JP2001153073A - 給油式スクリュー圧縮機 - Google Patents
給油式スクリュー圧縮機Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧縮過程を等温圧縮に近づけることができ、
また、ロータによる油撹拌損失を低減して圧縮効率が向
上する給油式スクリュー圧縮機を提供する。 【解決手段】 交差する二つのボア４２、４３で形成さ
れた空間の一方の側に連通する吸入口２４、及び他方の
側に連通する吐出口２３を有するケーシング１１と、複
数の歯先及び歯先間に存在する複数の歯溝が螺旋状に形
成された雄雌一対のロータ１３、１４とを備え、この一
対のロータ１３、１４がボア内に噛み合った状態で納め
られ、ケーシング１１に給油ノズルを備えたスクリュー
圧縮機において、給油ノズル２５、２６を、圧縮開始歯
溝における先行歯先から圧縮完了歯溝における後続歯先
区間であって、雄雌歯溝の長手方向中央もしくはその近
傍に設ける。
また、ロータによる油撹拌損失を低減して圧縮効率が向
上する給油式スクリュー圧縮機を提供する。 【解決手段】 交差する二つのボア４２、４３で形成さ
れた空間の一方の側に連通する吸入口２４、及び他方の
側に連通する吐出口２３を有するケーシング１１と、複
数の歯先及び歯先間に存在する複数の歯溝が螺旋状に形
成された雄雌一対のロータ１３、１４とを備え、この一
対のロータ１３、１４がボア内に噛み合った状態で納め
られ、ケーシング１１に給油ノズルを備えたスクリュー
圧縮機において、給油ノズル２５、２６を、圧縮開始歯
溝における先行歯先から圧縮完了歯溝における後続歯先
区間であって、雄雌歯溝の長手方向中央もしくはその近
傍に設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、作動室に油を噴射
する給油式スクリュー圧縮機に関する。
する給油式スクリュー圧縮機に関する。
【０００２】
【従来の技術】給油式スクリュー圧縮機においては、圧
縮空気の冷却、ロータすきまのシール及び潤滑のため、
ケーシングにある給油ノズルから作動室に油を噴射して
いる。従来、特公昭４５−１９６７１号公報に記載のよ
うに、油噴射は作動室の高圧側ボア交差位置から高圧端
面方向に噴射していた。この方法は、スクリュー圧縮機
特有の高圧作動室から低圧作動室への吹出口を介した漏
れ防止を主目的とするものであった。
縮空気の冷却、ロータすきまのシール及び潤滑のため、
ケーシングにある給油ノズルから作動室に油を噴射して
いる。従来、特公昭４５−１９６７１号公報に記載のよ
うに、油噴射は作動室の高圧側ボア交差位置から高圧端
面方向に噴射していた。この方法は、スクリュー圧縮機
特有の高圧作動室から低圧作動室への吹出口を介した漏
れ防止を主目的とするものであった。
【０００３】また、特開平９−１５１８７０号公報に記
載のように、給油ノズルによる油噴射速度成分をボア部
の軸心方向以外、すなわち回転方向と反対の方向を向い
た円周方向速度成分をも有するように向け、油の作動室
の空気中を飛行している時間を長くして冷却効果が上げ
るようにしているが、給油ノズルの位置については特に
述べられていない。
載のように、給油ノズルによる油噴射速度成分をボア部
の軸心方向以外、すなわち回転方向と反対の方向を向い
た円周方向速度成分をも有するように向け、油の作動室
の空気中を飛行している時間を長くして冷却効果が上げ
るようにしているが、給油ノズルの位置については特に
述べられていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】近年、スクリュー圧縮
機は歯形の改良が進み、吹出口の面積が従来に比べ大幅
に減少してきた。そのため、従来の油噴射は吹出口から
の漏れ防止が主な対策課題であったのに対して、それ以
外のロータ回りのすきまシールや圧縮空気の冷却を考慮
した油噴射方法が必要となってきた。特に、ロータの加
工精度の向上からロータすきまは従来に比べて小さくな
り、このため油によるシールの重要性が低下し、最近で
は圧縮空気の冷却が最も重要な課題となってきた。
機は歯形の改良が進み、吹出口の面積が従来に比べ大幅
に減少してきた。そのため、従来の油噴射は吹出口から
の漏れ防止が主な対策課題であったのに対して、それ以
外のロータ回りのすきまシールや圧縮空気の冷却を考慮
した油噴射方法が必要となってきた。特に、ロータの加
工精度の向上からロータすきまは従来に比べて小さくな
り、このため油によるシールの重要性が低下し、最近で
は圧縮空気の冷却が最も重要な課題となってきた。
【０００５】油噴射により冷却、シール、及び潤滑の３
作用が行われるが、潤滑及びシールには多量の油は不必
要で、多量の油は空気の冷却に必要なものである。多量
の油は空気の冷却という最大の効果を持ち合わせるが、
反面、ロータによる油撹拌損失という弊害がある。そこ
で圧縮機の圧縮効率を向上させるには、少量の油噴射で
効率よく圧縮空気を冷却し、等温圧縮により近づけるこ
とが重要である。
作用が行われるが、潤滑及びシールには多量の油は不必
要で、多量の油は空気の冷却に必要なものである。多量
の油は空気の冷却という最大の効果を持ち合わせるが、
反面、ロータによる油撹拌損失という弊害がある。そこ
で圧縮機の圧縮効率を向上させるには、少量の油噴射で
効率よく圧縮空気を冷却し、等温圧縮により近づけるこ
とが重要である。
【０００６】本発明の目的は、圧縮過程を等温圧縮に近
づけることができ、また、ロータによる油撹拌損失を低
減して圧縮効率が向上する給油式スクリュー圧縮機を提
供することにある。
づけることができ、また、ロータによる油撹拌損失を低
減して圧縮効率が向上する給油式スクリュー圧縮機を提
供することにある。
【０００７】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る給油式スクリュー圧縮機の発明の構成
は、交差する二つのボアで形成された空間の一方の側に
連通する吸入口、及び他方の側に連通する吐出口を有す
るケーシングと、複数の歯先及び歯先間に存在する複数
の歯溝が螺旋状に形成された雄雌一対のロータとを備
え、この一対のロータがボア内に噛み合った状態で納め
られ、前記ケーシングに給油ノズルを備えたスクリュー
圧縮機において、前記給油ノズルを、圧縮開始歯溝にお
ける先行歯先から圧縮完了歯溝における後続歯先区間で
あって、雄雌歯溝の長手方向中央もしくは長手方向中央
の近傍に設けるものである。
に、本発明に係る給油式スクリュー圧縮機の発明の構成
は、交差する二つのボアで形成された空間の一方の側に
連通する吸入口、及び他方の側に連通する吐出口を有す
るケーシングと、複数の歯先及び歯先間に存在する複数
の歯溝が螺旋状に形成された雄雌一対のロータとを備
え、この一対のロータがボア内に噛み合った状態で納め
られ、前記ケーシングに給油ノズルを備えたスクリュー
圧縮機において、前記給油ノズルを、圧縮開始歯溝にお
ける先行歯先から圧縮完了歯溝における後続歯先区間で
あって、雄雌歯溝の長手方向中央もしくは長手方向中央
の近傍に設けるものである。
【０００８】上記目的を達成するために、本発明に係る
給油式スクリュー圧縮機の他の発明の構成は、給油ノズ
ルを、圧縮空気温度と油噴射温度と概略等しい位置であ
って、雄、雌歯溝の長手方向中央に設けるものである。
給油式スクリュー圧縮機の他の発明の構成は、給油ノズ
ルを、圧縮空気温度と油噴射温度と概略等しい位置であ
って、雄、雌歯溝の長手方向中央に設けるものである。
【０００９】より詳細には、雌ロータ歯数が雄ロータ歯
数より多い歯数組合せのロータであって、雌ロータ側噴
射ノズルの給油量が雄ロータ側噴射ノズルの給油量と同
等、もしくは大きいものである。
数より多い歯数組合せのロータであって、雌ロータ側噴
射ノズルの給油量が雄ロータ側噴射ノズルの給油量と同
等、もしくは大きいものである。
【００１０】また、雌ロータ歯数が雄ロータ歯数より多
い歯数組合せのロータであって、雌ロータ側噴射ノズル
の面積が雄ロータ側噴射ノズルの面積と同等、もしくは
大きいものである。
い歯数組合せのロータであって、雌ロータ側噴射ノズル
の面積が雄ロータ側噴射ノズルの面積と同等、もしくは
大きいものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、給油式スクリュー圧縮機
のシステム全体の構成図で、図中の圧縮機本体は本発明
に係るスクリュー圧縮機の第１の実施例の縦断面図を示
し、図２は図１のＡ−Ａ断面図を示す。
を参照して説明する。図１は、給油式スクリュー圧縮機
のシステム全体の構成図で、図中の圧縮機本体は本発明
に係るスクリュー圧縮機の第１の実施例の縦断面図を示
し、図２は図１のＡ−Ａ断面図を示す。
【００１２】同図において、圧縮機本体１の吐出側は、
配管２によってレシーバタンク３と連結され、さらにレ
シーバタンク３の上部からはオイルセパレータ４、アフ
タークーラ５の順に配管６、７によってそれぞれ連結さ
れている。レシーバタンク３の下部は油溜めになってお
り、オイルクーラ８を介し、圧縮機本体１と配管９、１
０で連結されている。
配管２によってレシーバタンク３と連結され、さらにレ
シーバタンク３の上部からはオイルセパレータ４、アフ
タークーラ５の順に配管６、７によってそれぞれ連結さ
れている。レシーバタンク３の下部は油溜めになってお
り、オイルクーラ８を介し、圧縮機本体１と配管９、１
０で連結されている。
【００１３】圧縮機本体１はＭケーシング１１とＤケー
シング１２との分割ケーシングからなり、Ｍケーシング
１１には雄ロータ１３と雌ロータ１４とが噛合って収ま
っている。雄、雌ロータ１３、１４の両端は、吸込側ラ
ジアル軸受１５ａ、１５ｂ及び吐出側ラジアル軸受１６
ａ、１６ｂで支持され、吐出側にはスラスト荷重を受け
るスラスト軸受１７ａ、１７ｂを設けている。吐出側軸
受１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂはＤカバー１８、吸
込側軸受１５ａ、１５ｂはＳカバー１９で覆われ、吸込
側雄ロータ１３軸には外部と遮断するメカニカルシール
２０が設けてある。Ｄケーシング１２には吐出通路２１
が形成され、Ｍケーシング１１には吸込通路２２、吐出
ポート２３及び吸込ポート２４が形成されている。さら
に、Ｍケーシング１１には、雄側給油ノズル２５及び雌
側給油ノズル２６が形成されている。
シング１２との分割ケーシングからなり、Ｍケーシング
１１には雄ロータ１３と雌ロータ１４とが噛合って収ま
っている。雄、雌ロータ１３、１４の両端は、吸込側ラ
ジアル軸受１５ａ、１５ｂ及び吐出側ラジアル軸受１６
ａ、１６ｂで支持され、吐出側にはスラスト荷重を受け
るスラスト軸受１７ａ、１７ｂを設けている。吐出側軸
受１６ａ、１６ｂ、１７ａ、１７ｂはＤカバー１８、吸
込側軸受１５ａ、１５ｂはＳカバー１９で覆われ、吸込
側雄ロータ１３軸には外部と遮断するメカニカルシール
２０が設けてある。Ｄケーシング１２には吐出通路２１
が形成され、Ｍケーシング１１には吸込通路２２、吐出
ポート２３及び吸込ポート２４が形成されている。さら
に、Ｍケーシング１１には、雄側給油ノズル２５及び雌
側給油ノズル２６が形成されている。
【００１４】図３は、図２のＣ−Ｃ断面図で、雄ロータ
１３及び雌ロータ１４は、それぞれ５枚の螺旋状の雄歯
３１、３２、３３、３４、３５と、及び６枚の螺旋状の
雌歯３６、３７、３８、３９、４０、４１とで形成さ
れ、噛み合った状態で雄ボア４２、雌ボア４３に収まっ
ている。
１３及び雌ロータ１４は、それぞれ５枚の螺旋状の雄歯
３１、３２、３３、３４、３５と、及び６枚の螺旋状の
雌歯３６、３７、３８、３９、４０、４１とで形成さ
れ、噛み合った状態で雄ボア４２、雌ボア４３に収まっ
ている。
【００１５】図４は、図３の雄ボア４２及び雌ボア４３
の内面展開図で、図中のｍ０〜ｍ４、ｆ０〜ｆ４は図３
のｍ０〜ｍ４、ｆ０〜ｆ４に相当する位置である。ま
た、二点鎖線で示す３１ａ〜４１ａは、それぞれ図３の
雄ロータ１３、雌ロータ１４の螺旋状雄歯３１〜３５及
び雌歯３６〜４１の歯先の展開線を示す。雄歯３１ａと
３５ａ及び雌歯３６ａと４１ａとによってそれぞれ囲ま
れた歯溝は、圧縮を開始する歯溝（以下、圧縮開始歯溝
と称する。）で、回転とともに容積を縮小する。それゆ
え、これら歯溝の３５ａ及び４１ａは先行歯先、３１ａ
及び３６ａは後続歯先と、以下、称する。
の内面展開図で、図中のｍ０〜ｍ４、ｆ０〜ｆ４は図３
のｍ０〜ｍ４、ｆ０〜ｆ４に相当する位置である。ま
た、二点鎖線で示す３１ａ〜４１ａは、それぞれ図３の
雄ロータ１３、雌ロータ１４の螺旋状雄歯３１〜３５及
び雌歯３６〜４１の歯先の展開線を示す。雄歯３１ａと
３５ａ及び雌歯３６ａと４１ａとによってそれぞれ囲ま
れた歯溝は、圧縮を開始する歯溝（以下、圧縮開始歯溝
と称する。）で、回転とともに容積を縮小する。それゆ
え、これら歯溝の３５ａ及び４１ａは先行歯先、３１ａ
及び３６ａは後続歯先と、以下、称する。
【００１６】図４では、吸込ポート２４は後続歯先３１
ａ、３６ａと一致し、回転が進み３１ａと３５ａ及び３
６ａと４１ａとにそれぞれ囲まれた歯溝の先行歯先３５
ａ及び４１ａが、吐出ポート２３と一致すると吐出を開
始する。３１ａと３５ａ及び３６ａと４１ａとにそれぞ
れ囲まれた歯溝は一つの作動室２９を形成するが、本実
施例では便宜上、ボア交差線（ｍ０、ｆ０；ｍ４、ｆ
４）を境に、雄側を雄歯溝、雌側を雌歯溝と定義する。
給油ノズル２５及び２６は、圧縮開始歯溝の先行歯先か
ら圧縮完了歯溝の後続歯先の区間にあり、雄歯溝の長手
方向中央線上２７に雄側給油ノズル２５、同様に雌歯溝
の長手方向中央線上２８に雌側給油ノズル２６をそれぞ
れ設けている。
ａ、３６ａと一致し、回転が進み３１ａと３５ａ及び３
６ａと４１ａとにそれぞれ囲まれた歯溝の先行歯先３５
ａ及び４１ａが、吐出ポート２３と一致すると吐出を開
始する。３１ａと３５ａ及び３６ａと４１ａとにそれぞ
れ囲まれた歯溝は一つの作動室２９を形成するが、本実
施例では便宜上、ボア交差線（ｍ０、ｆ０；ｍ４、ｆ
４）を境に、雄側を雄歯溝、雌側を雌歯溝と定義する。
給油ノズル２５及び２６は、圧縮開始歯溝の先行歯先か
ら圧縮完了歯溝の後続歯先の区間にあり、雄歯溝の長手
方向中央線上２７に雄側給油ノズル２５、同様に雌歯溝
の長手方向中央線上２８に雌側給油ノズル２６をそれぞ
れ設けている。
【００１７】次に、上記構成の給油式スクリュー圧縮機
の動作について説明する。雄ロータ１３がモータなどに
よって駆動されると、雄ロータ１３と噛み合う雌ロータ
１４も回転する。これにより吸込通路２２から吸込ポー
ト２４を介して空気を吸い込み、作動室２９の容積の減
少により圧縮を行う。圧縮中は給油ノズル２５、２６か
ら油を噴射し、圧縮過程を等温圧縮に近づける。圧縮機
本体１から吐出された空気には多量の油が含まれてお
り、レシーバタンク３で空気と油との一次分離を行う。
さらに、オイルセパレータ４で空気と油との２次分離を
行い、アフタークーラ５で高圧空気を冷却し、油のない
クリーンな高圧空気として使用される。レシーバタンク
３での空気と油との一次分離によって分離された油は重
力で落下する。レシーバタンク３の下部は油溜めとなっ
ており、レシーバタンク３内の圧力と圧縮機本体１の給
油位置との圧力差で圧縮機本体１へ給油される。
の動作について説明する。雄ロータ１３がモータなどに
よって駆動されると、雄ロータ１３と噛み合う雌ロータ
１４も回転する。これにより吸込通路２２から吸込ポー
ト２４を介して空気を吸い込み、作動室２９の容積の減
少により圧縮を行う。圧縮中は給油ノズル２５、２６か
ら油を噴射し、圧縮過程を等温圧縮に近づける。圧縮機
本体１から吐出された空気には多量の油が含まれてお
り、レシーバタンク３で空気と油との一次分離を行う。
さらに、オイルセパレータ４で空気と油との２次分離を
行い、アフタークーラ５で高圧空気を冷却し、油のない
クリーンな高圧空気として使用される。レシーバタンク
３での空気と油との一次分離によって分離された油は重
力で落下する。レシーバタンク３の下部は油溜めとなっ
ており、レシーバタンク３内の圧力と圧縮機本体１の給
油位置との圧力差で圧縮機本体１へ給油される。
【００１８】次に、給油ノズル２５、２６の設定位置に
ついて説明する。まず、圧縮開始歯溝の先行歯先以降に
設ける理由は、給油温度と吸込空気温度との差で生じる
吸気加熱防止のためである。通常、空気温度は０〜４０
℃程度、給油温度は５０〜７０℃程度であり、圧縮開始
歯溝の先行歯先以前に給油ノズル２５、２６を設けると
空気を加熱し、体積効率及び全断熱効率を低下させる。
一方、圧縮開始歯溝の先行歯先以降であれば吸込行程が
終了しており、体積効率の低下は生じない。しかし、体
積効率は低下しないものの、圧縮初期においては給油温
度の方が高く、この間は空気温度が加熱され、動力の増
大につながる。そのため、全断熱効率を考慮すると、さ
らに圧縮が進み、空気温度が給油温度に概略等しいとき
に設けることが好ましい。
ついて説明する。まず、圧縮開始歯溝の先行歯先以降に
設ける理由は、給油温度と吸込空気温度との差で生じる
吸気加熱防止のためである。通常、空気温度は０〜４０
℃程度、給油温度は５０〜７０℃程度であり、圧縮開始
歯溝の先行歯先以前に給油ノズル２５、２６を設けると
空気を加熱し、体積効率及び全断熱効率を低下させる。
一方、圧縮開始歯溝の先行歯先以降であれば吸込行程が
終了しており、体積効率の低下は生じない。しかし、体
積効率は低下しないものの、圧縮初期においては給油温
度の方が高く、この間は空気温度が加熱され、動力の増
大につながる。そのため、全断熱効率を考慮すると、さ
らに圧縮が進み、空気温度が給油温度に概略等しいとき
に設けることが好ましい。
【００１９】また、給油ノズル２５、２６を圧縮完了歯
溝の後続歯先以前に設けるのは、給油による等温圧縮へ
の有効性に依存するもので、圧縮完了歯溝の後続歯先以
降に設けた場合は、吐出行程中に給油する区間が生じ、
給油のための差圧が逆転する。仮に、給油ポンプを設け
た場合でも圧縮動力に対して無効となる。本実施例のよ
うに、油ポンプを使用せず圧力差で給油する場合は、必
要給油量を確保するため、内部圧の低いところに設けた
方がより好ましい。以上が、給油ノズルの圧縮作動区間
を設定する理由である。
溝の後続歯先以前に設けるのは、給油による等温圧縮へ
の有効性に依存するもので、圧縮完了歯溝の後続歯先以
降に設けた場合は、吐出行程中に給油する区間が生じ、
給油のための差圧が逆転する。仮に、給油ポンプを設け
た場合でも圧縮動力に対して無効となる。本実施例のよ
うに、油ポンプを使用せず圧力差で給油する場合は、必
要給油量を確保するため、内部圧の低いところに設けた
方がより好ましい。以上が、給油ノズルの圧縮作動区間
を設定する理由である。
【００２０】次に、圧縮作動区間内での位置の設定理由
について説明する。圧縮作動区間においては、さらに雄
雌それぞれの歯溝の長手方向中央線上に各々給油ノズル
２５、２６を設ける。一つの歯溝、例えば、歯先３４
ａ、３５ａ及び４０ａ、４１ａにより構成され歯溝は、
ロータ噛合い部ｍ０、ｆ０においては雄雌歯同士が入り
組み、また、くの字に形成されている。このため、一個
所の給油では歯溝での油の拡散がスムーズに行われず、
圧縮空気の冷却を効率よく冷却することができない。効
率よく冷却するには雄、雌歯溝のそれぞれに給油する必
要があり、油の拡散を効率よくするには、雄雌歯溝のそ
れぞれの長手方向中央もしくは長手方向中央の近傍から
給油することが最善策である。
について説明する。圧縮作動区間においては、さらに雄
雌それぞれの歯溝の長手方向中央線上に各々給油ノズル
２５、２６を設ける。一つの歯溝、例えば、歯先３４
ａ、３５ａ及び４０ａ、４１ａにより構成され歯溝は、
ロータ噛合い部ｍ０、ｆ０においては雄雌歯同士が入り
組み、また、くの字に形成されている。このため、一個
所の給油では歯溝での油の拡散がスムーズに行われず、
圧縮空気の冷却を効率よく冷却することができない。効
率よく冷却するには雄、雌歯溝のそれぞれに給油する必
要があり、油の拡散を効率よくするには、雄雌歯溝のそ
れぞれの長手方向中央もしくは長手方向中央の近傍から
給油することが最善策である。
【００２１】図５は、本発明に係るスクリュー圧縮機の
第２の実施例で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図であ
る。本実施例は、それぞれ２個の雄給油ノズル２５ａ、
２５ｂ、雌給油ノズル２６ａ、２６ｂを、歯溝中央線上
に設けたものである。すなわち、雄雌給油ノズル２５
ａ、２５ｂ及び２６ａ、２６ｂが歯溝中央線上それぞれ
に２個ある場合は、噴射区間が長く広範囲となり、より
空気の冷却性能を高めることができる。一つの給油ノズ
ルから噴射された油は、ロータ歯数が雄５枚、雌６枚の
ロータであれば雄ロータ回転角７２°の間で積極的に冷
却されるが、それ以降は空気はロータ歯に接触移動する
だけで、空気の冷却性能が低減する。しかし、２個の雄
給油ノズル２５ａ、２５ｂ、雌給油ノズル２６ａ、２６
ｂを歯溝中央線上に設けることにより、圧縮空気の冷却
性能の低減量を少なくすることができる。なお上記理由
から、雄雌給油ノズルは３個もしくはそれ以上設けるこ
とにより冷却性能がさらに向上することは明らかであ
る。
第２の実施例で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図であ
る。本実施例は、それぞれ２個の雄給油ノズル２５ａ、
２５ｂ、雌給油ノズル２６ａ、２６ｂを、歯溝中央線上
に設けたものである。すなわち、雄雌給油ノズル２５
ａ、２５ｂ及び２６ａ、２６ｂが歯溝中央線上それぞれ
に２個ある場合は、噴射区間が長く広範囲となり、より
空気の冷却性能を高めることができる。一つの給油ノズ
ルから噴射された油は、ロータ歯数が雄５枚、雌６枚の
ロータであれば雄ロータ回転角７２°の間で積極的に冷
却されるが、それ以降は空気はロータ歯に接触移動する
だけで、空気の冷却性能が低減する。しかし、２個の雄
給油ノズル２５ａ、２５ｂ、雌給油ノズル２６ａ、２６
ｂを歯溝中央線上に設けることにより、圧縮空気の冷却
性能の低減量を少なくすることができる。なお上記理由
から、雄雌給油ノズルは３個もしくはそれ以上設けるこ
とにより冷却性能がさらに向上することは明らかであ
る。
【００２２】図６は、本発明に係るスクリュー圧縮機の
第３の実施例で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図であ
る。本実施例は、雌ロータ１４側の給油ノズル２６の面
積を、雄ロータ１３側の給油ノズル２５の面積より大き
くしたものである。雌ロータ１４の歯数が雄ロータ１３
の歯数より多い歯数組み合せのロータでは、雌ロータ１
４側への給油量を雄ロータ１３側より多めにするのが空
気の冷却性能を高めるのに有効である。これはロータ周
速の違いが冷却性能に影響するからであり、雌ロータ１
４の方がロータ周速が小さく、より圧縮中での冷却時間
が長くできるためである。そのため本実施例は、雌ロー
タ１４側での給油量を多めにするため、雌ロータ１４側
の給油ノズル面積を、雄ロータ１３側より大きくするも
のである。
第３の実施例で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図であ
る。本実施例は、雌ロータ１４側の給油ノズル２６の面
積を、雄ロータ１３側の給油ノズル２５の面積より大き
くしたものである。雌ロータ１４の歯数が雄ロータ１３
の歯数より多い歯数組み合せのロータでは、雌ロータ１
４側への給油量を雄ロータ１３側より多めにするのが空
気の冷却性能を高めるのに有効である。これはロータ周
速の違いが冷却性能に影響するからであり、雌ロータ１
４の方がロータ周速が小さく、より圧縮中での冷却時間
が長くできるためである。そのため本実施例は、雌ロー
タ１４側での給油量を多めにするため、雌ロータ１４側
の給油ノズル面積を、雄ロータ１３側より大きくするも
のである。
【００２３】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮中の高温空気を効
率的に冷却することによって圧縮過程を等温圧縮に近づ
け、また、効率的に冷却することができるため給油量を
減少することができ、これらにより、ロータによる油撹
拌損失を低減することが可能となって、圧縮効率が向上
する給油式スクリュー圧縮機を提供することができる。
率的に冷却することによって圧縮過程を等温圧縮に近づ
け、また、効率的に冷却することができるため給油量を
減少することができ、これらにより、ロータによる油撹
拌損失を低減することが可能となって、圧縮効率が向上
する給油式スクリュー圧縮機を提供することができる。
【図１】給油式スクリュー圧縮機のシステム全体の構成
図である。
図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図２のＣ−Ｃ断面図である。
【図４】図３の雄ボア及び雌ボアの内面展開図である。
【図５】本発明に係るスクリュー圧縮機の第２の実施例
で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図である。
で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図である。
【図６】本発明に係るスクリュー圧縮機の第３の実施例
で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図である。
で、雄ボア及び雌ボアの内面展開図である。
１…圧縮機本体 ３…レシーバタンク ４…オイルセパレータ ５…アフタークーラ ８…オイルクーラ １１…Ｍケーシング １２…Ｄケーシング １３…雄ロータ １４…雌ロータ ２１…吐出通路 ２２…吸込通路 ２３…吐出口 ２４…吸込口 ２５…雄側の給油ノズル ２６…雌側の給油ノズル ２７…雄歯溝の長手方向中央 ２８…雌歯溝の長手方向中央 ３１〜３５…雄歯 ３６〜４１…雌歯 ４２…雄ボア ４３…雌ボア
フロントページの続き (72)発明者 田中 英晴 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所産業機器グループ内 (72)発明者 高野 正彦 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所産業機器グループ内 Ｆターム(参考） 3H029 AA03 AA17 AA21 AB02 BB01 BB12 BB16 BB41 BB42 BB43 CC01 CC05 CC32 CC48
Claims (5)
- 【請求項１】 交差する二つのボアで形成された空間の
一方の側に連通する吸入口、及び他方の側に連通する吐
出口を有するケーシングと、複数の歯先及び歯先間に存
在する複数の歯溝が螺旋状に形成された雄雌一対のロー
タとを備え、この一対のロータがボア内に噛み合った状
態で納められ、前記ケーシングに給油ノズルを備えたス
クリュー圧縮機において、 前記給油ノズルを、圧縮開始歯溝における先行歯先から
圧縮完了歯溝における後続歯先区間であって、雄雌歯溝
の長手方向中央に設けることを特徴とする給油式スクリ
ュー圧縮機。 - 【請求項２】 交差する二つのボアで形成された空間の
一方の側に連通する吸入口、及び他方の側に連通する吐
出口を有するケーシングと、複数の歯先及び歯先間に存
在する複数の歯溝が螺旋状に形成された雄雌一対のロー
タとを備え、この一対のロータがボア内に噛み合った状
態で納められ、前記ケーシングに給油ノズルを備えたス
クリュー圧縮機において、 前記給油ノズルを、圧縮空気温度と油噴射温度と概略等
しい位置であって、雄、雌歯溝の長手方向中央に設ける
ことを特徴とする給油式スクリュー圧縮機。 - 【請求項３】 雌ロータ歯数が雄ロータ歯数より多い歯
数組合せのロータであって、雌ロータ側噴射ノズルの給
油量が雄ロータ側噴射ノズルの給油量と同等、もしくは
雌ロータ側噴射ノズルの給油量が雄ロータ側噴射ノズル
の給油量より大きいものであることを特徴とする請求項
１もしくは２に記載の給油式スクリュー圧縮機。 - 【請求項４】 雌ロータ歯数が雄ロータ歯数より多い歯
数組合せのロータであって、雌ロータ側噴射ノズルの面
積が雄ロータ側噴射ノズルの面積と同等、もしくは雌ロ
ータ側噴射ノズルの面積が雄ロータ側噴射ノズルの面積
より大きいものであることを特徴とする請求項１もしく
は２に記載の給油式スクリュー圧縮機。 - 【請求項５】 交差する二つのボアで形成された空間の
一方の側に連通する吸入口、及び他方の側に連通する吐
出口を有するケーシングと、複数の歯先及び歯先間に存
在する複数の歯溝が螺旋状に形成された雄雌一対のロー
タとを備え、この一対のロータがボア内に噛み合った状
態で納められ、前記ケーシングに給油ノズルを備えたス
クリュー圧縮機において、 前記給油ノズルを、圧縮開始歯溝における先行歯先から
圧縮完了歯溝における後続歯先区間であって、雄雌歯溝
の長手方向中央の近傍に設けることを特徴とする給油式
スクリュー圧縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33302899A JP2001153073A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 給油式スクリュー圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33302899A JP2001153073A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 給油式スクリュー圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001153073A true JP2001153073A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18261472
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33302899A Pending JP2001153073A (ja) | 1999-11-24 | 1999-11-24 | 給油式スクリュー圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001153073A (ja) |
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- 1999-11-24 JP JP33302899A patent/JP2001153073A/ja active Pending
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