JP6242578B2 - 視野角制限シート及びフラットパネルディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、視野角制限シート及びフラットパネルディスプレイに関する。
フラットパネルディスプレイは、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして多用されている。
このようなフラットパネルディスプレイは、例えば携帯電話や携帯情報端末についていえば、所望の場所で必要な情報を得ることができる等の利点を有する。しかしながら、かかる携帯電話や携帯情報端末に表示される画像は、場所によってはユーザ以外の第三者からも覗き見されるおそれが高く、個人情報漏洩等のプライバシー上の問題を抱えている。
また、フラットパネルディスプレイとしては、ユーザの操作容易性、迅速性等を向上させるべくタッチパネルが搭載されているものもある。かかるタッチパネルが搭載されたフラットパネルディスプレイは、例えば銀行のATM等に用いられているが、ユーザがタッチパネルを介して暗証番号や個人情報を入力した際に第三者から覗き見されると、このような情報が悪用されるおそれがある。
このような問題に鑑み、今日では、視野角を制限することで第三者による覗き見を防止することができる視野角制限シートが発案されている(特開2010−223996号公報参照)。
この視野角制御光学シートは、表示画面に狭い視野角を与える第1領域と、表示画面に広い視野角を与える第2領域とを有している。この視野角制御光学シートは、上記第一領域が、光透過性材料からなる光透過部分と光吸収材料からなる光吸収部分とを交互に配置していることを特徴としている。この視野角制御光学シートは、垂直方向の光を中心とした一定の角度範囲の光を取り出すとともに、斜め方向の光を光吸収部分で吸収することができるので、第三者による斜め方向からの覗き見を防止することができる。しかしながら、この視野角制御光学シートは、光吸収部分が一定間隔で配置されているため、正面輝度の低下を招きやすいという問題を有している。
特開2010−223996号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができるとともに、正面輝度の低下を抑制することができる視野角制限シート及びこの視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部と、上記第一光透過部同士の間に配設される断面矩形の第二光透過部とを有する光学機能層を備え、
互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の少なくとも一方の側面が、微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている視野角制限シートである。
当該視野角制限シートは、第一光透過部と、第一光透過部同士の間に配設される第二光透過部とを有し、互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の少なくとも一方の側面が光散乱面として形成されているので、裏面側から所定の角度で入射された光線を上記光散乱面によって拡散させたうえで出射させることができる。一方、当該視野角制限シートは、裏面側から第一光透過部又は第二光透過部に対して略垂直に入射された光線については光学機能層の表面側から略垂直に出射させることができる。従って、当該視野角制限シートは、正面方向からの視認者(ユーザ)に対しては鮮明な画像を表示させることができるとともに、斜め方向からの視認者に対しては表示される画像をぼやけさせることで個人情報等の漏洩を防止することができる。当該視野角制限シートは、裏面側から所定の角度で入射された光線を光散乱面によって拡散させることで個人情報等の漏洩を防止するものであるから、正面輝度の低下を抑制することができる。
当該視野角制限シートは、上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上4μm以下であるとよい。これにより、光散乱面によって光線を好適に拡散させることができる。
当該視野角制限シートは、上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が1以上20以下であるとよい。これにより、微細凹凸形状のムラを低減し、光拡散性を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、上記光散乱面が、光散乱面の垂直方向単位長さあたり2個/mm以上100個/mm以下設けられているとよい。これにより、視野角を好適に調整することができるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部又は上記第二光透過部の少なくとも一方のヘイズ値が、20%以下であり、上記ヘイズ値を有する光透過部の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)が1以上8.5以下であるとよい。これにより、上記ヘイズ値を有する光透過部を透過する光線によって、正面輝度を向上させることができるとともに、視野角を好適に調整することができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部の屈折率(n)と上記第二光透過部の屈折率(n)とが相違しているとよい。これにより、光散乱面によって光線を好適に拡散させることができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部の屈折率(n)と上記第二光透過部の屈折率(n)との差の絶対値(|n−n|)が0.15以上であるとよい。これにより、光散乱面によって光線をさらに好適に拡散させることができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部の側面と上記第二光透過部の側面とが密接しているとよい。これにより、正面方向の画像の鮮明度及び斜め方向の画像のぼやけ度を好適に制御することができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部が、光拡散剤と、樹脂製マトリックスとを有しているとよい。これにより、第一光透過部による光拡散性を著しく向上させることができる。
当該視野角制限シートは、第一光透過部が光拡散剤と樹脂製マトリックスとを有し、上記第二光透過部の幅(W)の上記第一光透過部の幅(W)に対する比(W/W)が1.5以上15以下であるとよい。これにより、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該視野角制限シートは、第一光透過部が光拡散剤と樹脂製マトリックスとを有し、上記第一光透過部の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)が4以上40以下であるとよい。これにより、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該視野角制限シートは、第一光透過部が光拡散剤と樹脂製マトリックスとを有し、上記第一光透過部同士の配設幅が6μm以上400μm以下であるとよい。これにより、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該視野角制限シートは、上記第一光透過部の樹脂製マトリックスの屈折率(n)が上記第二光透過部の屈折率(n)よりも大きいとよい。これにより、正面方向からの視認者に対して表示される画像の鮮明度を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、上記光学機能層の表面が面一であるとよい。これにより、出射光線を容易に制御することができる。また、当該視野角制限シートは、光学機能層の厚みを一定に保ち、使用性及び光学的均一性を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、上記光学機能層の裏面が面一であるとよい。これにより、入射光線を容易に制御することができる。また、当該視野角制限シートは、光学機能層の厚みを一定に保ち、使用性及び光学的均一性を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、上記光学機能層の一方の面側に形成される保護層を有するとよい。これにより、強度、形状安定性等を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、フラットパネルディスプレイの表示パネルの表面側に配設されるとよい。これにより、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
また、上記課題を解決するためになされたフラットパネルディスプレイは、
当該視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイである。
当該フラットパネルディスプレイは、当該視野角制限シートの裏面側から所定の角度で入射された光線を光散乱面によって拡散させたうえで出射させることができる。一方、当該フラットパネルディスプレイは、当該視野角制限シートの裏面側から第一光透過部又は第二光透過部に対して略垂直に入射された光線については光学機能層の表面側から略垂直に出射させることができる。従って、当該フラットパネルディスプレイは、正面方向からの視認者(ユーザ)に対しては鮮明な画像を表示させることができるとともに、斜め方向からの視認者に対しては表示される画像をぼやけさせることで個人情報等の漏洩を防止することができる。
なお、本発明において、「算術平均粗さ(Ra)」及び「十点平均粗さ(Rz)」は、JIS B0601−2001に準じた値である。「幅」とは、長手方向と垂直であってかつシートの厚み方向と垂直な方向の平均長さを意味する。また、「厚み」とは、JIS K7130に準じて測定した平均厚さをいう。「ヘイズ値」とは、JIS K7105に準拠して測定された値を意味する。「表面側」とは、フラットパネルディスプレイにおける視認者側を意味し、「裏面側」とは、その反対側を意味するものとする。
以上説明したように、本発明の視野角制限シート及びこの視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイは、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができるとともに、正面輝度の低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る視野角制限シートを示す模式的断面図である。 図1の視野角制限シートに対して裏面側から入射した光線の拡散作用を示す図である。 図1の視野角制限シートとは異なる形態に係る視野角制限シートを示す模式的断面図である。 本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式的断面図である。 図4のタッチパネルとは異なる形態に係るタッチパネルを示す模式的断面図である。
[第一実施形態]
〈視野角制限シート1〉
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
図1の視野角制限シート1は、光学機能層2と、保護層3とを有している。
(光学機能層2)
光学機能層2は、多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部4と、多条状に配設される複数の断面矩形の第二光透過部5とを有している。光学機能層2は、第一光透過部4が間隔をおいて略平行に配設され、第一光透過部4同士の間に第二光透過部5が配設されている。光学機能層2において、第一光透過部4の幅(W)は第二光透過部5の幅(W)よりも小さく形成されている。光学機能層2の表面及び裏面は、面一に形成されている。光学機能層2は、第一光透過部4の側面と第二光透過部5の側面とが密接して形成されている。
光学機能層2の厚みとしては、特に限定されないが、50μm以上400μm以下が好ましい。光学機能層2の厚みの上限値は、300μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、光学機能層2の厚みの下限値は、100μmがより好ましく、150μmがさらに好ましい。光学機能層2の厚みが上限値を超える場合、光線透過性が低下するおそれがあるとともに、当該視野角制限シート1の薄型化の要求に反するおそれがある。逆に、光学機能層2の厚みが上記下限値未満である場合、裏面側から入射される光線に対する制御性が低下するおそれが高くなる。
(第一光透過部4)
第一光透過部4は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第一光透過部4の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。第一光透過部4の主成分として用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニルが挙げられる。なかでも第一光透過部4の主成分としては、透明性、強度が高く、複屈折性の制御が容易なポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、第一光透過部4の主成分としては、活性エネルギー線硬化型樹脂も用いられる。第一光透過部4の主成分として活性エネルギー線硬化型樹脂が用いられる場合、所定の形状精度を得やすく、また物理的強度を高めて傷付き防止性を向上させ、光学特性の変化を防ぐことができる。第一光透過部4の主成分として好適に用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂が挙げられる。
上記紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂が挙げられ、なかでも紫外線硬化型アクリレート系樹脂が好ましい。
第一光透過部4の主成分が紫外線硬化型樹脂である場合、光重合開始剤が併用されるのが好ましい。かかる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等並びにこれらの誘導体を挙げることができる。
上記光重合開始剤の含有量としては、特に限定されないが、紫外線硬化型樹脂に対して1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上6質量%以下がより好ましい。光重合開始剤の含有量が上記上限を超える場合、紫外線硬化型樹脂の重合度が低下するおそれがある。逆に、光重合開始剤の含有量が上記下限未満である場合、十分に硬化反応が進行しないおそれがある。
なお、第一光透過部4には、必要に応じて、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等の添加剤が適宜配合されてもよい。
第一光透過部4は、第二光透過部5に面する側面が微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている。第一光透過部4に形成される上記微細凹凸形状は、第一光透過部4の第二光透過部5に面する側面の全面に形成されている。第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、1.5μm以上4μm以下が好ましい。第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)の上限値は、3.8μmがより好ましく、3.5μmがさらに好ましい。一方、第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)の下限値は、1.7μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限値を超える場合、均一な拡散光を出射するのが難しくなるおそれが高くなる。逆に、上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が上記下限値未満の場合、光線の拡散性が低下するおそれが高くなる。これに対し、可視光の波長(360nm〜750nm)との関係では、第一光透過部4の光散乱面がこの波長の数倍のサイズの微細凹凸形状を有する場合、この微細凹凸形状の界面において効果的に光線を拡散することができる。特に波長の5倍程度の微細な凹凸界面において、光線の拡散効果は極めて顕著にあらわれる。
第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)としては、特に限定されないが、1.5μm以上40μm以下が好ましい。第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)の上限値は、35μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。一方、第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)の下限値は、1.7μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)が上記上限値を超える場合、均一な拡散光を出射するのが難しくなるおそれが高くなる。逆に、上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)が上記下限値未満である場合、光線の拡散性が低下するおそれが高くなる。
第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)としては、特に限定されないが、1以上20以下が好ましい。第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)の上限は、15がより好ましく10がさらに好ましい。上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が上記上限を超える場合、微細凹凸形状のムラが大きくなり、好適な拡散分布が得られないおそれが高くなる。これに対し、当該視野角制限シート1は、第一光透過部4の第二光透過部5に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)を算術平均粗さ(Ra)に対して上記範囲に抑えることによって、微細凹凸形状のムラを低減し、光拡散性を向上させることができる。
第一光透過部4の上記微細凹凸形状の凸部同士の平均ピッチは、500nm以上5μm以下が好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。上記凸部同士の平均ピッチが上記範囲外である場合、十分な光拡散機能が発揮されないおそれが高くなる。
第一光透過部4の厚み(T)としては、特に限定されないが、一般的には光学機能層2の厚みと同一とされている。
(第二光透過部5)
第二光透過部5は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第二光透過部5の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第一光透過部4の主成分と同様の合成樹脂が挙げられる。第二光透過部5に配合される添加剤としては、第一光透過部4に配合される添加剤と同様である。
第二光透過部5は、第一光透過部4に面する側面が微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている。第二光透過部5に形成される上記微細凹凸形状は、第二光透過部5の第一光透過部4に面する側面の全面に形成されている。第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)としては、特に限定されないが、1.5μm以上4μm以下が好ましい。第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)の上限値は、3.8μmがより好ましく、3.5μmがさらに好ましい。一方、第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の算術平均粗さ(Ra)の下限値は、1.7μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が上記上限値を超える場合、均一な拡散光を出射するのが難しくなるおそれが高くなる。逆に、上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が上記下限値未満の場合、光線の拡散性が低下するおそれが高くなる。これに対し、可視光の波長(360nm〜750nm)との関係では、第二光透過部5の光散乱面がこの波長の数倍のサイズの微細凹凸形状を有する場合、この微細凹凸形状の界面において効果的に光線を拡散することができる。特に波長の5倍程度の微細な凹凸界面において、光線の拡散効果は極めて顕著にあらわれる。
第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)としては、特に限定されないが、1.5μm以上40μm以下が好ましい。第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)の上限値は、35μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。一方、第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)の下限値は、1.7μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)が上記上限値を超える場合、均一な拡散光を出射するのが難しくなるおそれが高くなる。逆に、上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)が上記下限値未満である場合、光線の拡散性が低下するおそれが高くなる。
第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)としては、特に限定されないが、1以上20以下が好ましい。第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)の上限は、15がより好ましく10がさらに好ましい。第二光透過部5の第一光透過部4に面する光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が上記上限を超える場合、微細凹凸形状のムラが大きくなり、好適な拡散分布が得られないおそれが高くなる。これに対し、当該視野角制限シート1は、上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)を算術平均粗さ(Ra)に対して上記範囲に抑えることによって、微細凹凸形状のムラを低減し、光拡散性を向上させることができる。
第二光透過部5の上記微細凹凸形状の凸部同士の平均ピッチは、500nm以上5μm以下が好ましく、1μm以上3μm以下がより好ましい。上記凸部同士の平均ピッチが上記範囲外である場合、十分な光拡散機能が発揮されないおそれが高くなる。
第一光透過部4及び第二光透過部5の側面に形成される光散乱面の配設個数としては、特に限定されないが、光散乱面の垂直方向単位長さあたり2個/mm以上100個/mm以下が好ましい。上記光散乱面の配設個数の上限は、75個/mmがより好ましく、50個/mmがさらに好ましい。一方、上記光散乱面の配設個数の下限は、10個/mmがより好ましく、20個/mmがさらに好ましい。上記光散乱面の配設個数が上記上限を超える場合、視野角が狭くなるとともに、光散乱面によって拡散される光線の量が増加し、正面方向からの視認者に対して表示される画像の鮮明度が低下するおそれが高くなる。逆に、上記光散乱面の配設個数が上記下限未満の場合、視野角が広くなり、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができなくなるおそれが高くなる。なお、ここでいう光散乱面の個数は、対面する第一光透過部4の側面と第二光透過部5の側面とが共に光散乱面として形成されている場合、1個として計算するものとする。
第二光透過部5の厚み(T)としては、特に限定されないが、一般的には光学機能層2の厚みと同一とされている。
第二光透過部5のヘイズ値としては、特に限定されないが、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。第二光透過部5のヘイズ値が上記上限を超える場合、光線透過率が低下し、正面輝度が低くなるおそれが高くなる。
また、第二光透過部5の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)としては、特に限定されないが、1以上8.5以下が好ましい。第二光透過部5の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)の上限は、5がより好ましく、4がさらに好ましい。一方、第二光透過部5の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)の下限は、1.5がより好ましく、2がさらに好ましい。厚み比(T/W)が上記上限を超える場合、第二光透過部5の表面側から出射される光線の量が減少するとともに、光散乱面によって拡散される光線が増加し、正面方向から視認した場合の画像の鮮明度が低下するおそれがある。逆に、厚み比(T/W)が上記下限未満である場合、視野角が広くなりすぎ、斜め方向から視認者に対して個人情報等が漏洩するおそれが高くなる。
第二光透過部5の屈折率(n)としては、第一光透過部4の屈折率(n)と相違していることが好ましい。これにより、光散乱面によって光線を好適に拡散させることができる。
また、第一光透過部4の屈折率(n)と第二光透過部5の屈折率(n)との差の絶対値(|n−n|)としては、特に限定されないが、0.15以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.45以上がさらに好ましい。第一光透過部4の屈折率(n)と第二光透過部5の屈折率(n)との差の絶対値(|n−n|)が上記下限未満である場合、光線の拡散性が低下するおそれがある。
(保護層3)
保護層3は、光学機能層2の裏面に形成されている。保護層3は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。保護層3の主成分として用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第二光透過部5の主成分として用いられる合成樹脂と同様の合成樹脂が挙げられる。また、保護層3には、第二光透過部5と同様の添加剤が添加されていてもよい。
保護層3の厚みとしては、特に限定されないが、1μm以上10μm以下が好ましい。保護層3の厚みの上限値は、8μmがより好ましく、6μmがさらに好ましい。一方、保護層3の厚みの下限値は、2μmがより好ましく、3μmがさらに好ましい。保護層3の厚みが上記上限値を超える場合、当該視野角制限シート1の薄型化の要求に反するおそれが高くなる。逆に、保護層3の厚みが上記下限値未満である場合、当該視野角制限シート1の強度を好適に高めることができないおそれが高くなる。
保護層3の屈折率(n)としては、特に限定されないが、第二光透過部の屈折率(n)と等しいことが好ましい。当該視野角制限シート1は、保護層3の屈折率(n)が第二光透過部の屈折率(n)と等しいことによって、光線の損失を抑制し、正面輝度を向上させることができる。
〈光線の拡散作用〉
次に、図2を参照して、当該視野角制限シート1の裏面側から入射される光線の拡散作用について説明する。なお、図2において、光線Lは、保護層3の裏面側から入射され、正面方向にピークを示す分布の光線である。
まず、光線Lのうち、保護層3の裏面側から略垂直に入射される光線Lは、第二光透過部5を透過して、第二光透過部5の表面側から略垂直に出射される。
一方、光線Lのうち、光線Lとθの角度をもって保護層3の裏面側から入射される光線Lは、第二光透過部5から第一光透過部4に入射される際に、第二光透過部5と第一光透過部4との界面に形成される光散乱面で拡散される。さらに、光線Lの拡散光である光線L’は、第一光透過部4から第二光透過部5に出射させる際に、第二光透過部5と第一光透過部4との界面に形成される光散乱面で拡散される。そして、光線Lの拡散光である光線L’’は、光線L及び光線L’よりも強度が小さくなった状態で第二光透過部5の表面側から正面方向と所定の角度をもって出射される。
このように、当該視野角制限シート1は、保護層3から第二光透過部5に入射される光線のうち、第一光透過部4に入射されない光線によって正面方向に鮮明な画像を表示させることができるとともに、第一光透過部4に入射された光線については好適に拡散させたうえで出射させることで、斜め方向からの情報の漏洩を防止することができる。
〈製造方法〉
当該視野角制限シート1の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、種々の方法が採用される。当該視野角制限シート1の製造方法としては、例えば(1)第一光透過部4を形成する材料からなる層と、第二光透過部5を形成する材料からなる層とを積層した2層シート体を得る工程と、(2)複数の2層シート体を、第一光透過部4を形成する材料から成る層と第二光透過部5を形成する材料からなる層とが交互に配設されるように重畳して接着し、多層体構造体を得る工程と、(3)得られた多層構造体を重畳方向に切断し、光学機能層2を得る工程と、(4)光学機能層2の裏面に塗工によって保護層3を得る工程とを有している。
また、(1)第一光透過部4を形成する材料からなる層と、第二光透過部5を形成する材料からなる層とを積層した2層シート体得る工程としては、(a)第二光透過部5を形成する材料からなる層を形成し、この層の表面が所定の表面粗さになるようにマット加工を施す工程と、(b)マット加工が施された第二光透過部5を形成する材料からなる層の表面に第一光透過部4を形成する材料からなる層を積層し、硬化させ、マット加工を施すことでこの表面に微細凹凸形状を形成する工程とを有している。
当該視野角制限シート1は、第一光透過部4と、第一光透過部4同士の間に配設される第二光透過部5とを有し、互いに対面する第一光透過部4の側面及び第二光透過部5の側面の少なくとも一方の側面が光散乱面として形成されているので、裏面側から所定の角度で入射された光線を上記光散乱面によって拡散させたうえで出射させることができる。一方、当該視野角制限シート1は、裏面側から第一光透過部4又は第二光透過部5に対して略垂直に入射された光線については光学機能層2の表面側から略垂直に出射させることができる。従って、当該視野角制限シート1は、正面方向からの視認者(ユーザ)に対しては鮮明な画像を表示させることができるとともに、斜め方向からの視認者に対しては表示される画像をぼやけさせることで個人情報等の漏洩を防止することができる。当該視野角制限シート1は、裏面側から所定の角度で入射された光線を光散乱面によって拡散させることで個人情報等の漏洩を防止するものであるから、正面輝度の低下を抑制することができる。
当該視野角制限シート1は、第二光透過部5のヘイズ値及び幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)を上記範囲とすることによって、第二光透過部5に入射される光線により正面輝度を向上させることができるとともに、視野角を好適に調整することができる。
当該視野角制限シート1は、第一光透過部4の側面と第二光透過部5の側面とが密接しているので、正面方向の画像の鮮明度及び斜め方向の画像のぼやけ度を好適に制御することができる。
当該視野角制限シート1は、光学機能層2の表面が面一に形成されているので、出射光線を容易に制御することができる。また、当該視野角制限シート1は、光学機能層2の厚みを一定に保ち、使用性及び光学的均一性を向上させることができる。
当該視野角制限シート1は、光学機能層2の裏面が面一に形成されているので、入射光線を容易に制御することができる。また、当該視野角制限シート1は、光学機能層2の厚みを一定に保ち、使用性及び光学的均一性を向上させることができる。
当該視野角制限シート1は、光学機能層2の一方の面側に形成される保護層3を有しているので、強度、形状安定性等を向上させることができる。
[第二実施形態]
〈視野角制限シート11〉
図3の視野角制限シート11は、光学機能層12と、保護層3とを有している。本実施形態における保護層3は、図1の視野角制限シート1と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
(光学機能層12)
光学機能層12は、多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部13と、多条状に配設される複数の断面矩形の第二光透過部14とを有している。光学機能層12は、第一光透過部13が間隔をおいて略平行に配設され、第一光透過部13同士の間に第二光透過部14が配設されている。光学機能層12の表面及び裏面は、面一に形成されている。光学機能層12は、第一光透過部13の側面と第二光透過部14の側面とが密接して形成されている。光学機能層12の厚みは、図1の光学機能層2の厚みと同様である。
光学機能層12における第一光透過部13の占める表面積としては、5%以上40%以下が好ましい。光学機能層12における第一光透過部13の占める表面積の上限は、30%がより好ましく、20%がさらに好ましい。一方、光学機能層12における第一光透過部13の占める表面積の下限は、10%がより好ましく、15%がさらに好ましい。第一光透過部13の占める表面積が上記上限を超える場合、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させることができないおそれが高くなる。逆に、第一光透過部13の占める表面積が上記下限未満である場合、斜め方向からの個人情報の漏洩を好適に防止できないおそれが高くなる。
(第一光透過部13)
第一光透過部13は、光拡散剤15と、樹脂製マトリックス16とを有している。光拡散剤15は、マトリックス16によって囲繞されている。マトリックス16を形成する合成樹脂としては、特に限定されないが、第一光透過部4の主成分の合成樹脂と同様の合成樹脂が挙げられる。第一光透過部13には、第一光透過部4と同様の光散乱面が形成されている。
マトリックス16は、顔料を分散含有しているとよい。マトリックス16が分散含有する顔料は、特に限定されるものではなく、白色顔料、黒色顔料、青色顔料、赤色顔料等が挙げられる。マトリックス16が分散含有する顔料は、無機顔料であっても有機顔料であってもよいが、耐光性等に優れる無機顔料が好適に用いられる。
上記白色顔料としては、特に限定されるものではなく、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸鉛、硫酸バリウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム等が挙げられる。
上記黒色顔料としては、特に限定されるものではなく、カーボンブラック、黒色酸化鉄等が挙げられる。
上記青色顔料としては、特に限定されるものではなく、コバルトブルー、ウルトラマリン、プルシアンブルー、ターコイズブルー、マンガニーズブルー、フタロシアニンブルー等が挙げられる。
上記赤色顔料としては、特に限定されるものではなく、べんがら(酸化鉄赤)、カドミウムレッド、モリブデンオレンジ等が挙げられる。
上記顔料の平均粒子径としては、特に限定されないが、100nm以上30μm以下が好ましい。上記顔料の平均粒子径の上限値は、3μmがより好ましく、1μmがさらに好ましい。一方、上記顔料の平均粒子径の下限値は、200nmがより好ましく、300nmがさらに好ましい。上記顔料の平均粒子径が上記上限値を超える場合、顔料によって奏される諸特性効果が低下するおそれがある。逆に、上記顔料の平均粒子径が上記下限値未満の場合、顔料の分散性が低下するおそれがある。なお、本発明における平均粒子径は、倍率1000倍の電子顕微鏡において観測される粒子から無作為に抽出した30個の粒子の粒子径を平均したものをいう。また、粒子径は、フェレー径(一定方向の平行線で投影像を挟んだときの間隔)で定義する。
上記顔料のマトリックス16を形成する合成樹脂に対する含有量としては、特に限定されないが、5質量部以上30質量部以下が好ましい。上記顔料の上記合成樹脂に対する含有量の上限値は、25質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましい。一方、上記顔料の上記合成樹脂に対する含有量の下限値は、7質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。上記顔料の含有量が上記上限値を超える場合、第一光透過部13によって奏される光拡散効果が低下するおそれが高くなる。逆に、上記顔料の含有量が上記下限値未満である場合、顔料によって奏される諸特性効果が低下するおそれがある。
当該視野角制限シート11は、マトリックス16が顔料を分散含有することによって、第一光透過部13の耐熱性、熱的寸法安定性、耐候性、強度、経年劣化防止性等を向上させることができる。また、当該視野角制限シート11は、マトリックス16が白色顔料を分散含有することで、第二光透過部14から第一光透過部13に向けられた光線を第二光透過部14に反射させることができる。その結果、当該視野角制限シート11は、正面方向の輝度を向上させることができる。また、当該視野角制限シート11は、マトリックス16に黒色顔料を分散含有させることで、第一光透過部13の光線吸収性を高めることができる。その結果、当該視野角制限シート11は、第一光透過部13に入射した光線を一定程度吸収させ、斜め方向からの視認性を低下させることができる。
また、マトリックス16は、屈折率を向上されるため、例えば、ZnO、TiO、CeO2、SnO2、ITO、Cs0.33WO3、Al23、La23、ZrO2、Y23等の高屈折率微粒子を含んでいてもよい。上記高屈折率微粒子の平均粒子径としては、特に限定されないが、1nm以上100nm以下が好ましい。上記高屈折率微粒子の平均粒子径の上限値は、80nmがより好ましく、60nmがさらに好ましい。一方、上記高屈折率微粒子の平均粒子径の下限値は、5nmがより好ましく、10nmがさらに好ましい。上記高屈折率微粒子の平均粒子径が上記上限値を超える場合、第一光透過部13の透明性が低下するおそれがある。逆に、上記高屈折率微粒子の平均粒子径が上記下限値未満の場合、高屈折率微粒子の分散性が低下するおそれがある。
上記高屈折率微粒子のマトリックス16を形成する合成樹脂に対する含有量としては、特に限定されないが、例えば10質量%以上60質量%以下とすることができる。
なお、マトリックス16は、第一光透過部4と同様の添加剤が配合されていてもよい。
第一光透過部13の厚み(T)は、第一光透過部4の厚み(T)と同様である。また、第一光透過部13の幅(W)としては、特に限定されないが、3.5μm以上100μm以下が好ましい。第一光透過部13の幅(W)の上限値は、75μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。一方、第一光透過部13の幅(W)の下限値は、5μmがよりこのましく、7μmがさらに好ましい。第一光透過部13の幅(W)が上記上限値を超える場合、第一光透過部13によって拡散される光線の量が多くなり正面方向からの画像の視認性が低下するおそれが高くなる。逆に、第一光透過部13の幅(W)が上記下限値未満である場合、第一光透過部13の光散乱面の算術平均粗さが小さくなり、光線を好適に拡散できないおそれが高くなる。
第一光透過部13の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)としては、特に限定されないが、4以上40以下が好ましい。第一光透過部13の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)の上限は、35がより好ましく、30がさらに好ましい。一方、第一光透過部13の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)の下限は、7がより好ましく、10がさらに好ましい。第一光透過部13の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)が上記範囲外である場合、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させることができないおそれが高くなる。
第一光透過部13同士の配設幅としては、特に限定されないが、6μm以上400μm以下が好ましい。第一光透過部13同士の配設幅の上限値は、300μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、第一光透過部13同士の配設幅の下限値は、50μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。第一光透過部13同士の配設幅が上記上限値を超える場合、斜め方向からの個人情報の漏洩を好適に防止できないおそれが高くなる。逆に、第一光透過部13同士の配設幅が上記下限未満である場合、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させることができなくなるおそれが高くなる。
マトリックス16の屈折率(n)としては、特に限定されないが、第二光透過部14の屈折率(n)よりも大きいことが好ましい。これにより、第二光透過部14から第一光透過部13に入射された光線が正面方向と比較的近いピークを有する光線として出射されるのを好適に防止することができ、ひいては正面方向からの視認者に対して表示される画像の鮮明度を向上させることができる。また、この場合、マトリックス16の屈折率(n)としては、1.57以上が好ましく、1.6以上がより好ましく、1.63以上がさらに好ましい。また、マトリックス15の屈折率(n)と第二光透過部14の屈折率(n)の差(n−n)としては、特に限定されないが、0.15以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.45以上がさらに好ましい。
光拡散剤15は、第一光透過部13中に略等密度で含有されている。光拡散剤15は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、無機フィラーと有機フィラーに大別される。無機フィラーとしては、例えばシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの材料としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。なかでも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
光拡散剤15の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば球状、紡錘形状、針状、棒状、立方状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、なかでも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
光拡散剤15の平均粒子径としては、特に限定されないが、1μm以上50μm以下が好ましい。光拡散剤15の平均粒子径の上限値は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、光拡散剤15の平均粒子径の下限値は、2μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。光拡散剤15の平均粒子径が上記上限値を超える場合、第一光透過部13の幅が大きくなるおそれがある。逆に、光拡散剤15の平均粒子径が上記下限値未満である場合、光拡散剤15の分散性が低下するおそれがある。
光拡散剤15のマトリックス16に対する質量比としては、特に限定されないが、0.1以上2以下が好ましい。光拡散剤15のマトリックス16に対する質量比の上限は、1がより好ましく、0.5がさらに好ましい。一方、光拡散剤15のマトリックス16に対する質量比の下限は、0.2がより好ましく、0.3がさらに好ましい。光拡散剤15のマトリックス16に対する質量比が上記上限を超える場合、光拡散剤15を固定する効果が低下するおそれがある。逆に、光拡散剤15のマトリックス16に対する質量比が上記下限未満である場合、光拡散性が不十分となるおそれがある。
マトリックス16の屈折率(n)と光拡散剤15の屈折率(n)との差の絶対値(|n−n|)としては、特に限定されないが、0.03以上が好ましく、0.06以上がより好ましく、0.09以上がさらに好ましい。マトリックス16の屈折率(n)と光拡散剤15の屈折率(n)との差の絶対値(|n−n|)が上記下限未満である場合、第一光透過部13に入射した光線をマトリックス16と光拡散剤15との界面で好適に拡散することができないおそれがある。
また、マトリックス16の屈折率(n)は、光拡散剤15の屈折率(n)よりも大きい方が好ましい。当該視野角制限シート11は、マトリックス16の屈折率(n)が光拡散剤15の屈折率(n)よりも大きいことによって、マトリックス16と光拡散剤15との界面によって光線を好適に拡散することができる。
第一光透過部13のヘイズ値としては、特に限定されないが、30%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上がさらに好ましい。第一光透過部13のヘイズ値が上記下限未満である場合、光拡散機能が低下するおそれが高くなる。
(第二光透過部14)
第二光透過部14は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第二光透過部14の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第二光透過部5の主成分と同様の合成樹脂が挙げられる。第二光透過部14に添加される添加剤としては、第二光透過部5に添加される添加剤と同様である。また、第二光透過部14には、第二光透過部5と同様の光散乱面が形成されている。第二光透過部14の厚み(T)、幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)、ヘイズ値については、第二光透過部5と同様である。
第二光透過部14の幅(W)の第一光透過部13の幅(W)に対する比(W/W)としては、特に限定されないが、1.5以上15以下が好ましい。第二光透過部14の幅(W)の第一光透過部13の幅(W)に対する比(W/W)の上限は、12がより好ましく、10がさらに好ましい。一方、第二光透過部14の幅(W)の第一光透過部13の幅(W)に対する比(W/W)の下限は、3がより好ましく、5がさらに好ましい。第二光透過部14の幅(W)の第一光透過部13の幅(W)に対する比(W/W)が上記上限を超える場合、視野角が広くなりすぎるおそれがある。逆に、第二光透過部14の幅(W)の第一光透過部13の幅(W)に対する比(W/W)が上記下限未満である場合、光散乱面によって拡散される光線によって正面方向から視認した場合の画像の鮮明度が低下するおそれが高くなる。
〈製造方法〉
当該視野角制限シート11の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、例えば、視野角制限シート1と同様の方法が挙げられる。
当該視野角制限シート11は、第一光透過部13が光拡散剤15と樹脂製マトリックス16とを有しているので、第一光透過部13による光拡散性を著しく向上させることができ、ひいては正面方向からの視認者に対して表示される画像の鮮明度を向上させるとともに、斜め方向からの個人情報の漏洩を好適に防止することができる。
[第三実施形態]
〈タッチパネル21〉
図4のタッチパネル21は、基板22と、透明導電層23と、粘着層24と、基板25と、視野角制限シート1とを有している。本実施形態における視野角制限シート1は、図1の視野角制限シート1と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。タッチパネル21は、表示パネル(図示せず)の表面側に配設されている。タッチパネル21は、表示パネルから出射される画像光を表面側に出射する。タッチパネル21は、静電容量方式のタッチパネルとして形成されている。
基板22は透明な絶縁性材料から形成されている。具体的には、基板22はガラス基板として形成されている。透明導電層23は、透明性と導電性とを有する導電性材料によって形成されている。透明導電層23の形成材料としては、例えば無機系金属や有機導電高分子が挙げられる。無機系金属としては、例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)が挙げられる。有機導電高分子としては、例えばポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリキノキサリン等を用いた有機導電性組成物が挙げられる。なかでも、光学特性、外観及び導電性が良好なITO又はポリチオフェン系材料が好ましい。粘着層24は、透明導電層23と基板25とを接着している。粘着層24の形成材料としては、特に限定されないが、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の公知の粘着性樹脂が挙げられる。基板25は透明な絶縁性基板であって、基板22と同様にガラス基板として形成されている。視野角制限シート1は、基板25の裏面に積層されている。視野角制限シート1は、粘着層(図示せず)によって基板25の裏面に積層されている。視野角制限シート1は、第一光透過部4の長手方向が、タッチパネル21の上下方向と平行になるように配置されている。
当該視野角制限シート1は、表示パネルの表面側に配設されているので、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該タッチパネル21は、当該視野角制限シート1の裏面側から所定の角度で入射された光線を光散乱面によって拡散させたうえで出射させることができる。一方、当該タッチパネル21は、当該視野角制限シート1の裏面側から第一光透過部4又は第二光透過部5に対して略垂直に入射された光線については光学機能層2の表面側から略垂直に出射させることができる。従って、当該タッチパネル21は、正面方向からの視認者(ユーザ)に対しては鮮明な画像を表示させることができるとともに、斜め方向からの視認者に対しては表示される画像をぼやけさせることで個人情報等の漏洩を防止することができる。
[第四実施形態]
〈タッチパネル31〉
図5のタッチパネル31は、視野角制限シート1と、基板22と、透明導電層23と、粘着層24と、基板25とを有している。本実施形態において、視野角制限シート1は、図1の視野角制限シート1と同様であり、基板22、透明導電層23、粘着層24及び基板25は、図4のタッチパネル21と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。タッチパネル31は、表示パネル(図示せず)の表面側に配設されている。タッチパネル31は、表示パネルから出射される画像光を表面側に出射する。タッチパネル31は、静電容量方式のタッチパネルとして形成されている。視野角制限シート1は、第一光透過部4の長手方向が、タッチパネル41の上下方向と平行になるように配置されている。
当該視野角制限シート1は、表示パネルの表面側に配設されているので、正面方向からの視認者に対して鮮明な画像を表示させるとともに、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができる。
当該タッチパネル31は、当該視野角制限シート1の裏面側から所定の角度で入射された光線を光散乱面によって拡散させたうえで出射させることができる。一方、当該タッチパネル31は、当該視野角制限シート1の裏面側から第一光透過部4又は第二光透過部5に対して略垂直に入射された光線については光学機能層2の表面側から略垂直に出射させることができる。従って、当該タッチパネル31は、正面方向からの視認者(ユーザ)に対しては鮮明な画像を表示させることができるとともに、斜め方向からの視認者に対しては表示される画像をぼやけさせることで個人情報等の漏洩を防止することができる。
[他の実施形態]
なお、本発明の視野角制限シート及びこの視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
例えば、当該視野角制限シートは、保護層を有していなくてもよく、また保護層が光学機能層の表面側に設けられていてもよく、保護層が光学機能層の表裏両面側に設けられていてもよい。
当該視野角制限シートは、第二光透過部が必ずしも合成樹脂から形成されている必要はない。当該視野角制限シートは、第二光透過部が空気から形成される中空部であってもよい。また、当該視野角制限シートは、第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面が密接していなくてもよい。当該視野角制限シートは、第一光透過部の側面と第二光透過部の側面との間に隙間がある場合でも、第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面とこの隙間との界面で光線を屈折させることができ、ひいては拡散性を向上させることができる。
当該視野角制限シートは、光学機能層の表面及び/又は裏面が面一である必要はない。当該視野角制限シートは、例えば、第一光透過部と第二光透過部の厚みを変更することによって、正面方向からの視認性や視野角等を調整することができる。当該視野角制限シートは、保護層と光学機能層との間に他の層が積層されていてもよい。当該視野角制限シートは、第一光透過部同士が必ずしも等間隔で配置されていなくてもよい。
当該視野角制限シートは、必ずしも、対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の両方が光散乱面として形成されている必要はなく、いずれかの側面のみが光散乱面として形成されていてもよい。また、当該視野角制限シートは、第一光透過部及び第二光透過部の側面の全面に微細凹凸形状が形成されている必要はない。
当該視野角制限シートは、第一光透過部及び第二光透過部と交叉して設けられる視野角制御板を有していてもよい。当該視野角制限シートは、かかる視野角制御板を有することによって、斜め方向から個人情報が漏洩するおそれを著しく低減することができる。
当該視野角制限シートは、静電容量方式の他、抵抗膜方式や電磁誘導方式等、種々のタッチパネルに配設することができる。当該視野角制限シートは、タッチパネルに配設される場合であっても、必ずしも第一光透過部の長手方向とタッチパネルの上下方向とが平行になるように配置される必要はない。当該視野角制限シートは、必ずしもタッチパネルに取り付けて用いられる必要はなく、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等、種々のフラットパネルディスプレイの表示パネル表面側に配設することができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例1]
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成するシート状の押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと錫含有酸化インジウム粒子(ITO)(平均一次粒径30nm)とを含む塗布液(多官能ウレタン(メタ)アクリレート/錫含有酸化インジウム粒子=9/41)を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して実施例1の視野角制限シートを得た。
[実施例2〜8]
幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)、及び幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にして実施例2〜8の視野角制限シートを得た。
[実施例9]
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成するシート状の押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレート及び錫含有酸化インジウム粒子(ITO)(平均一次粒径30nm)を含むマトリックス形成材料と、このマトリックス形成材料に対して質量比0.5の割合で含有される光拡散剤(アクリル系樹脂ビーズ(平均粒径3μm))とを含む塗布液を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して実施例9の視野角制限シートを得た。
幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)、及び幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)を表1に示す値とした以外は実施例9と同様にして実施例10〜16の視野角制限シートを得た。
[比較例1]
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成する押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、この多官能ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して35質量部の割合で含有される光吸収材料としての黒色顔料(カーボンブラック)とを含む塗布液を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して比較例1の視野角制限シートを得た。
[特性の評価]
上記実施例1〜16と比較例1の視野角制限シートをそれぞれタッチパネルの基板の表面に積層し、視野角特性及び輝度特性について評価した。また、比較例2として、何れの視野角制限シートも用いない場合の視野角特性及び輝度特性について評価した。
視野角特性の評価は、バックライトを照射した際の斜め方向(0°±45°)の目視による表示画像の視認性によって、
(a)表示画像が判別できない場合を◎
(b)表示画像が殆ど判別できない場合を○
(c)表示画像がなんとなく判別できる場合を△
(d)表示画像がはっきり判別できる場合を×
として評価した。その結果を表1に示す。
輝度特性の評価は、バックライトを照射した際の正面方向(0°±5°)の目視による表示画像の視認性によって、
(a)輝度の低下が感じられず、かつ表示画面が鮮明に視認される場合を◎
(b)輝度の低下は感じられないが、表示画面が少しぼやけて視認される場合を△、
(c)輝度の低下が感じられる場合を×
として評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0006242578
上記表1に示すように、実施例1〜16の視野角制限シートを用いた場合、比較例1、2の場合と対比して、視野角特性を満たすと共に、輝度特性にも優れている。
以上のように、本発明の視野角制限シート及びこの視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイは、斜め方向からの個人情報等の漏洩を好適に防止することができるとともに、正面輝度の低下を抑制することができ、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等、種々のフラットパネルディスプレイに好適に使用することができる。
1 視野角制限シート
2 光学機能層
3 保護層
4 第一光透過部
5 第二光透過部
11 視野角制限シート
12 光学機能層
13 第一光透過部
14 第二光透過部
15 光拡散剤
16 マトリックス
21 タッチパネル
22 基板
23 透明導電層
24 粘着剤
25 基板
31 タッチパネル

Claims (12)

  1. 多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部と、上記第一光透過部同士の間に配設される断面矩形の第二光透過部とを有する光学機能層を備え、
    互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面が、微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されており、
    上記第一光透過部が、光拡散剤と、樹脂製マトリックスとを有し、
    上記第二光透過部が、合成樹脂を主成分とし、
    上記第一光透過部の側面と上記第二光透過部の側面とが密接しており、
    上記樹脂製マトリックスの屈折率(n )が第二光透過部の屈折率(n )よりも大きく、上記樹脂製マトリックスの屈折率(n )と第二光透過部の屈折率(n )との差が0.15以上であり、
    上記樹脂製マトリックスの屈折率(n )が光拡散剤の屈折率(n )よりも大きく、上記樹脂製マトリックスの屈折率(n )と光拡散剤の屈折率(n )との差が0.03以上であり、
    上記第一光透過部のヘイズ値が30%以上であり、上記第二光透過部のヘイズ値が20%以下である視野角制限シート。
  2. 上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上4μm以下である請求項1に記載の視野角制限シート。
  3. 上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が1以上20以下である請求項1又は請求項2に記載の視野角制限シート。
  4. 上記光散乱面が、光散乱面の垂直方向単位長さあたり2個/mm以上100個/mm以下設けられている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の視野角制限シート。
  5. 記第二光透過部の幅(W )に対する厚み(T )の比(T /W )が1以上8.5以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  6. 上記第二光透過部の幅(W)の上記第一光透過部の幅(W)に対する比(W/W)が1.5以上15以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  7. 上記第一光透過部の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)が4以上40以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  8. 上記第一光透過部同士の配設幅が6μm以上400μm以下である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  9. 上記光学機能層の表面が面一である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  10. 上記光学機能層の裏面が面一である請求項1から請求項のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  11. 上記光学機能層の一方の面側に形成される保護層を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の視野角制限シートを表示パネルの表面側に備えるフラットパネルディスプレイ。
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