、珪素Siと酸素Oの結合が続き、表面にOH基を有する膜となる。
なお、ここでは、図12に示すように、コーティング組成物200により物品表面に形成された被覆層をコーティング膜103と呼ぶ。コーティング膜103は、シリカ微粒子101から成るシリカ膜104中にフッ素樹脂粒子102が点在するとともに、フッ素樹脂粒子102がシリカ膜104の表面から全部でなく部分的に露出されている状態となっているものである。また、ここでは基本的にコーティング組成物200は、上記した分散液の状態である一般的にコーティング溶液と呼ばれている状態を指すものとする。
このコーティング組成物200に用いるシリカ微粒子101の平均粒径(平均粒子径)は、光散乱法により測定した場合、15nm以下、好ましくは4〜12nmのものとする。粒径は光散乱法により測定できる。このように極めて小さい平均粒径を有するシリカ微粒子101は、水に分散したコーティング溶液の状態では、水と接している全表面部分が平衡して水に半ば溶解した状態になっており(接する表面部分が水とシリカの中間的性質の物質となっており)、コーティング組成物200が乾燥されると、この半ば溶解した状態のシリカ成分が、シリカ微粒子101同士をつなぐバインダー(粒子を固める結合剤)として働くため、特別なバインダーを添加しなくとも、乾燥後にはシリカ微粒子101同士が凝集し固化し易くなる。そのため、クラックが入りにくいなど強度的に優れたシリカ膜104、そしてコーティング膜103を得ることができる。
平均粒径が4〜15nmの範囲内にあるシリカ微粒子101では、1つのシリカ微粒子101について、シリカ微粒子101重量のおおよそ15〜30%の重量に相当する表面部分が、コーティング溶液において、半ば水に溶解した状態となっている。しかし、平均粒径が15nmを超えるシリカ粒子の場合、平均粒径が大きくなるほど、シリカ微粒子101の重量に対するコーティング溶液における水に半ば溶解した状態のシリカ成分の重量は少なくなり、バインダーとしての作用が得られなくなってくるため、形成されるコーティング膜103が十分な強度を有さず、クラックが入り易いなどコーティング膜103としては好ましくない。そのため、別途バインダーを添加する必要が生じてくる。
逆に、平均粒径が4nm未満のシリカ粒子の場合では、コーティング溶液において、半ば水に溶解した状態のシリカ成分の割合が高くなりすぎて、コーティング溶液中でシリカ粒子同士が凝集してしまうなど、コーティング組成物200としての安定性が得られなくなる。また、乾燥後に形成されるシリカ膜104(コーティング膜103)の強度や後述する防汚性能も所望のものが得られなくなる。
また、シリカ微粒子101の粒径は、形成されるコーティング膜103の透明性などの外観特性にも影響を与える。平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103により反射する光の散乱が小さくなるため、コーティング膜103の透明性が向上し、被コーティング物の色調や風合いの変化を抑え、被コーティング物の色調や風合いを損なわないようにすることができる。すなわち、カバー1230の光学性能と意匠性とを損なわないコーティング膜103を形成することができる。
また、シリカ微粒子101として、平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101を使用することで、得られるコーティング膜103中のシリカ膜104が、緻密ではありながらシリカ微粒子101間に微細な空隙を有するものとなる。シリケートやゾルゲル法などで形成する微粒子を用いない従来から一般的なシリカ膜や、可溶性の有機や無機物からなるバインダーが添加されたシリカ膜と比較して、本実施の形態のシリカ膜104は、薄く形成でき、またシリカ粒子によるシリカ膜104表面の凹凸を小さくして平滑に形成することができるので、汚損物質が引っ掛かったりせず、防汚性能が高められる。
コーティング組成物200におけるシリカ微粒子101の含有量は、コーティング組成物200に対して0.1〜5重量%としており、好ましくは0.3〜2.5重量%とする。この範囲の含有量(濃度)のコーティング組成物200を用い、浸漬やかけ塗りなどで被コーティング物(例えば、樹脂製部品)の表面に液膜を形成し、余剰のコーティング溶液を流し去ったり、強制的に排除したりして乾燥させる方法でコーティングを行うと、形成されるコーティング膜103の厚さは50〜500nm程度となり、シリカ膜104が凹凸のない均一な厚さとすることができ、被コーティング物表面の色調や風合いを損なうことがないコーティング膜103を形成することができる。
シリカ微粒子101の含有量が0.1重量%未満であると、シリカ膜104が薄くなりすぎて部分的な欠損が生じ、被コーティング物の表面にコーティングできていない部分が発生してしまうといった不具合が起こることがあり、コーティング組成物200としては適さないものとなってしまう。
一方、シリカ微粒子101の含有量が5重量%を超えると、シリカ膜104が厚くなりすぎて白濁膜となってしまい、被コーティング物表面の色調や風合いを損なうことになる。また、シリカ微粒子101自体の重量割合が大きいため、上記したコーティング溶液中の半ば水に溶解したシリカ成分によるバインダー作用が得難くなり、乾燥後のシリカ微粒子101同士の固化状態が弱くなって、シリカ膜104にクラックが入り易くなったり、剥離し易くなったりと強度的に劣るようになる。
次に、このコーティング組成物200に用いられるフッ素樹脂粒子102について説明する。コーティング膜103において、シリカ膜104中に点在し、シリカ膜104から全部でなく部分的に露出しているフッ素樹脂粒子102の平均粒径(平均粒子径)は、50〜500nm、好ましくは100〜250nmであるものを用いる。粒径の測定は、光散乱法により可能である。このような範囲の粒径のものを使用することで、シリカ膜104の厚さよりも大きい粒径となり、形成されるコーティング膜103において、フッ素樹脂粒子102がシリカ膜104中に適度に分散し易く、コーティング膜103の表面に(シリカ膜104表面から)フッ素樹脂粒子102の部分的な露出がされ易くなり、所望するコーティング膜103の状態が得られるようになる。
かかる平均粒径が50nm未満のフッ素樹脂粒子102であると、コーティング溶液において、フッ素樹脂粒子102同士が凝集、合一してしまうなど性状の安定性が得られなくなる。また形成されるコーティング膜103において、フッ素樹脂粒子102がシリカ膜104の表面から露出し難くなり、後述する防汚性能が得られないことにもなる。
一方、平均粒径が500nmを超えるフッ素樹脂粒子102であると、形成されるコーティング膜103において、シリカ膜104の表面から露出するフッ素樹脂粒子102部分が大きくなる。そのようになると、コーティング膜103の表面に疎水性を示す部分の領域が大きくなりすぎ、後述する防汚性能が得られないことになる。またコーティング膜103表面の凹凸が大きくなりすぎ、汚損物質(汚れ)が引っかかり易くなって、付着した汚損物質が除去され難くなる。
このコーティング組成物200が乾燥して被コーティング物の表面に形成されるコーティング膜103において、シリカ膜104の厚さは、フッ素樹脂粒子102の平均粒径よりも小さいものである。シリカ膜104の厚さをフッ素樹脂粒子102の平均粒径よりも薄く管理することで、形成されるコーティング膜103において、フッ素樹脂粒子102がシリカ膜104中に適度に分散して点在し、シリカ膜104の表面から全部でなく部分的に露出し易くなり、所望するコーティング膜103の状態が得られる。
例えば、平均粒径が150nmのフッ素樹脂粒子102を使用する場合では、シリカ膜104の厚さを100nm未満に管理する。すなわち、シリカ膜104の厚さをフッ素樹脂粒子102の平均粒径の2/3未満とするのである。このように、シリカ膜104を100nmより薄い薄膜に形成するためには、被コーティング物の表面でシリカ微粒子101が固化する以前に、強い気流で被コーティング物の表面のコーティング溶液をブローするとよい。このときのブロー速度やブロー時間、ブロー温度などの因子を調整することにより、シリカ膜104の厚さを管理することが可能となる。
コーティング組成物200におけるシリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比(シリカ微粒子101の重量:フッ素樹脂粒子102の重量)は、50:50〜95:5としており、好ましくは75:25とする。このような範囲の重量比であれば、シリカ微粒子101(シリカ膜104)による親水性領域と、フッ素樹脂粒子102による疎水性領域とがバランスよく混在するコーティング膜103が常温での乾燥により得られる。この親水性領域と疎水性領域のバランスがよいことが、後述する防汚性能に影響する。
ただし、シリカ微粒子101のみを用いて純粋なシリカ膜104を形成した場合にも、防汚効果はかなり制限されるものの、油煙のような疎水性粒子を遠ざける効果および表面の静電気力や分子間力を低下させる効果を有し、コーティングを施さない場合に比べて、汚れ耐力が向上する。
これより、このコーティング組成物200によって形成されるコーティング膜103による防汚性能(防汚特性)について説明する。汚れとは、物品の表面に汚損物質が付着し、それが除去されずに物品表面に固着してしまうことである。そのため、汚損物質が物品の表面に固着しないようにする、またもし物品表面に汚損物質が付着したとしても、汚損物質が表面に固着することなく表面から容易に除去されることが、物品表面の汚れを防止することとなる。
このように、汚損物質が表面に固着し難い特性、また仮に汚損物質が付着したとしても、表面に固着することなく表面から容易に離脱できる(除去される)特性を、「防汚性能」と呼ぶものとする。物品表面をコーティングすることで、物品表面がこの防汚性能に優れた状態にできるコーティング組成物200(コーティング膜103)を防汚性能が高い、もしくは防汚性能に優れたコーティング組成物200(コーティング膜103)と表現するものとする。なおここにおいて、付着とは、単純に表面に載っている状態も含めて、その後にその表面から比較的容易に除去できる状態を指し、固着とは、表面から容易には除去できない状態を指すものとして、区別して使用する。
汚れを生じさせる汚損物質には、親水性汚損物質105と疎水性汚損物質106がある。親水性汚損物質105は、親水性を示す部分に付着し易く、疎水性を示す部分には付着し難い。そして、疎水性汚損物質106はその逆となる。親水性汚損物質105は、例えば、砂塵やホコリなどであり、親水性汚損物質105と物品表面の親水性部分にそれぞれ存在する親水基(OH基)同士による静電的な結合により、もしくは、親水性汚損物質105と物品表面の親水性部分が近接することによる分子間力により、または、水などの液が介在して液架橋により、物品表面(コーティング膜103表面も含む)の親水性部分に付着する。
空気中に浮遊している親水性汚損物質105である砂塵は、大きさが数μm〜数十μmの微小な粒子である。また、同じく親水性汚損物質105であるホコリは、砂塵よりはるかに大きなもので、0.1mm〜5mmの大きさがある。このような親水性汚損物質105が、上記のような作用で物品表面の親水性部分に固着するためには、親水性汚損物質105と物品表面の親水性部分とが十分に密着できる(接触できる)だけの親水性部分の面積が存在しなければならない。
しかし、この実施の形態のコーティング組成物200により形成されるコーティング膜103は、親水性を示すシリカ膜104に疎水性を示すフッ素樹脂粒子102が適度に分散して点在しているため、砂塵をはじめとして親水性汚損物質105が安定して密着できるだけの連続した面積を有するシリカ膜104表面がほとんど存在しない。コーティング膜103の上に付着した親水性汚損物質105は、シリカ膜104から突出(露出)しているフッ素樹脂粒子102の表面の疎水性により、もしくは、突出しているフッ素樹脂粒子102の物理的な阻害により、シリカ膜104の表面とは十分に密着できない。このため、親水性汚損物質105は、容易に離脱してコーティング膜103に固着しない。
また、シリカ膜104は、シリカ微粒子101から成るもの(バインダーの役目もシリカ微粒子101のシリカ成分が担っている)でシリカ微粒子101間に微細な空隙を有する多孔性の膜であるため密度が小さく、仮に親水性汚損物質105が近接しても、分子間力が小さく親水性汚損物質105を固着させ難い。
さらに、シリカ微粒子101間に微細な空隙を有する多孔性のシリカ膜104であるため、仮に水などによる液架橋が生じた場合にも、親水性汚損物質105とシリカ膜104表面間の水が、シリカ膜104の微細な空隙を通して除去され、液架橋が消失されるので、液架橋により親水性汚損物質105が固着することもない。
このように、このコーティング組成物200により形成されるコーティング膜103は、親水性汚損物質105に対して、優れた防汚性能を発揮する。
コーティング組成物200におけるシリカ微粒子101の量が、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比で95:5より多くなれば、コーティング膜103におけるシリカ膜104中に点在するフッ素樹脂粒子102の間隔が大きくなり、シリカ膜104に微小な砂塵など大きさが小さい親水性汚損物質105が安定して固着できる面積を有する露出表面部分が出現してしまい、親水性汚損物質105がシリカ膜104表面に固着する可能性が生ずる。コーティング組成物200におけるシリカ微粒子101の量が、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比で100:0としても疎水性汚れに対する少量の効果は期待できる。
一方で、点在するフッ素樹脂粒子102の間隔が大きく、フッ素樹脂粒子102に遮断されずに連続するシリカ膜104が広いと、シリカ膜104表面の吸湿性が向上することにより、コーティング膜103に帯電する電荷が漏洩し易くなるので、コーティング膜103表面の帯電を効率よく抑制できるという利点がある。物品表面が帯電すると、親水性、疎水性に関係なく空気中の汚損物質である微細な浮遊粒子が静電引力で引きつけられて物品表面に付着し易くなる。
このコーティング組成物200では、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比を50:50〜95:5としているので、この範囲のコーティング組成物200で形成されるコーティング膜103のシリカ膜104においては、帯電を抑制できる連続性を有し、すなわちシリカ膜104が電荷を漏洩できる程度の連続する面積を有するような適度な間隔でフッ素樹脂粒子102が点在し、帯電による浮遊粒子(汚損物質)の付着を防ぐ効果がある。コーティング組成物200で物品表面をコーティングし、表面にコーティング膜103を形成することで、静電気に由来する汚れも防止することができるのである。
コーティング組成物3におけるシリカ微粒子101の量が、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比で50:50より少なくなれば、シリカ膜104中にフッ素樹脂粒子102が点在する間隔が狭くなり、上記のような連続するシリカ膜104による帯電の抑制効果、それにより静電気に由来する汚れが防止できる効果を得難くなり、防汚性能が劣ってくる。
もう一つの汚損物質である疎水性汚損物質106は、油煙、カーボン、煤、煙草のヤニなどであり、汚れの原因となるものはこれらの中で微粒子として空気中に浮遊しているものである。その粒子径が5μm以下、多くは0.1〜0.3μmと親水性汚損物質105に比べて小さいものである。疎水性汚損物質106は、親水性を示す表面部分に対しては、表面に親水基や吸着した水分が存在するため、固着し難く、疎水性を示す表面部分には、固着し易い。このような疎水性汚損物質106が、物品表面に固着するのは、疎水性汚損物質106が疎水性を示す表面部分と密着することで生じる分子間力によるためである。
このコーティング組成物200において疎水性を示すものは、上記の通り平均粒径が50〜500nmのフッ素樹脂粒子102である。フッ素樹脂粒子102は、物品表面で形成されるコーティング膜103においては、変形や合一により、単体の粒径よりも大きくなることも起こり得るが、汚れの原因となる疎水性汚損物質106の大きさと比べて同等か小さく、疎水性を示す表面部分を有するフッ素樹脂粒子102には、疎水性汚損物質106が、十分に密着できる面積が存在しない場合が多い。
このような場合、互いに固着させるような分子間力が作用せず、疎水性汚損物質106は疎水性を示すフッ素樹脂粒子102に対して固着し難くなる。当然、疎水性汚損物質106は親水性を示すシリカ膜104には固着しないので、コーティング膜103は疎水性汚損物質106に対しても高い防汚性能を発揮する。
上記のようなフッ素樹脂粒子102の大きさ(粒径)が、疎水性汚損物質106の大きさに比べて同等か小さいことにより、疎水性汚損物質106がコーティング膜103のフッ素樹脂粒子102に十分に密着できずに固着に到る分子間力が作用しない、ということだけでは、疎水性汚損物質106が部分的にフッ素樹脂粒子102に密着し、分子間力の作用により部分的には固着する可能性がある。また、疎水性汚損物質106の方がフッ素樹脂粒子102よりも小さい場合もあり、互いが十分に密着できる面積がフッ素樹脂粒子102に存在することも起こり得る。
しかし、このコーティング膜103は、上記以外にも疎水性汚損物質106をフッ素樹脂粒子102に固着させない他の作用を有しており、そのような部分的な固着、小さい疎水性汚損物質106の固着さえも起こり難くしている。その作用について、以下に説明する。
このコーティング組成物200のフッ素樹脂粒子102は、フッ素樹脂の重合時や水への分散液の状態、およびシリカ微粒子101の分散液と混合されたコーティング溶液の状態において、添加される界面活性剤により表面が親水性を示す状態になっている。乾燥されコーティング膜103となった場合には、界面活性剤は剥離して、フッ素樹脂粒子102の表面は疎水性を示すようになるが、コーティング溶液中には、シリカ微粒子101が共存しているため、乾燥後に形成されるコーティング膜103のフッ素樹脂粒子102表面には、フッ素樹脂粒子102より粒径の小さいシリカ微粒子101がまばらに付着した状態になる。
このように、フッ素樹脂粒子102の表面に親水基を有する(親水性を示す)シリカ微粒子101が散らばって付着しているために、フッ素樹脂粒子102の表面には疎水性汚損物質106の部分的な固着も、またフッ素樹脂粒子102よりも小さい疎水性汚損物質106の固着も起こり難いのである。フッ素樹脂粒子102の表面に部分的に親水基が導入されることで、フッ素樹脂粒子102と疎水性汚損物質106との密着を抑制する効果が得られるのである。そして、フッ素樹脂粒子102の表面に疎水性汚損物質106が付着しても、シリカ微粒子101が散らばって付着しているので、その付着は不安定で、容易に離脱できる。
一方で、そのようにシリカ微粒子101がまばらに付着しているフッ素樹脂粒子102の表面であっても、シリカ微粒子101の大きさに比べるとはるかに大きい親水性汚損物質105に対しては、十分な疎水性としての効果を発揮し、親水性汚損物質105がフッ素樹脂粒子102の表面に固着することはない。また、フッ素樹脂粒子102は、柔軟な表面を有するが、このようにシリカ微粒子101がまばらに付着することで、フッ素樹脂粒子102の表面が硬くなり、疎水性汚損物質106が密着し難くなる効果も得られる。
また、フッ素樹脂自体が、従来からフッ素樹脂コーティングで知られているように、非常に表面エネルギーが小さく摩擦係数が低いため、疎水性を示すばかりでなく、撥油性も有しており、他の疎水性を示す樹脂に比べて、疎水性汚損物質106の固着が起こり難い性質を備える。その点も、疎水性汚損物質106がフッ素樹脂粒子102に固着しない作用効果の一つである。
このように、このコーティング組成物200により形成されるコーティング膜103は、疎水性汚損物質106に対しても、優れた防汚性能を発揮する。
コーティング組成物200におけるフッ素樹脂粒子102の量が、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比で50:50より多くなると、コーティング膜103において露出するフッ素樹脂粒子102の疎水性を呈する部分の表面積が大きくなりすぎ、疎水性汚損物質106のコーティング膜103への固着が増す傾向が見られるようになる。そして、多数のフッ素樹脂粒子102の存在により、それらの一部が合一するなどして、コーティング膜103が白濁して、被コーティング物の表面の色調や風合いを損なうようになる。また、フッ素樹脂粒子102が合一すると、シリカ膜104の連続性が阻害されることにもなる。
なお、シリカ膜104の厚さをフッ素樹脂粒子102の粒径よりも大きく(厚く)した場合には、親水性を呈するシリカ膜104がコーティング膜103の表面として広く露出することになり、親水性汚損物質105に対する防汚性能が劣る。さらに、フッ素樹脂粒子102のシリカ膜104中への分散が阻害され、フッ素樹脂粒子102がシリカ膜104から分離してシリカ膜104表面に析出し、フッ素樹脂粒子102同士が合一して塊となってしまい、その部分で局所的に親水性が悪化したり、疎水性汚損物質106が固着したりすることが起こり得る。そのため、上記したようにシリカ膜104の厚さは、フッ素樹脂粒子102の平均粒径よりも小さく(薄く)して、フッ素樹脂粒子102が、シリカ膜104中に適度に分散され、それぞれのフッ素樹脂粒子102がシリカ膜104から全部ではなく部分的に露出できるようにする。
このコーティング組成物200におけるフッ素樹脂粒子102としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体),PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVF(ポリフッ化ビニル)などや、これらの共重合体もしくは混合物、またはこれらに他の樹脂を混合したものが使用できる。
フッ素樹脂粒子102は、コーティング組成物200が製造される前に水に分散した分散液の状態である必要がある。分散させる方法は、懸濁重合や乳化重合により重合したフッ素樹脂粒子102を用い、界面活性剤を利用することで可能となる。水に分散した状態においては、フッ素樹脂粒子102の表面は疎水性が低い状態となっているが、これらが乾燥され固形物(コーティング膜103)となった状態にて、表面が疎水性を示すようになればよい。使用するフッ素樹脂としては上記の中で特に、PTFEとFEPが、分散液やコーティング溶液において凝集しないといった安定性に優れている点、また乾燥されコーティング膜103となった時の疎水性が高い点から好ましい。
以上のように、このコーティング組成物200により物品表面に形成されるコーティング膜103は、親水性汚損物質105と疎水性汚損物質106の両方とも固着させず、また付着しても容易に離脱させることができるので、優れた防汚性能と剥離性を発揮して、コーティングされた表面の汚れを防止することができる。後述する実施例(実験結果)においても、この実施の形態によるコーティング組成物200の防汚性能が優れていることが証明されている。
この実施の形態のコーティング組成物200の製造方法は、特に制限されることはないが、シリカ微粒子101の分散液と、フッ素樹脂粒子102の分散液と、を混合することによって容易に製造することができる。ここで、シリカ微粒子101の分散液は、15nm以下の平均粒径を有するシリカ微粒子101が水に分散されたもの、例えば、市販のコロイダルシリカを用いることができる。シリカ微粒子101の分散液では、分散液中のシリカ微粒子101の体積比率が、20%以下であることが好ましい。体積比率が20%を超えると、シリカ微粒子101が凝集するなど分散液の安定性が低下してしまうことがあるためである。
また、フッ素樹脂粒子102の分散液は、500nm以下の平均粒径を有するフッ素樹脂粒子102が水に分散されたもの、例えば、PTFEディスパージョンを用いることができる。なお、疎水性のフッ素樹脂粒子102をコーティング組成物200に凝集することなく均一に分散させるために、界面活性剤を加えてもよい。なお、どちらの分散液においても極性溶媒は水に限定されるものではない。
それぞれの分散液に使用される水は、特に制限されることはないが、シリカ微粒子101やフッ素樹脂粒子102が凝集することなく分散して安定するために、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどのイオン性不純物が少ないものがよい。2価以上のイオン性不純物が200ppm以下であることが望ましく、より望ましくは50ppm以下である。2価以上のイオン性不純物が多くなると、シリカ微粒子101やフッ素樹脂粒子102が凝集して沈殿したり、形成されるコーティング膜103の強度や透明性が低下したりする恐れが生じる。
このコーティング組成物200は、有機溶剤を含まないので、安全で環境にやさしいものである。また、上記のように市販されている分散液を混合するだけで製造できるので、容易に低コストで製造できる利点がある。また、照明装置のカバーに多様されるポリカーボネート(PC)は、有機溶剤などが接触することにより、クレージングなどの表面劣化を起こしやすいが、このコーティング組成物200は、有機溶剤を含まないので、被コーティング物である樹脂製部品がポリカーボネート(PC)である場合であっても、劣化を起こすことなくコーティングすることができる。
ただし、コーティング組成物200は、疎水性のフッ素樹脂粒子102の安定性確保や、被コーティング物品の材質に応じて、形成されるコーティング膜103の密着性向上やコーティング膜103の親水性の調整を図る観点から、界面活性剤や有機溶剤を添加してもよい。また、コーティング組成物200には、形成されるコーティング膜103の密着性や透明性、強度の向上、さらにはコーティング膜103の親水性の調整目的でカップリング剤やシラン化合物を添加してもよい。
ここで、このコーティング組成物200に使用可能な界面活性剤としては、各種のアニオン系またはノニオン系の界面活性剤が挙げられる。かかる界面活性剤の中でも、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックポリマーやポリカルボン酸型アニオン系界面活性剤などが、起泡性が低く使用し易いので好ましい。
また、このコーティング組成物200に使用可能な有機溶剤としては、各種のアルコール系、グリコール系、エステル系、エーテル系などのものが挙げられる。
また、このコーティング組成物200に使用可能なカップリング剤としては、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ系、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのメタクリロキシ系やメルカプト系、スルフィド系、ビニル系、ウレイド系などが挙げられる。
また、このコーティング組成物200に使用可能なシラン化合物としては、トリフルオロプロピルトリメトキシランやメチルトリクロロシランなどのハロゲン含有物、ジメチルジメトキシシランやメチルトリメトキシシランなどのアルキル基含有物、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンなどのシラザン化合物、メチルメトキシシロキサンなどのオリゴマーなどが挙げられる。
以上の添加剤の含有量は、このコーティング組成物200の防汚性能や初期親水性、長期の親水持続性および密着性を損なわない範囲であれば、特に制限されることはなく、選択した添加剤に応じて適宜調整すればよい。
この実施の形態のコーティング組成物200の物品表面へのコーティング方法としては、特に制限されることはなく、従来から公知の方法を用いて行うことが可能であるが、コーティング組成物200を被コーティング物品表面に浸漬、スプレーもしくはかけ塗りなどの方法で塗付した後、過剰なコーティング組成物200を気流で除去する方法が望ましい。過剰なコーティング組成物200が物品表面に滞留してしまうと、液だれしたり、その部分に形成されるコーティング膜103が厚くなったりして、白濁して被コーティング物の色調や風合いを損なったりする恐れがある。気流を用いることで、乾燥が促進される効果も得られ、シリカ膜104中にフッ素樹脂粒子102が適度に点在した良好なコーティング膜103が得られるという利点もある。ただし、下地が撥水性の高い樹脂の場合には、強い気流ではコーティング液が飛んでしまうため、適宜、弱い気流または静置乾燥によりコーティングを固着させてもよい。
これまで、シリカ微粒子101膜をベースにフッ素樹脂粒子102を分散させたコーティング組成物200の防汚性能について述べてきたが、以下、高い親水性による水滴成長の抑制と乾燥速度について説明する。図14は水滴50の接触角θについて説明するための模式図である。
ここで接触角θとは、樹脂表面に付着した水滴50の樹脂表面と接する部分における接線TLが、樹脂表面となす角度のことである。接触角θが小さいほど、すなわち0度に近づくほど、付着する水滴50が樹脂表面に平たく広がるようになり、水滴が成長しにくく、乾燥しやすい。そして、親水性が高いとは、付着する水滴50が広がり易いことを意味し、すなわち、接触角θが小さい(0度に近づく)ほど、親水性が高い、もしくは親水性に優れることになる。図14において、(a)に示す水滴50よりも(b)に示す水滴50の方が、接触角θが小さい。
被コーティング物は、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PP(ポリプロピレン)といった汎用の樹脂材料が用いられることが多い。これらの樹脂の接触角は少なくとも50度以上、一般には80度前後であり、撥水面である。従って接触角θが大きいために、その水滴50は水滴として存在する時間が長くなり、更に水分が付着した場合に、水滴が大きく成長することになり、やがては落下してしまう。最悪の場合、照明空間へ水滴が滴下する。また、光学機能部品に水滴が付着すると、光の透過、拡散、反射といった光学特性を変化させてしまう。そして、水滴の保持時間が長いとカビの成長速度が上がり、周辺の汚れや空気を媒体として黒カビや青カビが樹脂部を覆うこととなる。なお、本実施の形態における被コーティング物であるカバー1230は、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)といった透光性の材料が用いられる。
本実施の形態において、コーティング組成物200を塗布した被コーティング物107(被コーティング樹脂)は、微視的には親水性と疎水性の両方の性質を備えるが、親水性のシリカ微粒子101から成る高い親水性のシリカ膜104をベースとして、シリカ膜104中にフッ素樹脂粒子102がシリカ膜104の表面から部分的に露出するように点在して成り、シリカ膜104の露出面積がフッ素樹脂粒子102の露出面積よりも大きいため、連続して繋がったシリカの効果によって、全体としては高い親水性を示す。具体的な静的接触角を測定したところ、約10〜20度を示し、高い親水性を有する。従って、接触角が80度前後である、従来のコーティング組成物200を施さない樹脂に比べて、水を押し広げて水滴成長を抑制できて水滴の飛散を防止できることはもちろん、押し広げることで空気に触れる表面積が広がり乾燥する速度も向上する。従って、樹脂表面に水分が存在する時間が短くなり、カビの繁殖も抑制できる。
4〜15nmという非常に小さなシリカ微粒子101が連続して繋がっていることにより、その他の有機系親水コーティング、例えば、アクリルやポリエーテルやポリビニルアルコールのようなコーティングと比較しても、2桁程度短い時間で水滴50がつぶれて押し広げられた。シリカ微粒子101と分散させたフッ素樹脂粒子102を用いたコーティングは、非常に高い親水性を付与すると同時に、親水性・疎水性いずれの性質の汚れ物質に対しても非常に高い防汚性能を有して、効果的に露飛びの発生とカビの発生を抑制することができる。
これまで、シリカ微粒子101膜をベースにフッ素樹脂粒子102を分散させたコーティング組成物200の親水性について述べてきたが、以下、被コーティング物である樹脂材料との密着性について説明する。前述のように被コーティング物は、ポリカーボネート(PC)、アクリル(PMMA)、PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PP(ポリプロピレン)といった汎用の樹脂材料が用いられている。また、ASG(ガラス入りアクリロニトリルスチレン)が用いられている。なお、本実施の形態における被コーティング物であるカバー1230は、前述のように透光性の材料が用いられる。
ところが、親水性と防汚性とを両立できるコーティング組成物200は有機溶剤などを使用しない安全なコーティングである一方、無機による構成であるので、金属材料などへの密着性は良好であるが、有機樹脂への密着性が悪いという課題がある。また、これらの樹脂は撥水面であるため、水系コーティング自体が一様に付着しない。従って、被コーティング部位である有機樹脂上に水系の無機分散コーティング溶液を塗布しても、部分的に膜が付着していなかったり、長期の使用においては自然に剥がれたりしてしまう。また、拭き掃除などでこすった場合にも剥がれやすくなる。
従来、コーティングの密着性を向上するために種々の方法がとられている。例えば、物品表面に予め、コロナ処理、UV処理などの前処理を施す方法である。これにより樹脂の表面が改質され、相性の悪いコーティング材であっても密着性が向上する。
図15にプライマー処理を用いた従来のコーティングを示す。被コーティング物107(被コーティング樹脂)の上に下塗り接着材であるプライマー層110を予め樹脂(被コーティング物107(被コーティング樹脂))表面に塗っておき、その上から本実施の形態のコーティングを施す2段階塗布方法もある。プライマー層110としては、例えばポリオレフィン層などを用いて好適であり、密着性の向上と平坦性の向上が得られる。
ただし、これらのコロナ処理やUV処理やプライマー二層処理を行う場合、大掛かりな設備が必要であったり、処理時間がかかったり、コストが増大する課題があり、量産性が必要な製品には向かない。そこで、本実施の形態では最も簡便で低コストで量産に適合する方法として、コーティング溶液にラジカル発生材111または過酸化物112を微量添加した。
ここで、ラジカル発生材111を、一般に分子を繋げるラジカル重合に用いられ、およそ60℃以上の熱により分解作用を示すものと定義する。ラジカル重合は高分子化学における重合反応の形式の一種であり、ラジカルを反応中心としてポリマー鎖が伸張していく反応である。ラジカル発生材111には、熱分解するBPO(ベンゾイルパーオキサイド;油溶性)、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、AVCA(4,4−Azobis(4−cyanovaleric Acid))などがある。例えば、ラジカル重合の例として、エチレンの重合によるポリエチレン生成がある。ラジカル重合の開始剤となるフリーラジカルを発生させるための反応は、BPOやAIBNを光もしくは加熱により分解し、下式のように酸素を断ち切ったり、2重結合を断ち切ったりして、ラジカルを生じさせる。
RO−OR → 2RO・
R2(NC)C−N=N−C(CN)R2 → 2 R2(NC)C・+N2
また、過酸化物112は、以下の物の略称または別称であり、ここでは水溶性を示して、常温で自己分解作用があるものと定義する。通常は酸化剤や漂白剤として使用されるものであるが、コーティング用途では用いられない。無機化合物では主に、形式的に過酸化水素の金属塩の化学式をとる無機過酸化物112、またはオキソ酸のヒドロキシ基 (−OH) をヒドロペルオキシド基 (−O−OH) に置き換えた構造を持つ物質が過酸化物112と呼ばれる。また、有機化合物では主に、官能基としてペルオキシド構造 (−O−O−) を有する化合物、または官能基として過カルボン酸構造 (−C(=O)−O−O−) を有する化合物が過酸化物112と呼ばれる。過酸化水素が最も一般的である。
本来のラジカル発生材111は、単体の分子を重合させる材料であり、過酸化物112は酸化剤や漂白剤として利用される材料であるが、下地の樹脂に対応する適切なラジカル発生材111または過酸化物112を選ぶことによって、PC(ポリカーボネート)、PMMA(アクリル樹脂)、PS(ポリスチレン)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ASG(ガラス入りアクリロニトリルスチレン)、といった汎用の有機樹脂と、シリカ微粒子101膜およびフッ素樹脂粒子102の分散液を原料として形成された無機系コーティング組成物200との密着性を向上する効果があることを発見するに至った。
図16にラジカル発生材111または過酸化物112を添加した実施の形態1のコーティングを示す。コーティング膜103中にラジカル発生材111または過酸化物112が分散されている。コーティング溶液にラジカル発生材111または過酸化物112を微量添加することによって、コーティング溶液は撥水性の高い樹脂上であってもはじかれにくくなり、塗布しやすくなる。また、ラジカル発生材111または過酸化物112が熱による分解や時間に連れて自己分解するにつれて、特に下地の被コーティング物107(被コーティング樹脂)とシリカ膜104の界面近傍で、フッ素樹脂分散液(ディスパージョンとも呼ぶ)に含まれていたモノマー成分や界面活性剤が反応起点となって、シリカの凝集形態変化や下地の被コーティング物107(被コーティング樹脂)とシリカ膜104の接着効果を及ぼし、密着性を上げることができる。これらは、樹脂分散液と反応材料(ラジカル発生材111または過酸化物112)のどちらかがなくても成立しない。
ABSやASGを下地に用いた場合、難水溶性の熱ラジカルであるBPOを添加したときに、密着性が向上する。室温放置でも密着性の向上効果はあるが、熱ラジカルであるために60度以上のような熱をかけることで更に効果が高まる。BPOの添加量はコーティング溶液全体の0.05%〜5%程度として好適であり効果が確認された。PC、PMMA、PSやPPを用いた場合は水溶性の過酸化物112である過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム、過酸化水素を添加したときに、密着性が向上する。過酸化物112であるために室温放置でも自己分解作用により密着性の向上効果を示すが、分解が効率よく起こるので60度のような熱をかけることで更に効果が高まる。過酸化物112の添加量はコーティング溶液全体の0.05%〜5%程度として好適であり、効果が確認された。ラジカル発生材111や過酸化物112は熱や時間と共に分解消失して、周囲物に反応を及ぼして分離/変性する効果を及ぼす。詳細は後述する実施例で述べる。
ラジカル発生材111か過酸化物112を用いることで、コロナ処理やUV処理やプライマー二層処理(接着層)のように大掛かりな設備を必要とせず、また、一層コート以外の複数塗布工程を必要としないため、安価なコストで密着性が高く剥がれにくい、無機のコーティング組成物200を有機樹脂上に簡単に塗布することが可能となる。
なお、この実施の形態のコーティング組成物200は、様々な物品の表面をコーティングすることができる。適用される物品としては、特に限定されることはないが、防汚性能に優れているので、使用場所が室内外に関らず、ホコリ、粉塵、砂塵、油煙、カーボン、煤、煙草のヤニなどの様々な汚れ(親水性汚損物質105や疎水性汚損物質106)が固着する恐れがある各種物品が挙げられる。
また、初期の親水性および長期の親水持続性に優れるため、日常的に水に触れるもの、水をすくうもの、水に曝されるもの、表面に付着した水を排出するものへの適用にすると、防汚の効果だけでなく、高い親水性、排水性の効果も得られるので都合がよい。具体的な例としては、手についた水を飛ばすハンドドライヤー、貯めた水を平板ですくうディスク式加湿器、蒸気や油煙を吸い込む換気扇、トイレの便器、車の外塗装やミラー、車や建物の窓ガラス、浴室や洗面所の鏡、ガードミラー、建物の外壁や屋根、食器や台所用品や洗面用品などが挙げられる。
また、下地の樹脂としてPC、PMMA、PS、PP、ABS、ASGを例にとり、添加するラジカル発生材111としてBPO、過酸化物112として過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム、過酸化水素を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、各種有機物で構成された樹脂上に無機物のコーティングを施す場合に、長期の密着性をあげるためにラジカル発生材111か過酸化物112を添加する手段は有用である。密着性と同時に本実施の形態のコーティングを施すことで親水性と防汚性が得られる。
以下、具体的な実施例を示すことにより、この実施の形態のコーティング組成物200の防汚性、親水性、密着性の詳細な実験結果および特性を説明する。なお、以下に示す実施例が、この実施の形態の範囲を限定するものではない。コーティングして表面にコーティング膜103を形成する試験対象としては、一般に使用されるPS(ポリスチレン)とABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)を使用した。
実施例1〜7.
実施例1〜7では、純水に平均粒径9nmのシリカ微粒子101を分散したコロイダルシリカ(触媒化成工業株式会社製、pH10)と、平均粒径250nmのフッ素樹脂粒子102を純水に分散したPTFEディスパージョン(旭硝子株式会社製、pH10)とを撹拌混合した後、非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエステル)をさらに加えて撹拌混合することにより、表1に示す組成を有するコーティング組成物を調合した。コーティング組成物中の非イオン系界面活性剤の含有量は、0.05重量%であった。これらで試験片の表面をコーティングした。また、最適なシリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102の重量比を見つけるために、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102の重量比を30:70〜100:0の範囲で変化させた。
比較例1〜3.
比較例1では、コーティング無しのPSであり、シリカもフッ素も含まない。比較例2では、PSに親水塗料として広く用いられる有機系のPVC(ポリビニルアルコール)をコーティングしたものであり、シリカもフッ素も含まない。比較例3では実施例6と同様の重量比でありながら、シリカ微粒子101のコーティング組成物に対する重量比を高めて、すなわち微粒子の濃度を高くしてコーティング組成物200を調合した。図17に詳細を示す。
各例のコーティング組成物200を試験片に塗布し、静置乾燥にて試験片にコーティング膜103を形成し、形成されたコーティング膜103の性状、初期接触角θおよび防汚性能をそれぞれ評価した。ここで、コーティング膜103の性状は、目視観察により評価した。接触角θは、接触角計(協和界面化学株式会社製DM100)により測定した。防汚性能は、親水性汚損物質105である砂塵の固着性、疎水性汚損物質106であるカーボン粉塵の固着性を評価した。
親水性汚損物質105の固着性評価は、1〜3μmを中心粒径とするJIS関東ローム粉塵をエアーでコーティング表面(コーティング膜103)に吹き付けることにより、赤色の関東ローム粉塵の固着による着色を目視観察にて五段階評価した。この評価において、関東ローム粉塵の固着がほとんどないものを1とし、関東ローム粉塵の固着が多いものを5と表記する。また、疎水性汚損物質106の固着性評価は、油系のカーボンブラックをエアーでコーティング表面(コーティング膜103)に吹き付けることにより、黒色のカーボンブラックの固着による着色を目視観察にて五段階評価した。この評価において、カーボンブラックの固着がほとんどないものを1とし、カーボンブラックの固着が多いものを5と表記する。その評価結果を図18に示す。
図18に示す実験結果から、実施例1〜7のコーティング組成物200により形成されたコーティング膜103は、いずれも親水性、疎水性の両方の汚損物質に対して優れた防汚性能を示し、シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との含有量(重量比率)を調整することにより、形成されるコーティング膜103の巨視的な特性(親水性または疎水性)を調整することができた。
本実施の形態のコーティング膜103は連続してつながった親水性のシリカ膜104がベースになっているため、接触角は総じて低い値を示しているが、ミクロ領域(微視的)では、親水性と疎水性が交互にナノレベルで連続して配置される。また、シリカの割合を多くした場合は疎水性汚損物質106の付着を抑制することができ、フッ素の割合を多くした場合は親水性汚損物質105の付着を抑制できることができる。
ただし、フッ素樹脂粒子102の重量比が高い実施例1(シリカ微粒子101の重量:フッ素樹脂粒子102の重量=30:70)では、疎水性汚損物質106に対する防汚性能がやや劣る傾向があることがわかる。また、シリカ微粒子101のみで形成した実施例7(シリカ微粒子101の重量:フッ素樹脂粒子102の重量=100:0)では、フッ素樹脂粒子102による微小凹凸が無いために付着面積が広く、全体としての防汚効果はかなり限定されてしまう。
実施例1〜7のコーティング組成物200では、厚さが均一で薄いコーティング膜103を形成することができた。電子顕微鏡画像からコーティング厚みは100nm程度の薄膜であり、透明な膜を形成できた。実施例6と比較例3を比べれば、同じシリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102の重量比であっても膜の性状は変化することがわかる。シリカ微粒子101の含有量(濃度)が高い(5重量%を超える)場合には、形成されるコーティング膜103は、厚さが不均一で白濁してクラックが入りやすく好ましくない。
親水性と疎水性の両方の汚損物質に対して防汚性能を両立するものとして、シリカ微粒子101に対するフッ素樹脂粒子102の重量比率が、50:50〜85:15である実施例2、3、4、5が特に好ましい。更に詳細には重量比率が75:25である実施例4が最も好ましく、親水性・疎水性の両方の粒子の汚損から効果的に被コーティング物107(被コーティング樹脂)を守れる。シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との含有量(重量比率)を調整することにより、防汚特性の制御が容易である。
一方、比較例1の従来からコーティング無しのPS樹脂では、いずれの汚れも明白に付着して汚損され易い事が示された。絶対値での防汚効果を知るために別途光を透過するPETフィルムに関東ローム砂塵とカーボンブラックを吹き付けて、光透過度から評価を行った。その結果、実施例の4(シリカ微粒子101とフッ素樹脂粒子102との重量比75:25)は、従来のコーティングを施さないPS樹脂である比較例1に比べて、親水性・疎水性の両性ともに約1/10〜1/20程度に付着量を抑制できる。また、一般的な親水塗料であるPVCコーティングを施した比較例2に比べて、親水性・疎水性の両性ともに約1/5〜1/10程度に付着量を抑制できる。
加えて、比較例1のPS樹脂の表面抵抗(体積抵抗率)は約1016Ω・cmと高い値を示すのに対して、実施例1〜7のコーティングの表面抵抗は約1012Ω・cmと低い値を示すため、表面の静電気力が従来のPS樹脂に比べて低くなり、それだけ付着した汚れは剥がれやすい。これは、本実施の形態のコーティングが巨視的には親水性を示すため、表面のOH基によりイオン伝導が促されて電気が通りやすくなるためである。
また、疎水性粒子の代表としてカーボンブラックを用いたが、その他の疎水性物質である油煙の影響を確認した。焼肉から発する油煙および0.1〜1mmに分布した繊維状ホコリを被コーティング物107(被コーティング樹脂)の前面風速を1m/sに設定して20cm角の風洞に設置した実施例4のコーティング樹脂および比較例1の従来のPS樹脂に通して油煙および繊維ホコリの付着具合を目視ならびに顕微鏡にて観察した。その結果、実施例4では明白にホコリの付着量が少なく、油煙の付着が抑制されたことが示された。これは、疎水性粒子の付着面積が少ない効果に加えて、膜が低密度なために例え油煙が付着してもコーティング内部に吸収されるので表面に油煙が残らないためである。また、時間が経過するとホコリ・砂塵が剥がれ落ちる効果も確認された。一方、比較例1〜3の従来例では、表面に油煙付着が明白に確認され、時間が経ってもホコリは剥がれ難かった。
以下、親水性について述べる。図18から、比較例1に示すコーティングを施さないPS樹脂の静的接触角が80度であるのに対して、実施例3〜7のコーティングを施したPS樹脂の静的接触角は10〜20度程度であった。接触角が低いことによって、水滴を押し広げて、水滴の成長と落下を抑制して、すばやく乾燥できる。水分の乾燥速度は、周囲の空気温度および気流速度などが同一であれば、気中との接触面積(=水滴の表面積)に従うことは公知であり、親水性をもつコーティング表面上では水分と空気の接触面積は大きくなり乾きやすい。
実際に、水平に置いた試験片状で20μLの水滴を落としたところ、実施例4のコーティングを施したPS樹脂は水滴が瞬時につぶれて広がったが、比較例1に示すコーティングを施さないPS樹脂は撥水性であるため水滴はつぶれなかった。更に、別の親水性コーティングと比較するために、一般に広く使用されるPVC(ポリビニルアルコール)をコーティングしたPS樹脂である比較例2を用いて同様の試験を行ったが、つぶれて広がるまでの時間が長かった。この挙動を高速度カメラにより撮影した結果を図19に示す。落とした水滴がつぶれて初期接触角θに到達するまでの時間を測定すると、PVCをコーティングした比較例2が約1秒程度かかるのに比べて、実施例4のコーティングを施したPS樹脂は2桁速い0.01秒であり、瞬時に付着した水滴が広がる良好な親水性を示した。親水ではない樹脂はもちろんのこと、一般的な親水材料であるPVCコーティングと比べても、シリカ微粒子101を用いた本実施の形態のコーティングは、水分の成長を抑制して、水滴落下を抑制する効果を持つ。
以下、密着性について述べる。密着性の評価は、作成した試験片を水濡れさせたティッシュにより約1kg/cmでの圧着往復を行い、剥離するまでの回数から評価した。約1kg/cmは消しゴムで強く擦る程度である。コーティング溶液には過酸化物112またはラジカル発生材111を添加した実施例4の配合溶液を使用し、コーティングを施した後、60度18時間環境下にて乾燥させた。ラジカル発生材111として、BPO(ベンゾイルパーオキサイド)、AVCA(4,4−Azobis(4−cyanovaleric Acid))、過酸化物112として、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム、過酸化水素を用いた。被コーティング物107(被コーティング樹脂)あるPS樹脂(ポリスチレン)に対する密着性を図20に、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン)に対する密着性を図21に示す。
その結果、被コーティング物107(被コーティング樹脂)である下地がPS樹脂(ポリスチレン)の場合には、熱ラジカルであるAVAC、BPOの効果は少量であったが、過酸化物112である過硫酸アンモニウム(APS)をコーティング液濃度添加したものは、10倍以上の耐拭き取り回数を示した。図示はしていないが、下地がPP樹脂(ポリプロピレン)の場合にもPS樹脂と同様の傾向が見られた。また、過硫酸ナトリウム、過酸化水素の場合にも同様の密着度改善効果が見られた。添加濃度としては、0.05%〜5%で効果が確認された。
また、下地がABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン)の場合には、過酸化物112である過硫酸アンモニウム(APS)の効果は少量であり、AVCAでは均一性なく密着性が悪化したが、非水溶性の熱ラジカルであるBPOを添加したものは、5倍〜7倍の耐拭き取り回数を示した。
コーティング後、60℃18時間環境下においた場合に効果が高いが、室温レベルの20℃18時間放置であっても3倍程度の密着性の向上が認められた。コーティング溶液にラジカル発生材や過酸化物112を添加することによって、撥水性の高い樹脂上であってもはじかれにくくなり、塗布しやすくなる。ラジカル発生材111や過酸化物112が熱分解や時間に連れて自己分解するにつれて、特に下地の被コーティング物107(被コーティング樹脂)とシリカ膜104の界面近傍で、フッ素樹脂分散液(ディスパージョンとも呼ぶ)に含まれていたモノマー成分や界面活性剤が反応起点となって、シリカの凝集形態変化や下地の被コーティング物107(被コーティング樹脂)とシリカ膜104の接着効果を及ぼし、密着性を上げることができる。これらは、樹脂分散液と反応材料(ラジカル発生材111または過酸化物112)のどちらかがなくても成立しないことから考えて、分散液中の成分と反応材料が効果に寄与していると判断できる。
以上説明してきたように、本実施の形態は、シリカ微粒子101と、フッ素樹脂粒子102と、を含有し、コーティング膜103が、シリカ微粒子101から成るシリカ膜104中にフッ素樹脂粒子102がシリカ膜104の表面から部分的に露出するように点在して成り、シリカ膜104の露出面積がフッ素樹脂粒子102の露出面積よりも大きいものであり、分解作用のある反応型ラジカル発生剤を添加したコーティング組成物200を備えたことを特徴とする。
それにより、親水性汚損物質105と疎水性汚損物質106の両方に対して優れた防汚性能を発揮するとともに、親水性効果による水押し広げ効果、水滴成長速度の抑制効果、乾燥促進効果に優れ、さらに大掛かりな設備を要せず低コストにて密着性を向上して剥がれることなく、長期間に渡って露付き防止と汚れ付着防止を同時に提供する効果を有する。
以上のように、実施の形態1のコーティング組成物は、樹脂製部品に施すコーティング組成物であって、
樹脂製部品の表面にコーティング膜を形成し、シリカ微粒子と、フッ素樹脂粒子とを含有し、コーティング膜が、シリカ微粒子から成るシリカ膜中にフッ素樹脂粒子がシリカ膜の表面から部分的に露出するように点在して成り、シリカ膜の露出面積がフッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きいものである。
コーティング膜を形成するための水を含むコーティング溶液は、原料として、少なくとも、塗布後の乾燥工程において樹脂製部品とシリカ膜の界面近傍での反応起点となるフッ素樹脂分散液と、過酸化物またはラジカル発生材とを含むことを特徴とする。
フッ素樹脂分散液は、フッ素樹脂粒子が界面活性剤を利用して水に分散されたものであって、コーティング溶液の状態では、少なくとも、フッ素樹脂粒子と、界面活性剤とを含んでフッ素樹脂粒子の表面が疎水性が低い状態となっていて、かつ、乾燥されてコーティング膜となった状態では、フッ素樹脂粒子の表面が疎水性を示すことを特徴とする。
樹脂製部品は、ポリカーボネート、アクリル、ポリスチレン、ポリプロピレンなどを材料として構成され、過酸化物は、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸ナトリウムまたは過酸化水素の少なくとも一つであることを特徴とする。
樹脂製部品は、アクリロニトリルブタジエンスチレンまたはアクリロニトリルスチレンまたはアクリロニトリルスチレンにガラスを材料として構成され、ラジカル発生材は、ベンゾイルパーオキサイドであることを特徴とする。
なお、前述のとおり、コーティング組成物200は有機溶剤を含まないので、照明装置のカバーに多様されるポリカーボネート(PC)が被コーティング物である場合に、好適であるが、表面劣化や割れを発生させない条件を選択することによって、有機溶剤を含むコーティング組成物を採用することも可能である。ポリカーボネート(PC)に有機溶剤を含むコーティング組成物を敷設する場合には、エタノール、メタノール、エチレングリコール、グリセリンなどを有機溶剤として用いることができる。この際、有機溶剤の添加量は、コーティング組成物の10質量%程度以下であることが好ましい。コーティング組成物に有機溶剤を添加することによって、被コーティング物に対するコーティング組成物の均一な塗布が容易になる。コーティング膜103が安定して均一に形成されることによって膜表面の意匠性が向上するとともに、均一な光学特性を得ることができる。
<照明装置への適用>
前述したように、コーティング組成物200は、防汚性能に優れているので、樹脂製部品に対するホコリ、粉塵、砂塵、油煙、カーボン、煤、煙草のヤニなどの様々な汚れ(親水性汚損物質105や疎水性汚損物質106)の固着を防止することができる。
また、コーティング組成物200は、初期の親水性および長期の親水持続性に優れるため、高い親水性、排水性の効果も得られる。
一般に、照明装置1000は、LEDなどの光源、光源を覆う光透過部品と、光反射部品と、放熱部品などを備える。エネルギー効率を考えれば、光透過部品の可視光透過率と、光反射部品の可視光反射率と、放熱部品の放熱効率とは高い方が望ましい。したがって、光透過部品と光反射部品と放熱部品とに何らかのコーティング膜を施してこれらの効率を減少させることは好ましくない。しかし、例外として、拡散機能を得るために敷設される拡散膜が挙げられるが、光透過部品に拡散膜を施せば、拡散膜により可視光透過率は減少する。
本実施の形態は、光透過部品または光反射部品または放熱部品などの光学機能部品に対して、光学機能部品の機能を損なわず、光学機能部品の機能に適合したコーティング膜103を形成して、光学機能部品の光学機能とコーティング膜103の防汚性、親水性の機能との両方を提供するものである。
<コーティング膜103の機能>
コーティング組成物200により形成されたコーティング膜103は、防汚性、親水性、光透過性、光拡散性、光反射性、および低摩擦性のうちのいずれかの機能を有する。
コーティング膜103が、防汚性、親水性、光透過性の機能を有することについては、既に説明した。
以下、光拡散性、光反射性、および低摩擦性について説明する。
<コーティング膜103の光拡散性>
コーティング膜103は、光拡散性の機能を有する。
コーティング膜103は、前述したとおり、平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103により反射する光の散乱が小さくなる。このため、コーティング膜103の透明性が向上し、光拡散機能が減少する。
逆に、平均粒径が15nm超のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103により反射する光の散乱が大きくなるため、光拡散機能が増加する。平均粒径が15nm超のシリカ微粒子101を用いることにより、コーティング膜103を拡散膜として使用することができる。
また、平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101に、15nm超のシリカ微粒子101を添加して、コーティング膜103を拡散膜として使用することができる。
あるいは、コーティング組成物200に、平均粒径が0.05〜20μm(50〜20000nm)のシリカを添加して、コーティング膜103を拡散膜として形成してもよい。
あるいは、コーティング組成物200に、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛のうち、少なくとも1つを添加して、コーティング膜103を拡散膜として形成してもよい。
なお、コーティング膜103に含まれるシリカ微粒子101の平均粒径が15nm以下である場合には、光散乱が抑制されるので透明性の高い膜となる。このコーティング膜103が透光性のカバー1230に施されることによって、照明装置1000の点灯時における光の透過率を向上させることができる。
また、コーティング膜103の膜厚を適度に調整することで、表面の反射を抑えることができる。コーティング膜103の表面の光反射が抑えられることで、照明装置1000の非点灯時における意匠性を向上させることができる。
コーティング膜103の膜厚は、平均膜厚として50nm以上250nm未満の範囲であることが好ましい。コーティング膜103の膜厚が50nm未満の場合は、反射防止効果を得にくく、また、フッ素樹脂粒子が脱落しやすくなり、防汚性が十分に発揮できなくなるおそれがあり好ましくない。コーティング膜103の膜厚が250nm以上の場合は、反射防止効果が得にくく、膜中などにクラックが発生しやすくなるので、白濁したり剥離しやすくなったりするおそれがあり好ましくない。
同じ理由により、コーティング膜103の膜厚は、平均膜厚として80nm以上200nm未満がさらに好ましい。
<コーティング膜103の光反射性>
コーティング膜103は、光反射性の機能を有する。
平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103により反射する光の散乱が小さくなるため、コーティング膜103の透明性が向上する。逆に、平均粒径が15nm超のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103による光の反射が多くなる。平均粒径が15nm超のシリカ微粒子101を用いることにより、コーティング膜103を反射膜として使用することができる。
また、シリカ微粒子の平均粒径が、4〜15nmの範囲内であり、フッ素樹脂微粒子の平均粒径が、50〜500nmの範囲内であるコーティング膜103のシリカ膜の可視光透過率は、フッ素樹脂微粒子の可視光透過率より大きい。
すなわち、コーティング膜103は、カバー1230の表面に敷設された状態で、シリカ膜の可視光透過率がフッ素樹脂粒子の可視光透過率よりも大きい。
コーティング膜103は、カバー1230の表面に敷設された状態で、フッ素樹脂粒子の可視光反射率がシリカ膜の可視光反射率よりも大きい。
<コーティング膜103の低摩擦性>
コーティング膜103は、低摩擦性の機能を有する。
シリカ膜から一部が露出したフッ素樹脂粒子によってコーティング膜103の摩擦係数が減少し、コーティング膜103が敷設された光学機能部品の接触抵抗が抑制されに滑りやすくなる。フッ素樹脂粒子の含有量により、摩擦係数は変化する。
<コーティング膜103の機能の組み合わせ>
コーティング組成物200により形成されたコーティング膜103は、防汚性、親水性、光透過性、光拡散性、光反射性、および低摩擦性のうちのいずれか複数の機能を有することが好ましい。
具体的ないくつかの組み合わせの例は、以下のとおりである。
光透過部品に形成するコーティング膜103は、防汚性と、透過性との機能を有することが好ましい。
光透過部品で光拡散をする場合は、光透過部品に形成するコーティング膜103は、光拡散性の機能を有することが好ましい。
光拡散部品に形成するコーティング膜103は、防汚性と、透過性と、光拡散性の機能を有することが好ましい。
光反射部品に形成するコーティング膜103は、防汚性と、光反射性との機能を有することが好ましい。
光反射部品で光拡散をする場合は、光反射部品に形成するコーティング膜103は、光拡散性の機能を有することが好ましい。
放熱部品に形成するコーティング膜103は、防汚性と、低摩擦性との機能を有することが好ましい。低摩擦性を有していれば、受傷および火傷の可能性が減少する。
人間または他の部品と接触する部品に形成するコーティング膜103は、防汚性と、低摩擦性との機能を有することが好ましい。
外郭を形成する器具本体に形成するコーティング膜103は、防汚性と、親水性との機能を有することが好ましい。高い親水性を有していれば、水滴成長を抑制できて水滴の飛散を防止でき、空気に触れる表面積が広がり乾燥する速度も向上する。従って、表面に水分が存在する時間が短くなり、カビの繁殖も抑制できる。
<コーティング膜103の機能の適合的選択>
また、光学機能部品の機能に応じて、コーティング組成物200の組成を変え、光学機能部品に適合したコーティング膜103を形成するのがよい。
一つの照明装置の複数の光学機能部品にコーティング膜103が形成される場合、これらのコーティング膜103はすべて同一のコーティング膜103である必要はなく、むしろ、光学機能部品の機能に応じたコーティング膜103とすることが好ましい。
具体的ないくつかの例は、以下のとおりである。
光透過部品に形成するコーティング膜103は、他の光学機能部品より透過性の機能を高めることが好ましい。
光反射部品に形成するコーティング膜103は、他の光学機能部品より反射性の機能を高めることが好ましい。
放熱部品に形成するコーティング膜103は、他の光学機能部品より低摩擦性との機能を高めることが好ましい。
人間または他の部品と接触する部品に形成するコーティング膜103は、他の光学機能部品より低摩擦性の機能を高めることが好ましい。
外郭を形成する器具本体に形成するコーティング膜103は、他の光学機能部品より親水性の機能を高めることが好ましい。
<コーティング膜103>
図7から図10に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品であるカバー1230の表面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、主部1231、カバー側壁部1232、および、傾斜部1232−1に形成されている。コーティング膜103は、シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含むコーティング組成物200により形成された薄膜状のコーティング膜である。
コーティング組成物200は、平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101を用いる。平均粒径が15nm以下のシリカ微粒子101であれば、コーティング膜103により反射する光の散乱が小さくなるため、コーティング膜103の透明性が向上し、カバー1230の光の透過特性の変化を抑え、カバー1230の色調や風合いも損なわないようにすることができる。
カバー1230の光の透過特性の変化を抑えるため、コーティング組成物200の分散液に使用される水は、2価以上のイオン性不純物が200ppm以下であることが望ましく、より望ましくは50ppm以下である。2価以上のイオン性不純物が多くなると、シリカ微粒子101やフッ素樹脂粒子102が凝集して沈殿したり、形成されるコーティング膜103の透明性が低下したりする恐れが生じる。
また、コーティング組成物200には、形成されるコーティング膜103の透明性の向上の目的でカップリング剤やシラン化合物を添加するのが好ましい。
図18に示すように、実施例1から7のコーティング組成物200の中では、実施例5を除く実施例のコーティング膜103は透明膜であるから、カバー1230の光の透過特性の変化させることがない。
シリカ微粒子101の含有量(濃度)が高い(5重量%を超える)場合には、形成されるコーティング膜103は、厚さが不均一で白濁してクラックが入りやすく好ましくない。
ラジカル発生材や過酸化物112は密着性を増加せせるために添加するが、照明装置は、可動部がなく、静止して使用されるため、密着性をさほど向上させる必要がない。したがって、コーティング組成物200にラジカル発生材または過酸化物112はなくてもよい。
<カバー1230の製造方法>
図22、図23を参照して、光学機能部品であるカバー1230の製造方法について説明する。特に、光学機能部品の表面に敷設されるコーティング組成物によるコーティング膜の敷設方法について説明する。
図22は、実施の形態1に係るカバーの製造工程を示すフローチャートである。
(1)成形工程S10
成形工程S10では、図23に示すように、光学機能部品が複数連結された連結部品1950を製造する。
ここでは、カバー1230を長手方向Xに2個連結した連結部品1950を製造する。連結部品1950の両端には作業用の作業保持部1910を設けておく。連結部品1950の長さは、カバー1230の長さ×2個+作業保持部1910の長さ×2となる。
(2)塗布工程S11
塗布工程S11では、連結部品1950の表面にコーティング膜103を形成するためのコーティング溶液を塗布する。
ここでは、作業保持部1910を保持することにより連結部品1950に対して、コーティング溶液を塗布する。作業保持部1910にも、コーティング溶液を塗布するが、作業保持部1910の保持されている部分には、コーティング溶液を塗布することができない。
コーティング溶液を塗布後、乾燥させ、コーティング膜103を形成する。
(3)切断工程S12
切断工程S12では、コーティング膜103を形成した連結部品1950を切断して、光学機能部品を作成する。
ここでは、コーティング膜103を形成した連結部品1950の両端にある作業保持部1910を切り落とし、さらに、カバー1230の長さに切断することで、複数個のカバー1230を得る。作業保持部1910は切り落としてしまうので、カバー1230の長手方向における両端までコーティング膜103が形成されている。
このように、光学機能部品としてのカバー1230に、シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含むコーティング組成物200によるコーティング膜103を形成し、光学機能部品としてのカバー1230を用いて照明装置を製造することができる。
光学機能部品は、カバー1230に限られず、各部品の機能に適合したコーティング膜103が形成された複数種類の光学機能部品を用いて照明装置を製造することができる。
なお、成形工程S10は、押出成形によって光学機能部品を連続的に成形する工程としてもよい。また、塗布工程S11は、押出成形によって押し出された光学機能部品に連続的に塗布して乾燥する工程としてもよい。そして、切断工程S12は、コーティング膜103が形成された光学機能部品をカバー1230の長さに順次切断する工程としてもよい。このような工程とすることで、作業保持部1910を設ける必要がなくなり、材料コスト低減と省資源化の効果を奏する。
<コーティング溶液の塗布方法>
コーティング溶液の塗布方法として、以下の方法がある。
1.スプレーにより塗布
スプレーにより塗布は、表面に凹凸が残りやすいので、外観が悪くなる場合がある。
スプレーにより塗布は、コーティング溶液の液量を調整する。
2.スポンジにより塗布
図23に示すように、光学機能部品としてのカバー1230の表面を包むような凹部を有するスポンジ1900を作成し、スポンジ1900にコーティング組成物200によるコーティング溶液を含浸させる。その後、凹部にカバー1230を嵌め込んで、スポンジ1900全体に圧力をかけて、カバー1230の表面にコーティング膜103を形成する。
スポンジ1900による塗布は、塗むらが生じることがある。または、膜厚が不均一になりやすい。
スポンジ1900による塗布は、スポンジと光学機能部品との接触圧および接触時間を調整する。
なお、スポンジ1900以外に、ハケ、布、不織布、紙などを用いてコーティング溶液を塗布してもよい。スポンジ1900、ハケ、布、不織布、紙などを用いてコーティング溶液を塗布する場合は、塗布によりコーティング組成物200の液膜が被コーティング物品表面を覆い、過剰なコーティング組成物200が液だれを起こさないようにする。気流で除去する場合には、余剰液の流れや余剰液の液滴飛散により塗むらが生じる恐れがあるが、スポンジ1900、ハケ、布、不織布、紙などを用いてコーティング溶液を塗布する方法では、余剰液の流れや余剰液の液滴飛散による塗むらを回避できる。
3.浸漬により塗布
複雑な形状の光学機能部品の全面に対して、塗布することができる。
逆に、表面だけ、あるいは、裏面だけのような一部分への塗布は難しい。
4.かけ塗りにより塗布
筒状部品の内周面に塗布することができる。
以上のように、コーティング溶液の塗布方法には一長一短があり、光学機能部品の機能、形状、塗布場所に応じて、適切な塗布方法を選択する。
塗布作業をする際には、光学機能部品を保持する必要があり、光学機能部品を保持する作業保持部が必要である。作業保持部にはコーティング溶液が塗布されなくてもよく、コーティング溶液の乾燥後に、作業保持部は切り落とされ捨てられる。
<保護膜との併用>
コーティング膜103を保護膜と併用してもよい。
図24は、カバー1230と保護膜1970とコーティング膜103との断面模式図である。
カバー1230の表面には、表面傷1957が存在する。この表面傷1957は、カバー1230の外観に筋や線をとなって視覚的に現れ、膜肌の美観を損なう原因となる。
保護膜1970は、金属酸化物Xから構成されている。
金属酸化物Xは、例えば、平均粒子径が0.05〜0.3μm(50〜300nm)の微粒子シリカである。
保護膜1970の厚さは、例えば、0.5〜5.0μmである。
保護膜1970は、例えば、水または水とポリエチレンオキサイドとの混合液などの液に微粒シリカなどの金属酸化物Xを分散させて懸濁液を作製し、懸濁液をカバー1230の表面に流しカバー1230に懸濁液を塗布し、温風エアーで懸濁液を乾燥させて形成される。
保護膜1970は、以下の機能を有する。
1.表面傷1957への金属酸化物Xの充填
保護膜1970は、カバー1230の内周にある表面傷1957に入り込み、表面傷1957を外部なら見えないようにする。このためカバー1230の美的外観が向上する。
表面傷1957があると光屈折率が変わる問題、もしくは、表面の細かい傷により、液の流れが不規則となることにより塗りムラとなる問題があった。金属酸化物Xが表面傷1957に充填されることにより、外観から表面傷1957による膜肌の荒れをなくすことができ、美観が向上する。
2.光の拡散
保護膜1970の金属酸化物Xにより、光を拡散する。
3.密着性の向上
光学機能部品は、樹脂であることが望ましいが、ガラス、金属、その他の樹脂以外の光学機能部品でもよく、樹脂以外の光学機能部品には、保護膜1970により密着性を増加せることが望ましい。保護膜1970の組成物は、ガラス、金属、その他の材料により変更することが望ましい。
<蛍光体との併用>
コーティング組成物200に蛍光体を混ぜてコーティング膜103を形成してもよい。
青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出することができるが、コーティング組成物200に黄色蛍光体を混ぜて、カバー1230にコーティング膜103を形成すれば、青色LEDチップにより白色光を放出することができる。
同様に、コーティング組成物200に、赤色蛍光体および緑色蛍光体を含有させて、カバー1230にコーティング膜103を形成し、青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出することができる。
同様に、コーティング組成物200に、青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および赤色蛍光体粒子を含有させて、カバー1230にコーティング膜103を形成し、紫外光を放出する紫外LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出することができる。
<特徴的構成>
この実施の形態のコーティング組成物200は、シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含み、光学機能部品の表面に敷設されたコーティング組成物である。コーティング組成物200は、フッ素樹脂粒子が、シリカ微粒子から成るシリカ膜の表面から部分的に露出するように点在した状態で、薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
コーティング膜103は、光学機能部品の表面に敷設された状態で、シリカ膜の露出面積がフッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きい。
コーティング膜103は、光学機能部品の表面に塗布されたコーティング溶液が乾燥固化した状態で光学機能部品の表面に薄膜状に敷設されている。
コーティング溶液は、水を含んでなる。
コーティング溶液は、乾燥固化において樹脂製部品とシリカ膜の界面近傍での反応起点となるフッ素樹脂分散液、および、過酸化物またはラジカル発生材のいずれかを含む。
コーティング膜103は、光学機能部品の表面に敷設された状態で、シリカ膜の可視光透過率がフッ素樹脂粒子の可視光透過率よりも大きい。
コーティング膜は、光学機能部品の表面に敷設された状態で、フッ素樹脂粒子の可視光反射率がシリカ膜の可視光反射率よりも大きい。
本実施の形態の照明装置は、光源と、光源を覆う光学機能部品であって、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として表面に敷設された透光性のカバー1230とを備える。
<効果>
前述のように、本実施の形態において、樹脂製部品であり光学機能部品であるカバー1230に、シリカ膜の露出面積がフッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きいものであるコーティング組成物を備えたことにより、カバー1230が長時間使用された場合におけるカバー1230の表面への汚れ付着防止を実現できる。これによって、長期にわたってカバー1230は清潔な状態が維持されるとともに、長期にわたってカバー1230の可視光透過率が維持され光束の低下を防ぐことができる。
図25は、実施の形態1に係るコーティング組成物200の効果を示す図である。
図25に示すとおり、被コーティング物であるカバーに従来用いられてきた防汚用塗料組成物を備えた場合を基準とした比較実験において、本実施の形態におけるコーティング組成物200を備えたカバーは、汚れの付着率が概ね1/5以下に抑制されることが確認されている。ここで、実験および評価は、ホコリ、粉塵、砂塵、油煙、カーボン、煤、煙草のヤニなど、照明装置の使用環境を勘案して選択した汚れをカバーの表面に付着させ、汚れを付着させる前の光学特性と汚れを付着させた後の光学特性との差を汚れの付着率として定義して評価している。光学特性は、例えば光束値である。
そして、汚れの付着率の抑制効果は、従来用いられてきた防汚用塗料組成物を備えたカバーを透過する光束値を測定して得られる(従来の)汚れの付着率を基準として、本実施の形態におけるコーティング組成物を備えたカバーを透過する光束値を測定して得られる(本実施の形態の)汚れの付着率の差分、比率などで定義している。つまり、汚れの付着率の抑制効果は、本実施の形態における照明装置が長期にわたって良好な光学特性(光束値)を維持できることを意味する。
カバー1230は、汚れの付着率が大幅に抑制されるので、カバー1230を備えた照明装置はカバー1230を清掃する頻度が減る。これによって、光学機能部品であり意匠部品であるカバー1230の表面にキズを付けたりコーティング組成物を剥離させたりするおそれが減る。
カバー1230は、汚れの付着率が大幅に抑制されるので、カバー1230を備えた照明装置はカバー1230を清掃する頻度が減る。これによって、ホコリ、粉塵、砂塵、油煙、カーボン、煤、煙草のヤニなどが浮遊する環境で長期間使用してもメンテナンスの手間が軽減できる。
実施の形態2.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物200をカバー1230の裏面へ敷設した態様を説明する。
図26に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品であるカバー1230の裏面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、上側支持部1233と下側支持部1234の裏側に形成されている。
上側支持部1233の裏面と下側支持部1234の裏面は、光源が配置される基台1220と当接する面である。
上側支持部1233および下側支持部1234の材料は遮光性と高反射性を有する材料であるから、コーティング膜103は、透明である必要はない。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、光源が配置される基台1220と、光源を覆うとともに基台1220に当接した状態で取り付けられた光学機能部品である透光性のカバー1230を備える。カバー1230の基台1220に当接する面は、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
カバー1230は、シリカ膜から一部が露出したフッ素樹脂粒子によってコーティング膜103が敷設された裏面の摩擦係数が減少し、コーティング膜103が敷設されたカバー1230の裏面と基台1220との接触抵抗が抑制され相互に滑りやすくなる。このためきしみ音が発生するおそれが減る。
なお、カバー1230の基台1220に当接する面に敷設されるコーティング膜103は、摩擦抵抗をより小さくするために、実施の形態1と異なる態様を選択することができる。例えば、フッ素樹脂粒子の平均粒径(平均粒子径)あるいはシリカ微粒子とフッ素樹脂粒子との重量比などが変更されてもよく、また、フッ素樹脂粒子に代わる粒子を使用してもよい。
実施の形態3.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を灯具(光源ユニット)の反射面へ敷設した態様を説明する。
図27に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品であるカバー1230の下側支持部1234の表面と発光素子基板1210の表面とに敷設されている。上側支持部1233および下側支持部1234の材料は遮光性と高反射性を有する材料であり、下側支持部1234の表面と発光素子基板1210の表面とは、反射面1990である。
また、コーティング膜103を基台1220の表面に敷設して、コーティング膜103を光源ユニットの光学機能部品のすべての反射面へ敷設してもよい。
基台1220の表面に敷設するコーティング膜103は、基台1220の表面全体に敷設してもよいし、露出して反射面となる表面の一部分にのみ敷設してもよい。
さらに、コーティング膜103が形成された反射シートを、発光素子基板1210の表面あるいは基台1220の表面に配置してもよい。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、光源から出射された光を照射空間側に反射させる反射面1990を有する光学機能部品であるカバー1230の下側支持部1234と発光素子基板1210と基台1220とを備える。下側支持部1234と発光素子基板1210と基台1220との反射面には、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって光源ユニットの反射面の防汚効果が持続させる効果を奏する。このため、長期間にわたって反射面の反射率が安定し、灯具から外側への光の取り出し効率が安定する。
実施の形態4.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を照明器具(器具本体)のあらゆる反射面へ敷設した態様を説明する。
図28に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品である器具本体1100の表面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、凹部1111と傾斜部1114−1と傾斜部1114−2の表面に敷設されている。器具本体1100の表面は、反射面1990である。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、光源から出射された光を照射空間側に反射させる反射面1990を有する光学機能部品である器具本体1100を有する。器具本体1100の反射面1990には、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって反射面1990の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
実施の形態5.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物200を敷設した直管LEDランプの態様を説明する。
図29の照明装置2000は、直管LEDランプ2010と、直管LEDランプ2010をソケット2020で取り付けた器具本体2040とを備える。器具本体2040は、傾斜反射面2001と水平反射面2002とを有する。
直管LEDランプ2010の内部には、ヒートシンク2100と、基板2200と、LED2300とが収納されている。
図29に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品である器具本体2040の表面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、傾斜反射面2001と水平反射面2002との表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、直管LEDランプ2010の表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、ヒートシンク2100の表面と、基板2200の表面とに敷設されている。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、灯具(直管LEDランプ2010)と照明器具(器具本体2040)とのあらゆる反射面に、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって反射面の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
実施の形態6.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を敷設可能な電球形LEDランプの態様を説明する。
図30は、本実施の形態に係る電球形LEDランプ3100を、埋め込みタイプの照明器具3200に装着した照明装置3000を示す図である。
本実施の形態では、電球形LEDランプ3100を埋め込みタイプの照明器具3200に装着した照明装置3000について説明する。
照明器具3200は、天井面3600などの取付部に設けられた取付孔3700に取り付けられる。
照明器具3200は、リフレクタや化粧フレームなどを備える器具本体3305、ソケット3201を備える。
電球形LEDランプ3100は灯具であり、照明器具3200のソケット3201に装着される。
電球形LEDランプ3100は、球状または半球状のカバー3035と筒状の筒部3037とを有する。
図30に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品である電球形LEDランプ3100の表面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、カバー3035と筒部3037の表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、器具本体3305の内表面と外表面とに敷設されている。器具本体3305の内表面は反射面である。
また、コーティング膜103は、平面カバー3400の外表面に敷設されている。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、灯具(電球形LEDランプ3100)と照明器具(器具本体3305)との照射側にあるあらゆる面に、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって反射面の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
実施の形態7.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を敷設した天井埋め込み型の照明装置の一例であるダウンライトの態様を説明する。
図31および図32を参照して、本実施の形態に係る装置である照明装置4000の構成を説明する。
照明装置4000は、光源ユニット4200と、光源ユニット4200に点灯電力を供給する照明用の電源ユニット4300とを備える。
光源ユニット4200は、発光素子4211を搭載した光源基板4210と、板状部材4220と、絶縁シート4230と、開口部4241を有する反射板4240と、拡散板4250とを有する。
電源ユニット4300は、電源基板4310と、出力電線4320と、筐体4330と、蓋体4340と、端子台4350と、入力電線4360と、収容体4370と、筒状のヒートシンク4390とを備える。
本実施の形態において、照明装置4000は、天井に埋め込んで使用されるダウンライト型の照明装置である。そのため、照明装置4000は、さらに、環状の枠4400と、複数の板バネ4500とを備える。
図31、図32に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品である枠4400の表面に敷設されている。すなわち、コーティング膜103は、鍔部4410と反射板4420の表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、光源基板4210と反射板4240と拡散板4250との表面に敷設されている。
コーティング膜103は、ヒートシンク4390に敷設されている。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、照明器具の照射側にあるあらゆる面に、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって反射面の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
また、長期間にわたってヒートシンク4390の防汚効果が持続する。このため、光源から空間への放熱が安定する。
実施の形態8.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を敷設した高天井型の照明装置の態様を説明する。
図33は、照明装置5000の斜視図である。
図34は、光源部5100の分解斜視図である。
本実施の形態に係る照明装置5000は、高天井用途に使用されるHID(High Intensity Discharge lamp)形LEDランプであり、光源部5100と放熱部5200と接続部5300と配線部5400と固定部5500を有する。
光源部5100は、光源を有する光源ユニットである。
光源部5100は、光源基板5150を有する。光源部5100は、少なくとも一つ以上の光源素子5140を有しており、光源基板5150には、複数の光源素子5140が配列されて固定されている。
光源部5100は、光源基板を覆うカバー5110と、反射板5120と、カバー5110と反射板5120とを固定するカバー止め5130とを有する。
光源部5100は、光源基板5150の中央を受熱体5260に固定するスタビライザ5160を有する。
光源基板5150は、反射板5120と受熱体5260の間に挟まれた状態で受熱体5260に固定されている。
また、光源基板5150は、スタビライザ5160と受熱体5260の間に挟まれた状態で受熱体5260に固定されている。
光源基板5150は、ネジまたはボルトなどの金属部品を用いて受熱体5260に固定されていない。
図34に示すように、固定部5500は、光源部5100と接続部5300とを固定している。
固定部5500は、複数の板状のアーム5580から構成される。
アーム5580は、ヒートシンクでもあり、光源部5100と接続部5300との間に配置されている。
複数のアーム5580は、受熱体5260と接続部5300とに固定されている。
アーム5580は、4個存在しており、90度間隔で、十字型に配置されている。
図34に示すように、放熱部5200は、放熱するためのヒートシンクであり、光源部5100の背後に配置されている。
放熱部5200は、受熱体5260と、複数の放熱片5270と、複数のアーム5580から構成される。
受熱体5260は、光源部5100が取り付けられ光源部5100の動作熱を受け渡す部品である。
放熱片5270は、放熱体である板状の放熱フィンである。
アーム5580は、受熱体5260と接続部5300とを接続した金属板である。
アーム5580は、放熱片5270を兼ねており、受熱体5260から接続部5300にかけて延設されている。
受熱体5260は、表面に光源部5100を固定しており、複数の放熱片5270は、受熱体5260の裏面に固定されている。
図34に示すように、接続部5300は、照明器具の口金ソケットに接続され、電源に接続される部分である。
接続部5300は、口金5305とホルダ5390とを有する。
口金5305は、口金ソケットに螺着固定される。
ホルダ5390は、口金5305を保持するとともに、アーム5580を固定する。
図34に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品であるカバー5110と反射板5120とに敷設されている。
また、コーティング膜103は、複数の放熱片5270と複数のアーム5580の表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、光源基板5150とスタビライザ5160との表面に敷設されている。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、HID形LEDランプの光学機能部品の反射面と放熱面とに、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって反射面の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
また、長期間にわたって放熱部5200の放熱フィンの防汚効果が持続する。このため、光源から空間への放熱が安定する。
また、アーム5580と放熱片5270とは、板金を打ち抜いて製造されるものであるが、アーム5580と放熱片5270との全体にコーティング膜103を形成することにより、アーム5580と放熱片5270とのエッジをコーティング膜103で覆うことができ、アーム5580と放熱片5270とによる受傷を防止することができる。
また、コーティング膜103によりアーム5580と放熱片5270との表面に凹凸ができ、表面積が増加するので、放熱効果が向上する。アーム5580と放熱片5270との表面の凹凸により、やけどの可能性が減少する。
実施の形態9.
この実施の形態では、前述した実施の形態と異なる点について説明する。
この実施の形態では、コーティング組成物を敷設した筒型の照明装置の態様を説明する。
図35、図36に示すように、照明装置6000は、光源ユニット6010と、光源ユニット6010を支持固定する支持ユニット6020とを有する。
<<光源ユニット6010>>
光源ユニット6010は、本体部6100と、発光部6120と、カバー6130とを有する。
また、光源ユニット6010は、第1端部蓋6140と、第2端部蓋6150とを有する。
<本体部6100>
本体部6100は、筒形に形成されており、アルミニウムを使用し、押出し成形によって一体製造され、ヒートシンクとして機能する。
本体部6100は、外周側表面に外周面6110を有し、内周側表面に内周面6103を有する。
本体部6100には、外周面6110に前記発光部6120が配置される取付部6102と、取付部6102に対向した内周面6103に発光部6120が発する動作熱を放散させる熱放散部6105とが形成されている。
本体部6100は、熱伝達経路あるいは熱伝達部となる筒部6101を有する。筒部6101は十六角柱で、中心軸Oと直交する断面における外接円の径寸法が均一の管体である。
筒部6101は、外周面6110に取付部6102を有する。取付部6102は、発光部6120が配置される取付面として機能する。
筒部6101は、内周面6103に熱放散部6105を有する。熱放散部6105は、内周面6103から突設された突設部であり、熱放散部6105は、複数の放熱フィン6108からなる。
筒部6101には、筒端部として端部6104がある。
熱放散部6105である複数の放熱フィン6108は、本体部6100の内周面6103から本体部6100の内部空間側に立設されており、本体部6100の中心軸方向における一方の端部6104から他方の端部6104に渡って立設されている。複数の放熱フィン6108は、本体部6100の厚さ寸法以上の高さで立設され、本体部6100と一体的に形成されている。
本体部6100の内部には、内部空間6107が形成されている。内部空間6107は、熱交換部として機能し、空気の流路となる。内部空間6107は、筒部6101の内側の空間全体をいう。中心軸Oと直交する断面において、内部空間6107の径寸法は筒部6101の内径寸法と同じ大きさである。
内部空間6107の中央には、通気空間6109が存在する。本実施の形態における通気空間6109は、内部空間6107の中央にあり、熱放散部6105が形成されていない筒状の空間であり、中心軸Oの方向への通気に対して障害物が全くない空間をいう。通気空間6109は内部空間6107の一部であり、通気空間6109を他の空間から区画する境界物あるいは隔壁は存在しない。
<発光部6120>
発光部6120は、発光素子6121と基板6122とを有する。
発光素子6121の好適な具体例は、固体発光素子、発光ダイオード素子、有機EL素子、レーザダイオード素子である。
基板6122は、リジット基板でもよいし、フレキシブル基板でもよい。基板6122の好適な具体例は、アルミニウム基材の基板であるが、基材として他の材質が選択されてもよい。
<カバー6130>
カバー6130は、発光素子6121を覆うように、かつ、発光素子6121と離間して本体部6100の外側に配置されている。カバー6130の中心軸と本体部6100の中心軸とは、同じ中心軸Oに配置されている。
カバー6130は、中心軸Oと直交する断面における直径が均一の管体であり、パイプ形状の透光性の筒管である。カバー6130の好適な具体例は、ガラス管、樹脂管であるが、他の材質が選択されて形成されてもよい。
カバー6130は、管体の主部となる透光部6131を有する。
カバー6130は、外周面6132と、内周面6133と、筒端部に端部6134を有する。
発光素子6121が実装された基板6122とカバー6130との間には、筒状の点灯空間6137が形成されている。
カバー6130は、基板6122および本体部6100の外周面6110と干渉しなければ、中心軸Oと直交する断面の形状は限定されない。また、カバー6130は、基板6122および本体部6100の外周面6110と干渉しなければ、中心軸Oの方向において部分的に断面形状または寸法が異なる態様であってもよい。
<第1端部蓋6140>
第1端部蓋6140は、本体部6100(筒部6101)の一端部およびカバーの一端部6134を覆うように本体部6100に取り付けられている。
第1端部蓋6140は、本体部6100(筒部6101)とカバー6130との一端部を覆う蓋であり、第1キャップとして機能する。
第1端部蓋6140の好適な具体例は、アルミニウムであるが、他の材質が選択されてよい。
第2端部蓋6150も、第1端部蓋6140と同じ構成を有する。
<<支持ユニット6020>>
支持ユニット6020は、発光素子6121を点灯させる点灯電力を外部から受電する受電端6200が取り付けられており、受電端6200から発光素子6121が実装された基板6122に点灯電力を伝達する配線部材を配置する配線経路が形成されている。
支持ユニット6020は、受電端6200と、支持体6210と、連結部6230と、第2ガスケット6250とを有する。
<支持体6210>
支持体6210は、絶縁部であり、樹脂材料を用いて製造される。
支持体6210は、筒形状の支持筒部6212を有する。
支持筒部6212の第1端部6216は、口金側端部であり、口金筐体6201が嵌めこまれる羅合部6211を有する。
支持筒部6212の第2端部6217は、連結部側端部であり、支持鍔部6213を有する。支持鍔部6213は、環状形状をしており、連結部6230を連結する連結部取付部として機能する。
支持鍔部6213は、90度間隔で配置された4個のネジ孔6214を有する。ネジ孔6214には、連結部6230を取り付けるためのネジ6260がねじ込まれる。
<連結部6230>
連結部6230は、光源ユニット6010と支持ユニット6020とを両端部に連結して固定する。
連結部6230は、放熱板6240を兼ねた突設部6235を有し、光源ユニット6010からの熱を吸収して熱放散経路として機能し、突設空間6249に放熱する。
連結部6230の第1端部6238は、支持体側端部であり、連結筒部6231を有する。連結筒部6231には、支持体6210を覆う蓋6247があり、蓋6247の中央に配線部材6030を通す配線穴6248がある。
連結筒部6231の蓋6247の周囲には連結鍔部6232が形成されている。連結鍔部6232は、支持体6210と連結される支持体取付部として機能する。
連結部6230の第2端部6239は、光源ユニット側端部であり、光源ユニット6010と連結される円環部6233を有する。
円環部6233は、光源ユニット支持部として機能する。
円環部6233は、90度間隔で配置された4個のネジ孔6234を有する。ネジ孔6234には、支持ユニット6020を光源ユニット6010に取り付けるためのネジがねじ込まれる。
円環部6233は、第2端部蓋6150に対応した形状をしている。
円環部6233には、十字形状の4個のブリッジがある。ブリッジは、円環部6141の中央を横切っており、円環部6233の中央に4個の扇形状の通気口6246を形成している。
図35、図36に示すように、コーティング膜103は、光学機能部品であるカバー6130に敷設されている。
また、コーティング膜103は、第1端部蓋6140と第2端部蓋6150と連結部6230の表面に敷設されている。
また、コーティング膜103は、基板6122と、筒部6101の熱放散部6105との表面に敷設されている。
<特徴的構成>
この実施の形態の照明装置は、筒形LEDランプの光学機能部品の表面に、前述したコーティング組成物200が薄膜状のコーティング膜103として敷設されている。
<効果>
コーティング膜103は、長期間にわたって表面の防汚効果が持続する。このため、灯具から照射された光を照射空間側へ反射させる反射効率が安定する。
また、長期間にわたって熱放散部6105の防汚効果が持続する。このため、光源から空間への放熱が安定する。
***その他***
以上、本発明に係るコーティング組成物、灯具および照明装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態において、LEDユニットは、パッケージ化された面実装型(SMD型)のLED素子を用いたLEDユニットである場合について説明したが、これに限らない。LEDユニットは、複数のLEDチップが基板上に直接実装され、複数のLEDチップを蛍光体含有樹脂によって一括して封止した構成であるCOB(Chip On Board)型のLEDユニットであってもよい。
また、LEDユニットは、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって白色光を放出するが、これに限られない。例えば、赤色蛍光体および緑色蛍光体を含有する蛍光体含有樹脂を用いて、これと青色LEDチップと組み合わせることによりに白色光を放出するように構成してもよい。また、青色以外の色を発光するLEDチップを用いてもよく、例えば、青色LEDチップが放出する青色光よりも短波長である紫外光を放出する紫外LEDチップを用いて、主に紫外光により励起されて青色光、赤色光および緑色光を放出する青色蛍光体粒子、緑色蛍光体粒子および赤色蛍光体粒子によって白色光を放出するように構成してもよい。
そして、上記の実施の形態において、発光素子としてLEDを例示して説明したが、固体レーザ(Solid State Laser)、半導体レーザ(Semiconductor Laser)、有機EL(ElectroLuminescence)または無機ELなどの発光素子を用いてもよい。
発光素子311の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
さらに、上記の実施の形態において、カバーの材料は、樹脂に限らず、ガラス材であってもよい。また、カバーの少なくとも一部に光を出射可能な透光性の領域があればよいため、出射可能な領域の材料を透光樹脂、出射不可能な領域の材料を白色高反射樹脂としてもよい。
以上、本発明の態様について説明したが、実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。すなわち、各実施の形態に対して当業者が想到する変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
また、複数の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
50 水滴、101 シリカ微粒子、102 フッ素樹脂粒子、103 コーティング膜、104 シリカ膜、105 親水性汚損物質、106 疎水性汚損物質、107 被コーティング物、110 プライマー層、111 ラジカル発生材、112 過酸化物、200 コーティング組成物、X 長手方向、Y 短手方向、P 交点、O 中心軸、1000 照明装置、1011 中心軸、1100 器具本体、1111 凹部、1111a 開口部、1111b 開口縁部、1112 平板部、1112a 一方の平板端部、1112b 他方の平板端部、1112c 電源引込孔、1112d 固定孔、1113−1 第一の側壁部、1113−2 第二の側壁部、1113−1a 内側面、1113−2a 内側面、1114−1、1114−2 傾斜部、1120−1、1120−2 蓋部、1130 バネ部、1031 バネ固定部、1140 端子台、1200 光源ユニット、1210 発光素子基板、1211 基板、1212 発光素子、1212S 発光面、1220 基台、1221 取付部、1221a 取付面、1221b 対向面、1222−1 第一の側面部、1222−2 第二の側面部、1229 貫通孔、1230 カバー、1230D 凸断面形状、1231 主部、1231−1 内側表面、1231−2 外側表面、1231a 一方の端部、1231b 他方の端部、1232 カバー側壁部、1232−1 傾斜部、1232b 先端部、1232c 外側面、1233 上側支持部、1233a 側壁部、1233b 係合部、1233c 反射リブ、1234 下側支持部、1234a 下側凸部、1234b 下側押圧部、1236 両側領域、1237 中央領域、1240 光源蓋部、1250 連結金具、1260 電源装置、1270 ハーネスクランプ、1500 操作空間、1900 スポンジ、1910 作業保持部、1950 連結部品、1957 表面傷、1970 保護膜、1990 反射面、2000 照明装置、2010 直管LEDランプ、2020 ソケット、2040 器具本体、2001 傾斜反射面、2002 水平反射面、2100 ヒートシンク、2200 基板、2300 LED、3000 照明装置、3035 カバー、3037 筒部、3400 平面カバー、3100 電球形LEDランプ、3200 照明器具、3201 ソケット、3305 器具本体、3600 天井面、3700 取付孔、4000 照明装置、4200 光源ユニット、4210 光源基板、4211 発光素子、4220 板状部材、4230 絶縁シート、4240 反射板、4241 開口部、4250 拡散板、4300 電源ユニット、4310 電源基板、4320 出力電線、4330 筐体、4340 蓋体、4350 端子台、4360 入力電線、4370 収容体、4390 ヒートシンク、4400 枠、4410 鍔部、4420 反射板、4500 板バネ、5000 照明装置、5100 光源部、5110 カバー、5120 反射板、5130 カバー止め、5140 光源素子、5150 光源基板、5160 スタビライザ、5200 放熱部、5260 受熱体、5270 放熱片、5300 接続部、5305 口金、5390 ホルダ、5400 配線部、5500 固定部、5580 アーム、6000 照明装置、6010 光源ユニット、6100 本体部、6101 筒部、6102 取付部、6103 内周面、6104 端部、6105 熱放散部、6107 内部空間、6108 放熱フィン、6109 通気空間、6110 外周面、6120 発光部、6121 発光素子、6122 基板、6130 カバー、6131 透光部、6132 外周面、6133 内周面、6134 端部、6137 点灯空間、6140 第1端部蓋、6141 円環部、6150 第2端部蓋、6020 支持ユニット、6200 受電端、6201 口金筐体、6210 支持体、6212 支持筒部、6213 支持鍔部、6214 ネジ孔、6216 第1端部、6217 第2端部、6230 連結部、6231 連結筒部、6232 連結鍔部、6233 円環部、6234 ネジ孔、6235 突設部、6238 第1端部、6239 第2端部、6240 放熱板、6246 通気口、6247 蓋、6248 配線穴、6249 突設空間、6260 ネジ、6030 配線部材。

Claims (9)

  1. シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含み、光学機能部品の表面に敷設されているコーティング組成物であって、
    前記フッ素樹脂粒子が、前記シリカ微粒子から成るシリカ膜の表面から部分的に露出して点在した状態で、コーティング膜として敷設されており、
    前記コーティング膜は、
    前記光学機能部品の表面に敷設されている状態で、前記シリカ膜の露出面積が前記フッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きいコーティング組成物。
  2. 前記コーティング膜は、
    前記光学機能部品の表面に塗布されたコーティング溶液が乾燥固化した状態で前記光学機能部品の表面に薄膜状に敷設されている請求項に記載のコーティング組成物。
  3. 前記コーティング膜は、
    前記光学機能部品の表面に敷設されている状態で、前記シリカ膜の可視光透過率が前記フッ素樹脂粒子の可視光透過率よりも大きい請求項1又は2に記載のコーティング組成物。
  4. 前記コーティング膜は、
    前記光学機能部品の表面に敷設されている状態で、前記フッ素樹脂粒子の可視光反射率が前記シリカ膜の可視光反射率よりも大きい請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング組成物。
  5. 光源と、
    前記光源を覆う透光性のカバーであって、請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング組成物がコーティング膜として表面に敷設されているカバーと、
    を備えた照明装置。
  6. 光源が配置される基台と、
    前記光源を覆うとともに前記基台に当接した状態で取り付けられた透光性のカバーであって、前記基台に当接する面に、請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング組成物が薄膜状のコーティング膜として敷設されているカバーと、
    を備えた照明装置。
  7. 光を照射空間に反射させる反射面を有する光学機能部品であって、請求項1からのいずれか1項に記載のコーティング組成物がコーティング膜として前記反射面に敷設された光学機能部品を備えた照明装置。
  8. シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含み、光学機能部品の表面に敷設されるコーティング組成物によるコーティング膜の敷設方法において、
    前記光学機能部品が連結された連結部品を製造する成形工程と、
    前記連結部品の表面にコーティング溶液を塗布して、前記フッ素樹脂粒子が前記シリカ微粒子から成るシリカ膜の表面から部分的に露出して点在した状態のコーティング膜を敷設し、前記コーティング膜が前記光学機能部品の表面に敷設されている状態で前記シリカ膜の露出面積が前記フッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きいコーティング膜を形成する塗布工程と、
    コーティング膜を形成した前記連結部品を切断して、前記光学機能部品を作成する切断工程と
    を備えたコーティング膜の敷設方法。
  9. 光学機能部品の表面に、シリカ微粒子およびフッ素樹脂粒子を含むコーティング組成物によるコーティング膜であって、前記フッ素樹脂粒子が前記シリカ微粒子から成るシリカ膜の表面から部分的に露出して点在した状態のコーティング膜を敷設し、前記コーティング膜が前記光学機能部品の表面に敷設されている状態で前記シリカ膜の露出面積が前記フッ素樹脂粒子の露出面積よりも大きいコーティング膜を形成し、
    前記光学機能部品を用いて照明装置を製造する照明装置の製造方法。
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