JP2013228713A - 視野角制限シート及びフラットパネルディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の視野角制限シートは、多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部と、上記第一光透過部同士の間に配設される断面矩形の第二光透過部とを有する光学機能層を備え、互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の少なくとも一方の側面が、微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている。上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上4μm以下であるとよい。上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が1以上20以下であるとよい。
【選択図】図1
Description
多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部と、上記第一光透過部同士の間に配設される断面矩形の第二光透過部とを有する光学機能層を備え、
互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の少なくとも一方の側面が、微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている視野角制限シートである。
当該視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイである。
〈視野角制限シート1〉
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
光学機能層2は、多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部4と、多条状に配設される複数の断面矩形の第二光透過部5とを有している。光学機能層2は、第一光透過部4が間隔をおいて略平行に配設され、第一光透過部4同士の間に第二光透過部5が配設されている。光学機能層2において、第一光透過部4の幅(W1)は第二光透過部5の幅(W2)よりも小さく形成されている。光学機能層2の表面及び裏面は、面一に形成されている。光学機能層2は、第一光透過部4の側面と第二光透過部5の側面とが密接して形成されている。
第一光透過部4は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第一光透過部4の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂が好適に用いられる。第一光透過部4の主成分として用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニルが挙げられる。なかでも第一光透過部4の主成分としては、透明性、強度が高く、複屈折性の制御が容易なポリエチレンテレフタレート又はポリカーボネートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
第二光透過部5は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第二光透過部5の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第一光透過部4の主成分と同様の合成樹脂が挙げられる。第二光透過部5に配合される添加剤としては、第一光透過部4に配合される添加剤と同様である。
保護層3は、光学機能層2の裏面に形成されている。保護層3は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。保護層3の主成分として用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第二光透過部5の主成分として用いられる合成樹脂と同様の合成樹脂が挙げられる。また、保護層3には、第二光透過部5と同様の添加剤が添加されていてもよい。
次に、図2を参照して、当該視野角制限シート1の裏面側から入射される光線の拡散作用について説明する。なお、図2において、光線Lは、保護層3の裏面側から入射され、正面方向にピークを示す分布の光線である。
当該視野角制限シート1の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、種々の方法が採用される。当該視野角制限シート1の製造方法としては、例えば(1)第一光透過部4を形成する材料からなる層と、第二光透過部5を形成する材料からなる層とを積層した2層シート体を得る工程と、(2)複数の2層シート体を、第一光透過部4を形成する材料から成る層と第二光透過部5を形成する材料からなる層とが交互に配設されるように重畳して接着し、多層体構造体を得る工程と、(3)得られた多層構造体を重畳方向に切断し、光学機能層2を得る工程と、(4)光学機能層2の裏面に塗工によって保護層3を得る工程とを有している。
〈視野角制限シート11〉
図3の視野角制限シート11は、光学機能層12と、保護層3とを有している。本実施形態における保護層3は、図1の視野角制限シート1と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。
光学機能層12は、多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部13と、多条状に配設される複数の断面矩形の第二光透過部14とを有している。光学機能層12は、第一光透過部13が間隔をおいて略平行に配設され、第一光透過部13同士の間に第二光透過部14が配設されている。光学機能層12の表面及び裏面は、面一に形成されている。光学機能層12は、第一光透過部13の側面と第二光透過部14の側面とが密接して形成されている。光学機能層12の厚みは、図1の光学機能層2の厚みと同様である。
第一光透過部13は、光拡散剤15と、樹脂製マトリックス16とを有している。光拡散剤15は、マトリックス16によって囲繞されている。マトリックス16を形成する合成樹脂としては、特に限定されないが、第一光透過部4の主成分の合成樹脂と同様の合成樹脂が挙げられる。第一光透過部13には、第一光透過部4と同様の光散乱面が形成されている。
第二光透過部14は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂を主成分として形成されている。第二光透過部14の主成分の合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、第二光透過部5の主成分と同様の合成樹脂が挙げられる。第二光透過部14に添加される添加剤としては、第二光透過部5に添加される添加剤と同様である。また、第二光透過部14には、第二光透過部5と同様の光散乱面が形成されている。第二光透過部14の厚み(T2)、幅(W2)に対する厚み(T2)の比(T2/W2)、ヘイズ値については、第二光透過部5と同様である。
当該視野角制限シート11の製造方法としては、上記構造のものが形成できれば特に限定されるものではなく、例えば、視野角制限シート1と同様の方法が挙げられる。
〈タッチパネル21〉
図4のタッチパネル21は、基板22と、透明導電層23と、粘着層24と、基板25と、視野角制限シート1とを有している。本実施形態における視野角制限シート1は、図1の視野角制限シート1と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。タッチパネル21は、表示パネル(図示せず)の表面側に配設されている。タッチパネル21は、表示パネルから出射される画像光を表面側に出射する。タッチパネル21は、静電容量方式のタッチパネルとして形成されている。
〈タッチパネル31〉
図5のタッチパネル31は、視野角制限シート1と、基板22と、透明導電層23と、粘着層24と、基板25とを有している。本実施形態において、視野角制限シート1は、図1の視野角制限シート1と同様であり、基板22、透明導電層23、粘着層24及び基板25は、図4のタッチパネル21と同様のため、同一番号を付して説明を省略する。タッチパネル31は、表示パネル(図示せず)の表面側に配設されている。タッチパネル31は、表示パネルから出射される画像光を表面側に出射する。タッチパネル31は、静電容量方式のタッチパネルとして形成されている。視野角制限シート1は、第一光透過部4の長手方向が、タッチパネル41の上下方向と平行になるように配置されている。
なお、本発明の視野角制限シート及びこの視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成するシート状の押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと錫含有酸化インジウム粒子(ITO)(平均一次粒径30nm)とを含む塗布液(多官能ウレタン(メタ)アクリレート/錫含有酸化インジウム粒子=9/41)を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して実施例1の視野角制限シートを得た。
幅(W1)に対する厚み(T1)の比(T1/W1)、及び幅(W2)に対する厚み(T2)の比(T2/W2)を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にして実施例2〜8の視野角制限シートを得た。
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成するシート状の押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレート及び錫含有酸化インジウム粒子(ITO)(平均一次粒径30nm)を含むマトリックス形成材料と、このマトリックス形成材料に対して質量比0.5の割合で含有される光拡散剤(アクリル系樹脂ビーズ(平均粒径3μm))とを含む塗布液を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して実施例9の視野角制限シートを得た。
アクリル系樹脂をTダイに供給し、押出成形して第二光透過部を形成する押出体を成形した。さらに、表1の表面粗さ(Ra)(Rz)になるように、この押出体の両面にマット加工を施した。一方、多官能ウレタン(メタ)アクリレートと、この多官能ウレタン(メタ)アクリレート100質量部に対して35質量部の割合で含有される光吸収材料としての黒色顔料(カーボンブラック)とを含む塗布液を調製し、上記押出体表面に塗工し、80℃で乾燥させたうえ、紫外線を照射して硬化させた。さらに、この塗工層の表面にマット加工を施して、第一光透過部及び第二光透過部からなる積層体を作製した。次に、この積層体と同様の構成を有する積層体を順次積層接着していき、第一光透過部と第二光透過部とが順次積層された多層体を作製した。そして、この多層体を所定の間隔で垂直方向に切断したうえ、一方の切断面(裏面側)に第二光透過部と同様の材料からなる平均厚み5μmの保護層を積層して比較例1の視野角制限シートを得た。
上記実施例1〜16と比較例1の視野角制限シートをそれぞれタッチパネルの基板の表面に積層し、視野角特性及び輝度特性について評価した。また、比較例2として、何れの視野角制限シートも用いない場合の視野角特性及び輝度特性について評価した。
(a)表示画像が判別できない場合を◎
(b)表示画像が殆ど判別できない場合を○
(c)表示画像がなんとなく判別できる場合を△
(d)表示画像がはっきり判別できる場合を×
として評価した。その結果を表1に示す。
(a)輝度の低下が感じられず、かつ表示画面が鮮明に視認される場合を◎
(b)輝度の低下は感じられないが、表示画面が少しぼやけて視認される場合を△、
(c)輝度の低下が感じられる場合を×
として評価した。その結果を表1に示す。
2 光学機能層
3 保護層
4 第一光透過部
5 第二光透過部
11 視野角制限シート
12 光学機能層
13 第一光透過部
14 第二光透過部
15 光拡散剤
16 マトリックス
21 タッチパネル
22 基板
23 透明導電層
24 粘着剤
25 基板
31 タッチパネル
Claims (18)
- 多条状に配設される複数の断面矩形の第一光透過部と、上記第一光透過部同士の間に配設される断面矩形の第二光透過部とを有する光学機能層を備え、
互いに対面する第一光透過部の側面及び第二光透過部の側面の少なくとも一方の側面が、微細凹凸形状を有する光散乱面として形成されている視野角制限シート。 - 上記光散乱面の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm以上4μm以下である請求項1に記載の視野角制限シート。
- 上記光散乱面の十点平均粗さ(Rz)と算術平均粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が1以上20以下である請求項1又は請求項2に記載の視野角制限シート。
- 上記光散乱面が、光散乱面の垂直方向単位長さあたり2個/mm以上100個/mm以下設けられている請求項1、請求項2又は請求項3に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部又は上記第二光透過部の少なくとも一方のヘイズ値が、20%以下であり、上記ヘイズ値を有する光透過部の幅(W)に対する厚み(T)の比(T/W)が1以上8.5以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部の屈折率(n1)と上記第二光透過部の屈折率(n2)とが相違している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部の屈折率(n1)と上記第二光透過部の屈折率(n2)との差の絶対値(|n1−n2|)が0.15以上である請求項6に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部の側面と上記第二光透過部の側面とが密接している請求項6又は請求項7に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部が、光拡散剤と、樹脂製マトリックスとを有している請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記第二光透過部の幅(W2)の上記第一光透過部の幅(W1)に対する比(W2/W1)が1.5以上15以下である請求項9に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部の幅(W1)に対する厚み(T1)の比(T1/W1)が4以上40以下である請求項9又は請求項10に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部同士の配設幅が6μm以上400μm以下である請求項9、請求項10又は請求項11に記載の視野角制限シート。
- 上記第一光透過部の樹脂製マトリックスの屈折率(n5)が上記第二光透過部の屈折率(n2)よりも大きい請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記光学機能層の表面が面一である請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記光学機能層の裏面が面一である請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 上記光学機能層の一方の面側に形成される保護層を有する請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- フラットパネルディスプレイの表示パネルの表面側に配設される請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の視野角制限シート。
- 請求項17に記載の視野角制限シートを備えるフラットパネルディスプレイ。
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