JP6240311B2 - 制御装置および送電装置 - Google Patents

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Description

本実施形態は、制御装置および送電装置に関する。
従来、磁界を用いて、非接触で受電装置に対して電力を伝送する無線電力伝送装置が知られている。この無線電力伝送装置において、無線周波数によって低減の要否は変わるが、漏洩電磁界が他の電子機器へ影響を与える可能性があるため、無線電力伝送装置の周囲へ漏洩する電磁界強度(以下、漏洩電磁界強度という)の低減が必要となる場合がある。
国際公開第WO2009/122355号
一の実施形態によれば、制御装置は、複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路を制御する。制御装置は、前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流と、これらの送電コイルの巻数とに基づいて、前記送電回路がこれらの送電コイルへ出力する電流の位相を制御する制御部を含む。
第1の実施形態における無線電力伝送システム1の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態における送電装置10の構成を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態における受電装置20の構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1の実施形態において、位相制御をすることで磁界が小さくなることを定量的に説明する図である。 第1の実施形態において、送電コイルの電流位相を設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 送電コイルと受電器の配置の第1の例である。 送電コイルと受電器の配置の第2の例である。 送電コイルと受電器の配置の第3の例である。 送電コイル形状の構成例である。 送電コイルの変形例である。 第2の実施形態における送電装置12の構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における送電装置13の構成を示す概略ブロック図である。 第3の実施形態における制御部112cの構成を示す概略ブロック図である。 電流位相制御部905が送電回路104−iへ供給する制御信号の波形の一例である。 第3の実施形態の変形例において、送電コイルの電流位相を設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る送電コイルの配置を説明する図である。 第4の実施形態の第1の変形例に係る送電コイルの配置を説明する図である。 第4の実施形態の第2の変形例に係る送電コイルの配置の第2の変形例である。 第5の実施形態における送電器1501の構成を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態における送電器1501の第1の接続状態を示す概略ブロック図である。 第5の実施形態における送電器1501の第2の接続状態を示す概略ブロック図である。 第6の実施形態に係る送電コイル1601−1〜1601−4の配置を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における無線電力伝送システム1の構成を示す概略ブロック図である。無線電力伝送システム1は、送電装置10及び受電装置20を備える。
送電装置10は、電磁界を生成させて非接触で電力を受電装置20へ伝送する。伝送方式は、例えば電磁誘導方式または磁界共振(磁界共鳴)方式である。電磁誘導方式は、二つのコイルの一方に電流を流しエネルギーを磁界に変換して他方のコイルに起電力を発生させる方式である。電磁誘導方式は、磁界共鳴(磁界共振)方式と呼ばれることもある。
コイルの共振周波数を伝送周波数に用い、高効率伝送を行う特徴がある。なお、コイルとコンデンサを組み合わせ、共振周波数を調整することも行われる。
受電装置20は、送電装置10が無線で伝送した電力を受け取る。ここで、送電装置10は、送電器101−1、101−2、…、101−M(Mは2以上の整数)を備える。
また受電装置20は、受電器201−1、201−2、…、201−M(Mは2以上の整数)を備える。
送電器と受電器とは、一例として1対1に対応しており、送電器101−iそれぞれ(iは1からMまでの整数)は、対応する受電器201−iに対して磁界を生成させて非接触で電力を伝送する。例えば、送電器101−1は、受電器201−1に対して磁界を生成させて非接触で電力を伝送する。例えば、送電器101−2は、受電器201−2に対して磁界を生成させて非接触で電力を伝送する。例えば、送電器101−Mは、受電器201−Mに対して磁界を生成させて非接触で電力を伝送する。
図2は、第1の実施形態における送電装置10の構成を示す概略ブロック図である。送電装置10は、送電器101−1、101−2、…、101−MのM個の送電器101−i、及びこれらのM個の送電器101−iそれぞれと電気的に接続された制御装置110を備える。以下、送電器101−1、101−2、…、101−Mを総称して、送電器101ともいう。
本実施形態における、制御装置110は、送電器101−iが備える送電コイル103−iに流れる電流位相を制御することで、送電装置10全体が漏洩磁界を観測する観測点に生じる磁界を低減することができる。以下に具体的に説明する。
まず各構成要素を説明する。
送電器101−iそれぞれは、送電コイル103−iと、この送電コイルの両端と電気的に接続され後述する制御装置110の制御部112と電気的に接続された送電回路104−iとを備える。
また、制御装置110は、通信部111と、通信部111と電気的に接続され送電回路104−iそれぞれと電気的に接続された制御部112と、を備える。ここで、制御部112は一例として、電子回路で構成されている。
送電コイル103−1、103−2、…、103−Mの巻数は、同一でもよいし、異なっていても良い。ここで、送電コイル103−iは、導線を用いて構成しても良いし、リッツ線を用いて構成しても良い。また、送電コイル103−iの形状は、長方形、円形、ひし形など、任意の形状で構わない。さらに、送電コイル103−iのインダクタンス値を増加させるために、フェライトをコイルの近傍に配置しても良い。送電コイル103−iには、無線電力伝送用に用いられる任意のコイルを利用できる。
送電回路104−iは、送電コイル103−iの両端に電圧を印加することで、送電コイル103−iへ高周波の電流を供給するように構成される。これにより、送電回路104−iは、送電コイル103−iに磁界を生成させて非接触で電力を受電装置201−iへ送信させる。
ここで、全ての送電回路104−iから出力される電流の周波数は同一である。また、送電回路104−iから出力され、送電コイル103−iに流れる電流の振幅は、電力送信相手の受電器の状態に応じて決定される。また、送電回路104−iから出力され送電コイル103−iに流れる電流の位相(以下、電流位相ともいう)は、制御装置110の制御部112によって所望の値に制御される。なお、送電回路は定電圧源であって、負荷によって決まる高周波電流を送電コイルへ供給するように構成されても良い。
送電回路104−iは例えば、送電コイル103−iに流れる電流の値を検出し、この電流の値を示す電流信号SI−iを制御装置110の制御部112へ出力する。
送電回路104−iは例えば、制御装置110の制御部112から出力された制御信号S−iを取得し、この制御信号S−iに応じた位相の電流が電流送電コイル103−iに流れるように送電コイル103−iの両端にかかる電圧を制御する。ここで、制御信号は、送電回路104−iが出力する電流の位相を制御する信号である。
続いて、制御装置110の各部について説明する。
通信部111は、例えば無線により受電器201−iそれぞれと通信可能である。無線は、例えば無線LANである。
続いて、制御部112の具体的な処理について説明する。
制御部112は、複数の送電コイル103−iのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイル103−iに流れる複素電流と、これらの送電コイル103−iの巻数とに基づいて、送電回路104−iがこれらの送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御する。例えば、制御部112は、前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流と、これらの送電コイルの巻数とに基づいて、これらの送電コイルに電流を出力する送電回路104−iのインバータ回路のスイッチングタイミングを制御する。具体的には、例えば、制御部112は、送電回路104−iそれぞれから出力された電流信号SI−iを受信する。制御部112は例えば、予め送電コイル103−iそれぞれの巻数を保持する。
そして制御部112は例えば、送電器101−i毎に、電流信号SI−iが示す送電コイル103−iに流れる複素電流と、予め保持する送電コイル103−iの巻数との積である電流巻数積を算出する。制御部112は例えば、算出した複数の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、送電回路104−iが複数の送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御する。この決定の処理の詳細は後述する。制御部112は例えば、送電コイル103−iが出力する電流の位相をこの決定した電流の位相に制御するための制御信号S−iを送電回路104−iへ出力する。
なお、電流振幅については、受電器の状態に応じて決定されるため、この制御部112では電流振幅の制御は不要である。
以上のように送電装置10は構成される。以下に、本実施形態の送電装置10において、送電装置10から生じる漏洩磁界が低減される理由について説明する。
送電コイル103−iから生じる磁界の振幅は、送電コイル103−iに流れる電流振幅と巻数の積に比例する。ここで、i番目の送電コイル103−iに流れる電流をIiとする。なお、電流Iiは複素電流である。i番目の送電コイル103−iの巻数をNiとする。
また、送電コイル103−iから生じる磁界の位相は、送電コイル103−iに流れる電流位相に対応する。ここで対応とは、電流の位相が10度変われば、磁界の位相も、同じように、10度変化することを意味している。
この結果、i番目の送電コイル103−iからの磁界の振幅は電流Iiと巻数Niの積である電流巻数積IiNiの振幅に比例し、i番目の送電コイル103−iからの磁界の位相は電流巻数積IiNiの位相に対応する。送電コイル103−iがM個ある場合、M個の送電コイル103−iからの合成磁界の振幅は、電流巻数積を複素平面におけるベクトルとして表したときにそれらM個のベクトルを全てベクトル合成して得られる合成ベクトルの振幅に比例する。
このように、送電装置10全体が漏洩磁界を観測する観測点に生じる磁界は、送電コイル103−iそれぞれに流れる各電流の振幅及び位相と、送電コイル103−iそれぞれの巻数に依存する。
本実施形態における制御部112は、一例として全ての送電コイルについて、この電流巻数積を算出する。制御部112は例えば、複数の電流巻数積の合成値の大きさAが予め設定された閾値以下となるように、各送電回路104−iが各送電コイル103−iへ出力する電流Ii(i=1〜M)の位相を制御する。ここで、合成値は、複数の電流巻数積を複素平面上でベクトルで表したときに、各ベクトルをベクトル合成して得られた合成べクトルを表す。また合成値の大きさAは、この合成べクトルの振幅を表す。
ここで、合成処理の詳細について説明する。合成値の大きさAは例えば、次の式(1)に従って算出される。
Figure 0006240311
ここで、Iiは電流位相が制御されたあとの複素電流を示している。本実施形態において、制御部112は一例として、上記のように算出される合成値の大きさAを、予め設定された閾値以下となるように電流位相を決定する。なお、電流位相は絶対的な値ではなく、相対位相として決定されればよい。
ここで、予め設定された閾値とは、例えば、複数の送電コイルからの合成磁界を予め決められている磁界強度以下にしたい場合には、この予め決められている磁界強度を生じさせる1回巻きコイルに流れる電流振幅の値である。このように閾値を設定すれば、制御部112は、複数の送電コイルからの合成磁界を所望の値以下に抑圧することが可能となる。
具体的な一例として、制御部112は以下のようにして電流位相を決定する。前提として、各電流巻数積は閾値以下である。例えば、制御部112は、複数の送電コイルについて、複素電流に送電コイルの巻数を乗じた電流巻数積を算出する。例えば、まず、制御部112は、算出した複数の電流巻数積のうち最も大きな電流巻数積に対応する電流位相に対して、所定の角度(例えば、0度)を割り当てる。次に、制御部112は、算出した複数の電流巻数積のうち2番目に大きな電流巻数積に対応する電流位相に対して、この所定の角度とは180度異なる位相を割り当てる。以降、電流巻数積の大きい順に、制御部112は、電流位相が既に割り当てられた送電コイルについての電流巻き数積のベクトル合成値の位相とは180度異なる位相を電流位相それぞれに割り当てる。これにより、制御部112は各電流巻数積の合成値の大きさを閾値以下にすることができる。
なお、複数の送電コイル103−iが離れて配置された場合においては、特定の観測点までの距離が、送電コイル103−i毎に異なる。特定の観測点での磁界の位相は、送電コイル103−iからの距離の違いによっても変わってくる。本実施形態においては一例として、送電コイル103−i間の配置間隔を所定値分の1(ここでは、一例として100分の1)波長以下とする。これにより、距離の差による位相変化を無視することができる。ここで、波長とは、送電コイル103−iに流れる電流の周波数fに対応する波長λ(=c/f、但しcは光速)である。
なお、100分の1波長でなくても、50分の1波長や、20分の1波長といった距離で配置しても、距離の違いによる位相の変化は小さいため、磁界の抑圧効果が得られる。
図3は、第1の実施形態における受電装置20の構成の一例を示す概略ブロック図である。受電装置20は、受電器201−1、201−2、…、201−MのM個の受電器201−iを備える。
ここで、各受電器201−iは、受電コイル203−iと、この受電コイル203−iの両端と電気的に接続された受電回路204−iを備える。
更に、各受電器201−iは、受電回路204−iと電気的に接続された通信部205―i、及び受電回路204−iと電気的に接続された二次電池206−1を備える。
各通信部205−iは、送電装置10の通信部205と無線で通信可能である。
受電回路204−iそれぞれは、受電コイル203−iに生じた電流を二次電池206−iに供給する。これにより、二次電池206−iは、この供給された電流を用いて充電する。
図4は、第1の実施形態において、位相制御をすることで磁界が小さくなることを定量的に説明する図である。ここでは一例として、送電コイル103−iの数Mを3としている。
1番目の送電コイル103−1は、巻数1、電流振幅2A、電流巻数積は2Aとなる。
2番目の送電コイル103−2は、巻数2、電流振幅1A、電流巻数積は2Aとなる。
3番目の送電コイル103−3は、巻数1、電流振幅1A、電流巻数積は1Aとなる。
電流位相の制御がない場合には、磁界がどのような位相関係で合成されるかどうか分からない。仮に同位相で合成されたとすると、電流巻数積5Aに対応する磁界強度になってしまう。
ここで一例として、閾値を1Aとして以下、説明する。図4に示すように、制御部112は、1番目の送電コイル103−1の電流位相を0度、2番目の送電コイル103−2の電流位相を180度、3番目の送電コイル103−3の電流位相を0度になるよう制御する。この場合、電流巻数積のベクトル合成後の振幅は1Aで閾値以下の値となり、磁界強度を所望の値以下に抑圧することができる。
図5は、第1の実施形態において、送電コイルの電流位相を設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。受電器の増減に応じて、送電コイルに流れる電流が変化する。このため、本フローチャートにおいて制御部112は、受電器の増減に応じて、各送電コイル103−iの電流位相を再度設定し、設定した電流位相になるよう各送電回路104−iを制御する。これにより、制御部112は、受電器の増減に対して、位相制御を適切に設定することができる。
(ステップS101)まず、制御部112は、受電器数が増加したか否か判定する。最初は受電器数が0なので、例えば受電器が1つ置かれた場合、制御部112は、受電器数が増加したと判定する。受電器数が増加したと判定した場合(YES)、制御部112はステップS102へ進む。一方、受電器数が増加していないと判定した場合(NO)、制御部112はそのまま待機する。なお、制御部112は、受電器数を保持する。
ここで、制御部112は、増加判定の方法として任意の方法を用いて良い。例えば、新たに追加で置かれた受電器201−iに対応する送電コイル103−iを、ユーザが手動で設定しても良い。具体的には例えば送電装置10が入力部を更に備え、入力部がユーザによる、新たに追加で置かれた受電器201−iに対応する送電コイル103−iを指定する入力を受け付け、受け付けた入力を示す入力情報を制御部112へ出力してもよい。そして、制御部112がその入力情報を受け付けた場合、制御部112は受電器数が増加したと判定してもよい。
あるいは、制御部112は、通信部111を用いて受電器数の増加の判定をしても良い。
具体的には例えば、受電器201−iが新たに置かれてその受電器201−iが備える受電コイル203−iに流れる電流を検知した場合、受電器201−iが備える通信部205−iが受電器201−iが追加された旨を送電装置10へ無線送信してもよい。その場合、受電器201−iの制御部112は、通信部111がその受電器201−iが追加された旨を受信した場合、受電器数が増加したと判定してもよい。
あるいは、制御部112は、間欠的に送電回路104−iを動作させ、追加の受電器がある場合と受電器がない場合との間における送電コイル103−iに流れる電流または送電回路104−iの消費電力の違いから、受電器数が増加したか否か判定しても良い。
ここで、ある受電器201−iがある場合、その受電器201−iに非接触で電力を伝送する送電コイル104−iに電流が流れる。一方、その受電器201−iがない場合、その受電器201−iに非接触で電力を伝送する送電コイル104−iにわずかに電流が流れる。
そこで、例えば、制御部112は、ある時刻tで送電回路104−iを動作させたときに送電コイル103−iに所定の検出閾値未満の電流が流れ、かつ次に時刻t+a(aは正の数)で送電回路104−iを動作させたときに送電コイル103−iに所定の検出閾値以上の電流が流れた場合に、受電器数が増加したと判定してもよい。
なお、受電器が無い場合に、送電コイル103−iに流れる電流が小さくなるように設計しておけば、受電器がない状態での漏洩電磁界を小さくすることもできる。
(ステップS102)次に、制御部112は、全ての送電器101−iの電力伝送を一旦停止する。但し、ステップS101で受電器の数が0個から1個に増えた場合には、何もしない。一方、後述のステップS112の判定結果でステップS102へ戻った場合、全ての送電器101−iの電力伝送を一旦停止する。
(ステップS103)次に、制御部112は、受電器の数を数えるための変数k=1と設定する。
(ステップS104)次に、制御部112は、k番目の送電器101−kにk番目の受電器201−kのみへ、第1の相対位相で電力伝送させる。この段階では、送電コイル103−kの相対位相の設定がまだできていない。ここでは、k番目の受電器201−kのみへの電力伝送なので、1つの送電コイル103−kのみからの漏洩電磁界に制限するので、観測点における漏洩磁界強度は所定の規制値以下である。また、第1の相対位相は、任意の値でよい。ここでは、複数の送電コイル103−iで同時に電力伝送しないので、任意の第1の相対位相でよい。
(ステップS105)次に、制御部112は、k番目の受電器201−kに対応する送電コイル103−kの電流振幅を設定する。ここで、電流振幅は受電器の状態に応じて変ってくるので、受電器の状態を踏まえて設定する必要がある。なお、送電回路104−kが送電コイル103−kに流れる電流の振幅を直接測定し、制御部112は、測定した振幅を上記電流振幅として設定としても良い。
または、送電器101−kの消費電力と送電コイル103−kの電流振幅の対応関係を予め測定しておき、制御部112は、例えば予め送電器101−kの消費電力と送電コイル103−kの電流振幅との対応関係を保持してもよい。この対応関係は、数式として与えられてもよいし、テーブルで与えられてもよい。そして、制御部112は、送電器101−kの消費電力を取得し、取得した送電器101−kの消費電力を上記対応関係に適用することで、電流振幅を取得してもよい。そして、制御部112は、取得した電流振幅を送電コイル103−kの電流振幅として設定しても良い。この場合には、直流の消費電力を測定すればよいので、測定コストを小さくすることができる。
または、k番目の受電器201−kの受電電力と送電コイル101−kの電流振幅の対応関係を予め測定しておき、制御部112は、例えばk番目の受電器201−kの受電電力と送電コイル101−kの電流振幅の対応関係を保持してもよい。この対応関係は、数式として与えられてもよいし、テーブルで与えられてもよい。そして、通信部111が無線通信によりk番目の受電器201−kから受電器201−kの受電電力を受信してもよい。そして、制御部112は、例えば、通信部111が受信した受電器201−kの受電電力を上記対応関係に適用することで、電流振幅を取得してもよい。そして、制御部112は、取得した電流振幅を送電コイル103−kの電流振幅として設定としても良い。
以上説明した方法以外でも、制御部112は、任意の方法で、送電コイル103−kに流れる電流振幅を設定さえすればよい。
(ステップS106)次に、制御部112は、現在の変数kの値と保持している受電器数とが等しいか否か判定する。変数kの値が受電器数と等しくない場合(NO)、制御部112はステップS107に進む。これにより、制御部112は、ステップS107で、変数kの値を1つ増加させ、ステップS104及びステップS105の処理を繰り返す。
一方、変数kの数が受電器の数と同一となった場合(YES)、制御部112はステップS108へ進む。
(ステップS107)ステップS106で変数kの値が受電器数と等しくない場合、制御部112は、変数kの値を1つ増加させ、ステップS104に戻る。
(ステップS108)次に、制御部112は、設定したk個の送電コイル103−iの電流振幅値を用いて、k個の送電コイル103−iの電流位相を設定する。設定の仕方は、上述しているので省略する。なお、変数kの値は、ステップS106で設定しているように、受電器数に等しい。
(ステップS109)次に、制御部112は、k個の受電器201−iへ、ステップS108で設定した相対位相となるようにk個の送電コイル103−iの電流位相を制御して、同時に電力伝送を行うようk個の送電回路104−iを制御する。これにより、制御部112は、k個の送電コイル103−i全体が生成する合成漏洩電磁界を低減することができる。
(ステップS110)次に、制御部112は、受電器数に増減があるか否か判定する。
制御部112は、受電器数に増減がない場合(NO)、ステップS111に進む。一方、制御部112は、受電器数に増減がある場合(YES)、ステップS112に進む。
(ステップS111)ステップS110で受電器数に増減がない場合、制御部112は、k個の受電器201−iへの電力伝送を継続する。
(ステップS112)ステップS110で受電器数に増減がある場合、制御部112は、受電器数が0か否か判定する。制御部112は、受電器数が0の場合(YES)、電力伝送を終了する。そして、制御部112は、再開のために、ステップS101の処理へ戻る。一方、制御部112は、受電器数が0ではない場合(NO)、ステップS102へ戻る。そして、制御部112は、ステップS103から、上述したステップを再度繰り返す。
以上、本フローチャートの処理によって、制御部112は、受電器数の増減があった場合でも、適切に、送電コイル103−iそれぞれの電流位相を制御することができる。
図6は、送電コイルと受電器の配置の第1の例である。図6は、送電器数M及び受電器数Mが4の場合である。送電コイル502A、502B、502C、502Dが全て同一であり、送電コイルを含む平面である送電コイル面がxy平面と平行になり、かつx軸と平行な方向に沿って一列となるように配置された送電装置501の構成例である。なお、受電器側もコイルを含む構成となるが、図では省略している。
送電コイルを同一形状に構成すると、それぞれの送電コイルからの漏洩電磁界は個々の送電コイルを基準として同一ベクトル方向に発生する。更に、それぞれの送電コイル面がxy平面と平行になっているため、複数の送電コイルからの漏洩電磁界のベクトル方向が同一となる。この結果、制御部112が送電コイルの電流位相を制御する結果、電磁界の打消しが有効に働き、漏洩電磁界強度を低減することができる。
このように、送電コイルを1つの送電装置に内蔵し、また、水平に配置した構成例においては、送電装置の上に受電コイルをのせて受電器への電力伝送が可能であって、効果的に漏洩電磁界強度を低減することができる。
図7は、送電コイルと受電器の配置の第2の例である。図6とは異なり、送電コイル602A、602B、602C、602Dを、xz平面に平行な平面に配置され、かつx軸k方向に沿って一列に配置された送電装置601の構成例である。送電コイル602A、602B、602C、602Dは、それぞれ受電器603A、603B、603C、603Dのy軸の負側の面を介して電力伝送する。なお、受電器側もコイルを含む構成となるが、図では省略している。
図8は、送電コイルと受電器の配置の第3の例である。図8は、送電装置701の構成は図6と同一であるが、受電器が受電器703A、703Bの2つの場合である。この場合には、2つの送電コイル702A、702Cのみが漏洩電磁界の波源となるので、制御部112は受電器が存在する2つの送電コイル702A、702Cの電流位相を制御すれば良い。
図9は、送電コイル形状の構成例である。図9(A)に示すように、本実施形態では一例として、送電コイル103−iは、平面形状の1巻きコイル801である。なお、図9(B)に示すように、送電コイル103−iは、平面形状の1巻きコイル801の途中を折り曲げた折り曲げコイル802でも良い。
なお、巻数は複数回巻きでもよい。このような立体コイルの場合でも、これまでの説明と同様に、制御部112は、漏洩電磁界強度を低減することができる。なお、送電コイルに流れる電流によって生成されるこの送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行になるように複数の送電コイル103−iが配置されている場合には、観測点に送電コイル103−iそれぞれが生成する漏洩電磁界のベクトルの向きが互いに同じとなる。このため、制御部112は、電流位相を制御することで、送電コイル103−iに流れる電流によって生成される漏洩電磁界が互いに打消しあうようにすることができ、漏洩電磁界強度の低減効果を大きくすることができる。
<第1の実施形態の効果>
以上、第1の実施形態において、制御部112は、複数の送電コイル103−iのうち少なくとも二つについて、送電コイル103−iに流れる複素電流と、送電コイル103−iの巻数とに基づいて、送電回路104−iがこれらの送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御する。
具体的には例えば、制御部112は、これらの送電コイルの複素電流にこれらの送電コイルの巻数を乗じた電流巻数積を算出し、算出した複数の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、前記送電回路がこれらの送電コイルへ出力する電流の位相を制御する。
これにより、制御部112は、電流位相を制御することで、送電コイル103−iに流れる電流によって生成される漏洩電磁界が互いに打消しあうようにすることができ、送電装置10が生成する漏洩電磁界強度を低減することができる。
なお、電流位相のみの制御であるので、送電器と受電器間の電力伝送における、受電電力、伝送効率などは何ら変化無く実施可能である。
図10は、送電コイルの変形例である。図10には、変形例における送電装置11の構成を示す概略ブロック図である。図2に示す第1の実施形態の送電装置と比べて、変形例における送電装置11は、送電コイル101−1が方形状の送電コイル101B−1に、送電コイル101−2がひし形状の送電コイル101B−2に、送電コイル101−Mが円形状の送電コイル101B−Mに変更されたものになっている。これに伴い、送電器101−iそれぞれが送電器101B−iに変更されている。
図10に示すように、送電コイル103B−iは、方形コイル、ひし形コイル、円形コイルなど、任意のコイル形状で構成して良い。また、図10に示すように、複数の送電コイルは異なる巻数で構成されて良い。
図10のような構成においては、送電コイル103B−1、送電コイル103B−2、送電コイル103B−Mを貫く磁界の向きは、個々の送電コイルを基準として同一である。具体的には、送電コイル101B−i面に垂直方向になる。更に、送電コイルそれぞれから生じる磁界の向きが互いに同じになるように複数の送電コイル101B−iが配置されている。この結果、送電コイル101B−iそれぞれの形状が異なっても、送電コイル101B−iそれぞれから生じる電界または磁界の向きが同一となる。このため、制御部112が電流位相を制御することにより、観測点における漏洩電磁界強度を低減することができる。
このように、送電コイルそれぞれから生じる磁界の向きが個々の送電コイルを基準として同一であり、送電コイルそれぞれから生じる磁界の向きが互いに同じになるように複数の送電コイルが配置されている。これにより、観測点における電界または磁界の向きが同じになる。このため、制御部112が電流位相を制御することにより、観測点における漏洩電磁界強度を低減することができる。
<第2の実施形態>
続いて、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、制御部112が、複数の送電コイルについて算出された送電コイルの電流振幅と送電コイルの巻数である電流巻数積の合成値の大きさが予め設定された閾値以下になるように、各送電コイルの電流位相を制御した。
それに対し、第2の実施形態では、制御回路が、複数の送電コイルについて算出された送電コイルの電流振幅と送電コイルの巻数である電流巻数積を伝送距離のN乗(Nは予め設定された数)で除算した距離電流巻数積の合成値の大きさが予め設定された閾値以下になるように、各送電コイルの電流位相を制御する。これにより、送電コイルの配置間隔が、所定の距離(例えば、100分の1波長)に比べて広い場合に、制御部112が、効果的に漏洩電磁界を低減することができる。以下に、詳細に説明する。
図11は、第2の実施形態における送電装置12の構成を示す概略ブロック図である。
なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第2の実施形態における送電装置12の構成は、第1の実施形態における送電装置10の構成に対して、制御装置110が制御装置110bに変更されたものになっている。
第2の実施形態における制御装置110bは、第1の実施形態における制御装置110に比べて、記憶部113が追加され、制御部112が制御部112bに変更されたものになっている。
記憶部113には、送電コイル103−i毎に、この送電コイル103−iから漏洩電磁界を観測する複数の観測点までの複数の伝送距離が記憶されている。
制御部112bは、送電コイル103−i毎に、この送電コイル103−iに対応する伝送距離を記憶部113から取得し、複数の電流巻数積それぞれを、対応する伝送距離のN乗(Nは予め設定された数)で除算した複数の距離電流巻数積を算出する。そして、制御部112bは、算出した複数の距離電流巻数積の合成値の大きさが予め設定された閾値以下となるように、送電コイル103−iに流れる電流の位相を制御する。
具体的には例えば、制御部112bは、送電コイルの電流振幅と送電コイルの巻数である電流巻数積を伝送距離のN乗で除算した距離電流巻数積を全ての送電コイル103−iについて算出する。そして、制御部112bは、算出された距離電流巻数積の合成値の大きさを予め設定された閾値以下となるように、送電コイル103−iに流れる電流の位相を制御する。
ここで、送電コイル103−iからの漏洩電磁界は、観測点までの距離のN乗に反比例して減衰する特徴がある。例えば、送電コイル103−iがループアンテナの場合には、漏洩磁界は距離の3乗に反比例して減衰する。よって漏洩磁界を低減する場合、Nの値は例えば3である。一方、漏洩電界は、距離の2乗に比例して減衰する。よって漏洩電界を低減する場合、Nの値は例えば2である。
ここで、ループアンテナが、送電装置12に内蔵されている場合、送電装置12の筐体の影響によって、減衰具合が変化する場合がある。その場合には、あらかじめ距離特性を測定しておき、距離の何乗に反比例して減衰するか把握しておけばよい。また、電界、磁界の両者では、減衰の仕方が一般に異なる。そこで、例えば送電装置12の設計者または製造者が、低減したい電磁界成分に応じて、Nの値を決定してもよい。電界と磁界の両方を低減したい場合には、両者の減衰の仕方を踏まえて、例えば送電装置12の設計者または製造者が適切なNの値を設定してもよい。
送電コイル103−iの配置間隔が送電コイルに流れる電流の周波数fに対応する波長λ(=c/f、cは光速)の6分の1以下の場合、送電コイルから観測点までの距離減衰量は全ての送電コイルでほぼ同一とみなせる。波長の6分の1以下としている理由は、電流振幅と巻き数が同じで、位相が180度異なる二つの送電コイルがあった場合を想定した場合、配置間隔が6分の1波長となると、漏えい電磁界の打消し効果が弱くなり、一方の送電コイルのみが存在する場合の漏えい電磁界強度と同一になると見積もられるからである。
一方、送電コイルの配置間隔が波長の6分の1を超える場合、送電コイルから観測点までの距離減衰は、送電コイル毎に異なってしまう。そのため、電磁界の低減効果が小さくなってしまう新たな課題がある。
それに対し、本実施形態においては、電流巻数積を伝送距離のN乗で除算した距離電流巻数積を採用することで距離減衰を考慮でき、制御部112bは、漏洩電磁界が打消し合うように、送電コイルの電流位相を制御する。これにより、送電コイル103−i毎に観測点までの距離減衰が異なっても、磁界または電界の距離減衰を考慮して観測点で電界または磁界の打消し量が大きくなるようにすることができるので、漏洩電磁界を効果的に低減することができる。
一方、送電コイル103−iに流れる電流位相しか制御しないので、送電器と受電器間の電力伝送については、何ら影響なく実施することが可能となる。
なお、観測点が複数ある場合には、制御部112bは、複数の距離電流巻数積をこの複数の観測点で算出し、この複数の観測点それぞれについて、複数の電流巻数積それぞれを、対応する伝送距離のN乗(Nは予め設定された数)で除算した複数の距離電流巻数積を算出し、算出した複数の距離電流巻数積を合成して得られる合成値の振幅が予め設定された閾値以下となるように、送電コイル103−iに流れる電流の位相を制御してもよい。
また、送電コイル103−i間に間隔があるので、距離減衰だけではなく、電磁界の位相回転量も異なってくる。より磁界の打消し効果を得るために、制御部112bは、伝送距離の差に相当する位相回転量だけ伝送距離が長い方の送電コイル103−iの電流位相を遅らせてもよい。
例えば、制御部112bは、複数の伝送距離の中のどれか1つを基準として、この伝送距離については位相回転量を与えない。基準の伝送距離に対して、伝送距離が0.1波長だけ長い送電コイル103−iがあったとする。この場合、制御部112bは、0.1波長に相当する位相回転量だけこの送電コイル103−iに流れる電流の位相を遅らせる。
具体的には、制御部112bは、−2πd/λをこの送電コイル103−iに流れる電流の位相に加算する。ここで、πは円周率、dは伝送距離の差、λはコイルに流れる電流の周波数での自由空間波長である。なお、伝送距離の差は、基準距離に対して長い場合に正の値、短い場合に負の値とする。この例では、制御部112bは、−0.2πをこの送電コイル103−iに流れる電流の位相に加算する。これにより、伝送距離が0.1波長だけ長くても、電流位相が予め0.1波長分遅れているので、観測点における磁界の位相は、基準の伝送距離だけ伝送した磁界の位相と同じになる。このように、制御部112bは、電流位相を伝送距離が長い分に相当する位相だけ遅らせることで、観測点における磁界の位相を所望の値にすることができるので、磁界同士の打消し量を大きくすることができる。
このように、制御部112bは、送電コイル103−i間で伝送距離の違いによって送電コイル103−i間で観測点までの位相回転量が異なっても、観測点における電界または磁界の位相が所望の位相になるように送電コイル103−iに流れる電流位相を制御すれば、漏洩電磁界の低減効果をさらに高くする効果が得られる。
<第2の実施形態の効果>
以上説明したように、第2の実施形態の送電装置12において、記憶部113には、送電コイル103−i毎に、この送電コイル103−iから漏洩電磁界を観測する観測点までの伝送距離が記憶されている。そして、制御部112bは、送電コイル毎103−iに、この送電コイル103−iに対応する伝送距離を記憶部113から取得し、複数の電流巻数積それぞれを、対応する伝送距離のN乗(Nは予め設定された数)で除算した複数の距離電流巻数積を算出する。そして、制御部112bは、算出した複数の距離電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、送電コイル103−iに流れる電流の位相を制御する。
これにより、送電コイル103−i毎に観測点までの距離減衰が異なっても、磁界または電界の距離減衰を考慮して観測点で電界または磁界の打消し量が大きくなるようにすることができるので、漏洩電磁界を効果的に低減することができる。
なお、閾値については、距離減衰を含めた値とすればよい。伝送距離を変えながら、距離電流巻数積と漏洩電磁界の関係を予め測定しておき、予め決められた磁界強度を生じさせる距離電流巻数積の振幅値を、この閾値とすればよい。この結果、この予め決められた磁界強度まで、漏洩磁界強度を低減することが可能となる。
<第3の実施形態>
続いて、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態では、制御部は、複数の電流巻数積の合成値の大きさが予め設定された閾値以下となるように、送電コイルに流れる電流の位相を制御した。
それに対し、第3の実施形態では、制御部は一例として複数の電流巻数積の合成値の大きさが最小となるように、送電コイルに流れる電流の位相を制御する。
図12は、第3の実施形態における送電装置13の構成を示す概略ブロック図である。
なお、図2と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。第3の実施形態における送電装置13の構成は、第1の実施形態における送電装置10の構成に対して、制御装置110が制御装置110cに変更されたものになっている。
第3の実施形態における制御装置110cは、第1の実施形態における制御装置110に比べて、記憶部113が追加され、制御部112が制御部112cに変更されたものになっている。
送電回路104−iは、送電コイル103−iに流れる電流の電流振幅を測定し、測定した電流振幅を示す電流信号SI−iを制御部112cの後述する電流振幅設定部902へ出力する。
図13は、第3の実施形態における制御部112cの構成を示す概略ブロック図である。制御部112cは、送電回路104−iそれぞれと電気的に接続された電流振幅設定部902と、電流振幅設定部902と電気的に接続された電流閾値設定部903と、を備える。更に、制御部112cは、電流閾値設定部903と電気的に接続された電流位相設定部904と、電流位相設定部904と電気的に接続され送電回路104−iそれぞれと電気的に接続された電流位相制御部905と、を備える。
電流振幅設定部902は、送電コイル103−iに流れる電流振幅を設定する。既に説明したように、電流振幅設定部902は、測定された送電コイル103−iに流れる電流値を測定し、測定して得られた測定値を電流振幅に設定しても良いし、送電回路104−iの消費電力から電流振幅を設定しても良いし、受電器201−iでの受電電力から電流振幅を設定しても良い。
(測定値を電流振幅に設定する具体例)
このうち、測定値を電流振幅に設定する具体例は、以下の通りである。例えば、電流振幅設定部902は、送電回路104−iそれぞれから電流信号SI−iを取得することで、複数の送電コイル103−iに流れる電流について測定された電流振幅を取得し、取得した電流振幅を、対応する複数の送電コイル103−iに流れる電流の振幅に設定してもよい。
(送電回路104−iの消費電力から電流振幅を設定する具体例)
続いて、送電回路104−iの消費電力から電流振幅を設定する具体例は、以下の通りである。この場合、記憶部113には例えば、送電回路の消費電力と送電コイルに流れる電流の振幅との対応関係が予め記憶されていてもよい。
その場合、送電回路104−iは、送電回路104−iの消費電力を検出し、検出した消費電力を示す消費電力信号を制御部112cの後述する電流振幅設定部902へ出力してもよい。
更にその場合、電流振幅設定部902は、送電回路104−iそれぞれからこの消費電力を取得し、取得した複数の送電回路の消費電力を記憶部113に記憶されている対応関係と比較して、複数の送電コイル103−iの電流の振幅を取得してもよい。そして、電流振幅設定部902は、この取得した電流の振幅を複数の送電コイル103−iに流れる電流の振幅として設定してもよい。
(受電器201−iでの受電電力から電流振幅を設定する具体例)
続いて、受電器201−iでの受電電力から電流振幅を設定する具体例は、以下の通りである。通信部111は例えば、複数の送電コイルそれぞれに対向して配置される複数の受電器の受電電力の値を通信により取得してもよい。その場合、記憶部113には、送電コイル103−iに対向して配置される受電器201−iの受電電力と送電コイル103−iの電流振幅との対応関係が予め記憶されていてもよい。そして制御部112cは、通信部111が取得した複数の受電器の受電電力の値を記憶部113に記憶された対応関係に適用して、複数の送電コイル103−iに流れる電流の振幅を設定してもよい。
電流閾値設定部903は、電流巻数積の合成値の大きさに対する閾値を設定する。先に説明した方法以外に、電流閾値設定部903は、複数の送電コイル103−iの中で最大の巻数である送電コイルから電力を伝送させる送電回路の送電電力が最大となるときの送電コイルの電流振幅に応じて上記閾値を設定してもよい。具体的には例えば、電流閾値設定部903は、複数の送電コイル103−iの中で最大の巻数である送電コイルから電力を伝送させる送電回路の送電電力が最大となるときのこの送電コイルの電流振幅を上記閾値に設定してもよい。この場合には、電流閾値設定部903は、最大巻数の送電器の漏洩電磁界の値以下に、複数同時に電力伝送した場合の漏洩電磁界を制限することができる。
また、送電器101−iが全て同一に構成される場合には、一つの送電器101−iの最大出力時の送電コイル103−iに流れる電流を上記閾値としても良い。この場合には、電流閾値設定部903は、複数同時に電力伝送した場合の漏洩電磁界を、一つの送電器の時の漏洩電磁界以下の値に制御することが可能となる。
電流位相設定部904は、電流振幅設定部902で設定された送電コイル103−iの電流振幅に基づき、送電コイル103−iの電流位相を制御する。具体的には例えば、電流位相設定部904は、電流巻数積の合成値の大きさを、閾値以下となるように、複数の送電コイル103−iの電流位相を制御する。
ここで本実施形態では一例として、電流位相設定部904は一例として、の合成値の大きさが、上記閾値以下であって、かつ最小となるように、複数の送電コイル103−iの電流位相を設定する。このように、電流巻数積の合成値の大きさを最少化することで、漏洩電磁界の低減効果を最大化することができる。
具体的には例えば、電流位相設定部904は、二つの電流巻数積をベクトル合成するときに、二つの電流巻数積の位相差を10度刻みで変更する毎に、電流巻数積の合成値の大きさを算出する。そして、電流位相設定部904は例えば、算出した複数の合成値の大きさのうち、閾値以下かつ最も小さい値に電流位相を設定する。
<電流位相設定部904の第1の変形例>
電流位相設定部904の第1の変形例として、電流位相設定部904は電流位相の値を0度と180度の2値のみに設定する方法でもよい。なお、電流位相は相対的な値なので、例えば20度と200度との組や、50度と230度との組などでも良い。このように、電流位相設定部904は、複数の送電コイル103−iに流れる電流の位相を、第1の相対位相と、第1の相対位相に対して逆位相の第2の相対位相のいずれかに設定する。ここで逆位相とは、位相が180度異なることである。
これにより、2つの位相しか有さないので、電流位相を制御する方法が簡易になる効果がある。一方、2値しか有しないが、互いに位相が180度異なるので、漏洩電磁界強度は十分低減できる効果がある。
<電流位相設定部904の第2の変形例>
電流位相設定部904の第2の変形例を以下に説明する。はじめに、電流位相設定部904は例えば、送電コイル103−iに対して、送電コイル103−iに流れる電流振幅が大きいものから順番に番号を付与してもよい。次に、電流位相設定部904は例えば、この番号が1番の送電コイル103−iの電流振幅の位相を第1の相対位相としてもよい。次に、電流位相設定部904は例えば、この番号が2番の電流振幅の位相を第2の相対位相としてもよい。すなわち、電流位相設定部904は、これら送電コイル103−iに流れる電流振幅を大きいものから順番に並べた場合に、順番が隣接する送電コイルのうち、一方の送電コイルの位相を第1の相対位相に設定し、他方の送電コイルの位相を第1の相対位相に対して逆位相の上記第2の相対位相に設定する。
電流位相設定部904は例えば、この番号が3番以降の対象の送電コイルの相対位相を、対象の送電コイルの番号より小さい番号の電流巻数積の合成値の相対位相に対して逆位相に設定してもよい。このような簡単なアルゴリズムにより、ベクトル合成後の電流振幅を小さくすることが可能となる。
<電流位相設定部904の第3の変形例>
電流位相設定部904の第3の変形例を以下に説明する。電流位相設定部904は例えば、第1の相対位相と、第1の相対位相に対して逆位相となる(位相が180度異なる)第2の相対位相を、複数の送電コイル103−iのうち端に配置されている送電コイル103−iから順番に交互に割り当ててもよい。このように電流位相設定部904が電流位相を設定することで、隣り合う送電コイル103−iからの漏洩電磁界が打消し合う関係になる。
なお、これに限らず、電流位相設定部904は、互いに隣り合う送電コイル103−iのうち、一方の送電コイルの位相を第1の相対位相に設定し、他方の送電コイルの位相を第1の相対位相に対して逆位相の上記第2の相対位相に設定してもよい。このように電流位相設定部904が電流位相を設定することで、隣り合う送電コイル103−iからの漏洩電磁界が打消し合う関係になる。
また、この場合、送電コイル同士の配置間隔がより小さい方が、送電コイル103−iから観測点までの伝送距離の違いが小さくなるため、観測点に生成される複数の漏洩電磁界の間で距離減衰及び位相の違いが小さくなるので、漏洩電磁界強度の低減効果を高くすることができる。
ここで、複数の送電器101−iが直線上に配列された場合は、電流位相設定部904は、端から順番に、第1の相対位相と第1の相対位相とは逆位相の第2の相対位相を交互に設定してもよい。
送電器がxy平面上に、x軸方向にX個の素子、y軸方向にY個の素子配列されている場合にも同様に、電流位相設定部904は、x軸方向に隣り合う送電コイルの位相差、及びy軸方向に隣り合う送電コイルの位相差が180度になるように設定してもよい。
送電器がxyz空間上に、x軸方向にX個の素子、y軸方向にY個の素子、z軸方向にZ個の素子配置されている場合も同様に、x軸方向に隣り合う送電コイルの位相差、y軸方向に隣り合う送電コイルの位相差、及びz軸方向に隣り合う送電コイルの位相差が180度になるように設定してもよい。
<電流位相設定部904の第4の変形例>
電流位相設定部904の第4の変形例を以下説明する。第4の変形例において、送電コイルに流れる電流に高調波成分を有する場合に、制御部112cは、その高調波成分によって生成される漏洩電磁界強度を低減することができる。
本変形例において、送電コイル103−iに流れる電流の高調波成分に起因する磁界を低減する場合の処理例について説明する。ここでは、一例として、送電コイル103−iの巻数が全て1であることを前提とする。送電装置13は、送電コイルの電流振幅と、その送電コイルに流れる電流の高調波成分(例えば、2倍の高調波)が、当該送電コイルから所定の距離離れた地点に生成する磁界強度(または電界強度)との対応関係が記憶されている電流振幅高調波対応記憶部を更に備える。
電流位相設定部904は例えば、複数の送電コイル103−iそれぞれの電流振幅を取得する。そして、電流位相設定部904は例えば、送電コイル103−iそれぞれについて、取得した送電コイル103−iの電流振幅に対応する磁界強度(または電界強度)を読み出す。
そして、電流位相制御部905は、例えば、読み出した複数の磁界強度(または電界強度)の合成値の大きさを抑制するように送電回路104−iが複数の送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御する。その際、電流位相制御部905は、例えば、この合成値の大きさが、予め設定された第2閾値以下となるように、送電回路104−iが複数の送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御する。これにより、制御部112cは、高調波成分によって生成される漏洩電磁界強度を低減することができる。
なお、複数の送電コイル103−i中に巻数が異なる送電コイルがある場合に、以下のようにして、送電コイル103−iに流れる電流の高調波成分に起因する磁界を低減してもよい。その場合、電流振幅高調波対応記憶部には、送電コイル103−iの電流振幅と、この送電コイル103−iの巻数と、この送電コイル103−iに流れる電流の高調波成分が、当該送電コイル103−iから所定の距離離れた地点に生成する磁界強度との対応関係が記憶されていてもよい。
その場合、電流位相設定部904は、例えば、複数の送電コイルそれぞれの電流振幅を取得してもよい。そして電流位相設定部904は、例えば、送電コイルそれぞれについて、取得した送電コイルの電流振幅とこの送電コイルの巻数の組に対応する磁界強度を読み出してもよい。
そして、電流位相制御部905は、例えば、読み出した複数の磁界強度の合成値の大きさを抑制するように送電回路104−iが複数の送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御してもよい。その際、電流位相制御部905は、例えば、この合成値の大きさが、予め設定された第3閾値以下となるように、送電回路104−iが複数の送電コイル103−iへ出力する電流の位相を制御してもよい。これにより、制御部112cは、高調波成分によって生成される漏洩磁界強度を低減することができる。
電流位相制御部905は、電流位相設定部904が設定した位相に応じて制御信号S−1、S−2、…、S−Mを生成し、この生成した制御信号S−1、S−2、…、S−Mと同期した電流を対応する送電コイル103−1〜103−Mに供給する送電回路104−1〜104−Mに対してこの制御信号を出力する。
具体的には例えば、電流位相制御部905は、送電回路104−iそれぞれへ対応する送電コイル103−iそれぞれに流れる電流と同一の周期を有する制御信号であって、送電回路104−iに対して、電流位相設定部904で設定された位相に応じた時間差でハイレベルとローレベルが切り替わる制御信号を供給する。
図14は、電流位相制御部905が二つの送電回路へ供給する二つの制御信号の波形の一例である。図14の横軸は時間で、縦軸は電圧である。図14は、0度の相対位相と、180度の相対位相の2つの電流位相に制御する場合における第1の相対位相制御用制御信号の波形1001と、第2の相対位相制御用制御信号の波形とが示されている。第1の相対位相制御用制御信号と、第2の相対位相制御用制御信号とは、周期が同じで位相が180度ずれている。
図14の例の場合、例えば、第1の相対位相制御用制御信号は、送電回路104−1へ供給され、第2の相対位相制御用制御信号は、送電回路104−2へ供給される。そして送電回路104−1は一例として、第1の相対位相制御用制御信号と同じ周期かつ同じ位相の電流を送電コイル103−1へ供給する。そのとき、送電回路104−2は一例として、第2の相対位相制御用制御信号と同じ周期かつ同じ位相の電流を送電コイル103−2へ供給する。これにより、送電コイル103−1の電流と送電コイル103−2の電流とでは、周期が同じで位相が反転することになり、観測点における電磁界も位相が反転するので互いに打消しあう。
この例は、送電回路104−iが電流位相制御部905から入力された制御信号に応じて動作するインバータ回路の場合に有効である。送電回路104−iから送電コイル103−iに供給される高周波電流の位相は、電流位相制御部905から送電回路104−iに供給される制御信号の位相と同期する。その結果、電流位相制御部905は、高周波電流の位相を電流位相設定部904で設定された電流位相に制御することができる。
この例においては、送電回路104−iへ制御信号の供給が必要であり、電流位相制御部905はその位相のみを制御しているので、送電回路104−iの動作自体に何ら変化を与えない。従って、電流位相制御部905は、送電コイル103−iに流れる電流位相のみしか変化させないので、送電器自体の送電電力、及び伝送効率に変化を与えない利点がある。
以上、電流位相制御部905は、このような簡単な制御で、送電コイル103−iに流れる電流位相を制御することができ、観測点における漏洩電磁界を打消すことができる。
以上、第3の実施形態において、電流位相設定部904は、合成値の大きさが、上記閾値以下であって、かつ最小となるように、複数の送電コイルの電流位相を設定する。そして、電流位相制御部905は、電流位相設定部904が設定した位相に応じて上記送電回路104−iが出力する電流の位相を制御する制御信号を生成し、この生成した制御信号を上記送電回路104−iへ出力する。
これにより、送電回路104−iから送電コイル103−iに供給される高周波電流の位相は、電流位相制御部905から送電回路104−iに供給される制御信号の位相と同期する。このため、電流位相制御部905は、高周波電流の位相を電流位相設定部904で設定された電流位相に制御することができる。その結果、電流位相制御部905は、観測点における漏洩電磁界の打消し効果を最大にすることができる。
<第3の実施形態の変形例>
第3の実施形態の変形例として、制御部112cの変形例を説明する。ここでの制御部112cは、複数の送電コイル103−i間の電流位相差を設定した後、予め設定された所定時間経過後に、複数の送電コイル103−iの電流位相を再設定する。すなわち、制御部112cは、所定の時間間隔毎に、上記電流の位相を制御する。このように制御部112cは電流位相を再設定することで、時間的に受電器への伝送電力が変化する場合でも、漏洩電磁界強度を低減することが可能となる。一般に、受電器へ伝送した電力が2次電池へ充電される場合を考えると、充電電力は時間と共に変化するので、このような場合に対応できる。
図15は、第3の実施形態の変形例において、送電コイルの電流位相を設定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS201からステップS212は、図5のステップS101からステップS112と同一なので、説明を省略する。
(ステップS213)制御部112cは、電力伝送後、所定の時間が経過したか否か判定する。所定の時間が経過した場合(YES)、制御部112cはステップS202へ戻る。一方、所定の時間が経過していない場合(NO)、制御部112cはステップS210へ戻る。
このステップS213の処理を加えることによって、受電器数に変化が無くても、制御部112cは、時間的に変化する送電コイル103−iの電流振幅に対応して、電流位相を制御することができる。
なお、所定の時間とは、受電器への供給電力の時間変化と、これに対応する送電コイルに流れる電流振幅の時間変化をあらかじめ測定しておき、この電流振幅の時間変化量が所定の量以上となる時間に対して、十分短い時間であればよい。なお、二次電池への充電を想定した場合でも、二次電池の容量や性能に応じて変化するので、あらかじめ測定しておく必要がある。
例えば、送電コイル103−iに流れる電流の振幅が変わると、合成値の大きさが大きくなる場合があり、その場合に合成値の大きさが閾値を超える可能性がある。それに対し、第3の実施形態の変形例では、電流振幅の時間変化量が所定の量以上となる時間に対して十分短い時間経過後に、複数の送電コイル103−i間の電流位相差を再設定することで、合成値の大きさが閾値を超えないようにすることができる。
<電流振幅が時間変化した場合の変形例>
電流振幅が時間変化した場合でも、漏洩電磁界を低減する方法の変形例について、以下具体的に説明する。受電器201−iが備える二次電池への充電を想定して、時間が経過するにつれて、送電コイル103−iに流れる電流振幅が減少する場合で説明する。
例えば、記憶部13には、二次電池の現在の充電量と所定の時間後の送電コイルの電流振幅の予測値とが関連付けて記憶されていることを前提とする。この前提で、例えば、送電装置13の通信部111は、受電器201−iが備える二次電池の現在の充電量を無線通信により取得する。電流位相設定部904は例えば、通信部111が取得した2次電池の現在の充電量から、所定の時間後の送電コイルの電流振幅を予測する。具体的には例えば、電流位相設定部904は、取得した二次電池の現在の充電量に対応する、所定の時間後の送電コイルの電流振幅の予測値を記憶部13から取得する。
電流位相設定部904は、現在の送電コイルに流れる電流振幅を用いて、電流巻数積の第1の合成値を生成する。それと共に、電流位相設定部904は、取得した所定の時間後の送電コイルの電流振幅の予測値を用いて、電流巻数積の第2合成値を生成する。そして、第1の合成値及び第2の合成値が両方とも所定の閾値以下となるように、送電コイル103−iの電流位相を設定する。電流位相設定部904は、このように電流位相を設定することで、所定の時間後においても、漏洩電磁界強度を予め設定された規制値以下にすることができる。
<第4の実施形態>
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態における送電装置は、第1の実施形態における送電装置10に比べて、送電コイルの配置が異なっている。
図16は、第4の実施形態に係る送電コイルの配置を説明する図である。図16において、送電コイルが2次元平面上に配置された場合の例である。図16の例では、y軸正側においてx軸方向に4個並んだ送電コイル1202A、1202B、1202C、1202Dと、y軸負側においてx軸方向に4個並んだ送電コイル1202E、1202F、1202G、1202Hとから構成される。このように送電コイルは2列に分かれて合計8個並んでいる。また、本実施形態では、y軸正側の4つの送電コイルが一つの筐体1201Aに内蔵され、y軸負側の4つの送電コイルが一つの筐体1201Bに内蔵されている。
図17は、送電コイルの配置の第1の変形例である。同様に送電コイルが2次元的に配置された場合である。図17の例では、z軸負側においてx軸方向に4個並んだ送電コイル1302A、1302B、1302C、1302Dと、z軸正側においてx軸方向に4個並んだ送電コイル1302E、1302F、1302G、1302Hとから構成される。このように送電コイルは2列に分かれて合計8個並んでいる。この第1の変形例は、z軸負側の4つの送電コイル1302A、1302B、1302C、1302Dが一つの筐体1301Aに内蔵され、z軸正側の4つの送電コイル1302E、1302F、1302G、1302Hが一つの筐体1301Bに内蔵されている。
図18は、第4の実施形態の第2の変形例に係る送電コイルの配置の第2の変形例である。x軸方向に送電コイルが4個並んだ列がy軸方向に2列、z軸方向に2列あり、合計16個の送電コイルから構成されている。この第2の変形例は、四つの送電コイルの組がそれぞれ筐体1401A、1401B、1401C、1401Dに内蔵されている。
<第5の実施形態>
続いて、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態における送電装置10は、第1の実施形態における送電装置10に比べて、送電器101−1〜101−Mが送電器1501−1〜1501−Mに変更されている。以下、送電器1501−1〜1501−Mを送電器1501と総称する。
図19は、第5の実施形態における送電器1501の構成を示す概略ブロック図である。送電器1501は、少なくとも、送電コイル1502と、送電回路1504と、接続切り替え回路1503とを備える。
接続切り替え回路1503は、送電コイル1502の一端に接続された第1のコイル端子1505と、送電コイル1502の他端に接続された第2のコイル端子1506を備える。
更に、接続切り替え回路1503は、送電回路1504の第1出力に接続された第1の回路端子1507と、送電回路1504の第2出力に接続された第2の回路端子1508とを備える。
続いて、図20及び図21を用いて、送電器1501の第1の接続状態と第2の接続状態について説明する。図20は、第5の実施形態における送電器1501の第1の接続状態を示す概略ブロック図である。図21は、第5の実施形態における送電器1501の第2の接続状態を示す概略ブロック図である。
接続切り替え回路1503は、図20に示すように、第1のコイル端子1505と第1の回路端子1507とが接続され、かつ第2のコイル端子1506と第2の回路端子1508とが接続された第1の接続状態を有する。すなわち、第1の接続状態は、送電コイル1502の一端と送電回路1504の第1出力が接続され、かつ送電コイル1502の他端と送電回路1504の第2出力とが接続された状態である。
一方、接続切り替え回路1503は、図21に示すように、第1のコイル端子1505と第2の回路端子1508とが接続され、かつ第2のコイル端子1506と第1の回路端子1507とが接続された第2の接続状態とを有する。すなわち、第2の接続状態は、送電コイル1502の一端と送電回路1504の第2出力とが接続され、かつ送電コイル1502の他端と送電回路1504の第1出力とが接続された状態である。
接続切り替え回路1503は、制御部112からの制御信号S−iに基づいて、第1の接続状態と第2の接続状態とを切り替える。具体的には例えば、接続切り替え回路1503は、制御信号S−iがハイレベルの場合、第1の接続状態にし、制御信号S−iがローレベルの場合、第2の接続状態にする。
このように、接続切り替え回路1503が接続状態の切り替えを行うと、送電コイル1502の電流位相を第1の電流位相と、第1の電流位相に対して逆位相の第2の電流位相の2通りに実現することができる。従って、送電回路1504が出力する電流位相を同一としたまま、送電コイル1502に流れる電流位相を0度と180度の2通りに制御することができる。この場合には、送電回路1504から送電コイル1502への供給電圧を全ての送電回路1504で共通化することができる。
<第6の実施形態>
続いて、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態における送電装置10は、第1の実施形態における送電装置10に比べて、同一形状の複数の送電コイル1601−iを含み、複数の送電コイル1601−iに流れる電流が同一である複数の送電器を備える。更に、第6の実施形態における送電装置10において、複数の送電コイル1601−iが、1次元の直線上、あるいは、2次元の平面上、あるいは、3次元の立体空間内に同一間隔で、かつ、送電コイルに流れる電流によって生成されるこの送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行になるように配置されている。更に、隣接して配置される複数の送電コイルの巻き方向は、互いに異なる。
複数の送電コイルが同一で、流れる電流振幅が同一である場合、隣り合う送電コイルの電流位相を同一にすると、漏洩電磁界を打消す効果が最大となる。一方、電流振幅が異なる場合でも、漏洩電磁界の打消し効果はある程度得られる。
図22は、第6の実施形態に係る送電コイル1601−1〜1601−4の配置を説明する図である。図22は、4つの送電コイルから構成された場合の例であるが、左端から、xy平面に向かって左巻き1601−1、xy平面に向かって右巻き1601−2、xy平面に向かって左巻き1601−3、xy平面に向かって右巻き1601−4の順番になっており、隣接する送電コイルの巻き方向は、お互いに異なっている。
以上、第6の実施形態において、送電装置10は、複数の送電コイルと、複数の送電コイルに電磁界を生成させて非接触で電力を送信させる少なくとも一つ以上の送電回路と、を備える。そして、この複数の送電コイルが、1次元の直線上、あるいは、2次元の平面上、あるいは、3次元の立体空間内に同一間隔で、かつ、送電コイルに流れる電流によって生成されるこの送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行になるように配置され、かつ隣接して配置される二つの送電コイルの巻き方向が互いに異なる。
このように、隣り合う二つの送電コイルの巻き方向をお互いに異なるようにすることで、送電装置10は、この二つの送電コイルに流れる電流が観測点に生成する電界または磁界の位相を互いに逆位相になるようにすることができる。このため、その観測点に生成する二つの電界または磁界が互いに打消しあうので、送電装置10は、その観測点における漏洩電磁界を低減することができる。
なお、送電コイルに流れる電流が所定の閾値以下のものについては、制御部112は、電流巻数積を算出しなくてもよい。その場合、予め設定された閾値を、全ての電流巻数積を合成する場合よりも小さい第3閾値に設定してもよい。これにより、制御部121は、送電コイル1601−iに流れる電流が所定の閾値を超えるものだけを対象として、電流巻数積を算出してもよい。そして、制御部121は、算出した電流巻数積の合成値の大きさが第3閾値よりも小さくなるように、送電コイル1601−iそれぞれの電流位相を制御してもよい。
このように、制御部121は、複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる電流の値と、これらの送電コイルの巻数との積である電流巻数積を算出し、算出した複数の電流巻数積に基づいて、この送電回路がこれらの送電コイルへ出力する電流の位相を制御してもよい。
なお、各実施形態において、各送電コイルに流れる電流の周波数は一例として、同じであると説明したが、所定の範囲内で周波数のずれがあってもよい。
また、各実施形態において、送電回路が1対1で対応する送電コイルに電流を出力することで、この送電コイルに磁界を生成させて非接触で電力を送信させたが、これに限ったものではない。一つの任意の送電回路が全ての送電コイルに電流を出力してもよいし、複数の送電回路が分担して全ての送電コイルに電流を出力してもよい。このことから、少なくとも一つ以上の送電回路が、複数の送電コイルに磁界を生成させて非接触で電力を送信してもよい。
また、各実施形態において、送電コイルに流れる電流によって生成されるこの送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行になるように複数の送電コイルが配置されているとしたが、これに限ったものではない。送電コイルに流れる電流によって生成されるこの送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行でなくてもよい。その場合、観測点における磁界または電界の向きが互いに異なるので、制御部は、空間的に磁界または電界をベクトル合成した合成磁界または合成電界の強度が所定の閾値以下になるように制御してもよい。
また、各実施形態において、送電コイルはコアに巻かれていてもよい。
また、観測点で観測される磁界は、送電コイルの面積に比例する。このため、制御部は、送電コイルに流れる複素電流と送電コイルの巻数に加えて、更に送電コイルの面積にも基づいて、送電回路が複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御してもよい。具体的には例えば、制御部は、複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、複素電流に巻数及び送電コイルの面積を乗じた第2の電流巻数積を算出してもよい。そして、制御部は、算出した複数の第2の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、送電回路が複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御してもよい。
また、複数の装置を備えるシステムが、各実施形態の制御装置の各処理を、それらの複数の装置で分散して処理してもよい。
また、各実施形態の制御装置の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御装置に係る上述した種々の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

Claims (19)

  1. 複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路を制御する制御装置であって、
    前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流、これらの送電コイルの巻数を乗じた電流巻数積を算出し、算出した複数の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する制御部
    を備える制御装置。
  2. 前記送電コイル毎に、該送電コイルから電磁界を観測する観測点までの伝送距離が記憶されている記憶部を更に備え、
    前記制御部は、前記送電コイル毎に、該送電コイルに対応する伝送距離を前記記憶部から取得し、前記複数の電流巻数積それぞれを、対応する前記伝送距離のN乗(Nは予め設定された数)で除算した複数の距離電流巻数積を算出し、算出した複数の距離電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記記憶部では、前記送電コイル毎に、該送電コイルから電磁界を観測する複数の観測点までの複数の伝送距離が記憶されており、
    前記制御部は、前記複数の距離電流巻数積を前記複数の観測点で算出し、前記複数の観測点それぞれについて、前記合成値の大きさを抑制するように、前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する
    請求項に記載の制御装置。
  4. 前記Nの値は、2または3である
    請求項2または3に記載の制御装置。
  5. 前記制御部は、更に、送電コイルの面積に基づいて、前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する
    請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記複数の送電コイルの中で最大の巻数である送電コイルから電力を伝送させる送電回路の送電電力が最大となるときの該送電コイルの電流振幅に応じて閾値を設定する電流閾値設定部を備え、
    前記合成値の大きさを前記電流閾値設定部が設定した閾値以下になるように制御する
    請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記送電回路の消費電力と前記送電コイルに流れる電流の振幅との対応関係が予め記憶されている記憶部を更に備え、
    前記制御部は、前記複数の送電回路が検知した前記複数の送電回路の消費電力を取得し、取得した前記複数の送電回路の消費電力を前記記憶部に記憶されている前記対応関係と比較することにより、前記複数の送電コイルに流れる電流の振幅を設定する電流振幅設定部を備える
    請求項2から6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記複数の送電コイルそれぞれに対向して配置される複数の受電器の受電電力の値を通信により取得する通信部と、
    前記送電コイルに対向して配置される受電器の受電電力と前記送電コイルの電流振幅との対応関係が予め記憶されている記憶部と、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記通信部が取得した複数の受電器の受電電力の値を前記記憶部に記憶された前記関係に適用することにより、前記複数の送電コイルに流れる電流の振幅を設定する電流振幅設定部を備える
    請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記制御部は、
    前記合成値の大きさが、閾値以下または最小となるように、前記複数の送電コイルの電流位相を設定する電流位相設定部を備える
    請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 前記制御部は、前記複数の送電コイルに流れる電流の位相を、第1の相対位相と、前記第1の相対位相に対して逆位相の第2の相対位相のいずれかに設定する電流位相設定部を備える
    請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
  11. 前記電流位相設定部は、互いに隣り合う送電コイルのうち、一方の送電コイルの位相を前記第1の相対位相に設定し、他方の送電コイルの位相を前記第2の相対位相に設定する
    請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記制御部は、前記複数の電流巻数積のうち最も大きな電流巻数積に対応する電流位相に対して所定の角度を割り当て、前記複数の電流巻数積のうち2番目に大きな電流巻数積に対応する電流位相に対してこの所定の角度とは180度異なる位相を割り当て、以降、電流巻数積の大きい順に、電流位相が既に割り当てられた送電コイルについての電流巻数積のベクトル合成値の位相とは180度異なる位相を電流位相それぞれに割り当てる
    請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置。
  13. 前記制御部は、前記電流位相設定部が設定した位相に応じて前記送電回路が出力する電流の位相を制御する制御信号を生成し、該生成した制御信号を前記送電回路へ出力する電流位相制御部を更に備える
    請求項9から11のいずれか一項に記載の制御装置。
  14. 前記制御部は、所定の時間間隔毎に、前記電流の位相を制御する
    請求項1から12のいずれか一項に記載の制御装置。
  15. 複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路を制御する制御装置であって、
    前記送電コイルの電流振幅と、前記送電コイルに流れる電流の高調波成分が前記送電コイルから所定の距離離れた地点に生成する磁界強度または電界強度との対応関係が記憶されている電流振幅高調波対応記憶部
    前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つのそれぞれについて、前記送電コイルの電流振幅に対応する磁界強度または電界強度を前記電流振幅高調波対応記憶部から読み出し、読み出した複数の磁界強度または電界強度の合成値の大きさを抑制するように前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する制御部と
    を備える制御装置。
  16. 複数の送電コイルと、
    複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路と、
    前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流、これらの送電コイルの巻数を乗じた電流巻数積を算出し、算出した複数の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、前記送電回路が前記複数の送電コイルへ出力する電流の位相を制御する制御部と、
    を備える送電装置。
  17. 前記送電コイルに流れる電流によって生成される該送電コイルを貫く磁界の向きが互いに平行になるように前記複数の送電コイルが配置されている
    請求項16に記載の送電装置。
  18. 複数の送電コイルと、
    複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路と、
    前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流と、これらの送電コイルの巻数とに基づいて、前記送電回路がこれらの送電コイルへ出力する電流の位相を制御する制御部と、
    前記送電コイルのうちの一つの一端と前記送電回路のうちの一つの第1出力が接続され、かつこの送電コイルの他端とこの送電回路の第2出力とが接続された第1の接続状態と、この送電コイルの一端とこの送電回路の第2出力とが接続され、かつこの送電コイルの他端とこの送電回路の第1出力とが接続された第2の接続状態と、を切り替える接続切り替え回路
    備える送電装置。
  19. 複数の送電コイルに電磁界を生成させることにより非接触で電力を送信する少なくとも一つ以上の送電回路を制御する制御装置であって、
    前記複数の送電コイルのうち少なくとも二つについて、これらの送電コイルに流れる複素電流、これらの送電コイルの巻数を乗じた電流巻数積を算出し、算出した複数の電流巻数積の合成値の大きさを抑制するように、これらの送電コイルに電流を出力する前記送電回路のインバータ回路のスイッチングタイミングを制御する制御部
    を備える制御装置。
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