JP6948990B2 - 送電装置および電力伝送システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、送電装置および電力伝送システムに関する。
送電装置から受電装置への非接触での電力伝送(非接触給電)が普及しつつある。非接触給電では、送電回路が所定の周波数の高周波電流を発生し、当該高周波電流により送電コイルが励振し、当該励振により発生した磁界により電力が伝送される。しかし、非接触給電では、外部に漏れた磁界(漏洩電磁界)が、放送、無線通信などを妨害する懸念がある。そのため、非接触給電においては、国際規格等により定められた、漏洩電磁界の上限に関する制限を満たすように、漏洩電磁界を抑える必要がある。
漏洩電磁界を抑える技術の一つとして、周波数ホッピングがある。周波数ホッピングは、送電周波数を周期的に遷移させることにより、漏洩電磁界を拡散させて低減させる技術である。しかし、周波数ホッピングが行われると、周波数特性によっては、受電装置からの出力電流がリップルの大きい脈流となる恐れがある。これにより、出力電流を受け取るバッテリーなどが故障する恐れがある。それを防ぐためには、入力電力を制御し、送電装置および受電装置の周波数特性を補正する必要があるが、変動する周波数特性を正確に把握することは困難である。
特開2010−193598号 特許第4671515号公報 特開2018−041796号公報 国際公開2015/189976号
本発明の一実施形態は、複数の電力伝送系統を有する非接触での電力伝送システムにおいて、周波数特性を事前に把握することなく、受電装置の出力電流のリップルを小さくする装置を提供する。
本発明の一態様は、所定の複数の遷移値に磁界の周波数を周期的に遷移させつつ、前記磁界により電力を伝送する送電装置であって、複数の送電部と、指示部と、を備える。前記複数の送電部は、それぞれが磁界を発生させる。前記指示部は、遷移すべき遷移値が示された指示信号を各前記送電部に出力することにより、遷移すべき遷移値を各前記送電部に指示する。また、前記指示部は、同一時点において前記複数の送電部の磁界の周波数の少なくとも一部が異なるように、遷移すべき遷移値を指示する。
第1の実施形態に係る電力伝送システムの一例を示すブロック図。 周波数ホッピングを説明する図。 時系列の周波数の遷移の一例を示す図。 インバータの構成例を示す図。 遷移値の範囲と振幅比との位置関係の第1の例を示す図。 A系およびB系の周波数の遷移を説明する図。 第1の例において遷移位相差を360/Mに維持した場合の振幅比の違いを説明する図。 周波数の遷移の他の例を示す図。 遷移値の範囲と振幅比との位置関係の第2の例を示す図。 第2の例において遷移位相差を180/Mに維持した場合の振幅比の違いを説明する図。 第1の実施形態の変形例を示す図。 第2の実施形態に係る電力伝送システムの一例を示すブロック図。 各時点における各系統の遷移値の組合せの削除に関する処理を説明する図。 遷移値を各系統で分けた場合の遷移の一例を示す図。 遷移値を各系統で分けた場合の遷移の他の一例を示す図。 受電コイルユニットの配置の一例を示す図。 受電コイルユニットがソレノイド型の場合の配置の一例を示す図。 逆相を利用した受電コイルユニットの配置の一例を示す図。 受電コイルユニットがソレノイド型コイルの場合に逆相を利用した受電コイルユニットの配置の一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面の符号の添え字のアルファベットは、同じ符号の各個体の区別のために付されている。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電力伝送システムの一例を示すブロック図である。第1の実施形態に係る電力伝送システムは、磁界により電力を伝送する送電装置1と、当該電力を受け取る受電装置2と、を備える。
送電装置1は、AC電源11と、AC/DCコンバータ12と、複数の送電部13と、駆動信号出力部(指示部)14と、を備える。各送電部13は、インバータ131と、送電コイルユニット(共振子)132と、を備える。受電装置2は、複数の受電部21と、加算器22と、を備える。各受電部21は、受電コイルユニット(共振子)211と、整流部212と、を備える。
本実施形態の電力伝送システムでは、電磁誘導により、高周波電流から発生した磁界を利用して、送電装置1から受電装置2に対し電力が伝送される。つまり、本実施形態の電力伝送システムでは、非接触にて受電装置2が給電される。
また、本実施形態では、複数の電力伝送系統を有する。つまり、複数の磁界を用いて電力、つまりは、複数の高周波電流が送電装置1から受電装置2に送られる。なお、受信装置が受け取った複数の高周波電流は加算器22により合成されて出力されることを想定する。
以降において、電力伝送系統は単に系統と記載する。図1では、第1送電部13Aおよび第1受電コイルユニット211AがA系統を構成する。また、第2送電部13Bおよび第2受電コイルユニット211BがB系統を構成する。なお、電力伝送システムは、三つ以上の系統を有していてもよい。図1では、A系とB系以外の点線の枠により、その他の系統あってもよいことが示されている。なお、A系とB系の二つの系統だけを有していてもよい。
非接触給電システムの送電装置1で発生した磁界は、受電装置2への電力伝送に用いられるだけではなく、その一部が漏洩電磁界として周りの機器に干渉する。ゆえに、本実施形態の電力伝送システムでは、周波数ホッピングによる、周波数軸上の所定の帯域幅(拡散帯域幅)への電力エネルギーの拡散を行う。
例えば、磁界を生成する高周波電流を生成する際のスイッチング周波数を遷移することにより、高周波電流の周波数を遷移させる。こうすると、磁界の周波数帯域が拡張され、その強度が、高周波電流の周波数を遷移させなかった場合よりも減少することが知られている。つまり、周波数ホッピングとは、磁界の周波数、すなわち高周波電流の周波数を遷移させることである。これにより、漏洩電磁界の強度を抑えることができる。
図2は、周波数ホッピングを説明する図である。図2(A)は、周波数ホッピングを行わない場合、つまり一つの周波数のみにて電力伝送を行う場合での、周波数と磁界強度との関係を示す図である。図2(A)の例では、85kHzだけで電力伝送が行われているとする。ゆえに、85kHzの地点にて、一つのピーク(極大点)を有するグラフが示されている。
図2(B)は、周波数ホッピングを行う場合、つまり、複数の周波数にて電力伝送を行う場合での、周波数と磁界強度との関係を示す図である。図2(B)の例では、85kHzを中心とした20個の周波数にて電力伝送が行われており、20個のピークを有するグラフが示されている。具体的には、一番小さい周波数Fss_START(f)は81.2kHzと設定されており、使用される周波数の間隔は400Hzと設定されており、周波数本数が20本であるため、一番高い周波数Fss_END(f20)は88.8kHzと設定されている。
以降、周波数ホッピングを行う場合に、周波数が遷移する値を、単に遷移値と記載する。また、遷移値の小さいほうから順に番号を付与し、i(iは1以上の整数)番目の遷移値をfと表すものとする。つまり、1番目の遷移値fが最小の遷移値であり、遷移値fはi番目に大きい遷移値であり、fi+1>fが成り立つ。また、遷移値の数を遷移数と記載する。図2(B)の例では、遷移数は20である。
周波数ホッピングでは、あるタイミングにおいて、遷移値のいずれかから、それとは別の遷移値のいずれかに周波数が遷移する。当該遷移が何度も行われることにより、周波数が拡散し、漏洩電磁界の強度が低下する。また、隣り合う遷移値間の周波数の差分(fi+1−f)を、遷移幅と記載する。なお、以降では、周波数ホッピングでは、隣り合う遷移値に遷移するものとして説明する。
このような周波数ホッピングを行った場合の電力は、周波数ホッピングを行わない場合の電力と、長期的には同一である。ゆえに、周波数あたりの電力(電力密度)は、周波数ホッピングを行った場合のほうが、周波数ホッピングを行わない場合よりも小さくなる。拡散帯域幅をBssと記載すると、長時間における平均電力量は1/Bssの関数で低下することとなる。こうして、周波数ホッピングを行うことにより、電力エネルギーを複数の周波数にて拡散し、漏洩電磁界として測定される電力密度を低減させる。周波数ホッピングにより、漏洩電磁界が低減するという効果を、周波数拡散効果と記載する。
なお、拡散帯域幅は、最小周波数と最大周波数の間隔よりも大きくてもよい。言い換えると、拡散帯域幅が予め定められている場合において、最大周波数と最小周波数との間隔が拡散帯域幅よりも小さくなるように、最大周波数と最小周波数を決定してもよい。最大周波数と最小周波数の間隔を拡散帯域幅と同じにすると、周波数ホッピングを行う際の周波数の広がりにより、拡散帯域幅を超えてしまうこともあり得るからである。図2(B)の例では、拡散帯域幅を周波数本数×遷移幅と定義し、拡散帯域幅を8kHz(20本×400Hz)とすることにより、最大周波数と最小周波数の間隔(Fss_END−Fss_START=7.6kHz)よりも大きくしている。つまり、遷移幅の半分の帯域幅が、バッファとして、最大周波数と最小周波数との間の帯域の両端に与えられている。
図3は、時系列の周波数の遷移の一例を示す図である。図3において、横軸は時間を表し、縦軸は遷移値の番号を示す。図3の例は、図2(B)の例で示したfからf20までの20個の遷移値を用いて、所定の規則に基づく遷移を繰り返した場合の周波数の遷移を示す。所定の規則は、遷移値を最小値fから昇順で遷移させ、最大値f20に到達した後は降順で遷移させて、最小値fに戻すといったものである。図3のように、複数の遷移値に磁界の周波数を周期的に遷移させると、周波数拡散効果を安定して得ることができる。つまり、周波数を周期的な遷移とするために、一定の周期で繰り返し同一の遷移値に遷移するように制御したほうが好ましい。
なお、図3のような周期的な遷移における1周期は、kを1より大きい整数で定義した場合、遷移値fk+1またはfk-1から周波数が遷移値fに遷移した時点から、再び同じ遷移値fk+1またはfk-1から遷移値fに遷移した時点までとなる。例えば、遷移値f11から遷移値f12に遷移した時点から、再び遷移値f11から遷移値f12に遷移した時点までが1周期である。
なお、本実施形態においては、周波数ホッピングの開始時の遷移値、つまり初期値は、系統により異なる。また、遷移の順番も、系統により異なる。周波数の維持時間は、各系統において同じとするが、遷移値ごとには異なっていてもよい。例えば、図3では、遷移値fおよびf20の維持時間が2倍となっている。これは、遷移値fおよびf20に遷移させる駆動信号を出力したときは、駆動信号を調整する次のタイミングにおいて、遷移値fおよびf20に遷移させる駆動信号を再び出力することにより、実現してもよい。
なお、図3に示すように、周波数がまず昇順または降順で遷移し、次にその逆で遷移すると、グラフの形状が三角形になることから、このような遷移状況を「三角波状の遷移」と定義する。
本実施形態では、このような周波数ホッピングにより、つまり、高周波電流の周波数が、各系統において同時に、一定の時間間隔にて、順次遷移することにより、周波数拡散を得る。しかし、本実施形態のように系統が複数ある場合では、各系統において統制なしで周波数ホッピングが行われると、各系統の高周波電流を合成することにより生成された受電装置2の出力電流がリップルの大きい脈流となる恐れがある。
一般的に非接触給電システムは、周波数ごとに異なる振幅となる振幅特性を有している。そのため、周波数ホッピングを行うと、各周波数で得られる出力電力が周波数振幅特性に依存する。これにより、各系統の高周波電流が周波数の遷移に伴って増減し、その波形が波打つことになる。そして、振幅の大きい高周波電流同士が合成されてしまうと、さらに振幅が大きくなり、合成された出力電流がリップルの大きい脈流となる。そこで本実施形態では、周波数の遷移の順番を系統ごとに調整することにより、受電装置2の出力電流のリップルを小さくする。調整方法の詳細は、構成要素とともに説明する。
送電装置1の内部構成について説明する。
AC電源11は、交流電流をAC/DCコンバータ12に供給する。AC電源11は、三相電源でも単相電源でもよい。また、AC電源11には、力率改善回路、整流器などが接続されていてもよい。
AC/DCコンバータ12は、供給された交流電流を直流電流に変換する。そして、AC/DCコンバータ12から直流電流が各送電部13に送られる。なお、AC/DCコンバータ12は、送電部13への供給電力の電圧および電流を制御するために、送電量を調整してもよい。つまり、AC/DCコンバータ12が、インバータ131への入力電圧(つまりAC/DCコンバータ12の出力電圧)を所望の電圧値に昇圧または降圧してもよい。
各送電部13は、AC/DCコンバータ12からの直流電流を用いて、駆動信号出力部14からの駆動信号に基づく周波数の磁界を発生させる。送電部13内のインバータ131が、AC/DCコンバータ12からの直流電流から高周波電流を生成する。具体的には、インバータ131は、複数のスイッチング素子(以降スイッチ)を構成要素として含み、各スイッチがスイッチングを行うことにより、入力される直流電流を所望周波数の交流電流(高周波電流)に、指示されたタイミングで変換する。変換のタイミングは駆動信号出力部14からの駆動信号(スイッチング信号)に基づく。つまり、駆動信号に基づき、高周波電流の生成および周波数ホッピングが行われる。そして、送電部13内の送電コイルユニット132は、高周波電流が流れることにより、同じ周波数の磁界を発生させる。
図4は、送電部13内のインバータ131の構成例を示す図である。図4の例では、スイッチA1とスイッチA2とが直列に接続されており、スイッチA1を上アームとし、スイッチA2を下アームとするレグAが構成されている。また、スイッチB1とスイッチB2とが直列に接続されており、スイッチB1を上アームとし、スイッチB2を下アームとするレグBが構成されている。そして、レグAとレグBとが並列接続されている。スイッチA1とスイッチA2との接続ノードは送電コイルユニット132の一端に接続されている。スイッチB1とスイッチB2との接続ノードは送電コイルユニット132の他端に接続されている。また、スイッチA1のスイッチA2と接続されていないほうの一端と、スイッチB1とスイッチB2との接続されていない一端と、に直流電流が入力される。これにより、AC/DCコンバータ12の直流電流から高周波電流が生成されて、送電コイルユニット132に流れ込む。
送電コイルユニット132から発生した磁界が、受電コイルユニット211に到達すると、送電コイルユニット132と受電コイルユニット211との間で相互結合が生じる。これにより、受電コイルユニット211は、送電コイルユニット132からの電力を受け取ることができる。このようにして、非接触で電力が伝送される。なお、送電コイルユニット132内のコイルの種類は、ソレノイド型およびスパライラル型のいずれの型でもよい。
送電コイルユニット132は、コイルだけでもよいが、キャパシタを備えていてもよい。コイルとインバータ131との間に接続されたキャパシタは補償回路として動作する。つまり、キャパシタは、高周波電流が当該コイルに送られる前の力率改善、電流と電圧の位相差軽減などを目的に、高周波電流を補償する。なお、キャパシタとコイルは直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。
駆動信号出力部14は、上述の駆動信号を生成する。生成された駆動信号により、より具体的には、駆動信号の周波数が、指示された遷移値に応じた値に変化することにより、最終的に送電部13が発生させる磁界の周波数が駆動信号に基づく周波数に遷移する。ゆえに、駆動信号は遷移すべき遷移値が示された指示信号とも言える。また、駆動信号出力部14は、遷移すべき遷移値を各送電部13に指示する指示部とも言える。以降において、駆動信号出力部14が遷移値を指示するという記載は、駆動信号出力部14が遷移すべき遷移値が示された駆動信号を出力するという意味である。
駆動信号は、矩形波として、各スイッチに与えられる。当該矩形波は、デューティー比、デットタイムなどに対する所定の設定値に基づき生成される。この矩形波の周波数を順次遷移させることにより、電力伝送の磁界の周波数が遷移する。
周波数の遷移のタイミングは、クロック信号を分周して駆動信号を生成することにより、指示することができる。遷移値、遷移値が指示される順番、遷移の時間間隔(周波数が維持される期間)などの設定は、予め駆動信号出力部14に登録されているとする。つまり、駆動信号出力部14は、予め定められた複数の遷移値から、所定の規則に基づき、一つの遷移値を選択し、選択された遷移値を指示するように調整された駆動信号を出力する。当該規則、つまり、各系統に対してどの遷移値を指示するかは、遷移値の存在範囲と振幅比との位置関係により、異なる。ゆえに、どのように遷移値を指示するかについて、当該位置関係に関するいくつかの例とともに説明する。なお、以降では、簡略化のため、遷移数を少なくして説明を行うが、実際には、遷移数を変える必要はない。
(第1の実施形態・第1の例:振幅特性のピークに係る周波数が、遷移値の範囲内に存在しない場合)
図5は、遷移値の範囲と振幅比との位置関係の第1の例を示す図である。第1の例では、振幅比のピークが遷移値の範囲内にない場合を示す。図5(A)は、第1の例における振幅特性を示す図である。図5(B)は、周波数の遷移が行われる範囲における図5(A)の拡大図である。図5(C)および5(D)は、A系およびB系での遷移の順番を説明する図である。なお、図5(A)では、遷移値の範囲が振幅比のピークよりも右側にある場合(つまり遷移値の最小値が振幅比のピークに係る周波数よりも大きい場合)が示されているが、遷移値の範囲が振幅比のピークよりも左側にある場合(つまり遷移値の最大値が振幅比のピークに係る周波数よりも小さい場合)でもよい。
振幅特性とは、周波数と振幅比との関係(グラフ)を意味する。振幅比は、送電装置1のインバータ131への入力電力(または入力電流)と、受電装置2の加算器22からの出力電力(または出力電流)との比を意味する。つまり、図5(A)のグラフは、インバータ131への入力が一定である場合において、周波数の遷移による受電装置2の受信電力の変化を示す。
なお、振幅特性は、インバータ、整流器、キャパシタ、コイルなどの構成要素の定数値、特性、および位置関係によって変化するが、本実施形態では、部品バラ付き、製造誤差なども考慮した上で、所望の振幅特性が得られるように、送電装置1および受電装置2の設計がなされているとする。
図5(B)では、遷移値fからfが示されている。図5(C)および5(D)では、各系統において当該遷移値をどのような順番で遷移させるか、つまり遷移パターンが矢印にて示されている。A系では、まずfから順番にfまで遷移し(図5(C)の矢印1)、fから順番にfまで遷移し(図5(C)の矢印2)、再び、fから順番にfまで遷移する(図5(C)の矢印3)。B系では、まずfから順番にfまで遷移し(図5(D)の矢印1)、fから順番にfまで遷移し(図5(D)の矢印2)、fから順番にfまで遷移する(図5(D)の矢印3)。遷移のタイミングは、A系とB系とで同じである。こうすると、A系およびB系の遷移値の合計が均等化される。
図6は、A系およびB系の周波数の遷移を説明する図である。各時点(第i時点)におけるA系およびB系の遷移値fが表に示されている。図6の例では、第1時点の遷移値、つまり初期値をfとし、遷移値を初期値fから昇順で遷移させ、最大値fに到達した後は降順で遷移させて初期値fに戻すといった遷移を繰り返させている。
また、図6には、遷移値を位相(角度)の形式で表した遷移位相(位相角)が表に示されている。遷移位相は、複数の遷移値の最小値から昇順に最大値まで遷移し、最大値から最小値まで降順で遷移する周期的な遷移の1周期を360度とみなして、各遷移値を位相(位相角)の形式で表したものである。ゆえに、遷移の初期値fに対応する遷移位相は0度であり、最大の遷移値fに対応する遷移位相は180度であり、初期値に初めて戻ってきたときの遷移位相は360度である。さらに、遷移が繰り返されて再び初期値と戻ってきたときの遷移位相は720度である。ゆえに、pを0以上の整数で定義する場合に遷移位相をθで表すと、θ=θ+360×p、が成り立つ。
また、遷移位相は遷移の方向も示し、0+360×p≦θ<180+360×pの範囲は昇順で遷移し、180×p≦θ<360×pの範囲は降順で遷移することを意味する。したがって、遷移位相は、遷移値だけでなく、昇順および降順のいずれの方向に遷移するのかという遷移方向も表したものである。
図5(C)および5(D)のような遷移を指示する場合には、駆動信号出力部14は、A系にはfを、B系にはfという異なる遷移値を初期値として指示する。そして、初期値を指示した後は、前回指示した遷移値と同じ遷移値、または、前回指示した遷移値に対応する位相角よりも一つ大きい位相角に対応する遷移値、を指示する。こうすると、A系およびB系の遷移位相差として、初期値の位相差が常に保たれる。ゆえに、A系およびB系の初期値として、遷移値の最小値と最大値が指示されれば、A系およびB系の遷移値の合計が均等化される。
なお、電力伝送システムがM(Mは2以上の整数)個の系統を有する場合、各系統間の遷移位相差を360/M度に維持することが好ましい。上記のA系およびB系の2系統では、M=2であるため、180度の遷移位相差となる。この場合、駆動信号出力部14は、遷移位相差が360/M度となるような異なる遷移値を初期値として指示すればよい。このように各系統間の遷移位相差を360/M度に維持すると、受電装置2が受電した電力の変動を小さくすることができる。なお、当然のことながら、各系統の遷移位相は同じにしないものとする。例えば、3系統あるときに、A系統の遷移位相は0度に、B系統の遷移位相は120度に、C系統の遷移位相は240度にし、B系統の遷移位相差が120度にはなるがC系統の遷移位相は0度にはしないものとする。つまり、複数の送電部の同一時点における遷移値のいずれの二つに対応する位相角の差分が、360/Mに対する1からM−1までのいずれかの倍数とほぼ一致させることが好ましいとも言える。言い換えると、mを1以上かつM未満の整数で定義した場合に、当該位相角の差分が360(M−m)/Mで表されることが好ましい。
なお、上記は、遷移値の遷移のパターンを遷移位相にて表現したものであり、実際には、遷移の順番と、当該順番における遷移値が示された図6の表が駆動信号出力部14に予め登録されていればよい。
受電装置2が受け取る電力は、各系統の伝送電力が加算器22により加算された総和となる。ゆえに、遷移位相差を調整しかなった場合、A系およびB系の周波数がfである時と、A系およびB系の周波数がfである時とでは、振幅比にかなりの差が生じる。つまり、大きいリップルが発生することになる。しかし、各系統の遷移値の合計が均等化されている場合、合成された振幅比はあまり変動しない。ゆえに、大きいリップルは発生しなくなる。
図7は、第1の例において遷移位相差を360/Mに維持した場合の振幅比の違いを説明する図である。図7(A)は2系統の場合の振幅特性を示す。図7(B)は3系統の場合の振幅特性を示す。図7(C)は、4系統の場合の振幅特性を示す。実線のグラフが各系統間の遷移位相差を360/Mに調整したときの振幅特性を示す。3系統の場合の各系統の遷移位相は、A系統が0度のときに、B系統が120度、第3系統が240度である。4系統の場合の各系統の遷移位相は、A系統が0度のときに、B系統が90度、第3系統が180度、第4系統が270度である。点線のグラフは、比較用として、同相の場合、つまり同一周波数で遷移させた場合を示す。なお、グラフの横軸の周波数はA系の周波数を示している。
図7に示すように、系統数がいずれの場合でも、遷移位相調整時の最大振幅比と最小振幅比の差は、同相時の最大振幅比と最小振幅比の差よりも、小さくなっている。したがって、系統数がいずれの場合でも、遷移位相を調整することにより、最大振幅比と最小振幅比の差を、遷移位相を調整しないときよりも小さく抑えられることが分かる。
なお、振幅比の変動を最も抑えることができるため、遷移位相差を360/M度にすることが好ましいが、最大振幅比と最小振幅比の差が最も大きくなる同相の場合を避けるだけでもよい。つまり、同一時点において、各系統の遷移位相が全て異なるように、言い換えると、複数の送電部13により生成された磁界の周波数が全て異なるように調整するだけでもよい。
なお、上記では、遷移の順番を図5および図6にて示したように、昇順または降順で遷移し、次にその逆で遷移する三角波状の遷移とした。しかし、遷移の順番は、三角波状の遷移に限られるものではない。
図8は、周波数の遷移の他の例を示す図である。図8(A)では、A系ではfからfまで昇順に遷移した後にfへ戻り、再度昇順に遷移している。A系がこのような遷移パターンであっても、B系の遷移の方向が、A系と遷移の方向とは逆であれば、A系およびB系の遷移値の合計を均等化することができる。つまり、図8(B)に示すように、B系では、fからfまで降順に遷移した後にfへ戻り、再度降順に遷移させればよい。
図8(A)で示された遷移パターンを遷移位相で表すと、遷移位相が0度から180度まで昇順に遷移し、その後0度へ戻る周期を繰り返す遷移パターンである。図8(B)で示された遷移パターンを遷移位相で表すと、遷移位相が180度から360度まで昇順に遷移し、その後0度へ戻る周期を繰り返す遷移パターンである。したがって、駆動信号出力部14は、0度以上かつ180度未満の位相角に対応する遷移値を初期値として指示した送電部に対しては、180度の位相角に対応する遷移値を指示したときは、次の指示において、0度の位相角に対応する遷移値を指示する。また、180度以上かつ360度未満の位相角に対応する遷移値を初期値として指示した送電部に対しては、360度の位相角に対応する遷移値を指示したときは、次の指示において、180度の位相角に対応する遷移値を指示する。このようにすると、図8(A)および8(B)の遷移パターンとなる。この場合においても、遷移位相差を360/M度間隔に維持することが好ましい。
なお、何らかの理由により、A系およびB系の両方で周波数の遷移の方向を同一にしたい場合には、図8(C)のように周波数ホッピングの開始する遷移値をずらすことにより、少しでも遷移位相差を持たせるようにしてもよい。図8(C)では、90度の遷移位相差が維持されるようにしている。遷移位相差を360/M度に維持することはできないため、遷移位相差を360/M度に維持したときよりリップルは大きくなるが、同相で遷移させたときよりはリップルを小さくすることができる。
(第1の実施形態・第2の例:振幅特性のピークに係る周波数が、遷移値の範囲内に存在する場合)
図9は、遷移値の範囲と振幅比との位置関係の第2の例を示す図である。第2の例では、振幅比のピークに係る周波数が遷移値の範囲内にある場合を示す。図9(A)は、第2の例における振幅特性を示す図である。図9(B)は、周波数の遷移が行われる範囲における図9(A)の拡大図である。図9(C)および8(D)は、A系およびB系での遷移の順番を説明する図である。
第2の例の場合では、例えば2系統の場合において遷移位相差を180度に維持すると、A系およびB系の両方の周波数が、振幅比が最大となる遷移値に遷移する恐れがある。ゆえに、第2の例の場合では、遷移位相差を360/M度に維持しない。
振幅特性は一般に正規分布になる。そのため、遷移値の中央値が振幅比のピークに係る周波数となるようにした場合、1/2の周期で、遷移値の最小値から最大値に遷移することになる。ゆえに、図5(A)および5(B)のようにA系およびB系を遷移させると、両系統ともが同時点でピークのfに遷移する恐れがある。
したがって、この場合においては、A系およびB系の遷移位相差を90度に維持するように遷移させることが好ましい。図9(C)および9(D)では、A系ではfから昇順に遷移が開始されており、B系ではfから昇順に遷移が開始されている。図6に示すように、遷移値がfでこれから昇順に遷移していく場合は、当該遷移値に対応する遷移位相は0度である。遷移値がfでこれから昇順に遷移していく場合は、遷移値が五つあるため、当該遷移値に対応する遷移位相は、90度である。したがって、図9(C)および9(D)の例は、遷移位相差が90度で維持されるような遷移パターンである。
なお、電力伝送システムがM個の系統を有するときは、各系統間の遷移位相差を180/M度に維持することが好ましい。つまり、複数の送電部の同一時点における遷移値のいずれの二つに対応する位相角の差分が、180/Mに対する1からM−1までのいずれかの倍数とほぼ一致させることが好ましいとも言える。言い換えると、mを1以上かつM未満の整数で定義した場合に、当該位相角の差分が180(M−m)/Mで表されることが好ましい。
なお、180/M度に維持できない場合は、初期値として各系統に指示する遷移値の最大の遷移位相差が180度未満であれば、二つの系統が同時点でピークの遷移値に遷移することを防ぐことができる。ゆえに、駆動信号出力部14は、対応する各位相角の差が最大でも180度である異なる遷移値を初期値として送電部ごとに指示し、その後、前回指示した遷移値と同じ遷移値、または、前回指示した遷移値に対応する位相角よりも一つ大きい位相角に対応する遷移値を指示するようにしてもよい。
図10は、第2の例において遷移位相差を180/Mに維持した場合の振幅比の違いを説明する図である。図10(A)は2系統の場合の振幅特性を示す。図10(B)は3系統の場合の振幅特性を示す。図7で示した第1の例と同様、系統数がいずれの場合でも、遷移位相調整時の最大振幅比と最小振幅比の差は、同相時の最大振幅比と最小振幅比の差よりも、小さくなっている。したがって、第2の例においても、遷移位相を調整することにより、最大振幅比と最小振幅比の差を、遷移位相を調整しないときよりも小さく抑えられることが分かる。
なお、第2の例においても、遷移の順番は、三角波状の遷移に限られるものではない。例えば、図8(C)で示したように、A系およびB系の両方で周波数の遷移の方向を昇順および降順のいずれかのみにしてもよい。
なお、周波数ホッピングによる周波数の遷移間隔は、遷移数、拡散帯域幅などにも左右されるが、概ね、50μ秒〜500μ秒ごとに行われることが想定される。ゆえに、遷移値、遷移タイミング、駆動信号の位相差などの設定値は、制御が煩雑となるのを避けるためにも、予め算出しておくほうが好ましい。周波数ホッピングの実行中に、これらの設定値を都度算出してもよいが、その場合、本実施形態の送電装置1を実装した汎用的なコンピュータ装置の処理能力にとって非常に短い間隔において、メインのCPU(Central Processing Unit)からハードウェアレジスタへの書き込みが頻繁に発生してしまう。周波数ホッピング中に、その都度レジスタを変更することは、CPUの処理能力、メモリへの書き込みの帯域の多くを、周波数ホッピングの処理に割くこととなり、好ましくない。
例えば、遷移値、周波数を維持する期間長、周波数を変更する際のクロック分周比、周波数を変更する際の駆動信号の位相差、などの値をメモリテーブルに記憶し、遷移値の遷移の順番はハードウェア上に実装してもよい。メインCPUからメモリテーブルに設定値を書き込む場合は、送電開始前といったメインCPUの負荷が軽い状態において、実施されることが望ましい。こうすることにより、メインCPUからの周波数ホッピングの実行を指示する信号を合図に、ハードウェアにより、自動で周波数ホッピングおよび導通角の制御の処理を行うことができる。
あるいは、メインCPUとは別に、周波数ホッピングおよび導通角の制御を行う専用の回路、例えばDSP(Digital Signal Processor)、を送電回路内に設置してもよい。このように、メインCPUとは独立した、ハードウェア、DSP、メモリなどから成る演算ユニットにより、周波数ホッピングおよび導通角の制御の処理を実行させることが好ましい。
次に受電装置2について説明する。受電装置2の各受電部は、対応する送電部13により生成された磁界から電力を受け取る。具体的には、相互誘導により、受電部内の受電コイルユニット211に高周波電流が生じる。受電コイルユニット211のコイルの種類は、送電コイルユニット132と同様、いずれの型でもよい。
整流部212は、受電コイルユニット211からの高周波電流を整流する。例えば、整流部212はダイオードにより構成されてもよい。そして、各系統の各整流部212から出力される直流電流は、加算器22により加算された上で、電力供給先に供給される。電力供給先は、バッテリー、他の電気装置などが想定される。電力供給先は受電装置2の内部でも外部でもよい。
なお、上記では、系統ごとに遷移位相を全てずらすことを想定した。しかし、構成によっては全系統の遷移位相をずらす必要はない。図11は、第1の実施形態の変形例を示す図である。各系統の内部にサブ系統が含まれている。ここでは、A系の内部にA−1系とA−2系とが、B系の内部にB−1系とB−2系とが示されているが、サブ系統の数は限られるものではない。また、図では省略されているが、サブ系統は、これまでの系統と同じ構成要素を含んでいるとする。
同一系統内の各サブ系統では、同一時点において同一の周波数に遷移する。つまり、同一系統内の各サブ系統に入力される駆動信号の周波数は同一である。ゆえに、系統ごとの出力電流ではリップルが抑えられていない。しかし、他の系統の出力電流を合成することにより、これまでと同様に、受電装置2の出力電流は、リップルが抑えられた電流となる。
このように、複数の系統を複数のグループに分けて、当該グループを系統し、当該グループに属する系統をサブ系統として扱う場合は、電力伝送システム内の全ての系統の遷移位相が異なるわけではない。
なお、また、各系統には、各系統内のサブ系統からの高周波電流を加算するための加算器213が追加されている。例えば、A−1系およびA−2系の電流が、A系に属する加算器213Aにより加算されて、A系の電流と出力される。しかし、必ずしも各系統でサブ系統の電流をまとめなくともよく、各系統の各サブ系統の電流をまとめて加算器22で加算される場合もあり得る。
以上のように、第1の実施形態によれば、周波数ホッピングの際に、各系統間の遷移位相差が調整される。これにより、受電装置2の総電力の振幅の変動、つまりリップル幅が抑えられる。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態に係る電力伝送システムの一例を示すブロック図である。第2の実施形態の送電装置1は、設定変更部15(遷移値調整部)をさらに備える。設定変更部15により、第2の実施形態は、第1の実施形態よりも、適切な設定値を用いて電力伝送を行うことができる。
設定変更部15は、予め登録されていた周波数ホッピングの遷移値を確認し、問題が生じるような設定値を変更する。具体的には、下記の二つの変更を行う。
(各時点における各系統の遷移値の組合せの削除)
同一時点におけるA系およびB系の遷移値がある程度離れていない場合、周波数ホッピングの効果が得られない場合があり得る。周波数ホッピングは、漏洩電磁界エネルギーを周波数軸上に拡散させて、電磁界強度の密度を低減させるものである。しかし、A系の遷移値とB系の遷移値とが近いと、これらの遷移値周辺の周波数帯域における電磁界密度が2倍となり、強い漏洩電磁界が発生してしまう。具体的には、A系の遷移値とB系の遷移値との差が、漏洩電磁界を測定する測定器の分解能帯域幅(RBW:レゾリューションバンド)よりも小さい場合、A系による電磁界の強度と、B系による電磁界の強度とが積算されて、1つの電磁界の強度として観測される恐れがある。したがって、漏洩電磁界密度を上昇させないために、A系の遷移値と、B系の遷移値との差が、RBWの2倍以上あることが望ましい。
そこで、設定変更部15は、強い漏洩電磁界が発生するのを防ぐために、遷移値の設定を確認し、問題のある設定を使用しないようにする。具体的には、設定変更部15は、同一時点におけるA系の遷移値とB系の遷移値との差が、所定閾値未満であるかどうかを判断する。そして、所定閾値未満であると判断された場合は、当該判断に係るA系の遷移値とB系の遷移値との組み合わせを使用禁止とする。所定閾値は、例えばRBWの2倍の値とすることが考えられる。
図13は、各時点における各系統の遷移値の組合せの削除に関する処理を説明する図である。図13の上の表には各時点におけるA系の遷移値とB系の遷移値との設定が示されている。fとfとの差が閾値未満である場合、設定変更部15はfとfとの組み合わせを取り除き、次の時点に予定されていた組み合わせに変更する。図13の下の表には、変更後のA系の遷移値とB系の遷移値との設定が示されている。図13の上の表には、第3時点と第4時点にfとfの組み合わせが示されていたが、図13の下の表には、第3時点においては当初の第5時点における組み合わせが示されており、第4時点においては当初の第6時点における組み合わせが示されている。このようにして、設定変更部15が、周波数ホッピングの開始前に、予め遷移パターンを確認し、問題が生じる恐れがある設定を取り除いてもよい。これにより、駆動信号出力部14は、当該設定表に基づき、指示を行うことができる。
なお、3以上の系統がある場合は、複数の系統の遷移値のいずれか二つの遷移値の差が閾値未満であれば、当該組み合わせは使用しないとしてもよい。あるいは、物理的に隣り合う系統だけを考慮し、隣り合う系統の遷移値の差が閾値以上であれば、当該組み合わせは使用してよいと判断してもよい。当該組み合わせを使用禁止として、駆動信号出力部14に使用させないためのフラグを設定表に付与してもよい。
このように、設定変更部15が、複数の送電部に指示される予定の遷移値の組み合わせの使用可否を、当該組み合わせに属する遷移値のいずれか二つの差分に基づき、判断し、駆動信号出力部14が、使用可能と判断された遷移値の組み合わせに基づき、各送電部に遷移値を指示してもよい。これにより、系統間で漏洩電磁界が加算されることがなくなり、強い漏洩電磁界が発生するのを防ぐことができる。
(各系統にて使用される遷移値の決定)
これまでは、各系統において遷移値の遷移の順番を変えたが、各系統において使用される遷移値は同じであった。ここでは、設定変更部15が、系統ごとに使用する遷移値を分けることを想定する。例えば、A系はfからf(kは1より大きい整数)の遷移値を用い、B系はfk+1からf2kまでの遷移値を用い、C系はf2k+1からf3kまでの遷移値を用いることを、設定変更部15が決定する。このように、与えられた遷移値が、各系統に対応するグループに割り当てられてもよい。
各系統で使用する周波数帯域を分けてしまうことにより、系統間で漏洩電磁界が加算されることがなくなり、強い漏洩電磁界が発生するのを防ぐことができる。但し、この場合においても、リップルを小さくするために、各時点における各系統の遷移値の総和がなるべく均等になるようにする。
図14は、遷移値を各系統で分けた場合の遷移の一例を示す図である。図14の例では、使用される遷移値が、振幅比のピークに係る周波数よりも右側にある場合(つまり遷移値の最小値が振幅比のピークに係る周波数よりも大きい場合)が示されている。なお、遷移値の範囲が振幅比のピークよりも左側にある場合(つまり遷移値の最大値が振幅比のピークに係る周波数よりも小さい場合)でもよい。
A系ではfからfまでの遷移値が割り当てられ、B系ではfk+1からfまでの遷移値が割り当てられている。この場合は、A系とB系の位相差は調整されなくともよい。但し、割り当てられた遷移数が同じである場合では、つまり、f=f2kの場合は、A系のfからfまでの遷移値による遷移位相と、B系のfk+1からfまでの遷移値による遷移位相との差が360/Mに保たれていると、A系およびB系の遷移値の合計が均等化されるため、好ましい。B系のfk+1からfまでの遷移値による遷移位相とは、これから昇順に遷移するときのfk+1の遷移位相を0度にし、f2kの遷移位相を180度にし、降順に遷移してfk+1に遷移したときの遷移位相を360度にすることを意味する。
図15は、遷移値を各系統で分けた場合の遷移の他の一例を示す図である。図15の例では、二つの系等の使用される遷移値が、振幅比のピークを境に別れている場合(ここでは、A系の最大の遷移値が振幅比のピークに係る周波数よりも小さく、かつB系の最小の遷移値が振幅比のピークに係る周波数よりも大きい場合)が示されている。図15の例においても、A系とB系の位相差は調整されなくともよい。但し、割り当てられた遷移数が同じである場合では、A系のfからfまでの遷移値による遷移位相と、B系のfk+1からfまでの遷移値による遷移位相との差が0度に保たれていると、A系およびB系の遷移値の合計が均等化されるため、好ましい。
このように、設定変更部15が、複数の遷移値を、遷移値の大きさに基づく少なくとも二つのグループに分離し、送電部ごとに対応するグループを決定し、駆動信号出力部14が、送電部13に対し、送電部13に対応するグループに属している遷移値を指示してもよい。これにより、系統間で漏洩電磁界が加算されることがなくなり、強い漏洩電磁界が発生するのを防ぐことができる。
設定変更部15の処理は、送電装置1が実際に送電を開始する前に行われればよい。遷移値の組合せの削除と、遷移値の決定との両方とも行われもよいし、いずれか一方だけが行われてもよい。両方とも行われる場合の順番は、特に限られるものはない。また、両処理は、設定変更部15で単独で行われる。そのため、これらの処理のフローは省略する。
以上のように、第2の実施形態によれば、設定変更部15により、各系統で使用される遷移値が調整される。これにより、これまでと同様に、リップルを小さくすることができ、さらにある時点において遷移値が近いために強い漏洩電磁界が発生するといった事態を防ぐことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、これまでの実施形態の電力伝送システムを利用する場合の受電コイルユニット211の配置を示す。
図16は、受電コイルユニット211の配置の一例を示す図である。図16の例では、電気自動車などのバッテリーを給電するために、電力伝送システムが使われている例を示す。A系およびB系の2系統の受電コイルユニット211の配置が示されている。送電コイルユニット132は地上面の相対する位置に配置されることを想定しており、省略されている。
複数系統での電力伝送を行う場合、異なる系統間、例えばA系の受電コイルユニット211AとB系の受電コイルユニット211Bとの間で相互結合が生じると、電力伝送の効率が低下する。ゆえに、図16の例では、相互結合を防ぐために、A系およびB系の受電コイルユニット211が、相互結合が生じないような距離まで離されて配置されている。
図17は、受電コイルユニット211がソレノイド型の場合の配置の一例を示す図である。図17の例では、受電コイルユニット211はソレノイド型コイルを想定している。ソレノイド型コイルは、コアと、コアに巻き付けられたコイル(巻線)と、が含まれる。ソレノイド型コイルでは、コイル開口面に垂直な方向(巻線の軸方向)に磁界が発生する。以降、コイル開口面に垂直な方向をソレノイド型コイルの向きと記載する。
図17の例では、A系統では水平面上の横方向(実線矢印方向)に磁界が発生し、B系統では縦方向(点線矢印方向)に磁界が発生する。ゆえに、発生した両磁界がほぼ直交しているため、相互結合が生じない。また当該配置でも、A系およびB系の周波数をずらすことにより、リップルを小さくすることが可能である。このように、A系およびB系のソレノイド型コイルの向きがほぼ直交するように配置されたことにより、A系とB系との間で相互結合が生じることを防ぐことができる。したがって、A系およびB系の受電コイルユニット211を近くに配置することが可能である。
図18は、逆相を利用した受電コイルユニット211の配置の一例を示す図である。A系およびB系の受電コイルユニット211が、相互結合が生じる距離内に配置されている。また、C系およびD系の受電コイルユニット211が、相互結合が生じる距離内に配置されている。ここでは、A系およびB系を第1グループ、C系とD系を第2グループと記載する。また、第1グループの受電コイルユニット211と、第2グループの受電コイルユニット211とは、相互結合が生じないような距離まで離されて配置されている。
図18の例では、各グループ内のソレノイド型コイルの向きがほぼ直交ではなく、ほぼ平行ではあるが、斜め置き配置としているため、コイル間の相互結合は所要値以下に抑えられている。グループ内の受電コイルユニット211に流れる高周波信号の波形の位相(以降、波形位相と記載する)を180度異なるように、つまり逆相の関係となるように調整された場合、グループ内の各系統から生じる磁界の向きが反転し、漏洩電磁界が打ち消されることが知られている。このことを利用し、図18の例では、第1グループのA系とB系において、波形位相が180度異なるように調整されている。また、第2グループのC系とD系において、波形位相が180度異なるように調整されている。こうすることにより、グループ内での漏洩電磁界を打ち消し、漏えい電磁界の低減を可能にしている。
具体的には、同一グループ内の各系統のインバータ131の高周波信号の波形位相を逆相にすることにより、各系統の受電コイルユニット211に流れる高周波信号を逆相にしている。インバータ131の高周波信号の波形位相を逆相にするには、駆動信号出力部14が、対応する二系統に対し、波形位相が180度異なる駆動信号を供給し続ければよい。
逆相の関係にあるコイル同士は、周波数を同一にしなければならない。ゆえに、同一グループ内の系統間の周波数をずらすことはできない。図18の例では、A系とB系は同一周波数、C系とD系は同一周波数である。しかし、相互結合が生じない距離にある第1グループと第2グループとでは、周波数をずらすことができる。ゆえに、図11の例のように、同じグループの系統では、同一時点において同一の周波数に遷移し、異なるグループの系統では、同一時点において異なる周波数に遷移するように駆動信号出力部14が指示する。こうして、図11の例と同様、受電装置2の出力電流は、リップルが抑えられた電流となる。
なお、同一グループでは同じ周波数、異なるグループでは異なる周波数を用いるため、図11に示した第1の実施形態の変形例のような構成を用いてもよい。その場合、A系はA−1系に、B系はA−2系に、C系はB−1系に、D系はB−2系に相当する。
なお、第1の実施形態の変形例の構成を用いる場合においては、駆動信号出力部14が、A系の駆動信号と、A系の駆動信号とは遷移位相差が180度のB系の駆動信号を出力し、A系およびB系の内部で、波形位相が180度異なる駆動信号に分離してもよい。例えば、駆動信号を二つに分離した上で、位相反転素子により、一方の駆動信号の位相を反転させてもよい。こすうることにより、駆動信号出力部14が出力する駆動信号の数を減らすことができ、駆動信号出力部14の処理、回路構成などを簡易にすることができる。
図19は、受電コイルユニット211がソレノイド型コイルの場合に逆相を利用した受電コイルユニット211の配置の一例を示す図である。ソレノイド型コイルの向きが同一方向である受電コイルユニット211の組み合わせが二つあり、各組合せに係るソレノイド型コイルの向きがほぼ直交するように配置されている。また、同じ組のソレノイド型コイルは、同一直線上ではないがほぼ平行に配置されている。また、全てのソレノイド型コイルは、平面視において重ならないように配置されている。ここでは、ほぼ平行に配置されたA系とB系(またはA−1系とA−2系)が属する組み合わせを第1グループと記載し、ほぼ平行に配置されたC系とD系(またはB−1系とB−2系)が属する組み合わせを第2グループと記載する。図19の例でも、第1の実施形態の変形例の構成を用いることができる。
各グループに属する受電コイルユニット211同士は、図18の例と同様、対応するインバータ131に対する駆動信号を逆相化させることにより、漏洩電磁界を打ち消している。つまり、第1グループのA系とB系(またはA−1系とA−2系)は、波形位相が180度異なるように調整されている。また、第2グループのC系とD系(またはB−1系とB−2系)は、波形位相が180度異なるように調整されている。また、グループが異なるコイル同士では、ソレノイド型コイルの向きがほぼ直交していることから、図17の例のように、各グループ間で相互結合は生じない。ゆえに、第1グループと第2グループとの周波数をずらすことが可能である。したがって、駆動信号出力部14が第1グループと第2グループに対し異なる遷移値を指示することにより、受電装置2の出力電流のリップルを小さくしつつ、図19のように、四つの受電コイルユニット211を近傍に配置することが可能になる。そして、四つの受電コイルユニット211と相互結合が生じない遠方にさらに受電コイルユニット211を配置することも可能になる。
以上のように、漏洩電磁界を打ち消すような駆動信号および受電コイルユニット211の配置を用いることにより、複数の受電コイルユニット211を近傍に配置することができる。これにより、電力伝送システムを利用するシステム、例えば、電気車両のバッテリーを充電するシステムなどにおいて、スペースの問題が解消し、伝送可能な電力を増加させることが可能になる。
なお、これまでに説明した実施形態の制御は、リップルを小さくしたい期間など、特定の期間にだけ実施するようにしてもよく、実施しない期間においては任意の周波数に遷移させてもよい。また、上記の制御は、特定の系統に限り実施し、必ずしも全ての系統で実施されなくともよい。
なお、本実施形態の各処理は専用の回路で実現されることを想定しているが、周波数を変更するタイミングの指示など、回路の制御に関する処理は、CPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより実現されてもよい。
上記に、本発明の一実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 送電装置
11 AC電源
12 AC/DCコンバータ
13(A、B) 送電部
131(A、B) インバータ
132(A、B) 送電コイルユニット
14 駆動信号出力部(指示部)
15 設定変更部(遷移値調整部)
2 受電装置
21(A、B、A−1、A−2、B−1、B−2) 受電部
211(A、B) 受電コイルユニット
212(A、B) 整流部
213(A、B) 受電部内加算器
22 加算器
3 電気自動車

Claims (13)

  1. 所定の複数の遷移値に磁界の周波数を周期的に遷移させつつ、前記磁界により電力を伝送する送電装置であって、前記送電装置が、
    それぞれが磁界を発生させる複数の送電部と、
    遷移すべき遷移値が示された指示信号を各前記送電部に出力することにより、遷移すべき遷移値を各前記送電部に指示する指示部と、
    を備え、
    前記指示部が、同一時点において前記複数の送電部の磁界の周波数の少なくとも一部が異なるように、遷移すべき遷移値を指示する
    送電装置。
  2. 各前記送電部は、
    直流電流から高周波電流を生成するインバータと、
    前記高周波電流が流れることにより前記磁界を発生する送電コイルと、
    を含み、
    前記指示信号は、前記インバータの駆動信号であり、
    前記指示信号の周波数が、指示された遷移値に応じた値に変化することにより、前記高周波電流の周波数が指示された遷移値に遷移する
    請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記複数の遷移値の最小値から昇順に最大値まで遷移し、前記最大値から前記最小値まで降順で遷移する周期的な遷移の1周期を360度とみなして各遷移値および遷移方向を位相角で表した場合において、
    前記磁界の振幅特性のピークに係る周波数が、前記最小値と前記最大値との間に存在しないときは、前記指示部は、
    異なる遷移値を初期値として各前記送電部に指示し、
    前記初期値を指示した後は、前回指示した遷移値と同じ遷移値、または、前回指示した遷移値に対応する位相角よりも一つ大きい位相角に対応する遷移値、を各前記送電部に指示する
    請求項1または2に記載の送電装置。
  4. 前記指示部は
    0度以上かつ180度未満の位相角に対応する遷移値を初期値として指示した送電部に対して、180度の位相角に対応する遷移値を指示したときは、次の指示において、0度の位相角に対応する遷移値を指示し、
    180度以上かつ360度未満の位相角に対応する遷移値を初期値として指示した送電部に対して、360度の位相角に対応する遷移値を指示したときは、次の指示において、180度の位相角に対応する遷移値を指示する
    請求項3に記載の送電装置。
  5. 前記複数の送電部の数がM(Mは2以上の整数)であり、
    前記複数の送電部の同一時点における遷移値のいずれの二つに対応する位相角の差分が、360/Mに対する1からM−1までのいずれかの倍数と一致する
    請求項3または4に記載の送電装置。
  6. 前記複数の遷移値の最小値から昇順に最大値まで遷移し、前記最大値から前記最小値まで降順で遷移する周期的な遷移の1周期を360度とみなして各遷移値を位相角で表した場合において、
    前記磁界の振幅特性のピークに係る周波数が、前記最小値と前記最大値との間に存在するときは、前記指示部は、
    対応する各位相角の差が最大でも180度である異なる遷移値を初期値として各前記送電部に指示し、
    前記初期値を指示した後は、前回指示した遷移値と同じ遷移値、または、前回指示した遷移値に対応する位相角よりも一つ大きい位相角に対応する遷移値、を各前記送電部に指示する
    請求項1または2に記載の送電装置。
  7. 前記複数の送電部の数がM(Mは2以上の整数)であり、
    前記複数の送電部の同一時点における遷移値のいずれの二つに対応する位相角の差分が、180/Mに対する1からM−1までのいずれかの倍数と一致する
    請求項4または6に記載の送電装置。
  8. 各前記送電部に指示される予定の遷移値の組み合わせの使用可否を、前記組み合わせに属する遷移値のいずれか二つの差分に基づき、判断する遷移値調整部
    をさらに備え、
    前記指示部が、使用可能と判断された遷移値の組み合わせに基づき、各前記送電部に遷移値を指示する
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の送電装置。
  9. 前記複数の遷移値を、その大きさに基づく少なくとも二つのグループに分離し、各前記送電部に対応するグループを決定する遷移値調整部
    をさらに備え、
    前記指示部が、前記送電部に対し、前記送電部に対応するグループに属している遷移値を指示する
    請求項1ないし7のいずれか一項に記載の送電装置。
  10. 送電装置と、受電装置と、を備え、複数の遷移値に磁界の周波数を順番に遷移させつつ、前記磁界により電力を伝送する電力伝送システムであって、
    前記送電装置が、
    それぞれが磁界を発生させる複数の送電部と、
    遷移すべき遷移値が示された指示信号を各前記送電部に出力することにより、各前記送電部に遷移すべき遷移値を指示する指示部と、
    を備え、
    前記受電装置が、
    対応する送電部の磁界により、それぞれが高周波電流を生成する複数の受電コイルと、
    複数の受電コイルからの高周波電流を加算する加算部と、
    を備え、
    前記指示部が、同一時点において、前記複数の送電部の磁界の周波数の少なくとも一部が異なるように、遷移すべき遷移値を指示する
    電力伝送システム。
  11. 前記複数の受電コイルのうちの第1および第2の受電コイルが受け取る磁界の向きが、平面視において直交するように、前記第1および第2の受電コイルが配置され、
    前記指示部が、前記第1および第2の受電コイルに対応する送電部の磁界の周波数が異なるように、遷移値を指示する
    請求項10に記載の電力伝送システム。
  12. 前記送電装置が、少なくとも第1から第4の送電部と、前記第1から第4の送電部にそれぞれ対応する第1から第4の送電コイルと、を備え、
    前記受電装置が、少なくとも前記第1から第4の送電部にそれぞれ対応する第1から第4の受電コイルを備え、
    前記第1および第2の受電コイルが受け取る磁界の向きが平面視において平行となるように前記第1および第2の受電コイルが配置され、
    前記第3および第4の受電コイルが受け取る磁界の向きが平面視において平行となるように前記第3および第4の受電コイルが配置され、
    前記第1および第2の受電コイルの組み合わせと、前記第3および第4の受電コイルの組み合わせと、が相互結合可能な距離よりも離れて配置され、
    前記第1および第2の送電コイルにより発生された磁界が逆相の関係であり、
    前記第3および第4の送電コイルにより発生された磁界が逆相の関係であり、
    前記指示部が、前記第1および第2の送電部に対しては同一の遷移値を指示し、前記第3および第4の送電部に対しては、前記第1および第2の送電部に指示した遷移値とは異なる同一の遷移値を指示する
    請求項10に記載の電力伝送システム。
  13. 前記送電装置が、少なくとも第1から第4の送電部を備え、
    前記受電装置が、少なくとも前記第1から第4の送電部にそれぞれ対応する第1から第4の受電コイルを備え、
    前記第1および第2の受電コイルが受け取る磁界の向きが平面視において平行、かつ、前記第3および第4の受電コイルが受け取る磁界の向きが平面視において平行、かつ、前記第1および第2の受電コイルが受け取る磁界の向きと、前記第3および第4の受電コイルが受け取る磁界の向きとが平面視において直交するように、前記第1から第4の受電コイルが配置され、
    前記第1および第2の送電コイルにより発生された磁界が逆相の関係であり、
    前記第3および第4の送電コイルにより発生された磁界が逆相の関係であり、
    前記指示部が、前記第1および第2の送電部に対しては同一の遷移値を指示し、前記第3および第4の送電部に対しては、前記第1および第2の送電部に指示した遷移値とは異なる同一の遷移値を指示する
    請求項10に記載の電力伝送システム。
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