JP4309001B2 - 遠隔無線起爆装置並びに該装置に用いられる電力エネルギー送信装置及び無線雷管ユニット - Google Patents

遠隔無線起爆装置並びに該装置に用いられる電力エネルギー送信装置及び無線雷管ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削等において発破作業に用いられる遠隔無線起爆装置並びに該装置に用いられる電力エネルギー送信装置及び無線雷管ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
トンネル掘削等における発破作業では、起爆装置に電気雷管が用いられる場合、通常、次の(1)〜(6)の手順で発破を行う。
(1)火工所にて、親ダイを作成する。
(2)切羽面に装薬孔を穿孔する。
(3)装薬孔に爆薬と親ダイを装填する。
(4)個々の電気雷管の脚線を直列または並列に接続し、さらに発破母線に結線する。
(5)専用テスタを用いて結線状態を確認する。
(6)発破器により、電気雷管に起爆エネルギーを与え、発破する。
【0003】
これらの手順のうちで特に(4)の結線作業は、細く柔軟な脚線が扱われるため、自動化が困難であり、作業者が人手で行わざるを得ない。また、結線作業が行われる現場の切羽近くは、岩盤崩落による人身事故の危険性をはらんでおり、安全上の問題が残されている。特に、切羽岩盤や足下の泥水、高湿度、手元の照度不足などの厳しい作業環境において、数10個ないし100個以上の雷管を確実に結線するには、多くの人員と時間を要しており、結線作業の合理化が切望されてきた。
【0004】
電気雷管を用いる発破作業において、装填した爆薬を完爆させるためには、結線が確実に行われることが必要である。その確認のための手段として、専用テスターによる導通チェックが行われている。すなわち、導通が確認され、且つ電気抵抗値がある範囲内に収まれば、結線が行われていると判断するものである。
しかし、導通チェックで問題がなくとも、絶縁されていない雷管脚線の結線部が濡れた岩盤に接触したり、起爆電流がリークしたりすると、一部雷管の不発を引き起こす恐れがある。それを防ぐには、結線部分をすべてビニールテープ等で絶縁することが推奨されるが、結線作業をさらに煩雑化させることになる。
【0005】
このような結線にまつわる問題を解決するため、結線作業が不要な無線起爆装置が提案されている。この無線起爆装置は、雷管、電波受信装置及び電池を一体化し、電波で送受信された起爆指令により、電池のエネルギーで雷管を起爆させるようにしたものである。この無線起爆装置によれば、結線の不要化は実現できるが、雷管と起爆エネルギー源である電池が一体化されるため、工場出荷から装薬作業までの全ての過程において安全性を保証するための多重安全装置の開発には困難を伴い、また、顧客ユーザーに直感的な安心感を与えるには、相当の工夫が必要となる。
【0006】
また、安全性を考慮した無線起爆装置として、例えば特開平7―280497号公報に開示されるように、装薬作業後にマイクロ波等の電波を用いて点火エネルギーを雷管に伝送する技術が提案されているが、マイクロ波領域における電波法の規制もあって、十分な点火エネルギーを遠方から雷管に伝送し得るほどの強力な電波の使用は実際上困難である。
【0007】
そこで、電波法の規制に抵触しない点火エネルギーの伝送手段として、例えば特公昭50―28621号公報に開示されるように、送信コイルと雷管に内蔵された受信コイルと間の電磁誘導で点火エネルギーを伝送し、送信コイルの発生磁界を消滅させることを起爆指令とした技術が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭50−28621号公報に開示された点火エネルギー伝送技術においては、雷管の点火エネルギー蓄積状況を遠隔的に確認して制御する手段がないため、送信コイルの発生磁界が減衰しやすい現場の状況下では雷管に十分な点火エネルギーが蓄積されず、不発を起こす虞れがあり、また、従来の電気雷管での装薬後の導通チェックに相当する起爆装置の異常検知手段が存在しないなど、単に送信コイルと受信コイルとの間の電磁誘導で点火エネルギーを伝送する技術では、起爆の信頼性と安全性を十分に確保することができないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、電波法の規制に抵触しない範囲で起爆の信頼性と安全性の向上を図ることができる遠隔無線起爆装置並びに該装置に用いられる電力エネルギー送信装置及び無線雷管ユニットを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る遠隔無線起爆装置は、交流電力エネルギーを変調して出力する出力手段を有するコントローラーユニット、及び前記出力手段の出力に応じて交流磁界を発生するアンテナユニットを備えて切羽から離間する位置に設置される電力エネルギー送信装置と、
前記アンテナユニットが発生した交流磁界を受信して該交流磁界のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段、該エネルギー変換手段によって変換された電気エネルギーを整流し充電する整流充電回路、交流磁界の変調成分を受信して復調する復調手段、及び該復調手段によって復調された信号である制御信号によって点火起爆を制御する点火起爆制御手段を備えて切羽に装填される複数の無線雷管ユニットと、を具備し、
さらに、前記無線雷管ユニットのそれぞれが、前記電気エネルギーの蓄積状態を表す信号及び前記制御信号に応答するための信号を送信する送信手段を有すると共に、前記電力エネルギー送信装置が、前記無線雷管ユニットから送信された信号を受信する受信手段を有し、
前記電力エネルギー送信装置は、個々の前記無線雷管ユニットに対し、前記電気エネルギーの蓄積状態についての信号の送信を要求する制御信号を送信し、全ての前記無線雷管ユニットの充電完了を確認した後に、個々の前記無線雷管ユニットに対して起爆準備指令信号を送信し、そして、全ての前記無線雷管ユニットが前記起爆準備指令信号を受信したことを示す起爆準備完了信号を返信したことを確認したら、個々の前記無線雷管ユニットに起爆信号を送信するようになっていることを特徴とする。
なお、無線雷管ユニットの送信手段と電力エネルギー送信手段の受信手段との間でやり取りされる信号は、電波、可視光線、赤外線、紫外線等の電磁波または交流磁界であることが好ましい。
また、前記無線雷管ユニットの前記整流充電回路は、前記電気エネルギーを蓄積するコンデンサを備えることが好ましい。
【0011】
また、前記電力エネルギー送信装置及び前記無線雷管ユニットの内の少なくとも一方は、通信誤りの検知手段を有し、また、誤り検知時に再送信を要求する手段を通信手順として組み込んで有することが好ましい。
本発明に係る電力エネルギー送信装置は、交流電力エネルギーを変調して出力する出力手段を有するコントローラーユニットと、前記出力手段の出力に応じて交流磁界を発生するアンテナユニットと、前記無線雷管ユニットから送信された信号を受信する手段と、を有し、個々の前記無線雷管ユニットに対し、前記電気エネルギーの蓄積状態についての信号の送信を要求する制御信号を送信し、全ての前記無線雷管ユニットの充電完了を確認した後に、個々の前記無線雷管ユニットに対して起爆準備指令信号を送信し、そして、全ての前記無線雷管ユニットが前記起爆準備指令信号を受信したことを示す起爆準備完了信号を返信したことを確認したら、個々の前記無線雷管ユニットに起爆信号を送信するようになっていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る無線雷管ユニットは、前記アンテナユニットが発生した交流磁界を受信して該交流磁界のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、該エネルギー変換手段によって変換された電気エネルギーを整流し充電する整流充電回路と、交流磁界の変調成分を受信して復調する復調手段と、該復調手段によって復調された信号である制御信号によって点火起爆を制御する点火起爆制御手段と、前記電気エネルギーの蓄積状態を表す信号及び前記制御信号に応答するための信号を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明において、交流電力エネルギーを変調して出力する出力手段としては、例えば電流を変調して変調交流電力エネルギーを出力するものを用いることができ、電流の変調は周波数を変化させるものが実用上好ましく、特に、周波数を切り替えるときに位相を連続して変化させるものが好ましい。その他の出力手段として、交流電流をON/OFF変調する方法も利用可能である。この場合、正弦波などの交流電流の瞬時値がゼロになる位相(逆起電力が小さい)においてON/OFFを行うことが好ましい。
【0013】
交流磁界を受信して該交流磁界のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、交流磁界の変調成分を受信して復調する復調手段とには、同一の受信コイルを利用することが可能である。
また、交流磁界の変調成分を受信して復調する手段には、磁気センサーを利用することも可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。
本発明の実施の形態の一例である遠隔無線起爆装置は、電力エネルギー送信装置及び無線雷管ユニットから構成されており、電力エネルギー送信装置は、図1に示すように切羽から十分離れた安全な位置に設置されたコントローラーユニット1と、送信コイル(アンテナユニット)2と、コイル接続ボックスと、受信アンテナ3と、復調回路ボックスとを備えている。
【0016】
コントローラーユニット1は、操作コンソール(PC)、送信回路(出力手段)、電力アンプ及び受信回路からなり、操作コンソールは、マンマシンインターフェースとCPUを有し、作業者の操作指示をCPUが解釈した結果やCPUが発生する指示を、制御信号として送信回路に伝達する。
送信回路は、制御信号の入力がないときは、一定振幅、一定周波数の交流正弦波信号を発生し、制御信号が入力されたときは、出力する交流正弦波信号の周波数、位相又は振幅を制御信号に応じて変化させる。具体的には、例えば、送信回路が発生する交流正弦波信号を、高低2つの周波数としてデジタル2値の制御信号に対応させる方法があり、これは「FSK」と称される周波数変調の1方式である。電力アンプには電力ケーブルが接続され、電力ケーブルの他端はコイル接続ボックスを介して切羽近傍に設置されたアンテナユニットである送信コイル2に接続される。このようにして、送信コイル2が発生する交流磁界が操作コンソールから出力された制御信号により変調される。
【0017】
ここで、送信回路の出力周波数の切り替えにおいては、その出力の位相を連続的に変化させることが望ましい。理由は、送信回路の出力の電圧波形に例えばステップ状の急激な変化があると、送信コイル2にはそのインダクタンスと電流の時間微分値に応じて大きな逆起電力が発生するため、電力アンプの出力定格値を大きくせざるを得ず、不経済だからである。電力アンプの出力波形が連続的に変化するように送信回路で周波数変調を行えば、送信コイル2に発生する逆起電力を抑制できる。なお、本発明の受信手段を構成する受信回路、復調回路ボックス及び受信アンテナについては後述する。
【0018】
また、交流正弦波の周波数に、電波法の規制に抵触しない10kHz未満を選定すれば、本発明の起爆装置の運用にあたり、特別の免許、資格、申請手続は不要となる。岩盤の導電率が例えば海水並の場合を除けば、岩盤による磁界の低減は小さく、その場合、電磁誘導でエネルギーを効率的に伝送するには、交流正弦波の周波数は高い程よい。そこで、交流正弦波の周波数は電波法の規制に抵触しない値の上限に近い7kHz〜9kHzが好ましい。
【0019】
図2に無線雷管ユニットの回路ブロック図を、図3に無線雷管ユニットの概略図を示す。
無線雷管ユニットは高透磁率物質からなるコアが挿入された受信コイル(エネルギー変換手段)を備えており、この受信コイルは、送信コイル2が発生した交流磁界を受信して起電力を発生する。受信コイルにはコンデンサを含む共振回路が接続され、受信コイルに生じる起電力は効率的に電力として取り出される。共振回路に生じた交流電流は、整流充電回路中のダイオードにより直流に整流され、同回路内のコンデンサに充電される。このコンデンサに蓄えられた電気エネルギーによって、全体制御CPU、復調回路、変調回路が駆動されるが、それらの回路の動作を安定化するために、整流充電回路との間に定電圧回路が介設されている。復調回路(復調手段)には受信コイルから出力された変調交流信号が入力され、復調回路は変調交流信号を制御信号に復調して全体CPUに出力する。全体制御CPU(点火起爆制御手段)は復調回路から出力された制御信号を解釈し、点火起爆全体の制御を行う。
【0020】
また、整流充電回路の出力は、起爆用昇圧充電回路にも入力され、同回路中の起爆用コンデンサを充電する。同コンデンサのエネルギーが電気雷管部に導かれて点火エネルギーとして用いられるが、その通電のON/OFFは、スイッチ(SW)回路によって行われ、そのタイミングの制御は、全体制御CPUによって行われる。また、全体制御CPUには起爆用昇圧充電回路から出力された点火エネルギーの蓄積状態信号が入力される。
【0021】
そして、復調回路から全体制御CPUに出力された制御信号が、無線雷管ユニットから所定の信号の送信を要求する内容であった場合、例えば起爆用昇圧充電回路の点火エネルギーの蓄積の状態についての信号の送信を要求する内容であった場合、全体制御CPUは、制御信号に応じた送信内容を変調回路に出力する。変調回路(送信手段)は、送信内容によって変調された高周波電流を脚線状アンテナ(送信手段)4に出力し、脚線状アンテナ4から電波を輻射する。その電波は、切羽近傍に設置された電力エネルギー送信装置の受信アンテナ3と復調回路ボックスで受信され、復調回路ボックスの出力は受信信号ケーブルを介してコントローラーユニット1の受信回路を経て操作コンソールに伝達される。操作コンソールは、この受信内容を解釈し、新たな制御信号を上記同様にして、送信回路、電力アンプ及び送信コイル2を経て無線雷管ユニットに送信するか、或いはマンマシンインターフェースを介して状況表示等を行う。
【0022】
無線雷管ユニットからコントローラユニット1への送信手段としては、利用する電波の出力を電波法施行規則に定められる微弱電波の範囲内に抑えることが望ましい。また、電波の周波数は低い方が、岩盤による吸収損失は小さくできるが、あまり周波数が小さすぎると、扱いやすい3m程度の長さの脚線状アンテナでは電波輻射効率が低下し、かえって好ましくない。岩盤による吸収損失と脚線状アンテナの輻射効率を勘案すると、電波の周波数は10MHz〜60MHzが好ましく、さらに40MHz〜30MHzがより好ましい。赤外線、可視光線または紫外線を利用するときは、脚線状アンテナ4の代わりにLEDなどの発光手段を装薬孔外に設置し、受信アンテナ3の代わりにCCDなどの光センサを用いればよい。また、電磁誘導を利用するときは、脚線状アンテナ4の代わりに小型送信コイルを用い、受信アンテナ3にはループ状のコイルを用いればよい。
【0023】
次に、かかる構成の遠隔無線起爆装置について、実際の使用例を通してさらに詳述する。
無線雷管ユニットは、火工所において親ダイ挿入部が爆薬に挿入され、起爆用の親ダイに加工される。親ダイは、増しダイとして用いられる他の爆薬とともに切羽に搬入され、切羽面全面の多数箇所に穿孔された装薬孔に挿入される。装薬孔に親ダイを挿入する際、脚線状アンテナ4の先端を装薬孔外に引き出すことで、脚線状アンテナ4を装薬孔内にまっすぐに展開でき、さらに、脚線状アンテナ4の先端が装薬孔外に露出するので電波の輻射効率が向上し、確実な送受信が可能となる。脚線状アンテナ4は、他の電線などに接続することは不要であり、従来の雷管で必要であった結線作業をなくすことができる。この段階では、無線雷管ユニット内には点火エネルギーが蓄積されておらず、誤爆の可能性は存在しない。
【0024】
全ての無線雷管ユニットを装薬孔に装填した後に、送信コイル2を切羽近傍の所定の位置に設置し、コントローラユニット1の操作コンソールを操作して送信回路、電力アンプを経て送信コイル2への通電を開始し、これにより、送信コイル2に交流磁界を発生させる。この通電に際しては、まず、個々の無線雷管ユニットに自己診断を行わせて診断結果の確認を行う。具体的には、予め個々の無線雷管ユニットに割り振られたIDコードを制御信号に含める方式で指定の無線雷管ユニットに送信し、該無線雷管ユニットから受信アンテナ3に自己診断結果を送信させる。
【0025】
このとき、操作コンソールに無線雷管ユニットからの応答がない場合は断線等の何らかの異常が発生したと判断して無線雷管ユニットの点検・交換等を行う。この段階では、無線雷管ユニットの全体制御CPUには起爆用昇圧充電回路に対して点火エネルギーの充電を開始させる制御信号は送信されておらず、誤爆の可能性は存在しない。
【0026】
一方、操作コンソールが無線雷管ユニットからの所定の信号を受信して全ての無線雷管ユニットの自己診断結果が正常である場合は、操作コンソールを操作して送信回路、電力アンプ及び送信コイル2を経て全ての無線雷管ユニットに対して点火エネルギーの充電開始指令を送信する。充電が完了する時間を見計らい、充電電圧が規定値に達したかどうかを、個々の無線雷管ユニット、具体的には全体制御CPUに対して、上述したように起爆用昇圧充電回路の点火エネルギーの蓄積状態についての信号の送信を要求する制御信号を送信して個々の無線雷管ユニット毎に確認する。
【0027】
操作コンソールによって全ての無線雷管ユニットの充電完了を確認した後、操作コンソールから全ての無線雷管ユニットに対して起爆準備指令を上記同様にして送信し、更に、個々の無線雷管ユニットの全体制御CPUに対して、起爆準備状態にセットされたかどうかについての信号の送信を要求する制御信号を送信して起爆準備状態にセットされたかどうかを個々の無線雷管ユニット毎に確認する。
【0028】
操作コンソールから無線雷管ユニットへの起爆指令は、送信コイル2の電流をOFFとすることで行う。これは、起爆指令を通常の制御信号で送り、個々の無線雷管ユニット毎に確認作業を行ったのでは、全ての無線雷管ユニットの起爆タイミングを揃えられず、また、起爆の確実性の点から確認を省略することもできないためである。
【0029】
従って、送信コイル2の電流OFFが起爆指令として機能するのは、前記の起爆準備状態にセットされた場合のみである。起爆準備セットされるまでは、送信コイル2の電流OFFは無線雷管ユニットの全体制御CPUによって起爆指令と解釈されないので、不慮の断線などで送信コイル2の電流がOFFしても、誤爆を起こすことはない。
【0030】
さらに望ましくは、起爆指令を次の導通パターン;規定時間OFF、規定時間ON、その後OFFとすることが考えられる。例えば、起爆準備セット指令送信後、一部の無線雷管が通信エラーにより起爆準備セット状態にならず、しかも、この段階で送信コイルの断線が起ったことを想定する。この場合、大部分の無線雷管は起爆するが、起爆準備セット状態でない無線雷管は不起爆となり爆発物が残留するので、事後処理に大きな危険が伴うことになる。そこで、単純な電流OFFではなく、前記のような特定の導通パターンを起爆指令とすれば、送信コイルの不慮の断線に対するリスクをより低減することができる。
【0031】
本発明の起爆装置においては、電力エネルギー送信装置と無線雷管ユニットとの間で双方向通信をなし得るものである。本発明の起爆装置においては、前述のとおり、操作コンソールからの指令並びに無線雷管ユニットの状態を無線で送受信するが、一般に無線通信では有線通信に比べノイズ等の影響を受けやすく、無手順の通信では、十分な信頼性を確保できないおそれがある。その対策として、本発明の起爆装置は、電力エネルギー送信装置と無線雷管ユニットとの内の少なくとも一方は通信誤りの検知手段を有し、また、誤り検知時に再送信を要求する手段を通信手順として組み込んで有することができる。
【0032】
誤り検知手段としては、操作コンソールから指令並びに無線雷管ユニットの状態をデジタルデータとして送信する際に、それぞれの受信側である無線雷管ユニットと操作コンソールで受信内容の誤りの有無を検知できるよう、冗長なデータを付け加えれば良い。具体的にはパリティビットやCRCコードなどの誤り検知手段を用いることができる。
【0033】
このように、誤り検知と再送信を組み合わせた双方向通信手段を用いることで、十分に通信の信頼性を確保できる。この双方向通信手段により、無線雷管ユニットの自己診断結果、起爆用昇圧充電回路の充電状態などを起爆に至るシーケンスの各段階で確認することで、起爆の高い信頼性を確保することができ、特に不起爆の可能性を極めて低く抑えることができる。起爆に至るシーケンスの各段階で異常が検知された場合には、起爆を中止し、無線雷管ユニットに内蔵の放電回路により点火エネルギーが消失するのに十分な時間だけ放置した後、異常が検知された無線雷管ユニットを排除し、代替品と交換する。
【0034】
以上のように、本発明の起爆装置によれば、電磁誘導による無線雷管ユニットへの点火エネルギーの無線伝送によって、発破作業における起爆のための結線作業を排除することで、作業の安全性の向上と合理化を実現し、電気雷管部の点火エネルギーを無線雷管ユニットを装薬孔に装填した後に遠隔的に伝送することで、遠隔無線起爆装置の本質的な安全性を確保することができる。
【0035】
更に、点火エネルギーを伝送する交流磁界を制御信号で変調し、コントローラユニットから無線雷管ユニットに制御信号を送受信すると共に、無線雷管ユニットからコントローラユニット側へ無線雷管ユニットの状態を送受信することで、起爆の手順ごとにチェックを行うことができるので、発破作業時の信頼性と安全性を向上を図ることができる。
【0036】
本発明の起爆装置においては、コントローラユニットと無線雷管ユニットとの間で双方向通信手段を持ち、且つ、無線雷管ユニットにCPUを搭載しているため、プログラマブルな電子式遅延起爆機能を付加することも容易である。即ち、双方向通信手段により、コントローラユニットから無線雷管ユニットに起爆遅延時間データを送信し、無線雷管ユニットから起爆遅延時間データをコントローラユニットに返送することで正しく遅延時間が設定されたことを確認できる。この場合、通信においてIDコードを利用することで、無線雷管ユニット毎に別々の起爆遅延時間を設定することができる。無線雷管ユニットは、起爆指令受信後、所定の起爆遅延時間を計時し、タイムアップ後に雷管を起爆させるが、計時手段としては、CPUに内蔵されたタイマー機能若しくはソフトウェアで実現したカウンタが利用できる。
【0037】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、電波法の規制に抵触しない範囲で起爆の信頼性及び安全性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である遠隔無線起爆装置を構成する電力エネルギー送信装置の回路ブロック図である。
【図2】無線雷管ユニットの回路ブロック図である。
【図3】無線雷管ユニットの概略図である。
【符号の説明】
1…コントローラーユニット
2…送信コイル
3…受信アンテナ
4…脚線状アンテナ

Claims (8)

  1. 交流電力エネルギーを変調して出力する出力手段を有するコントローラーユニット、及び前記出力手段の出力に応じて交流磁界を発生するアンテナユニットを備えて切羽から離間する位置に設置される電力エネルギー送信装置と、
    前記アンテナユニットが発生した交流磁界を受信して該交流磁界のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段、該エネルギー変換手段によって変換された電気エネルギーを整流し充電する整流充電回路、交流磁界の変調成分を受信して復調する復調手段、及び該復調手段によって復調された信号である制御信号によって点火起爆を制御する点火起爆制御手段を備えて切羽に装填される複数の無線雷管ユニットと、を具備し、
    さらに、前記無線雷管ユニットのそれぞれが、前記電気エネルギーの蓄積状態を表す信号及び前記制御信号に応答するための信号を送信する送信手段を有すると共に、前記電力エネルギー送信装置が、前記無線雷管ユニットから送信された信号を受信する受信手段を有し、
    前記電力エネルギー送信装置は、個々の前記無線雷管ユニットに対し、前記電気エネルギーの蓄積状態についての信号の送信を要求する制御信号を送信し、全ての前記無線雷管ユニットの充電完了を確認した後に、個々の前記無線雷管ユニットに対して起爆準備指令信号を送信し、そして、全ての前記無線雷管ユニットが前記起爆準備指令信号を受信したことを示す起爆準備完了信号を返信したことを確認したら、個々の前記無線雷管ユニットに起爆信号を送信するようになっていることを特徴とする遠隔無線起爆装置。
  2. 前記無線雷管ユニットの前記整流充電回路は、前記電気エネルギーを蓄積するコンデンサを備える請求項1記載の遠隔無線起爆装置。
  3. 前記電力エネルギー送信装置及び前記無線雷管ユニットの内の少なくとも一方は、通信誤りの検知手段を有し、また、誤り検知時に再送信を要求する手段を通信手順として組み込んで有することを特徴とする請求項2記載の遠隔無線起爆装置。
  4. 請求項1記載の遠隔無線起爆装置に用いられる電力エネルギー送信装置であって、交流電力エネルギーを変調して出力する出力手段を有するコントローラーユニットと、前記出力手段の出力に応じて交流磁界を発生するアンテナユニットと、前記無線雷管ユニットから送信された信号を受信する手段と、を有し、
    個々の前記無線雷管ユニットに対し、前記電気エネルギーの蓄積状態についての信号の送信を要求する制御信号を送信し、全ての前記無線雷管ユニットの充電完了を確認した後に、個々の前記無線雷管ユニットに対して起爆準備指令信号を送信し、そして、全ての前記無線雷管ユニットが前記起爆準備指令信号を受信したことを示す起爆準備完了信号を返信したことを確認したら、個々の前記無線雷管ユニットに起爆信号を送信するようになっていることを特徴とする電力エネルギー送信装置。
  5. 前記出力手段は電流を変調して変調交流電力エネルギーを出力することを特徴とする請求項4記載の電力エネルギー送信装置。
  6. 前記電流の変調は周波数を変化させることを特徴とする請求項5記載の電力エネルギー送信装置。
  7. 前記電流の変調は電流を断続的に若しくは振幅を変化させて変調することを特徴とする請求項5記載の電力エネルギー送信装置。
  8. 請求項1に記載の遠隔無線起爆装置に用いられる無線雷管ユニットであって、前記アンテナユニットが発生した交流磁界を受信して該交流磁界のエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換手段と、該エネルギー変換手段によって変換された電気エネルギーを整流し充電する整流充電回路と、交流磁界の変調成分を受信して復調する復調手段と、該復調手段によって復調された信号である制御信号によって点火起爆を制御する点火起爆制御手段と、前記電気エネルギーの蓄積状態を表す信号及び前記制御信号に応答するための信号を送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする無線雷管ユニット。
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