JP6242706B2 - 火花点火式エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、火花点火式エンジンに関し、詳しくは、排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる火花点火式エンジンに関する。
従来、火花点火式エンジンとして、次のようなものがある。
シリンダヘッドの燃焼室天井部の外周部に設けられたシリンダヘッド側スキッシュ面と、このシリンダヘッド側スキッシュ面と対向してピストンヘッドの外周部に設けられたピストンヘッド側スキッシュ面と、シリンダヘッドの燃焼室天井部の中央側に凹入された燃焼室凹入部と、燃焼室凹入部の相互対向部のうち、一方の対向部に設けられた吸気弁口と、他方の対向部に設けられた排気弁口と、燃焼室凹入部に向けられた点火プラグ取付孔とを備え、
シリンダヘッド側スキッシュ面とピストンヘッド側スキッシュ面とが、燃焼室凹入部に向けて上り傾斜し、圧縮上死点付近で、シリンダヘッド側スキッシュ面とピストンヘッド側スキッシュ面との間に形成されるスキッシュエリアからスキッシュ流が燃焼室凹入部の中央部に向けて噴出するように構成されている (例えば、特許文献1参照)。
この種のエンジンによれば、スキッシュ流で燃焼室凹入部内の混合気に乱れを生じさせ、点火プラグの火花放電で発火した火炎の伝播速度を高め、ノッキングを抑制することができる利点がある。
しかし、この従来技術では、燃焼室凹入部内に点火プラグ先端の火花放電部が突出しているため、問題がある。
実開昭60−102428号公報(図1、図2参照)
《問題点》 排気中の炭化水素の含有量が多くなる。
燃焼室凹入部内に点火プラグ先端の火花放電部が突出しているため、火花放電部で発生した着火直後の小さな火種が、スキッシュ流で吹き消され、燃焼室での火炎伝播が妨げられ、不完全燃料により、排気中の炭化水素の含有量が多くなる。
本発明の課題は、排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる火花点火式エンジンを提供することにある。
(請求項1,4に係る発明に共通する発明特定事項)
図1,図2に例示するように、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の外周部に設けられたシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と、このシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と対向してピストンヘッド(4)の外周部に設けられたピストンヘッド側スキッシュ面(5)と、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の中央部で凹入された燃焼室凹入部(6)と、燃焼室凹入部(6)の相互対向部(7)(8)のうち、一方の対向部(7)に設けられた吸気弁口(9)と、他方の対向部(8)に設けられた排気弁口(10)と、燃焼室凹入部(6)に向けられた点火プラグ取付孔(11)とを備え、
図2に例示するように、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)とが、燃焼室凹入部(6)に向けて上り傾斜し、圧縮上死点付近で、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)との間に形成されるスキッシュエリア(12)からスキッシュ流が燃焼室凹入部(6)の中央部に向けて噴出するように構成された、火花点火式エンジンにおいて、
図2に例示するように、点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)の全部または一部が点火プラグ取付孔(11)内に配置されている。
(請求項1に係る発明に固有の発明特定事項)
図5に例示するように、シリンダヘッド(1)が、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)と、隣合うシリンダ(19)(19)に吸気(25)(25)を導入する分岐状の吸気ポート(27)と、吸気ポート(27)の分岐端に設けられた吸気弁口(9)(9)とを備え、
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、シリンダヘッド(1)の幅方向を横方向として、吸気ポート(27)のポート入口(27a)は、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)を区画する区画壁(28)の真横に配置され、吸気ポート(27)のポート中心軸線(27b)(27b)はシリンダ中心軸線(13)(13)を通過して真横に伸びる各シリンダ(19)の中央仮想線(15)よりも区画壁(28)側の領域に配置され、吸気(25)(25)が吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成され、
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、吸気ポート(27)は、ポート入口(27a)から燃焼室天井部(2)(2)に至るまで区画壁(28)から離れる向きに突状に湾曲する一対の湾曲ポート(27c)(27c)と、燃焼室天井部(2)(2)で湾曲ポート(27c)(27c)の終端から吸気弁口(9)(9)まで燃焼室天井部(2)の中心部に向かって直進する一対の直進ポート(27d)(27d)とで構成され、
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)からこの終点(27f)(27f)の接線方向に沿って延長された接線方向仮想線(27h)(27h)は、吸気弁口(9)(9)上を通過し、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)から伸びる直進ポート中心軸線(27g)(27g)は、接線方向仮想線(27h)(27h)よりも区画壁(28)側から離され、
湾曲ポート(27c)(27c)で曲げられた吸気(25)(25)が直進ポート(27d)(27d)を経て、吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成されている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
(請求項4に係る発明に固有の発明特定事項)
図6(A)(B)に例示するように、燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施される、ことを特徴とする火花点火式エンジン
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果1−1》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図2に例示するように、点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)の全部または一部が点火プラグ取付孔(11)内に配置されているので、圧縮上死点付近でスキッシュエリア(12)から噴出するスキッシュ流が点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)を直撃する不具合が抑制され、火花放電部(16)付近で発生した発火直後の小さな火種が、スキッシュ流で吹き消されにくく、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
《効果1−2》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
その理由は、次のように推定される。
図5に例示するように、湾曲ポート(27c)(27c)で曲げられた吸気(25)(25)が直進ポート(27d)(27d)を経て、吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成されているので、吸気弁口(9)(9)から吸入される吸気(25)(25)の多くが、シリンダ間肉壁から離れる方向に向けられることなく、シリンダ間肉壁に沿い、高温のシリンダ間肉壁の熱がスワールによってシリンダ(19)(19)全体に行き渡り、各シリンダ(19)内の燃料の気化が促進され、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、滑らかな湾曲ポート(27c)(27c)と、短い直進ポート(27d)(27d)と、区画壁(28)から離れた吸気弁口(9)(9)により、シリンダ(19)(19)内への吸気(25)(25)の流入抵抗が減少し、シリンダ間肉壁に沿うスワール(41)(41)の流速が高まり、燃料の気化が促進され、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図6(A)に例示するように、吸気弁(31)はポペット弁で構成され、燃料インジェクタ(30)から噴射された燃料(32)が、吸気弁(31)の弁頭(31a)に衝突するように構成されているので、燃焼室の燃焼熱を吸収した吸気弁(31)の弁頭(31a)の熱で燃料(32)の気化が促進され、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果3》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図6(A)(B)に例示するように、燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施されるので、燃焼室の燃焼熱と排気熱を吸収した吸気弁(31)の弁頭(31a)の熱で燃料(32)の気化が促進され、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明の効果1−1と請求項3に係る発明の効果3に類似する、次の効果を奏する。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図6(A)(B)に例示するように、燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施されるので、燃焼室の燃焼熱と排気熱で燃料(32)の気化が促進され、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項5に係る発明)
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図1に例示するように、他方の対向部(8)の一側領域(8a)が吸気ガイド面(20)とされ、この吸気ガイド面(20)は、吸気弁口(9)と共通の中心軸線(9a)を有するとともに、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状とされているので、吸気行程で、吸気弁口(9)から吸入された吸気(25)が吸気ガイド面(20)に沿って燃焼室凹入部(6)にスムーズに流れ込み、吸気効率が高まり、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気 (26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
排気上死点付近で吸気弁(31)と排気弁(21)とが開弁しているバルブオーバーラップ期間に、吸気弁口(9)から吸気ガイド面(20)に沿って排気弁口(10)に案内された吸気(25)で燃焼室凹部(6)内の排気(26)が排気弁口(10)に押し込まれ、掃気効率が高まり、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項6に係る発明)
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図1に例示するように、点火プラグ取付孔(11)と排気弁口(10)との間に位置する燃焼室凹入部(6)の端部分(22)が、排気弁口(10)と共通の中心軸線(10a)を有するとともに、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状の排気ガイド面(23)とされているので、排気行程で、燃焼室凹入部(6)の排気(26)が排気ガイド面(23)に沿って排気弁口(10)にスムーズに案内され、掃気効率が高まり、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
(請求項7に係る発明)
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
図2に例示するように、排気上死点付近でスキッシュエリア最大幅部分(14)から噴出する最大スキッシュ流(14a)が、開弁している排気弁(21)の弁頭の排気ポート対向面(21a)に向けられているので、排気弁口(10)付近の排気(26)が最大スキッシュ流(14a)とともに排気弁(21)の弁頭の排気ポート対向面(21a)に衝突し、反射して排気弁口(10)に進入し、掃気効率が高まり、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
本発明の実施形態に係る火花点火式エンジンの燃焼室天井部分とその周辺部分の底面図にピストンヘッドスキッシュ面を重ねた図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のエンジンの燃焼室天井部分とその周辺部分の底面図である。 図1のエンジンで用いるピストンヘッドの平面図である。 図1のエンジンで用いるシリンダヘッドとその周辺部分の横断平面図である。 図1のエンジンを説明する図で、図6(A)はシリンダヘッドとその周辺部分の縦断面図、図6(B)は燃料噴射時期の説明図である。 図1のエンジンで用いるシリンダヘッドと排気マニホルドと排気マフラの横断平面図である。 図1のエンジンの縦断側面図である。 図1のエンジンの側面図である。 本発明の第2実施形態に係る火花点火式エンジンの図7相当図である。
図1〜図9は本発明の第1実施形態に係る火花点火式エンジンを説明する図、図10は本発明の第2実施形態に係る火花点火式エンジンを説明する図であり、各実施形態では、水冷の立形直列2気筒ガソリンエンジンについて説明する。
第1実施形態について説明する。
このエンジンの概要は、次の通りである。
図9に示すように、シリンダブロック(42)の上部にシリンダヘッド(1)が組み付けられ、シリンダヘッド(1)の上部にシリンダヘッドカバー(43)が組み付けられ、シリンダブロック(42)の前側にエンジン冷却ファン(44)が配置され、シリンダブロック(42)の後側にフライホイール(45)が配置されている。
シリンダヘッド(1)の左側面にスロットルボディ(29)が組み付けられ、スロットルボディ(29)に燃料インジェクタ(30)が組み付けられ、シリンダブロック(42)の左側方にメカニカルガバナ(46)が配置されている。図8に示すように、シリンダブロック(42)に前後一対のシリンダ(19)(19)が設けられ、各シリンダ(19)内にピストンヘッド(4)が内嵌されている。シリンダブロック(42)のクランクケース(47)内にクランク軸(48)が架設され、クランク軸(48)の前後一対のクランクピン(49)(49)のクランクピン角度は360°とされている。
燃焼室の構成は、次の通りである。
図1,図2に示すように、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の外周部に設けられたシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と、このシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と対向してピストンヘッド(4)の外周部に設けられたピストンヘッド側スキッシュ面(5)と、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の中央部で凹入された燃焼室凹入部(6)と、燃焼室凹入部(6)の相互対向部(7)(8)のうち、一方の対向部(7)に設けられた吸気弁口(9)と、他方の対向部(8)に設けられた排気弁口(10)と、燃焼室凹入部(6)に向けられた点火プラグ取付孔(11)とを備えている。
図2に示すように、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)とが、燃焼室凹入部(6)に向けて上り傾斜し、圧縮上死点付近で、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)との間に形成されるスキッシュエリア(12)からスキッシュ流が燃焼室凹入部(6)の中央部に向けて噴出するように構成されている。
点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)の配置は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、スキッシュエリア最大幅部分(14)と燃焼室凹入部(6)の中央部とを通過する中央仮想線(15)と、この中央仮想線(15)で区画される一側領域(a)と他側領域(b)とを想定した場合、次のように構成されている。
燃焼室凹入部(6)の相互対向部(7)(8)のうち、いずれかの対向部(7)の一側領域(7a)に吸気弁口(9)が設けられ、この対向部(7)の他側領域(7b)に点火プラグ取付孔(11)が設けられることにより、図1,図10(A)に示すように、シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、中央仮想線(15)と重ならない位置に、点火プラグ先端の火花放電部(16)が配置されている。
吸気弁口(9)の位置に排気弁口(10)が設けられてもよい。
これにより、圧縮上死点付近でスキッシュエリア最大幅部分(14)から噴出する最大スキッシュ流(14a)が点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)を直撃せず、火花放電部(16)付近で発生した発火直後の小さな火種が、最大スキッシュ流(14a)で吹き消されにくく、燃焼室での火炎伝播がスムーズに行われ、不完全燃焼が抑制され、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
ピストンヘッド(4)の構成は、次の通りである。
図2に示すように、ピストンヘッド(4)にはキャビティ(54)が凹設され、図4に示すように、キャビティ(54)の左右両側壁(51)(51)には、前後方向中央部からキャビティ(54)の中央部に突出する左右一対の突出部(55)(55)が設けられ、右側の突出部(55)側でスキッシュエリア最大幅部分(14)が形成されている。各突出部(55)の前後に設けられる窪み(56)(56)は吸気弁(31)や排気弁(21)のバルブリセスとして利用されている。
図2に示すように、火花放電部(16)の全部が点火プラグ取付孔(11)内に配置されている。火花放電部(16)の一部が点火プラグ取付孔(11)内に配置されるようにしてもよい。
吸気ガイド面(20)の構成は、次の通りである。
図1に示すように、燃焼室凹入部(6)の一方の対向部(7)の一側領域(7a)に吸気弁口(9)が設けられ、他方の対向部(8)の他側領域(8b)に排気弁口(10)が設けられている。
この他方の対向部(8)の一側領域(8a)が吸気ガイド面(20)とされ、この吸気ガイド面(20)は、吸気弁口(9)と共通の中心軸線(9a)を有するとともに、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状とされている。
排気ガイド面(23)の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、中央仮想線(15)の片側に位置する前記他側領域(b)で、燃焼室凹入部(6)の一方の対向部(7)に点火プラグ取付孔(11)が設けられるとともに、他方の対向部(8)に排気弁口(10)が設けられている。
点火プラグ取付孔(11)と排気弁口(10)との間に位置する燃焼室凹入部(6)の端部分(22)が、排気弁口(10)と共通の中心軸線(10a)を有するとともに、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状の排気ガイド面(23)とされている。
点火プラグ取付孔(11)はメネジ孔で構成され、点火プラグ(24)のオネジ部(24a)がねじ込まれている。
最大スキッシュ流(14a)の向きは、次の通りである。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、中央仮想線(15)と重なる位置に排気弁口(10)が設けられている。
図2に示すように、排気上死点付近でスキッシュエリア最大幅部分(14)から噴出する最大スキッシュ流(14a)が、開弁している排気弁(21)の弁頭の排気ポート対向面(21a)に向けられている。
吸気ポート(27)の構造は次の通りである。
図5に示すように、シリンダヘッド(1)が、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)と、隣合うシリンダ(19)(19)に吸気(25)(25)を導入する分岐状の吸気ポート(27)と、吸気ポート(27)の分岐端に設けられた吸気弁口(9)(9)とを備えている。
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、シリンダヘッド(1)の幅方向を横方向として、吸気ポート(27)のポート入口(27a)は、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)を区画する区画壁(28)の真横に配置されている。
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、吸気ポート(27)のポート中心軸線(27b)(27b)はシリンダ中心軸線(13)(13)を通過して真横に伸びる各シリンダ(19)の中央仮想線(15)よりも区画壁(28)側の領域に配置され、吸気(25)(25)が吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成されている。
図5に示すように、シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、吸気ポート(27)は、ポート入口(27a)から燃焼室天井部(2)(2)に至るまで区画壁(28)から離れる向きに突状に湾曲する一対の湾曲ポート(27c)(27c)と、燃焼室天井部(2)(2)で湾曲ポート(27c)(27c)の終端から吸気弁口(9)(9)まで燃焼室天井部(2)の中心部に向かって直進する一対の直進ポート(27d)(27d)とで構成されている。
シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)からこの終点(27f)(27f)の接線方向に沿って延長された接線方向仮想線(27h)(27h)は、吸気弁口(9)(9)上を通過し、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)から伸びる直進ポート中心軸線(27g)(27g)は、接線方向仮想線(27h)(27h)よりも区画壁(28)側から離されている。
湾曲ポート(27c)(27c)で曲げられた吸気(25)(25)が直進ポート(27d)(27d)を経て、吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成されている。
燃料(32)の衝突位置は、次の通りである。
図6(A)に示すように、シリンダヘッド(1)に取り付けられたスロットルボディ(29)と、スロットルボディ(29)に取り付けられた燃料インジェクタ(30)と、吸気弁口(9)に設けられた吸気弁(31)とを備えている。
吸気弁(31)はポペット弁で構成され、燃料インジェクタ(30)から噴射された燃料(32)が、吸気弁(31)の弁頭(31a)に衝突するように構成されている。
吸気装置と燃料噴射装置の構成は、次の通りである。
図5に示すように、シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、2本のシリンダ(19)(19)の配列方向を前後方向、これと直交するシリンダヘッド(1)の幅方向を横方向として、隣合う前後のシリンダ(19)(19)の一対に対して、一のスロットルボディ(29)が用いられ、このスロットルボディ(29)がシリンダヘッド(1)の横一側(左側)に配置され、図6(A)に示すように、このスロットルボディ(29)に一のスロットル吸気通路(52)と一のスロットル弁(53)とが設けられている。
図6(A)に示すように、スロットルボディ(29)には一の燃料インジェクタ(30)が取り付けられている。
シリンダ中心軸線(13)の方向を上下方向、シリンダヘッドカバー(43)のある方を上、シリンダブロック(42)のある方を下とし、図6(A)に示すように、クランク軸(48)の架設方向と平行な向きに見て、燃料(32)は吸気ポート(27)に斜め下向きに噴射され、一対の吸気弁(31)の弁頭(31a)に同時期に衝突する。
燃料(32)の噴射時期は、次の通りである。
図6(B)に示すように、燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が一方のシリンダ(19)の爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施される。
この下死点(39)は他方のシリンダ(19)の吸気行程と圧縮行程とを区画する。
燃料(32)の噴射は、その全量または一部が、上記クランク角範囲(40)内で実施されていればよい。
排気処理材(35)の内容は次の通りである。
図7に示すように、このエンジンは、シリンダヘッド(1)に設けられた排気ポート(33)と、排気マフラ(34)と、排気処理材(35)とを備えている。
排気マフラ(34)は、消音室(34a)(34b)を備え、排気処理材(35)は、排気ポート(33)と消音室(34a)(34b)との間に配置されるとともに、ステンレス製で、ステンレス素材の表面が排気(26)と接触するように構成されている。
図7に示すように、このエンジンは、シリンダヘッド(1)に取り付けられた排気マニホルド(36)を備え、排気処理材(35)は、排気マニホルド(36)内に配置されている。
排気マニホルド(36)は、コレクタ部(36a)と、コレクタ部(36a)から各シリンダ(19)の排気ポート(33)に分岐するブランチ部(36b)とで構成され、コレクタ部(36a)の終端に排気出口部(36e)が設けられている。
排気マフラ本体(34c)は、前後方向に長く形成され、前端に排気入口部(34d)を備え、その後に第1の消音室(34a)を備え、その後に第2の消音室(34b)を備えている。排気(26)は、排気入口部(34d)、第1の消音室(34a)、第2の消音室(34b)の順で、排気マフラ本体(34c)を通過する。
図7に示すように、排気処理材(35)は、排気マニホルド(36)のコレクタ部(36a)内に配置されている。
図7に示するように、排気処理材(35)が内蔵されたコレクタ部(36a)の周壁(36d)が、排気マニホルド(36)のブランチ部(36b)の周壁(36c)に沿って配置されている。
排気処理材(35)は、排気マニホルド(36)のコレクタ部(36a)の排気出口部(36e)内に配置されている。
排気処理材(35)の構成は次の通りである。
この実施形態では、排気処理材(35)がステンレス線材の立体網目状組織で構成されている。すなわち、排気処理材(35)はステンレスウールで構成されている。排気処理材(35)は、貴金属からなる触媒成分は担持されていない。
排気処理材(35)は、ステンレスハニカムで構成されていてもよい。
次に、第2実施形態について説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、排気処理材(35)が、排気マフラ本体(34c)の排気入口部(34d)内に配置され、排気処理材(35)が内蔵された排気マフラ本体(34c)の排気入口部(34d)の周壁(34e)が、排気マニホルド(36)のブランチ部(36b)の周壁(36c)に沿って配置されている点が第1実施形態と異なる。
他の構造は、第1実施形態と同じであり、図10中、第1実施形態と同一の要素には、図7と同一の符号を付しておく。
各実施形態の排気処理材(35)に好適に用いることができるステンレスの種類としては、例えば、JIS規格(日本工業規格)で定められたSUS316を挙げることができる。
SUS316は、オーステナイト系ステンレス鋼材で、その成分(元素組成)は、重量%で、Cが0.08以下、Siが1,00%以下、Mnが2.00以下、Pが0.045以下、Niが10.00〜14.00、Crが16.00〜18.00、Moが2.00〜3.00である。
但し、この発明で用いることができるステンレスの種類はこれに限定されるものではなく、ステンレス素材の表面を排気と接触させることにより、排気中の炭化水素と、NOx(窒素酸化物)の含有量を共に減少させることができるものであればよい。
(第1,第2実施形態の効果)

第1,第2実施形態では、前記発明の効果に加え、次の効果が得られる。
《効果》 エンジンの製造コストを安くできる。
排気処理材(35)は、ステンレス製で、ステンレス素材の表面が排気(26)と接触するように構成されているので、貴金属の触媒成分を必要としない安い排気処理材(35)を用いることができ、エンジンの製造コストを安くできる。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図7または図10に例示するように、排気マフラ(34)は、消音室(34a)(34b)を備え、排気処理材(35)は、排気ポート(33)と消音室(34a)(34b)との間に配置されるとともに、ステンレス製で、ステンレス素材の表面が排気(26)と接触するように構成されているので、消音室(34a)(34b)に入る前の排気(26)中の炭化水素が高温の排気熱によりステンレス素材の表面で燃焼して、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOx(窒素酸化物)の含有量を減少させることもできる。その理由としては、ステンレス素材の表面が還元触媒として機能し、排気(26)中のNOxが高温の排気熱によりステンレス素材の表面で還元されて窒素分子となり、排気(26)が浄化されるためと推定される。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
排気処理材(35)がステンレス線材の立体網目状組織で構成されているので、ステンレス素材の表面積が広くなり、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高く、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、ステンレス素材の表面積が広く、排気処理材(35)の還元触媒機能が高いためと推定される。
《効果》 排気中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
排気処理材(35)がステンレスハニカムで構成されているので、ステンレス素材の表面積が広くなり、排気処理材(35)の排気浄化機能が高く、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、ステンレス素材の表面積が広くなり、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高いためと推定される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、更に次の効果が得られる。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図7に例示するように、排気処理材(35)は、排気マニホルド(36)内に配置されているので、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高められ、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高められるためと推定される。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図7に例示するように、排気処理材(35)は、排気マニホルド(36)のコレクタ部(36a)内に配置されているので、排気(26)が合流する位置に排気処理材(35)が配置され、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高められ、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高められるためと推定される。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図7に例示するように、排気処理材(35)が内蔵されたコレクタ部(36a)の周壁(36d)が、排気マニホルド(36)のブランチ部(36b)の周壁(36c)に沿って配置されているので、排気処理材(35)の保温性が高く、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高められ、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、排気処理材(35)の保温性が高く、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高められるためと推定される。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、更に次の効果が得られる。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図10に例示するように、排気処理材(35)は、排気マフラ本体(34c)の排気入口部(34d)内に配置されているので、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高められ、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、排気処理材(35)を通過する排気(26)の温度が高く、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高められるためと推定される。
《効果》 排気中の炭化水素とNOxの含有量を減少させることができる。
図10に例示するように、排気処理材(35)が内蔵された排気マフラ本体(34c)の排気入口部(34d)の周壁(34e)が、排気マニホルド(36)のブランチ部(36b)の周壁(36c)に沿って配置されているので、排気処理材(35)の保温性が高く、排気処理材(35)による炭化水素の燃焼機能が高められ、排気(26)中の炭化水素の含有量を減少させることができる。
また、排気(26)中のNOxの含有量を減少させることもできる。その理由としては、排気処理材(35)の保温性が高く、排気処理材(35)の還元触媒としての機能が高められるためと推定される。
(1) シリンダヘッド
(2) 燃焼室天井部
(3) シリンダヘッド側スキッシュ面
(4) ピストンヘッド
(5) ピストンヘッド側スキッシュ面
(6) 燃焼室凹入部
(7) 一方の対向部
(7a) 一側領域
(7b) 他側領域
(8) 他方の対向部
(8a) 一側領域
(8b) 他側領域
(9) 吸気弁口
(9a) 中心軸線
(10) 排気弁口
(10a) 中心軸線
(11) 点火プラグ取付孔
(12) スキッシュエリア
(13) シリンダ中心軸線
(14a) 最大スキッシュ流
(15) 中央仮想線
(a) 一側領域
(b) 他側領域
(16) 火花放電部
(19) シリンダ
(20) 吸気ガイド面
(21) 排気弁
(21a) 排気ポート対向面
(22) 端部分
(23) 排気ガイド面
(24) 点火プラグ
(25) 吸気
(26) 排気
(27) 吸気ポート
(27a) ポート入口
(27b) ポート中心軸線
(27c) 湾曲ポート
(27d) 直進ポート
(27e) 湾曲ポート中心軸線
(27f) 終点
(27g) 直進ポート中心軸線
(27h) 接線方向仮想線
(28) 区画壁
(29) スロットルボディ
(30) 燃料インジェクタ
(31) 吸気弁
(31a) 弁頭
(32) 燃料
(33) 排気ポート
(34) 排気マフラ
(34a) 第1消音室
(34b) 第2消音室
(34c) 排気マフラ本体
(34d) 排気入口部
(34e) 周壁
(35) 排気処理材
(36) 排気マニホルド
(36a) コレクタ部
(36b) ブランチ部
(36c) 周壁
(36d) 周壁
(37) 爆発行程
(38) 排気行程
(39) 下死点
(40) クランク角範囲

Claims (7)

  1. シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の外周部に設けられたシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と、このシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と対向してピストンヘッド(4)の外周部に設けられたピストンヘッド側スキッシュ面(5)と、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の中央部で凹入された燃焼室凹入部(6)と、燃焼室凹入部(6)の相互対向部(7)(8)のうち、一方の対向部(7)に設けられた吸気弁口(9)と、他方の対向部(8)に設けられた排気弁口(10)と、燃焼室凹入部(6)に向けられた点火プラグ取付孔(11)とを備え、
    シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)とが、燃焼室凹入部(6)に向けて上り傾斜し、圧縮上死点付近で、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)との間に形成されるスキッシュエリア(12)からスキッシュ流が燃焼室凹入部(6)の中央部に向けて噴出するように構成された、火花点火式エンジンにおいて、
    点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)の全部または一部が点火プラグ取付孔(11)内に配置され、
    シリンダヘッド(1)が、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)と、隣合うシリンダ(19)(19)に吸気(25)(25)を導入する分岐状の吸気ポート(27)と、吸気ポート(27)の分岐端に設けられた吸気弁口(9)(9)とを備え、
    シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、シリンダヘッド(1)の幅方向を横方向として、吸気ポート(27)のポート入口(27a)は、隣合うシリンダ(19)(19)の燃焼室天井部(2)(2)を区画する区画壁(28)の真横に配置され、吸気ポート(27)のポート中心軸線(27b)(27b)はシリンダ中心軸線(13)(13)を通過して真横に伸びる各シリンダ(19)の中央仮想線(15)よりも区画壁(28)側の領域に配置され、吸気(25)(25)が吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成され、
    シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、吸気ポート(27)は、ポート入口(27a)から燃焼室天井部(2)(2)に至るまで区画壁(28)から離れる向きに突状に湾曲する一対の湾曲ポート(27c)(27c)と、燃焼室天井部(2)(2)で湾曲ポート(27c)(27c)の終端から吸気弁口(9)(9)まで燃焼室天井部(2)の中心部に向かって直進する一対の直進ポート(27d)(27d)とで構成され、
    シリンダ中心軸線(13)(13)と平行な向きに見て、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)からこの終点(27f)(27f)の接線方向に沿って延長された接線方向仮想線(27h)(27h)は、吸気弁口(9)(9)上を通過し、湾曲ポート中心軸線(27e)(27e)の終点(27f)(27f)から伸びる直進ポート中心軸線(27g)(27g)は、接線方向仮想線(27h)(27h)よりも区画壁(28)側から離され、
    湾曲ポート(27c)(27c)で曲げられた吸気(25)(25)が直進ポート(27d)(27d)を経て、吸気弁口(9)(9)からシリンダ間肉壁に沿って吸入されるように構成されている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  2. 請求項1に記載された火花点火式エンジンにおいて、
    シリンダヘッド(1)に取り付けられたスロットルボディ(29)と、スロットルボディ(29)に取り付けられた燃料インジェクタ(30)と、吸気弁口(9)に設けられた吸気弁(31)とを備え、
    吸気弁(31)はポペット弁で構成され、燃料インジェクタ(30)から噴射された燃料(32)が、吸気弁(31)の弁頭(31a)に衝突するように構成されている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  3. 請求項1または請求項2に記載された火花点火式エンジンにおいて、
    燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施される、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  4. シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の外周部に設けられたシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と、このシリンダヘッド側スキッシュ面(3)と対向してピストンヘッド(4)の外周部に設けられたピストンヘッド側スキッシュ面(5)と、シリンダヘッド(1)の燃焼室天井部(2)の中央部で凹入された燃焼室凹入部(6)と、燃焼室凹入部(6)の相互対向部(7)(8)のうち、一方の対向部(7)に設けられた吸気弁口(9)と、他方の対向部(8)に設けられた排気弁口(10)と、燃焼室凹入部(6)に向けられた点火プラグ取付孔(11)とを備え、
    シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)とが、燃焼室凹入部(6)に向けて上り傾斜し、圧縮上死点付近で、シリンダヘッド側スキッシュ面(3)とピストンヘッド側スキッシュ面(5)との間に形成されるスキッシュエリア(12)からスキッシュ流が燃焼室凹入部(6)の中央部に向けて噴出するように構成された、火花点火式エンジンにおいて、
    点火プラグ(24)先端の火花放電部(16)の全部または一部が点火プラグ取付孔(11)内に配置され、
    燃料インジェクタ(30)から吸気ポート(27)への燃料(32)の噴射が爆発行程(37)と排気行程(38)とを区画する下死点(39)の前40°から後30°のクランク角範囲(40)で実施される、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載された火花点火式エンジンにおいて、
    シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、燃焼室凹入部(6)の中央部を通過する中央仮想線(15)とこの中央仮想線(15)で区画される一側領域(a)と他側領域(b)とを想定した場合、
    燃焼室凹入部(6)の一方の対向部(7)の一側領域(7a)に吸気弁口(9)が設けられ、他方の対向部(8)の他側領域(8b)に排気弁口(10)が設けられ、
    この他方の対向部(8)の一側領域(8a)が吸気ガイド面(20)とされ、この吸気ガイド面(20)は、吸気弁口(9)と共通の中心軸線(9a)を有するとともに、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状とされている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  6. 請求項5に記載された火花点火式エンジンにおいて、
    シリンダ中心軸線(13)と平行な向きに見て、中央仮想線(15)の片側に位置する前記他側領域(b)で、燃焼室凹入部(6)の一方の対向部(7)に点火プラグ取付孔(11)が設けられるとともに、他方の対向部(8)に排気弁口(10)が開口され、
    点火プラグ取付孔(11)と排気弁口(10)との間に位置する燃焼室凹入部(6)の端部分(22)が、排気弁口(10)と共通の中心軸線(10a)を有し、シリンダ(19)側に向けて拡開する円錐台の部分周面形状の排気ガイド面(23)とされている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載された火花点火式エンジンにおいて、
    排気上死点付近でスキッシュエリア最大幅部分(14)から噴出する最大スキッシュ流(14a)が、開弁している排気弁(21)の弁頭の排気ポート対向面(21a)に向けられている、ことを特徴とする火花点火式エンジン。
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