JP2018146126A - 送電装置及び無線起爆システム - Google Patents

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陽治 田崎
智 彦根
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智 彦根
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Shinya Tanaka
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Abstract

【課題】起爆操作機から送電ループへより大きな交流電流を供給可能であり、連続して爆破する場合において爆破毎の消費部材をより低減し、爆破毎の消費部材の交換の手間と消費部材の消費量を低減して爆破作業の作業効率をより向上させることができる、送電装置及び無線起爆システムを提供する。【解決手段】送電装置60Aは、起爆操作機50に一方端が接続された発破母線63と、発破母線63の他方端に一方端が接続された補助母線62と、補助母線62の他方端に接続された送電ループ61とを有し、発破母線63は爆破毎に張り替えられることがなく、補助母線62及び送電ループ61は爆破毎に張り替えられ、発破母線63の他方端と補助母線62の一方端との間には、補助母線62と送電ループ61を無線の周波数で共振させる同調用コンデンサ80が接続されている。【選択図】図8

Description

本発明は、トンネルの掘削等にて使用する爆薬(無線起爆雷管が取り付けられた爆薬)に、無線方式で、無線起爆雷管の点火用のエネルギー、起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、制御信号を受け渡す送電装置、及び無線起爆システムに関する。
従来より、トンネルの掘削現場等における爆破作業では、掘削面である切羽面において掘削方向に向けて、例えば径が数[cm]、深さが数[m]程度の装薬孔を複数削孔し、各装薬孔に無線で起爆させることができる無線起爆雷管と爆薬とを装填し、切羽面から離れた遠隔位置から、起爆操作機と送電装置(発破母線と送電ループを有する送電装置)とを用いて制御信号を無線で送信して爆破する種々の発破工法が開示されている。無線起爆雷管は、起爆側受信アンテナと起爆側送信アンテナと起爆側電子回路とを有しており、当該起爆側受信アンテナにて、送電装置の周囲(送電ループの周囲)に発生した磁界もしくは電界を利用することで、無線方式で無線起爆雷管の点火用のエネルギー、起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを受け取る。また無線起爆雷管は、起爆側受信アンテナを介して無線の制御信号(ID要求信号や電子回路準備開始信号や起爆信号を含む)を受信し、制御信号に対する応答信号を起爆側送信アンテナを介して送信する。
送電装置は、切羽または切羽の外周に、導電線がループ状に張り巡らされた送電ループと、当該送電ループと起爆操作機とを接続する発破母線にて構成されている。そして送電装置は、起爆操作機からの出力信号(無線起爆雷管の点火用のエネルギー、起爆電子回路の駆動用のエネルギー、制御信号を含む出力信号)を、送電ループから効率良く無線方式で出力する性能が要求される。また送電ループ及び発破母線は、切羽または切羽の外周に張り巡らされているため起爆時に破損するので、起爆後に容易に張り替え可能であることが要求される。
例えば特許文献1には、図11に示すように、切羽341に削孔された複数の装薬孔340に装填された爆薬320(無線起爆雷管が取り付けられた爆薬)に対して、送電ループと、受信アンテナを、洞床、洞側壁、洞天井等の地盤に固定して設置して、起爆の信頼性と安全性の向上を図った遠隔無線起爆システム用アンテナが開示されている。図11に示すように、当該遠隔無線起爆システム用アンテナは、洞床342と洞側壁343と洞天井344に固定された送電ループ361と、洞天井344に固定された受信アンテナ365と、起爆操作機350と、発破母線363と、受信側母線366と、を有している。
また特許文献2には、図12に示すように、切羽441に削孔された複数の装薬孔440に装填された爆薬420(無線起爆雷管が取り付けられた爆薬)に対して、送電ループを、洞床、洞側壁、洞天井等の地盤に固定して設置して、安定したエネルギーを無線起爆雷管に供給し、飛石等によるアンテナ被膜の損傷を良好に防止することができる遠隔無線起爆システム用送信アンテナが開示されている。図12に示すように、当該遠隔無線起爆システム用送信アンテナは、洞床442と洞側壁443と洞天井444に固定された送電ループ461と、起爆操作機450と、発破母線463と、送電ループ461のインダクタンス成分をキャンセルして大きな電力を送信可能とするための同調用コンデンサ480と、を有している。
特開2001−330400号公報 特開2001−127511号公報
図13に、特許文献1における起爆操作機350から送電ループ361までの模式図(図11における送電装置360の模式図)を示す。コネクタ368Dには起爆操作機350と発破母線363の一方端が接続され、コネクタ368Aには発破母線363の他方端と送電ループ361が接続されている。つまり、特許文献1では送電装置360は、送電ループ361と発破母線363にて構成されている。
図13に示す構成の送電装置360では、送電ループ361のインダクタンス成分をキャンセルする静電容量を有していないので、送電ループ361のインピーダンスが高く、起爆操作機350から送電ループ361へ交流の大電流を供給しにくい。また、図13に示す構成では、コネクタ368Aから見た起爆操作機350の側の出力インピーダンスZoutと、コネクタ368Aから見た送電ループ361の側の負荷インピーダンスZloadは、インピーダンス整合が取れていないので、コネクタ368Aの位置における反射電力Wrevが大きい。すなわち、起爆操作機350からの入射電力Wfwdに対して、反射電力Wrevが大きいので、送電ループ361から出力される出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)が低下し、電力伝送効率(Wout/Wfwd)が低下する。また、爆破の際には、送電ループ361と、送電ループ361の近傍の発破母線363が破損する。従って、連続して爆破をする場合、送電ループ361だけでなく、非常に距離が長い(例えば100〜300[m])発破母線363も張り替える必要があり、手間がかかるとともに、必要以上に発破母線363を消費してしまう。
また図14に、特許文献2における起爆操作機450から送電ループ461までの模式図(図12に示す送電装置460の模式図)を示す。コネクタ468Dには起爆操作機450と発破母線463の一方端が接続され、コネクタ468Aには、発破母線463の他方端と、同調用コンデンサ480が接続された送電ループ461が接続されている。同調用コンデンサ480は、送電ループ461のインダクタンス成分をキャンセルする静電容量とされている。つまり、特許文献2では送電装置460は、送電ループ461と同調用コンデンサ480と発破母線463にて構成されている。
図14に示す構成では、同調用コンデンサ480にて送電ループ461のインダクタンス成分をキャンセルしている(同調させている)ので、特許文献1の構成よりもより大きな交流電流を送電ループ461に供給することができる。しかし、コネクタ468Aから見た起爆操作機450の側の出力インピーダンスZoutと、コネクタ468Aから見た送電ループ461の側の負荷インピーダンスZloadは、インピーダンス整合が取れていないので、反射電力Wrevは大きい。すなわち、起爆操作機450からの入射電力Wfwdに対して、反射電力Wrevが大きいので、送電ループ461から出力される出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)が低下し、電力伝送効率(Wout/Wfwd)が低下する。また爆破の際には、送電ループ461と、同調用コンデンサ480と、送電ループ461の近傍の発破母線463が破損する。従って、連続して爆破する場合、送電ループ461だけでなく、同調用コンデンサ480と、非常に距離が長い発破母線463も張り替える必要があり、手間がかかるとともに、必要以上に発破母線463や同調用コンデンサ480を消費してしまう。特に同調用コンデンサ480は、送電ループ461のインダクタンス成分をキャンセルするために静電容量を微調整する必要があるので、同調用コンデンサ480を爆破毎に交換するのは、非常に手間がかかる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、起爆操作機から送電ループへより大きな交流電流を供給可能であり、連続して爆破する場合において爆破毎の消費部材をより低減し、爆破毎の消費部材の交換の手間と消費部材の消費量を低減して爆破作業の作業効率をより向上させることができる、送電装置及び無線起爆システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る送電装置及び無線起爆システムは次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、起爆側受信アンテナと起爆側電子回路とを有する無線起爆雷管が取り付けられて被爆破個所に配置された爆薬に、無線方式で、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び制御信号を受け渡す、送電装置であって、遠隔操作が可能な起爆操作機に、一方端が接続された発破母線と、前記発破母線の他方端に、一方端が接続された補助母線と、前記補助母線の他方端に接続されて前記被爆破個所である切羽あるいは前記切羽の外周に張り巡らされた送電ループと、を有している。そして、前記発破母線は、爆破毎に張り替えられることがなく、前記補助母線及び前記送電ループは、爆破毎に張り替えられ、前記発破母線の他方端と前記補助母線の一方端との間には、前記補助母線と前記送電ループを前記無線方式の周波数で共振させる同調用コンデンサが接続されている、送電装置である。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る送電装置であって、前記発破母線の他方端と前記補助母線の一方端との間には、インピーダンス整合器が接続されており、前記インピーダンス整合器は、前記インピーダンス整合器を含めて前記インピーダンス整合器から見た前記発破母線と前記起爆操作機の側のインピーダンスである出力インピーダンスと、前記インピーダンス整合器を含めて前記インピーダンス整合器から見た前記補助母線と前記送電ループの側のインピーダンスである負荷インピーダンスと、を整合しており、前記同調用コンデンサは前記インピーダンス整合器と前記補助母線の一方端との間に接続されている、あるいは、前記同調用コンデンサは前記インピーダンス整合器内に収容されている、送電装置である。
次に、本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係る送電装置であって、前記同調用コンデンサは、可変容量コンデンサであり、前記インピーダンス整合器は、インピーダンス変換比を選択可能なトランス、を有しており、前記可変容量コンデンサの静電容量の調整と前記トランスのインピーダンス変換比の選択を遠隔操作で実行可能な遠隔調整装置、を有している、送電装置である。
次に、本発明の第4の発明は、上記第2の発明に係る送電装置であって、前記インピーダンス整合器は、前記同調用コンデンサによる前記補助母線と前記送電ループの前記共振と、前記出力インピーダンスと前記負荷インピーダンスの前記整合と、を行うための2つの可変容量コンデンサ、を有しており、それぞれの前記可変容量コンデンサの静電容量の調整を遠隔操作で実行可能な遠隔調整装置、を有している、送電装置である。
次に、本発明の第5の発明は、上記第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに係る送電装置であり、前記切羽から第1所定距離だけ離れた位置に前記送電ループが配置された前記送電装置と、前記切羽から第2所定距離だけ離れた位置に配置された起爆操作機側受信アンテナと、前記送電装置と前記起爆操作機側受信アンテナが接続された前記起爆操作機であり、前記切羽から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び前記制御信号を、前記送電装置を介して前記無線起爆雷管に受け渡し、前記無線起爆雷管からの応答信号を、前記起爆操作機側受信アンテナを介して受信する前記起爆操作機と、起爆側送信アンテナと前記起爆側受信アンテナと前記起爆側電子回路とを有する前記無線起爆雷管であり、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び前記制御信号を、前記起爆側受信アンテナを介して受け取り、前記制御信号に対する前記応答信号を前記起爆側送信アンテナを介して送信する前記無線起爆雷管と、前記切羽に削孔された装薬孔に装填された前記爆薬であり、前記無線起爆雷管が取り付けられた前記爆薬と、を有している、無線起爆システムである。
第1の発明によれば、送電装置は、起爆操作機の側から、発破母線、補助母線、送電ループ、にて構成されている。そして発破母線と補助母線との間には送電ループを所望の操作周波数(例えば100[KHz]以上500[KHz]以下)で共振させる同調用コンデンサが接続されているので、起爆操作機から送電ループへより大きな交流電流を供給することができる。また、発破母線と送電ループとの間に補助母線を有している。このため、爆破の際に発破母線が損傷しないように補助母線の長さを調整することで、爆破毎に送電ループと補助母線は損傷するが、同調用コンデンサと発破母線は損傷しないようにすることができる。従って、爆破毎の消費部材の交換の手間と消費部材の消費量を低減して爆破作業の作業効率をより向上させることができる。
第2の発明では、発破母線と補助母線との間に、同調用コンデンサに加えてインピーダンス整合器を有する。これにより、インピーダンス整合器を含めてインピーダンス整合器から見た発破母線及び起爆操作機の側のインピーダンス(出力インピーダンス)と、インピーダンス整合器を含めてインピーダンス整合器から見た補助母線及び送電ループの側のインピーダンス(負荷インピーダンスであって、補助母線と送電ループのインダクタンス成分をキャンセルする同調用コンデンサが接続され、同調された後のインピーダンス)とを整合することができるので、反射電力を低減することが可能であり、起爆操作機から送電ループへの電力伝送効率を向上させることができる。またインピーダンス整合器は、発破母線と補助母線との間に配置されるので、爆破で損傷する位置には配置されない。さらに、インピーダンス整合器内に同調用コンデンサを収容した場合は、収容しない場合と比較して、現場(トンネル内等)における設置が容易になる。
第3の発明によれば、爆破毎に送電ループと補助母線とを張り替えた際、張り替え毎に補助母線と送電ループのインダクタンス成分が変化した場合があっても、起爆操作機の位置等から遠隔操作によって可変容量コンデンサの静電容量を調整できる。また、張り替え毎に補助母線と送電ループのインピーダンス(負荷インピーダンス)が変化しても、遠隔操作によってトランスのインピーダンス変換比の選択を実行できる。従って、作業者は、可変容量コンデンサの静電容量の調整と、トランスのインピーダンス変換比の選択と、を実行する際、起爆操作機とインピーダンス整合器との間を往復する必要がないので、作業効率をより向上させることができる。また、補助母線と送電ループとのインダクタンスに対する同調と、補助母線と送電ループとのインピーダンス(負荷インピーダンス)に対する整合と、を最適にするための微調整を可能とすることで、爆破毎に張り替えた補助母線と送電ループのインダクタンスやインピーダンスが変化した場合であっても、送電ループへ効率良く電流を流すことができる。
第4の発明によれば、爆破毎に送電ループと補助母線とを張り替えた際、張り替え毎に補助母線と送電ループのインダクタンス成分が変化した場合や、張り替え毎に補助母線と送電ループのインピーダンス(負荷インピーダンス)が変化した場合が発生しても、遠隔操作によって2つの可変容量コンデンサのそれぞれの静電容量の調整を実行できる。従って、作業者は、2つの可変容量コンデンサのそれぞれの静電容量の調整を実行する際、起爆操作機とインピーダンス整合器との間を往復する必要がないので、作業効率をより向上させることができる。また、補助母線と送電ループとのインダクタンスに対する同調と、補助母線と送電ループとのインピーダンス(負荷インピーダンス)に対する整合と、を最適にするための微調整を可能とすることで、爆破毎に張り替えた補助母線と送電ループのインダクタンスやインピーダンスが変化した場合であっても、送電ループへ効率良く電流を流すことができる。
第5の発明によれば、起爆操作機から送電ループへの電力伝送効率をより向上させ、連続して爆破する場合において爆破毎の消費部材をより低減し、爆破毎の消費部材の交換の手間と消費部材の消費量を低減して爆破作業の作業効率をより向上させることができる無線起爆システムを、適切に実現することができる。
トンネル掘削現場における切羽等の被爆破個所を爆破するための、無線起爆システムの全体構成を説明する斜視図である。 図1に示す無線起爆システムに対して、中継装置を省略して受信側母線を起爆操作機に直接接続した例を説明する斜視図である。 図1及び図2におけるIII部分の拡大図であり、切羽等の被爆破個所に削孔した装薬孔に無線起爆雷管と爆薬を装填した状態の断面図である。 無線起爆雷管の構成を説明する分解斜視図である。 第3ケースを使用する場合の無線起爆雷管の部分分解斜視図である。 第3ケースを使用した無線起爆雷管の外観斜視図である。 図6に示す無線起爆雷管の断面図である。 第1の実施の形態の送電装置の全体構成を説明する図である。 第2の実施の形態の送電装置の全体構成を説明する図である。 第3の実施の形態の送電装置の全体構成を説明する図である。 従来の無線起爆システム(トンネル掘削現場における切羽を爆破するための無線起爆システム)の全体構成の例(その1)を説明する斜視図である。 従来の無線起爆システム(トンネル掘削現場における切羽を爆破するための無線起爆システム)の全体構成の例(その2)を説明する斜視図である。 図11に示す従来の無線起爆システムにおける送電装置の全体構成を説明する図である。 図12に示す従来の無線起爆システムにおける送電装置の全体構成を説明する図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明し、トンネルの掘削現場を例として説明する。なお、X軸とY軸とZ軸が記載されている場合、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Y軸方向は鉛直上方を示し、Z軸方向はトンネルの堀削方向(水平方向)とは反対方向を向く装薬孔40の軸方向を示している。
[無線起爆システム1の全体構成(図1、図2)と、装薬孔40への無線起爆雷管2及び爆薬36の装填状態(図3)]
図1は、無線起爆システム1の全体構成を説明する斜視図を示しており、図2は、図1に示す無線起爆システム1に対して、中継装置51を省略して受信側母線66を起爆操作機50に直接接続した無線起爆システム1Aの全体構成を説明する斜視図を示しており、どちらの無線起爆システムとしてもよい。
図1(及び図2)に示すように、無線起爆システム1は、無線起爆雷管が取り付けられて切羽面41(被爆破個所)に削孔された装薬孔40に装填される爆薬36及び無線起爆雷管2(図3参照)と、起爆操作機50と、送電装置60と、起爆操作機側受信アンテナ65と、受信側母線66等にて構成されている。また送電装置60は、発破母線63と、中継装置51(図2では中継装置51は省略)と、インピーダンス整合器52と、補助母線62と、送電ループ61と、遠隔操作機53と遠隔調整配線64と、を有している。なお、送電装置60は、後述する第1の実施の形態に示す送電装置60A(図8参照)、第2の実施の形態に示す送電装置60B(図9参照)、第3の実施の形態の形態に示す送電装置60(図10参照)、のいずれの構成としてもよい。また、インピーダンス整合器52(後述する第2の実施の形態を参照)を、インピーダンス整合器52A(後述する第3の実施の形態を参照)に置き換えてもよい。
起爆操作機50は、装薬孔40から離れた遠隔位置に配置されて、発破母線63と中継装置51とインピーダンス整合器52と補助母線62を介して送電ループ61に電流を供給して、送電ループ61の周囲に磁界を発生させるとともに制御信号(例えば、ID要求信号や電子回路準備開始信号や起爆信号に相当)を重畳している。従って、起爆操作機50は、送電ループ61を介して無線方式で、無線起爆雷管の点火用のエネルギー及び起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号を、後述する起爆側受信アンテナ12を介して、無線起爆雷管2を構成している制御部及び起爆部に受け渡す。そして、磁界を発生させるために送電ループ61に流れる電流の周波数、制御信号の周波数である操作周波数は、例えば100[KHz]以上500[KHz]以下に設定されている。なお、操作周波数を500[KHz]より高くすると、トンネル内で定在波が発生しやすいので、あまり好ましくない。
図1の例の場合では、起爆操作機50は、無線起爆雷管2の起爆側送信アンテナ24(図4参照)からの無線の応答信号を、起爆操作機側受信アンテナ65と受信側母線66と中継装置51と発破母線63を介して受信する。中継装置51内にはスイッチ切換配線が設けられており、当該スイッチ切換配線を切り換えることで、起爆操作機50の接続先を、インピーダンス整合器52の側の配線とするか、受信側母線66とするか、を切り換えることができる。なお図2の例の場合では、送信時では発破母線63を接続し、受信時では受信側母線66を接続するように、起爆操作機50の内部にて切り換える。なお、無線起爆雷管2からの応答信号の周波数である応答周波数は、例えば100[MHz]以上1[GHz]以下に設定されている。応答周波数を1[GHz]より高く設定すると、岩盤を透過しにくいので、あまり好ましくない。なお、応答周波数は500[KHz]以上であり、応答信号の出力は、無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号の出力と比較して非常に小さく、定在波は発生するが、起爆操作機側受信アンテナを最適に設置できるため問題ない。
図1の例の場合では、中継装置51は、起爆操作機50と送電ループ61との間、及び起爆操作機50と起爆操作機側受信アンテナ65との間、に設けられている。中継装置51は、発破母線63を介して起爆操作機50に接続され、発破母線63の反対側はインピーダンス整合器52に接続され、受信側母線66を介して起爆操作機側受信アンテナ65に接続されている。中継装置51は、起爆操作機50から無線起爆雷管2に向けて、無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号を受け渡す場合、起爆操作機50からの無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む制御信号を、インピーダンス整合器52に出力する。また中継装置51は、無線起爆雷管2から起爆操作機50に向けて送信された応答信号を受け取る場合、無線起爆雷管2からの応答信号を、起爆操作機側受信アンテナ65と受信側母線66を介して受け取って、起爆操作機50へと受け渡す。
また図2の例の場合では、起爆操作機50は、無線起爆雷管2に向けて、無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーと制御信号を受け渡す場合、無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む制御信号を、発破母線63を介してインピーダンス整合器52に出力する。また起爆操作機50は、無線起爆雷管2から起爆操作機50に向けて送信された応答信号を受け取る場合、無線起爆雷管2からの応答信号を、起爆操作機側受信アンテナ65と受信側母線66を介して受け取る。
インピーダンス整合器52は、発破母線63と補助母線62との間に接続されている。インピーダンス整合器52は、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た発破母線63と起爆操作機50の側の出力インピーダンスZout(図9、図10参照)と、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た補助母線62と送電ループ61の側の負荷インピーダンスZload(図9、図10参照。同調用コンデンサ80にて適切に同調された後のインピーダンス)と、の間のインピーダンスの整合を行う。インピーダンス整合器52は、後述するように、起爆操作機50からの入射電力Wfwdに対する反射電力Wrevを低減させ、送電ループ61への出射電力Woutを増し、電力伝送効率(Wout/Wfwd)を向上させる。
また図1の例において、インピーダンス整合器52の内部には、図9に示す同調用コンデンサ80である可変容量コンデンサが設けられ、インピーダンス整合器52は、後述するトランス(セレクトスイッチにてインピーダンス変換比を選択可能なトランス)を有しているものとする。そして図1の例では、図10に示す遠隔操作機53、遠隔調整配線64、遠隔調整装置54が設けられているものとする。同調用コンデンサ80の静電容量の調整と、インピーダンス整合器52のトランスのインピーダンス変換比の選択は、遠隔操作機53から有線または無線にて、それぞれ可能とされている。図1は、有線である遠隔調整配線64を介して同調用コンデンサ80(可変容量コンデンサ)の静電容量の調整と、インピーダンス整合器52のトランスのインピーダンス変換比の選択を、それぞれ可能とする例を示している。
作業者は、遠隔操作機53を用いて同調用コンデンサ80(可変容量コンデンサ)の静電容量を調整し、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た補助母線62と送電ループ61の側のインダクタンス成分をキャンセルするように、同調用コンデンサ80の静電容量を調整する(同調させる)。周波数fに対して下記の(式1)が成立するように同調用コンデンサ80の静電容量を調整することで、周波数fの電流が効率よく流れ、大きな電力を送信可能となる。なお、同調後の負荷は、Zloadの負荷インピーダンスを持つ。インダクタンス成分をL[H]、可変容量コンデンサの静電容量をC[F]、操作周波数をf[Hz]とした場合、以下の(式1)が成立するように可変容量コンデンサの静電容量を調整することで、前記同調を行うことができる。
f=1/[2π√(LC)] (式1)
また作業者は、遠隔操作機53を用いてインピーダンス整合器52のトランスのインピーダンス変換比を選択するセレクトスイッチを操作し、インピーダンス整合器52を含めて発破母線63と起爆操作機50の側の出力インピーダンスZoutと、インピーダンス整合器52を含めて補助母線62と送電ループ61の側の負荷インピーダンスZloadと、の間のインピーダンス整合を行う。このインピーダンス整合によって、出力インピーダンスZoutと負荷インピーダンスZloadとのインピーダンスの不一致を電気回路で解決することで、最も効率よく電力(や信号)を伝達できるようになる。また、同調状態、インピーダンス整合状態を確認するには、例えば起爆操作機50から、低出力の操作周波数fの信号をテスト信号として出力して、当該テスト信号をモニタすることで、同調状態、インピーダンス整合状態、を確認できる。
送電ループ61は、切羽面41(装薬孔)の近傍であって切羽あるいは切羽の外周に張り巡らされ、切羽面41から例えば0〜1[m]程度の距離L1(第1所定距離に相当)だけ離れた位置に、洞床42、洞側壁43、洞天井44に沿ってループ状に張られている。インピーダンス整合器52から切羽面41までの距離L3は、爆破によって破損される長さよりも少し長い程度の長さに設定されている。またインピーダンス整合器52から起爆操作機50までの距離L4は、例えば100〜300[m]程度である。なお、送電ループ61と補助母線62は、爆破する毎に新たに張り替えられるが、発破母線63(及びインピーダンス整合器52、中継装置51)は、発破毎に張り替えられるものではない(発破毎に交換されるものではない)。
起爆操作機側受信アンテナ65は、例えばポール状のアンテナであり、切羽面41(被爆破個所)から距離L2(第2所定距離に相当)程度離れた位置に配置されている。例えば距離L2は、爆破によって破損される長さよりも少し長い程度の長さに設定されている。無線起爆雷管2から受信する応答信号の応答周波数は100[MHz]以上1[GHz]以下であるので、送電ループ61とは大きく形状が異なり、ループ状に大きく巻回する必要は無い。なお、起爆操作機側受信アンテナ65と受信側母線66は、被爆破個所からの距離L2が、ある程度離れていれば、爆破する毎に交換されるものではない。
なお、送電ループ61を、起爆操作機50からの無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む制御信号を送信するための送信用アンテナと、無線起爆雷管2からの応答信号を受信するための受信用アンテナと、を兼用させた場合、起爆操作機側受信アンテナ65、受信側母線66、中継装置51を省略することができる。
図1及び図2に示す無線起爆システム1、1Aにおいては、トンネルの切羽面41に複数削孔された各装薬孔40に対し、図3で示すように無線起爆雷管2が爆薬36と共に挿入・セット(装填)されている。装薬孔40は、例えば径D1が5[cm]程度、深さD2が2[m]程度に削孔された孔であるが、この数値に限定されるものではない。各装薬孔40の開口部は、粘土等の封止物45によって塞がれている。爆薬36は、各装薬孔40の最奥部に装填される一つの親ダイ36Aと、その後方(装薬孔40の開口部側)に連続する複数個の増ダイ36Bとで構成されている。そのうち、親ダイ36Aが、無線起爆雷管2とユニット化されている。なお、増ダイ36Bは、爆発力を増大調整するために必要に応じて適宜配される任意の爆薬であって、掘削現場によっては親ダイ36Aだけで爆薬36が構成される場合もある。
[無線起爆雷管2の構造(図4〜図7)]
無線起爆雷管2は、図5及び図7に示す第1ケース10、第2ケース20、および第3ケース30からなる無線起爆雷管用ケースを使用することによってユニット化されている。これら第1ケース10、第2ケース20、および第3ケース30は円筒形状に形成されており、例えばABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、PC(ポリカーボネート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等の合成樹脂からなる射出成形品である。中でも、成形性が良く機械的強度が高く、耐衝撃性が高く、接着性の良いABSやPCが好ましい。
図4に示すように、第1ケース10と第2ケース20とは、同軸上で前後に連結可能となっている。具体的には、第1ケース10の先端部と第2ケース20の後端部とが連結可能となっている。第3ケース30は、後述する第1ケース10の外面に装着された起爆側受信アンテナ12を被うように、第1ケース10の外面に装着可能となっている(図6、図7参照)。したがって、第1ケース10および第2ケース20と第3ケース30も、同軸関係にある。
第1ケース10は、後端(装薬孔40の開口部側)が開口している。第1ケース10の先端(装薬孔40の奥方側)も開口しているが、その先端から所定寸法後方位置には、壁板10dが設けられている。この第1ケース10の先端から壁板10dまでのスペース(軸方向寸法)は、第2ケース20と連結するためのスペース(軸方向寸法)である。したがって、第1ケース10の先端部が、第2ケース20と連結するための連結端部10aとして形成されている。第1ケース10の連結端部10aの外面先端部は、第2ケース20と連結した際に第2ケース20との外観的な連続性を出すため、テーパー面となっている。
図4に示すように、第1ケース10における連結端部10aの外周壁には、後述する起爆側受信アンテナ12と電子回路基板22とを電気的に接続する導電線26を通すためのスリット10bが、内外貫通状に設けられている。第1ケース10の後端縁外周には、第3ケース30の後端を受け止めるため、フランジ形状のストッパー10cが形成されている。第1ケース10の軸方向中央部(ストッパー10cと連結端部10aとの間の領域)の外径は、その外面に起爆側受信アンテナ12を装着するため、連結端部10aの外径より僅かに小径となっている。第1ケース10の内径は先端から後端にかけて一様であり、親ダイ36Aがちょうど収まる径に設計されている。第1ケース10の長さ(軸方向寸法)は、親ダイ36Aよりも短寸である。したがって、親ダイ36Aを第1ケース10内へ装填したとき、親ダイ36Aは第1ケース10から突出している(図7等参照)。これにより、必要に応じて各装薬孔40へ親ダイ36Aに連続して増ダイ36Bを装填する場合に、親ダイ36Aと増ダイ36Bとを確実に接触させることができる。
図4に示す壁板10dの径方向中心部には、無線起爆雷管2における後述の起爆部14を挿通させるための貫通孔10eが設けられている(図7参照)。また、第1ケース10の連結端部10aの内周面には、スリット10bを囲むように突起10f(図7参照)が内周に向けて突設されている。スリット10bは、突起10f(図7参照)を含めて内外面に貫通している。
図4及び図7に示すように、第2ケース20は後端が開口しており、先端は閉塞されている。第2ケース20の後端から所定寸法(軸方向寸法)は、第2ケース20の外径よりも小径となっている。この小径とする軸方向寸法は、第1ケース10と連結するための寸法であって、第1ケース10における先端から壁板10dまでの軸方向寸法、すなわち第1ケース10の連結端部10aと同じ寸法に設計されている。これにより、第2ケース20の後端部が、第1ケース10との連結端部20aとして形成されている。第2ケース20の連結端部20aの外径は、第1ケース10の連結端部10aにちょうど内嵌する径に設計されている。また、第2ケース20(連結端部20a以外の部分)の外径は、第1ケース10の先端の外径とほぼ同じである。
図4に示すように、第2ケース20の連結端部20aには、切欠部20bが設けられている。この切欠部20bは、後述する第1ケース10の外面(の起爆側受信アンテナ12)からスリット10bを介して第2ケース20の内部(の電子回路基板22)に配索される導電線26が、連結端部20aによって邪魔されることを避けるために設けられている。すなわち、切欠部20bを設けることによって、第1ケース10と第2ケース20とを連結する際に、スリット10bに通された導電線26に第2ケース20の連結端部20aの端面が押し付けられ、導電線26に損傷を与える等の事態が回避される。また、第1ケース10と第2ケース20とを連結したとき、切欠部20bは第1ケース10の突起10f(図7参照)に嵌合する。これにより、導電線26を内外に通す第1ケース10のスリット10bと第2ケース20の切欠部20bとの位置合わせが容易となる。また、第1ケース10と第2ケース20とを連結してユニット化した後に、第2ケース20が第1ケース10に対して相対的に周回転し、スリット10bと切欠部20bとの位置関係がズレることも防止される。
第3ケース30は、軸方向両端、すなわち先端および後端が開口している。第3ケース30は、これの後端側を第1ケース10の先端側から挿通することで、第1ケース10の外面へ装着可能である。第3ケース30の長さ(軸方向寸法)は、第1ケース10とほぼ同じ(正確には僅かに短寸)である。したがって、第3ケース30を第1ケース10へ装着した状態では、第3ケース30が第1ケース10のスリット10bを覆い(図6等参照)、第3ケース30の後端は第1ケース10のストッパー10cで受け止められる。第3ケース30の内径は、第1ケース10の連結端部10aへちょうど外嵌できる寸法に設定されている。第3ケース30の先端部外面は、第1ケース10へ装着した際に、第1ケース10や第2ケース20との外観的な連続性を出すためにテーパー面となっている。第2ケース20の外径は、第3ケース30の外径よりも小さい。
図4及び図7に示すように、無線起爆雷管2は、起爆側受信アンテナ12、起爆部14、電子回路基板22、起爆側送信アンテナ24を備え、爆薬36(親ダイ36A)が差し込まれている。起爆側受信アンテナ12はコイルアンテナであり、第1ケース10の外周面に巻回される。起爆部14は、第1ケース10における壁板10dの貫通孔10eに挿通される。電子回路基板22は、第2ケース20の内部に収納される。
電子回路基板22は、起爆側受信アンテナ12にて生じた起電力を変調・蓄電する電子回路23を備えている。この電子回路23は、起爆側受信アンテナ12と導電線26で接続されており、かつ、起爆部14と導電線28で接続されている。起爆側送信アンテナ24は、電子回路基板22にプリントされており、電子回路23と配線パターンで接続されている。爆薬36を構成する親ダイ36Aは、起爆部14がセットされた状態で第1ケース10の内部に装填される。
電子回路23は、従来からこの種の無線起爆システムにおいて使用されている公知の回路であればよい。例えば電子回路23は、共振回路、ダイオード、コンデンサ、CPU、スイッチ回路、変調回路、復調回路等によって構成されている。起爆側受信アンテナ12にて生じた起電力は、共振回路にて効率的に電力として取り出される。共振回路に生じた交流電流はダイオードを通して直流に整流され、コンデンサに蓄電される。このコンデンサに蓄えられた電力がCPU等を駆動する動力や、起爆用の点火エネルギーとして使用される。
次に図4を用いて、第1ケース10および第2ケース20を使用して、親ダイ36Aと共に起爆側受信アンテナ12、電子回路基板22、および起爆部14をユニット化する手順を説明する。まず作業者は、第1ケース10の外面へ起爆側受信アンテナ12を巻回装着する一方、親ダイ36Aの先端へ起爆部14の一部をセットした状態で親ダイ36Aと起爆部14の両者を第1ケース10の内部に装填する。そして、起爆側受信アンテナ12および起爆部14をそれぞれ導電線26および導電線28を介して電子回路23と接続させた状態で、電子回路基板22を第2ケース20へ収納するように、第1ケース10と第2ケース20とを互いの連結端部10a,20aにて嵌合させる。このとき、起爆側受信アンテナ12と電子回路23とを接続している導電線26は、第1ケース10のスリット10bを通じて第2ケース20内に引き込まれている。
このように、第1ケース10と第2ケース20とを連結することにより、無線起爆雷管2は親ダイ36Aも含めて効率よくユニット化された状態で取り扱うことが可能となる。したがって、切羽面41の各装薬孔40に対して無線起爆雷管2をセットする作業、あるいは無線起爆雷管2の運搬・保管も容易となる。また、図5〜図7に示すように、第1ケース10の外面に第3ケース30を装着することにより、起爆側受信アンテナ12を保護することができる。
本実施形態の無線起爆雷管2においては、互いの周波数帯域が大きく異なる起爆側受信アンテナ12と起爆側送信アンテナ24とを、個々の周波数に最適なサイズに収めるために敢えて分離している。しかしながら、この分離に伴う課題についても、第1ケース10と第2ケース20とを連結してユニット化することによって解消される。すなわち、起爆側受信アンテナ12を備えた第1ケース10と、起爆側送信アンテナ24を備えた電子回路基板22が収納された第2ケース20との連結により、起爆側受信アンテナ12と起爆側送信アンテナ24とを一体化された状態で扱うことができる。なお、起爆側受信アンテナ12および起爆側送信アンテナ24のサイズに拘らなければ、起爆側受信アンテナ12に起爆側送信アンテナ24の機能を兼用させてもよい。
本実施の形態では、以下の(1)〜(3)をすべて満足する無線起爆雷管として、起爆側受信アンテナ12と起爆側送信アンテナ24を別々のアンテナとして有する無線起爆雷管を例として説明する。
(1)起爆操作機から、100[KHz]以上500[KHz]以下の操作周波数の制御信号(無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを含む)を効率良く受け取ることができる。
(2)起爆操作機に、100[MHz]以上1[GHz]以下の応答周波数の応答信号を効率良く送信できる。
(3)径が5[cm]程度、深さ(奥行き)が2[m]程度の装薬孔に装填することが可能なサイズである。
以上に説明した無線起爆雷管2に、無線方式で、無線起爆雷管の点火用のエネルギーや起爆側電子回路の駆動用エネルギーや制御信号を送信する送電装置60は、以下の(A)〜(C)が要求される。
(A)起爆操作機50からより大きな交流電流を供給できること。
(B)起爆操作機50からの入射電力を、効率良く(無駄なく)送電ループ61に供給できること。
(C)爆破の際には送電ループ61と、送電ループ61の近傍の母線(補助母線)が破損するので、連続して爆破する際、送電ループ61等を張り替える作業の作業効率が良いこと(張り替えの量が少ないこと)。
[従来の送電装置の例(図13、図14)]
図13は、特許文献1に記載された無線起爆システム(図11参照)において、起爆操作機350からの送信用の送電装置360の全体構成を説明する図であり、起爆操作機350から送電ループ361までの模式図を示している。図13に示す送電装置360は、発破母線363と送電ループ361にて構成されている。そしてコネクタ368Dには起爆操作機350と発破母線363の一方端が接続され、コネクタ368Aには発破母線363の他方端と送電ループ361が接続されている。
図13に示す構成では、以下の(1−1)、(1−2)、(1−3)の3点がデメリットとして挙げられる。
(1−1)送電ループ361のインダクタンス成分をキャンセルする同調用コンデンサを有していないので(すなわち、同調がとれていないので)、送電ループ361に比較的大きな交流電流の供給が困難。
(1−2)コネクタ368Aから見た発破母線363と起爆操作機350の側の出力インピーダンスZoutと、コネクタ368Aから見た送電ループ361の側の負荷インピーダンスZloadとの整合が取れていない。従って、起爆操作機350からの入射電力Wfwdに対して、反射電力Wrevが大きくなり、送電ループ361に供給される出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)の低下が大きく、電力伝送効率(Wout/Wfwd)が低い(例えば60[%]程度)。
(1−3)爆破の際には、送電ループ361と、発破母線363における送電ループ361の近傍と、が破損する。従って、連続して爆破をする際は、送電ループ361を張り替えることはもちろんのこと、100〜300[m]もの長さがある発破母線363の全体も張り替える必要があり、発破母線363の消費量が多く、作業効率も良くない。
図14は、特許文献2に記載された無線起爆システム(図12参照)において、起爆操作機450からの送信用の送電装置460の全体構成を説明する図であり、起爆操作機450から送電ループ461までの模式図を示している。図14に示す送電装置460は、発破母線463と同調用コンデンサ480と送電ループ461にて構成されている。そしてコネクタ468Dには起爆操作機450と発破母線463の一方端が接続され、コネクタ468Aには、発破母線463の他方端と、同調用コンデンサ480が接続された送電ループ461が接続されている。同調用コンデンサ480は、送電ループ461のインダクタンスをキャンセルする静電容量とされている。
図14に示す構成では、送電ループ361のインダクタンス成分を同調用コンデンサ480にてキャンセルしているので、上記の(1−1)を改善している。しかし、下記の(2−1)、(2−2)がデメリットとして挙げられる。
(2−1)コネクタ468Aから見た発破母線463と起爆操作機450の側の出力インピーダンスZoutと、コネクタ468Aから見た送電ループ461の側の負荷インピーダンスZloadとの整合が取れていない。従って、起爆操作機450からの入射電力Wfwdに対して、反射電力Wrevが大きくなり、送電ループ461に供給される出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)の低下が大きく、電力伝送効率(Wout/Wfwd)が低い(例えば60[%]程度)。
(2−2)爆破の際には、送電ループ461及び同調用コンデンサ480と、発破母線463における送電ループ461の近傍と、が破損する。従って、連続して爆破をする際は、送電ループ461を張り替えることはもちろんのこと、100〜300[m]もの長さがある発破母線463の全体も張り替える必要があり、発破母線463の消費量が多く、作業効率も良くない。また同調用コンデンサ480を交換する際は、静電容量を微調整して交換する必要があるため、手間がかかり、作業効率が良くない。そこで本願では、送電装置60を以下の第1〜第3の実施の形態にて説明する構成とすることで、作業効率の向上、または作業効率の向上と反射電力の低減、を図っている。
[第1の実施の形態の送電装置60A(図8)]
図8に示す第1の実施の形態の送電装置60Aは、図1に示す送電装置60の構成からインピーダンス整合器52を省略し、当該インピーダンス整合器52の代わりに同調用コンデンサ80を取り付けたものである。なお同調用コンデンサ80は、同調用コンデンサ80から見た送電ループ61と補助母線62で構成される負荷のインダクタンス成分をキャンセルするように静電容量が調整されている。同調用コンデンサ80を可変容量コンデンサとすると、静電容量を調整する(同調させる)ことが容易となる。また、送電ループ61を、送信と受信を兼用するように構成した場合、中継装置51と受信側母線66と起爆操作機側受信アンテナ65を省略することができる(後述する第2の実施の形態、第3の実施の形態も同様)。
図8に示す送電装置60Aは、発破母線63と同調用コンデンサ80と補助母線62と送電ループ61にて構成されている。そしてコネクタ68Dには起爆操作機50と発破母線63の一方端が接続され、同調用コンデンサ80がある側のコネクタ68Cには発破母線63の他方端と同調用コンデンサ80の一方端が接続され、同調用コンデンサ80が無い側のコネクタ68Cには補助母線62が延長されて接続されている。同調用コンデンサ80がある側のコネクタ68Bには同調用コンデンサ80の他方端と補助母線62の一方端が接続されている。そしてコネクタ68Aには補助母線62の他方端と送電ループ61が接続されている。つまり、発破母線63の他方端と補助母線62の一方端との間には、発破母線63の側から見た、補助母線62と送電ループ61のインダクタンス成分をキャンセルする同調用コンデンサ80が接続されている。同調用コンデンサ80は、上述した(式1)を満足する静電容量Cに調整されており、補助母線62と送電ループ61を、操作周波数(無線方式の周波数)で共振させる(第2の実施の形態も同様)。補助母線62の長さは、ほぼ図1に示す距離L3であり、爆破によって破損される長さよりも少し長い程度の長さに設定されている。つまり、コネクタ68Bの位置から見て起爆操作機50の側が爆破によって破損しないように、補助母線62の長さが設定されている。
例えば発破母線63には、起爆操作機50の出力インピーダンスに合った特性インピーダンスを有する(周波数に依存しないインピーダンスを有する)同軸ケーブルを使用する。また例えば補助母線62には、ツイストペア線や平行ビニル線を使用する(第2、第3の実施の形態も同様)。なお、起爆操作機50と発破母線63のインピーダンス整合が取れていない場合、起爆操作機50と発破母線63の間にインピーダンス整合器を入れるようにしてもよい。
図8に示す第1の実施の形態の送電装置60Aは、送電ループ61(補助母線62を含む)のインダクタンス成分を同調用コンデンサ80にてキャンセルしているので、図14に示す構成と同様、共振によって大きな交流電流を流すことが可能であり、図13に示す構成に対して上記の(1−1)を改善している。また、爆破によって破損されるものが送電ループ61と補助母線62のみとなるように補助母線62の長さ(距離L3)が設定されているので、図13に示す構成に対して上記の(1−3)、及び図14に示す構成に対して上記の(2−2)を改善している。つまり、爆破毎に100〜300[m]もある発破母線63及び同調用コンデンサ80を張り替え及び交換する必要がなく、補助母線62及び送電ループ61を張り替えるだけでよい。従って、発破母線63の張り替えを必要とした従来に対して、母線の消費量を低減し、張り替え作業の作業時間を低減させて作業効率を向上させることができる。ただし、以下の(3−1)が挙げられるが、この点については、以降に示す第2及び第3の実施の形態にて改善している。
(3−1)コネクタ68Cから見た発破母線63と起爆操作機50の側の出力インピーダンスZoutと、コネクタ68Cから見た送電ループ61の側の負荷インピーダンスZloadとの整合が取れていない。従って、起爆操作機50からの入射電力Wfwdに対して、反射電力Wrevが大きくなり、送電ループ61に供給される出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)の低下が大きく、電力伝送効率(Wout/Wfwd)がやや低い。例えば出力インピーダンスZoutが約50[Ω]、負荷インピーダンスZloadが約12.5[Ω]の場合、電力伝送効率(Wout/Wfwd)は約60[%]程度であった。
なお、図8に示す同調用コンデンサ80を可変容量コンデンサに変更して、図10の例に示す遠隔操作機53、遠隔調整装置54、遠隔調整配線64を追加して、同調用コンデンサ80の静電容量の調整を遠隔操作で実行可能とするようにしてもよい。
[第2の実施の形態の送電装置60B(図9)]
図9に示す第2の実施の形態の送電装置60Bは、図8に示す第1の実施の形態の送電装置60Aに対して、発破母線63と同調用コンデンサ80の間にインピーダンス整合器52が追加されている点が異なる。以下、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。
図9に示す送電装置60Bは、発破母線63とインピーダンス整合器52と同調用コンデンサ80と補助母線62と送電ループ61にて構成されている。そしてコネクタ68Dには起爆操作機50と発破母線63の一方端が接続され、コネクタ68Cには発破母線63の他方端とインピーダンス整合器52が接続されている。またコネクタ68Bには同調用コンデンサ80を含めたインピーダンス整合器52と補助母線62の一方端が接続され、コネクタ68Aには補助母線62の他方端と送電ループ61が接続されている。
なお、インピーダンス整合器52の具体的な回路は、例えば1次巻線と2次巻線を有するトランスであり、図9の例では、1次巻線はコネクタ68Cに接続され、2次巻線の一方は同調用コンデンサ80を介してコネクタ68Bに接続され、2次巻線の他方はコネクタ68Bに接続されている。本実施の形態にて用いるトランスは、セレクトスイッチを有しており、当該セレクトスイッチの選択にて、インピーダンス変換比を選択できるように構成されている。セレクトスイッチは、図9に示すインピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た発破母線63と起爆操作機50の側の出力インピーダンスZoutと、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た補助母線62(及び同調用コンデンサ80)と送電ループ61の側の負荷インピーダンスZloadと、のそれぞれのインピーダンスに応じた適切なインピーダンス変換比を選択可能とするものである。例えばトランスには、複数のインピーダンス変換比が予め用意されており、作業者が、どのインピーダンス変換比を選択するか、をセレクトスイッチにて選択可能とされている。なお、インピーダンス変換比の選択は、遠隔操作できることが好ましい。例えば図10に示す遠隔操作機53と遠隔調整配線64と遠隔調整装置54を、図9の例に追加すれば、作業者が遠隔操作機53を操作することで、セレクトスイッチの選択を遠隔操作で実行可能である。
また図9の例に示す同調用コンデンサ80は、第1の可変容量コンデンサ(例えば回転式のバリアブルコンデンサ)である。第1の可変容量コンデンサである同調用コンデンサ80は、起爆操作機50からの操作周波数にて図9に示すコネクタ68Bから右側となる補助母線62と送電ループ61が共振するように調整される。なお、第1の可変容量コンデンサの静電容量の調整は、遠隔操作できることが好ましい。例えば図10に示す遠隔操作機53と遠隔調整配線64と遠隔調整装置54を、図9の例に追加すれば、作業者が遠隔操作機53を操作することで、第1の可変容量コンデンサである同調用コンデンサ80の静電容量の調整を遠隔操作で実行可能である。遠隔操作機53は、トランスを有するインピーダンス整合器52のインピーダンス変換比と、第1の可変容量コンデンサである同調用コンデンサ80の静電容量と、のそれぞれを遠隔操作で変更可能とする。なお、補助母線62の長さは、第1の実施の形態と同様、ほぼ図1に示す距離L3であり、爆破によって破損される長さよりも少し長い程度の長さに設定されている。また図9の例は、同調用コンデンサ80をインピーダンス整合器52の外部に配置した例を示しているが、同調用コンデンサ80をインピーダンス整合器52の内部に配置してもよい。内部に配置した場合では、外部に配置した場合と比較して、同調用コンデンサ80の配線の接続が減るので、現場(トンネル内等)における送電装置60Bの設置が容易になる。
図9に示す第2の実施の形態の送電装置60Bは、インピーダンス整合器52によって、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た起爆操作機50の側の出力インピーダンスZout(例えば約50[Ω])と、インピーダンス整合器52を含めてインピーダンス整合器52から見た送電ループ61の側の負荷インピーダンスZload(例えば約12.5[Ω])とを整合し、反射電力Wrevを大きく減衰させることができる。従って、第1の実施の形態に対して、起爆操作機50からの入射電力Wfwdに対する出射電力Wout(Wout=Wfwd−Wrev)をより大きくさせ、電力伝送効率(Wout/Wfwd)を、大きく向上させることが可能であり、上記の(3−1)を改善している。例えば出力インピーダンスZoutが約50[Ω]、負荷インピーダンスZloadが約12.5[Ω]の場合、インピーダンス整合器52を追加したことで、第1の実施の形態に対して反射電力Wrevが約1/10に低減され、電力伝送効率(Wout/Wfwd)は約95[%]程度に向上した。
[第3の実施の形態の送電装置60(図10)]
図10に示す第3の実施の形態の送電装置60は、図9に示す第2の実施の形態の送電装置60Bに対して、第1の可変容量コンデンサ80X(例えば回転式のバリアブルコンデンサ)をインピーダンス整合器52A内に収容している。またインピーダンス整合器52Aは、トランスを有しておらず、トランスの代わりに、第2の可変容量コンデンサ80Y(例えば回転式のバリアブルコンデンサ)を有している。第3の実施の形態(図10)におけるインピーダンス整合器52Aは、「インピーダンス整合」を実施して「同調」を実施しない第2の実施の形態のインピーダンス整合器52(図9)に対して、「インピーダンス整合」と「同調」の双方を実施するものである。つまり、インピーダンス整合器52Aは、送電ループ61に対して直列に接続された第1の可変容量コンデンサ80Xと、送電ループ61に対して並列に接続された第2の可変容量コンデンサ80Yと、を有している。そしてインピーダンス整合器52Aには、第1の可変容量コンデンサ80Xの静電容量と、第2の可変容量コンデンサ80Yの静電容量と、をそれぞれ調整可能な遠隔調整装置54(例えばサーボモータ)が設けられている。そして遠隔調整装置54を遠隔操作する遠隔操作機53を有している。第3の実施の形態では、インピーダンス整合器52Aにトランスを使用せず、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yを直並列とした回路構成とすることで、インピーダンス変換比が固定となるトランス(複数の変換比を用意してセレクトスイッチで切り換えは可能)と比較して、様々な負荷に対して、最適なインピーダンス変換と同調が可能となる。つまり、第3の実施の形態では、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yを用いることで、様々な負荷(例えば爆破毎に張り替えた、補助母線62+送電ループ61)に対して効率よく操作周波数fの電流を流すことができる。さらに、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yを用いることで、出力インピーダンスZoutと、負荷インピーダンスZloadと、の間のインピーダンス整合を効率よく行うことが可能であり、電力伝送効率(Wout/Wfwd)を効率よく向上させることができる。また第1及び第2の可変容量コンデンサの静電容量の調整を遠隔操作できるので、第1及び第2の可変容量コンデンサの静電容量を調整する作業時間をより短縮化することができる。これらが第2の実施の形態とは異なり、以下、第2の実施の形態との相違点を主に説明する。
図10に示す送電装置60は、発破母線63とインピーダンス整合器52A(第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yを含む)と遠隔操作機53と遠隔調整装置54と補助母線62と送電ループ61にて構成されている。そしてコネクタ68Dには起爆操作機50と発破母線63の一方端が接続され、コネクタ68Cには発破母線63の他方端とインピーダンス整合器52Aが接続されている。またコネクタ68Bにはインピーダンス整合器52Aと補助母線62の一方端が接続され、コネクタ68Aには補助母線62の他方端と送電ループ61が接続されている。インピーダンス整合器52Aは第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yと、遠隔調整装置54を収容しており、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yのそれぞれの静電容量は、遠隔調整装置54にてそれぞれ調整される。そして遠隔調整装置54は、遠隔操作機53から無線または有線にて遠隔操作される。図10は、遠隔調整配線64(有線)にて、遠隔調整装置54が遠隔操作される例を示している。なお、遠隔調整装置54をインピーダンス整合器52Aの外部に設けるようにしてもよい。
図10に示す第3の実施の形態の送電装置60は、遠隔操作機53と、遠隔調整装置54と、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yと、を有している。これにより、起爆操作機50及び遠隔操作機53を操作する作業者によって、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yのそれぞれの静電容量の調整を遠隔操作で実行可能であるので、作業効率をより向上させることができる。爆破によって補助母線62と送電ループ61を張り替えた場合、張り替え前と張り替え後でインダクタンス成分が等しく無い場合や、張り替え前と張り替え後で負荷インピーダンスZloadが等しく無い場合では、第1の可変容量コンデンサ80Xと第2の可変容量コンデンサ80Yのそれぞれの静電容量を再調整する必要があるので有効である。なお、第2の実施の形態と同様、インピーダンス整合器52Aを有しているので、電力伝送効率(Wout/Wfwd)を、大きく向上させることが可能であり、上記の(3−1)を改善している。
[無線起爆方法(図1〜図3)]
以上に説明した無線起爆システム1を用いた無線起爆方法の各ステップ(a)〜(h)を以下に説明する。
(a)装薬孔削孔ステップ。
(b)爆薬装填ステップ。
(c)送電ループ設置ステップ。
(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップ。
(e)電子回路準備開始送信ステップ。
(f)電子回路準備完了応答ステップ。
(g)起爆信号送信ステップ。
(h)発破ステップ。
(a)装薬孔削孔ステップでは、図1(または図2)に示すように、被爆破個所(切羽面41)に装薬孔40を削孔する。
(b)爆薬装填ステップでは、図3に示すように、無線起爆雷管2が取り付けられた爆薬である親ダイ36Aと、無線起爆雷管2が取り付けられていない爆薬である増ダイ36Bとを装薬孔40に装填する。
(c)送電ループ設置ステップでは、図1(または図2)に示すように、最初の爆破の際には、被爆破個所から第3所定距離(距離L3)だけ離れた位置にインピーダンス整合器52(52A)を配置し、インピーダンス整合器52(52A)から第4所定距離(距離L4)だけ離れた位置に起爆操作機50(及び遠隔操作機53)を設置し、インピーダンス整合器52(52A)と起爆操作機50の間に中継装置51(図2の例の場合では中継装置51は省略)を配置する。そして、送電ループ61と補助母線62と発破母線63と遠隔調整配線64を張る(敷設する)。また2回目以降の爆破の際には、送電ループ61と補助母線62のみを張り替える。そして、各配線等を敷設した後、遠隔操作機53を操作して同調用コンデンサの静電容量を調整し、インピーダンス整合用コンデンサの静電容量を調整する(インピーダンス整合器がトランスを有する場合では、トランスのインピーダンス変換比を選択する)。
(d)起爆操作機側受信アンテナ設置ステップでは、図1(または図2)に示すように、被爆破個所から第2所定距離(距離L2)だけ離れた位置に、起爆操作機側受信アンテナ65を設置し、受信側母線66を張る(敷設する)。当該ステップは、距離L2を適切な長さ(爆破の影響を受けない長さ)に設定することで、2回目以降の爆破の際には不要となる。
(e)電子回路準備開始送信ステップでは、起爆操作機50が、100[kHz]以上500[kHz]以下の周波数(例えば200[KHz])である操作周波数にて、電子回路準備を開始させる制御信号と無線起爆雷管の点火用のエネルギーと起爆側電子回路の駆動用のエネルギーとを含む電子回路準備開始信号を、送電ループ61を介して、起爆操作機50から無線起爆雷管2に送信する。
(f)電子回路準備完了応答ステップでは、電子回路準備開始信号を、起爆側受信アンテナ12を介して無線起爆雷管2にて受信し、無線起爆雷管2が、無線起爆雷管の点火用のエネルギーや起爆側電子回路の駆動用のエネルギーの充電及び起爆側電子回路の駆動とを含む電子回路準備を開始する。そして無線起爆雷管2は、上記の電子回路準備が完了した場合に、当該電子回路準備の完了を示す応答信号である電子回路準備完了信号を、応答周波数にて、起爆側送信アンテナ24を介して、無線起爆雷管2から起爆操作機50に送信する。なお、応答周波数は、100[MHz]以上1[GHz]以下の周波数であって、例えば315[MHz]または429[MHz]である。
(g)起爆信号送信ステップでは、電子回路準備完了信号を、起爆操作機側受信アンテナ65を介して起爆操作機50にて受信した後、起爆操作機50が、上記の操作周波数にて、起爆信号を、送電ループ61を介して、起爆操作機50から無線起爆雷管2に送信する。
(h)発破ステップでは、起爆信号を、起爆側受信アンテナ12を介して無線起爆雷管2にて受信し、無線起爆雷管2が、充電した無線起爆雷管の点火用のエネルギーや起爆側電子回路の駆動用のエネルギーを用いて、起爆側電子回路から起爆部14に点火して起爆させる。
本発明の送電装置60、60A、60B、及び無線起爆システム1、1Aは、本実施の形態にて説明した外観、構造、構成、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また本実施の形態にて説明した送電装置60、60A、60B、及び無線起爆システム1、1Aは、トンネルの掘削現場に限定されず、種々の現場の爆破に適用することが可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1、1A 無線起爆システム
2 無線起爆雷管
10 第1ケース
10a 連結端部
10b スリット
10d 壁板
10e 貫通孔
12 起爆側受信アンテナ
14 起爆部
20 第2ケース
20a 連結端部
20b 切欠部
22 電子回路基板
24 起爆側送信アンテナ
30 第3ケース
36 爆薬
36A 親ダイ
36B 増ダイ
40 装薬孔
41 切羽面(被爆破個所)
42 洞床
43 洞側壁
44 洞天井
45 封止物
50 起爆操作機
51 中継装置
52 インピーダンス整合器
52A インピーダンス整合器
53 遠隔操作機
54 遠隔調整装置
60、60A、60B 送電装置
61 送電ループ
62 補助母線
63、63A、63B 発破母線
64 遠隔調整配線
65 起爆操作機側受信アンテナ
66 受信側母線
68A、68B、68C、68D コネクタ
80 同調用コンデンサ
80X (第1の)可変容量コンデンサ
80Y (第2の)可変容量コンデンサ
D1 径
D2 深さ
L1 距離(第1所定距離)
L2 距離(第2所定距離)
L3、L4 距離
Wfwd 入射電力
Wrev 反射電力
Wout 出射電力
Zload 負荷インピーダンス
Zout 出力インピーダンス

Claims (5)

  1. 起爆側受信アンテナと起爆側電子回路とを有する無線起爆雷管が取り付けられて被爆破個所に配置された爆薬に、無線方式で、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び制御信号を受け渡す、送電装置であって、
    遠隔操作が可能な起爆操作機に、一方端が接続された発破母線と、
    前記発破母線の他方端に、一方端が接続された補助母線と、
    前記補助母線の他方端に接続されて前記被爆破個所である切羽あるいは前記切羽の外周に張り巡らされた送電ループと、を有し、
    前記発破母線は、爆破毎に張り替えられることがなく、
    前記補助母線及び前記送電ループは、爆破毎に張り替えられ、
    前記発破母線の他方端と前記補助母線の一方端との間には、前記補助母線と前記送電ループを前記無線方式の周波数で共振させる同調用コンデンサが接続されている、
    送電装置。
  2. 請求項1に記載の送電装置であって、
    前記発破母線の他方端と前記補助母線の一方端との間には、インピーダンス整合器が接続されており、
    前記インピーダンス整合器は、前記インピーダンス整合器を含めて前記インピーダンス整合器から見た前記発破母線と前記起爆操作機の側のインピーダンスである出力インピーダンスと、前記インピーダンス整合器を含めて前記インピーダンス整合器から見た前記補助母線と前記送電ループの側のインピーダンスである負荷インピーダンスと、を整合しており、
    前記同調用コンデンサは前記インピーダンス整合器と前記補助母線の一方端との間に接続されている、あるいは、前記同調用コンデンサは前記インピーダンス整合器内に収容されている、
    送電装置。
  3. 請求項2に記載の送電装置であって、
    前記同調用コンデンサは、可変容量コンデンサであり、
    前記インピーダンス整合器は、
    インピーダンス変換比を選択可能なトランス、を有しており、
    前記可変容量コンデンサの静電容量の調整と前記トランスのインピーダンス変換比の選択を遠隔操作で実行可能な遠隔調整装置、を有している、
    送電装置。
  4. 請求項2に記載の送電装置であって、
    前記インピーダンス整合器は、
    前記同調用コンデンサによる前記補助母線と前記送電ループの前記共振と、前記出力インピーダンスと前記負荷インピーダンスの前記整合と、を行うための2つの可変容量コンデンサ、を有しており、
    それぞれの前記可変容量コンデンサの静電容量の調整を遠隔操作で実行可能な遠隔調整装置、を有している、
    送電装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の送電装置であり、前記切羽から第1所定距離だけ離れた位置に前記送電ループが配置された前記送電装置と、
    前記切羽から第2所定距離だけ離れた位置に配置された起爆操作機側受信アンテナと、
    前記送電装置と前記起爆操作機側受信アンテナが接続された前記起爆操作機であり、前記切羽から離れた遠隔位置に配置されて、無線方式で、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び前記制御信号を、前記送電装置を介して前記無線起爆雷管に受け渡し、前記無線起爆雷管からの応答信号を、前記起爆操作機側受信アンテナを介して受信する前記起爆操作機と、
    起爆側送信アンテナと前記起爆側受信アンテナと前記起爆側電子回路とを有する前記無線起爆雷管であり、前記無線起爆雷管の点火用のエネルギー、前記起爆側電子回路の駆動用のエネルギー、及び前記制御信号を、前記起爆側受信アンテナを介して受け取り、前記制御信号に対する前記応答信号を前記起爆側送信アンテナを介して送信する前記無線起爆雷管と、
    前記切羽に削孔された装薬孔に装填された前記爆薬であり、前記無線起爆雷管が取り付けられた前記爆薬と、を有している、
    無線起爆システム。

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