JP6237433B2 - 半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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最初に、電子供給層にInAlNを用いた半導体装置について図1に基づき説明する。電子供給層にInAlNを用いた半導体装置は、図1に示すように、基板910の上に、不図示のバッファ層、i−GaNにより形成された電子走行層921、AlNにより形成された中間層922、InAlNにより形成された電子供給層923が積層されている。電子供給層923の上には、ゲート電極931、ソース電極932、ドレイン電極933が形成されている。電子供給層923が露出しているゲート電極931、ソース電極932、ドレイン電極933が形成されていない領域の電子供給層923の上には、SiN等により保護膜940が形成されている。尚、基板910は、半絶縁性のSiC基板により形成されており、電子走行層921において、電子走行層921と中間層922との界面近傍には、2DEG921aが生成されている。
次に、本実施の形態における半導体装置について図3に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、図3に示すように、基板10の上に、不図示のバッファ層、i−GaNにより形成された電子走行層21、AlNにより形成された中間層22、InAlNにより形成された電子供給層23が積層されている。電子供給層23の上には、ソース電極32及びドレイン電極33が形成されており、ゲート電極31は、電子供給層23の上に形成されたゲート絶縁膜となる絶縁膜50の上に形成されている。電子供給層23等が露出している領域の電子供給層23等の上には、SiN等により保護膜40が形成されている。本実施の形態においては、基板10は、半絶縁性のSiC基板により形成されており、電子走行層21と中間層22との界面近傍における電子走行層21には、2DEG21aが生成されている。尚、本実施の形態においては、電子走行層21を第1の半導体層、電子供給層23を第2の半導体層、中間層22を第3の半導体層と記載する場合がある。
ところで、InAlN等の窒化物半導体を酸化する方法としては、水蒸気を用いたH2O酸化、Oプラズマ酸化、酸素を用いた熱酸化等がある。酸素を用いた熱酸化では、酸化する際の温度が約600℃と比較的高温であるため、製造される半導体装置にダメージ等を与えてしまい好ましくない。水蒸気を用いたH2O酸化及びOプラズマ酸化は、酸化する際の温度が約300℃と比較的低温であるため、半導体装置にダメージを与えることなく、半導体装置を製造することができる。
次に、InAlNを水蒸気を用いたH2O酸化により酸化した場合は、InAlNをOプラズマ酸化により酸化した場合よりも、Al/In比の値が高くなることについて説明する。
次に、本実施の形態における半導体装置の特性について説明する。図6及び図7は、例えば、ソース電極またはドレイン電極の電位を0Vとして、ゲート電極における電位を変化させた場合に流れるゲートリーク電流の電流値の特性を示すものである。図6は、図3に示される本実施の形態における半導体装置の特性を示し、図7は、図1に示される半導体装置の特性を示す。図6及び図7に示されるように、本実施の形態における半導体装置においては、図1に示される半導体装置と比べて、ゲートリーク電流を3桁以上低くすることができ、ゲートリーク電流を低減させることができる。このように、本実施の形態における半導体装置においてゲートリーク電流が低くなるのは、本実施の形態における半導体装置には、ゲート電極31の直下に絶縁膜50が形成されているからである。
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図8から図13に基づき説明する。
(半導体装置)
次に、第2の実施の形態における半導体装置について図14に基づき説明する。本実施の形態における半導体装置は、図14に示すように、基板10の上に、不図示のバッファ層、i−GaNにより形成された電子走行層21、AlNにより形成された中間層22、InAlNにより形成された電子供給層23が積層されている。電子供給層23の上には、ソース電極32及びドレイン電極33が形成されており、ゲート電極31は、電子供給層23の上に形成されたゲート絶縁膜となる絶縁膜150の上のソース電極32側に形成されている。電子供給層23等が露出している領域の電子供給層23等の上には、SiN等により保護膜40が形成されている。尚、基板10は、半絶縁性のSiC基板により形成されており、電子走行層21において、電子走行層21と中間層22との界面近傍には、2DEG21aが生成されている。
また、最大発信周波数fmaxは、第1の実施の形態における半導体装置は、240(GHz)であるのに対し、第2の実施の形態における半導体装置は、270(GHz)である。よって、最大発信周波数fmaxは、第1の実施の形態における半導体装置よりも、第2の実施の形態における半導体装置の方が高い。従って、本実施の形態における半導体装置においては、周波数特性を向上させることができる。
次に、本実施の形態における半導体装置の製造方法について、図17から図22に基づき説明する。
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、半導体デバイス、電源装置及び高周波増幅器である。
本実施の形態における半導体デバイスは、第1または第2の実施の形態における半導体装置をディスクリートパッケージしたものであり、このようにディスクリートパッケージされた半導体デバイスについて、図23に基づき説明する。尚、図23は、ディスクリートパッケージされた半導体装置の内部を模式的に示すものであり、電極の配置等については、第1または第2の実施の形態に示されているものとは、異なっている。
次に、本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器について説明する。本実施の形態におけるPFC回路、電源装置及び高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態におけるいずれかの半導体装置を用いた電源装置及び高周波増幅器である。
次に、本実施の形態におけるPFC(Power Factor Correction)回路について説明する。本実施の形態におけるPFC回路は、第1または第2の実施の形態における半導体装置を有するものである。
次に、本実施の形態における電源装置について説明する。本実施の形態における電源装置は、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTを有する電源装置である。
次に、本実施の形態における高周波増幅器について説明する。本実施の形態における高周波増幅器は、第1または第2の実施の形態における半導体装置であるHEMTが用いられている構造のものである。
(付記1)
基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上にInAlNを含む材料により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の表面の一部を酸化することにより形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
前記第2の半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有することを特徴とする半導体装置。
(付記2)
前記絶縁膜は、前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気を用いて酸化することにより形成されたものであることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記絶縁膜は、前記ゲート電極の直下及び前記ゲート電極より前記ドレイン電極までの間の一部の領域に形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置。
(付記4)
前記絶縁膜は、XPSによる分析において、Al−Oが、In−Oよりも多く存在していることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の半導体装置。
(付記5)
前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間には、窒化物半導体により形成された第3の半導体層が設けられていることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の半導体装置。
(付記6)
前記第3の半導体層は、AlNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載の半導体装置。
(付記7)
前記第1の半導体層は、GaNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の半導体装置。
(付記8)
前記絶縁膜の厚さは、1nm以上、5nm以下であることを特徴とする付記1から7のいずれかに記載の半導体装置。
(付記9)
基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に、InAlNを含む材料により第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気により酸化し、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上にゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記絶縁膜を形成する工程は、前記基板の温度が150℃以上、550℃以下において行われることを特徴とする付記9に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第1の半導体層を形成する工程と前記第2の半導体層を形成する工程の間に、前記第1の半導体層の上に第3の半導体層を形成する工程を有し、
前記第2の半導体層を形成する工程において、前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層の上に形成されることを特徴とする付記9または10に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記絶縁膜を形成する工程は、
前記第2の半導体層の上に、絶縁膜が形成される領域に開口部を有するハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクを形成する工程の後、前記ハードマスクの開口部において露出している前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気により酸化し、絶縁膜を形成する工程と、
有し、
前記ハードマスクは、SiNを含む材料により形成されていることを特徴とする付記9から11のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
前記ハードマスクを形成する工程は、前記ソース電極及びドレイン電極を形成する工程の後に行われるものであって、
前記ハードマスクは、前記ソース電極及び前記ドレイン電極の上にも形成されていることを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記絶縁膜を形成する工程の後、前記ハードマスクをエッチングにより除去する工程を有することを特徴とする付記12または13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15)
前記ハードマスクを形成する工程は、
前記ハードマスク用絶縁膜を形成する工程と、
前記ハードマスク用絶縁膜の上に、前記ハードマスクの開口部となる領域に開口部を有するレジストパターンを形成する工程と、
前記レジストパターンの開口部において露出している前記ハードマスク用絶縁膜をエッチングにより除去する工程と、
前記レジストパターンを除去する工程と、
を含むものであることを特徴とする付記12から14のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記水蒸気による酸化は、水蒸気によるH2O酸化であることを特徴とする付記9から15のうちのいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記17)
付記1から8のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電源装置。
(付記18)
付記1から8のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする増幅器。
21 電子走行層(第1の半導体層)
21a 2DEG
22 中間層(第3の半導体層)
23 電子供給層(第2の半導体層)
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
40 保護膜
50 絶縁膜
Claims (8)
- 基板の上に窒化物半導体により形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層の上にInAlNを含む材料により形成された第2の半導体層と、
前記第2の半導体層の表面の一部を酸化することにより形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、
前記第2の半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、
を有し、
前記絶縁膜はIn−Oを含んでおり、前記絶縁膜には、Al−Oが、In−Oよりも多く存在していることを特徴とする半導体装置。 - 前記絶縁膜は、前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気を用いて酸化することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記絶縁膜は、前記ゲート電極の直下及び前記ゲート電極より前記ドレイン電極までの間の一部の領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記絶縁膜は、XPSによる分析において、Al−Oが、In−Oよりも多く存在していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間には、窒化物半導体により形成された第3の半導体層が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置。
- 基板の上に、窒化物半導体により第1の半導体層を形成する工程と、
前記第1の半導体層の上に、InAlNを含む材料により第2の半導体層を形成する工程と、
前記第2の半導体層の上に、ソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気により酸化し、絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜の上にゲート電極を形成する工程と、
を有し、
前記絶縁膜を形成する工程は、前記基板の温度が150℃以上、550℃以下において行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1の半導体層を形成する工程と前記第2の半導体層を形成する工程の間に、前記第1の半導体層の上に第3の半導体層を形成する工程を有し、
前記第2の半導体層を形成する工程において、前記第2の半導体層は、前記第3の半導体層の上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記絶縁膜を形成する工程は、
前記第2の半導体層の上に、絶縁膜が形成される領域に開口部を有するハードマスクを形成する工程と、
前記ハードマスクを形成する工程の後、前記ハードマスクの開口部において露出している前記第2の半導体層の表面の一部を水蒸気により酸化し、絶縁膜を形成する工程と、
有し、
前記ハードマスクは、SiNを含むものであることを特徴とする請求項6または7に記載の半導体装置の製造方法。
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