JP6238579B2 - 炭酸化建材用の結合材およびその製造方法。 - Google Patents

炭酸化建材用の結合材およびその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、主に、土木・建築業界において使用される炭酸化建材用の結合材およびその製造方法に関する。
住宅建材の代表としてスレート板が知られ、世界的に使用されている。スレート板の歴史は古く、初期のスレート板は繊維材料としてアスベストを使用してきた歴史がある。
しかし、アスベストの健康被害が深刻化するのに伴い、パルプ繊維に置き換わってきている。これは、スレート板がオートクレーブ養生を施されて生産されるため、その高温条件に耐える繊維としてパルプ繊維が選定されているためである。
オートクレーブ養生を施されて生産されたスレート板の特徴としては、寸法変化が小さいという利点がある。一方、供用開始後に空気中の二酸化炭素と反応して中性化すると、強度低下が起こり、炭酸化に伴う収縮も惹起されて耐久性が低下することも明らかになってきている。
また、オートクレーブ養生は重油消費量が大きく、環境負荷の大きな養生方法と言える。近年では、寸法変化や長期の耐久性に加え、環境性能も重要視されている。したがって、環境負荷の小さいスレート板の生産方法が強く求められるようになっている。
炭酸化養生によって建材を得ようとする提案について見る。木質系セメント硬化体を炭酸化処理することで反り返りが発生しにくく、寸法安定性に優れた木質系セメント硬化体が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この建材の寸法安定性は未だ十分なものではなく、また、二酸化炭素の固定化能力も十分でなく、環境負荷低減への貢献度も十分なものではなかった。また、可燃性の木材チップが配合されているため、耐火性にも課題があった。
高炉セメント、高炉スラグ、モノサルフェートとセッコウを主成分とするスラリーを成形し、養生し、乾燥させる無機質製品において、廃熱ガスを用いて、乾燥と炭酸化を行う方法も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では、強度発現性が十分でないばかりか、寸法安定性も未だ十分なものではなかった。また、表面が脆弱なものであり、粉吹き現象を呈しやすく、耐久性や美観に課題があった。
中性化による白華の発生を抑制する目的で、相対湿度80%以上、二酸化炭素濃度5〜25体積%で炭酸化させたセメント硬化体の製造方法も提案されている(特許文献3)。
この方法は、アルカリの溶出を抑え、エフロも防止できるものの、強度発現性が十分でないことに加え、寸法安定性を付与できるものではなく、また、二酸化炭素の固定化能力も十分でなく、環境負荷低減への貢献度も十分なものではなかった。
本発明者らは、ビーライトを38%以上含有する炭酸化建材用セメントを提案した(特許文献4)。このセメントは、炭酸化養生することで高強度が得られ、特に曲げ強度が高くなるものであった。そして、その組成は、ビーライト含有量が38%〜60%、エーライトとアルミネートとフェライトの合計が少なくとも40%以下、加えて、アルミネートとフェライトはそれぞれ10%以下であり、セッコウ類をSO換算で1〜5%含むものであった。
上記の組成に当てはまるセメントとして、日本では、低熱ポルトランドセメントがJIS化されている。
しかしながら、建材には曲げ強度のほか、寸法安定性や長期耐久性が求められる。その観点から従来の炭酸化建材用のセメント組成物は改良の余地を残していた。
特開2000−7466号公報 特開昭56−22688号公報 特開平11−278961号公報 特開平10−194798号公報
各種のポルトランドセメントには、SO換算で1〜5%のセッコウが必須成分として含まれる。セッコウはポルトランドセメント中のアルミネート相の初期水和を制御して流動性や作業性を確保する目的で添加され、加えて、強度発現性にも貢献する。このため、必須成分として位置付けられてきた。
しかしながら、本発明者らが、曲げ強度が高く、寸法安定性や耐久性に優れる建材の製造方法を鋭意検討した中で、セッコウをSO換算で1%未満の範囲とした結合材を適用し、炭酸化養生を施すことによって、曲げ強度の更なる向上と、寸法安定性や耐久性の向上が実現できることを知見した。
さらに、この炭酸化建材用の結合材を製造する際に、副生の消石灰を用いることにより、セメント生産時の燃料消費量を著しく低減でき、低温焼成が可能となること、CO排出量を大幅に低減できることを見出した。
そこで、本発明者らは、鋭意努力を重ねた結果、特定の結合材を適用し、かつ、特殊な養生方法を行って製造した建材が、高い曲げ強度を発現するばかりでなく、オートクレーブ養生を行わなくても寸法安定性に優れ、供用後の炭酸化に伴う強度低下や収縮も起こさず、凍結融解抵抗性も向上し、しかも、環境負荷低減に貢献できることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明は、(1)β-2CaO・SiOの含有量が40〜70質量%、3CaO・SiOと間隙相との合計量が30〜60質量%であり、セッコウ含有量がSO換算で1質量%未満である炭酸化建材用の結合材、(2)間隙相が10質量%以下であり、3CaO・Alの含有量が5質量%以下である(1)の炭酸化建材用の結合材、(3)CaO原料の一部または全部に副生消石灰を用いて製造してなる(1)または(2)の炭酸化建材用の結合材の製造方法、(4)副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものである(3)の炭酸化建材用の結合材の製造方法、(5)結合材生産時のCO排出量原単位が200kg−CO/ton以下である(1)〜(4)の炭酸化建材用の結合材の製造方法。である。
本発明の炭酸化建材用の結合材を用いて炭酸化養生を施すことにより、従来のセメント組成物を用いてオートクレーブ養生を施したセメント硬化体と比較して、強度発現性に優れ、寸法安定性に優れ、供用後の炭酸化に伴う強度低下や収縮も起こさず、凍結融解抵抗性も向上し、環境負荷の小さい建材が得られるなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は、特に規定しない限り質量基準で示す。
また、本発明で云うセメントコンクリートとは、セメントペースト、セメントモルタル、及びコンクリートの総称である。
本発明で使用する炭酸化建材用の結合材は、β-2CaO・SiOの含有量が40〜70%、3CaO・SiOと間隙相(3CaO・Alと4CaO・Al・Fe)との合計量が30〜60%であり、セッコウ含有量がSO換算で1%未満であることを特徴とする。
間隙相の含有量は10%以下が好ましく、中でも3CaO・Alの含有量が5%以下であることがより好ましい。間隙相が10%を超えたり、3CaO・Al含有量が5%を超えると、流動性が悪くなったり、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合がある。
β-2CaO・SiOの含有量が40%未満では、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合や、流動性が悪くなる場合がある。逆に、70%を超えると、脱型強度の確保が難しくなり、生産性が悪くなる場合がある。
3CaO・SiOと間隙相との合計量が30%未満では、脱型強度の確保が難しくなり、逆に、60%を超えると、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合や、流動性が悪くなる場合がある。特に間隙相の含有量は10%以下が好ましい。間隙相が10%を超えると、流動性が悪くなる場合や、炭酸化養生後の曲げ強度が十分でない場合がある。
本発明のセッコウとは、無水、半水、および二水の各セッコウを総称するもので特に限定されるものではない。
本発明では、セッコウ含有量はSO換算で1%未満である。本発明において、セッコウ含有量は極めて重要である。セッコウ含有量をSO換算で1%未満とすることで、炭酸化養生後の曲げ強度をさらに高めることができる。また、寸法安定性や耐久性が向上する。耐久性の具体例としては、供用後の強度低下がないこと、凍結融解抵抗性が向上することが挙げられる。より好ましくは、SO換算で0.5%以下であり、0.3%以下が最も好ましい。
本発明の結合材を製造する際の原料としては、特に限定されるものではないが、CaO原料としては、例えば、石灰石や炭酸カルシウムの他、水酸化カルシウムを用いることもできる。本発明では、CaO原料の一部または全部に、副生消石灰を用いて製造することが望ましい。CaO原料として、副生消石灰を用いることにより、本発明の結合材を製造する際のCO排出量原単位を著しく低減することが可能である。特に、副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものであることが望ましい。
これを適用することで、本発明の結合材を生産する際のCO排出量原単位が200kg−CO/ton以下となる。通常、ポルトランドセメントのCO排出量原単位は750kg−CO/ton程度とされ、副産物である高炉スラグを多量に混和した高炉セメントのCO排出量原単位でも450kg−CO/ton程度とされている(土木学会:コンクリート技術シリーズ No.44、コンクリートの環境負荷評価、p.I−25(2002))。つまり、本発明の結合材は大幅に環境負荷低減に貢献できるのである。
SiO原料としては、特に限定されるものではないが、ケイ石微粉末、粘土、シリカフューム、フライアッシュ、非晶質シリカ、その他、各産業から副生するシリカ質の物質を選定できる。
Al原料としては、特に限定されるものではないが、フライアッシュ、粘土、明礬石、ボーキサイト、その他、各産業から副生するアルミ質の物質を選定できる。
Fe原料としては、特に限定されるものではないが、フライアッシュ、ヘマタイト、リモナイト、マグネタイト、ウスタイト、マグヘマイト、その他、各産業から副生する鉄質の物質を選定できる。
本発明の結合材は、CaO原料、SiO原料、あるいは、CaO原料、SiO原料、Al原料、Fe原料を混合して、熱処理することによって得られる。熱処理方法は、キルンでの焼成や電気炉での溶融等が挙げられる。
熱処理温度は、原料の配合にもよるが1200℃〜1600℃が好ましく、1250℃〜1500℃がより好ましい。1200℃未満では効率良く反応が進まず遊離石灰が多く生成する場合がある。逆に、熱処理温度が1600℃を超えても化合物の生成反応の更なる改善は期待できない一方、消費エネルギーが大きくなり、コスト高となるばかりか、環境負荷も大きくなるため望ましくない。
CaO原料とSiO原料などの混合物を熱処理して得られたクリンカーを粉砕して粉末にすることで結合材として利用できる。
結合材の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000〜8,000cm/gが好ましく、3,000〜6,000cm/gがより好ましく、4,000〜5,000cm/gが最も好ましい。2000cm/g未満では充分な強度発現性が得られない場合があり、8,000cm/gを超えるように微粉化してもさらなる効果の向上が期待できず、消費エネルギーが大きくなり、コスト高となるばかりか、環境負荷も大きくなるため望ましくない。
本発明では、セッコウはSO換算で1%未満の範囲で添加できる。セッコウはクリンカーと同時粉砕しても良いし、別々に粉砕した後、混合してもよい。
本発明では、本発明の結合材の他に、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、石灰石粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰、砂等の細骨材や砂利等の粗骨材、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、従来の防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、繊維物質からなる群のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で併用することが可能である。
本発明において、材料の混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、およびナウタミキサ等の使用が可能である。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実験例1」
まず、炭酸化建材用の結合材を製造した。CaO原料として石灰石微粉末を、SiO原料としてケイ石微粉末、SiO原料、Al原料、Fe原料としてフライアッシュを使用した。
この原料を所定の割合で混合粉砕し、造粒し、熱処理して表1に示すようなクリンカーを製造した。熱処理温度は、バーナーの焼点温度で1450℃±30℃で行った。得られたクリンカーを粉砕し、セッコウを添加することなくそのまま炭酸化建材用の結合材とした。
この結合材を用いて、水/結合材比50%、結合材と砂の質量比率が1/3のモルタルを調製した。50℃で4時間の蒸気養生を施した後、脱型し、脱型時の強度を測定した。さらに、脱型後から炭酸化養生を施し、所定の材齢で強度を測定し、さらに、凍結融解、長さ変化を測定した。炭酸化養生の条件は、30℃・相対湿度60%・COガス濃度10体積%の条件で7日間行った。
<使用材料>
CaO原料(1):石灰石微粉末、CaOが55.4%、MgOが0.37%、Alが0.05%、Feが0.02%、SiOが0.10%、強熱減量が43.57%。150μm通過率97.%、100μm通過率91.9%。
SiO原料:ケイ石微粉末、SiO成分:97.0%、Al成分:2.0%、Fe成分:0.1%、
SiO原料、Al原料、Fe原料:フライアッシュ、CaO成分:5.2%、SiO成分:62.5%、Al成分:21.8%、Fe成分:4.8%、SO成分:0.5%、強熱減量:3.2%、その他2.0%。
(試験方法)
鉱物組成:化学成分値からボーグの式を用いて求めた。
S=(4.07×CaO)−(7.60×SiO)−(6.72×Al)−(1.43×Fe)−(2.85×SO
S=(2.87×SiO)−(0.754×CS)
A=(2.65×Al)−(1.69×Fe
AF=(3.04×Fe
ここで、CSは3CaO・SiO、CSは2CaO・SiO、CAは3CaO・Al、CAFは4CaO・Al・Fe)、である。
モルタルの脱型強度:JIS R 5201に準じて圧縮強さを測定した。
炭酸化養生後のモルタルのCO含有量:クーロメータ(日本アンス社製)を用いて無機の炭素量から測定。
炭酸化養生後のモルタル曲げ強度:供試体サイズは4×4×16cmとし、それ以外はJIS A 1106に準じて曲げ強度を測定した。
炭酸化養生後のモルタルの凍結融解:JIS A 1148に準じて行った。500サイクルまで動弾性係数の相対値が60%以上を確保した場合は○、300サイクルまで動弾性係数の相対値が60%以上を確保した場合は△、300サイクル未満で動弾性係数の相対値が60%未満に低下した場合は×とした。
炭酸化養生後のモルタルの長さ変化率:JIS A 1129−3に準拠して測定した。
表1より、β-2CaO・SiOの含有量が40〜70%、3CaO・SiOと間隙相との合計量が30〜60%であり、セッコウ含有量がSO換算で1%未満であると、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さくなることがわかる。中でも、間隙相が10%以下であり、3CaO・Alの含有量が5%以下であるものが特に優れることが分かる。
「実験例2」
実験No.1-4のクリンカーを使用し、SO含有量が表2のようになるように二水セッコウ(試薬、市販品)を添加したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に示す。
表2より、SO換算で1%未満のセッコウ添加量であると、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さくなることが分かる。なお、2.0%はポルトランドセメントの標準的なSO添加率に相当する。
「実験例3」
実験No.1-4のクリンカー組成となるように原料を配合し、CaO原料として副生の消石灰を使用して比較検討したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表3に示す。
<使用材料>
CaO原料(1):石灰石微粉末、CaOが55.4%、MgOが0.37%、Alが0.05%、Feが0.02%、SiOが0.10%、強熱減量が43.57%。150μm通過率97.%、100μm通過率91.9%。
CaO原料(2):副生消石灰、カルシウムカーバイドと水を反応させてアセチレンを発生させた後に副生する消石灰、CaOが73.1%、MgOが0.07%、Alが0.55%、Feが0.28%、SiOが0.95%、SOが1.31%、NaOが0.03%、KOが0.02%、強熱減量が23.80%。150μm通過率99.5%、100μm通過率96.9%。
CaO原料(3):CaO原料(1)30%とCaO原料(2)70%の混合物。
CaO原料(4):CaO原料(1)50%とCaO原料(2)50%の混合物。
CaO原料(5):CaO原料(1)70%とCaO原料(2)30%の混合物。
(測定方法)
焼成エネルギー:石灰石をCaO原料として用いた際の重油使用量と電力使用量の総和エネルギーを100とし、相対値で示した。
収率:ロータリーキルンにフィードした原料の質量を100とした時の得られた焼成物の質量の比率を100分率で示した。
表3より、副生消石灰を用いた場合にエネルギーを大幅に削減でき、収率も著しく向上することが分かる。また、得られたクリンカーから調製した結合材の物性も良好であることが分かる。
「実験例4」
実験例3の結合材の製造にかかる原料由来と燃料由来のCO排出量原単位を算出した。なお、重油や電力のCO排出量原単位は、土木学会、コンクリート技術シリーズ62、コンクリートの環境負荷評価(その2)、p.39のインベントリデータを用いて算出した。重油は2.97kg−CO/リットル、電力は0.407kg−CO/kWhを用いた。また、炭酸化養生後の供試体を用いてCO吸収量を定量した。結果を表4に示す。
(測定方法)
CO吸収量:クーロメータ(日本アンス社製)を用いて無機の炭素量から測定。強熱減量を差し引いた結合材100部に対するCO量に換算し、結合材1tあたりのCO吸収量を定量した。
CO排出量:原料由来のCO排出量と燃料由来のCO排出量を計算した。
表4より、副生消石灰をCaO原料の一部に用いた場合に、CO排出量原単位が著しく小さいことが分かる。また、CaO原料に占める副生消石灰の割合が一定以上になると、炭酸化養生後のCO吸収量の方が大きな値となっていることも分かる。
本発明の炭酸化建材用の結合材を使用することにより、炭酸化養生後の曲げ強度が大きく、凍結融解抵抗性に優れ、長さ変化率も小さくなるため、主に、土木・建築業界などにおいて広範な用途に適する。

Claims (5)

  1. β-2CaO・SiO2の含有量が50〜60質量%、3CaO・SiO2と間隙相との合計量が40〜60質量%であり、セッコウ含有量がSO3換算で0.5質量%以下であり、前記間隙相が10質量%以下であり、3CaO・Al23の含有量が5質量%以下である建材用の結合材。
  2. CaO原料の一部または全部に副生消石灰を用いて製造してなる請求項1に記載の結合材の製造方法。
  3. 副生消石灰が、カーバイドからアセチレンを発生させる際に生じたものであることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 結合材生産時のCO2排出量原単位が200kg−CO2/ton以下であることを特徴とする請求項1に記載の結合材の製造方法。
  5. 請求項1に記載の結合材に、水と細骨材を加えてモルタルを調製するステップと、
    前記モルタルを蒸気養生するステップと、
    前記モルタルを脱型した後に、CO2吸収量が470〜485kg−CO2/tonの範囲となるように炭酸化養生するステップと
    を含む、建材の製造方法。
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