JP2001170484A - 排ガス浄化触媒およびこの排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化触媒およびこの排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置

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JP2001170484A
JP2001170484A JP35928199A JP35928199A JP2001170484A JP 2001170484 A JP2001170484 A JP 2001170484A JP 35928199 A JP35928199 A JP 35928199A JP 35928199 A JP35928199 A JP 35928199A JP 2001170484 A JP2001170484 A JP 2001170484A
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exhaust gas
catalyst
carrier layer
gas purifying
oxide
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JP35928199A
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English (en)
Inventor
Tadami Suzuki
忠視 鈴木
Koichi Nakano
幸一 中野
Shuzo Tokumitsu
修三 徳満
Kunihiro Tsuruta
邦弘 鶴田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の排ガス浄化触媒は、担体層と基材との
間の密着性が悪いため、水分の多い排ガス中で使用する
と絶縁性無機物で構成した担体層が基材であるステンレ
ス製鋼板から剥離し、電気的にショートするという致命
的な課題を有している。 【解決手段】 フェライト系ステンレス基材11と、フ
ェライト系ステンレス基材11の表面に前駆体としてア
ルミニウムを含む琺瑯で形成した担体層12と、担体層
12の表面に形成した触媒13とを備えて、基材11の
耐食性を高め、水分の多い排ガス中で使用したときにも
琺瑯の担体層12が剥がれたりすることがなく、長期の
使用にも十分耐える排ガス浄化触媒としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス中の有害成
分を浄化する排ガス浄化触媒と、この排ガス浄化触媒を
備えた排ガス浄化装置であり、特に水分の多い排ガス中
でも長期間使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】排ガス浄化触媒には、特開平5−301
048号公報に記載された構成のものが提案されてい
る。
【0003】図3は、この構成を示す斜視図である。排
ガス浄化触媒は、電極1a、1bを接続して通電可能と
したエキスパンド加工(ラス網加工とも称す)のステン
レス製鋼板2に、絶縁性無機物を被覆した構成の通電部
3を、触媒の担体層として使用し、この担体層に触媒を
担持しているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の排ガス浄化
触媒は、担体層と基材との間の密着性が悪いため、水分
の多い排ガス中で使用すると絶縁性無機物で構成した担
体層が基材であるステンレス製鋼板から剥離し、電気的
にショートするという致命的な課題を有している。
【0005】すなわち、従来の構成のものは、無機物粒
子を適当なバインダからなるスラリにしてステンレス製
鋼板の基材に直接ウオッシュコートしたもの、あるいは
無機物粒子を前記基材に直接溶射してコーテイングした
ものを使用している。このため、前記しているように絶
縁性皮膜と前記基材との間の密着性が悪く、排ガス中の
水分によって前記基材が腐食され、絶縁性皮膜が剥離し
たりするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェライト系
ステンレス基材の表面に、前駆体として金属アルミニウ
ムを含む琺瑯で形成した担体層が、基材の耐食性を高
め、水分の多い排ガス中で使用したときにも琺瑯の担体
層が剥がれたりすることがなく、長期の使用にも十分耐
える排ガス浄化触媒としているものである。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1に記載した発明は、フェ
ライト系ステンレス基材と、前記フェライト系ステンレ
ス基材の表面に前駆体としてアルミニウムを含む琺瑯で
形成した担体層と触媒とを備えて、基材の耐食性を高
め、水分の多い排ガス中で使用したときにも琺瑯の担体
層が剥がれたりすることがなく、長期の使用にも十分耐
える排ガス浄化触媒としているものである。
【0008】請求項2に記載した発明は、担体層は、前
駆体の金属アルミニウムを固形分の10〜45重量%含
有するようにして、焼成時に溶融したアルミニウムが膨
張して基材の表面に密着し、基材側はアルミニウム合
金、表面側はアルミナの不動態皮膜となっており、水分
の多い排ガス中で使用したときにも表面の担体層に設け
た触媒が剥がれたりすることがなく、長期の使用にも十
分耐える排ガス浄化触媒としているものである。
【0009】請求項3に記載した発明は、担体層は、少
なくともγ−アルミナを含むようにして、担体層の表面
積を広げ、排ガスの浄化性能の高い排ガス浄化触媒とし
ている。
【0010】請求項4に記載した発明は、担体層は、酸
化チタンを固形分の10〜25重量%含有する構成とし
て、琺瑯を焼き付けた際の基材の熱変形が無くなるとと
もに、蒸気に長時間曝される状態であっても剥離が生じ
ることがなく、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触
媒としているものである。
【0011】請求項5に記載した発明は、担体層は、酸
化セリウムを含有する構成として、触媒のガス浄化能力
を高め、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触媒とし
ているものである。
【0012】請求項6に記載した発明は、担体層は、バ
リウムまたはカルシウムまたはマグネシウムの酸化物の
少なくとも一つを含む構成として、ガス吸着能力を高
め、排ガスの滞留時間を長くして、排ガスの浄化性能の
高い排ガス浄化触媒としている。
【0013】請求項7に記載した発明は、通電により発
熱する鉄クロムモリブデン系基材を、不活性ガスと水素
と一酸化炭素と二酸化炭素と酸素との混合ガス雰囲気中
で1000℃〜1200℃で熱処理して最表面に形成し
たクロムとモリブデンの酸化物の不動態皮膜と、前記不
動態皮膜の表面に形成した触媒とを備えた構成として、
基材の耐食性、および触媒の密着性が高く、蒸気に長時
間曝される状態であっても剥離が生じることがなく、長
期の使用にも十分耐える排ガス浄化触媒としているもの
である。
【0014】請求項8に記載した発明は、触媒は、少な
くとも白金またはパラジウムのいずれかまたはこの両方
の貴金属で形成した構成として、白金またはパラジウム
が担体層または不動態皮膜に強固に付着して、優れた浄
化特性と密着性を示し、十分長期の使用ができる排ガス
浄化触媒としているものである。
【0015】請求項9に記載した発明は、触媒は、少な
くともマンガンまたは鉄またはコバルトまたはニッケル
または銅または亜鉛の酸化物または前記金属の複合酸化
物の一種以上で形成した構成として、フェライト系ステ
ンレス基材の担体層または不動態皮膜との密着性が高
く、特に低温で排ガス成分を分解でき、高性能で、長期
の使用に十分耐える排ガス浄化触媒としている。
【0016】請求項10に記載した発明は、機器の排ガ
スが通過する通過経路中に排ガス浄化触媒が前流側とな
るように、複数の開口部を有する通気板が後流側となる
ように、排ガスの通過方向に対して略垂直に配置するよ
うにして、通気板の輻射熱を有効に活用でき、浄化性能
の高い排ガス浄化装置としている。
【0017】請求項11に記載した発明は、通気板をス
テンレスとし、前記通気板の表面に熱処理によって形成
した酸化皮膜と、前記酸化皮膜の表面に形成した水酸化
アルミニウムを主成分とするゾルを焼成して形成した担
体層と、前記担体層に担持させた白金またはパラジウム
のいずれかまたはこの両方の貴金属で構成した触媒、あ
るいは少なくともマンガンまたは鉄またはコバルトまた
はニッケルまたは銅または亜鉛の酸化物または前記金属
の複合酸化物の一種以上で形成した触媒とを備えた構成
として、通気板の輻射熱を有効に活用でき、浄化性能の
高い排ガス浄化装置としている。
【0018】請求項12に記載した発明は、通過経路を
ガラス質のセラミックスで形成した構成として、水蒸気
を含むガス中であっても、電気絶縁性を確保でき、安全
で使い勝手の良い排ガス浄化装置としている 請求項13に記載した発明は、通過経路の内面に撥水耐
熱絶縁性加工面を形成して、水蒸気を含むガス中であっ
ても、電気絶縁性を確保でき、安全で使い勝手の良い排
ガス浄化装置としている 請求項14に記載した発明は、撥水耐熱絶縁性加工面
は、フッ素樹脂を主成分とした構成として、電気絶縁性
を確保でき、安全で使い勝手の良い排ガス浄化装置とし
ている。
【0019】請求項15に記載した発明は、撥水耐熱絶
縁性加工面は、ガラス質を主成分とした構成として、電
気絶縁性を確保でき、安全で使い勝手の良い排ガス浄化
装置としている。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0021】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例である排ガス浄化触媒の構成を示す断面図である。
【0022】本実施例の排ガス浄化触媒10は、フェラ
イト系のステンレスを使用した基材11(以下単に基材
11と称する)の表面に形成した担体層12と、担体層
12に担持させた触媒13を有している。前記基材11
はラス網としており、本実施例では図示していないが、
基材11の適切な箇所に商用電源を通電するための端子
を備えており、通電によって発熱できるようになってい
る。また本実施例では基材5をラス網としているため、
多数の開口部14が形成されているものである。この開
孔部14を有している排ガス浄化触媒10を、例えば加
熱調理器、あるいは電子レンジまたは生ごみ処理機等の
悪臭を伴うガスを排出する機器の排ガスが通過する経路
に配置すると、排ガス中の有害成分と触媒8とが反応し
て浄化が行われる。このとき本実施例では、排ガス浄化
触媒10は、開孔部14を多数有している構成としてい
るため、排ガスが通過する経路中に設置しても、機器が
排出する排ガスはこの通過経路中を圧損を受けることな
く通過するものである。従って、使用者が図示していな
いスイッチをオンして、前記基材11に設けている端子
から商用電源を通電すると、基材11は発熱し、基材1
1の表面の担体層12の表面に担持させている触媒13
が活性化されて、通過する排ガス中の悪臭成分を吸着し
て分解し、浄化するものである。従って、排ガス浄化触
媒10を通過した排ガスは、前記排ガス浄化触媒10の
排ガス浄化によって無臭の空気となって、外部に排出さ
れるものである。
【0023】以下本実施例の効果を検証する実験の結果
について報告する。本実験では、以下のサンブルを使用
して排ガスの浄化特性を調べているものである。
【0024】実験に使用したサンブルは、ひとつは基材
11として18重量%のクロムと3.5重量%のアルミ
ニウムとを含んでいるフェライト系ステンレスを使用し
ている。また比較のためのサンプルとして、18重量%
のクロムと8重量%のニッケルと残量を鉄としたオース
テナイト系のステンレスを使用している。また基材11
は、板厚を65μmとし、Lwが5mmでSwが2mm、き
ざみ幅0.2mmのラス網に加工しているものである。ま
た、この基材11は波状に折り曲げた加工を施してい
る。このそれぞれの表面を、アルミニウムを含む琺瑯に
よって覆って、図1に示している担体層12としてい
る。更にこの担体層12の表面に、白金またはパラジウ
ムあるいはこの両方の貴金属を担持して、触媒13を形
成している。
【0025】前記条件で作成したサンプルについて、基
材11と、基材11の表面に形成している担体層12
と、更に担体層12と触媒13との間の密着性と、基材
11の耐食性と、前記担体層12の熱衝撃性について調
べているものである。試験条件は、密着性については、
テープをサンプルの表面に張り付け、引き剥がしたとき
にテープの接着面に担体層12と触媒13が付着するか
どうかを調べる、いわゆるテープ剥離試験で評価してい
る。この密着強度は、サンプルを温度80℃で相対湿度
95%の雰囲気中に200時間曝した後、行っているも
のである。また耐食性については、2%の濃度の食塩水
中にサンプルを浸漬し、取り出したものを600℃の雰
囲気中に1時間放置し、取り出して常温に冷却すること
を1サイクルとし、このサイクルを200回繰り返すも
のである。また毎回のサイクル毎に外観に錆の発生がな
いかどうかを調べているものである。また熱衝撃性は、
サンプルを400℃の雰囲気中に10分間保持し、取り
出した直後に常温の水中に浸すことを10回繰り返し
て、担体層12が基材11から剥離するかどうか、また
触媒13が担体層12から剥離するかどうかを調べてい
るものである。これらの試験結果を表1に示している。
【0026】
【表1】
【0027】表1からわかるように、基材11にオース
テナイト系のステンレスを使用したものは、密着性、耐
食性、熱衝撃性の全てについて満足できない結果を示し
ているものである。特に熱衝撃性については、担体層1
2が基材11から剥離する量が多く、実用できないとい
う結果が出ているものである。この理由は、基材11と
して使用しているオーステナイト系のステンレスの熱膨
張係数が17×10-6/℃と非常に大きいためと考えら
れる。つまり、熱衝撃の繰り返しによって、基材11の
膨張収縮が繰り返されるために、担体層12が基材11
から剥離するものである。 また本実施例で基材11と
してフェライト系ステンレスを使用したものは、密着
性、耐食性、熱衝撃性の全てについて満足できる結果と
なっているものである。
【0028】続いて、基材11をフェライト系ステンレ
ス(Fe−Cr−Al)に固定して、担体層12の種類
を代えたときの基材11と担体層12との密着性につい
て実験しているものである。この実験は、担体層12の
種類を種々代えて、前記と同様の剥離試験を行って評価
している。
【0029】実験に使用しているサンプルは、一つは担
体層12としてアルミニウムを含まない琺瑯、また第2
にアルミニウムの含有量が5重量%の琺瑯、第3に同様
に10重量%の琺瑯と、第4に30重量%の琺瑯と、第
5に45重量%の琺瑯、第6に50重量%の琺瑯として
いる。なおこのとき、各サンプルとも残部成分はガラス
質としているものである。前記ガラス質としては、シリ
カが90%であり、その他の成分にはナトリウムやカリ
ウムやカルシウムやマグネシウムの酸化物がある。これ
らのサンプルについて、前記と同様、密着性と、基材1
1の耐食性と、担体層12の熱衝撃性について調べてい
るものである。この試験結果を表2に示している。
【0030】
【表2】
【0031】表2からわかるように、アルミニウムを1
0〜45重量%混合した琺瑯を使用したサンプルについ
ては、優れた密着性を示しているものである。
【0032】すなわち、アルミニウムは融点が660℃
であり、担体層12を形成するための焼成によって溶融
して、比表面の大きいアルミナに変化するものである。
また焼成時に溶融したアルミニウムは基材11の表面に
密着し、基材11側はアルミニウムの合金、表面側はア
ルミニウムと酸素の化合物であるアルミナとなっている
ものである。こうして形成される担体層12は、絶縁性
が非常に高いものであり、また表面に凹凸があって基材
11と触媒13との間の密着性を高めるように作用する
ものである。また逆にアルミニウムの含有量が多すぎる
場合には、アルミニウムが膨張しすぎて皮膜が脆くな
り、熱衝撃によって皮膜が脱落したりするものである。
【0033】また、アルミニウムの含有量が少なすぎる
場合には、基材11と担体層12との結合が不十分とな
って、剥離しやすいものである。
【0034】更に続いて、前記サンプルを装置内に実装
して、実際に排ガスを通過させて排ガスの浄化率を測定
する実験を行った結果について報告する。実験に使用し
ている排ガスは、濃度を100ppmに調整したプロパ
ンガスとし、このプロパンガスの除去率を島津製作所製
のHCメータを使用して炭化水素(HC)の除去率とし
て測定している。この実験結果も前記表2に示してい
る。
【0035】表2からわかるように、アルミニウムの含
有量が多い方が炭化水素の除去率は高くなっている。こ
れは琺瑯の焼成時にアルミニウムの一部がアルミナに変
化して担体層12の比表面積が拡大してしているためと
推定される。
【0036】次に担体層12にγ−アルミナを添加した
試料について、密着性について前記と同様の条件で実験
している。この実験の結果について報告する。この実験
は、γ−アルミナの含有量を5重量%から45重量%ま
で変化させたときに、炭化水素の除去率がどのように変
化するかについて調べているものである。この実験の結
果を表3に示している。
【0037】
【表3】
【0038】表3からわかるように、γ−アルミナを添
加すると、炭化水素の浄化率が向上するものである。こ
の理由は、γ−アルミナを添加することで担体層12の
比表面積がさらに拡大して、排ガスと接触する触媒の面
積が増加するためである。しかし、添加量が40重量%
を越えると、基材11との間の密着性が低下する傾向を
示している。この理由は、γ−アルミナを添加すること
によって担体層12の融点が高くなり、基材11と担体
層12とが密着しにくくなったためである。
【0039】なお、本実験では貴金属(白金とパラジウ
ム)を触媒13として使用したが、触媒13として、少
なくともマンガンまたは鉄またはコバルトまたはニッケ
ルまたは銅または亜鉛の酸化物または前記金属の複合酸
化物の一種以上で形成したものは、いずれも十分使用で
きるものである。
【0040】また本実施例では、フェライト系ステンレ
ス基材11は、多孔体としているものである。このた
め、機器の排ガスが通過する経路中に配置したときに、
圧損が低く、効率の高い浄化ができる排ガス浄化触媒を
実現するものである。
【0041】また多孔体を、ラス網または金網またはパ
ンチング板のいずれかとしているため、多孔体を簡単に
構成でき、製造が容易にできる排ガス浄化触媒を実現す
るものである。
【0042】(実施例2)続いて本発明の第2の実施例
について説明する。実施例1で説明した担体層12のも
のでは、水分の多い排ガス中で使用したときには耐水蒸
気性に課題があって担体層12が基材11から剥離する
場合があるものである。そこで本実施例では、このよう
な水分の多い排ガス中で使用したときにも長期間十分使
用できる排ガス浄化装置とするために、担体層12を構
成する琺瑯に更に酸化チタンを加えているものである。
【0043】酸化チタンを加えることによって、担体層
12を焼き付けた際に基材11との間の緩衝剤として作
用し、基材11の熱変形が無くなるものである。このた
め、担体層12の密着性が高くなって蒸気に長時間曝さ
れる状態であっても剥離が生じることがなく、長期の使
用にも十分耐えることができるものである。
【0044】この効果を検証するために行った実験の結
果について報告する。この実験は、酸化チタンの含有量
を種々変化させたサンプルを作成して、各サンプルを水
蒸気中に200時間放置した後取り出して、実施例1と
同様の剥離試験を実行しているものである。また、同時
にそれぞれのタイミングで炭化水素の浄化率を測定して
いるものである。この試験の結果を表4に示している。
【0045】
【表4】
【0046】表4からわかるように、アルミニウムを1
0〜45重量%混合した物に、さらに酸化チタンを10
〜25重量%混入した担体層12としたものは、一層優
れた密着性を示しているものである。特に酸化チタンを
15〜20重量%混入した担体層12としたものは、密
着性が極めて優れているものである。
【0047】このとき、酸化チタンの含有量を10重量
%未満とした担体層12は、基材11との間の密着性が
期待した程向上しないものである。また酸化チタンの含
有量を25重量%を越える担体層12としたものは、基
材11との間の密着性が低下かる傾向を示しているもの
である。このため酸化チタンの含有量は前記しているよ
うに15〜20重量%が適当なものである。
【0048】(実施例3)続いて本発明の第3の実施例
について説明する。実施例2で説明した担体層12のも
のでは、炭化水素の浄化率は十分満足できるとはいえな
いものである。そこで発明者らは、さらに炭化水素の浄
化率を向上するために担体層12に酸化セリウムを添加
する事を検討した。
【0049】酸化セリウムは酸素を吸蔵するという性質
を有しているものである。このため触媒が動作している
ときに前記吸蔵した酸素によって排ガスの分解を助ける
ものである。この効果を検証するために行った実験の結
果について報告する。
【0050】本実験では、担体層12に添加する酸化セ
リウムの含有量を0から25重量%に変化させたとき
に、担体層12と基材11との間の密着性と、炭化水素
の浄化率を測定しているものである。この実験の結果を
表5に示している。
【0051】
【表5】
【0052】表5からわかるように、酸化セリウムの含
有量が10重量%以上であれば炭化水素の浄化率は、非
常に高いものである。また酸化セリウムの含有量が20
重量%も越えると、担体層12と基材11との間の密着
性が低下するものである。そこで酸化セリウムの含有量
は、10重量%から20重量%の範囲が好ましいもので
ある。
【0053】(実施例4)続いて本発明の第4の実施例
について説明する。本実施例では、炭化水素の除去率を
一層高めるために、担体層12に酸化バリウムを添加し
ているものである。酸化バリウムは、通過する排ガス成
分、特に酸性の排ガスを吸着する性質を有しているもの
である。このため、担体層12に酸化バリウムを添加す
ることによって、前記排ガスを長時間保持でき、排ガス
の分解が確実に行えるものである。
【0054】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。この実験では、担体層12に含有
させている酸化バリウムの量を0から10重量%の範囲
で変化させている。このとき、それぞれの場合について
炭化水素の浄化率を測定しているものである。測定結果
を表6に示している。
【0055】
【表6】
【0056】表6からわかるように、酸化バリウムの含
有量が5重量%以上になると、100%に近い浄化率を
示すものである。なお、表6には示していないが、担体
層12に酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムを添加
したものについても、酸化バリウムを添加したものとほ
ぼ同様の浄化率を示すものである。
【0057】(実施例5)続いて本発明の第5の実施例
について説明する。本実施例では、通電により発熱する
鉄クロムモリブデン系の基材11と、この基材11を脱
脂洗浄し、不活性ガスと水素と一酸化炭素と二酸化炭素
と酸素との混合ガス雰囲気中で1000℃〜1200℃
で熱処理して最表面に形成したクロムとモリブデンの酸
化物の不動態皮膜と、前記不動態皮膜の表面に形成した
触媒とを備えて、基材の耐食性、および触媒の密着性が
高く、蒸気に長時間曝される状態であっても剥離が生じ
ることがなく、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触
媒としているものである。本実施例では、不活性ガスと
して窒素ガスを45%,水素ガスを16%,一酸化炭素
ガスを16%,二酸化炭素ガスを22%,残を酸素ガス
としたものを使用している。
【0058】前記不動態皮膜は、非常に緻密で、基材1
1を保護する膜として作用するものである。このため、
この不動態皮膜を形成している排ガス浄化触媒10は、
前記各実施例の構成の排ガス浄化触媒10よりも一層耐
久性が高く、蒸気に長時間曝される状態であっても剥離
が生じることがなく、長期の使用にも十分耐える排ガス
浄化触媒10を実現しているものである。
【0059】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。本実験は、前記条件で熱処理した
基材11をサンプルとして使用し、このサンプルと、基
材11を脱脂のみで作成したものと、基材11を大気中
で950℃で1時間酸化処理したものとを使用し、これ
らの基材11の表面に前記実施例と同様に触媒13を担
持させたものを使用している。こうして作ったサンプル
を、前記実施例1と同様に耐食性試験と、密着性試験
と、熱衝撃試験とを実行しているものである。この試験
結果を表7に示している。
【0060】
【表7】
【0061】表7からわかるように、本実施例の不動態
皮膜を有しているものは、非常に耐食性にも、密着性に
も、耐熱衝撃性にも優れているものである。
【0062】(実施例6)続いて本発明の第6の実施例
について説明する。図2は、本実施例の排ガス上訴内の
構成を示す断面図である。本実施例では、機器の排ガス
が通過する通過経路21中に前記各実施例で説明した排
ガス浄化触媒22が前流側となるように、複数の開口部
20aを有する通気板20が後流側となるように、排ガ
スの通過方向に対して略垂直に配置しているものであ
る。また、本実施例では、前記通過経路21は、耐熱絶
縁性の筐体23によって構成している。本実施例では筐
体23は、雲母(マイカとも称する)もしくはアルミナ
などのセラミックを用いている。また本実施例では、前
記通気板20は非通電としている。
【0063】以下、本実施例の動作について説明する。
図示していないスイッチをオンして排ガス浄化触媒22
を活性化した状態で、通過経路21に排ガスを流すと、
この排ガスは、排ガス浄化触媒22が前流側に配置され
ているため、排ガス浄化触媒22に接触してから、後流
側に配置している通気板20の開孔部20aを通過して
流れるものである。排ガス中に含まれている悪臭成分
は、排ガス浄化触媒22によって吸着浄化されて、排ガ
スが通気板20の開孔部20aを通過したときには無臭
となっているものである。
【0064】このとき、本実施例では、通気板20を後
流側に配置している。従って通気板20の前流側に配置
している排ガス浄化触媒22は、通気板20による輻射
熱を受けているものである。このため、排ガス浄化触媒
22が活性化するのに必要な熱エネルギーを節約できる
ものである。
【0065】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。実験に使用しているガスは、濃度
を100ppmに調節しているプロパンガスとしてお
り、通風経路21の出口でHCメータを使用して、この
プロパンガスの除去率を調べているものである。なおプ
ロパンガスの除去率は、炭化水素除去率として測定して
いる。この実験の結果を表8に示している。
【0066】なお、表8中のサンプル番号1は、通気板
20を使用せずに、排ガス浄化触媒22だけを1層構造
で配置したものとしている。またサンプル2は、通気板
20をラス網加工として、複数の開孔部20aを形成し
たステンレスの板としている。また排ガス浄化触媒22
は、実施例1または実施例2で説明したものとしてい
る。すなわち、ラス網加工し更に波付け加工した基材の
表面に、アルミニウムを含有する琺瑯の担体層と、この
担体層に担持した白金またはパラジウムの貴金属から構
成している。なお、この排ガス浄化触媒22は、50W
を通電して、400℃に保持している。
【0067】
【表8】
【0068】表8からわかるように、複数の開孔部20
aを有する非通電の通気板20を、排ガス浄化触媒22
の後流側に配置すると、炭化水素の除去率が一層高まる
ことがわかる。これは、通気板20によってガスの通過
速度が低下して、排ガス浄化触媒との反応時間が長くな
るためである。また、通気板20は通電されないため、
排ガス浄化触媒だけに電力が集中しその結果、排ガス浄
化触媒22は高い温度に保持され炭化水素の除去率特性
が益々向上する。なお、通気板20は金属に限定するも
のでなくセラミックや耐熱性不織布を用いてもよく、そ
の形状も特に限定するものでない。また、必要に応じて
さらに触媒体を形成しても良い。
【0069】(実施例7)続いて本発明の第7の実施例
について説明する。本実施例では、実施例6で説明して
いる通気板20の表面に触媒体を形成しているものであ
る。すなわち、通気板20をステンレスとし、通気板2
0の表面に熱処理によって形成した酸化皮膜と、前記酸
化皮膜の表面に形成した水酸化アルミニウムを主成分と
するゾルを焼成して形成した担体層と、前記担体層に担
持させた白金またはパラジウムのいずれかまたはこの両
方の貴金属で構成した触媒、あるいは少なくともマンガ
ンまたは鉄またはコバルトまたはニッケルまたは銅また
は亜鉛の酸化物または前記金属の複合酸化物の一種以上
で形成した触媒とを備えた構成としているものである。
【0070】以上の構成とすることによって、通気板2
0ででも排ガスを浄化でき、また通気板20の輻射熱を
有効に活用でき、浄化性能の高い排ガス浄化装置を実現
できるものである。
【0071】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。本実験では、十例6の実験と同様
の条件で行っている。この実験の結果を(表9)に示し
ている。なお(表9)中のサンプル1は、実施例6と同
じであり、通気板20だけを有する排ガス浄化装置であ
る。通気板20はラス網加工し更に波付け加工したフェ
ライト系ステンレス基材を使用している。サンプル2
は、通気板20に触媒体を形成した排ガス浄化装置とし
ているものである。触媒体を形成した通気板20は、ラ
ス網加工し更に波付け加工したフェライト系ステンレス
基材の表面に、熱処理により形成した酸化皮膜と、γ−
アルミナと白金とパラジウムの貴金属から構成される触
媒体を形成したものを使用している。これは、この構成
が水分の多い雰囲気中でも優れた密着性を有するためで
ある。なお、いずれのサンプル番号のものも、前流側に
は通電により発熱する排ガス浄化触媒22を配置してお
り、後流側に配置している通気板8は通電なしである。
【0072】
【表9】
【0073】表9からわかるように、通気板20に触媒
体を形成すると、炭化水素の除去率が一層高まることが
わかる。これは、前流側に配置した排ガス浄化触媒22
が通電によって400℃まで昇温し、この熱が後流側に
配置した通気板20に伝わって通気板20が380℃ま
で上昇し、触媒体の効果が発揮されるためである。(実
施例8)続いて本発明の第8の実施例について説明す
る。本実施例では、図2に示している通風経路を構成す
る筐体23をガラス質のセラミックスで形成しているも
のである。あるいは、筐体23に4フッ化エチレン樹脂
の撥水耐熱絶縁性皮膜を形成しているものである。
【0074】以上の構成とすることによって、通風経路
を流れる排ガスが水蒸気を含んでいる場合であっても、
電気絶縁性を確保でき、安全で使い勝手の良い排ガス浄
化装置を実現しているものである。
【0075】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。この実験は、加熱調理器のステン
レス製の排気筒の内側に、前記筐体23を用いた排ガス
浄化装置22と通気板20を取り付けて行った。効果の
判定は、加熱調理器によって若とり2枚で重さ500g
を調理した直後に、加熱調理器の加熱熱源をオフとし、
また排ガス浄化装置を非通電状態にして、24時間経過
した際の、排ガス浄化触媒と加熱調理器間の絶縁抵抗を
測定し、その最低値を求めているものである。この実験
結果を表10に示している。
【0076】
【表10】
【0077】(表10)に示しているように、筐体23
をガラス質としたものは絶縁抵抗が十分に確保できた。
ガラス質の材料としては、結晶化ガラス、石英、または
ジルコンコ−ジライトが適していた。また、撥水耐熱絶
縁性皮膜を形成している筐体23は、前流側方向へ幅
7.5mm以上にその幅を延ばせば、絶縁抵抗は充分に確
保されることがわかる。つまり、撥水耐熱絶縁性皮膜の
ガス通過方向の設定幅は、取り付け部の幅5mmに前流側
方向へ幅7.5mm以上を加算した幅12.5mm以上とな
る。その設定幅を取り付け部の幅より前流側に大きくす
ると、水分の撥水が充分に行われることとなる。以上の
ことより、排ガス浄化装置とこの装置を取り付けた機器
との付着水分に起因する電気的絶縁が充分に行われ、取
り付け機器に排ガス浄化触媒に流れる電流が流れ込むこ
とを防止されることがわかる。
【0078】撥水耐熱絶縁性皮膜は、フッ素樹脂が最も
適切で、次いでシリコン樹脂、ポリシロキサン樹脂が適
切である。また、撥水耐熱絶縁性皮膜は、筐体23のガ
ス入口部24の外面すべてに直接的に形成するものであ
る。
【0079】(実施例9)続いて本発明の第9の実施例
について説明する。本実施例では、実施例8で説明して
いる撥水耐熱絶縁性皮膜として、フッ素樹脂を主成分と
したものを使用しているものである。
【0080】以上の構成として、電気絶縁性を確保で
き、安全で使い勝手の良い排ガス浄化装置を実現するも
のである。
【0081】以下、本実施例の効果を検証する実験の結
果について報告する。この実験は実施例8で説明したと
同様の条件で行っている。実験の結果を(表11)に示
している。
【0082】
【表11】
【0083】(表11)からわかるように、撥水耐熱絶
縁性皮膜が、フッソ樹脂を50重量%以上望ましくは6
0重量%含有する皮膜は、絶縁抵抗を充分に確保できる
ものである。このため、十分な撥水性を確保でき、排ガ
ス浄化装置とこの装置を取り付けた機器との間の絶縁性
を十分確保できるものである。
【0084】なお特に耐熱性に優れている4フッ化エチ
レン樹脂を使用すると、排出ガスの温度を冷却するため
の部品や空間を必要とせず、その分だけ取り付け機器を
小型化できる。また、排ガス温度の高い機器に取り付け
ることができる。
【0085】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、通電により
発熱するフェライト系ステンレス基材と、前記フェライ
ト系ステンレス基材の表面に、前駆体として金属アルミ
ニウムを含む琺瑯で形成した担体層と、触媒とを備えた
構成として、基材の耐食性を高め、水分の多い排ガス中
で使用したときにも琺瑯の担体層が剥がれたりすること
がなく、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触媒を実
現するものである。
【0086】請求項2に記載した発明は、担体層は、前
駆体の金属アルミニウムを固形分の10〜45重量%含
有する構成として、焼成時に溶融したアルミニウムが膨
張して基材の表面に密着し、基材側はアルミニウム合
金、表面側はアルミナの不動態皮膜となっており、水分
の多い排ガス中で使用したときにも表面の担体層に設け
た触媒が剥がれたりすることがなく、長期の使用にも十
分耐える排ガス浄化触媒を実現するものである。
【0087】請求項3に記載した発明は、担体層は、少
なくともγ−アルミナを含む構成として、担体層の表面
積を広げ、排ガスの浄化性能の高い排ガス浄化触媒を実
現するものである。
【0088】請求項4に記載した発明は、担体層は、酸
化チタンを固形分の10〜25重量%含有する構成とし
て、琺瑯を焼き付けた際の基材の熱変形が無くなるとと
もに、蒸気に長時間曝される状態であっても剥離が生じ
ることがなく、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触
媒を実現するものである。
【0089】請求項5に記載した発明は、担体層は、酸
化セリウムを含有する構成として、触媒のガス浄化能力
を高め、長期の使用にも十分耐える排ガス浄化触媒を実
現するものである。
【0090】請求項6に記載した発明は、担体層は、バ
リウムまたはカルシウムまたはマグネシウムの酸化物の
少なくとも一つを含む構成として、ガス吸着能力を高
め、排ガスの滞留時間を長くして、排ガスの浄化性能の
高い排ガス浄化触媒を実現するものである。
【0091】請求項7に記載した発明は、通電により発
熱する鉄クロムモリブデン系基材と、不活性ガスと水素
と一酸化炭素と二酸化炭素と酸素との混合ガス雰囲気中
で1000℃〜1200℃で熱処理して最表面に形成し
たクロムとモリブデンの酸化物の不動態皮膜と、前記不
動態皮膜の表面に形成した触媒とを備えた構成として、
基材の耐食性、および触媒の密着性が高く、蒸気に長時
間曝される状態であっても剥離が生じることがなく、長
期の使用にも十分耐える排ガス浄化触媒を実現するもの
である。
【0092】請求項8に記載した発明は、触媒は、少な
くとも白金またはパラジウムのいずれかまたはこの両方
の貴金属で形成した構成として、白金またはパラジウム
が担体層に強固に付着して、優れた浄化特性と密着性を
示し、十分長期の使用ができる排ガス浄化触媒を実現す
るものである。
【0093】請求項9に記載した発明は、触媒は、少な
くともマンガンまたは鉄またはコバルトまたはニッケル
または銅または亜鉛の酸化物または前記金属の複合酸化
物の一種以上で形成した構成として、フェライト系ステ
ンレス基材の担体層との密着性が高く、特に低温で排ガ
ス成分を分解でき、高性能で、長期の使用に十分耐える
排ガス浄化触媒を実現するものである。
【0094】請求項10に記載した発明は、機器の排ガ
スが通過する通過経路中に請求項1から9のいずれか1
項に記載した排ガス浄化触媒が前流側となるように、複
数の開口部を有する通気板が後流側となるように、排ガ
スの通過方向に対して略垂直に配置した構成として、通
気板の輻射熱を有効に活用でき、浄化性能の高い排ガス
浄化装置を実現するものである。
【0095】請求項11に記載した発明は、通気板をス
テンレスとし、前記通気板の表面に熱処理によって形成
した酸化皮膜と、前記酸化皮膜の表面に形成した水酸化
アルミニウムを主成分とするゾルを焼成して形成した担
体層と、前記担体層に担持させた白金またはパラジウム
のいずれかまたはこの両方の貴金属で構成した触媒、あ
るいは少なくともマンガンまたは鉄またはコバルトまた
はニッケルまたは銅または亜鉛の酸化物または前記金属
の複合酸化物の一種以上で形成した触媒とを備えた構成
として、通気板ででも排ガスを浄化でき、通気板の輻射
熱を有効に活用でき、浄化性能の高い排ガス浄化装置を
実現するものである。
【0096】請求項12に記載した発明は、通過経路を
ガラス質のセラミックスで形成した構成として、水蒸気
を含むガス中であっても、電気絶縁性を確保でき、安全
で使い勝手の良い排ガス浄化装置を実現するものであ
る。
【0097】請求項13に記載した発明は、通過経路の
内面に撥水耐熱絶縁性加工面を形成した構成として、水
蒸気を含むガス中であっても、電気絶縁性を確保でき、
安全で使い勝手の良い排ガス浄化装置を実現するもので
ある。
【0098】請求項14に記載した発明は、撥水耐熱絶
縁性加工面は、フッ素樹脂を主成分とした構成として、
電気絶縁性を確保でき、安全で使い勝手の良い排ガス浄
化装置を実現するものである。
【0099】請求項15に記載した発明は、撥水耐熱絶
縁性加工面は、ガラス質を主成分とした構成として、電
気絶縁性を確保でき、安全で使い勝手の良い排ガス浄化
装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である排ガス浄化触媒の
構成を示す断面図
【図2】本発明の第6の実施例である排ガス浄化装置の
構成を示す断面図
【図3】従来の排ガス浄化触媒の構成を示す斜視図
【符号の説明】
10 排ガス浄化触媒 11 基材 12 担体層 13 触媒 14 開口部 20 通気板 20a 開孔部 21 通気経路 22 排ガス浄化触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/44 B01J 23/58 A 23/63 23/72 A 23/58 23/74 A 23/72 33/00 D 23/74 35/02 301A 33/00 35/04 331A 35/02 301 351 35/04 331 37/02 301K 351 B01D 53/36 B 37/02 301 A B01J 23/56 301A (72)発明者 徳満 修三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鶴田 邦弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA22 BA01Y BA03X BA07X BA10X BA15X BA16Y BA19X BA28Y BA30X BA31X BA35Y BA36Y BA37Y BA38Y BA41X BA42Y BB07 CA01 CC32 CC38 CC63 CD08 EA02 4G069 AA03 AA08 AA14 BA01A BA01B BA04A BA04B BA14A BA18 BB02A BB02B BB04A BB04B BB06A BC09A BC10A BC13A BC13B BC16A BC16B BC31A BC35A BC43A BC43B BC62A BC66A BC67A BC68A BC72A BC72B BC75A BC75B CA04 CA17 EA12 EB02 EB10 EC22X EC22Y ED03 EE03 EE08 FA01 FA04 FA06 FB40 FC07 FC08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱するフェライト系ステン
    レス基材と、前記フェライト系ステンレス基材の表面
    に、前駆体として金属アルミニウムを含む琺瑯で形成し
    た担体層と触媒とを備えた排ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】 担体層は、前駆体の金属アルミニウムを
    固形分の10〜45重量%含有する請求項1に記載した
    排ガス浄化触媒。
  3. 【請求項3】 担体層は、少なくともγ−アルミナを含
    む請求項1または2に記載した排ガス浄化触媒。
  4. 【請求項4】 担体層は、酸化チタンを固形分の10〜
    25重量%含有する請求項1から3のいずれか1項に記
    載した排ガス浄化触媒。
  5. 【請求項5】 担体層は、酸化セリウムを含有する請求
    項1から4のいずれか1項に記載した排ガス浄化触媒。
  6. 【請求項6】 担体層は、バリウムまたはカルシウムま
    たはマグネシウムの酸化物の少なくとも一つを含む請求
    項5に記載した排ガス浄化触媒。
  7. 【請求項7】 通電により発熱する鉄クロムモリブデン
    系基材を、不活性ガスと水素と一酸化炭素と二酸化炭素
    と酸素との混合ガス雰囲気中で1000℃〜1200℃
    で熱処理して最表面に形成したクロムとモリブデンの酸
    化物の不動態皮膜と、前記不動態皮膜の表面に形成した
    触媒とを備えた排ガス浄化触媒。
  8. 【請求項8】 触媒は、少なくとも白金またはパラジウ
    ムのいずれかまたはこの両方の貴金属で形成した請求項
    1から7のいずれか1項に記載した排ガス浄化触媒。
  9. 【請求項9】 触媒は、少なくともマンガンまたは鉄ま
    たはコバルトまたはニッケルまたは銅または亜鉛の酸化
    物または前記金属の複合酸化物の一種以上で形成した請
    求項1から7のいずれか1項に記載した排ガス浄化触
    媒。
  10. 【請求項10】 機器の排ガスが通過する通過経路中に
    請求項1から9のいずれか1項に記載した排ガス浄化触
    媒が前流側となるように、複数の開口部を有する通気板
    が後流側となるように、排ガスの通過方向に対して略垂
    直に配置した排ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 通気板をステンレスとし、前記通気板
    の表面に熱処理によって形成した酸化皮膜と、前記酸化
    皮膜の表面に形成した水酸化アルミニウムを主成分とす
    るゾルを焼成して形成した担体層と、前記担体層に担持
    させた白金またはパラジウムのいずれかまたはこの両方
    の貴金属で構成した触媒、あるいは少なくともマンガン
    または鉄またはコバルトまたはニッケルまたは銅または
    亜鉛の酸化物または前記金属の複合酸化物の一種以上で
    形成した触媒とを備えた請求項10に記載した排ガス浄
    化装置。
  12. 【請求項12】 通過経路をガラス質のセラミックスで
    形成した請求項10または11に記載した排ガス浄化装
    置。
  13. 【請求項13】 通過経路の内面に撥水耐熱絶縁性加工
    面を形成した請求項10または11に記載した排ガス浄
    化装置。
  14. 【請求項14】 撥水耐熱絶縁性加工面は、フッ素樹脂
    を主成分とした請求項13に記載した排ガス浄化装置。
  15. 【請求項15】 撥水耐熱絶縁性加工面は、ガラス質を
    主成分とした請求項13に記載した排ガス浄化装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083204A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 排ガス浄化用メタルフィルタの製造前処理方法および排ガス浄化用メタルフィルタの製造方法および排ガス浄化用メタルフィルタ
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