JP3521091B2 - 脱臭体 - Google Patents

脱臭体

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JP3521091B2
JP3521091B2 JP30918593A JP30918593A JP3521091B2 JP 3521091 B2 JP3521091 B2 JP 3521091B2 JP 30918593 A JP30918593 A JP 30918593A JP 30918593 A JP30918593 A JP 30918593A JP 3521091 B2 JP3521091 B2 JP 3521091B2
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alumina
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deodorant
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、暖房、給湯、乾燥、調
理、冷蔵、空調用機器等において利用される脱臭体およ
び脱臭作用を有する発熱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、活性炭やゼオライトなどの吸着剤
を脱臭器内に配置して、ガス状の悪臭物質を吸着して脱
臭する方法が主に用いられてきた。また、オゾン発生機
能を持たせた機器を室内に配置して、悪臭成分をオゾン
ガスによって酸化分解する方式や、貴金属などの酸化分
解触媒を火炎、発熱体などの熱源近傍に設けることによ
り触媒を加熱、活性化させ、臭気物質を酸化分解するこ
とにより脱臭を行う方式も採用されている。さらに近
年、ゼオライト、セピオライトなどの無機物系吸着剤と
貴金属などの酸化分解触媒を有する脱臭体を発熱体など
の熱源近傍に設置し、発熱体に通電されていないときに
は吸着剤により臭気物質を吸着することにより脱臭を行
い、発熱体通電時には触媒が加熱、活性化され、脱臭体
に接触した臭気物質の酸化分解を行うと同時に、吸着剤
に吸着した臭気物質を酸化分解し吸着剤の再生を行う方
式も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の脱臭法には、以下に示すような課題があった。従来
の活性炭やゼオライトのように、臭気物質の吸着により
脱臭を行う方式では、吸着が飽和に達すると交換が必要
である。また、触媒により脱臭を行う方式では、触媒を
常に加熱しなければ、脱臭ができない。さらに、オゾン
による臭気分解法では、脱臭に最適なオゾン発生濃度を
制御するために特別な装置を備えなければならない。ま
た、オゾンによって分解が困難な臭気成分種があるし、
オゾン発生器に寿命があるなどが問題点としてある。
【0004】また、無機物系吸着剤と酸化分解触媒を有
する脱臭体により脱臭を行う方式では、SiO2/Al2
3比の低い通常のゼオライトでは、耐酸性が弱いため
限られた用途にしか適用できないといった問題点があ
る。また、メチルメルカプタンなどのチオール化合物
は、貴金属などの酸化分解触媒により効果的に除去され
るものの、SiO2/Al23比の低い通常のゼオライ
トを用いた場合、ジメチルジサルファイドなどのジサル
ファイドが生成し易いといった問題点も有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、モル比SiO
2/Al23が8以上のゼオライト、アルミナおよび貴
金属を含む脱臭体である。ここに吸着剤として用いられ
るゼオライトは、Wmn2n・sH2Oで表わされる含
水ケイ酸塩であり、Wは交換可能な金属カチオン、Zは
SiとAlである。 また、本発明の脱臭体は、前記の
ゼオライト、および貴金属を担持したアルミナを含む構
成である。
【0006】さらに、他の態様において、本発明の脱臭
体は、前記のゼオライトとアルミナを含む成型体もしく
は被膜の外表面ないし外表面近傍に貴金属を偏在させた
構成を有する。
【0007】本発明の発熱体は、電器抵抗体を内蔵する
石英またはガラス体と、前記石英またはガラス体の表面
に形成された触媒被覆層を具備し、前記触媒被覆層が上
記のゼオライト、アルミナ、無機バインダーおよび貴金
属を含んでいる。ここで、触媒被覆層の貴金属触媒は、
触媒を含まない被覆層を形成し、これに触媒を添加する
か、被覆層を形成するアルミナにあらかじめ触媒を担持
させておくのが好ましい。
【0008】また、無機バインダーは、シリカであるこ
とが好ましく、前記触媒被覆層のバインダーとしてのシ
リカ含有割合は10〜40wt%が適当である。このバ
インダーは、上記脱臭体におけるゼオライトとアルミナ
を含む成型体もしくは被膜を作製するためのバインダー
としても適用される。
【0009】
【作用】本発明の脱臭体にはゼオライトが含まれている
ために、周囲の空気を脱臭体に接触させることにより、
悪臭成分がゼオライトに吸着され、脱臭体を加熱するこ
となく、脱臭を行うことができる。さらに、通常は上記
の方法で脱臭を行い、ゼオライトの吸着能が飽和に達し
た時点で、脱臭体を加熱することにより、触媒物質であ
る貴金属を活性化し、脱臭体に接触した臭気物質を脱臭
するとともに、ゼオライトに吸着された臭気物質を酸化
分解し、ゼオライトの吸着能力を再生することも可能で
ある。この結果、長期間にわたり脱臭能力を維持するこ
とができる。
【0010】ところで、冷蔵庫内の除霜用ヒータ近傍に
この脱臭体を置いた場合、通常熱交換器がヒータの上部
に存在する構造であるため、除霜時ないし除霜直後に熱
交換器に霜として付着していたデフロスト水が脱臭体に
かかる場合がある。冷蔵庫の使用状況にもよるが、これ
らのデフロスト水は一般に酸性で、pH4近くになるこ
ともある。ゼオライトは、SiO2/Al23比が大き
いほど耐酸性に優れている。SiO2/Al23=8よ
りも小さいゼオライトを用いると、pH4程度の酸でゼ
オライト構造が破壊され、脱臭特性が劣化するといった
問題が生じる。このようにSiO2/Al23比の大き
いゼオライトを用いることにより、脱臭体の適用用途が
広がる。
【0011】また、臭気物質がメチルメルカプタンであ
る場合、通常のH型、Na型ゼオライト単独で貴金属を
含まない脱臭体では、SiO2/Al23=8以上のゼ
オライトを用いても、十分にメチルメルカプタンを低減
させることができない。イオン交換サイトにCuなどの
遷移金属イオンが入ったゼオライトでは、メチルメルカ
プタンを効果的に低減させることが可能であるが、ジメ
チルジサルファイドが生成し易いといった問題点を有し
ている。さらに、ゼオライトを含まず表面に貴金属を担
持したアルミナ単独を脱臭体として用いた場合でも、C
uイオン交換ゼオライトと同様の問題が生じる。しか
し、SiO2/Al23比の大きいハイシリカゼオライ
トと無機酸化物と貴金属を複合させた脱臭体を用いる
と、効果的にメチルメルカプタンを低減することがで
き、さらにジメチルジサルファイドの発生も抑制でき
る。これは、SiO2/Al23比の大きいハイシリカ
ゼオライトは、ジメチルジサルファイドの吸着特性に優
れているためであると考えられる。
【0012】さらに、SiO2/Al23比が大きいほ
ど空気中の水分を吸着しにくく、水分の吸着による脱臭
能の低下が抑制されるといった効果や、ゼオライトの耐
熱性が向上するといった効果も期待される。また、貴金
属の担持状態に関しては、ゼオライトに担持された場合
やシリカなどアルミナ以外の無機酸化物に担持されてい
る場合に比べて、貴金属がアルミナの上に高分散で担持
されている場合の方が、優れた耐熱性を得ることができ
る。なお、アセトアルデヒドなどのアルデヒドの臭気に
対しては、貴金属が脱臭に効果的であり、特にPtの特
性が高い。また、貴金属担持量が多いほど浄化特性が高
く、また同じ貴金属担持量では脱臭体の外表面ないし外
表面近傍に貴金属が偏在する方が浄化特性が高い。
【0013】さらに、脱臭体を発熱体の基材に塗布し被
覆層として使用することにより、発熱体の熱が効率的に
脱臭体に伝わり、貴金属の酸化分解能を十分に発揮させ
ることができる。また、発熱体の基材としては、被覆層
の密着性の点で石英やガラスが最適である。この場合、
無機バインダーとして、シリカが最も優れている。シリ
カを用いることにより、触媒特性を低下させることな
く、基材から剥離しにくい被膜を形成することができ
る。シリカの含有割合は、被覆層中に10〜40wt%
であることが望ましい。シリカの含有割合が40wt%
を超えると、被膜に亀裂が入りやすくなり、密着性低下
を招き易い。また、10wt%未満では、シリカの十分
な密着性が得られない。
【0014】
【実施例】以下に、本発明に用いる好ましい材料につい
て説明する。ゼオライトは、H型、Na型、K型など種
々の交換カチオンを持ったゼオライトを用いることがで
きる。また、ゼオライト骨格中に存在するAlをGaや
Tiなどで置換したものを用いてもよい。この場合、置
換原子をMとすると、モル比Si/M=4以上であれば
Alの場合と同様の効果が期待できる。アルミナは、β
−、γ−、δ−、θ−、η−、ρ−、χ−アルミナなど
の準安定アルミナである。アルミナへの貴金属の担持
は、あらかじめ貴金属をアルミナに担持しておいてもよ
いが、アルミナとゼオライトを混合してから貴金属水溶
液に含浸したり、前記混合物に貴金属水溶液を滴下した
後、焼成し貴金属を担持してもよい。これは、ゼオライ
ト上に担持される貴金属もあるが、アルミナ上に担持さ
れた貴金属もあるため耐熱性は維持されるからである。
【0015】本発明の脱臭体は、酸化セリウムを含むこ
とが望ましい。酸化セリウムを脱臭体中に含むことによ
り、脱臭体を加熱した場合、炭化水素化合物に対する酸
化分解活性を向上させることができる。酸化セリウム含
有割合は、脱臭体中に2〜15wt%であることが望ま
しい。酸化セリウムの含有割合が15wt%を超える
と、触媒の酸化分解特性が低下し始め、また2wt%未
満では、酸化セリウムの十分な添加効果が得られない。
本発明の脱臭体は、酸化バリウムを含むことが望まし
い。酸化バリウムを脱臭体中に含むことにより、触媒の
酸化分解特性を向上することができる。また、酸化バリ
ウムの代わりに炭酸バリウムを用いても同様の添加効果
が得られる。
【0016】貴金属としては、PtまたはPdを用いる
ことが望ましく、PtとPdの両方を用いた場合さらに
望ましい。これは、PtやPdの酸化分解力がRhやI
rに比べて高く、PtとPdの両方を用いることにより
さらに高活性となるためである。また、Ruを用いた場
合、高温での使用によりRuが揮散し有害物質となる。
また、被覆層を形成するとき、石英またはガラス体表面
を粗面化した後被覆層を設けるか、石英またはガラス体
表面を十分に脱脂した後被覆層を設けることが望まし
い。この製造方法により、石英またはガラス体と被覆層
との密着性を向上することができる。前記の被覆層形成
方法は、種々の方法を用いることができる。例えば、ス
プレー塗装、ディップ塗装、静電塗装、ロールコート
法、スクリーン印刷法などがある。
【0017】本発明の脱臭体は、基材表面に被膜として
形成しても、ペレットに成型しても、また粉末として不
織布のようなものに包んで用いることもできる。ペレッ
ト等の成型体として用いる場合にも、無機バインダーと
してシリカを用いることにより、耐衝撃性に優れた成型
体を得ることができる。本発明の発熱体の代表的な実施
例を図1に示す。図1において、1はニクロム線、2は
石英管、3は触媒被覆層、4はニクロム線1を保持する
碍子である。以下に具体的な実施例を示す。
【0018】[実施例1]塩化白金酸水溶液とアルミナ
をボールミルを用いて十分に混合した後、500℃にて
焼成し、粉砕して、Ptを担持したアルミナを調製し
た。このPtを担持したアルミナ160gと、シリカに
換算して20wt%含むコロイダルシリカ水溶液400
gと、水200gおよびSiO2/Al23=15のH
−モルデナイト160gを、ボールミルを用いて十分に
混合して、スラリーAを調製した。一方、外径10m
m、内径9mm、長さ344mmの石英管2の外周面を
脱脂洗浄した。スラリーAを用いて、石英管2の両側3
3mmを残して外周面にスプレ−法で塗装した後、10
0℃で2時間乾燥し、続いて500℃で1時間焼成して
触媒被膜3を有する石英管2を作製した。被膜重量は
1.0gであり、Pt含有量は、25mgである。この
石英管2に、40Ωのコイル状ニクロム線1を内蔵さ
せ、碍子4により石英管2の両側で絶縁、保持し、触媒
被膜3を有する発熱体Aを作成した。
【0019】種々のゼオライトを用い、ゼオライトの耐
酸性を調べるため以下の検討を行った。スラリーAにお
いてH−モルデナイトの代わりに、SiO2/Al23
比がそれぞれ2、5.5、7.5、8、11のNaイオ
ン交換A型ゼオライト、H−Y型ゼオライト、エリオナ
イト、オフレタイト、H−モルデナイトを用いスラリー
を調製し、石英管に被覆し発熱体B、C、D、E、Fを
作製した。この発熱体をpH3.5の酢酸水溶液中に室
温で1週間浸漬した後、焼成し被膜の重量減を求め、ゼ
オライトの耐酸性を調べた。結果を表1に示した。耐酸
性に乏しいゼオライトは酸性溶液に溶解するが、表1に
示すように、SiO2/Al23比が大きいほど耐酸性
に優れており、特にSiO2/Al23=8以上で優れ
ていることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】[実施例2]メチルメルカプタン浄化特性
およびジメチルジサルファイド浄化特性と脱臭体構成成
分との関係を調べるため、以下の検討を行った。スラリ
ーAにおいてH−モルデナイトのかわりに、シリカライ
トを用いスラリーGを調製し、このスラリーを石英管に
被覆して発熱体Gを作製した。被膜重量、Pt含有量は
Aと同じである。また、スラリーAにおいて、Ptの担
持量を半分にしたアルミナを調製し、Pt担持アルミナ
320gと、シリカに換算して20wt%含むコロイダ
ルシリカ水溶液400gと、水200gを、ボールミル
を用いて十分に混合しスラリーHを調製し、このスラリ
ーを石英管に被覆してゼオライトを含まない発熱体Hを
作製した。被膜重量、Pt含有量はAと同じである。
【0022】一方、シリカライト320gと、シリカに
換算して20wt%含むコロイダルシリカ水溶液400
gと、水200gを、ボールミルを用いて十分に混合し
て、スラリーIを調製し、このスラリーを石英管に被覆
して貴金属とアルミナを含まない発熱体Iを作製した。
被膜重量はAと同じである。さらに、スラリーIにおい
てゼオライトとしてSiO2/Al23=2のNaイオ
ン交換A型ゼオライトを用いてスラリーJを調製し、こ
のスラリーを石英管に被覆して発熱体Jを作製した。被
膜重量はAと同じである。次に、発熱体G、H、I、J
についてメチルメルカプタン浄化試験を行った。メチル
メルカプタン浄化試験は、250lの立方体のフッ素樹
脂製の容器の中に発熱体を置き、発熱体を加熱せず、濃
度が8ppmになるようにメチルメルカプタンを容器に
注入し、90分後のメチルメルカプタン濃度とジメチル
ジサルファイド生成量を調べることにより行った。測定
はガスクロマトグラフにより調べた。結果を表2に示し
た。
【0023】
【表2】
【0024】さらに、発熱体G、H、I、Jについてジ
メチルジサルファイド浄化試験を行った。メチルメルカ
プタン浄化試験と同様の実験方法により、ジメチルジサ
ルファイド初期濃度は5ppmになるようにジメチルジ
サルファイドを容器に注入し、90分後の残存率を調べ
た。結果を表3に示した。
【0025】
【表3】
【0026】表2、表3より明らかなように、貴金属担
持アルミナのみを脱臭体として用いると、メチルメルカ
プタンが効率的に除去されるが、ジメチルジサルファイ
ドが多量に副生する。また、シリカライトのみを用いる
と、ジメチルジサルファイドは生成しないものの、メチ
ルメルカプタンの浄化能に劣る。シリカライトと貴金属
担持アルミナの両方を含有させることにより、メチルメ
ルカプタンを効率的に除去できるとともに、ジメチルジ
サルファイドの発生を抑制することができる。これは、
シリカライトはSiO2/Al23比が著しく大きいこ
とによりジメチルジサルファイドを効果的に吸着するか
らであり、発熱体JのようにSiO2/Al23が小さ
いゼオライトでは、ジメチルジサルファイドを効果的に
吸着することができない。
【0027】[実施例3]貴金属の担持状態とアセトア
ルデヒドの浄化特性の関係を調べるため、以下の実験を
行った。塩化白金酸水溶液とアルミナ160gと、シリ
カに換算して20wt%含むコロイダルシリカ水溶液4
00gと、水200gとシリカライト160gをボール
ミルを用いて十分に混合して、スラリーKを調製し、こ
のスラリーを石英管に被覆して発熱体Kを作製した。被
膜重量、Pt含有量はAと同じである。一方、スラリー
Gにおいて貴金属を担持しないアルミナを用い、スラリ
ーLを調製し、このスラリーを石英管に被覆して貴金属
を含まない発熱体を作製した。被膜重量はAと同じであ
る。この発熱体の被膜に塩化白金水溶液をスポイトにて
均一に滴下した後焼成し、被膜外表面に白金を担持した
発熱体Lを作製した。Pt含有量はAと同じである。
【0028】発熱体G、K、Lについてアセトアルデヒ
ドの浄化特性を調べた。アセトアルデヒド浄化試験は、
250lの立方体のフッ素樹脂製の容器の中に発熱体を
置き、発熱体を加熱せず、濃度が14ppmになるよう
にアセトアルデヒドを容器に注入し、60分後のアセト
アルデヒド濃度をガスクロマトグラフにより調べた。結
果を表4に示した。表4に示すように、貴金属を被膜外
表面に担持することにより、アセトアルデヒド浄化能が
向上する。
【0029】
【表4】
【0030】[実施例4]貴金属の担持状態と触媒の耐
熱性の関係を調べるため、種々の無機酸化物に貴金属を
担持し検討を行った。塩化白金酸水溶液とシリカライト
をボールミルを用いて十分に混合した後、500℃にて
焼成し、粉砕して、Ptを担持したシリカライトを調製
した。このPtを担持したシリカライト160gと、シ
リカに換算して20wt%含むコロイダルシリカ水溶液
400gと、水200gおよびアルミナ160gを、ボ
ールミルを用いて十分に混合してスラリーMを調製し、
このスラリーを石英管に被覆して貴金属をシリカライト
に担持した発熱体Mを作製した。被膜重量、Pt含有量
はAと同じである。一方、スラリーGにおいてアルミナ
の代わりに、シリカ、ジルコニアを用いてスラリーを調
製し、それぞれのスラリーを石英管に被覆して発熱体
N、Oを作製した。
【0031】これらの発熱体G、M、N、Oについて酢
酸酸化浄化試験を行った。酢酸酸化浄化試験は、250
lの立方体のフッ素樹脂製の容器の中に発熱体を置き、
発熱体の中心の外表面の温度が250℃となるよう加熱
したところへ、濃度が15ppmになるように酢酸を容
器に注入し、10分後の濃度を調べることにより行い、
このときの残存率を初期特性とした。測定後発熱体の碍
子、ニクロム線を外し、750℃で1000時間空気中
で焼成した後、再び碍子、ニクロム線を装着し、酢酸酸
化浄化試験を行い、耐熱試験後の特性とした。結果を表
5に示した。表5に示すように、アルミナ上に貴金属を
担持した場合に最も高活性となり、さらに触媒の耐熱性
に優れていることがわかる。
【0032】
【表5】
【0033】[実施例5]加熱再生の効果を調べるた
め、以下の検討を行った。発熱体Gについて酢酸吸着試
験を行った。酢酸吸着試験は、250lの立方体のフッ
素樹脂製の容器の中に発熱体を置き、まず通電せずに吸
着させた。初期濃度は40ppmとし、90分後の濃度
を調べ、1回目の試験結果とした。次に、容器を開放し
空気を入れ換えた後、同じ実験を行い、2回目の試験結
果とした。さらに、その実験の後、容器を開放し、発熱
体の中心の外表面の温度が350℃となるよう10分間
通電した。発熱体を室温近くまで冷却した後、もう一度
酢酸吸着試験を行い、再生後1回目の試験結果とした。
結果を表6に示す。表6に示すように、一度の実験以後
は酢酸吸着能力が落ちるが、再生により初期の吸着能力
に戻る。
【0034】
【表6】
【0035】[実施例6]脱臭体を被膜として形成する
とき、適当な基材が何かを選定するために、様々な基材
を用いて被膜の形成を行い、密着性を調べた。大きさ1
00m×90mm,厚さ1mmの石英板、アルミニウム
板、ステンレス鋼板(SUS430)をそれぞれ脱脂洗
浄した。これらの基材の片側にスラリーGを塗布し、4
00℃にて焼成することにより被膜を形成した。なお、
被膜重量は1.0gとした。これらを400℃で加熱
し、すぐに室温の水中に落下させる水中急冷試験を5回
繰り返し、被膜の剥離状況を調べた。結果を表7に示
す。表7に示すように、石英の基材を用いることによ
り、良好な耐熱衝撃性が得られる。
【0036】
【表7】
【0037】[実施例7]実施例2で作成したスラリー
Gにおいて、スラリー中のコロイダルシリカ水溶液を、
最終固形分中に含まれる無機バインダーの量が同じにな
るように、種々の無機バインダーに置き換えたスラリー
を調製し、同様に発熱体を作成した。これらの被膜の膜
硬度について調べるために、JISG−3320の鉛筆
硬度試験を行った。また、それぞれの発熱体について、
実施例4で述べた酢酸酸化浄化試験を行い、10分後の
残存率を求めた。結果を表8に示した。表8に示すよう
に、バインダーとしてアルミナゾルやベントナイトを用
いると被膜硬度が低下し、リチウムシリケートや水ガラ
スを用いると被膜硬度は向上するものの膜が多孔質とな
らず触媒活性が低下することがわかった。以上のよう
に、無機バインダーとしてシリカを用いることにより、
触媒活性を低下させることなく強固な被膜を形成するこ
とができる。
【0038】
【表8】
【0039】[実施例8]適切な無機バインダーが何か
を調べるため、以下の検討を行った。実施例2で作成し
たスラリーGにおいて、コロイダルシリカ水溶液400
gを加える代わりに、シリカ粉末80gと水320gを
加えたスラリーを調製し、シリカ粉末をシリカ源とした
発熱体Pを作製した。なお、被膜重量および固形分中の
シリカの量は発熱体Gと同じである。これらの被膜の膜
硬度について調べるために、JISG−3320の鉛筆
硬度試験を行った。結果を表9に示す。表9に示すよう
に、シリカ源としてコロイダルシリカを用いることによ
り強固な被膜が形成できる。
【0040】
【表9】
【0041】[実施例9]シリカの添加量と被膜密着性
との関係について調べるため、以下の検討を行った。実
施例2で調製したスラリーGにおいて、スラリー中の全
固形分に対して、コロイダルシリカ水溶液をシリカに換
算して5〜60wt%の間の種々の含有割合とし、シリ
カ増減分はアルミナを増減したスラリーを調製し、これ
を用いて被膜1.0gを形成した発熱体を作製した。こ
れらの発熱体について熱衝撃試験を行い、被膜の密着性
を調べた。熱衝撃試験は、石英管に内蔵した電気抵抗体
に通電し、被膜中央の表面温度を25℃毎に設定し、そ
の温度で10分間保持した後、室温水中に投下して被膜
の剥離の有無を調べ、剥離を起こさない最大温度を耐熱
衝撃温度とした。結果を表10に示した。表10より明
らかなように、シリカの含有割合が10wt%以上40
wt%以下で最も良好な密着性が得られ望ましい。
【0042】
【表10】
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の脱臭体は、SiO
2/Al23=8以上のゼオライトを用いることによ
り、優れた耐酸性を得ることができる。また、悪臭物質
の1つであるメチルメルカプタンを効率的に除去でき、
しかも副生成物であるジメチルジサルファイドの生成を
抑制できる。また、貴金属をアルミナに担持させること
により優れた耐熱性を得ることができ、脱臭体外表面に
貴金属を偏在させることにより、優れた脱臭特性が得ら
れる。また、脱臭体の吸着能が飽和に達した時点で、脱
臭体を加熱したり、加熱された空気を脱臭体に接触させ
ることにより、触媒物質である貴金属を活性化し、脱臭
体に接触した空気中の臭気物質を脱臭するとともに、ゼ
オライトに吸着された臭気物質も貴金属により酸化分解
し、ゼオライトの吸着能力を再生することができる。ま
た、電気抵抗体を内蔵した石英またはガラス体の表面に
脱臭体を被膜として形成することにより、効果的に脱臭
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた発熱体の構成を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 ニクロム線 2 石英管 3 触媒被覆層 4 碍子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 利樹 大阪府東大阪市高井田本通3丁目22番地 松下冷機株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−96178(JP,A) 特開 平5−96156(JP,A) 特開 平5−98184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 9/00 - 9/22 B01D 53/34 B01J 29/068

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル比SiO2/Al23が8以上のゼ
    オライト、アルミナおよび貴金属を含む脱臭体。
  2. 【請求項2】 モル比SiO2/Al23が8以上のゼ
    オライトと、貴金属を担持したアルミナを含む脱臭体。
  3. 【請求項3】 モル比SiO2/Al23が8以上のゼ
    オライトと、アルミナを含む成型体もしくは被膜の外表
    面ないし外表面近傍に、貴金属を偏在させた脱臭体。
  4. 【請求項4】 電気抵抗体を内蔵する石英またはガラス
    体と、前記石英またはガラス体表面に形成された触媒被
    覆層を具備し、前記触媒被覆層が、モル比SiO2/A
    23が8以上のゼオライト、アルミナ、無機バインダ
    ーおよび貴金属を含む発熱体。
  5. 【請求項5】 無機バインダーがシリカである請求項4
    記載の発熱体。
  6. 【請求項6】 触媒被覆層のシリカ含有割合が10〜4
    0wt%である請求項5記載の発熱体。
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