JP6236219B2 - 油冷式スクリュ圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は,油冷式スクリュ圧縮機に関する。
油冷式スクリュ圧縮機100は,図6に示すように噛み合い状態で回転するオスロータ110とメスロータ120から成る一対のスクリュロータを備えていると共に,この一対のスクリュロータを噛み合い状態で回転可能に収容するシリンダ131が内部に形成されたケーシング130を備えており,前記一対のスクリュロータがシリンダ131内で噛み合い回転して被圧縮気体を圧縮するときに作用空間内に潤滑油を供給することで,ロータ110,120間及びロータ110,120とシリンダ131内壁間の密封や冷却,潤滑を行うことができるように構成されている。
作用空間内に供給された潤滑油は,被圧縮気体と共に圧縮されて気液混合流体として油冷式スクリュ圧縮機100より吐出されると共に,これをレシーバタンク等の気液分離器(図示せず)に導入して圧縮気体と潤滑油とを分離した後,分離された潤滑油を冷却して再度,油冷式スクリュ圧縮機100に給油して循環使用する。
このように被圧縮気体を潤滑油と共に圧縮する油冷式スクリュ圧縮機100において,前述のシリンダ131は,ケーシング130内にオスロータ110とメスロータ120を水平方向に並べた状態で噛み合い回転可能に収容することができるよう,オスロータ収容部131aとなる円筒部と,メスロータ収容部131bとなる円筒部を一部分が重なり合うように平行に配置した,軸直交方向の断面が横向きの8の字状となる形状に形成されており,このシリンダ131のオスロータ収容部131aの底部内壁と,メスロータ収容部131bの底部内壁のそれぞれに給油口135,136を開口し,この給油口135,136を介してオスロータ収容部131aとメスロータ収容部131bのそれぞれに潤滑油を給油するように構成されている(特許文献1参照)。
なお,前掲の特許文献1では,前述の給油口135,136をオスロータ110及びメスロータ120それぞれの圧縮開始歯溝における先行歯先から,圧縮完了歯溝における後続歯先区間であって,長手方向中央もしくはその近傍に設けること,及び,オスロータ収容部131aとメスロータ収容部131bのそれぞれに対し給油を行うことにより,潤滑油の供給による冷却効率を向上させている(特許文献1[0018]〜[0020]欄)。
特開2001−153073号公報
油冷式スクリュ圧縮機100の駆動源(図示せず)としては,通常,モータやエンジンが使用されることから,油冷式スクリュ圧縮機100の吸気量や吐出圧力を低下させることなく,油冷式スクリュ圧縮機100の駆動時に生じる負荷を軽減することができれば,より少ない電力や燃料で効率的に圧縮気体が得られることから,このような負荷の軽減を実現するための各種の提案がなされている。
前掲の特許文献1に記載の発明も,このような発明の1つであり,前述のようにして給油を行うことで効率的な冷却が実現可能となり,これに伴い給油量を減らすことで,ロータが潤滑油を攪拌することにより生じる油攪拌損失を減少させている。
確かに特許文献1に記載されている発明のように,作用空間に供給する潤滑油量を減少させることができれば,潤滑油との接触抵抗,すなわち油攪拌損失の減少が期待できる。
しかし,特許文献1に記載されているようにオスロータ110とメスロータ120を水平方向に並べて配置すると共に,シリンダ131のオスロータ収容部131aとメスロータ収容部131bのそれぞれの底部に給油口135,136を設けて給油を行う構成を採用した場合(図6参照)には,潤滑油の給油量を減少することで回転時に生じる負荷を軽減することができたとしても,シリンダ131の底部,特に,オスロータ収容部131aの底部に油溜まりが形成されることで,この底部に溜まった潤滑油の「噛み込み」とでも言うべき現象によってロータ110,120,特に,オスロータ110の回転が大きな抵抗を受けることとなる。
すなわち,オスロータ110の歯溝113,メスロータ120の歯溝123,及びシリンダ131の内壁によって画成された作用空間(図6中の斜線部分)のうち,オスロータ110の前進側歯面112aとシリンダ内壁面とによって画成された部分は,オスロータ110の歯先112に向かって狭くなるくさび型の空間W1となっており,オスロータ110の歯先112が底部に溜まった潤滑油中を通過する時,オスロータ110は前進側歯面112aの持つカーブによって潤滑油を押し潰すようにして加圧しながら,くさび形の空間W1の先端部(狭まった部分)に噛み込むように回転するため,加圧された潤滑油がオスロータ110の回転に対して大きな抵抗を与えることとなる。
なお,図6に示す構成では,メスロータ収容部131bの底部にも同様に潤滑油は溜まっており,メスロータ120の歯先122が底部に溜まった潤滑油中を通過する際にも同様の原理によって抵抗を受けることとなる。
しかしながら,図6中において拡大図で示す必要があるように,メスロータ120の追従側歯面123bとシリンダ131内壁面との間に形成されるくさび型の空間W2は,オスロータ120の前進側歯面112aとシリンダ131内壁面との間に形成されるくさび型の空間W1に比較して遙かに小さく,くさびの先端部(狭まった部分)に集中しようとする潤滑油量が少ないこと,また,メスロータ120はオスロータ110よりも歯数が多いためオスロータ110よりも回転速度が遅いこと,通常,メスロータ120の外径はオスロータ110に比較して小さく設計されることから,メスロータ120の歯先122の周速度は,オスロータ110の歯先112の周速度に比較して遅いこと等とも相俟って,オスロータ110の歯先112が底部に溜まった潤滑油によって受ける抵抗に比較して,メスロータ120の歯先122が底部に溜まった潤滑油によって受ける抵抗は遙かに小さなものとなっている。
以上の点から,上記で説明した原理によってロータ,特にオスロータの回転時に加わる抵抗を減少することができれば,オスロータが回転時に受ける抵抗を大幅に減少することができ,その結果,油冷式スクリュ圧縮機の駆動に要する消費電力や燃料消費量を低減させて効率的に圧縮気体を得られることとなる。
そこで本発明は,ロータに対して必要な潤滑油の供給を可能としつつ,潤滑油との接触によりロータに加わる回転抵抗,特にオスロータに加わる回転抵抗を可及的に低減することのできる,油冷式スクリュ圧縮機を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1は,駆動源に連結されるオスロータ10及び該オスロータ10と噛み合って従動する,前記オスロータに比較して小さな外径を有するメスロータ20から成る一対のスクリュロータと,前記一対のスクリュロータを噛み合い回転可能に収容するシリンダ31が内部に形成されたケーシング30を備え,前記シリンダ31が,オスロータ収容部31aとなる円筒部とメスロータ収容部31bとなる円筒部とを平行に配置すると共に,前記オスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bの周方向における一部分を重ねて連通し,前記シリンダの軸直交方向の断面が略8の字状に形成され,前記シリンダ31内に潤滑油を給油して被圧縮気体を圧縮する油冷式スクリュ圧縮機1において,
前記シリンダ31の前記オスロータ収容部31aを前記メスロータ収容部31bに対し高所側に形成すると共に,前記オスロータ収容部31aの底部を前記メスロータ収容部31bと連通し,
前記シリンダ31内に潤滑油を供給する給油口35を,前記メスロータ収容部31bの長手方向における中間位置の内壁面にのみ開口し,前記オスロータ収容部の内壁面には開口することなく前記一対のスクリュロータの噛み合い回転により前記オスロータ収容部に対しても給油を行うことを特徴とする(請求項1)。
上記油冷式スクリュ圧縮機1において,前記オスロータ10の軸芯11を通る垂線VLが,前記オスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bとの境界に形成された2つ山形部32,33のうち何れか一方の山形部32の頂点32aを通る位置(図4参照)から,他方の山形部33の頂点33aを通る位置間にあるよう前記シリンダ31を形成することが好ましい(請求項2)。
また,前述の給油口35は,前記メスロータ収容部31bの底部Bを通過した後,前記オスロータと噛み合う前の前記メスロータ20の歯溝23の通過位置において前記メスロータ収容部31bの内壁面に開口するものとしても良く(請求項3),又は,
前記メスロータ収容部31bの底部Bにおける内壁面に開口するものとしても良い(請求項4)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1では,シリンダ31のオスロータ収容部31aはその底部においてメスロータ収容部31bと連通しているために,オスロータ収容部31aには潤滑油が溜まる底部が存在していない。
しかも,シリンダ31内に対する給油を,メスロータ収容部31bを介してのみ行い,オスロータ収容部31aに対する直接の給油を行わない構成とした結果,潤滑油がオスロータ10に対して与える回転負荷を大幅に減少することができた。
一方,メスロータ20によって掻き上げられた潤滑油がオスロータ10とメスロータ20との噛合部やオスロータ収容部31a内に対しても導入されることで,オスロータ10に対して必要な給油を確保することができた。
その結果,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1では,油冷式スクリュ圧縮機の機能を損なうことなく,駆動時の圧縮機の動力を約3%減少させることができ,油冷式スクリュ圧縮機1の駆動に必要な電力消費量,燃料消費量を低く抑えてより効率的に圧縮気体を得ることができた。
特に,オスロータ10の軸芯11を通る垂線VLが,前記オスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bとの境界に形成された2つ山形部32,33のうち何れか一方の山形部32の頂点32aを通る位置(図4参照)から,他方の山形部33の頂点33aを通る位置間にあるようにシリンダ31のオスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bとを配置した構成では,常に何れかの山形部32,33の頂点32a,33aがオスロータ収容部31aの最下端となるため,オスロータ収容部31aに油溜まりが生じることを確実に防止することができた。
シリンダ31に対する潤滑油の供給を,メスロータ収容部31bの底部Bを通過した後,前記オスロータと噛み合う前の前記メスロータ20の歯溝23の通過位置におけるメスロータ収容部31bの内壁面に開口した給油口35を介して行う構成(図2,図4参照)にあっては,給油口35がメスロータ収容部31bの底部Bに対し上方に形成されることにより,給油された潤滑油は直接底部Bに落下することができず,一旦メスロータ20によって掻き上げられて,オスロータ収容部31aやメスロータ収容部31bの内壁,オスロータ10及びメスロータ20の表面に付着すると共に,各部に付着した残りの潤滑油が重力により落下してメスロータ収容部31bの底部Bに溜まることとなるため,メスロータ収容部31bの底部Bに直接潤滑油を給油する場合に比較して底部Bに溜まる潤滑油量を減少させることができた。
その結果,メスロータ20が底部Bに溜まった潤滑油を攪拌する際に生じる回転抵抗についても減少させることができた。
本発明のスクリュ圧縮機の正面断面図。 図1のII−II線断面図。 図2に対する給油口位置の変更例を示す説明図。 図2に対する各部の位置関係の変更例を示す説明図。 増速装置を備えた本発明のスクリュ圧縮機の正面断面図。 従来のスクリュ圧縮機の説明図(軸直交断面)。
以下に,添付図面を参照しながら本発明の油冷式スクリュ圧縮機について説明する。
図1中の符号1は,本発明の油冷式スクリュ圧縮機であり,この油冷式スクリュ圧縮機1は,オスロータ10及びメスロータ20から成る一対のスクリュロータと,前記スクリュロータを収容するシリンダ31が内部に形成されたケーシング30を備えている。
このケーシング30内に形成するシリンダ31は,図2に示すように,オスロータ収容部31aとなる円筒部と,メスロータ収容部31bとなる円筒部を周方向の一部分が重なり合うように平行に配置,組み合わせた,シリンダの軸直交方向の断面において略8の字状に形状されており,前述のオスロータ10とメスロータ20とを噛み合わせた状態で共にシリンダ31内に収容することができるようになっている。
図示の例では,メスロータ20に対し大径に形成されたオスロータ10を収容することができるよう,メスロータ収容部31bに対し,オスロータ収容部31aの径を大きく形成しているが,例えばメスロータとオスロータを同径に形成し,従って,オスロータ収容部とメスロータ収容部についても同径に形成した油冷式スクリュ圧縮機に対し本発明を適用するものとしても良い。
シリンダ31内に収容されたオスロータ10とメスロータ20は,相互に噛み合った状態で逆向きに回転することができるよう,図1に示すように各ロータ10,20の両端に設けられたロータ軸10a,10b;20a,20bのそれぞれをケーシング30内に設けた軸受41〜44によって回転可能に軸支すると共に,オスロータ10又はメスロータ20の一方のロータ軸,図示の例ではオスロータ10の吸入側のロータ軸10aに対し,図示せざるモータやエンジン等の駆動源からの回転駆動力を入力することができるように構成されている。
図1に示す実施形態にあっては,このような駆動源からの回転駆動力の入力を可能とするために,オスロータ10の吸入側ロータ軸10aの一端にギヤカップリング50の一方の構成要素であるインナーギヤ51を取り付けると共に,駆動源の出力軸(図示せず)に連結されたフライホイール60に,前記ギヤカップリング50の他方の構成要素であるアウターギヤ52を取り付け,このアウターギヤ52をオスロータ20の吸入側ロータ軸10aに取り付けたインナーギヤ51と噛合させることで油冷式スクリュ圧縮機1を駆動できるようにしている。
なお,図1に示す例では,オスロータ10の吸入側ロータ軸10aと図示せざる駆動源の出力軸との連結を,ギヤカップリング50及びフライホイール60を介して行う構成としているが,駆動源とロータ軸間の連結は,図1に示す構成に限定されず,駆動源で発生した回転駆動力を入力できるものであれば他の連結手段や動力伝達手段を介して,又は,例えば駆動源の出力軸とオスロータ10の吸入側ロータ軸10aを同一部材で形成する等,このよう連結手段や動力伝達手段を介さずに直接連結する構成を採用しても良い。
一例として,図5に示す実施形態では,図1を参照して説明した構成に加えて,更にケーシング30内にギヤ室71を形成し,このギヤ室71内に駆動ギヤ72と従動ギヤ73を収容して形成された増速装置70を設けている。
そして,この増速装置70の駆動ギヤ72に設けた入力軸74を,カップリング50及びフライホイール60を介して図示せざる駆動源の出力軸に連結すると共に,従動ギヤ73をオスロータ10の吸入側ロータ軸10aに取り付けて,駆動源からの回転駆動力を増速してオスロータ10の吸入側ロータ軸10aに入力することができるようにしている。
このように,オスロータ10及びメスロータ20を噛み合い回転可能に収容したシリンダ30の吸入側端部は吸入通路34と連通されており,この吸入通路34を介してシリンダ31内に導入された被圧縮気体をロータ10,20の噛み合い回転によって圧縮することができるようになっており,このような油冷式スクリュ圧縮機が備える基本構造については,図6を参照して説明した従来の油冷式スクリュ圧縮機と同様である。
図6を参照して説明した従来の油冷式スクリュ圧縮機100にあっては,オスロータ110の軸芯111と,メスロータ120の軸芯121とが水平方向に並んだ配置となるように,シリンダ131のオスロータ収容部131aとメスロータ収容部131bについても水平方向に並んだ,軸直交方向の断面において横向き8の字状となるように配置した構成を採用すると共に,シリンダ131内に対する給油を,オスロータ収容部131aの底部と,メスロータ収容部131bの底部にそれぞれ設けた給油口135,136を介して行う構成となっていた。
これに対し,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1にあっては,シリンダ31のオスロータ収容部31aをメスロータ収容部31bに対し高所側に配置して,オスロータ収容部31aが,その底部においてメスロータ収容部31bと連通するように構成すると共に,シリンダ31内に対する給油を,メスロータ収容部31bの内壁面において開口する給油口35を介してのみ行う構成とした。
前述の給油口35は,メスロータ収容部31bを介してシリンダ31内に潤滑油を供給することができるものであればメスロータ収容部31bの内壁面のいずれの位置に開口するものとしても良い。
一例として,図2に示す例では,給油口35をメスロータ収容部31bの内壁のうち,前記メスロータ収容部31bの底部Bを通過した後,前記オスロータ10と噛み合う前の前記メスロータ20の歯溝23が通過する位置で,オスロータ10の軸芯11とメスロータ20の軸芯21を結ぶ線に対し直交方向に開口するように設けており,この位置に給油口35を設ける場合には,メスロータ収容部31bの底部Bに溜まる潤滑油量を減少させることが可能となり,メスロータ20の歯先22が底部Bに溜まった潤滑油を攪拌する際に受ける抵抗についても低減させることができる。
すなわち,メスロータ収容部20の底部Bに給油口35を設けて給油を行う場合には,給油によって底部Bに直接潤滑油が溜まり,この底部に溜まった潤滑油をメスロータ20の歯先22が掻き上げることによってシリンダ31の内壁やオス・メスロータ10,20の表面に対する潤滑油の拡散が行われる。
これに対し,図2に示すように底部Bを通過した後,オスロータ10と噛合する前のメスロータ20の歯溝23の通過位置において潤滑油を供給する構成では,給油口35は底部Bよりも高所に設けられることとなり,給油口35を介して給油された潤滑油は,直接,底部Bに溜まることができずに,一旦,メスロータ20の追従側歯面23bによって掻き上げられ,シリンダ31の内壁,オスロータ10やメスロータ20の表面に付着して油膜を形成し,このような油膜の形成に使用された後の,残余の潤滑油が重力により落下してメスロータ収容部31bの底部Bに溜まる。
そのため,同量の給油を行った場合であっても,メスロータ収容部31bの底部Bに直接給油口35を開口して給油する場合に比較して,底部Bに溜まる潤滑油量を少なくすることができ,その結果,メスロータ20の歯先22がメスロータ収容部31bの底部Bに溜まった潤滑油中を通過する際に受ける抵抗を減らすことができ,スクリュロータの回転抵抗をより一層低減することができる。
もっとも,前述したようにオスロータ10に比較して,メスロータ20の歯先が底部Bに溜まった潤滑油中を通過する際に受ける抵抗は小さいことから,図3に示すように給油口35をメスロータ収容部31bの底部Bで開口させるものとしても良い。
なお,図2,3に示す例では,シリンダ31のオスロータ収容部31aをメスロータ収容部31bの真上に形成して,オスロータ10の軸芯11とメスロータ20の軸芯21が同一垂線VL上に配置されるようにした構成例を示したが,オスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bの配置は,オスロータ収容部31aに油溜まりとなる底部が形成されない構成であれば,図2及び図3に示した配置に限定されず,図4に示すように,オスロータ10の軸芯11を通る垂線VLが,オスロータ収容部31aとメスロータ収容部31bの境界部分に形成された2つの山形部32,33の頂点32a,33a間の範囲内であれば図2及び図3に示した配置に対し傾斜させた配置とすることも可能である。
シリンダ31の傾きが前述した範囲内であれば,常に何れかの山形部32,33の頂点32a,33aがオスロータ収容部31aの内壁面中,最下端にあることとなるため,オスロータ収容部31aの内壁を伝って落下する潤滑油は,オスロータ収容部31a内に留まることができずにメスロータ収容部31bに落下する。
その結果,オスロータ収容部31aには油溜まりが形成されることがなく,オスロータ10の歯先12が油溜まり内を通過することも無いため,オスロータ10が回転時に潤滑油を噛み込むことで受ける負荷を確実に低下させることができる。
以上のように構成された本発明の油冷式スクリュ圧縮機1において,運転時にはメスロータ収容部31bの内壁面に開口した給油口35を介して,メスロータ20の歯溝23とメスロータ収容部内壁で区画された,図2,3中に斜線で示した作用空間内に潤滑油が給油される。この潤滑油は,メスロータ20の回転によって上方へ掻き上げられて飛沫となり,オスロータ10とメスロータ20の噛み合い部へ給油されると共に,オスロータ10の歯溝13とオスロータ収容部31aの内壁とによって区画された作用空間に対しても給油される。
この給油により,オス・メス両ロータ10,20間の潤滑や密封,ロータ10,20とシリンダ31内壁間の密封,ロータ10,20や圧縮空気の冷却が行われる。
給油された潤滑油のうち重力により落下したものはメスロータ収容部31bの底部Bに溜まり,メスロータ20の追従側歯面23bによって吐出側へ搬送され,圧縮気体と共に図示せざる吐出口を介してシリンダ31外へ吐出される。
オスロータ収容部31aは,その底部においてメスロータ収容部31bと連通しているため,オスロータ収容部31aには油溜まりとなる底部が存在しておらず,しかも,オスロータ収容部31aに対する給油は前述したようにメスロータ収容部31bを介して間接的に行われ,オスロータ収容部31aに対する直接の給油は行われていないことから,オスロータ10の前進側歯面12aとシリンダ31の内壁面とによって画成された比較的大きなくさび形の空間W1内には比較的少量の潤滑油しか存在せず,潤滑油の噛み込みによってオスロータ10が受ける回転抵抗は僅かである。
なお,オスロータ10とメスロータ20の噛み合い部分は,ロータの軸線方向に連なるシール線を形成し,このシール線は圧縮過程にある作用空間と吸い込み過程にある作用空間の仕切り線となっている。
そのため,シール線を挟んで隣接する作用空間同士には圧力差が生じており,噛み合い部に導入された潤滑油は,圧縮過程にある作用空間のシール線近傍に集まりつつ,圧縮過程にある作用空間から吸い込み過程にある作用空間へと圧縮気体と潤滑油が激しく流れ込もうとしている。
圧縮過程にある作用空間のシール線近傍では,オスロータの歯面とメスロータの歯面によりくさび状の空間が形成されており,このくさび状の空間内にある潤滑油は,オスロータ10の歯面によって噛み込まれ,押しつぶされるように回転方向へ移動することから,オス,メス両ロータ10,20の噛み合い部に形成されたこのくさび状空間部に集まる潤滑油の量が多い場合にも,潤滑油がオス及びメスロータ10,20の回転に対し大きな抵抗を与えることとなるために消費動力の増大をもたらす。
しかし,本発明の油冷式スクリュ圧縮機1の構成では,オスロータ10に対し直接の給油を行っておらず,オスロータ10に対する給油量自体が少ないこと,オスロータ収容部31aに導入された潤滑油は重力によりメスロータ収容部へ流下するため,オスロータ収容部31a内には必要以上の潤滑油が存在できないこと,油溜まりとなっているメスロータ収容部31bの底部Bに対し,噛み合い部が十分に高い位置にあること等から,図6を参照して説明した従来の油冷式スクリュ圧縮機100の構造を採用する場合に比較して,噛み合い部に対して供給される潤滑油量についても減少させることができるものとなっており,この点においても本発明の油冷式スクリュ圧縮機1ではオス・メスロータ10,20の回転抵抗を小さくすることが可能で,より一層の消費動力の低減が実現できるものとなっている。
1 油冷式スクリュ圧縮機
10 オスロータ
10a 吸入側ロータ軸
10b 吐出側ロータ軸
11 軸芯(オスロータの)
12 歯先
12a 前進側歯面
12b 追従側歯面
13 歯溝
20 メスロータ
21 軸芯(メスロータの)
22 歯先
23 歯溝
23a 前進側歯面
23b 追従側歯面
30 ケーシング
31 シリンダ
31a オスロータ収容部
31b メスロータ収容部
32,33 山形部
32a,33a 頂点(山形部32,33の)
34 吸入通路
35 給油口
41〜44 軸受
50 カップリング(ギヤカップリング)
51 インナーギヤ
52 アウターギヤ
60 フライホイール
70 増速装置
71 ギヤ室
72 駆動ギヤ
73 従動ギヤ
74 入力軸
VL 垂線
B 底部(メスロータ収容部の)
W1,W2 くさび型の空間
100 油冷式スクリュ圧縮機
110 オスロータ
111 軸芯(オスロータの)
112 歯先
112a 前進側歯面
113 歯溝
120 メスロータ
121 軸芯(メスロータの)
122 歯先
123 歯溝
123b 追従側歯面
130 ケーシング
131 シリンダ
131a オスロータ収容部
131b メスロータ収容部
134 吸入通路
135,136 給油口

Claims (4)

  1. 駆動源に連結されるオスロータ及び該オスロータと噛み合って従動する,前記オスロータに比較して小さな外径を有するメスロータから成る一対のスクリュロータと,前記一対のスクリュロータを噛み合い回転可能に収容するシリンダが内部に形成されたケーシングを備え,前記シリンダが,オスロータ収容部となる円筒部とメスロータ収容部となる円筒部とを平行に配置すると共に,前記オスロータ収容部とメスロータ収容部の周方向における一部分を重ねて連通し,前記シリンダの軸直交方向の断面が略8の字状に形成され,前記シリンダ内に潤滑油を供給して被圧縮気体を圧縮する油冷式スクリュ圧縮機において,
    前記シリンダの前記オスロータ収容部を前記メスロータ収容部に対し高所側に形成すると共に,前記オスロータ収容部の底部を前記メスロータ収容部と連通し,
    前記シリンダ内に潤滑油を供給する給油口を,前記メスロータ収容部の長手方向における中間位置の内壁面にのみ開口し,前記オスロータ収容部の内壁面には開口することなく前記一対のスクリュロータの噛み合い回転により前記オスロータ収容部に対しても給油を行うことを特徴とする油冷式スクリュ圧縮機。
  2. 前記オスロータの軸芯を通る垂線が,前記オスロータ収容部とメスロータ収容部との境界に形成された2つ山形部のうち何れか一方の山形部の頂点を通る位置から,他方の山形部の頂点を通る位置間にあるよう前記シリンダを形成したことを特徴とする請求項1記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  3. 前記給油口を,前記メスロータ収容部の底部を通過した後,前記オスロータと噛み合う前の前記メスロータの歯溝の通過位置において前記メスロータ収容部の内壁面に開口したことを特徴とする請求項1又は2記載の油冷式スクリュ圧縮機。
  4. 前記給油口を,前記メスロータ収容部の底部の内壁面に開口したことを特徴とする請求項1又は2記載の油冷式スクリュ圧縮機。
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