JP6235194B1 - 無線起爆雷管、無線起爆システム、及び無線起爆方法 - Google Patents

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Abstract

無線起爆雷管(10)は、起爆側受信アンテナ(11)と起爆側送信アンテナ(18)と起爆部(14)と起爆側電子回路とを有している。起爆側受信アンテナ(11)は、起爆側電子回路駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取る。起爆側電子回路は、起爆側受信アンテナ(11)を介してエネルギー、制御信号及び起爆信号を受け取り起爆側送信アンテナ(18)を介して応答信号を送信し起爆信号に基づいて起爆部(14)に点火する。応答信号の応答周波数が、100MHz以上1GHz以下に設定されている。

Description

本発明は、トンネルの掘削等にて使用する爆薬に取り付ける無線起爆雷管、当該無線起爆雷管を用いた無線起爆システム、及び当該無線起爆雷管を用いた無線起爆方法に関する。
トンネルの掘削現場等における従来の爆破作業では、掘削面である切羽面に装薬孔を複数削孔する。装薬孔は、例えば径が数[cm]、掘削方向である深さが数[m]程度である。各装薬孔に無線で起爆させることができる無線起爆雷管と爆薬とを装填する。切羽面から離れた遠隔位置に起爆操作機と起爆操作機側アンテナを設ける。起爆操作機と起爆操作機側アンテナを用いて制御信号及び起爆信号を無線で送信する。無線からの信号に基づいて爆薬を爆破させる。このような発破工法として種々な発破工法が開示されている。
起爆操作機側アンテナの周囲に磁界もしくは電界が発生する。無線起爆雷管は、アンテナを有しており、前記磁界もしくは電界を利用して、無線方式で起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け取る。さらに無線起爆雷管は、無線の制御信号(ID要求信号や電子回路準備開始信号を含む)及び起爆信号を受信して起爆する。従って、無線起爆雷管用アンテナは、いくつかの性能が要求される。1つ目は、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け取ることができる性能です。2つ目は、無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる性能です。3つ目は、受信した制御信号に対する応答信号を、起爆操作機に向けて効率良く送信することができる性能です。
例えば特開2014−134298号公報(298号公報)には、円筒状にコイルを巻回した起爆側アンテナ(無線起爆雷管用アンテナに相当)を備えた無線起爆雷管が記載されている。起爆側アンテナは、円筒状の軸方向が装薬孔の軸方向に一致するように、装薬孔内に配置されている。
特開平8−219700号公報(700号公報)には、受信コイル(無線起爆雷管用アンテナに相当)を有する受信起爆装置(無線起爆雷管に相当)が記載されている。受信コイルは、受信起爆装置の長手方向を軸とした場合の当該軸回りに巻回された導電線を含んでいる。
特開2001−330400号公報(400号公報)には、受信コイル(無線起爆雷管用アンテナに相当)を備えた無線起爆雷管が記載されている。受信コイルは、起爆操作機側アンテナから無線で送信された交流磁界エネルギーを受け取る。
特開2001−153598号公報(598号公報)には、受信コイル(無線起爆雷管用アンテナに相当)を備えた無線雷管ユニット(無線起爆雷管に相当)が記載されている。受信コイルは、起爆操作機側アンテナから無線で送信された交流磁界エネルギーを受け取る。
特開2013−019605号公報(605号公報)には、起爆操作機側アンテナと起爆側アンテナ(無線起爆雷管用アンテナに相当)を備えた無線起爆システムが開示されている。起爆操作機側アンテナは、起爆操作機の送信用アンテナと受信用アンテナを兼ねている。起爆側アンテナは、無線起爆雷管の送信用アンテナと受信用アンテナを兼ねている。
例えば図5に示すように、起爆操作機側送信アンテナ60は、トンネルの内壁に沿って複数回巻回されている。起爆操作機側送信アンテナ60は、切羽面41から距離L1だけ離れた位置においてトンネル内壁に張られている。起爆操作機側送信アンテナ60の周囲に発生する磁界の方向は、図3において一点鎖線で示すように、巻回された起爆操作機側送信アンテナ60の中央部の近傍では、切羽面41にほぼ直交する(この場合、Z軸方向)。しかし、巻回された起爆操作機側送信アンテナ60の中央部から離れた縁部の近傍における磁界の方向は、切羽面41に直交する方向に対して大きく湾曲している。つまり、図5の例において、巻回された起爆操作機側送信アンテナ60の中央近傍となる装薬位置P2bでは、磁界の方向の成分がほぼZ軸方向のみであるので、この位置ではZ軸方向を軸として導電線が巻回されたアンテナで効率良く前記エネルギーと制御信号及び起爆信号を受け取ることができる。
しかし、図5の例において、巻回された起爆操作機側送信アンテナ60の縁部の近傍となる位置である、例えば装薬位置P3cでは、磁界の方向は、X軸方向の成分とY軸方向の成分とZ軸方向の成分を有している。しかもZ軸方向の成分の大きさは、X軸方向の成分の大きさ及びY軸方向の成分の大きさよりも小さくなる場合がある。従って、例えば装薬位置P3cの位置では、Z軸方向を軸として導電線が巻回されたアンテナでは効率良く前記エネルギーを受け取ることができない。さらに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができない可能性もある。
298号公報及び700号公報に記載の発明では、無線起爆雷管用アンテナの導電線は円筒状に巻回されて円筒の軸方向が装薬孔の軸方向(すなわち図5におけるZ軸方向)に沿うように装薬孔内に配置されている。従って、巻回された起爆操作機側アンテナの中央部の近傍における無線起爆雷管用アンテナは、効率良く前記エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。しかし巻回された起爆操作機側アンテナの縁部における無線起爆雷管用アンテナは、効率良く前記エネルギーを受け取ることができないとともに、無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができない可能性がある。
400号公報及び598号公報に記載の発明では、無線起爆雷管用アンテナである受信コイルにおける導電線の巻回方向に関する記載が見当たりません。298号公報及び700号公報と同様、導電線が円筒状に巻回されたアンテナであると考えられる。
605号公報に記載の発明では、起爆操作機における起爆操作機側アンテナが送信と受信を兼ねている。無線起爆雷管における起爆側アンテナが送信と受信を兼ねている。起爆操作機から送信して無線起爆雷管で受信する制御信号及び起爆信号の周波数(操作周波数)と、無線起爆雷管から送信して起爆操作機で受信する応答信号の周波数(応答周波数)は、異なっている。操作周波数は、無線起爆雷管への無線による給電(点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーの受け渡し)を効率よく行い、かつ定在波の発生を防止するために、100[KHz]〜500[KHz]とすることが好ましい。しかし、アンテナを兼用とするためには、操作周波数の使用帯域に対して、効率よく送受信が可能となる応答周波数の使用帯域が限られる。そのため無線起爆システムを利用する現場の状況に応じて自由に応答周波数を選定することができない。例えば現場の状況に応じて、効率よく送受信できる応答周波数が異なる場合がある。
したがって起爆操作機側アンテナと無線起爆雷管用アンテナの位置関係の影響によらず、より効率良く起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を受け取ることができるとともに、応答信号の応答周波数の選定の自由度が高く、応答信号を効率良く送信することが可能であり、かつ、より小型化が可能な無線起爆雷管、当該無線起爆雷管を用いた無線起爆システム、及び当該無線起爆雷管を用いた無線起爆方法が従来必要とされている。
本発明の1つの特徴によると無線起爆雷管は、起爆側電子回路、起爆側受信アンテナ、起爆側送信アンテナ、起爆部を有する。起爆側受信アンテナは、無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取る。起爆側送信アンテナは、無線方式で、制御信号に対する応答信号を送信する。起爆側電子回路は、起爆側受信アンテナを介して、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取り、起爆側送信アンテナを介して応答信号を送信し、起爆信号に基づいて起爆部に点火する。起爆側送信アンテナから送信される応答信号の周波数である応答周波数が、100MHz以上1GHz以下に設定されている。
起爆側受信アンテナと起爆側送信アンテナを兼用にすると、使用する操作周波数の帯域と応答周波数の帯域によっては、アンテナが大型化してしまう可能性がある。これに対して本特徴では、受信専用の起爆側受信アンテナと送信専用の起爆側送信アンテナを別々とする。そのためアンテナが大型化されることを回避できる。また送信専用の起爆側送信アンテナを有する。そのため起爆側受信アンテナに影響を与えることなく、応答周波数の選定の自由度が高い。応答信号の周波数を100[MHz]以上かつ1[GHz]以下に設定する。これにより起爆側送信アンテナを、より小型化することができるとともに、効率良く応答信号を送信することができる。
他の特徴によると、起爆側送信アンテナが、無線起爆雷管の起爆側受信アンテナの外部に突出した場所に配置され、且つ、起爆側受信アンテナと接しないように位置する。したがって小型化した起爆側送信アンテナを、無線起爆雷管と一体化することができるので使用しやすい。また、無線起爆雷管と起爆側送信アンテナを別体で構成して別体アンテナ接続用の導電線で無線起爆雷管と起爆側送信アンテナとを接続した場合と比較して、無線起爆雷管と起爆側送信アンテナとを一体化した場合では、例えば装薬孔に無線起爆雷管を装填する際、別体アンテナ接続用の導電線の断線等を回避することができる。
他の特徴によると、所定方向をZ軸、Z軸に直交する軸をX軸、Z軸とX軸との双方に直交する軸をY軸とする。起爆側受信アンテナは、Z軸回りかつ第1磁性体の周囲に、導電線が巻回されたZ軸用受信アンテナと、X軸回りかつ第2磁性体の周囲に、導電線が巻回されたX軸用受信アンテナと、Y軸回りかつ第3磁性体の周囲に、導電線が巻回されたY軸用受信アンテナとを含んでいる。
したがってZ軸用受信アンテナは、図5におけるZ軸方向の磁界成分に対して効率良くエネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。X軸用受信アンテナは、X軸方向の磁界成分に対して効率良く前記エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。Y軸用受信アンテナは、Y軸方向の磁界成分に対して効率良く前記エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。起爆側受信アンテナは、3つのアンテナを有する。これにより1種類の起爆側受信アンテナにて、切羽面におけるいずれの位置に削孔された装薬孔であっても、より効率良くエネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。
他の特徴によると、無線起爆雷管は、筒状ケースに収容され、所定長さを有する導電体で形成されて起爆側送信アンテナからの送信を補う送信補助アンテナを有している。送信補助アンテナは、リード部と誘導部とを有している。誘導部は、送信補助アンテナの一方端であって、筒状ケースの一部における外側または内側の少なくとも一方に取り付けられている。リード部は、送信補助アンテナの他方端であって、筒状ケースから離れるように延ばされている。送信補助アンテナは、起爆側送信アンテナに非接続とされている。
例えば無線起爆雷管が装薬孔に装填された場合、装薬孔の奥に配置された起爆側送信アンテナからの送信信号が岩盤に遮断されるような状況であっても、起爆側送信アンテナからの送信信号を誘導部にて非接触で受信してリード部から送信する。これにより起爆側送信アンテナからの送信を補うことができる。また、送信補助アンテナは起爆側送信アンテナに接続されていないので、装薬孔に静電気や(周囲の高圧電線等からの)漏洩電流や(何らかの原因により地中を流れている)迷走電流があって、これらを送信補助アンテナが拾ってしまった場合であっても、起爆側送信アンテナを介して起爆側電子回路に伝わることを防止できる。
他の特徴によると、無線起爆システムは、無線起爆雷管、爆薬、起爆操作機側送信アンテナ、起爆操作機を有している。爆薬は、無線起爆雷管が取り付けられて、被爆破個所に削孔された装薬孔に装填される。起爆操作機側送信アンテナは、切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされる。起爆操作機側受信アンテナは、起爆操作機側送信アンテナとは異なるアンテナであって、装薬孔の0m〜100mの位置に配置される。起爆操作機は、装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を無線起爆雷管に受け渡し、無線方式で、応答信号を無線起爆雷管から受信する。したがって無線起爆システムは、上述の無線起爆雷管を利用することができる。
他の特徴によると、無線起爆システムは、無線起爆雷管、爆薬、起爆操作機側送信アンテナ、起爆操作機を有している。爆薬は、無線起爆雷管が取り付けられて、被爆破個所に削孔された装薬孔に装填されるとともに送信補助アンテナの他方端が装薬孔の開口部から垂れ下がるように装薬孔に装填される。起爆操作機側送信アンテナは、切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされる。起爆操作機側受信アンテナは、起爆操作機側送信アンテナとは異なるアンテナであって、装薬孔の0m〜100mの位置に配置される。起爆操作機は、装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を無線起爆雷管に受け渡し、無線方式で、応答信号を無線起爆雷管から受信する。したがって無線起爆システムは、上述の無線起爆雷管を利用することができる。
したがって装薬孔の開口部から、例えば送信信号の波長の1/4以上の長さの送信補助アンテナを垂れ下げることで、無線起爆雷管からの応答信号を、さらに効率良く送信することができる。
他の特徴によると、無線起爆方法は、無線起爆雷管を用い(a)装薬孔削孔ステップと、(b)爆薬装填ステップと、(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップと、(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップと、(e)電子回路準備開始送信ステップと、(f)電子回路準備完了応答ステップと、(g)起爆信号送信ステップと、(h)発破ステップとを有する。(a)装薬孔削孔ステップでは、被爆破個所に装薬孔を削孔する。(b)爆薬装填ステップでは、無線起爆雷管が取り付けられた爆薬である無線起爆雷管付親ダイ用爆薬と、無線起爆雷管が取り付けられていない爆薬である増ダイ用爆薬と、を装薬孔に装填する。(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップでは、被爆破個所から第1所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側送信アンテナをループ状に張る。(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、被爆破個所から第2所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナを設置する。(e)電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機が、100kHz以上500kHz以下の周波数である操作周波数にて、電子回路準備を開始させる制御信号と駆動用のエネルギーとを含む電子回路準備開始信号を、起爆操作機側送信アンテナを介して、起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信する。(f)電子回路準備完了応答ステップでは、電子回路準備開始信号を、起爆側受信アンテナを介して無線起爆雷管にて受信し、無線起爆雷管が、駆動用のエネルギーの充電及び起爆側電子回路の駆動とを含む電子回路準備を開始し、電子回路準備が完了した場合に電子回路準備の完了を示す応答信号である電子回路準備完了信号を、応答周波数にて、起爆側送信アンテナを介して、無線起爆雷管から起爆操作機に送信する。(g)起爆信号送信ステップでは、電子回路準備完了信号を、起爆操作機側受信アンテナを介して起爆操作機にて受信した後、起爆操作機が、操作周波数にて、起爆信号を、起爆操作機側送信アンテナを介して、起爆操作機から無線起爆雷管に送信する。(h)発破ステップでは、起爆信号を、起爆側受信アンテナを介して無線起爆雷管にて受信し、無線起爆雷管が、充電した駆動用のエネルギーを用いて、起爆側電子回路から起爆部に点火して起爆する。したがって無線起爆方法は、上述の無線起爆雷管を利用することができる。
他の特徴によると、無線起爆方法は、無線起爆雷管を用い、(a)装薬孔削孔ステップと、(b)爆薬装填ステップと、(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップと、(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップと、(e)電子回路準備開始送信ステップと、(f)電子回路準備完了応答ステップと、(g)起爆信号送信ステップと、(h)発破ステップとを有する。(a)装薬孔削孔ステップでは、被爆破個所に装薬孔を削孔する。(b)爆薬装填ステップでは、無線起爆雷管が取り付けられた爆薬である無線起爆雷管付親ダイ用爆薬と、無線起爆雷管が取り付けられていない爆薬である増ダイ用爆薬と、を装薬孔に装填するとともに送信補助アンテナの他方端が装薬孔の開口部から垂れ下がるように装薬孔に装填する。(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップでは、被爆破個所から第1所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側送信アンテナをループ状に張る。(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、被爆破個所から第2所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナを設置する。(e)電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機が、100kHz以上500kHz以下の周波数である操作周波数にて、電子回路準備を開始させる制御信号と起爆側電子回路の駆動用のエネルギーとを含む電子回路準備開始信号を、起爆操作機側送信アンテナを介して、起爆操作機から無線起爆雷管に送信する。(f)電子回路準備完了応答ステップでは、電子回路準備開始信号を、起爆側受信アンテナを介して無線起爆雷管にて受信し、無線起爆雷管が、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーの充電及び起爆側電子回路の駆動とを含む電子回路準備を開始し、電子回路準備が完了した場合に電子回路準備の完了を示す応答信号である電子回路準備完了信号を、応答周波数にて、起爆側送信アンテナを介して、無線起爆雷管から起爆操作機に送信する。(g)起爆信号送信ステップでは、電子回路準備完了信号を、起爆操作機側受信アンテナを介して起爆操作機にて受信した後、起爆操作機が、操作周波数にて、起爆信号を、起爆操作機側送信アンテナを介して、起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信する。(h)発破ステップでは、起爆信号を、起爆側受信アンテナを介して無線起爆雷管にて受信し、無線起爆雷管が、充電した駆動用のエネルギーを用いて、起爆側電子回路から起爆部に点火して起爆する。
したがって例えば送信信号の波長の1/4以上の長さの送信補助アンテナを垂れ下げることで、無線起爆雷管からの応答信号を、さらに効率良く送信することができる。
トンネル掘削現場における切羽等の被爆破個所を爆破するための、無線起爆システムの全体構成の斜視図である。 図1におけるII部分の拡大図であり、切羽等の被爆破個所に削孔した装薬孔に、無線起爆雷管を用いた爆薬ユニットを装填した例を説明する図である。 起爆操作機側送信アンテナの周囲に発生する磁界の方向の例を説明する図である。 図5に示す各装薬孔の位置と、起爆操作機側送信アンテナの位置と、の関係を説明する図である。 各装薬孔の位置と、各位置におけるZ軸方向、X軸方向、Y軸方向の磁界の大きさの例を説明する図である。 無線起爆雷管の外観の例であって、起爆側送信アンテナを起爆側受信アンテナの外部に突出した位置に設けた例の斜視図である。 無線起爆雷管の外観の例であって、起爆側送信アンテナを起爆側受信アンテナの外部に突出した位置に設けた例の斜視図である。 図6に示す無線起爆雷管の分解斜視図である。 図8に示す起爆側受信アンテナをZ軸方向から見た図である。 図6に示す無線起爆雷管の断面図である。 図10に示す無線起爆雷管に対して、制御部と起爆部の収容構造が異なる無線起爆雷管の例の断面図である。 図10に示す無線起爆雷管に対して、制御部と起爆部の収容構造が異なる無線起爆雷管の例の断面図である。 ベース筒体、筒状磁性体、Z軸用筒状コイル、X軸用シート状コイル、Y軸用シート状コイル、にて構成された起爆側受信アンテナの分解斜視図である。 図13におけるベース筒体の外周面に筒状磁性体を巻回した状態を、ベース筒体の軸方向から見た図である。 Z軸用筒状コイルを中央に配置した起爆側受信アンテナの外観の例を説明する図である。 Z軸用筒状コイルを端部(図16では左端部)に配置した起爆側受信アンテナの外観の例を説明する図である。 ベース筒体、筒状磁性体、Z軸用筒状コイル、X軸用シート状コイル、にて構成された起爆側受信アンテナの分解斜視図である。 ベース筒体、筒状磁性体、Z軸用筒状コイル、にて構成された起爆側受信アンテナの分解斜視図である。 ベース筒体、筒状磁性体、Y軸用シート状コイル、にて構成された起爆側受信アンテナの分解斜視図である。 起爆側送信アンテナの外観斜視図である。 Z軸の周囲に導電線が巻回されたZ軸用筒状コイルの斜視図である。 筒状磁性体の軸に直交する軸の周囲に巻回されるように導電線が巻回されたシート状コイルであって、X軸の周囲に導電線が巻回されたX軸用シート状コイルの斜視図である。 筒状磁性体の軸に直交する軸の周囲に巻回されるように導電線が巻回されたシート状コイルであって、Y軸の周囲に導電線が巻回されたY軸用シート状コイルの斜視図である。 2本の仮想軸のそれぞれの周囲に導電線を巻回したシート状コイルの斜視図である。 2本の仮想軸のそれぞれの周囲に導電線を巻回したシート状コイルの斜視図である。 2本の仮想軸のそれぞれの周囲に導電線を巻回したシート状コイルの斜視図である。 無線起爆雷管の回路ブロック図である。 制御部と起爆側送信アンテナを一体化した制御ユニットの外観斜視図である。 無線起爆雷管に送信補助アンテナが取り付けられている図12の無線起爆雷管の斜視図である。 図29に示す無線起爆雷管を用いた爆薬ユニットを、装薬孔に装填した図2に相当する断面図である。 無線起爆雷管への送信補助アンテナの取り付け状態の他の例の図29に相当する図である。 無線起爆雷管への送信補助アンテナの取り付け状態の他の例の図29に相当する図である。 無線起爆雷管への送信補助アンテナの取り付け状態の他の例の図29に相当する図である。 他の無線起爆システムの全体構成の斜視図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明し、トンネルの掘削現場を例として説明する。図中のX軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸方向は鉛直上方を示している。Z軸方向はトンネルの堀削方向(水平方向)とは反対方向を向く装薬孔40の軸方向を示している。
図1に示すように、無線起爆システム1は、爆薬ユニット20(図2参照)、起爆操作機50、中継装置51、起爆操作機側送信アンテナ60、起爆操作機側受信アンテナ65とを有している。爆薬ユニット20は、無線起爆雷管が取り付けられて切羽面41(被爆破個所)に削孔された装薬孔40に装填される爆薬を含んでいる。
起爆操作機50は、装薬孔40から離れた遠隔位置に配置される。起爆操作機50は、発破母線62と中継装置51と補助母線61を介して起爆操作機側送信アンテナ60に電流を供給する。これにより送信アンテナ60の周囲に磁界が発生し、制御信号(例えば、ID要求信号や電子回路準備開始信号に相当)や起爆信号が発信する。従って、起爆操作機50は、送信アンテナ60を介して無線方式で、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を、起爆側受信アンテナ11を介して、無線起爆雷管10を構成している制御部及び起爆部に受け渡す。磁界を発生させるために起爆操作機側送信アンテナ60に流れる電流の周波数、および制御信号及び起爆信号の周波数である操作周波数は、例えば100[KHz]以上500[KHz]以下に設定されている。操作周波数を500[KHz]より高くすると、トンネル内で定在波が発生しやすいので、あまり好ましくない。
起爆操作機50は、無線起爆雷管10の起爆側送信アンテナ18(図2参照)からの無線の応答信号を、起爆操作機側受信アンテナ65と補助母線66と中継装置51と発破母線62を介して受信する。無線起爆雷管10からの応答信号(電子回路準備完了信号に相当)の周波数である応答周波数は、例えば100[MHz]以上1[GHz]以下に設定されている。応答周波数を1[GHz]より高く設定すると、岩盤を透過しにくいので、あまり好ましくない。応答周波数は500[KHz]以上であり、定在波は発生するが、応答信号の出力は、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号の出力と比較して非常に小さい。そのため定在波によってトンネルが崩れる可能性が小さい。応答信号の出力は小さいが、応答信号を受信し易い場所に起爆操作機側受信アンテナを設置することもできる。
中継装置51は、同調回路を有している。中継装置51は、起爆操作機50と起爆操作機側送信アンテナ60との間、及び起爆操作機50と起爆操作機側受信アンテナ65との間、に設けられている。中継装置51は、発破母線62を介して起爆操作機50に接続されている。中継装置51は、補助母線61を介して起爆操作機側送信アンテナ60に接続されている。中継装置51は、補助母線66を介して起爆操作機側受信アンテナ65に接続されている。中継装置51は、起爆操作機50から無線起爆雷管10に向けて、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を受け渡す。この場合、起爆操作機50からの起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む制御信号及び起爆信号が、補助母線61を介して起爆操作機側送信アンテナ60に出力される。中継装置51は、無線起爆雷管10から起爆操作機50に向けて送信された応答信号を、起爆操作機側受信アンテナ65と補助母線66を介して受け取って、起爆操作機50へと受け渡す。
起爆操作機側送信アンテナ60は、切羽面41(装薬孔)の近傍であって、切羽面41から例えば0〜1[m]程度の距離L1(第1所定距離に相当)だけ離れた位置に設置される。例えば図1中の距離L1を0[m]にした場合の例を図34に示す。この場合、送信アンテナ60は、切羽面に接している。送信アンテナ60は、切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされ、例えば洞床42、洞側壁43、洞天井44に沿ってループ状に張られている。送信アンテナ60は、図1に示すように3周等の複数周巻かれても良いし、図34に示すように1周だけ巻かれても良い。中継装置51から切羽面41までの距離L3は、例えば50[m]程度である。中継装置51から起爆操作機50までの距離L4は、例えば100〜300[m]程度である。起爆操作機側送信アンテナ60と補助母線61は、爆破する毎に新たに張られる。
起爆操作機側受信アンテナ65は、例えばポール状のアンテナである。受信アンテナ65は、切羽面41(被爆破個所)から距離L2(第2所定距離に相当)、例えば0[m]〜100[m]離れた位置に配置されている。無線起爆雷管10から受信する応答信号の応答周波数は100[MHz]以上1[GHz]以下である。そのため受信アンテナ65は、起爆操作機側送信アンテナ60とは大きく形状が異なり、ループ状に大きく巻回する必要は無い。起爆操作機側受信アンテナ65と補助母線66は、被爆破個所からの距離L2が、ある程度大きければ、爆破する毎に交換する必要はない。
図2に示すように、爆薬を含む爆薬ユニット20は、装薬孔40に装填されている。装薬孔40は、例えば径D1が5[cm]程度、深さD2が2[m]程度に削孔された孔であるが、この数値に限定されるものではない。装薬孔40内には、爆薬ユニット20が装填され、粘土等の込め物22にて蓋がされている。爆薬ユニット20は、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201と増ダイ用爆薬202を有している。無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201は、増ダイ用爆薬202に無線起爆雷管10が取り付けられることで構成されている。無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201は、装薬孔40に装填される際に先頭に配置される爆薬である。増ダイ用爆薬202は、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201に対して適宜増減される爆薬である。爆薬ユニット20は、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201のみ、あるいは無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201に増ダイ用爆薬202が追加された爆薬である。
図2に示すように、無線起爆雷管10は、略筒状の起爆側受信アンテナ11と、制御部12と、起爆部14と、起爆側送信アンテナ18を有している。例えば制御部12と起爆部14は、起爆側受信アンテナ11内に収容されている。筒状の起爆側受信アンテナ11の内径は、爆薬の外径よりも大きい。起爆部14が爆薬とともに起爆側受信アンテナ11に差し込まれて無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201が形成され、爆薬201が装薬孔40に装填される。起爆側受信アンテナ11の外径は、装薬孔40の内径以下である。図12に示すように、起爆側受信アンテナ11内に爆薬を収容せず、起爆部14のみを収容しても良い。制御部12は、起爆側受信アンテナ11の外に配置してもよい。
図2に示す表示装置72は、作業者が無線起爆雷管10を識別可能な個体情報(例えば起爆遅延時間や識別番号)が表示されたものであり、ケーブル71を介して無線起爆雷管10に取り付けられている。ケーブル71の長さは、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201が装薬孔40に装填された際に、表示装置72が装薬孔40の外に達することが可能な長さである。従って表示装置72は、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201が装薬孔40に装填された場合、装薬孔40の外に配置される。
図2に示すケーブル71と表示装置72は省略してもよい。また本実施の形態の説明では、無線起爆雷管10にケーブル71を介して表示装置72を取り付けた例を説明したが、表示装置72を無線起爆雷管10に直接取り付けてもよい。表示装置を無線起爆雷管に直接取り付けた場合、作業者は、装薬孔に装填した後に表示装置を確認することはできないが、装薬孔に装填する際に表示装置を確認しながら装填することができる。
無線起爆雷管10(構造等の詳細は後述する)を用いた無線起爆方法の各ステップを、以下の(a)〜(h)の各ステップ、及び図1と図2を用いて説明する。
(a)装薬孔削孔ステップ。
(b)爆薬装填ステップ。
(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップ。
(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップ。
(e)電子回路準備開始送信ステップ。
(f)電子回路準備完了応答ステップ。
(g)起爆信号送信ステップ。
(h)発破ステップ。
(a)装薬孔削孔ステップでは、図1に示すように、被爆破個所(切羽面41)に装薬孔40を削孔する。
(b)爆薬装填ステップでは、図2に示すように、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201と増ダイ用爆薬202とを(すなわち爆薬ユニット20を)装薬孔40に装填する。無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201は、無線起爆雷管10が取り付けられた爆薬である。増ダイ用爆薬202は、無線起爆雷管10が取り付けられていない爆薬である。
(c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップでは、図1に示すように、被爆破個所から第1所定距離(距離L1)だけ離れた位置に、起爆操作機側送信アンテナ60をループ状に張る。
(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、図1に示すように、被爆破個所から第2所定距離(距離L2)だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナ65を設置する。
(e)電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機50が、電子回路準備開始信号を、起爆操作機側送信アンテナ60を介して、起爆操作機50から無線起爆雷管10に送信する。電子回路準備開始信号は、100[kHz]以上500[kHz]以下の周波数(例えば200[KHz])である操作周波数を有し、電子回路準備を開始させる制御信号と起爆側電子回路の駆動用のエネルギーとを含む。
(f)電子回路準備完了応答ステップでは、無線起爆雷管10が電子回路準備開始信号を、起爆側受信アンテナ11を介して受信する。無線起爆雷管10が、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーの充電及び起爆側電子回路の駆動とを含む電子回路準備を開始する。上記の電子回路準備が完了した場合に、無線起爆雷管10は、当該電子回路準備の完了を示す応答信号である電子回路準備完了信号を、応答周波数にて、起爆側送信アンテナ18を介して、無線起爆雷管10から起爆操作機50に送信する。応答周波数は、100[MHz]以上1[GHz]以下の周波数であって、例えば315[MHz]または429[MHz]である。
(g)起爆信号送信ステップでは、起爆操作機50が電子回路準備完了信号を、起爆操作機側受信アンテナ65を介して受信する。その後、起爆操作機50が、上記の操作周波数にて、起爆信号を、起爆操作機側送信アンテナ60を介して、起爆操作機50から無線起爆雷管10に送信する。
(h)発破ステップでは、無線起爆雷管10が起爆信号を、起爆側受信アンテナ11を介して受信する。無線起爆雷管10が、充電した起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを用いて、起爆側電子回路から起爆部14に点火して起爆させる。
以降の説明において無線起爆雷管10の各効果を説明する。効果の1つは、起爆操作機側アンテナ(起爆操作機側送信アンテナ、起爆操作機側受信アンテナ)と無線起爆雷管用アンテナ(起爆側受信アンテナ、起爆側送信アンテナ)の位置関係の影響によらず、より効率良く起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を受け取ることができることである。他の効果の1つは、応答信号の応答周波数の選定の自由度が高く、応答信号を効率良く送信することができることである。他の効果の1つは、無線起爆雷管10をより小型にすることができることである。
図3〜図5は、起爆操作機側送信アンテナ60の周囲に発生する磁界の方向を示す。図3は、図1から起爆操作機側送信アンテナ60のみを抽出した図である。図3において、起爆操作機側送信アンテナ60に実線の矢印の方向に電流が流れると、一点鎖線に示すような磁界が発生する。無線起爆雷管10の起爆側受信アンテナ11は、この磁界の方向を軸とした場合、当該軸の回りに導電線が巻回されている場合に、最も効率良く起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。
図4は、図3をIV方向から見た図である。装薬位置P2bは、巻回された起爆操作機側送信アンテナ60に対して、ほぼ中央に相当する切羽面41の装薬孔の位置である。装薬位置P1aは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの左上方に位置する。装薬位置P1cは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの右上方に位置する。装薬位置P1bは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの上方に位置する。装薬位置P2aは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの左方に位置する。装薬位置P2cは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの右方に位置する。装薬位置P3aは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの左下方に位置する。装薬位置P3cは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの右下方に位置する。装薬位置P3bは、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部に相当する位置であって、装薬位置P2bの下方に位置する。
図5は、図4に示す切羽面41の装薬位置P1a〜P1c、装薬位置P2a〜P2c、装薬位置P3a〜P3cの各位置における、磁界(起爆操作機側送信アンテナ60の周囲に発生する磁界)の方向と大きさの例を示す。起爆操作機側送信アンテナ60のほぼ中央に相当する装薬位置P2bでは、磁界の成分はZ軸方向のみである。そのためZ軸回りに導電線を巻回したアンテナで効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができる。例えば、図8に示すZ軸用筒状コイル119と筒状磁性体によるZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ11Z)が該当する。
しかし、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部の近傍では、Z軸方向の磁界の大きさが減少し、X軸方向の磁界やY軸方向の磁界の大きさが増大する。例えば装薬位置P3cでは、Z軸方向の磁界の大きさは装薬位置P2bよりも小さく、X軸方向の磁界とY軸方向の磁界の大きさがZ軸方向の磁界の大きさよりも大きい。装薬位置P1bでは、Z軸方向の磁界の大きさは装薬位置P2bよりも小さく、Y軸方向の磁界の大きさがZ軸方向の磁界の大きさよりも大きい。従って、起爆操作機側送信アンテナ60の縁部の位置となる、装薬位置P1a〜P1c、装薬位置P2a、装薬位置P2c、装薬位置P3a〜P3cでは、Z軸回りに導電線を巻回したアンテナのみでは、効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取るとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができるとは限らない。例えば、図8の例ではZ軸用筒状コイル119と筒状磁性体によるZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ11Z)のみだけでは信号を効率良く受信することができるとは限らない。
そこで、以下に起爆側受信アンテナ11について説明する。起爆側受信アンテナ11は、例えば、切羽面41におけるいずれの位置に削孔された装薬孔に配置(装填)されても、より効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができる。しかも起爆側受信アンテナ11は、無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。
起爆側受信アンテナ11が、無線起爆雷管10から起爆操作機に向けて送信する応答信号の送信用のアンテナと兼ねる場合がある。この場合、応答周波数が100[MHz]未満であると、応答信号の到達距離が短く(例えば数[m]程度)、あまり好ましくない。応答周波数が1[GHz]よりも高いと、信号が岩盤に吸収されやすく、あまり好ましくない。応答周波数は、100[MHz]以上1[GHz]以下が好ましい。これにより信号は、岩盤に吸収されにくく、適度な到達距離を得ることができる。しかし、100[KHz]以上500[KHz]以下の操作周波数の制御信号(起爆側電子回路の駆動用エネルギーを含む)及び起爆信号を効率良く受け取ることができる起爆側受信アンテナ11を、100[MHz]以上1[GHz]以下の応答周波数の応答信号を効率良く送信できる起爆側送信アンテナと兼用させようとした場合、アンテナのサイズが大型化して、図1及び図2に示す装薬孔40内に装填できない可能性がある。
本願の発明者は、以下の(1)〜(3)をすべて満足する無線起爆雷管を実現するために、起爆側受信アンテナ11と起爆側送信アンテナ18を別々のアンテナとして有する無線起爆雷管(図6、図7)を発明した。
(1)起爆操作機から、100[KHz]以上500[KHz]以下の操作周波数の制御信号及び起爆信号(起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む)を効率良く受け取ることができる。
(2)起爆操作機に、100[MHz]以上1[GHz]以下の応答周波数の応答信号を効率良く送信できる。
(3)径が5[cm]程度、深さ(奥行き)が2[m]程度の装薬孔に装填することが可能なサイズである。
図6〜図12を参照して無線起爆雷管10の構造について説明する。図6に示す例では、制御部12が起爆側受信アンテナ11の外部に突出している。起爆側送信アンテナ18が起爆側受信アンテナ11の外部で且つ起爆側受信アンテナ11に接しない位置に設けられる。図7に示す例では、起爆側送信アンテナ18が起爆側受信アンテナ11の外部に突出し、且つ起爆側受信アンテナ11に接しないように位置する。図8は、図6に示す無線起爆雷管10の分解斜視図を示している。
応答周波数を100[MHz]以上1[GHz]以下に設定した場合、起爆側送信アンテナ18は、例えば電子回路基板の平面上にプリントした数[cm]程度のアンテナにて実現することが可能である(図20参照)。従って、起爆側送信アンテナ18は、図6に示す位置または図7に示す位置に設けることが可能である。そのため起爆側送信アンテナ18を無線起爆雷管と一体化することが容易である。図6の例では、起爆側送信アンテナ18は、制御部12と導電線にて接続、あるいは制御部12と一体化(図28参照)されている。図7の例では、起爆側送信アンテナ18は、制御部12と導電線111にて接続されている。
無線起爆雷管10は、起爆側受信アンテナ11、起爆側送信アンテナ18、制御部12、制御部12に接続された起爆部14を有している。制御部12は、起爆側受信アンテナ11及び起爆側送信アンテナ18に接続され、起爆部14を点火する。制御部12には、起爆側電子回路120が収容されている(図11、図12参照)。図9は、図8における起爆側受信アンテナ11を図8中のIX方向から見た図である。起爆側受信アンテナ11は、例えば図13に示すように、筒状のベース筒体114(例えば筒状のアクリル材)、筒状磁性体115、筒状コイル(Z軸用筒状コイル119)及びシート状コイル117が同軸に配置されている。筒状磁性体115は、シート状の磁性体(例えばフェライト)から形成され、肉薄筒状である。筒状磁性体115は、ベース筒体114の外周に巻回される。筒状コイル(119)とシート状コイル117(X軸用シート状コイル117XとY軸用シート状コイル117Y)も筒状磁性体115の外周に設けられる。起爆側受信アンテナ11は、Z軸用筒状コイル119、X軸用シート状コイル117X、Y軸用シート状コイル117Yの3つが、Z軸の方向に沿って並べられている。起爆側受信アンテナ11の形状は、肉薄円筒状であることが好ましいが、肉薄の筒状であればよく、軸方向(Z軸方向)に直交する断面が、円、楕円、多角形等、どのような形状であってもよい。起爆側受信アンテナ11と制御部12とは導電線111にて接続されている。
図10は、図6に示す無線起爆雷管10の断面図を示している。制御部12には起爆部14が固定される。制御部12は起爆側受信アンテナ11の一方の開口部に固定されている。制御部12の一部は、起爆側受信アンテナ11から外部に突出している。起爆側送信アンテナ18が、突出した制御部12の一部に設けられ、起爆側受信アンテナ11に接しないように位置している。起爆側受信アンテナ11と制御部12との空隙には、爆薬が充填されることが好ましい。これにより、装薬孔の最も奥まで爆薬を配置できるので、破砕効果の向上を図ることができる。起爆部14は制御部12から他方の開口部の側に延びるように制御部12に固定される。他方の開口部から爆薬が起爆側受信アンテナ11内に挿通されると、挿通された爆薬の先端に起爆部14が差し込まれ、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬が形成される。
図11は、起爆側受信アンテナ11内に、制御部12と起爆部14とを収容させた、図10とは異なる構成の無線起爆雷管10Aの断面図である。図11に示す例では、起爆側受信アンテナ11と筒状磁性体115とベース筒体114とが同軸に配置され、それぞれが筒状に形成されている。起爆側受信アンテナ11の一方の開口部に、起爆部14が固定された制御部12が、例えば接着剤161にて固定されている。制御部12は、制御ケース162と起爆側電子回路120(図27中に符号120で示す部分の電子回路)と緩衝材163等を有している。起爆側送信アンテナ18は起爆側電子回路120と一体化されている(図28の制御ユニット139を参照)。
図11に示すように制御部12の一部は、起爆側受信アンテナ11から外部に突出している。起爆側送信アンテナ18が外部に突出している制御部12の一部に設けられ、起爆側受信アンテナ11に接しないように位置している。起爆部14は制御部12から他方の開口部の側に延びるように制御部12に固定される。他方の開口部から爆薬が起爆側受信アンテナ11に挿通されると、挿通された爆薬の先端に起爆部14が差し込まれ、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬が形成される。制御ケース162は、比較的強度が高く電波を通し易い樹脂等の材質で形成することができる。さらに制御ケース162と起爆側電子回路120の間に緩衝材163を設けることもできる。これにより隣接する装薬孔に配置された爆薬が起爆する際に発生した衝撃波が、起爆側電子回路120へ伝わる前に制御ケース162と緩衝材163で減衰される。かくして起爆側電子回路120が損傷することが抑制される。
図12に示すように無線起爆雷管10Bは、図10及び図11の無線起爆雷管10Aと異なる構成を有している。無線起爆雷管10Bは、起爆側受信アンテナ11内に収容された起爆部14と、起爆側受信アンテナ11の外に配置した制御部12を有している。起爆側受信アンテナ11と筒状磁性体115とベース筒体114とが同軸に配置されている。これらを筒状の保護ケース165内に収容している。保護ケース165は、起爆部14及び爆薬から制御部12を隔離する隔離壁166を有している。制御部12は、隔離壁166に対して起爆部14と反対側に位置し、かつ起爆側受信アンテナ11内ではなく起爆側受信アンテナ11の外に配置されている。制御部12は、保護ケース165の一方の開口部に嵌め込まれて固定されていてもよいし、保護ケース165の一方の開口部に接着剤等にて固定されていてもよい。制御部12は、図11の例と同様に、制御ケース162と起爆側電子回路120と緩衝材163等を有している。
図12に示すように起爆側送信アンテナ18は起爆側電子回路120と一体化されている(図28の制御ユニット139を参照)。制御部12は、起爆側受信アンテナ11から外部に突出している突出部を有している。起爆側送信アンテナ18が突出部に設けられ、且つ起爆側受信アンテナ11に接しないように位置している。図11の例と同様に、起爆部14は制御部12から起爆側受信アンテナ11の他方の開口部の側に延びるように制御部12に固定される。起爆側受信アンテナ11内に爆薬が他方の開口部から挿通されると、挿通された爆薬の先端に起爆部14が差し込まれ、無線起爆雷管付親ダイ用爆薬が形成される。制御ケース162を比較的強度が高く電波を通し易い樹脂等の材料で形成する。これにより隣接する装薬孔に配置された爆薬が起爆する際に発生した衝撃波が、起爆側電子回路120へ伝わる前に制御ケース162と緩衝材163で減衰される。その結果、起爆側電子回路120が損傷しないようにすることもできる。制御ケース162の一部を起爆側受信アンテナ11の外に配置する。これにより起爆側電子回路120のサイズをベース筒体114の内径以上のサイズとすることが可能となる。その結果、起爆側電子回路120のサイズの自由度が向上する。爆薬を挿通する領域が拡大し、破砕効果の向上を図ることもできる。
図13〜図20は、起爆側受信アンテナ11と起爆側送信アンテナ18の構造を示している。図13は、起爆側受信アンテナ11の分解斜視図である。起爆側受信アンテナ11は、無線方式で起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を受け取るアンテナである。起爆側受信アンテナ11は、ベース筒体114と、筒状磁性体115と、X軸用シート状コイル117Xと、Z軸用筒状コイル119と、Y軸用シート状コイル117Yとを含んでいる。ベース筒体114は省略することも可能である。
筒状磁性体115の材質は、磁性体の中でも比較的容易に磁極が消失したり反転したりする高透磁率の材料である。例えば鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、フェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金、等が好ましく、本実施の形態では、フェライトを使用している。筒状磁性体115は、図13に示すように、シート状に形成されており、ベース筒体114の外周面に巻回されて肉薄筒状である。筒状磁性体115の巻回の端部は、図14に示すように、オーバーラップすることなく、隙間172がほぼゼロとなるように巻回されていることが、より好ましい。しかし、図13に示すように、筒状磁性体115の巻回の一方の端部が他方の端部と重なってオーバーラップ部171を有するように巻回されていても良い。あるいは筒状磁性体115が二重、三重となるように巻回されていても良い。図14に示す隙間172は、例えば1[mm]程度の微小隙間であれば許容範囲内であるが、隙間172が微小隙間よりも大きい隙間である場合は好ましくない。筒状磁性体115の中心軸であるアンテナ軸J11は、図8及び図13に示すように、Z軸と平行、あるいはZ軸である。
図13に示すように、Z軸用筒状コイル119とX軸用シート状コイル117XとY軸用シート状コイル117Yは、ベース筒体114と筒状磁性体115と同軸となるように筒状磁性体115に取り付けられる。これにより起爆側受信アンテナ11が形成される。起爆側受信アンテナ11は、起爆側受信アンテナ11の軸であるアンテナ軸J11が、装薬孔40の軸方向(この場合、Z軸方向)と一致するように装薬孔に装填される。図5におけるZ軸方向の成分の磁界に対しては、Z軸方向を導電線の巻回の軸とするZ軸用筒状コイル119と筒状磁性体によるZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ11Z(図6、図7参照))にて効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。図5におけるX軸方向の成分の磁界に対しては、X軸方向を導電線の巻回の軸とするX軸用シート状コイル117Xと筒状磁性体によるX軸用シート状アンテナ(X軸用受信アンテナ11X(図6、図7参照))にて効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。図5におけるY軸方向の成分の磁界に対しては、Y軸方向を導電線の巻回の軸とするY軸用シート状コイル117Yと筒状磁性体によるY軸用シート状アンテナ(Y軸用受信アンテナ11Y(図6、図7参照))にて効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を効率良く受信することができる。図13の起爆側受信アンテナ11は、ベース筒体114と、筒状磁性体115と、Z軸用筒状コイル119と、X軸用シート状コイル117Xと、Y軸用シート状コイル117Yを有している。しかし起爆側受信アンテナ11は、ベース筒体114を有していなくてもよい。
図6及び図7に示すように、Z軸用受信アンテナ11Zと、X軸用受信アンテナ11Xと、Y軸用受信アンテナ11Yと、の3つのアンテナは、Z軸方向に沿って、重ならないようにいずれかの順序で並んでいる。Z軸用受信アンテナ11Zは、Z軸用筒状コイル119と筒状磁性体115(第1磁性体に相当)を有している。X軸用受信アンテナ11Xは、X軸用シート状コイル117Xと筒状磁性体115(第2磁性体に相当)を有している。Y軸用受信アンテナ11Yは、Y軸用シート状コイル117Yと筒状磁性体115(第3磁性体に相当)を有している。第1磁性体、第2磁性体、第3磁性体は、別々に構成されていてもよいし、本実施の形態に示すように共通の磁性体として構成されていてもよい。
発明者による種々の実験の結果によれば、Z軸用筒状コイル119を中央に配置することがより好ましい。すなわちZ軸用筒状コイルを、X軸用シート状コイルとY軸用シート状コイルの間に配置することがより好ましい。例えば、図15に示すように左側にX軸用シート状コイル117X、中央にZ軸用筒状コイル119、右側にY軸用シート状コイル117Y、となる順序で並べる。この並び方を(117X、119、117Y)と記載する。Z軸用筒状コイル119が中央に配置された並び方には、図15に示す(117X、119、117Y)の順序の並び方と、図15に示す状態からZ軸回りに90[°]回転させた(117Y、119、117X)の順序の並び方がある。図16に示すようにZ軸用筒状コイル119を左端部に配置した(119、117X、117Y)の順序の並び方や、図示省略するが、(119、117Y、117X)、及びZ軸用筒状コイル119を右端部に配置した(117X、117Y、119)、(117Y、117X、119)の順序の並び方としてもよい。
起爆側受信アンテナ11は、Z軸用筒状コイル119(筒状コイル)とX軸用シート状コイル117X(シート状コイル)とY軸用シート状コイル117Y(シート状コイル)の3つのコイルと筒状磁性体で構成することができる。これに代えて起爆側受信アンテナ11は、筒状コイル、あるいはシート状コイル、の少なくとも1つのコイルと筒状磁性体で構成してもよい。その場合、図5に示す装薬位置P2cに対しては、図17に示すようにZ軸用筒状コイル119とX軸用シート状コイル117Xとベース筒体114と筒状磁性体115とで構成された起爆側受信アンテナ11Cを設置してもよい。ベース筒体114は省略してもよい。図5に示す装薬位置P2bに対しては、図18に示すようにZ軸用筒状コイル119とベース筒体114と筒状磁性体115とで構成された起爆側受信アンテナ11Aを設置してもよい。ベース筒体114は省略してもよい。図5に示す装薬位置P1bに対しては、図19に示すようにY軸用シート状コイル117Yとベース筒体114と筒状磁性体115とで構成された起爆側受信アンテナ11Bを設置してもよい。ベース筒体114は省略してもよい。つまり、装薬孔の位置に応じて、その位置で(最も)磁界の成分が大きい方向を軸とするアンテナを設置することができる。この場合、X軸、Y軸、Z軸に限らず、その位置における磁界の方向にアンテナの導電線の巻回の軸を一致させると、より好ましい。
図17に示すように、X軸用シート状コイル117Xとベース筒体114と筒状磁性体115とで起爆側受信アンテナを構成してもよい。ベース筒体114は省略してもよい。図17に示すようにZ軸用筒状コイル119とX軸用シート状コイル117Xを、Z軸用筒状コイル119とY軸用シート状コイル117Yに変更してもよい。あるいはX軸用シート状コイル117XとY軸用シート状コイル117Yに変更してもよい。このように、切羽面における装薬孔の位置毎に異なる起爆側受信アンテナを選定することができる。その結果、切羽面に削孔された各装薬孔にて、より効率良く起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を受信することができる起爆側受信アンテナを実現することができる。
次に図20を用いて、起爆側送信アンテナ18の構造について説明する。起爆側送信アンテナ18は、応答周波数が100[MHz]以上1[GHz]以下に設定され、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け渡す必要がない。起爆側送信アンテナ18は、起爆操作機に応答信号を送信するだけでよい。従って、数[cm]程度のサイズでよく、磁性体も必要としない。起爆側送信アンテナ18は、絶縁体のシートまたは板状部材であるベース部181と、ベース部181の表面にプリント等された導電体のアンテナ部182と、アンテナ部182と制御部とを接続する導電線111等を有している。図28に示すように、起爆側電子回路120と起爆側送信アンテナ18とを一体化する場合、電子回路基板上にアンテナ部182をプリントし、アンテナ部182を電子回路基板上の配線パターン153で起爆側電子回路120と接続することができる。アンテナ部182と起爆側電子回路120とを接続する導電線111(図20参照)は、図28の例では配線パターン153に置き換えられている。図20のアンテナ部182は、開口部が対向する一対のU字型であるが、アンテナ部182の形状は特に限定しない。図20の例では、ベース部181の表側の面と裏側の面とにアンテナ部182が設けられている。しかしベース部181の表側または裏側の少なくとも一方にアンテナ部182を設けるようにしてもよい。
図21〜図26には、Z軸用筒状コイル119、X軸用シート状コイル117X、Y軸用シート状コイル117Yの構造が示されている。以下の各コイルの説明では、筒状磁性体の軸をZ軸、Z軸に直交する軸をX軸、Z軸とX軸との双方に直交する軸をY軸、として説明する。図21にZ軸用筒状コイル119の外観の例を示す。Z軸用筒状コイル119は、Z軸の周囲に導電線111が巻回されて筒状に形成された筒状コイルである。図21の筒状コイルは、筒体112上に導電線111を巻回して形成されている。これに代えて筒体112を設けずに導電線111を巻回して筒状コイルを形成してもよい。図18の分解斜視図の状態から、Z軸用筒状コイル119(筒状コイルに相当)を、肉薄筒状とされた筒状磁性体115と同軸(この場合、Z軸と同軸)となるように筒状磁性体115の外周面に設ける。これにより全体を筒状となった起爆側受信アンテナ11A(Z軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ))を構成することができる。
図22は、X軸用シート状コイル117Xの外観の例を示す。X軸用シート状コイル117Xでは、図24に示すように、平行な仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に導電線111が巻回される。仮想軸JNAとJNBのそれぞれに直交するシート状としたコイル116が形成される。図22に示すように仮想軸JNAとJNBが同軸となるようにシートを筒状にすることでシート状コイルが形成される。X軸用シート状コイル117Xは、図22に示すように、仮想軸JNAとJNB(図24参照)が、同軸となるように湾曲される。同軸とされた仮想軸JNAとJNBがX軸に平行となるように配置される。すなわち、X軸用シート状コイル117Xは、X軸の周囲に巻回された導電線111を有している。
図24に示すようにシート113上に導電線111を巻回してシート状としたコイルを形成しても良い。これに代えてシート113を設けずに導電線111を巻回して導電線111によってシート状としたコイルとしてもよい。X軸用シート状コイル117X(図17参照)は、図19に示す筒状磁性体115の外周面に沿うように湾曲させることで筒状にすることができる。そしてX軸用シート状コイル117Xを肉薄筒状とされた筒状磁性体115の外周面に設けることができる。これにより起爆側受信アンテナ(X軸用シート状アンテナ(X軸用受信アンテナ))を構成することができる。このとき、X軸用シート状コイルは、筒状磁性体115の軸(Z軸)に直交する軸(この場合、X軸)の周囲に導電線が巻回されている。導電線111は、図24に示すようにシート113の上で仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に巻回されても良い。これに代えて導電線111は、図25、図26に示すようにシート113の上で仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に巻回されても良い。
図23は、Y軸用シート状コイル117Yの外観の例を示す。Y軸用シート状コイル117Yでは、図24に示すように、平行な仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に導電線111が巻回される。仮想軸JNAとJNBのそれぞれに直交するシート状としたコイル116として形成される。図23に示すように仮想軸JNAとJNBが同軸となるように筒状に形成される。Y軸用シート状コイル117Yは、図23に示すように、仮想軸JNAとJNB(図24参照)が、同軸となるように湾曲され、同軸とされた仮想軸JNAとJNBがY軸に平行となるように配置されている。すなわち、Y軸用シート状コイル117Yは、Y軸の周囲に導電線111が巻回されたシート状コイルである。図24に示すようにシート113上に導電線111を巻回してシート状としても良い。あるいはシート113を設けずに導電線111を巻回して導電線111によってシート状としたコイルとしてもよい。Y軸用シート状コイル(シート状コイルに相当)を図19に示す筒状磁性体115の外周面に沿うように湾曲させ、筒状磁性体115の外周面に設ける。これにより全体が筒状である起爆側受信アンテナ(Y軸用シート状アンテナ(Y軸用受信アンテナ))を構成することができる。Y軸用シート状コイルは、筒状磁性体115の軸(Z軸)に直交する軸(この場合、Y軸)の周囲に巻回されている導電線を有している。導電線111は、図24に示すようにシート113の上で仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に巻回されても良い。これに代えて導電線111は、図25、図26に示すようにシート113の上で仮想軸JNAとJNBのそれぞれの周囲に巻回されても良い。
X軸用シート状コイル117Xを、Z軸回りに90[°]旋回させたものがY軸用シート状コイル117Yである。Z軸用筒状コイル119、X軸用シート状コイル117X、Y軸用シート状コイル117Yのそれぞれは、筒状磁性体115の外周面に設けられている場合のほうが、筒状磁性体115の内周面に設けられている場合よりも、より効率良く起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号及び起爆信号を受け取ることができる。図22、図23等に示すように本実施の形態の説明では、X軸用シート状コイル117X及びY軸用シート状コイル117Yにおける導電線111の巻回を、矩形状に巻回している。しかし巻回の形状は矩形状に限定されるものではなく、渦巻き状(らせん状)や種々の多角形状に巻回してもよい。また種々の形状が混在するように巻回してもよい。またZ軸用筒状コイル、X軸用シート状コイル、Y軸用シート状コイルは、作業者が手作業で導電線111を所定回数巻回して作成するようにしてもよい。
図27に示す回路ブロック図を用いて、無線起爆雷管10の制御部12内及び起爆部14内の回路(起爆側電子回路120及び起爆部14の回路)について説明する。図27は、図8に示す起爆側受信アンテナ11及び起爆側送信アンテナ18を含めた、制御部12内に収容された起爆側電子回路120、起爆部14の、それぞれの回路(ブロック図)を示している。
起爆側受信アンテナ11は、X軸用シート状コイル117Xと筒状磁性体によるX軸用シート状アンテナ(X軸用受信アンテナ)と、Z軸用筒状コイル119と筒状磁性体によるZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ)と、Y軸用シート状コイル117Yと筒状磁性体によるY軸用シート状アンテナ(Y軸用受信アンテナ)と、にて構成されている。X軸用シート状コイル117Xは、可変コンデンサ等にて構成された同調回路121を介して3軸合成回路124に接続されている。同様に、Z軸用筒状コイル119は、可変コンデンサ等にて構成された同調回路122を介して3軸合成回路124に接続されている。同様に、Y軸用シート状コイル117Yは、可変コンデンサ等にて構成された同調回路123を介して3軸合成回路124に接続されている。このように、X軸用シート状コイル117X、Z軸用筒状コイル119、Y軸用シート状コイル117Y、のそれぞれは、導電線111が、同調回路121、122、123、のそれぞれに接続されている。そして、同調回路121、122、123、のそれぞれが、3軸合成回路124に接続されている。
起爆側送信アンテナ18は、導電体がプリント等されたアンテナ部182にて構成されている。アンテナ部182は、配線パターン153(または導電線)にて送信回路134に接続されている。CPU131が応答信号を送信する場合、CPU131からの応答信号は、変調回路133及び送信回路134を経由して配線パターン153(または導電線)を介して起爆側送信アンテナ18から送信される。
起爆側電子回路120は、同調回路121、122、123、3軸合成回路124、CPU131、検波・復調回路125、レギュレータ128、変調回路133、送信回路134、ID記憶装置132、電子回路駆動用蓄電装置127、起爆用スイッチ回路138、整流回路126等を有している。同調回路121、122、123、のそれぞれは、対応するX軸用シート状コイル117X、Z軸用筒状コイル119、Y軸用シート状コイル117Y、の共振周波数を調整するための可変コンデンサ等を有している。
3軸合成回路124は、X軸用シート状アンテナ(X軸用受信アンテナを構成するX軸用シート状コイル117X)、Y軸用シート状アンテナ(Y軸用受信アンテナを構成するY軸用シート状コイル117Y)及びZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナを構成するZ軸用筒状コイル119)から同調回路121、122、123を介して入力される起爆側電子回路の駆動用エネルギーや制御信号及び起爆信号を合成し、経路151及び経路152に出力する。経路151は、受信した制御信号や起爆信号を取り込むルートである。経路152は、受け取ったエネルギーを整流、蓄電、定電圧化するルートである。経路151及び検波・復調回路125を介して受信された無線の制御信号(ID要求信号や電子回路準備開始信号に相当)や起爆実行信号等を含む)及び起爆信号は、CPU131に取り込まれる。経路152及びレギュレータ128(定電圧回路)を経由した起爆側電子回路の駆動用エネルギーは、CPU等の電子回路の電源として使用されるとともに電子回路駆動用蓄電装置127に蓄電される。
ID記憶装置132には、無線起爆雷管10に固有の識別情報が記憶されている。CPU131は、ID要求信号(制御信号)を受信すると、ID記憶装置132から読み出した識別情報を含む応答信号を送信する。ここではID記憶装置132がCPU131とは別に構成されている例を示した。しかし、これに限定されるものではなく、ID記憶装置132がCPU131に内蔵されていてもよい。
CPU131は、起爆実行信号(起爆信号)を受信すると、制御信号156にて、起爆用スイッチ回路138を開状態から短絡状態へと制御して、電子回路駆動用蓄電装置127に蓄えたエネルギー(起爆側電子回路の駆動用エネルギー)を点火回路141に出力して起爆を実行する。
起爆部14は、点火回路141、点火玉142、起爆薬143、添装薬144等を有している。点火回路141は、起爆用スイッチ回路138が短絡されると、電子回路駆動用蓄電装置127から電力(点火用のエネルギー)が供給されて点火玉142が着火される。そして点火玉142が点火されると、起爆薬143と添装薬144が点火され、起爆部14が点火される。起爆部14が点火されると、図2に示す無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201が起爆される。
図28には、起爆側電子回路120と起爆側送信アンテナ18とを一体化した例が示されている。起爆側送信アンテナ18は、数[cm]程度の導電体のアンテナ部を、絶縁体にプリント等して構成される。起爆側電子回路120を構成する電子回路基板上に、起爆側送信アンテナ18を形成することが可能である。図28の例に示すように、絶縁体の板状(あるいはシート状)の電子回路基板129の一部に、アンテナ部182をプリント等することが可能である。このため、起爆側電子回路120と起爆側送信アンテナ18とを電子回路基板129上に一体化した制御ユニット139を構成することが可能であり、小型化、組み付け容易性、をより向上させることができる。
本実施の形態にて説明した無線起爆システム1では、操作周波数を100[KHz]以上500[KHz]以下とする。無線起爆雷管の起爆側受信アンテナ11(受信専用のアンテナ)は、効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができるとともに効率良く無線の制御信号及び起爆信号を受信することができる。そのため図1に示す起爆操作機側送信アンテナ60(送信専用のアンテナ)の巻き回数を、1回あるいは数回程度とすることができる。操作周波数の電流を起爆操作機側送信アンテナ60に供給することで無線起爆雷管10の制御部12(起爆側電子回路120)に給電するとともに点火用のエネルギーを蓄電させる。制御部12への給電及び蓄電のために起爆操作機側送信アンテナ60に供給する電力は、数10[W]〜数100[W]程度の比較的小電力で行うことができる。さらに、前記電流に重畳された制御信号(例えば、ID要求信号や電子回路準備開始信号や起爆実行信号等を含む)及び起爆信号にて、無線起爆雷管の制御を行う。
起爆操作機側受信アンテナ65(受信専用のアンテナ)を設ける。無線起爆雷管10から応答する信号の周波数を100[MHz]以上1[GHz]以下に設定している。これにより、無線起爆雷管の起爆側送信アンテナ18(送信専用のアンテナ)を、より小型にすることが可能である。起爆側送信アンテナ18は、より効率良く応答信号を送信可能である。応答信号の到達距離をより長く、例えば50[m]程度にすることができる。
起爆側受信アンテナ11は、Z軸用筒状コイル119と筒状磁性体によるZ軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ)と、X軸用シート状コイル117Xと筒状磁性体によるX軸用シート状アンテナ(X軸用受信アンテナ)と、Y軸用シート状コイル117Yと筒状磁性体によるY軸用シート状アンテナ(Y軸用受信アンテナ)と、を有している。Z軸用筒状コイル119は、Z軸方向の磁界から効率よく起爆側電子回路の駆動用エネルギーと無線の制御信号及び起爆信号とを受け取ることができる。X軸用シート状コイル117Xは、X軸方向の磁界から効率よく起爆側電子回路の駆動用エネルギーと無線の制御信号及び起爆信号とを受け取ることができる。Y軸用シート状コイル117Yは、Y軸方向の磁界から効率よく起爆側電子回路の駆動用エネルギーと無線の制御信号及び起爆信号とを受け取ることができる。このため、図1に示す切羽面41におけるいずれの位置に削孔された装薬孔40であっても、より効率良く起爆側電子回路の駆動用エネルギーを受け取ることができるとともに無線の制御信号及び起爆信号を受信することができる。図2に示すように、筒状の起爆側受信アンテナ11内に爆薬を挿通することで、装薬孔内に、より多くの爆薬を装填することが可能であり、起爆効率を向上させることができる。
起爆側送信アンテナを、起爆側受信アンテナ11の外部に突出した部分に設け、且つ起爆側受信アンテナに接しない位置に設けている。無線起爆雷管と起爆側送信アンテナを一体化している。そのため導電線にて接続した別体の起爆側送信アンテナを有する場合と比較して、装薬孔への装填が容易である。起爆側送信アンテナと無線起爆雷管とを接続する導電線の断線を適切に回避することができる。
図29〜図33には、起爆側送信アンテナ18からの送信を補う送信補助アンテナ19が示されている。図2に示すように、無線起爆雷管10は、装薬孔40の最も奥に装填される。従って、無線起爆雷管10からの応答信号を送信する起爆側送信アンテナ18も、装薬孔40の奥深い位置となる。このため、装薬孔の周囲の岩盤の種類等によっては、起爆側送信アンテナ18からの送信信号が遮断されてしまい、送信信号を起爆操作機側受信アンテナ65に向けて効率良く送信できない可能性が考えられる。そこで、起爆側送信アンテナ18からの送信を補う送信補助アンテナ19を無線起爆雷管に追加することで、送信信号を起爆操作機側受信アンテナに効率良く送信できるようにする。
図29は、図12の断面図にて示す無線起爆雷管に、送信補助アンテナ19を追加した無線起爆雷管10Bの外観の例を示している。起爆側電子回路120と、起爆側受信アンテナ11と、起爆側送信アンテナ18と、起爆部14と、を有する無線起爆雷管は、筒状ケースである保護ケース165と制御ケース162に収容されて無線起爆雷管10Bを形成している。保護ケース165と制御ケース162の形状は、円筒状に限定されず、筒状であればよい。制御ケース162のサイズは、起爆側送信アンテナ18を有する起爆側電子回路120を保護して収容できるサイズであり、アンテナ軸J11に直交する径は、図30に示すように装薬孔40内に装填可能な径に設定されている。制御ケース162におけるアンテナ軸J11に沿う長さは、起爆側電子回路120を無駄なく収容可能な長さに設定されている。保護ケース165のサイズは、起爆側受信アンテナ11と起爆部14を保護して収容できるサイズである。アンテナ軸J11に直交する径は、起爆側受信アンテナ11を収容可能な径、かつ、図30に示すように無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201の一部を収容可能な径、かつ、装薬孔40内に装填可能な径、に設定されている。
保護ケース165におけるアンテナ軸J11に沿う長さは、起爆側受信アンテナ11と起爆部14を無駄なく収容可能な長さ、かつ、図30に示すように無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201の少なくとも一部を収容可能な長さに設定されている。制御ケース162の径(アンテナ軸J11に直交する径)と、保護ケース165の径(アンテナ軸J11に直交する径)は、一方の径のほうが他方の径よりも大きく設定されていてもよいし、同じであってもよい。制御ケース162の長さ(アンテナ軸J11に沿う長さ)と、保護ケース165の長さ(アンテナ軸J11に沿う長さ)は、一方の長さのほうが他方の長さよりも長く設定されていてもよいし、同じであってもよい。そして所定長さ(図30に示す装薬孔40の長さに応じて設定された長さ)を有する送信補助アンテナ19が、起爆側送信アンテナ18に接続されることなく(起爆側送信アンテナ18と非接続とされて)無線起爆雷管10Bに取り付けられている。送信補助アンテナ19は、金属やカーボン等の導電体で形成された誘導部191と、金属やカーボン等の導電体で形成されたリード部192と、にて所定長さとされ、接合部193にて誘導部191とリード部192とが接合されている。「所定長さ」は、図30に示すように無線起爆雷管10Bを装薬孔40に装填した際、送信補助アンテナ19の他方端の側(保護ケースまたは制御ケースに取り付けられる側とは反対の側)が、装薬孔40の開口部45に到達することが可能な長さ以上の長さに設定されている。
図29に示すように誘導部191は、送信補助アンテナ19の一方端であって、起爆側送信アンテナ18に非接続とされて、保護ケース165や制御ケース162の外側または内側の少なくとも一方に取り付けられている。誘導部191(送信補助アンテナ19)と起爆側送信アンテナ18とは非接続であるが、誘導部191から起爆側送信アンテナ18までの最短部の距離は、できるだけ短いことが好ましい。図29に示すように誘導部191は、例えば保護ケース165の外側に貼り付けられている。誘導部191は、アンテナ軸J11にほぼ平行となるように、保護ケース165の一端から他端まで延出している。この場合、誘導部191を、所定の厚さの銅箔やアルミニウム箔とすると、粘着テープ等にて容易に保護ケース165に貼り付けることができる。誘導部191は、起爆側送信アンテナ18から無線で送信された送信信号を、起爆側送信アンテナ18に対して非接触で受信し、受信した送信信号をリード部192に伝播する。誘導部191は、保護ケース165の一端から他端までの長さを有している。しかし誘導部191のアンテナ軸J11に平行な軸方向の長さは、特に限定しない。誘導部191におけるアンテナ軸J11まわりの周方向の幅は、起爆側受信アンテナ11を覆わないように、約10[mm]程度以下に設定されている。
図29に示すようにリード部192は、起爆側送信アンテナ18に非接続とされ、送信補助アンテナ19の他方端から保護ケース165や制御ケース162から離れるように延ばされている。絶縁体で被覆された導電線を有するリード部192が、接合部193にてハンダ等にて誘導部191に接合されて、保護ケース165や制御ケース162から離れるように延ばされている。リード部192は、誘導部191から伝播された送信信号を、図30における装薬孔40の開口部45からの垂れ下がり部194から、起爆操作機側受信アンテナ65に向けて送信する。この場合、垂れ下がり部194が実質的な送信アンテナとなる。図30中の垂れ下がり部194の垂れ下がり長さL19は、送信信号の波長の1/4以上の長さであることが好ましい。例えば、応答周波数が315[MHz]の場合、波長λ=30万[km/s]/315[MHz]=約1[m]であるので、この場合、垂れ下がり長さL19を約25[cm]以上とすることが好ましい。
図30は、無線起爆雷管を用いた爆薬ユニットを装薬孔40に装填した状態を示す図2に対して、無線起爆雷管を図29に示す無線起爆雷管10Bとした場合の状態を示している。送信補助アンテナ19は、装薬孔40の開口部45から引き出され、垂れ下がり部194を有している。垂れ下がり長さL19は、送信信号の波長の1/4以上とされていることが好ましい。図2中のケーブル71の代わりに送信補助アンテナ19を利用して表示装置72を取り付けることで、ケーブル71を省略することができる。上述した(b)爆薬装填ステップでは、図30に示すように、無線起爆雷管10Bが取り付けられた爆薬である無線起爆雷管付親ダイ用爆薬201と、無線起爆雷管10Bが取り付けられていない爆薬である増ダイ用爆薬202とを(すなわち爆薬ユニット20を)装薬孔40に装填する。送信補助アンテナ19の他方端(リード部192の側)が装薬孔40の開口部45から垂れ下がるように装薬孔40に装填する。
送信補助アンテナ19の誘導部191は、図29に示す位置に設けられても良いし、図31〜図33に示す位置に設けられても良い。図31の誘導部191は、アンテナ軸J11にほぼ平行となるように、保護ケース165の一端から他端まで、及び制御ケース162の一端から他端まで取り付け(貼り付け)られている。誘導部191におけるアンテナ軸J11に平行な軸方向の長さは、特に限定しない。誘導部191におけるアンテナ軸J11まわりの周方向の幅は、起爆側受信アンテナ11を覆わないように、約10[mm]程度以下に設定されている。
図32の誘導部191は、アンテナ軸J11にほぼ平行となるように、制御ケース162の一端から他端まで取り付け(貼り付け)られている。誘導部191におけるアンテナ軸J11に平行な軸方向の長さは、特に限定しない。誘導部191におけるアンテナ軸J11まわりの周方向の幅は、特に限定しない。
図33の誘導部191は、アンテナ軸J11を周回するように、制御ケース162の周囲に巻回されて取り付けられている。誘導部191におけるアンテナ軸J11まわりの周方向の長さは、特に限定しない。誘導部191におけるアンテナ軸J11に平行な軸方向の幅は、特に限定しない。
誘導部191は、保護ケース165及び制御ケース162において、外側または内側の少なくとも一方に取り付けられていればよい。例えば図29において誘導部191は、保護ケース165の一部における外側に取り付けられている。これに代えて誘導部191は、保護ケース165の内側に取り付けられていてもよいし、誘導部191の一部が保護ケースの内側で残りが保護ケースの外側に取り付けられていてもよい。誘導部191とリード部192とを1本の連続した導電線で形成してもよい。この場合は接合部193が省略される。送信補助アンテナ19は起爆側送信アンテナ18に接続されていないので、装薬孔40に静電気や(周囲の高圧電線等からの)漏洩電流や(何らかの原因により地中を流れている)迷走電流があって、これらを送信補助アンテナ19が拾ってしまった場合であっても、起爆側送信アンテナ18を介して起爆側電子回路120に伝わることを防止できる。上記のように、誘導部191の例として種々の例が考えられるが、誘導部191の好ましい形態の例としては、図29の例に示す誘導部191において、径が0.4[mm]程度の導線(銅線)を、保護ケース165の表面に接着剤等で貼り付けて形成した誘導部191が考えられる。
本発明の無線起爆雷管10、10A、10B、10Z、無線起爆システム1、無線起爆方法は、本実施の形態にて説明した外観、構造、構成、形状、方法等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
X軸用シート状コイル117Xにおける導電線の巻回の軸(筒状磁性体の軸に直交する軸)は、Z軸用筒状コイル119における導電線の巻回の軸(筒状磁性体の軸)に直交している。Y軸用シート状コイル117Yにおける導電線の巻回の軸(筒状磁性体の軸に直交する軸)は、Z軸用筒状コイル119における導電線の巻回の軸(筒状磁性体の軸)に直交しており、X軸用シート状コイル117Xにおける導電線の巻回の軸に直交している。
本実施の形態の説明では、起爆側受信アンテナ11の磁性体として、シート状の筒状磁性体115を用い、起爆側受信アンテナ11のコイルとして、Z軸用筒状コイル119、X軸用シート状コイル117X、Y軸用シート状コイル117Y、を用いた例を説明した。しかし、起爆側受信アンテナ11の磁性体の形状は、どのような形状であってもよいし、起爆側受信アンテナ11の形状も、どのような形状であってもよい。つまり、Z軸用受信アンテナ11Zとしては、Z軸回りかつ第1磁生体の周囲に導電線が巻回されていれば、第1磁生体の形状も、導電線を巻回したコイルの形状も、どのような形状であってもよい。同様に、X軸用受信アンテナ11Xとしては、X軸回りかつ第2磁生体の周囲に導電線が巻回されていれば、第2磁生体の形状も、導電線を巻回したコイルの形状も、どのような形状であってもよい。同様に、Y軸用受信アンテナ11Yとしては、Y軸回りかつ第3磁生体の周囲に導電線が巻回されていれば、第3磁生体の形状も、導電線を巻回したコイルの形状も、どのような形状であってもよい。
起爆側送信アンテナ18の形状は、図20及び図28の例に示すアンテナ部182の形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。
本実施の形態にて説明した無線起爆雷管10、10A、10B、10Z、無線起爆システム1、無線起爆方法は、トンネルの掘削現場に限定されず、種々の現場の爆破に適用することが可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
本実施の形態にて説明した起爆側受信アンテナ11は、Z軸用筒状アンテナ(Z軸用受信アンテナ)のみをZ軸方向に沿って装薬孔に配置した従来のアンテナに対して、起爆側電子回路の駆動用エネルギーを、より「効率良く」受け取ることができるとともに、無線の制御信号及び起爆信号を、より「効率良く」受信することができる。なお「効率良く」とは、従来のアンテナでは、例えば図4の例に示す装薬位置P1a、P1c、P3a、P3c等の起爆操作機側送信アンテナの縁部では、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを充分に受け取れない場合や、無線の制御信号及び起爆信号を受信できない場合が、稀に発生したが、本実施の形態の起爆側受信アンテナでは、発明者が何度も実験した結果、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを充分に受け取れない場合や、無線の制御信号及び起爆信号を受信できない場合が、一度も発生しなかった、という意味を含んでいる。つまり本実施の形態にて説明した起爆側受信アンテナ11にて「効率良く受け取ることができる」「効率良く受信できる」とは、上記の従来のアンテナと比較して、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを「より確実に受け取ることが可能」であり、無線の制御信号及び起爆信号を「より確実に受信することができる」、という意味を含んでいる。
添付の図面を参照して詳細に上述した種々の実施例は、本発明の代表例であって本発明を限定するものではありません。詳細な説明は、本教示の様々な態様を作成、使用および/または実施するために、当業者に教示するものであって、本発明の範囲を限定するものではありません。更に、上述した各付加的な特徴および教示は、改良された無線起爆雷管、無線起爆システム、及び無線起爆方法を提供するため、別々にまたは他の特徴および教示と一緒に適用および/または使用され得るものです。

Claims (7)

  1. 無線起爆雷管であって、
    無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取る起爆側受信アンテナと、
    無線方式で、前記制御信号に対する応答信号を送信する起爆側送信アンテナと、
    起爆部と、
    前記起爆側受信アンテナを介して、前記駆動用のエネルギー、前記制御信号、及び前記起爆信号を受け取り、前記起爆側送信アンテナを介して前記応答信号を送信し、前記起爆信号に基づいて前記起爆部に点火する起爆側電子回路とを有し、
    前記起爆側送信アンテナから送信される前記応答信号の周波数である応答周波数が、100MHz以上1GHz以下に設定され
    前記起爆側送信アンテナが、前記無線起爆雷管の前記起爆側受信アンテナの外部に突出している部分に配置され、且つ、前記起爆側受信アンテナと接しないように位置している無線起爆雷管。
  2. 線起爆雷管であって、
    無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取る起爆側受信アンテナと、
    無線方式で、前記制御信号に対する応答信号を送信する起爆側送信アンテナと、
    起爆部と、
    前記起爆側受信アンテナを介して、前記駆動用のエネルギー、前記制御信号、及び前記起爆信号を受け取り、前記起爆側送信アンテナを介して前記応答信号を送信し、前記起爆信号に基づいて前記起爆部に点火する起爆側電子回路とを有し、
    前記起爆側送信アンテナから送信される前記応答信号の周波数である応答周波数が、100MHz以上1GHz以下に設定され、
    所定方向をZ軸、前記Z軸に直交する軸をX軸、前記Z軸と前記X軸との双方に直交する軸をY軸とした場合、
    前記起爆側受信アンテナは、
    前記Z軸回りかつ第1磁性体の周囲に、導電線が巻回されたZ軸用受信アンテナと、
    前記X軸回りかつ第2磁性体の周囲に、導電線が巻回されたX軸用受信アンテナと、
    前記Y軸回りかつ第3磁性体の周囲に、導電線が巻回されたY軸用受信アンテナと、を含んでいる無線起爆雷管。
  3. 線起爆雷管であって、
    無線方式で、駆動用のエネルギー、制御信号、及び起爆信号を受け取る起爆側受信アンテナと、
    無線方式で、前記制御信号に対する応答信号を送信する起爆側送信アンテナと、
    起爆部と、
    前記起爆側受信アンテナを介して、前記駆動用のエネルギー、前記制御信号、及び前記起爆信号を受け取り、前記起爆側送信アンテナを介して前記応答信号を送信し、前記起爆信号に基づいて前記起爆部に点火する起爆側電子回路とを有し、
    前記起爆側送信アンテナから送信される前記応答信号の周波数である応答周波数が、100MHz以上1GHz以下に設定され、
    前記無線起爆雷管は、筒状ケースに収容され、所定長さを有する導電体で形成されて前記起爆側送信アンテナからの送信を補う送信補助アンテナを有し、
    前記送信補助アンテナは、リード部と誘導部とを有し、
    前記誘導部は、前記送信補助アンテナの一方端であって、前記筒状ケースの一部における外側または内側の少なくとも一方に取り付けられており、
    前記リード部は、前記送信補助アンテナの他方端であって、前記筒状ケースから離れるように延ばされており、
    前記送信補助アンテナは、前記起爆側送信アンテナに非接続とされている無線起爆雷管。
  4. 請求項1または2に記載の無線起爆雷管と、
    前記無線起爆雷管が取り付けられて、被爆破個所に削孔された装薬孔に装填される爆薬と、
    切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされた起爆操作機側送信アンテナと、
    前記起爆操作機側送信アンテナとは異なるアンテナであって、前記装薬孔の0m〜100mの位置に配置された起爆操作機側受信アンテナと、
    前記装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、前記駆動用のエネルギー、前記制御信号、及び前記起爆信号を前記無線起爆雷管に受け渡し、無線方式で、前記応答信号を前記無線起爆雷管から受信する、起爆操作機と、を有している無線起爆システム。
  5. 請求項に記載の無線起爆雷管と、
    前記無線起爆雷管が取り付けられて、被爆破個所に削孔された装薬孔に装填されるとともに前記送信補助アンテナの前記他方端が前記装薬孔の開口部から垂れ下がるように前記装薬孔に装填された爆薬と、
    切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされた起爆操作機側送信アンテナと、
    前記起爆操作機側送信アンテナとは異なるアンテナであって、前記装薬孔の0m〜100mの位置に配置された起爆操作機側受信アンテナと、
    前記装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、前記駆動用のエネルギー、前記制御信号、及び前記起爆信号を前記無線起爆雷管に受け渡し、無線方式で、前記応答信号を前記無線起爆雷管から受信する、起爆操作機と、を有している無線起爆システム。
  6. 請求項1または2に記載の無線起爆雷管を用い、
    (a)装薬孔削孔ステップと、
    (b)爆薬装填ステップと、
    (c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップと、
    (d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップと、
    (e)電子回路準備開始送信ステップと、
    (f)電子回路準備完了応答ステップと、
    (g)起爆信号送信ステップと、
    (h)発破ステップと、
    を有する無線起爆方法であって、
    (a)前記装薬孔削孔ステップでは、被爆破個所に装薬孔を削孔し、
    (b)前記爆薬装填ステップでは、前記無線起爆雷管が取り付けられた爆薬である無線起爆雷管付親ダイ用爆薬と、前記無線起爆雷管が取り付けられていない爆薬である増ダイ用爆薬と、を前記装薬孔に装填し、
    (c)前記起爆操作機側送信アンテナ設置ステップでは、前記被爆破個所から第1所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側送信アンテナをループ状に張り、
    (d)前記起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、前記被爆破個所から第2所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナを設置し、
    (e)前記電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機が、100kHz以上500kHz以下の周波数である操作周波数にて、電子回路準備を開始させる前記制御信号と前記駆動用のエネルギーとを含む電子回路準備開始信号を、前記起爆操作機側送信アンテナを介して、前記起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信し、
    (f)前記電子回路準備完了応答ステップでは、前記電子回路準備開始信号を、前記起爆側受信アンテナを介して前記無線起爆雷管にて受信し、前記無線起爆雷管が、前記駆動用のエネルギーの充電及び当該起爆側電子回路の駆動とを含む前記電子回路準備を開始し、前記電子回路準備が完了した場合に当該電子回路準備の完了を示す前記応答信号である電子回路準備完了信号を、前記応答周波数にて、前記起爆側送信アンテナを介して、前記無線起爆雷管から前記起爆操作機に送信し、
    (g)前記起爆信号送信ステップでは、前記電子回路準備完了信号を、前記起爆操作機側受信アンテナを介して前記起爆操作機にて受信した後、前記起爆操作機が、前記操作周波数にて、前記起爆信号を、前記起爆操作機側送信アンテナを介して、前記起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信し、
    (h)前記発破ステップでは、前記起爆信号を、前記起爆側受信アンテナを介して前記無線起爆雷管にて受信し、前記無線起爆雷管が、充電した前記駆動用のエネルギーを用いて、前記起爆側電子回路から前記起爆部に点火して起爆する、
    無線起爆方法。
  7. 請求項に記載の無線起爆雷管を用い、
    (a)装薬孔削孔ステップと、
    (b)爆薬装填ステップと、
    (c)起爆操作機側送信アンテナ設置ステップと、
    (d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップと、
    (e)電子回路準備開始送信ステップと、
    (f)電子回路準備完了応答ステップと、
    (g)起爆信号送信ステップと、
    (h)発破ステップと、
    を有する無線起爆方法であって、
    (a)前記装薬孔削孔ステップでは、被爆破個所に装薬孔を削孔し、
    (b)前記爆薬装填ステップでは、前記無線起爆雷管が取り付けられた爆薬である無線起爆雷管付親ダイ用爆薬と、前記無線起爆雷管が取り付けられていない爆薬である増ダイ用爆薬と、を前記装薬孔に装填するとともに前記送信補助アンテナの前記他方端の側が前記装薬孔の開口部から垂れ下がるように前記装薬孔に装填し、
    (c)前記起爆操作機側送信アンテナ設置ステップでは、前記被爆破個所から第1所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側送信アンテナをループ状に張り、
    (d)前記起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、前記被爆破個所から第2所定距離だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナを設置し、
    (e)前記電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機が、100kHz以上500kHz以下の周波数である操作周波数にて、電子回路準備を開始させる前記制御信号と前記駆動用のエネルギーとを含む電子回路準備開始信号を、前記起爆操作機側送信アンテナを介して、前記起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信し、
    (f)前記電子回路準備完了応答ステップでは、前記電子回路準備開始信号を、前記起爆側受信アンテナを介して前記無線起爆雷管にて受信し、前記無線起爆雷管が、前記駆動用のエネルギーの充電及び当該起爆側電子回路の駆動とを含む前記電子回路準備を開始し、前記電子回路準備が完了した場合に当該電子回路準備の完了を示す前記応答信号である電子回路準備完了信号を、前記応答周波数にて、前記起爆側送信アンテナを介して、前記無線起爆雷管から前記起爆操作機に送信し、
    (g)前記起爆信号送信ステップでは、前記電子回路準備完了信号を、前記起爆操作機側受信アンテナを介して前記起爆操作機にて受信した後、前記起爆操作機が、前記操作周波数にて、前記起爆信号を、前記起爆操作機側送信アンテナを介して、前記起爆操作機から前記無線起爆雷管に送信し、
    (h)前記発破ステップでは、前記起爆信号を、前記起爆側受信アンテナを介して前記無線起爆雷管にて受信し、前記無線起爆雷管が、充電した前記駆動用のエネルギーを用いて、前記起爆側電子回路から前記起爆部に点火して起爆する、無線起爆方法。
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