JPH0886600A - 遠隔無線発破装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法 - Google Patents

遠隔無線発破装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法

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JPH0886600A
JPH0886600A JP22348494A JP22348494A JPH0886600A JP H0886600 A JPH0886600 A JP H0886600A JP 22348494 A JP22348494 A JP 22348494A JP 22348494 A JP22348494 A JP 22348494A JP H0886600 A JPH0886600 A JP H0886600A
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receiving
detonator
antenna
energy
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JP22348494A
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Minoru Kawamura
実 川村
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Yoshiro Osumi
喜朗 大角
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切羽から十分離れたところでアンテナの使用
が可能で、切羽全面に安定した磁界の供給を可能とする
遠隔無線発破装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法を
提供する。 【構成】 トンネル4内の最奥部の切羽10には、多数
の発破孔9が穿設されている。この切羽10から所定距
離をおいた位置には、ループアンテナ2と交流発振器3
を備えた磁界発生装置1が配置される。ループアンテナ
2は台車7上に固定され、移動可能になっている。この
ループアンテナ2は、絶縁材料よりなる芯材5の外周に
導電性のケーブル6が巻回され、交流発振器3からの交
流電流により交流磁界を発生する。受信起爆装置11は
発破孔9内の奥部に装填されている。この受信起爆装置
11は受信コイル14を備え、この受信コイル14が交
流磁界を受信することにより、受信起爆装置11が動作
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トンネルなどの掘削
工事における遠隔無線発破装置およびそれを用いた遠隔
無線発破工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル等の発破工法による掘削
工事においては、切羽に削孔した発破孔に爆薬と電気雷
管や非電気式起爆システム等の起爆用雷管が作業者によ
って装填、結線される。その後、起爆用雷管が起爆され
て発破が行われる。
【0003】また、遠隔起爆装置としては、特公昭51
−12922号公報に水底岩盤遠隔起爆装置が開示され
ている。すなわち、受信起爆装置内部に点火用電源を備
え、外部から超音波によって点火信号を発振し、受信起
爆装置がその信号を受信して起爆する。
【0004】さらに、別の遠隔発破装置が特公昭50−
28621号公報に開示されている。すなわち、海底の
岩盤を掘削するため、海面に径の大きいループアンテナ
が配置され、そのアンテナ面の下方に位置する海底の岩
盤に受信起爆装置が埋設される。そして、ループアンテ
ナより発生される磁界により受信起爆装置が作動して岩
盤の爆破が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】トンネルの発破孔内へ
の装薬作業や起爆装置との結線作業は、作業者が落石や
崩落の可能性の大きい切羽で作業するため、危険が伴
う。
【0006】電気雷管や非電気式起爆システム等を用い
た従来の有線式の起爆法では、発破孔への装薬作業の
際、脚線やプラスチックチューブを断線させないように
丁寧に取り扱う必要があったため、自動化することが非
常に困難であった。また、脚線やプラスチックチューブ
の結線作業も自動化することは困難で、これらの作業は
人手に頼るため時間と手間がかかるという問題もあっ
た。
【0007】また、特公昭51−12922号公報に開
示された遠隔起爆装置は、受信起爆装置内に電源を有し
ているため、誤爆防止用の複雑な回路を必要とし、装置
が複雑で、大型化するという問題があった。しかも、超
音波を使用するため、陸上では距離減衰が大きくなると
ともに、受信素子を発破孔の外部に設置しなければなら
ないという問題があった。
【0008】加えて、特公昭50−28621号公報に
記載の遠隔発破装置を、トンネルや、地下空間等の発破
工法による掘削工事に利用しようとすると、ループアン
テナの磁界が弱いため、切羽に貼り付けることになる。
この場合、ループアンテナのケーブル付近の磁界はケー
ブルの軸方向に対してほぼ同心円上に分布しているの
で、磁界の向きの変化が大きく、一方向の磁界にしか同
調しない受信起爆装置を起爆できない場所がある。さら
に、ループアンテナは使い捨てになるので、発破を行う
ごとに切羽に貼り付ける必要があり、実用化できなかっ
た。
【0009】この発明はこのような従来技術の問題に着
目してなされたものである。その目的とするところは、
切羽から十分離れたところでアンテナの使用が可能で、
切羽全面に安定した磁界の供給を可能とする遠隔無線発
破装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法を提供するこ
とにある。
【0010】他の目的とするところは、発破する直前
に、受信起爆部に雷管起爆エネルギーを伝達し、受信起
爆部に電池等の電源を不必要として、誤爆の危険をなく
すことができるとともに、作業者が切羽で行う作業を減
少させて作業性を向上させることができる遠隔無線発破
装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の遠隔無線発破装置の発明では、
磁界発生装置と受信起爆装置とよりなり、磁界発生装置
が特定周波数の交流電流を発生する交流発振器と前記交
流電流により磁界を発生するアンテナとを備え、受信起
爆装置が前記磁界に同調して所定のエネルギーを発生す
るエネルギー発生部と、そのエネルギー発生部より発生
するエネルギーにより爆発する爆薬とを備えた遠隔無線
発破装置において、前記アンテナは、導電性の線材が複
数回巻回され、絶縁材料よりなる支持体に支持されたも
のである。
【0012】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の発明において、アンテナは、導電性の線材が
複数回巻回され、絶縁材料よりなる支持体に支持された
ものである。
【0013】さらに、請求項3に記載の遠隔無線発破工
法の発明では、磁界発生装置が特定周波数の交流電流を
発生する交流発振器とその交流電流により磁界を発生す
るアンテナとを備え、このアンテナは導電性の線材が複
数回巻回され、絶縁材料よりなる支持体に支持されたも
のであり、受信起爆装置が前記磁界に同調して起電力を
発生する受信コイルと、その起電力を電気雷管の点火に
必要なエネルギーとして蓄え放出する受信回路部と、そ
の受信回路部からの点火エネルギーで電気雷管が点火し
てそのエネルギーにより爆発する爆薬とを備え、前記交
流発振器により発生した交流電流によりアンテナが磁界
を発生しながら、この磁界に同調して受信起爆装置の受
信コイルが起電力を発生し、受信回路部がこの起電力を
電気雷管の点火に必要なエネルギーとして蓄え、点火信
号によりエネルギーを放出し、受信起爆装置の電気雷管
が点火して爆薬が爆発し、対象物の発破を行うものであ
る。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明においては、磁界発生装
置としてのアンテナは、導電性の線材が複数回巻回さ
れ、絶縁材料よりなる支持体に支持されている。このた
め、このアンテナより発生する磁界の強度を高めること
ができ、切羽から離れた位置からでも受信起爆装置を確
実に動作させることができる。
【0015】請求項2に記載の発明では、アンテナは、
例えば台車、運搬車、起重機等の移動手段により移動可
能に構成されていることから、アンテナを受信起爆装置
に対して所定位置に容易に設定することができる。
【0016】請求項3の発明では、交流発振器により発
生した交流電流によりアンテナが磁界を発生する。この
磁界に同調して受信起爆装置の受信コイルが起電力を発
生する。この起電力は受信回路部に蓄えられるととも
に、受信回路部より点火信号によって点火エネルギーが
放出される。この点火エネルギーにより、受信起爆装置
の電気雷管が点火して爆薬が爆発する。そして、対象物
の発破が行われる。
【0017】
【実施例】以下に、この発明を具体化した実施例につき
図面に基づいて説明する。図1に示すように、遠隔無線
発破装置における磁界発生装置1は、ループアンテナ2
と交流発信器3とよりなり、トンネル4内に移動可能に
配置されている。ループアンテナ2は、支持体としての
芯材5の外周にケーブル6が巻回され、移動手段を構成
する車輪7aを備えた台車7上に固定されている。この
芯材5は木材、合成樹脂、セラミックス等の絶縁材料よ
りなり、導電性の線材としてのケーブル6はアルミニウ
ム、銅、鉄等の金属よりなっている。
【0018】図6(a),(b)に示すように、ケーブ
ル6は芯材5の外周に複数層に巻回され、交流電流が通
電されることにより交流磁界を発生する。ループアンテ
ナ2の直径は爆破対象の大きさに応じて 1〜10m、好ま
しくは 2〜7 m、巻数は所望とする強度の交流磁界を得
るために10〜200 回、好ましくは20〜100 回である。交
流発信器3はループアンテナ2から所定距離をおいた位
置に載置され、接続線8にてループアンテナ2のケーブ
ル6に接続される。
【0019】ループアンテナ2は、発破による飛石の影
響を極力減らすために、トンネル4内最先部の切羽10
から離れた方がよく、切羽10の全面に装填される複数
の受信起爆装置11を起爆するのに必要な磁界を均一に
切羽10に放射する必要があり、かつ移動が容易なサイ
ズに設定される。このループアンテナ2からの交流磁界
は拡がるため、切羽10がループアンテナ2の直径より
大きくても切羽10の全面に磁界が供給される。
【0020】芯材5は断面円形状に形成されているが、
断面楕円又は断面矩形状であってもよく、さらに周方向
に所定の間隔をおいてケーブル6を支持する支持枠を有
する構造であってもよい。なお、不慮の飛石等からルー
プアンテナ2を保護するために切羽10に対向する面
に、全面またはケーブル6に沿った面のみをステンレス
スチール、鋼、鋳鉄、アルミニウム等の金属製の防護板
を配置してもよい。
【0021】ケーブル6は、単芯または多芯線で、材質
は銅線またはアルミニウム線等の導線にポリエチレン等
の絶縁皮膜を形成したものである。導線の断面積は、大
電流による加熱を防ぐため導体抵抗を低くする必要があ
り、断面積は8mm2 以上が好ましいが、断面積が大きい
と重量が増加し、製造性と作業性が低下するため最適な
断面積は14〜200 mm2 である。
【0022】交流発振器3は、自動車用バッテリーで駆
動され、使用電圧は24〜96V である。ループアンテナ2
は、交流発振器3から供給された交流電流により、交流
磁界を発生する。この交流磁界の周波数は、交流発振器
3の発振する交流電流と同一の周波数である。また、こ
の交流磁界の周波数は、岩盤を透過しなければならない
ため、数kHz 以下で好ましくは400Hz から1000Hzの周波
数である。このような周波数の磁界を発生させるため、
ループアンテナ2に供給する電流は、10〜100Aで、好
ましくは30〜80Aである。この実施例では550Hz の交流
電流がループアンテナ2に供給される。
【0023】この実施例で使用される交流磁界の周波数
は通信や一般電源では使用されない周波数であるため、
それらの機器に影響を及ぼすおそれはない。また、後述
する受信起爆装置11は交流磁界の周波数にのみ同調す
るため、他の異なる周波数の電波等によって誤作動する
ことはない。
【0024】交流磁界を発生させるためには、ループア
ンテナ2のインダクタンスと交流発振器3のインダクタ
ンスとを一致させる必要があり、かつ強力な磁界を発生
させるためには、インダクタンスを一定にしながら上記
の巻数を確保する必要がある。このためケーブル6の巻
き方は、交流発振器3のインダクタンスと一致するよう
に、ループアンテナ2の直径とケーブル6の巻数の関係
を満たしながら、下記数1に示すブルック(Brook) の公
式により決定される。
【0025】
【数1】 ただし、μは透磁率、Rは芯材5の半径、tはケーブル
6を巻回したときの厚み、Lはループアンテナ2のイン
ダクタンス、Nはケーブル6の巻数、eはケーブル6が
巻回された部分の長さを表す。
【0026】R′=R+t/2、 F′=(10e+12t+2R′)/(10e+10t
+1.4R′) F″=0.5log10 〔100+14R′/(2e+3
t)〕 複数の発破孔9は、トンネル4内の最奥部の切羽10に
所定の深さで穿孔されている。図4に示すように、各発
破孔9内の最奥部には受信起爆装置11が配置され、そ
の前面には膠質ダイナマイト、含水爆薬、プラスチック
爆薬(PBX)または硝安油剤爆薬(ANFO爆薬)等
の爆薬12が配置され、前端には砂、粘土または合成樹
脂等の充填物13が充填され、発破孔9が密閉されてい
る。
【0027】図2に示すように、第1群の発破孔9(図
2中では(1) )は切羽10の中心位置およびその左右位
置に穿設されている。第2群の発破孔9(図2中では
(2) )は第1群の発破孔9の周囲に円環状に設けられて
いる。第3群の発破孔9(図中(3) )は第2群の発破孔
9の上方位置に円弧状に形成され、第4群の発破孔9
(図中(4) )は切羽10の上部周縁に形成されている。
第5群の発破孔9(図中(5) )は切羽10の下部周縁に
形成され、第6群の発破孔9(図中(6) )は切羽10の
下端両側に設けられている。なお、図2中の中心付近に
おける矢印は発破孔9の孔の方向を示すものである。
【0028】図3に示すように、第1群の発破孔9は奥
部ほど互いの間隔が狭まるようにV字状に形成され、心
抜き発破によりこの部分を爆破し、自由面を多くする。
第2群の発破孔9も奥部ほど互いの間隔がわずかに狭ま
るように形成され、第4,第5群などの発破孔9は奥部
ほどわずかに拡がるように形成されている。
【0029】図5に示すように、受信起爆装置11は、
磁界発生装置1が発生する交流磁界に同調し起電力を発
生する受信コイル14、起電力を点火に必要なエネルギ
ーに変換して蓄え、点火エネルギーを放出する受信回路
部15、電気雷管16及び爆薬12とにより構成されて
いる。爆薬12を爆発させるためのエネルギー発生部
は、受信コイル14、受信回路部15及び電気雷管16
により構成される。
【0030】図7に基づいて受信回路部15を説明する
と、受信コイル14には同調用コンデンサ17が並列接
続され、磁界発生装置1から発生される交流磁界に同調
して起電力を発生する。ダイオード18、ダイオード1
9が受信コイル14に直列接続され、さらに点火用コン
デンサ20に接続される。コンデンサ24と抵抗25か
らなる時定数回路が受信コイル14と並列に設けられ、
交流磁界が消滅したという点火信号が入力したときこの
時定数回路により、ダイオード19の入力側電極電圧が
予め設定された時間内に降下される。時定数回路とダイ
オード23との間にはPNP型トランジスタ23が接続
され、この時定数回路による電圧降下によってPNP型
トランジスタ23が導通を開始する。
【0031】このPNP型トランジスタ23には正帰還
回路を構成するNPN型トランジスタ24が接続され
る。すなわち、PNP型トランジスタ23のベースがN
PN型トランジスタ24のコレクタに接続される。電気
雷管25はNPN型トランジスタ24のエミッタと点火
用コンデンサ20との間に接続され、通電により起爆す
る。なお、コンデンサ21と抵抗22からなる時定数回
路のコンデンサ容量と抵抗値を調整することにより、電
気雷管25への通電時間を任意に精度よく設定できるた
め、所定の順序に従って発破する断発発破が可能であ
る。
【0032】点火信号としては、図7に示した回路の場
合、交流磁界が消滅したときである。これ以外に例え
ば、点火信号として、異なる周波数の交流磁界に対して
作動するよう変更した回路でエネルギーを放出させるこ
となどが可能である。
【0033】前記ループアンテナ2と受信起爆装置11
の距離は、切羽10に近い場合は交流磁界のベクトルの
方向が切羽10に対し直交方向又は平行方向のベクトル
成分の大きさによって大きく変化するため、一方向の交
流磁界を必要とする受信起爆装置11には適さない。ま
た、切羽10に近いと発破による飛石でループアンテナ
2が破損するおそれがある。しかし、交流磁界の強度は
距離の3乗に比例して減衰するため、切羽10から離れ
すぎると装置が大型化する。
【0034】以上の理由から、ループアンテナ2と受信
起爆装置11の距離は5 mから200m、好ましくは10m
から100 mの距離である。また、受信起爆装置11に対
して交流磁界を所定本数交差させるために、ループアン
テナ2はその中心軸が切羽10に直角または平行に配置
される。
【0035】この実施例1では、導水路トンネル内の切
羽10の幅2m、高さ2.5 mで、進行長D、すなわち1
回の発破で掘削できる奥行き1.0 m、削孔数51個とし
た。また、ループアンテナ2は、断面積22mm2 のケー
ブル6を直径1.8 mにて60回密に巻いたものを用い、
受信起爆装置11から15m離れたところに設置した。
交流発振器3により550Hz 、50Aの交流電流をループア
ンテナ2に供給し、受信起爆装置11を図2に示す番号
順に起爆させて、発破の対象物であるトンネル内の岩盤
を爆破した。
【0036】その結果、全ての発破孔9内の受信起爆装
置11を確実に起爆することができた。このように、切
羽10から十分離れたところでループアンテナ2の使用
が可能で、切羽10の全面に均一、かつ安定した磁界を
供給することができる。しかも、発破する直前に、受信
起爆装置11に雷管起爆エネルギーを伝達できることか
ら、受信起爆装置11に電池等の電源が不必要となり、
誤爆の危険をなくすことができる。加えて、作業者が切
羽10で行う結線作業等を減少させて作業性を向上させ
ることができる。
【0037】さらに、受信起爆装置11は内部電源を有
していないので、発破孔10内の受信起爆装置11と爆
薬12の装填の機械化が可能となり、装填作業の効率化
を図ることができ、発破工法による掘削工事の省人化、
省力化等の効率化を図ることができる。
【0038】また、ループアンテナ2は使用時に切羽1
0から十分離れた距離に設置され、必要によりその前に
防護板を備えることによって、不慮の飛石に対してルー
プアンテナ2を確実に保護することができる。ループア
ンテナ2は車輪を備えた台車7により移動が可能である
ため、ループアンテナ2を前進させたり、後退させたり
でき、他のトンネル4への移動が容易で、繰り返して使
用可能なため、作業性が向上する。
【0039】従って、この実施例の遠隔無線発破装置
は、従来では使用不可能であったトンネル工事や地下空
間等の掘削工事に有効に使用することができる。 (実施例2)次に、この発明を具体化した実施例2につ
いて説明する。なお、この実施例では、実施例1と異な
る点についてのみ説明する。
【0040】図8に示すように、切羽10は半径6mの
ほぼ半円状をなし、進行長D4.5 m、削孔数100個、
芯抜きはバーンカットの道路用トンネルの全断面掘削と
した。図9に示すように、2つの平行に延びる空孔26
は切羽10のほぼ中心位置に設けられ、自由面を多くす
るためのものである。なお、受信起爆装置11が装填さ
れる全ての発破孔9は互いに平行に延びている。
【0041】ループアンテナ2は、直径2.6 〜3.4 m、
コイル長0.5 mの範囲にケーブル6が均一に分布するよ
うに60回巻いたものを、受信起爆装置11から25m
離れたところに設置して、受信起爆装置11を起爆させ
た。なお、発破は図8、図9に示す (0)から(55)の順に
行った。
【0042】その結果、道路用トンネルの切羽10が大
断面であるにもかかわらず、全ての発破孔9内の受信起
爆装置11を確実に起爆することができた。 (実施例3)次に、この発明を具体化した実施例3につ
いて説明する。なお、この実施例においても、実施例1
と異なる点についてのみ説明する。
【0043】図10に示すように、道路用トンネルの切
羽10は半径6mのほぼ半円断面で、進行長D2.0 m、
削孔数138 個である。芯抜きは実施例1と同様にVカッ
ト法にて行った。なお、図10中の中心付近における矢
印は発破孔9の孔の方向を示すものである。すなわち、
図11に示すように、切羽10の中心付近における発破
孔9を奥部ほど互いに狭まるようにV字状に形成した。
ループアンテナ2は、直径4.8 〜5.2 m、コイル長0.4
mの範囲にケーブル6を均一に分布するように40回巻
いたものを、受信起爆装置11から30m離れたところ
に設置し、受信起爆装置11を起爆させた。なお、発破
は、第1群の発破孔9(図10の (1))から第11群
(図10の(11))の発破孔9の順に行った。
【0044】その結果、この実施例においても、実施例
2と同様に、道路用トンネルの大断面の切羽10におけ
る全ての発破孔9内の受信起爆装置11を確実に起爆す
ることができた。
【0045】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、例えば以下のように構成を変更して具体
化してもよい。 (a)ループアンテナ2の移動手段として、荷台を備え
たトラックや起重機等を用いること。 (b)ループアンテナ2の断面形状を楕円または矩形状
に形成すること。また、ケーブル6を芯材5の外周に単
層に巻回すること。 (c)この発明の遠隔無線発破装置を地上の採石場で岩
石を発破するために用いること。 (d)図12に示すように、巻回されたケーブル6を絶
縁性の支持体としての四角枠体27の内側において、四
角枠体27に貼付けて支持されるように構成すること。
【0046】また、前記実施例より把握される請求項以
外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載
する。 (1)アンテナには防護板が装着されている請求項1に
記載の遠隔無線発破装置。この構成によれば、トンネル
内における発破による飛石や不慮の飛石などに対してア
ンテナを保護することができる。 (2)導電性の線材は、絶縁材料よりなる支持体として
の芯材の外周に複数層に巻回されている請求項1に記載
の遠隔無線発破装置。この構成により、アンテナより発
振される磁界の強度を高めることができ、アンテナを受
信起爆装置から遠い位置に配置することができる。 (3)アンテナは、受信起爆装置から5〜200m離れ
た地点に配置されている請求項1に記載の遠隔無線発破
装置。この構成によって、受信起爆装置に対して遠隔地
点のアンテナより磁界を供給することができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
遠隔無線発破装置の発明によれば、切羽から十分離れた
ところでアンテナの使用が可能で、切羽全面に安定した
磁界を供給することができる。しかも、発破する直前
に、受信起爆装置に爆薬の起爆エネルギーを伝達するこ
とができるので、受信起爆装置に電池等の電源を不必要
として、誤爆の危険をなくすことができるとともに、作
業者が切羽で行う作業を減少させて作業性を向上させる
ことができる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、ア
ンテナを受信起爆装置に対して所定の距離を置いて容易
に配置することができる。さらに、請求項3に記載の遠
隔無線発破工法によれば、交流発振器の交流電流により
アンテナから磁界を発生させて、受信起爆装置の受信コ
イルに起電力を生じさせ、この起電力に基づいて受信起
爆装置を動作させ、対象物の発破を容易、かつ確実に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を具体化した実施例1におけるトン
ネル内を示す部分破断した概略斜視図である。
【図2】 トンネル内の切羽に穿設された発破孔の配列
を示す正面図である。
【図3】 発破孔の方向および長さを示す断面図であ
る。
【図4】 受信起爆装置を発破孔内部に装填した状態を
示す斜視図である。
【図5】 受信起爆装置を拡大して示す図である。
【図6】 (a)はループアンテナのケーブルの巻回状
態を示す正断面図、(b)はその側断面図である。
【図7】 受信起爆装置を示す回路図である。
【図8】 実施例2の切羽に穿設された発破孔の配列を
示す正面図である。
【図9】 発破孔および空孔の配列を拡大して示す正面
図である。
【図10】 実施例3の切羽に穿設された発破孔の配列
を示す正面図である。
【図11】 発破孔の方向および長さを示す断面図であ
る。
【図12】 ループアンテナの支持構造の別例を示す部
分正面図である。
【符号の説明】
1…磁界発生装置、2…ループアンテナ、3…交流発振
器、5…支持体としての芯材、6…線材としてのケーブ
ル、11…受信起爆装置、12…爆薬、14…受信コイ
ル、15…受信回路部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界発生装置と受信起爆装置とよりな
    り、磁界発生装置が特定周波数の交流電流を発生する交
    流発振器と前記交流電流により磁界を発生するアンテナ
    とを備え、受信起爆装置が前記磁界に同調して所定のエ
    ネルギーを発生するエネルギー発生部と、そのエネルギ
    ー発生部より発生するエネルギーにより爆発する爆薬と
    を備えた遠隔無線発破装置において、 前記アンテナは、導電性の線材が複数回巻回され、絶縁
    材料よりなる支持体に支持されたものである遠隔無線発
    破装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のアンテナは、移動手段
    により移動可能に構成されている遠隔無線発破装置。
  3. 【請求項3】 磁界発生装置が特定周波数の交流電流を
    発生する交流発振器とその交流電流により磁界を発生す
    るアンテナとを備え、このアンテナは導電性の線材が複
    数回巻回され、絶縁材料よりなる支持体に支持されたも
    のであり、受信起爆装置が前記磁界に同調して起電力を
    発生する受信コイルと、その起電力を電気雷管の点火に
    必要なエネルギーとして蓄え放出する受信回路部と、そ
    の受信回路部からの点火エネルギーで電気雷管が点火し
    てそのエネルギーにより爆発する爆薬とを備え、 前記交流発振器により発生した交流電流によりアンテナ
    が磁界を発生しながら、この磁界に同調して受信起爆装
    置の受信コイルが起電力を発生し、受信回路部がこの起
    電力を電気雷管の点火に必要なエネルギーとして蓄え、
    点火信号によりエネルギーを放出し、受信起爆装置の電
    気雷管が点火して爆薬が爆発し、対象物の発破を行う遠
    隔無線発破工法。
JP22348494A 1994-09-19 1994-09-19 遠隔無線発破装置及びそれを用いた遠隔無線発破工法 Pending JPH0886600A (ja)

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