JP6238132B2 - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッド、及び、この液滴吐出ヘッドを採用した画像形成装置に関するものである。
一般に、プリンタ、ファックス、複写機、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置としては、例えばインクの液滴(以下、インク滴という)を吐出する液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置がある。インクジェット記録装置では、媒体を搬送しながら液滴吐出ヘッドによりインク滴を用紙に付着させて画像形成を行う。ここでの媒体は「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。また、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、インクとは、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液滴となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる液体の総称として用いる。
液滴吐出ヘッドは、複数のノズルが連通する複数の個別液室と、各個別液室に圧力変動を発生させる圧力発生手段と、各個別液室に連通して液体を供給する共通液室等を有している。共通液室を介して各個別液室にインクを供給し、圧力発生手段を駆動して個別液室に圧力変動を発生させることにより、ノズルからインク滴として吐出する。液滴吐出ヘッドとしては、記録に必要なときにのみ圧力発生手段を駆動して、個別液室内のインクを昇圧してノズルからインク滴を吐出するインク・オン・デマンド方式のものが主流である。
液滴吐出ヘッドは各個別液室に圧力変動を発生させる圧力発生手段の種類により、幾つかの方式に大別される。例えば、個別液室内にヒータを設置することで液体を気化させた圧力変動を利用するサーマルインクジェット方式が挙げられる。また、個別液室にアクチュエータを設置する方式が挙げられ、アクチュエータを用いる方式は、アクチュエータの種類により圧電素子方式、静電方式などが知られている。アクチュエータを用いた方式では幅広い物性のインクに対応可能である反面、液室配列の高密度化・ヘッドの小型化が困難とされているが、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いることで高密度化する技術が確立されてきている。
上記何れの圧力発生手段を用いた液滴吐出ヘッドでも、所定の個別液室内で生じた圧力変動が連通する共通液室に伝播し、共通液室内で反射を繰り返して隣接する個別液室に逆伝播して個別液室内の圧力を変動させるクロストークという現象が発生する。このようなクロストークが発生すると、液滴の吐出特性(滴速度、滴量、曲がり)に変動や、滴不吐出を引き起こす場合がある。
クロストークを抑制するために、共通液室を構成する壁の一部を変形可能なダンパ膜で形成し、このダンパ膜を挟んで共通液室に対向する空気貯留部にダンパ膜を変形させることで共通液室に伝播した圧力変動を緩和することが知られている。また、ダンパ膜としては、PPS(Poly Phenylene Sulfide )樹脂フィルムや、シリコーンエラストマーなどの高分子材料を用いることが知られている。
特許文献1には、樹脂材料よりも化学的/物理的な耐久性の強い金属材料を用いてダンパ膜を形成した液滴吐出ヘッドが記載されている。この液滴吐出ヘッドは、共通液室の壁の一部を形成する金属材料からなる平板(以下、金属平板という)と、金属平板を挟んで共通液室に対向する空気貯留部とを設ける。そして、金属平板の空気貯留部側に面する部分を、ハーフエッジングにより加工して厚みの厚い領域と薄い領域とが隣接して交互に配置されるよう形成し、この部分を空気貯留部に変形可能なダンパ膜として用いている。
近年、液滴吐出ヘッドでは、高密度化、高速化が要求されているが、高密度化による個別液室の間隔が狭くなることや、高速化のために駆動周波数が高くなることに伴い、上記クロストークの現象は顕著となる。
クロストークを良好に抑制するには、ダンパ膜の面積を大きくしてダンパ膜のコンプライアンス(変形のしやすさ)を確保することが有効だが、ダンパ膜で形成された共通液室の壁面を大きくすることに繋がり、液滴吐出ヘッドの大型化を招いてしまう。
また、クロストークを良好に抑制するには、ダンパ膜を薄くしてコンプライアンスを確保することも有効であるが、ダンパ膜の構造的な強度が得られなくなり耐久性が低下する。これに対して、特許文献1の液滴吐出ヘッドのように、ダンパ膜に厚みが厚い領域と厚みが薄い領域とを設けた構造は、厚みが薄い領域でコンプライアンスを確保しつつ、厚みが厚い領域で構造的な強度を得ることができる。しかしながら、特許文献1のダンパ膜は、高分子材料の弾性率(PPS樹脂では約4[GPa]、シリコーンエラストマーでは約2[GPa])に比べて、格段に弾性率の高い(約200[GPa])金属材料で形成されている。このため、特許文献1の液滴吐出ヘッドの金属材料から成るダンパ膜では、厚みが厚い領域と薄い領域とを有する構造であっても、高密度化、高速化の流れの中で、顕著なクロストークを抑制できるレベルのコンプライアンスを確保することは難しい。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ダンパ膜の良好なコンプライアンスと耐久性を確保して安定した吐出性能を得ることができる液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のノズルに連通する複数の個別液室と、該個別液室と連通して液体を供給する共通液室と、該ノズルから液滴を吐出するよう該個別液室に圧力変動を発生させる圧力発生手段と、該共通液室の壁面の一部を形成する変形可能なダンパ膜と、該ダンパ膜を挟んで該共通液室と対向する空気貯留部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
上記ダンパ膜は高分子材料からなり、該ダンパ膜の上記空気貯留部に対向する面に凹凸を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ダンパ膜の良好なコンプライアンスと耐久性を確保して安定した吐出性能を得ることができるという優れた効果がある。
本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図。 本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図。 液滴吐出ヘッドの一部分の内部構造を示す幅方向の断面図。 液滴吐出ヘッドの一部分の内部構造を示すノズル列方向の断面図。 個別液室基板の一部を圧電素子が形成された側からみた平面図。 液滴吐出ヘッドの他の一部分を構成する成型体の分解斜視図。 成型体を接合した液滴吐出ヘッド全体の幅方向の断面図であり、(a)はX1−X1’線における断面、(b)はX2−X2’線における断面を示す。 成型体を接合した液滴吐出ヘッド全体のノズル列方向のY−Y’線における断面図。 (a)包囲壁部材(ダンパ膜)の拡大断面図、(b)は包囲壁部材(ダンパ膜)の拡大上面図。 (a)は表面に凹凸を有する熱可塑性エラストマーからなる包囲壁部材(ダンパ膜)を製造するための型の一部分の断面説明図であり、(b)は型に射出された熱可塑性エラストマーの流れの説明図である。 成型体の製造工程の説明図(その1)。 成型体の製造工程の説明図(その2)。 成型体の製造工程の説明図(その3)。 成型体の製造工程の説明図(その4)。 成型体の製造工程の説明図(その5)。 成型体の製造工程の説明図(その6)。 液滴吐出ヘッドの液滴吐出機構部の製造工程の説明図(その1)。 液滴吐出ヘッドの液滴吐出機構部の製造工程の説明図(その2)。
以下、本発明を適用可能な画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置について説明する。図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図、図2は、本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
インクジェット記録装置100は、キャリッジ101と、キャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド1と、液滴吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103を本体内部に有している。キャリッジ101は、インクジェット記録装置100本体内部において、用紙Sの搬送方向に対して直交方向である主走査方向に移動可能な部材である。
図2に示すように、装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録紙を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104を抜き差し自在に装着されている。更に、記録紙を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105を有し、給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録紙を取り込む。そして、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持する。そして、このキャリッジ101には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド1を複数のインク吐出口(後述する「ノズル4a」)を、主走査方向に対して直交する方向に配列している。さらには、キャリッジ101には、液滴吐出ヘッド1をインク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には液滴吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられ、内部にはインクが充填された多孔質体を有している。多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド1としては各色毎に液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向の下流側)を主ガイドロッド107に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向の上流側)を従ガイドロッド108に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109aで回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112を張装している。そして、このタイミングベルト112をキャリッジ101に固定し、主走査モータ109aの正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
一方、給紙カセット104にセットした記録紙を液滴吐出ヘッド1の下方側に搬送する。このために、給紙カセット104から記録紙を分離給装する給紙ローラ113及びフリクションパッド114と、記録紙を案内するガイド部材115とを有している。更には、給紙された記録紙を反転させて搬送する搬送ローラ116と、この搬送ローラ116の周面に押し付けられる搬送コロ117及び搬送ローラ116からの記録紙の送り出し角度を規定する先端コロ118を有している。搬送ローラ116は副走査モータ109bによってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された記録紙を液滴吐出ヘッド1の下方側で案内するため用紙ガイド部材である印写受け部材119を設けている。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、記録紙を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120と拍車121を設けている。さらには、記録紙を排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ123と拍車124と、排紙経路を形成するガイド部材125、126とを配設している。
このインクジェット記録装置100で記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している記録紙にインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録紙を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録紙の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録紙を排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とワイピング手段とを有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
更に、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド1の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。続いて、吐出口面に付着したインクやゴミ等はワイピング手段により吐出口面を払拭することで除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100に用いることができる液滴吐出ヘッド1について説明する。
まず、液滴吐出ヘッド1の液滴吐出機構部を、一例として薄膜ピエゾヘッド(「薄膜ヘッド」とも呼ばれる。)方式の構成を用いて説明する。図3は、液滴吐出ヘッドの一部分の内部構造を示す幅方向の断面図であり、便宜上、Y、M、C、Kの4色のうちの1色に対応する部分のみ示している。図4は、液滴吐出ヘッドの一部分の内部構造を示す個別液室の配列方向(以下、ノズル列方向という)の断面図であり、便宜上、3つの個別液室31に対応する部分のみ示している。この液滴吐出ヘッド1は、薄膜ピエゾの圧電素子50を用いたものであり、インク滴を基板の面部(ヘッド面)に設けたノズル4aから吐出させるサイドシューター方式の例を示すものである。
この液滴吐出ヘッド1の液滴吐出機構部は、複数のノズル4aを有するノズル基板4と、個別液室基板5と、個別液室基板5の剛性を確保する保持基板7の3枚を重ねた積層構造を有している。個別液室基板5は、ノズル4aと連通する個別液室31の隔壁部5a、流体抵抗部32、個別液室へのインク導入路33が形成されている。個別液室基板5上には、個別液室31の一壁面となる振動板6を形成し、振動板6上に下部電極51、圧電体52、上部電極53からなる圧電素子50が形成されている。圧電素子50は、個別液室31内のインクに圧力を発生させる圧力発生手段として機能するアクチュエータとなる。
振動板6上の下部電極51、上部電極53の上面の一部及び側面を覆うように、第1絶縁膜55が配置され、第1絶縁膜55には下部電極51、上部電極53とのコンタクトホール55a、55bがそれぞれ形成されている。共通電極である下部電極51からはコンタクトホール55aを介して共通電極配線54aが引き出されている。また、個別電極である上部電極53からはコンタクトホール55bを介して個別電極配線54bが引き出され、個別電極配線54bは個別電極パッド57を介して駆動IC59に接続されている。共通電極配線54a、個別電極配線54bを保護するための第2絶縁膜(パッシベーション膜)56が配置されている。また、振動板6の個別液室基板5に形成されたインク導入路33に対応する部分にはインク供給口34として、振動板6に供給孔を複数作製した振動板フィルタ(不図示)を設けている。図5は、個別液室基板5の一部を圧電素子50が形成された側からみた平面図である。なお、図5では、第1絶縁膜55、第2絶縁膜56、駆動IC59等の図示を省略している。
保持基板7は、下部電極51及び上部電極53に電気的に接続される共通電極配線54a、個別電極配線54bを含めて圧電素子50の保護空間71と、駆動IC59の配置するための空間72とを有している。また、後述する共通液室36から個別液室31へのインク流路35となる溝部を有している。インク流路35は、振動板6のインク供給口34に形成された振動板フィルタ(不図示)を介して、個別液室基板5に形成されたインク導入路33に連通している。
以下、液滴吐出ヘッド1の液滴吐出機構部を構成する各部材について詳細に説明する。
(ノズル基板)
ノズル基板4はインク吐出用のノズル4aが配列されている基板であり、材料は必要な剛性や加工性から任意のものを用いることができる。例としては、SUS、Ni等の金属または合金やシリコン、セラミックス等の無機材料、ポリイミド等の樹脂材料を挙げることができる。ノズル4aの加工方法は材料の特性と要求される精度・加工性から任意のものを選ぶことができ、電鋳めっき法、エッチング法、プレス加工法、レーザー加工法等、フォトリソグラフィ法等を例示できる。ノズル4aの開口径、配列数、配列密度は、インクヘッドに要求される仕様に合わせて最適な組み合わせを設定することができる。
(個別液室基板)
個別液室基板5には、個別液室31の隔壁部5a、流体抵抗部32、インク導入路33等が形成される。個別液室基板5の材料は加工性・物性から任意のものを用いることができるが、300dpi(約85[μm]ピッチ)以上ではフォトリソグラフィ法を用いることができるシリコン基板を用いることが好ましい。個別液室31の加工は任意のものを用いることができるが、前述のフォトリソグラフィ法を用いる場合は、ウェットエッチング法、ドライエッチング法のいずれかを用いることができる。いずれの手法でも、振動板6の個別液室側を二酸化シリコン膜等とすることで、エッチストップ層とできるため、液室高さを高精度に制御することができる。
個別液室31はインクに圧力を加え、ノズル4aからインク滴を吐出させる機能を有する。個別液室31の上部を振動板6で形成し、振動板6上には下部電極51、圧電体52、上部電極53が積層された圧電素子50を形成する。振動板6は任意のものを用いることができるが、シリコンや窒化物、酸化物、炭化物等の剛性の高い材料とすることが好ましい。また、これらの材料の積層構造としても良い。積層膜とする場合は、引張応力となるSiと圧縮応力となるSiOを交互に積層し、応力緩和する構成が例として挙げられる。
振動板6の厚さは、所望の特性に応じて選択できるが、概ね0.5[μm]〜10[μm]の範囲が好ましく、さらに好ましくは、1.0[μm]〜5.0[μm]の範囲である。振動板6が薄すぎる場合はクラック等により振動板6が破損しやすくなり、厚すぎる場合は変位量が小さくなりと出効率が低下してしまう。また、薄すぎる場合は、振動板6の固有振動数が低下し、駆動周波数が高められない課題がある。
下部電極51、上部電極53は、導電性のある任意の材料を用いることができる。例としては金属、合金、導電性化合物が挙げられる。これらの材料の単層膜でも積層膜でも良い。また、圧電体と反応したり、拡散したりしない材料を選定する必要があるため、安定性の高い材料を選定する必要がある。また、必要に応じて圧電体51や振動板6との密着性を考慮し、密着層を形成しても良い。電極材料の例としては、Pt、Ir、Ir酸化物、Pd、Pd酸化物等が安定性の高い材料として挙げられる。また、振動板6との密着層としては、Ti、Ta、W、Cr等が例示できる。
圧電体52の材料は圧電性を示す強誘電体材料を用いることができる。例としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)やチタン酸バリウムが一般的に用いられる。圧電体52の成膜方法は任意の手法を用いることができ、例としてはスパッタリング法、ゾルゲル法が挙げられ、成膜温度の低さからゾルゲル法が好ましい。
上部電極53、圧電体52は個別液室31ごとにパターニングする必要がある。パターニングは通常のフォトリソグラフィ法を用いることができる。なお、圧電体52の成膜をゾルゲル法にて行う場合は、スピンコーティング法や印刷法を用いることとしても良い。
個別液室基板5には、個別液室31に連通する流体抵抗部32が形成される。流体抵抗部32は個別液室31にインクを供給する機能を有すると同時に、圧電素子50を駆動することにより個別液室31に発生する圧力により、インクの逆流を防止しノズル4aから吐出させる機能を有する。そのため、流体抵抗部32のインク流動方向の断面積を小さくし、流体抵抗値を高くする必要がある。個別液室基板5にシリコン基板を用い、個別液室31と流体抵抗部32をフォトリソグラフィ法(エッチング含む)を用いて形成することは、個別液室31と同一の条件で加工することができるため好ましい。また、流体抵抗部32は、インク導入路33、振動板6のインク供給口34に形成された振動板フィルタ(不図示)、保持基板7に形成されたインク流路35を介して共通液室36に連通している。
なお、個別液室31の高さは液滴吐出ヘッド1の特性に応じて任意に選択可能であるが、例えば、20〜100[μm]の範囲とすることが好ましい。また、個別液室31の隔壁部5aの幅は、配列密度に合わせて任意に設定することが可能であるが、例えば、10〜30[μm]とすることが好ましい。なお、隔壁部5aの幅が狭い場合、隣接する個別液室31の圧電素子50を駆動した場合に隣接液室間の相互干渉が発生し、吐出性能のばらつきが大きくなるおそれがある。隔壁部5aの幅を狭くすることが必要な場合は、個別液室31の高さを低くすることが好ましい。
(配線)
配列した圧電体52に駆動信号を入力するために、個別電極である上部電極53から個別電極配線54bを引き出し、共通電極である下部電極51から共通電極配線54aを引き出す構成をとる。上部電極53から引き出された個別電極配線54bは個別電極パッド57に接続される。図5に示すように、下部電極51の個別電極パッド57と反対側の箇所から引き出された共通電極配線54aは、個別液室31が形成されていない位置(図5中下側)にまで延伸され、共通電極パッド58に接続される。なお、下部電極51と共通電極配線54aとの間には、第1絶縁膜55が形成され、第1絶縁膜55に開けられたコンタクトホール55aを介して電気的に接続されている。同様に、上部電極53と個別電極配線54bとの間には、第1絶縁膜55が形成され、第1絶縁膜55に開けられたコンタクトホール55bを介して電気的に接続されている。また、共通電極パッド58、個別電極パッド57は駆動IC59に接続されている。駆動IC59は図示しない外部の駆動電圧制御部から供給された電圧を、印字パターンをもとに圧電素子50に選択的に供給して、圧電素子50を制御する。
共通電極配線54aと個別電極配線54bとは同一材料、同一工程で形成することが好ましい。電極材料としては、抵抗値の低い金属・合金・導電性材料を用いることができる。また、上部電極53、下部電極51とコンタクト抵抗の低い材料を用いることが必要である。例えば、Al、Au、Ag、Pd、Ir、W、Ti、Ta、Cu、Crなどを用いることができる。また、コンタクト抵抗を低減するために、これらの材料の積層構造としても良い。コンタクト抵抗を下げる材料としては、任意の導電性化合物を用いても良い。例としては、Ta、TiO、TiN、ZnO、In、SnO等の酸化物,窒化物およびその複合化合物が挙げられる。膜厚は任意に設定できるが、1[μm]以下とすることが好ましい。また、成膜には真空成膜法等の膜厚均一性が高い成膜方法を採用することが好ましい。これらの配線は、保持基板7との接合面にもなるため、高さ均一性を確保できる膜厚・成膜方法を取る必要がある。
また、個別電極パッド57および共通電極パッド58に駆動IC59からの信号を入力する配線(図示せず)を接続する。なお、配線の接続方法は、特に限られるものではないが、例えば、FPCを用いたACF接合、ハンダ接合や、ワイヤボンディング法、駆動IC59の出力端子と直接接合するフリップチップ法等を用いることができる。各接合方式に合わせてパッドの材料、構造を選定すればよい。
(保持基板)
保持基板7は、個別液室基板5の剛性を確保するため、個別液室基板5のノズル基板4と対向する側に接合する。保持基板7の材料としては、任意の材料を用いることができるが、個別液室基板5の反りを防止するために熱膨張係数の近い材料を選定する必要があり、ガラス、シリコン、SiO、ZrO、Al等のセラミクス材料とすることが好ましい。また、保持基板7は、圧電素子50の保護空間71と、共通液室36から個別液室31へのインク流路35を形成する溝等を備えている。上述の薄膜ピエゾヘッド方式の構成のように、圧電素子50を変位可能にする保護空間71は個別液室31ごとに区画し、隔壁部5a上で接合されることが好ましい。これにより、板厚の薄い個別液室基板5の剛性を高めることができ、圧電素子50を駆動した際の隣接個別液室間の相互干渉を低減することが可能となる。
図6は、液滴吐出ヘッドの他の一部分を構成する成型体28の分解斜視図である。成型体28は、共通液室36を形成する共通液室構成部材8と、インクタンク(不図示)から共通液室36へのインク流路となる連通管13を有するハウジング部材3とを有している。上述の液滴吐出機構部の保持基板7側に、成型体28を接合することで、インク滴吐出機構部へのインク供給路を形成する。なお、図6では4色全てのインク供給路を示している。
図7は、成型体28を接合した液滴吐出ヘッド1全体のノズル列と垂直な方向(幅方向)の断面図であり、(a)は図6のX1−X1’線における断面、(b)は図6のX2−X2’線における断面を示している。また、図8は、成型体28を接合した液滴吐出ヘッド1全体のノズル列方向の、図6のY−Y’線における断面図である。
成型体28の共通液室構成部材8は、矩形状の金属板16と長尺形状の包囲壁部材17とから構成されている。金属板16には、Y、M、C、Kの各色に対応して4個のスリット状開口18が形成されている。
金属板16の材料としては、ステンレンススチールが用いられて、プレス加工により形成される。金属板16には、スリット状開口18の延びる方向中央部にこのスリット状開口18を横断する隆起状骨部19が形成されている。
隆起状骨部19は、金属板16から起立されてスリット状開口18を間において対向する一対の起立壁部20aを有している。また、一対の起立壁部20aの頂部からスリット状開口18を横断する方向に屈曲されて、一対の起立壁部20aを互いに連結する頂壁部20bとを有している。頂壁部20bには、後述する連通管13を共通液室36と連通する貫通孔20cが形成されている。隆起状骨部19は、金属板16それ自体の強化を図る役割を果たす役割、連通管13を金属板16に据え付け固定する役割、包囲壁部材17の形状安定性を保つ役割を果たす。
図8に示すように、包囲壁部材17は、端部に向かって個別液室側に狭窄した形状の部材であり、金属板16と協働してその内部に共通液室36を構成している。包囲壁部材17の材料には、高分子材料である熱可塑性エラストマーが用いられている。包囲壁部材17の壁の厚さは、例えば0.1[mm]以上、0.3[mm]以下であり、そのヤング率は、例えば、2[MPa]以下である。包囲壁部材17は、金属板16をインサートして射出成形することにより金属板16と一体的な共通液室構成部材8に形成される。包囲壁部材17を形成する熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられるが、特に耐薬品性に優れたポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。
ハウジング部材3と連通管13とは、熱可塑性エラストマーとは異なる高分子材料、例えば、耐腐食性を有するポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂)を用いて、射出成形により共通液室構成部材8に一体的に形成される。ポリフェニレンサルファイドには、ガラス繊維が50重量%ないし60重量%程度充填されている。
これにより、金属板16の線膨張係数にポリフェニレンサルファイドの線膨張係数が極力近づけられ、金属板16とハウジング部材3との間の温度に起因する歪の発生の防止が図られ、金属板16が極力変形しない構造とされている。
連通管13は、その上部にインクタンク(不図示)に連通する開口13aが形成されていると共に、その下部に貫通孔20cを介して共通液室36内と連通する開口が形成されている。
この液滴吐出ヘッド1では、この成型体28を、上述の液滴吐出機構部の保持基板7側に、金属板16のスリット状開口18と保持基板7のインク流路35とが連通するよう接合する。インクは、図示しないインクタンクからハウジング部材3に形成された連通管13を通り、共通液室構成部材8で形成された共通液室36内に供給される。共通液室36から、保持基板7に設けられたインク流路35と、振動板6に形成されたインク供給口34としての振動板フィルタ(不図示)と、個別液室基板5に形成されたインク導入路33、流体抵抗部32を介して、個別液室31に供給される。そして、個別液室31の振動板6上に形成される圧電素子50を駆動することで生じる圧力により個別液室31に連通するノズル4aからインク滴として吐出される。
この液滴吐出ヘッド1は、包囲壁部材17の材料として変形可能な熱可塑性エラストマーが用いており、包囲壁部材17の共通液室36と反対側には空気貯留部38を有している。このため、包囲壁部材17の壁全体が液滴吐出時に個別液室31から伝播した圧力振動を吸収する共通液室36のダンパ膜としての役割を有している。
図9(a)は、包囲壁部材の図7(b)に示すD部分の拡大断面図、(b)は包囲壁部材の図7(b)に示すD部分の拡大上面図である。この包囲壁部材(ダンパ膜)17の共通液室36と反対側の面、すなわち空気貯留部37側の面には凹凸を有しており、凸部17aでは包囲壁部材(ダンパ膜)17の厚みが厚くなり、凹部17bではダンパ膜の厚みが薄くなる。この包囲壁部材(ダンパ膜)17では、厚みが薄い凹部17bでコンプライアンスを確保しつつ、厚みが厚い凸部17aで構造的な強度を得ることができる。すなわち、良好な弾性率を有する樹脂材料からなる可撓性エラストマーで形成した包囲壁部材(ダンパ膜)17のコンプライアンスをさらに向上させつつ、構造的な強度を得て耐久性を維持することができる。
包囲壁部材(ダンパ膜)17の共通液室36側の面には凹凸を形成していない。これは、共通液室36側の面には凹凸を形成した場合、凹凸が共通液室36内のインクの流れを妨げ、後述する気泡排出性が損なわれる虞がある。このため、共通液室36と反対側の空気貯留部37に対向する側に凹凸を形成することで、包囲壁部材(ダンパ膜)17の厚みが薄い部分と厚みが厚い部分とを有するようにしている。
図9の包囲壁部材(ダンパ膜)17の共通液室36と反対側の面に形成された凹凸はディンプル形状であり、凹部17bの内部は湾曲している。また、包囲壁部材(ダンパ膜)17は、金属板16と接合している面に対して立体的に膨出した形状となっている。この立体的に形成された屈曲部(稜線部)17cは形状維持のため厚みが厚い凸部17aに形成している。
図10(a)は、本実施形態の表面に凹凸を有する熱可塑性エラストマーからなる包囲壁部材(ダンパ膜)を製造するための型の一部分の拡大断面説明図である。また、図10(b)は型に射出された熱可塑性エラストマーの流れの説明図であり、図中矢印が熱可塑性エラストマーの流れを示している。なお、共通液室構成部材8、ハウジング部材3等からなる成型体28の製造工程及び型21、22については、後で詳細に説明するが、ここでは、表面に凹凸を有する熱可塑性エラストマーからなる包囲壁部材(ダンパ膜)17を製造する部分についてのみ説明する。一対の型21、22のうち、包囲壁部材(ダンパ膜)を製造するよう熱可塑性エラストマーを流し込む部分は、以下の形状となっている。すなわち、共通液室36と反対側の面を形成する型21には、ディンプル形状の凹凸が形成されており、共通液室36側の面を形成する型22は平坦になっている。これにより、熱可塑性エラストマーを流し込む部分の間隔は広い部分と間隙の狭い部分が形成される。この間隙の広い部分が厚みが厚い凸部17aを、間隔が狭い部分が厚みが薄い凹部17bを、包囲壁部材(ダンパ膜)17の共通液室36と反対側の面にそれぞれ形成する。
ここで、比較例として射出成型により熱可塑性エラストマーで厚みが一定のダンパ膜を形成する場合は、ダンパ膜を薄くしすぎると成型不良が発生する。これは、熱可塑性エラストマーを流す一対の型の間隙を全域で狭くするため、熱可塑性エラストマーの流れに対する抵抗が大きくなり、場所によって熱可塑性エラストマーが流れにくくなり厚さにムラを生じてしまうためである。ダンパ膜の厚みが一定の場合は、不具合が生じない厚さの下限値はおよそ150[μm]である。
一方、本実施形態の空気貯留部37側の面に凹凸を有する包囲壁部材(ダンパ膜)17を形成する場合は、図10(b)中の左側から流し込んだ熱可塑性エラストマーが、矢印に示すように流れる。すなわち、射出成型時に間隙が広い部分では容易に熱可塑性エラストマーが流れ、そこから分岐して間隙が狭い部分に熱可塑性エラストマーが流れ込むことができる。このため、包囲壁部材(ダンパ膜)17のコンプライアンス確保の主要部である最も薄い凹部の底でも薄肉部分が成型不良を生じることなく形成が可能である。なお、薄い部分は形状にもよるが、30〜100[μm]程度の膜厚を実現できる。一般的に、ダンパ膜のコンプライアンスは、厚さの3乗で寄与するため、本実施形態のダンパ膜17のコンプライアンスは均一な厚さに比べて10倍以上を確保でき、且つ、成型不具合を抑制できる。
また、液滴吐出ヘッド1では、インクカートリッジの交換時等にインクに気泡が混入することがある。インクに気泡が混入すると、圧電素子50を駆動してインクを昇圧しても所定の圧力にならずに吐出不良を引き起こす場合がある。このような吐出不良を抑制するために、液滴吐出ヘッド1内のインクに混入した気泡を排出すること不可欠となる。インクジェット記録装置の回復装置127の吸引手段(不図示)によりノズルから吸引することで排出している。
液滴吐出ヘッド1では、インクに混入した気泡を排出する際、吸引手段によりノズル4aから重力方向下方に向けてインクを吸引しており、インクより軽い気泡を共通液室36からインク流路35を介して下方の個別液室31に流して排出することになる。ここで、良好な気泡排出性を得るには、気泡を流しきるだけの流速とすることと、気泡が重力方向上部に滞留しない流路形状が必要となっている。
そこで、図6に示すように、共通液室構成部材8の金属板16のスリット状開口18の幅を端部にいくに従い小さくして、インクの流れと垂直な方向の断面積を小さくして流速を上げている。さらに、共通液室構成部材8の包囲壁部材(ダンパ膜)17は、端部に向かって個別液室31とは反対側の内壁面が個別液室31側に接近している。これにより、共通液室36は端部に向かって重力方向(図中Z方向)下方となる個別液室31側に狭窄する(以下、Z狭窄という)形状となっている(図8参照)。以下、このZ狭窄した部分をZ狭窄部という。
共通液室36では、連通管13を介して共通液室36内に供給されたインクが、共通液室36内をノズル列方向の端部に向かって流れていく。インクに混入した気泡がインクの流れで共通液室36の端部に押し出されたときに、端部がZ狭窄していることで、気泡は下方のインク流路35を介して個別液室31に向かって流れやすくなる。これにより、回復装置127の吸引手段(不図示)によるノズル4aからのインク吸引時に、優れた気泡排出性がえられる。
次に、上記液滴吐出ヘッドの製造工程について説明する。
まず、本実施形態の特徴的な構成である成型体28の製造方法について、図11〜図16に基づき、詳細に説明する。
図11〜図16は、共通液室構成部材8とハウジング部材3と連通管13との製造方法に用いる二色成形タイプの射出成形金型の概略構成を示す概要図である。図11〜図16において、符合21は固定型を示し、符合22は可動型を示している。可動型22には、固定型21と協働してハウジング部材3を形成すると共に金属板16をセットするための凹処22aと、隆起状骨部19の形成用のコマ部22bと、貫通孔20cの形成と連通管13の形成とに用いる凸部22cとが形成されている。また、固定型21の後述するコマ部と協働して包囲壁部材17を構成するコマ部(不図示)とが形成されている。
固定型21には、凹処22aと協働してハウジング部材3を形成すると共にコマ部22bと協働して連通管13を形成するコマ部21aが形成されている。コマ部21aにはコマ部22cが進入する凹処21bが形成されている。そのコマ部21aの先端部に包囲壁部材17形成用の凹処21cが形成されている。そのコマ部21aとコマ部21aとの間は仕切り壁を形成する凹処21dとなっている。
固定型21は、射出成形機(不図示)からの熱可塑性エラストマーを注入する熱可塑性エラストマー注入ノズル26に接続された包囲壁部材形成用固定型部21Aを備えている。また、射出成形機(不図示)からのハウジング部材構成用樹脂を注入するハウジング部材構成用樹脂注入ノズル27に接続されたハウジング部材形成用固定型部21Bとを備えている。
熱可塑性エラストマー注入ノズル26は凹処21cに連通されている。ハウジング部材構成用樹脂注入ノズル27は凹処22aと協働して後述のハウジング部材形成用キャビティを形成する部分とコマ部21aの凹処21bと仕切り壁形成用の凹処21dとに連通されている。
その可動型22と固定型21とは型締めされた状態で、回転軸Oを境にして180度対称位置に、共通液室構成部材8とハウジング部材3と連通管13とを一体成形する一対のキャビティを構成する。この一対のキャビティは同一形状であり、可動型22の凹処22aのいずれか一方は包囲壁部材形成用固定型部21Aに対向して、かつ、この包囲壁部材形成用固定型部21Aと協働して包囲壁部材形成用キャビティを構成する。可動型22の凹処22aのいずれか他方はハウジング部材形成用固定型部21Bに対向してかつこのハウジング部材形成用固定型部21Bと協働してハウジング部材形成用キャビティを構成する。その可動型22は、固定型21に対して離反・接近されると共に、固定型21に対して回転駆動される。その離反・接近機構、回転機構は公知であるので、その詳細な説明は省略する。予め、金属板16の表面は、エラストマーや樹脂と金属板16との密着性の向上を図るため、脱脂処理等の前処理が行なわれているものとする。
可動型22と固定型21とが図11に示すように型開きの状態で、固定型21の包囲壁部材形成用固定型部21Aに対向する可動型22のいずれか一方の凹処22aに、図12に示すように金属板16をセットする。そして、図13に示すように、可動型22を固定型21に接近させて型締めする。
ついで、図13に示すように、熱可塑性エラストマー注入ノズル26から金属板16がセットされている凹処22aと凹処21cとの協働により構成された包囲壁部材形成用キャビティに熱可塑性エラストマーを注入する。
その際、熱可塑性エラストマーは、隆起状骨部19を被覆するようにして凹処21cと凹処22aとに流れ込む。これにより、隆起状骨部19を中心として、金属板16に包囲壁部材17が一体的に形成される。従って、包囲壁部材17を熱可塑性エラストマー材料を用いて形成した場合でも、その形状の安定性が保たれる。これにより、金属板16と包囲壁部材17とが一体化された共通液室構成部材8が形成される。なお、包囲壁部材(ダンパ膜)17の共通液室36と反対側の面に凹凸を形成するよう、凹処21cの表面にディンプル形状の凹凸が形成されている(図10(a)参照)。
ついで、図14に示すように、可動型22を固定型21から離間させて型開きして、可動型22を回転軸Oを中心にして180度回転させる。これにより、共通液室構成部材8が形成された可動型22の一方の凹処22aをハウジング部材形成用固定型部21Bに対向させる。
これと同時に、その回転軸Oを中心とする可動型22の回転によって、金属板16がセットされておらずかつ包囲壁部材17も形成されていない可動型22の他方の凹処22aが、包囲壁部材形成用固定型部21Aに対向される。そして、この他方の凹処22aに金属板16をセットする。
ついで、図15に示すように、可動型22を固定型21に型締めして、ハウジング部材構成用樹脂注入ノズル27からPPS樹脂を共通液室構成部材8が形成されているハウジング部材形成用キャビティに注入する。これと共に、熱可塑性エラストマー注入ノズル26から熱可塑性エラストマーを金属板16がセットされている包囲壁部材形成用キャビティに注入する。
これにより、ハウジング部材形成用キャビティに共通液室構成部材8とハウジング部材3と連通管13とからなる成型体28が一体的に形成される。同時に、包囲壁部材形成用キャビティに金属板16と包囲壁部材17とからなる共通液室構成部材8が一体的に形成される。
ついで、可動型22を固定型21から離間させて、図16に示すようにハウジング部材3と連通管13と共通液室構成部材8とからなる成型体28を可動型22から離型させる。この一連の工程を繰り返すことにより、ハウジング部材3と連通管13と共通液室構成部材8とからなる成型体28が射出成形により連続的に形成される。
次に、液滴吐出ヘッド1の上記液滴吐出機構部の製造方法の一例を、製造工程を示す工程断面図である図17(a)〜(g)及び図18(a)〜(g)に従って説明する。
(1)個別液室基板5として、例えばシリコン基板を用いる。(図17(a))
この個別液室基板5上における振動板6を設ける以外の箇所に、マスクとしてのシリコン窒化膜をパターニングする。また、ポリシリコンとシリコン熱酸化膜形成手段(例えば、プラズマCVD法、パイロ酸化法等)によりポリシリコンとSiOの多層積層膜である振動板6を個別液室基板5上に形成する。(図17(b))
(2)次に、薄膜形成手段(例えば、ゾルゲル法、スパッタ法等)により、例えばPt,Ti,LaNiO(ニッケル酸ランタン)、SrRuO(ストロンチウムルテニウムオキサイド)からなる下部電極51の層を形成する。次に、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電体52の層を形成する。次に、例えばPt,LaNiO,SrRuOからなる上部電極53の層を形成する。(図17(c))
(3)次に、フォトリソグラフィ法により上部電極53、圧電体52、下部電極51を順次パターニングし、圧電素子50を形成する。(図17(d))
(4)次に、圧電素子50の放電防止のために第1絶縁膜55(例えば、Al)を全体に成膜する。(図17(e))
(5)アルミニウムからなる個別電極配線54bを所望の箇所に形成する。(図17(f))
(6)振動板6の変位の妨げにならないように上部電極53上を避けて圧電素子50の端部と下部電極51に、例えば、SiO,SiNからなる第2絶縁膜(パッシベーション)56を形成する。(図17(g))
(7)別途、次の手順で保持基板7を作成する。シリコン基板にリソエッチ法にて保持基板凹部した後、さらに隔壁部分を加工することで保持基板凸部を形成する。(図18(a))
(8)保持基板7に接着剤を塗布し、個別液室基板5の圧電素子50面に接合する。(図18(b))
(9)個別液室基板5の圧電素子形成面の反対側を所望の厚さまで研磨する。(図18(c))
(10)個別液室基板5の圧電素子形成面の反対側をICPドライエッチングによりエッチングし、個別液室31、流体抵抗部32、インク導入路33となる凹部を形成する。(図18(d))
(11)個別液室基板5の振動板6のインク供給口34に、ICPドライエッチングにより振動板フィルタを形成する。(図18(e))
(12)個別液室基板5の保持基板7との接合面側に設けた個別電極パッド57と共通電極パッド58に別途製作した駆動IC59をフリップチップ接合により実装し、封止材59aを流し込み絶縁をする。(図18(f))
(13)ダイシングにより、個別液室基板5をウエハ形状から所望の個片化した形状にする。
(14)別途SUSのプレス加工、研磨によるノズル4aを形成したノズル基板4を、個別液室基板5の凹部形成側に接合する。(図18(g))
以上の製造工程で製作した液滴吐出機構部の保持基板7に、別途製作した成型体28を接合する。
なお、本実施形態では、上記薄膜ピエゾヘッド方式の構成を用いて、液滴吐出ヘッドの液滴吐出機構部を説明したが、本発明は、薄膜ピエゾヘッド方式に限って実施可能な発明ではなく、他の方式の液滴吐出ヘッドであっても実施可能である。
以上説明したものは一例であり、本発明は次に態様ごとに特有の効果を奏する。
(態様A)
複数のノズル4aに連通する複数の個別液室31と、個別液室31に連通して液体を供給する共通液室36と、ノズル4aからインク滴などの液滴を吐出するよう個別液室に圧力変動を発生させる圧電素子50などの圧力発生手段と、共通液室36の壁面の一部を形成する変形可能なダンパ膜17と、ダンパ膜17を挟んで共通液室36と対向する空気貯留部37とを備えた液滴吐出ヘッド1である。この液滴吐出ヘッド1において、ダンパ膜17は高分子材料からなり、ダンパ膜の空気貯留部37に対向する面に凹凸を有する。
(態様A)においては、ダンパ膜を、金属材料に比べて弾性率の低い高分子材料から形成することで、良好なコンプライアンスが得られ易い。さらに、ダンパ膜の空気貯留部37に対向する面に凹凸を有するため、凸部のダンパ膜の厚みが厚い領域で構造的な強度を得て耐久性を確保しつつ、凹部のダンパ膜の厚みが薄い領域でコンプライアンスを向上させることができる。
(態様B)
(態様A)において、ダンパ膜を空気貯留部37側に突出する立体的な形状の包囲壁部材17などの部材で形成する。これによれば、ダンパ膜を立体的に形成することで、ダンパ膜の変動可能領域を広くして、よりコンプライアンスを向上させることができる。
(態様C)
(態様B)において、ダンパ膜の立体的な形状を形成する稜線部17cが相対的に厚みの大きい凸部17aである。これによれば、立体的形状で強度の必要な稜線部を凸部とすることで厚みを確保して、立体的形状を良好に維持することができる。
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)の何れかにおいて、ダンパ膜の凹部がディンプル形状である。これによれば、上記実施形態に示したように、凹部の底でも薄肉部分が成型不良を生じることなく、ダンパ膜の表面に容易に凹凸を形成できる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)の何れかにおいて、共通液室36の重力方向上部の壁面がダンパ膜17で形成されており、共通液室36内の液体の流れ方向に垂直な断面積が、流れ方向の下流側に行くに伴い小さくなるよう、ダンパ膜を個別液室31側に接近させる。これによれば、インクに混入した気泡がインクの流れで共通液室36の端部に押し出されたときに、端部が個別液室31側に接近していることで、気泡は下方の個別液室31に向かって流れやすくなる。これにより、優れた気泡排出性がえられる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)の何れかにおいて、ダンパ膜を形成する高分子材料として熱可塑性エラストマーを用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、ダンパ膜の良好なコンプライアンスと耐久性を確保して安定した吐出性能を得ることができる液滴吐出ヘッドが容易に具現化できる。
(態様G)
(態様A)乃至(態様F)の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置などの画像形成装置である。これによれば、長期に渡って、高品位な画像が得られる。
1 液滴吐出ヘッド
3 ハウジング部材
4 ノズル基板
5 個別液室基板
6 振動板
7 保持基板
8 共通液室構成部材
13 連通管
16 金属板
17 包囲壁部材
17a 凸部
17b 凹部
17c 稜線部
18 スリット状開口
19 隆起状骨部
21 成型体形成用型の固定型
21A 包囲壁部材形成用固定型部
21B ハウジング部材形成用固定型部
22 成型体形成用型の可動型
26 熱可塑性エラストマー注入ノズル
27 ハウジング部材構成用樹脂注入ノズル
28 成型体
31 個別液室
32 流体抵抗部
33 インク導入路
34 インク供給口
35 インク流路
36 共通液室
37 空気貯留部
50 圧電素子
51 下部電極
52 圧電体
53 上部電極
55 第1絶縁膜
56 第2絶縁膜
57 個別電極パッド
58 共通電極パッド
59 駆動IC
71 保護空間
72 空間
100 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
102 インクカートリッジ
103 印字機構部
105 トレイ
104 給紙カセット
106 排紙トレイ
127 回復装置
特許5171190号公報

Claims (7)

  1. 複数のノズルに連通する複数の個別液室と、該個別液室に連通して液体を供給する共通液室と、該ノズルから液滴を吐出するよう該個別液室に圧力変動を発生させる圧力発生手段と、該共通液室の壁面の一部を形成する変形可能なダンパ膜と、該ダンパ膜を挟んで該共通液室と対向する空気貯留部とを備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    上記ダンパ膜は高分子材料からなり、該ダンパ膜の上記空気貯留部に対向する面に凹凸を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 請求項1の液滴吐出ヘッドにおいて、上記ダンパ膜は上記空気貯留部側に突出する立体的な部材で形成されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項2の液滴吐出ヘッドにおいて、上記ダンパ膜の立体的な形状を形成する稜線部が相対的に厚みの大きい凸部であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項1乃至3の液滴吐出ヘッドにおいて、上記ダンパ膜の凹部がディンプル形状であることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至4の液滴吐出ヘッドにおいて、上記共通液室の重力方向上部の壁面が上記ダンパ膜で形成されており、該共通液室内の液体の流れ方向に垂直な断面積が、該流れ方向の下流側に行くに伴い小さくなるよう、該ダンパ膜を該個別液室側に接近させたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  6. 請求項1乃至5の何れかの液滴吐出ヘッドにおいて、上記ダンパ膜を形成する高分子材料として熱可塑性エラストマーを用いることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  7. 請求項1乃至6の何れかの液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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