JP6242252B2 - 自動分析装置及び異常検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、検体と試薬とを反応させて検体の成分を分析する自動分析装置及び異常検出方法に関する。
自動分析装置として、血液や尿等の検体に含まれる各種成分を分析する生化学分析装置が知られている。この生化学分析装置では、血清、尿等の検体を一定の条件で希釈した後、反応容器に分注して、分析項目に応じた試薬と、検体とを反応容器(キュベット)内で混合して反応させている。そして、生化学分析装置は、反応容器に分注された希釈検体の吸光度を測定し、吸光度を濃度に換算することによって、検体に含まれる測定対象物質の分析を行っている。この吸光度は、希釈検体に含まれる検体の濃度に比例する。このため、検体の濃度を一定に保つように、一定の分注精度が保たれなければ正しい分析が行われない。
ここで、検体の吸引は、液面センサが検出した検体の液面からサンプル希釈ピペットが検体を吸引することによって行われる。しかし、検体の液面に気泡が存在すると、液面センサが気泡表面を液面と誤認してしまい、サンプル希釈ピペットが検体の代わりに気泡を吸引してしまう。この場合、本来、サンプル希釈ピペットが吸引すべき所定量よりも、実際に吸引した検体量が減少し、分析対象項目の測定値は全て、検体量が減少した分だけ低値化してしまう。また、フィブリン等の固形物が検体中に浮遊していた場合、サンプル希釈ピペットの先端に固形物が詰まることによっても、吸引される検体量が減少してしまう。
このような吸引される検体量の減少に対応するためにクロットセンサが用いられる。クロットセンサは、サンプル希釈ピペット内の気圧を監視して、正常な検体の吸引が行われているかを検出する機能を有している。このクロットセンサを用いると、フィブリンや血球塊等がブローブ先端に付着し、吸引時の内圧が通常よりも低下した際に、サンプル希釈ピペットに詰まりが発生していることを判定することができる。
ここで、特許文献1には、測定セルに検体が吐出されたことを監視するための技術が開示されている。
特開2012−37478号公報
ところで、サンプル希釈ピペットが固形物ではなく、気泡を吸引した場合、吸引抵抗が検体よりも気泡のほうが低いため、サンプル希釈ピペットの内圧が上昇すると考えられる。しかし、検体吸引時と気泡吸引時におけるサンプル希釈ピペット先端の内圧差が小さいため、クロットセンサを用いただけでは、気泡の吸引を検出することは困難であった。
サンプル希釈ピペットが吸引した気泡を検出するために、例えば、マイクロ波を用いた気泡センサを組み込むことが検討された。しかし、サンプル希釈ピペットの周辺に気泡センサを組み込むと、サンプル希釈ピペットと気泡センサを含む全体のサイズが大きくなってしまう。また、気泡センサが小型化されても、自動分析装置の製造コストが上がってしまう。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、分析に用いられる希釈検体の異常を検出できるようにすることを目的とする。
本発明に係る自動分析装置は、第1分注部が、検体容器から検体を吸引し、希釈液と共に希釈容器に分注して希釈検体を作成する際に、同一の希釈倍率、及び同一の条件下で複数の希釈容器に同一の検体を分注して複数の希釈検体を作成する。第2分注部が、同一の検体から作成された複数の希釈検体の一つを吸引し、第1反応容器に分注し、残りの複数の希釈検体の一つを吸引し、第2反応容器に分注する。光度計が、第1反応容器に分注された希釈検体の吸光度と、第2反応容器に分注された希釈検体の吸光度とを測定する。検出部が、第1反応容器に分注された希釈検体の吸光度と、第2反応容器に分注された希釈検体の吸光度とを比較して、2つの吸光度が異なる場合に希釈検体の異常を検出する。
本発明によれば、希釈検体が分注された複数の反応容器の吸光度を測定することにより、希釈検体の異常を検出することができる。
本発明の自動分析装置の一実施の形態例を模式的に示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る計算機の内部構成例を示すブロック図である。 本発明の自動分析装置の一実施の形態例に係る検体から生成した希釈検体を反応容器に移送する手順を示す説明図である。 本発明の自動分析装置の一実施の形態例に係る試薬が添加された希釈検体の例を示す説明図である。 本発明の自動分析装置の一実施の形態例に係る希釈検体の吸光度を示すグラフである。 本発明の自動分析装置の一実施の形態例に係る検出部が行う希釈検体の異常検出処理の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態例に係る自動分析装置について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[1.一実施の形態例]
<1−1.自動分析装置の構成>
まず、本例の自動分析装置について図1を参照して説明する。
図1は、本例の自動分析装置を模式的に示す説明図である。
図1に示す装置は、本発明の自動分析装置の一例として適用する生化学分析装置1である。生化学分析装置1は、血液や尿等の生体試料に含まれる特定の成分の量を自動的に測定する装置である。
図1に示すように、生化学分析装置1は、サンプルターンテーブル2と、希釈ターンテーブル3と、第1試薬ターンテーブル4と、第2試薬ターンテーブル5と、反応ターンテーブル6と、を備えている。また、生化学分析装置1は、サンプル希釈ピペット7と、サンプリングピペット8と、希釈撹拌装置9と、希釈洗浄装置11と、第1試薬ピペット12と、第2試薬ピペット13と、第1反応撹拌装置14と、第2反応撹拌装置15と、多波長光度計16と、恒温槽17と、反応容器洗浄装置18と、計算機30とを備えている。
サンプルターンテーブル2(検体容器保持部の一例)は、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。このサンプルターンテーブル2には、複数の検体容器21と、複数の希釈液容器22が収容されている。検体容器21には、血液や尿等からなる検体(サンプル)が収容される。希釈液容器22には、通常の希釈液である生理食塩水以外の特別な希釈液が収容される。
複数の検体容器21は、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。また、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた検体容器21の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21の列よりもサンプルターンテーブル2の半径方向の内側に配置されている。複数の希釈液容器22は、複数の検体容器21と同様に、サンプルターンテーブル2の周方向に所定の間隔を開けて並べて配置されている。そして、サンプルターンテーブル2の周方向に並べられた希釈液容器22の列は、サンプルターンテーブル2の半径方向に所定の間隔を開けて2列セットされている。
なお、複数の検体容器21及び複数の希釈液容器22の配列は、2列に限定されるものではなく、1列でもよく、あるいはサンプルターンテーブル2の半径方向に3列以上配置してもよい。
サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構によって周方向に沿って回転可能に支持されている。そして、サンプルターンテーブル2は、不図示の駆動機構により、周方向に所定の角度範囲ごとに、所定の速度で回転する。また、サンプルターンテーブル2の周囲には、希釈ターンテーブル3(希釈容器保持部の一例)が配置されている。
希釈ターンテーブル3、第1試薬ターンテーブル4、第2試薬ターンテーブル5及び反応ターンテーブル6(反応容器保持部の一例)は、サンプルターンテーブル2と同様に、軸方向の一端が開口した略円筒状をなす容器状に形成されている。希釈ターンテーブル3及び反応ターンテーブル6は、不図示の駆動機構により、その周方向に所定の角度範囲ずつ、所定の速度で回転する。なお、反応ターンテーブル6は、一回の移動で半周以上回転するように設定されている。
希釈ターンテーブル3には、複数の希釈容器23が希釈ターンテーブル3の周方向に並べて収容されている。希釈容器23には、サンプルターンテーブル2に配置された検体容器21から吸引され、希釈された検体(以下、「希釈検体」という)が収容される。
第1試薬ターンテーブル4には、複数の第1試薬容器24が第1試薬ターンテーブル4の周方向に並べて収容されている。また、第2試薬ターンテーブル5には、複数の第2試薬容器25が第2試薬ターンテーブル5の周方向に並べて収容されている。そして、第1試薬容器24には、濃縮された第1試薬が収容され、第2試薬容器25には、濃縮された第2試薬が収容される。
さらに、第1試薬ターンテーブル4、第1試薬容器24、第2試薬ターンテーブル5及び第2試薬容器25は、不図示の保冷機構によって所定の温度に保たれている。そのため、第1試薬容器24に収容された第1試薬と、第2試薬容器25に収容された第2試薬は、所定の温度で保冷される。
反応ターンテーブル6は、希釈ターンテーブル3と、第1試薬ターンテーブル4及び第2試薬ターンテーブル5の間に配置されている。反応ターンテーブル6には、複数の反応容器26が反応ターンテーブル6の周方向に並べて収容されている。反応容器26には、希釈ターンテーブル3の希釈容器23からサンプリングした希釈検体と、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器24からサンプリングした第1試薬と、第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器25からサンプリングした第2試薬が注入される。そして、この反応容器26内において、希釈検体と、第1試薬及び第2試薬が撹拌され、反応が行われる。
サンプル希釈ピペット7(第1分注部の一例)は、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の周囲に配置される。サンプル希釈ピペット7は、不図示の希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の軸方向(例えば、上下方向)に移動可能に支持されている。また、サンプル希釈ピペット7は、希釈ピペット駆動機構により、サンプルターンテーブル2及び希釈ターンテーブル3の開口と略平行をなす水平方向に沿って回動可能に支持されている。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動することで、サンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を往復運動する。なお、サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2と希釈ターンテーブル3の間を移動する際、サンプル希釈ピペット7は、不図示の洗浄装置を通過する。
ここで、サンプル希釈ピペット7の動作について説明する。
サンプル希釈ピペット7がサンプルターンテーブル2における開口の上方の所定位置に移動した際、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って下降し、その先端に設けたピペットを検体容器21内に挿入する。このとき、サンプル希釈ピペット7は、不図示のサンプル用ポンプが作動して検体容器21内に収容された検体を所定量吸引する。次に、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2の軸方向に沿って上昇してピペットを検体容器21内から抜き出す。そして、サンプル希釈ピペット7は、水平方向に沿って回動し、希釈ターンテーブル3における開口の上方の所定位置に移動する。
次に、サンプル希釈ピペット7は、希釈ターンテーブル3の軸方向に沿って下降して、ピペットを所定の希釈容器23内に挿入する。そして、サンプル希釈ピペット7は、吸引した検体と、サンプル希釈ピペット7自体から供給される所定量の希釈液(例えば、生理食塩水)を希釈容器23内に吐出する。その結果、希釈容器23内で、検体が所定倍数の濃度に希釈される。その後、サンプル希釈ピペット7は、洗浄装置によって洗浄される。
サンプリングピペット8(第2分注部の一例)は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間に配置されている。サンプリングピペット8は、不図示のサンプリングピペット駆動機構により、サンプル希釈ピペット7と同様に、希釈ターンテーブル3の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、サンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
このサンプリングピペット8は、希釈ターンテーブル3の希釈容器23内にピペットを挿入して、所定量の希釈検体を吸引する。そして、サンプリングピペット8は、吸引した希釈検体を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
第1試薬ピペット12は、反応ターンテーブル6と第1試薬ターンテーブル4の間に配置され、第2試薬ピペット13は、反応ターンテーブル6と第2試薬ターンテーブル5の間に配置されている。第1試薬ピペット12は、不図示の第1試薬ピペット駆動機構により、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第1試薬ピペット12は、第1試薬ターンテーブル4と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
第1試薬ピペット12は、第1試薬ターンテーブル4の第1試薬容器24内にピペットを挿入して、所定量の第1試薬を吸引する。そして、第1試薬ピペット12は、吸引した第1試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
また、第2試薬ピペット13は、不図示の第2試薬ピペット駆動機構により、第1試薬ピペット12と同様に、反応ターンテーブル6の軸方向(上下方向)と水平方向に移動及び回動可能に支持されている。そして、第2試薬ピペット13は、第2試薬ターンテーブル5と反応ターンテーブル6の間を往復運動する。
第2試薬ピペット13は、第2試薬ターンテーブル5の第2試薬容器25内にピペットを挿入して、所定量の第2試薬を吸引する。そして、第2試薬ピペット13は、吸引した第2試薬を反応ターンテーブル6の反応容器26内に吐出する。
希釈撹拌装置9及び希釈洗浄装置11は、希釈ターンテーブル3の周囲に配置されている。希釈撹拌装置9は、不図示の撹拌子を希釈容器23内に挿入し、検体と希釈液を撹拌する。
希釈洗浄装置11は、サンプリングピペット8によって希釈検体が吸引された後の希釈容器23を洗浄する装置である。この希釈洗浄装置11は、複数の希釈容器洗浄ノズルを有している。複数の希釈容器洗浄ノズルは、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。希釈洗浄装置11は、希釈容器洗浄ノズルを希釈容器23内に挿入し、廃液ポンプを駆動させて挿入した希釈容器洗浄ノズルによって希釈容器23内に残留する希釈検体を吸い込む。そして、希釈洗浄装置11は、吸い込んだ希釈検体を不図示の廃液タンクに排出する。
その後、希釈洗浄装置11は、洗剤ポンプから希釈容器洗浄ノズルに洗剤を供給し、希釈容器洗浄ノズルから希釈容器23内に洗剤を吐出する。この洗剤によって希釈容器23内を洗浄する。その後、希釈洗浄装置11は、洗剤を希釈容器洗浄ノズルによって吸引し、希釈容器23内を乾燥させる。
第1反応撹拌装置14、第2反応撹拌装置15及び反応容器洗浄装置18は、反応ターンテーブル6の周囲に配置されている。第1反応撹拌装置14は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と第1試薬を撹拌する。これにより、希釈検体と第1試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第1反応撹拌装置14の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
第2反応撹拌装置15は、不図示の撹拌子を反応容器26内に挿入し、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬とを撹拌する。これにより、希釈検体と、第1試薬と、第2試薬との反応が均一かつ迅速に行われる。なお、第2反応撹拌装置15の構成は、希釈撹拌装置9と同一であるため、ここではその説明は省略する。
反応容器洗浄装置18は、検査が終了した反応容器26内を洗浄する装置である。この反応容器洗浄装置18は、複数の反応容器洗浄ノズルを有している。複数の反応容器洗浄ノズルは、希釈容器洗浄ノズルと同様に、不図示の廃液ポンプと、不図示の洗剤ポンプに接続されている。なお、反応容器洗浄装置18における洗浄工程は、上述した希釈洗浄装置11と同様であるため、その説明は省略する。
また、多波長光度計16は、反応ターンテーブル6の周囲における反応ターンテーブル6の外壁と対向するように配置されている。多波長光度計16は、反応容器26内に注入され、第1薬液及び第2薬液と反応した希釈検体に対して光学的測定を行って、検体中の様々な成分の量を「吸光度」という数値データとして出力し、希釈検体の反応状態を検出するものである。多波長光度計16には、計算機30が接続されている。
さらに、反応ターンテーブル6の周囲には、恒温槽17が配置されている。この恒温槽17は、反応ターンテーブル6に設けられた反応容器26の温度を常時一定に保持するように構成されている。
<1−2.計算機の構成例>
次に、計算機30の構成例を説明する。
図2は、計算機30の内部構成例を示すブロック図である。
計算機30は、バス38に接続された、制御部31と、記録部34と、表示部35と、入力部36と、インタフェース部37とを備える。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成されており、生化学分析装置1内の各部の動作を制御する。そして、制御部31は、検出部32と、アラーム部33とを備える。
検出部32は、反応容器26に分注された希釈検体の異常を検出する。
アラーム部33は、検出部32によって希釈異常等が検出された場合に、アラームを出力し、希釈検体の再作成をユーザに指示する。
記録部34は、例えば、HDD(Hard disk drive)等の大容量の記録装置によって構成されており、制御部31のプログラム、パラメータ、検量線、希釈異常の検出結果、入力部36によってなされた入力操作等を記録する。
表示部35は、希釈異常の検出結果やアラーム部33が出力したアラームを表示する。この表示部35には、例えば、液晶ディスプレイ装置等が用いられる。
入力部36は、ユーザによって行われる生化学分析装置1に対する操作入力を受け付け、入力信号を制御部31に出力する。この入力部36には、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等が用いられる。
インタフェース部37は、多波長光度計16が測定した希釈検体の測定結果が入力されると、検出部32に測定結果を渡すために用いられる。なお、図2では、インタフェース部37に多波長光度計16だけを接続した例を示しているが、生化学分析装置1内の各部についても同様にインタフェース部37に接続され、計算機30による制御が行われる。
<1−3.希釈検体の生成>
次に、希釈検体の生成手順について、図3を参照して説明する。
図3は、検体から生成した希釈検体を反応容器26に移送する手順を示す。図3では、検体や希釈検体の移動方向を細矢印で表し、容器に移送される順番を白抜きした太矢印で表している。
始めに、サンプル希釈ピペット7は、サンプルターンテーブル2に収容される検体容器21から検体を吸引する(S1)。このとき、吸引される検体の体積は、例えば、30μLである。そして、サンプル希釈ピペット7は、吸引した検体を希釈ターンテーブル3に移送する。
サンプル希釈ピペット7は、希釈ターンテーブル3まで移送した検体を、希釈容器23に吐出する。さらにサンプル希釈ピペット7は、検体を吐出した希釈容器23に、不図示の供給部から供給された反応試薬としての非イオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル0.04%)を含む生理食塩水を吐出する(S2)。このように界面活性剤を希釈検体に添加すると、希釈検体が反応容器26の内壁に貼り付きにくくなり、正確な液量を測定することができる。この生理食塩水の体積は、120μLであるため、希釈容器23には、検体と生理食塩水を合わせた150μLの体積とした希釈検体が収容される。
希釈容器23に吐出された希釈検体は、希釈撹拌装置9が挿入する不図示の撹拌子によって攪拌される。その後、サンプリングピペット8は、希釈容器23から希釈検体を2〜25μLの範囲内で吸引し、反応ターンテーブル6に希釈検体を移送する(S3)。
サンプリングピペット8は、各検査項目の分析に必要な量の希釈検体を、反応ターンテーブル6に設置された6個の反応容器26に分注する(S4)。これらの反応容器26のうち、2つの反応容器26に分注された希釈検体に対し、多波長光度計16を用いた光学的測定が行われる。
<1−4.希釈検体の説明>
図4は、図3の各ステップに対応して検体容器21、希釈容器23、反応容器26に収容された検体の例を示す。
図3に示したステップS1では、検体容器21毎に、例えば、3種類の検体が収容されている。図中では、検体容器21に「サンプル1」〜「サンプル3」とラベリングされて、検体容器21が区別されている。ステップS2では、検体容器21毎に、同じ希釈液が用いられた希釈検体が希釈容器23に収容されている。なお、希釈容器23は、検体毎に少なくとも2つ設けてあり、1つの検体を希釈して得られた希釈検体が2つの希釈容器23a,23bに収容されている。
ステップS3を経た後、ステップS4において、希釈容器23aから移送された希釈検体が反応容器26aに分注され、希釈容器23bから移送された希釈検体が反応容器26bに分注される。反応容器26a,26bには、同一の希釈倍率を示す検出用項目「D1」、「D2」がラベリングされている。ここで、希釈容器23aに収容されていた希釈検体は、そのまま反応容器26aに分注される。しかし、希釈容器23bに収容されていた希釈検体は、一部が反応容器26bに分注され、残りの希釈検体は、反応容器26a,26b以外の反応容器26cに分注される。なお、反応容器26cには、例えば、酵素、脂質に関する様々な検査項目がラベリングされている。そして、反応容器26a,26bが攪拌された後、反応容器26a,26bに収容された希釈検体の吸光度が測定されることとなる。
<1−5.希釈検体の吸光度の説明>
図5は、希釈検体の吸光度を示すグラフである。このグラフでは、横軸を希釈系列(単位1/10)とし、縦軸を吸光度としている。
希釈検体は検体に含まれる成分固有の色調に由来する吸光度を持ち、この吸光度は希釈直線性がある。そして、希釈検体は、試薬を加える前の段階で一定の吸光度を示し、希釈検体に含まれる検体の量に比例する。図5のグラフより、希釈検体の吸光度は希釈検体中に含まれる検体の割合に比例することが示される。言い換えると、希釈検体は、生理食塩水により希釈されて濃度が低下するにつれて、吸光度が下がっていく。そのため、生化学分析装置1又は希釈検体に何らかの問題があって所定の量よりも検体の含有量が減少した場合には、検体の含有量に比例して吸光度も減少すると考えられる。
ここで、検体毎に、同一検体から同一条件(例えば、同じ温度、同じ時間)で希釈検体を連続して2つ作成した場合、正常な状態であれば2つの希釈検体それぞれの吸光度は等しい。しかし、サンプル希釈ピペット7を用いた検体の吸引や希釈に不具合が生じ、反応容器26a,26bに収容される希釈検体が正常に作成されなかった場合には、検出用項目「D1」、「D2」がラベリングされた希釈検体の吸光度に差異が生じる。このため、生化学分析装置1では、検出用項目「D1」、「D2」がラベリングされた希釈検体の吸光度の差を検出することによって、希釈の成否、検体吸引の成否を判断することができる。
この希釈検体の吸光度測定においては、上述した生理食塩水を希釈検体に添加し、測定に適した状態にして測定を行う。そして、希釈異常、吸引異常は、一例として挙げる、以下の式(1)により検出することができる。
(D1/D2)×100=検出値(%)…(1)
ここで、検出部32は、同一検体より検出用項目「D1」、「D2」がラベリングされた、例えば、10組の希釈検体を用いて吸光度を測定する。この測定時における検出用項目「D1」、「D2」の組み合わせは100通りとなり、検出値(N=100)の統計値から求めた正常範囲(99.73%、±3SD(標準偏差:Standard Deviation))は、例えば、105〜96%と設定できる。検出値が正常範囲を超えたと検出部32によって判断されると、アラーム部33がアラームを出力する。これにより、希釈異常や吸引異常を速やかに検出できる。また、検出部32によって希釈検体に異常があると判定された場合には、アラーム部33が希釈検体の再作成を指示する。その後、新たに作成した希釈検体に対し、改めて吸光度を測定することによって、異常な希釈検体による誤報告を防ぐことができる。
<1−6.異常検出処理の説明>
図6は、検出部32が行う希釈検体の異常検出処理の例を示す。
始めに、検出部32は、反応容器26aにラベリングされた検出用項目「D1」の吸光度データを記録部34より取得する(S11)。次に、検出部32は、反応容器26bにラベリングされた検出用項目「D2」の吸光度データと共に、その他の全ての検査項目から測定されたデータを取得する(S12)。
そして、検出部32は、検出用項目「D1」、「D2」の吸光度を比較する(S13)。検出用項目「D1」、「D2」の吸光度がほぼ等しければ、全ての希釈検体に対する測定データを出力する(S14)。検出用項目「D1」、「D2」の吸光度が異なっていれば、希釈検体に異常が生じていると推定できる。このため、検出部32は、希釈検体の再作成を含む、検体の再検査を指示するために、全ての測定データに再検フラグを付けて出力する(S15)。アラーム部33は、検出部32によって再検フラグを付けられた測定データが出力されると、アラームを出力する。
以上説明した一実施の形態例に係る生化学分析装置1によれば、反応容器26a,26bに分注された希釈検体の吸光度を測定し、この結果を比較することにより、希釈検体の異常を検出することができる。そして、異常を検出した希釈検体については、再検フラグが付されるため、再検査を実施して、正しい測定値を得ることができる。
[2.変形例]
なお、上述した実施の形態例では、同一検体から同一条件で2つ作成した希釈検体を、希釈ターンテーブル3に設置された希釈容器23に収容する例を示したが、希釈ターンテーブル3は必須ではない。例えば、希釈容器23を直線上に保持するラインテーブルを有する生化学分析装置であっても、検出用項目「D1」、「D2」の比較、及び希釈検体の異常検出を行うことができる。
また、2つの希釈検体の吸光度を比較して行う希釈異常の検出は、原因が気泡、固形物であることを問わない。さらに検体側の原因だけではなく、装置側の原因(吸引ポンプの異常や流系の異常等)についても検出できる。
また、血清を分析する装置(例:生化学自動分析装置、免疫自動分析装置等)において、分析に用いる血清量と測定対象項目の測定値(濃度、酵素活性等)が比例関係にある場合に利用することができる。ここでいう比例関係とは、一定の法則に基づく相関があればよく、曲線等も含まれる。
また、2つの希釈検体だけでなく、3つ以上の希釈検体に対して、吸光度の測定、比較を行って、希釈検体の異常検出を行ってもよい。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…生化学分析装置、2…サンプルターンテーブル、3…希釈ターンテーブル、6…反応ターンテーブル、7…サンプル希釈ピペット、8…サンプリングピペット、16…多波長光度計、21…検体容器、23…希釈容器、26…反応容器、30…計算機

Claims (6)

  1. 検体を収容する検体容器から前記検体を吸引し、希釈液と共に希釈容器に分注して希釈検体を作成する際に、同一の希釈倍率、及び同一の条件下で複数の前記希釈容器に同一の前記検体を分注して複数の前記希釈検体を作成する第1分注部と、
    同一の前記検体から作成された前記複数の希釈検体の一つを吸引し、第1反応容器に分注し、残りの前記複数の希釈検体の一つを吸引し、第2反応容器に分注する第2分注部と、
    前記第1反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度と、前記第2反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度とを測定する光度計と、
    前記第1反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度と、前記第2反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度とを比較して、前記2つの吸光度が異なる場合に前記希釈検体の異常を検出する検出部と、を備える
    自動分析装置。
  2. さらに、前記検出部によって前記希釈検体の異常が検出された場合には、アラームを出力するアラーム部を備える
    請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記アラーム部は、前記検出部によって前記希釈検体の異常が検出された場合には、前記希釈検体の再作成を指示する
    請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記希釈容器は、円周上に前記希釈容器を保持するターンテーブル、又は直線上に前記希釈容器を保持するラインテーブルに保持される
    請求項3に記載の自動分析装置。
  5. 前記希釈液は、界面活性剤を含む生理食塩水である
    請求項4に記載の自動分析装置。
  6. 第1分注部が、検体容器から検体を吸引し、希釈液と共に希釈容器に分注して希釈検体を作成する際に、同一の希釈倍率、及び同一の条件下で複数の前記希釈容器に同一の前記検体を分注して複数の前記希釈検体を作成するステップと、
    第2分注部が、同一の前記検体から作成された前記複数の希釈検体の一つを吸引し、第1反応容器に分注し、残りの前記複数の希釈検体の一つを吸引し、第2反応容器に分注するステップと、
    光度計が、前記第1反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度と、前記第2反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度とを測定するステップと、
    検出部が、前記第1反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度と、前記第2反応容器に分注された前記希釈検体の吸光度とを比較して、前記2つの吸光度が異なる場合に前記希釈検体の異常を検出するステップと、を含む
    異常検出方法。
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