JP6235028B2 - リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極又は負極活物質等を正極用又は負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。また、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成している。
電極活物質は、その種類によって電子伝導性が異なるが、現状では、どの活物質を使用する場合でも電子伝導性を高めるための導電助剤が不可欠である。導電助剤としては、黒鉛やカーボンブラック等の炭素質導電性物質が用いられているが、これらは粒子状であるため、所望の電子伝導性を得るためには高濃度で添加する必要がある。
その一方で、所望の電子伝導性を得るために導電性高分子を使用する技術があり、例えば特許文献1には、特定の導電性高分子の有機溶剤分散液と炭素質導電性物質とを混合して調製した導電助剤組成物が開示されている。
特開2011−100594号公報
しかしながら、近年、電池の高容量化がさらに求められているために、電極の導電性をさらに向上させることが必要となっている。
本発明者らは、リチウムイオン電池活物質の表面の一部を被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆することによって、電極の導電性を高めることができる可能性があることを見出したが、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆する具体的な方法としては様々な方法が考えられ、検討の余地があった。
本発明は、上記状況を踏まえてなされたものであり、活物質の電子伝導性を向上させることのできるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、上記リチウムイオン電池活物質の存在下、上記被覆用樹脂を含む樹脂溶液を投入し、その後、上記導電助剤を加えることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法によると、活物質の周囲に被覆用樹脂が付着し、さらに導電助剤が付着するので導電助剤が活物質の周囲に付着した被覆活物質が得られる。そして、本発明の製造方法で得られるリチウムイオン電池用被覆活物質は、電子伝導性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法は、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
上記リチウムイオン電池活物質の存在下、上記被覆用樹脂を含む樹脂溶液を投入し、その後、上記導電助剤を加えることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法では、リチウムイオン電池活物質の存在下、被覆用樹脂を含む樹脂溶液を投入し、その後、導電助剤を加える。以下、これらの工程について説明する。
(1)まず、リチウムイオン電池活物質の存在下、被覆用樹脂を含む樹脂溶液を投入する。
これにより、リチウムイオン電池活物質の周囲に樹脂溶液を付着させることができる。
リチウムイオン電池活物質(Y)としては、正極活物質(Y1)及び負極活物質(Y2)が挙げられる。
正極活物質(Y1)としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO及びLiMn)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられる。
負極活物質(Y2)としては、黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)、リチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiTi12等)等が挙げられる。
リチウムイオン電池活物質自体の導電性が低いものであると、導電性向上の効果が大きく得られるために好ましい。そのため、正極活物質(Y1)としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiCoO、LiNiO、LiMnO及びLiMn)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)が好ましい。負極活物質(Y2)としてはリチウムと遷移金属との複合酸化物(例えばLiTi12等)が好ましい。
樹脂溶液は、被覆用樹脂が溶け残ることなく溶媒に溶解している溶液である。
被覆用樹脂としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えば、ビニル樹脂(A)、ウレタン樹脂(B)、ポリエステル樹脂(C)、ポリアミド樹脂(D)、他の樹脂(E)及びこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、ビニル樹脂(A)、ウレタン樹脂(B)、ポリエステル樹脂(C)、ポリアミド樹脂(D)及びこれらの混合物が好ましく、ビニル樹脂(A)、ウレタン樹脂(B)、ポリエステル樹脂(C)及びポリアミド樹脂(D)がより好ましい。
ビニル樹脂(A)は、ビニルモノマー(a)を必須構成単量体とする重合体(A1)を含んでなる樹脂である。
特に、重合体(A1)は、ビニルモノマー(a)としてカルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)及び下記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)を含むことが好ましい。
CH=C(R)COOR (1)
[式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数4〜36の分岐アルキル基である。]
カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3〜15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の炭素数4〜24のジカルボン酸;アコニット酸等の炭素数6〜24の3価〜4価又はそれ以上の価数のポリカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましく、メタクリル酸がより好ましい。
上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。Rはメチル基であることが好ましい。
は炭素数4〜36の分岐アルキル基であり、Rの具体例としては、1−アルキルアルキル基[1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、1−ブチルエイコシル基、1−ヘキシルオクタデシル基、1−オクチルヘキサデシル基、1−デシルテトラデシル基、1−ウンデシルトリデシル基等]、2−アルキルアルキル基[2−メチルプロピル基(iso−ブチル基)、2−メチルブチル基、2−エチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、2−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルオクチル基、2−エチルヘプチル基、2−メチルノニル基、2−エチルオクチル基、2−メチルデシル基、2−エチルノニル基、2−ヘキシルオクタデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルトリデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−トリデシルペンタデシル基、2−デシルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−テトラデシルエイコシル基、2−ヘキサデシルエイコシル基等]、3〜34−アルキルアルキル基(3−アルキルアルキル基、4−アルキルアルキル基、5−アルキルアルキル基、32−アルキルアルキル基、33−アルキルアルキル基及び34−アルキルアルキル基等)、並びに、プロピレンオリゴマー(7〜11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16/1〜1/11)オリゴマー、イソブチレンオリゴマー(7〜8量体)及びα−オレフィン(炭素数5〜20)オリゴマー(4〜8量体)等から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基のような1又はそれ以上の分岐アルキル基を含有する混合アルキル基等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは2−アルキルアルキル基であり、より好ましいのは2−エチルヘキシル基及び2−デシルテトラデシル基である。
また、重合体(A1)を構成する単量体には、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)及び上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)の他に、活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(a3)が含まれていてもよい。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(a3)としては、下記(a31)〜(a38)が挙げられる。
(a31)炭素数1〜20のモノオールと(メタ)アクリル酸から形成されるハイドロカルビル(メタ)アクリレート
上記モノオールとしては、(i)脂肪族モノオール(メタノール、エタノール、n−又はi−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等)、(ii)脂環式モノオール(シクロヘキシルアルコール等)、(iii)芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(a32)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)アルキル(炭素数1〜18)エーテル(メタ)アクリレート[メタノールのエチレンオキサイド(以下EOと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート、メタノールのプロピレンオキサイド(以下POと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート等]
(a33)窒素含有ビニル化合物
(a33−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等)、ジアセトンアクリルアミド
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN−メチル−N−ビニルアセトアミド、環状アミド(ピロリドン化合物(炭素数6〜13、例えば、N−ビニルピロリドン等))
(a33−2)(メタ)アクリレート化合物
(i)ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]
(ii)4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート{3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等}
(a33−3)複素環含有ビニル化合物
ピリジン化合物(炭素数7〜14、例えば2−又は4−ビニルピリジン)、イミダゾール化合物(炭素数5〜12、例えばN−ビニルイミダゾール)、ピロール化合物(炭素数6〜13、例えばN−ビニルピロール)、ピロリドン化合物(炭素数6〜13、例えばN−ビニル−2−ピロリドン)
(a33−4)ニトリル基含有ビニル化合物
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物、例えば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート
(a33−5)その他の窒素含有ビニル化合物
ニトロ基含有ビニル化合物(炭素数8〜16、例えばニトロスチレン)等
(a34)ビニル炭化水素
(a34−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン等)、炭素数4〜10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等)等
(a34−2)脂環式ビニル炭化水素
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物、例えばシクロアルケン(例えばシクロヘキセン)、(ジ)シクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン]、テルペン(例えばピネン及びリモネン)、インデン
(a34−3)芳香族ビニル炭化水素
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン
(a35)ビニルエステル
脂肪族ビニルエステル[炭素数4〜15、例えば脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート)]
芳香族ビニルエステル[炭素数9〜20、例えば芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えばビニルベンゾエート、ジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート)、脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(例えばアセトキシスチレン)]
(a36)ビニルエーテル
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3〜15、例えばビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)]
芳香族ビニルエーテル(炭素数8〜20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン)
(a37)ビニルケトン
脂肪族ビニルケトン(炭素数4〜25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン)
芳香族ビニルケトン(炭素数9〜21、例えばビニルフェニルケトン)
(a38)不飽和ジカルボン酸ジエステル
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)
上記(a3)として例示したもののうち耐電圧の観点から好ましいのは、(a31)、(a32)及び(a33)であり、より好ましいのは、(a31)のうちのメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートである。
重合体(A1)において、カルボキシル基又は酸無水物基を有するビニルモノマー(a1)、上記一般式(1)で表されるビニルモノマー(a2)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(a3)の含有量は、重合体(A1)の重量を基準として、(a1)が0.1〜80重量%、(a2)が0.1〜99.9重量%、(a3)が0〜99.8重量%であることが好ましい。
モノマーの含有量が上記範囲内であると、電解液への吸液性が良好となる。
より好ましい含有量は、(a1)が15〜60重量%、(a2)が5〜60重量%、(a3)が5〜80重量%であり、さらに好ましい含有量は、(a1)が25〜50重量%、(a2)が15〜45重量%、(a3)が20〜60重量%である。
重合体(A1)の数平均分子量の好ましい下限は3,000、より好ましくは50,000、さらに好ましくは100,000、特に好ましくは200,000であり、好ましい上限は2,000,000、より好ましくは1,500,000、さらに好ましくは1,000,000、特に好ましくは800,000である。
重合体(A1)の数平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)測定により求めることができる。
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
重合体(A1)の溶解度パラメータ(以下、SP値と略記する)は9.0〜20.0(cal/cm1/2であることが好ましい。重合体(A1)のSP値は10.0〜18.0(cal/cm1/2であることがより好ましく、11.5〜14.0(cal/cm1/2であることがさらに好ましい。重合体(A1)のSP値が9.0〜20.0(cal/cm1/2であると、電解液の吸液の点で好ましい。
SP値は、Fedors法によって計算される。SP値は、次式で表せる。
SP値(δ)=(ΔH/V)1/2
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal)を、Vはモル体積(cm)を表す。
また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(151〜153頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱の合計(ΔH)とモル体積の合計(V)を用いることができる。
SP値は、この数値が近いもの同士はお互いに混ざりやすく(相溶性が高い)、この数値が離れているものは混ざりにくいことを表す指標である。
また、重合体(A1)のガラス転移点[以下Tgと略記、測定法:DSC(走査型示差熱分析)法]は、電池の耐熱性の観点から好ましくは80〜200℃、より好ましくは90〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃である。
重合体(A1)は、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)により製造することができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル等)]、パーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等)等}を使用して行なうことができる。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%である。
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1〜8、例えばメタノール、エタノール及びオクタノール)、炭化水素(炭素数4〜8、例えばn−ブタン、シクロヘキサン及びトルエン)及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、使用量はモノマーの合計重量に基づいて通常5〜900%、好ましくは10〜400%、より好ましくは30〜300重量%であり、モノマー濃度としては、通常10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、より好ましくは30〜80重量%である。
乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)、軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10〜24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10〜24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム、メタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。さらに安定剤としてポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液又は分散液のモノマー濃度は通常5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%、より好ましくは15〜85重量%であり、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて通常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量はモノマーの全重量に基づいて通常2重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.3重量%以下である。
また、重合反応における系内温度は通常−5〜150℃、好ましくは30〜120℃、より好ましくは50〜110℃、反応時間は通常0.1〜50時間、好ましくは2〜24時間、より好ましくは3〜20時間であり、反応の終点は、未反応単量体の量が使用した単量体全量の通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下となることにより確認できる。
ビニル樹脂(A)に含まれる重合体(A1)は、重合体(A1)をポリエポキシ化合物(a’1)及び/又はポリオール化合物(a’2)で架橋してなる架橋重合体であってもよい。
架橋重合体においては、重合体(A1)中のカルボキシル基等の活性水素と反応する反応性官能基を有する架橋剤(A’)を用いて重合体(A1)を架橋することが好ましく、架橋剤(A’)としてポリエポキシ化合物(a’1)及び/又はポリオール化合物(a’2)を用いることが好ましい。
ポリエポキシ化合物(a’1)としては、エポキシ当量80〜2,500のもの、例えばグリシジルエーテル[ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド1〜20モル付加物のジグリシジルエーテル等];グリシジルエステル(フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等);グリシジルアミン[N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等];脂肪族エポキシド(エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等);脂環式エポキシド(リモネンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド等)が挙げられる。
ポリオール化合物(a’2)としては、低分子多価アルコール{炭素数2〜20の脂肪族又は脂環式のジオール[エチレングリコール(以下EGと略記)、ジエチレングリコール(以下DEGと略記)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール(以下14BGと略記)、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜15の芳香環含有ジオール[m−又はp−キシリレングリコール、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];炭素数3〜8のトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価以上の多価アルコール[ペンタエリスリトール、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース、ショ糖、ジペンタエリスリトール、ポリグリセリン(重合度2〜20)等]等}、及びこれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(重合度2〜30)等が挙げられる。
架橋剤(A’)の使用量は、電解液の吸液の観点から、重合体(A1)中の活性水素含有基と、架橋剤(A’)中の反応性官能基の当量比が好ましくは、1:0.01〜1:2、より好ましくは1:0.02〜1:1となる量である。
架橋剤(A’)を用いて重合体(A1)を架橋する方法としては、リチウムイオン電池活物質を重合体(A1)からなる被覆用樹脂で被覆した後に架橋する方法が挙げられる。具体的には、リチウムイオン電池活物質と重合体(A1)を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することにより、リチウムイオン電池活物質が樹脂で被覆された被覆活物質を製造した後に、架橋剤(A’)を含む溶液を被覆活物質に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を生じさせて、架橋重合体でリチウムイオン電池活物質を被覆する方法が挙げられる。
加熱温度は、架橋剤としてポリエポキシ化合物(a’1)を用いる場合は70℃以上とすることが好ましく、ポリオール化合物(a’2)を用いる場合は120℃以上とすることが好ましい。
ウレタン樹脂(B)は、活性水素成分(b1)及びイソシアネート成分(b2)を反応させて得られる樹脂である。
活性水素成分(b1)としては、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール及びポリエステルジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
ポリエーテルジオールとしては、ポリオキシエチレングリコール(以下PEGと略記)、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール、ポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニルプロパン等の低分子グリコールのエチレンオキサイド付加物;数平均分子量2,000以下のPEGと、ジカルボン酸[炭素数4〜10の脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、炭素数8〜15の芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸等)等]の1種以上とを反応させて得られる縮合ポリエーテルエステルジオール;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルジオール中にオキシエチレン単位が含まれる場合、オキシエチレン単位の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは40重量%以上である。
また、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下PTMGと略記)、ポリオキシプロピレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオール等も挙げられる。
これらのうち、好ましくはPEG、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合ジオール及びポリオキシエチレンオキシテトラメチレンブロック共重合ジオールであり、特に好ましくはPEGである。
また、ポリエーテルジオールを1種のみ用いてもよいし、これらの2種以上の混合物を用いてもよい。
ポリカーボネートジオールとしては、例えばポリヘキサメチレンカーボネートジオールが挙げられる。
ポリエステルジオールとしては、低分子ジオール及び/又は数平均分子量1,000以下のポリエーテルジオールと前述のジカルボン酸の1種以上とを反応させて得られる縮合ポリエステルジオールや、炭素数4〜12のラクトンの開環重合により得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。上記低分子ジオールとして上記ポリエーテルジオールの項で例示した低分子グリコール等が挙げられる。上記数平均分子量1,000以下のポリエーテルジオールとしてはポリオキシプロピレングリコール、PTMG等が挙げられる。上記ラクトンとしては、例えばε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。該ポリエステルジオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート)ジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリカプロラクトンジオール及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、活性水素成分(b1)は上記ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール及びポリエステルジオールのうちの2種以上の混合物であってもよい。
活性水素成分(b1)は数平均分子量2,500〜15,000の高分子ジオール(b11)を必須成分とすることが好ましい。高分子ジオール(b11)としては上述したポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール及びポリエステルジオール等が挙げられる。
高分子ジオール(b11)は、数平均分子量が2,500〜15,000であるとウレタン樹脂(B)の硬さが適度に柔らかく、また、活物質上に形成した被膜の強度が強くなるため好ましい。
また、高分子ジオール(b11)の数平均分子量が3,000〜12,500であることがより好ましく、4,000〜10,000であることがさらに好ましい。
高分子ジオール(b11)の数平均分子量は、高分子ジオールの水酸基価から算出することができる。
また、水酸基価は、JIS K1557−1の記載に準じて測定できる。
また、活性水素成分(b1)が数平均分子量2,500〜15,000の高分子ジオール(b11)を必須成分とし、上記高分子ジオール(b11)の溶解度パラメータ(SP値)が8.0〜12.0(cal/cm1/2であることが好ましい。高分子ジオール(b11)のSP値は8.5〜11.5(cal/cm1/2であることがより好ましく、9.0〜11.0(cal/cm1/2であることがさらに好ましい。高分子ジオール(b11)のSP値が8.0〜12.0(cal/cm1/2であると、ウレタン樹脂(B)の電解液の吸液の点で好ましい。
また、活性水素成分(b1)が数平均分子量2,500〜15,000の高分子ジオール(b11)を必須成分とし、上記高分子ジオール(b11)の含有量が上記ウレタン樹脂(B)の重量を基準として20〜80重量%であることが好ましい。高分子ジオール(b11)の含有量は30〜70重量%であることがより好ましく、40〜65重量%であることがさらに好ましい。
高分子ジオール(b11)の含有量が20〜80重量%であると、ウレタン樹脂(B)の電解液の吸液の点で好ましい。
また、活性水素成分(b1)が数平均分子量2,500〜15,000の高分子ジオール(b11)及び鎖伸長剤(b13)を必須成分とすることが好ましい。
鎖伸長剤(b13)としては、例えば炭素数2〜10の低分子ジオール(例えばEG、プロピレングリコール、14BG、DEG、1,6−ヘキサメチレングリコール等);ジアミン類[炭素数2〜6の脂肪族ジアミン(例えばエチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン等)、炭素数6〜15の脂環式ジアミン(例えばイソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等)、炭素数6〜15の芳香族ジアミン(例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン等)等];モノアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン等);ヒドラジンもしくはその誘導体(例えばアジピン酸ジヒドラジド等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものは低分子ジオールであり、特に好ましいものはEG、DEG及び14BGである。
高分子ジオール(b11)及び鎖伸長剤(b13)の組み合わせとしては、高分子ジオール(b11)としてのPEGと鎖伸長剤(b13)としてのEGの組み合わせ、又は、高分子ジオール(b11)としてのポリカーボネートジオールと鎖伸長剤(b13)としてのEGの組み合わせが好ましい。
また、活性水素成分(b1)が数平均分子量2,500〜15,000の高分子ジオール(b11)、上記高分子ジオール(b11)以外のジオール(b12)及び鎖伸長剤(b13)を含み、(b11)と(b12)との当量比[(b11)/(b12)]が10/1〜30/1であり、(b11)と(b12)及び(b13)の合計当量との当量比{(b11)/[(b12)+(b13)]}が0.9/1〜1.1/1であることが好ましい。
なお、(b11)と(b12)との当量比[(b11)/(b12)]はより好ましくは13/1〜25/1であり、さらに好ましくは15/1〜20/1である。
高分子ジオール(b11)以外のジオール(b12)としては、ジオールであって上述した高分子ジオール(b11)に含まれず、鎖伸長剤(b13)の炭素数2〜10の低分子ジオールに含まれないものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、数平均分子量が2,500未満のジオール、及び、数平均分子量が15,000を超えるジオールが挙げられる。
ジオールの種類としては、上述したポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール及びポリエステルジオール等が挙げられる。
イソシアネート成分(b2)としては、従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。このようなイソシアネートには、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ジイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性体(カーボジイミド変性体、ウレタン変性体、ウレトジオン変性体等)及びこれらの2種以上の混合物が含まれる。
上記芳香族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ジフェニルメタンジイソシアネートをMDIと略記)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
上記脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
上記芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、m−又はp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは芳香族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートであり、より好ましいものは芳香族ジイソシアネートであり、さらに好ましいのはMDIである。
ウレタン樹脂(B)が高分子ジオール(b11)及びイソシアネート成分(b2)を含む場合、好ましい(b2)/(b11)の当量比は10/1〜30/1であり、より好ましくは11/1〜28/1であり、さらに好ましくは15/1〜25/1である。イソシアネート成分(b2)の比率が30当量を超えると硬い被膜となる。
また、ウレタン樹脂(B)が高分子ジオール(b11)、鎖伸長剤(b13)及びイソシアネート成分(b2)を含む場合、(b2)/[(b11)+(b13)]の当量比は通常0.9/1〜1.1/1、好ましくは0.95/1〜1.05/1である。この範囲外の場合ではウレタン樹脂が充分に高分子量にならないことがある。
ウレタン樹脂(B)の数平均分子量は、40,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは50,000〜400,000であり、さらに好ましくは60,000〜300,000である。ウレタン樹脂(B)の数平均分子量が40,000未満では被膜の強度が低くなり、500,000を超えると溶液粘度が高くなって、均一な被膜が得られないことがある。
ウレタン樹脂(B)の数平均分子量は、ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)を溶剤として用い、ポリオキシプロピレングリコールを標準物質としてGPCにより測定される。サンプル濃度は0.25重量%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
ウレタン樹脂(B)は活性水素成分(b1)とイソシアネート成分(b2)を反応させて製造することができる。
例えば、活性水素成分(b1)として高分子ジオール(b11)と鎖伸長剤(b13)を用い、イソシアネート成分(b2)と高分子ジオール(b11)と鎖伸長剤(b13)とを同時に反応させるワンショット法や、高分子ジオール(b11)とイソシアネート成分(b2)とを先に反応させた後に鎖伸長剤(b13)を続けて反応させるプレポリマー法が挙げられる。
また、ウレタン樹脂(B)の製造は、イソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒の存在下で行う場合の適当な溶媒としては、アミド系溶媒[DMF、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記)等]、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、芳香族系溶媒(トルエン、キシレン等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ましいものはアミド系溶媒、ケトン系溶媒、芳香族系溶媒及びこれらの2種以上の混合物である。
ウレタン樹脂(B)の製造に際し、反応温度はウレタン化反応に通常採用される温度と同じでよく、溶媒を使用する場合は通常20〜100℃、無溶媒の場合は通常20〜220℃である。
反応を促進させるために必要により、ポリウレタン反応に通常使用される触媒[例えばアミン系触媒(トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチルチンジラウレート等)]を使用することができる。
また、必要により重合停止剤[例えば1価アルコール(エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、1価アミン(ジメチルアミン、ジブチルアミン等)等]を用いることもできる。
ウレタン樹脂(B)の製造は当該業界において通常採用されている製造装置で行うことができる。また溶媒を使用しない場合はニーダーやエクストルーダー等の製造装置を用いることができる。このようにして製造されるウレタン樹脂(B)は、30重量%(固形分)DMF溶液として測定した溶液粘度が通常1,000〜1,000,000mPa・s/20℃であり、実用上好ましいのは1,500〜500,000mPa・s/20℃であり、実用上より好ましいのは5,000〜100,000mPa・s/20℃である。
ポリエステル樹脂(C)としては、ポリオールとポリカルボン酸の重縮合物等が挙げられる。
ポリオールとしては、ジオール(c1)及び3価以上のポリオール(c2)が、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(c3)及び3価以上のポリカルボン酸(c4)が挙げられる。これらの中では、ジオール(c1)、ジカルボン酸(c3)とともに3価以上のポリオール(c2)及び/又は3価以上のポリカルボン酸(c4)を用いた非線状のポリエステル樹脂が好ましく、(c1)、(c2)、(c3)、(c4)の4成分からなるポリエステル樹脂がより好ましい。
ジオール(c1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(DEG、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、PEG、ポリオキシプロピレングリコール、PTMG等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(EO、PO、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(EO、PO、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等)付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数6以上のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、脂環式ジオールであり、より好ましいものはビスフェノール類のPO、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド付加物、炭素数8以上のアルキレングリコール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF及びこれらの併用である。
3価以上のポリオール(c2)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物であり、より好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物である。
ジカルボン酸(c3)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、ダイマー酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数6〜50のアルキレンジカルボン酸、炭素数6〜50のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及びこれらの併用であり、より好ましいものは、炭素数7〜50のアルキレンジカルボン酸、及びこれらと炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の併用であり、さらに好ましいものは、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸及びこれらと炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸の併用である。
3価以上のポリカルボン酸(c4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合物(スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/アクリル酸共重合物、α−オレフィン/マレイン酸共重合物、スチレン/フマル酸共重合物等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、より好ましいものはトリメリット酸である。
なお、ジカルボン酸(c3)又は3価以上のポリカルボン酸(c4)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
また、(c1)、(c2)、(c3)、(c4)とともにヒドロキシカルボン酸(c5)を共重合することもできる。ヒドロキシカルボン酸(c5)としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸等が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、より好ましくは1.3/1〜1/1.3である。3価以上のポリオール(c2)及び3価以上のポリカルボン酸(c4)の比率は、(c2)と(c4)のモル数の和が(c1)〜(c4)のモル数の合計に対して、通常0〜40モル%、好ましくは3〜25モル%、より好ましくは、5〜20モル%である。(c2)と(c3)とのモル比は、通常0/100〜100/0、好ましくは80/20〜20/80、より好ましくは、70/30〜30/70である。
ポリエステル樹脂(C)は、2,000〜50,000、より好ましくは3,000〜45,000、さらに好ましくは5,000〜40,000の数平均分子量を有することが、電解液の吸液の観点で好ましい。
ポリエステル樹脂(C)の数平均分子量は、GPCにより測定される。ポリエステル樹脂(C)の数平均分子量の測定に使用されるGPCの条件は、例えば以下の条件である。
装置:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製液体クロマトグラフ)
カラム:TSK gel Super H4000+TSK gel Super H3000+TSK gel Super H2000(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度:40℃
検出器:RI(Refractive Index)
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/分
試料濃度:0.25重量%
注入量:10μl
標準:ポリスチレン(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYSTYRENE)
ポリエステル樹脂(C)は、ポリカルボン酸とポリオールとを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、脱水縮合することで得られる。反応末期の反応速度を向上させるために減圧にすることも有効である。
ポリアミド樹脂(D)としては、特に限定されないが、炭素数54の三塩基酸を少なくとも40重量%含有する重合脂肪酸(d1)、炭素数2〜4の脂肪族モノカルボン酸(d2)及びエチレンジアミンと炭素数3〜9脂肪族ポリアミンとからなるポリアミン(d3)を縮合重合せしめて得られる樹脂が好ましい。
重合脂肪酸(d1)としては、例えばオレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸又はこれらの低級アルキルエステル(炭素数1〜3)を重合した後、利用価値の高い炭素数36の二塩基酸成分を蒸留により採取した後の残渣でトリマー酸とも呼ばれる、例えば下記のごとき組成のものが挙げられる。
炭素数18の一塩基酸:0〜5重量%(好ましくは0〜2重量%、より好ましくは0〜1重量%)
炭素数36の二塩基酸:60重量%未満(好ましくは50重量%未満、より好ましくは40重量%未満)
炭素数54の三塩基酸:40重量%以上(好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上)
また、必要により該(d1)の一部を他の三塩基酸もしくは四塩基酸に置き換えても良い。該他の三塩基酸もしくは四塩基酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフエノンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸(これらの酸無水物、炭素数1〜3のアルキルエステルを含む)等が挙げられる。
炭素数2〜4の脂肪族系モノカルボン酸(d2)としては、酢酸、プロピオン酸及び酪酸が挙げられ、これらはそれぞれ単独もしくは任意の割合で混合して使用することができる。
(d2)の使用量は、全カルボン酸成分[(d1)+(d2)]に対して通常20〜40当量%、好ましくは24〜36当量%、より好ましくは26〜32当量%である。
ポリアミン(d3)を構成する炭素数3〜9の脂肪族ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、プロピレンジアミン、ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。該(d3)は、エチレンジアミンと炭素数3〜9の脂肪族ポリアミンの一種以上の混合物であり、且つ該(d3)に占めるエチレンジアミンの比率は通常60〜85当量%、好ましくは70〜80当量%である。
ポリアミド樹脂(D)の数平均分子量は通常3,000〜50,000、好ましくは5,000〜10,000であり、より好ましくは6,000〜9,000である。
ポリアミド樹脂(D)の数平均分子量は、以下の条件でGPC測定により求めることができる。
装置:HLC−802A(東ソー株式会社製)
カラム:TSK gel GMH6 2本(東ソー株式会社製)
測定温度:40℃
試料溶液:0.25重量%DMF溶液
溶液注入量:200μl
検出装置:RI
標準:ポリスチレン(東ソー株式会社製;TSK STANDARD POLYSTYRENE)
ポリアミド樹脂(D)の微量融点測定法(JIS K0064−1992,3.2に規定される融点測定方法に準じ、融点測定装置を用いて測定される)による融点は、電池の耐熱性の観点から好ましくは100〜150℃、より好ましくは120〜130℃である。
ポリアミド樹脂(D)は、通常の重合脂肪酸系ポリアミド樹脂の製造方法と同じ方法で製造することができる。アミド化縮合重合反応の反応温度は、通常160〜250℃、好ましくは180〜230℃である。反応は着色を防止するため窒素ガス等の不活性ガス中で行うことが好ましく、反応末期には反応の完結あるいは揮発性成分の除去を促進するため、反応を減圧下で行ってもよい。また、アミド化縮合重合反応後に、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤で反応生成物を希釈して溶液状にすることもできる。
他の樹脂(E)としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
樹脂溶液において使用することのできる溶媒の種類は、被覆用樹脂の種類によって異なるが、例えば、アミド系溶媒(DMF、ジメチルアセトアミド、NMP等)、スルホキシド系溶媒(ジメチルスルホキシド等)、ケトン系溶媒(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、炭化水素系溶媒(n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン等)、エーテル系溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、アルコール系溶媒[例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール(以下IPAと略記)、オクタノール等]、水、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
樹脂溶液は、溶媒中に被覆用樹脂を投入して撹拌する等の方法により調製することができ、その調製方法は特に限定されるものではない。
樹脂溶液の粘度(25℃)は、樹脂溶液をリチウムイオン電池活物質に均一に被覆させる観点から、0.1〜10,000mPa・sであることが好ましく、1〜8,000mPa・sであることがより好ましく、5〜5,000mPa・sであることがさらに好ましい。
ここで、樹脂溶液の粘度とは、B型粘度計でローターNo.7を用いて、25℃、6回転/分の条件で測定したときの数値である。
樹脂溶液中の樹脂固形分の割合は、適度な粘度を確保する観点から、10〜40重量%であることが好ましく、12〜36重量%であることがより好ましく、15〜34重量%であることがさらに好ましい。
樹脂溶液を投入することにより、リチウムイオン電池活物質の全体に樹脂溶液を被覆させることができる。また、撹拌しながら樹脂溶液を投入することが好ましい。
樹脂溶液を投入する際の撹拌条件は特に限定されるものではないが、周速1〜30m/sで撹拌させることが好ましく、5〜25m/sで撹拌させることがより好ましく、8〜20m/sで撹拌させることがさらに好ましい。
なお、本明細書における周速は撹拌翼の先端の速度であり、次式によって計算される。
V=π×Di×N÷60
但し、Vは翼周速度(m/s)を、Diは撹拌翼の翼径(m)を、Nは回転数(rpm)を、πは円周率を表す。
撹拌を行う装置としては、撹拌機、万能混合機、プラネタリーミキサー等が挙げられる。
樹脂溶液の投入速度は特に限定されるものではないが、少量ずつ投入することが好ましい。樹脂溶液を大量に投入すると、樹脂溶液がリチウムイオン電池活物質に局所的に付着してしまい、リチウムイオン電池活物質の全体に樹脂溶液を被覆させることが困難となる。
樹脂溶液の投入方法としては、滴下、注入等の方法が挙げられる。
上記条件から樹脂溶液の投入方法としては、例えば、樹脂固形分の割合が10〜40重量%である樹脂溶液を、1〜90分かけて滴下する方法等が好ましい。
また、樹脂溶液を投入した後に、樹脂溶液をリチウムイオン電池活物質に均一に被覆させる観点から、撹拌を行うことが好ましい。撹拌条件は樹脂溶液を投入する際の撹拌条件と同様にすることが好ましい。
樹脂溶液の投入量は、樹脂溶液中に含まれる被覆用樹脂の固形分重量を考慮して定めることができ、リチウムイオン電池活物質の重量に対して被覆用樹脂の固形分重量の割合が0.05〜10重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましく、0.8〜5重量%であることがさらに好ましく、1〜3重量%であることが特に好ましい。
また、樹脂溶液をリチウムイオン電池活物質に均一に被覆させる観点から、樹脂溶液の体積V(cm)のリチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)に対する比率(V/S)は、0.0000001〜0.0001であることが好ましく、0.000001〜0.00008であることがより好ましく、0.00001〜0.00006であることがさらに好ましい。
ここで、リチウムイオン電池活物質の合計表面積は、使用したリチウムイオン電池活物質の重量と比表面積との積から算出したものである。また、比表面積とは、BET比表面積をいうものとする。
(2)次に、導電助剤を加える。
これにより、樹脂溶液が付着したリチウムイオン電池活物質の周囲に、さらに導電助剤を付着させることができる。一方、樹脂溶液を投入する前に導電助剤を加えると、導電助剤同士が凝集してしまい、リチウムイオン電池活物質の全体に導電助剤を付着させることが困難となる。
導電助剤(X)としては、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物を用いてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤(X)としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[上記した(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤(X)の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
導電助剤(X)の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μmであることが好ましく、0.02〜5μmであることがより好ましく、0.03〜1μmであることがさらに好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤(X)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
加える導電助剤の比率は、リチウムイオン電池活物質の重量に対する導電助剤の重量の割合が0.5〜15重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましく、0.8〜8重量%であることがさらに好ましく、1〜5重量%であることが特に好ましい。
導電助剤の投入は、撹拌しながら行うことが好ましく、撹拌しながら導電助剤を投入する場合の周速は9〜90m/sであることが好ましく、12〜85m/sであることがより好ましく、14〜80m/sであることがさらに好ましい。
また、導電助剤を加えた後、周速9〜90m/sで撹拌する工程を含むことが好ましく、周速が12〜85m/sであることがより好ましく、14〜80m/sであることがさらに好ましい。
導電助剤を加える際の固形分濃度は、70〜98重量%であることが好ましく、80〜97重量%であることがより好ましく、85〜95重量%であることがさらに好ましい。
導電助剤を加える際の固形分濃度とは、導電助剤が加えられる系(リチウムイオン活物質と被覆用樹脂とを含む混合物)の系中に含まれる固形分の濃度であり、リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂、溶媒及びその他の成分の合計重量に対する固形分の濃度である。
固形分には、リチウムイオン電池活物質、被覆用樹脂の固形成分、及び、その他の成分に含まれる固形分が含まれ、それらの固形分の合計量から固形分濃度を算出する。
(3)続いて、脱溶媒を行うことが好ましい。
これにより、表面から溶媒が除去されたリチウムイオン電池用被覆活物質を得ることができる。なお、均一に被覆する観点から、導電助剤を加えた後、攪拌しながら脱溶媒を行うことが好ましい。
導電助剤を加えた後、撹拌しながら脱溶媒を行う場合の周速は2〜50m/sであることが好ましく、3〜30m/sであることがより好ましく、4〜20m/sであることがさらに好ましい。
脱溶媒を行う方法としては、導電助剤を加えた後のリチウムイオン電池用被覆活物質を加熱乾燥する方法、導電助剤を加えた後のリチウムイオン電池用被覆活物質を減圧乾燥する方法、導電助剤を加えた後のリチウムイオン電池用被覆活物質を凍結させて乾燥する方法、及び、これらの方法の組み合わせ等が挙げられる。
脱溶媒の条件は特に限定されないが、例えば、導電助剤を加えた後、撹拌しながら50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより脱溶媒を行うことが好ましい。
また、脱溶媒後に、被覆活物質を粉砕しても構わない。これにより、凝集粒子を粉砕することができる。粉砕の方法は特に限定されないが、乾式又は湿式が好ましい。乾式粉砕としては、ジェットミル等が挙げられる。湿式粉砕としては、高速せん断型分散機、サンドグラインダー及びビーズミル等が挙げられる。
以上の工程により、リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質を製造することができる。
本発明の製造方法により製造されたリチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径は、1〜80μmが好ましく、1.2〜35μmであることがより好ましく、1.5〜25μmであることがさらに好ましい。
本明細書において、リチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
上記リチウムイオン電池用被覆活物質を用いて、リチウムイオン電池用の電極を得ることができる。
さらに、上記リチウムイオン電池用被覆活物質を含む電極を用いて、双極型リチウムイオン電池等のリチウムイオン電池を得ることができる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
<製造例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコに、酢酸エチル83部とメタノール17部とを仕込み68℃に昇温した。次いで、メタクリル酸242.8部、メチルメタクリレート97.1部、2−エチルヘキシルメタクリレート242.8部、酢酸エチル52.1部及びメタノール10.7部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.263部を酢酸エチル34.2部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで4時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.583部を酢酸エチル26部に溶解した開始剤溶液を滴下ロートを用いて2時間かけて連続的に追加した。さらに、沸点で重合を4時間継続した。溶媒を除去し、樹脂582部を得た後、イソプロパノールを1,360部加えて、樹脂濃度30重量%のビニル樹脂(A)溶液を得た。
<製造例2>
撹拌機及び温度計を備えた四つ口フラスコに、数平均分子量6,000(水酸基価から計算)のPEG[三洋化成工業(株)製]57.4部、エチレングリコール(EG)8.0部、MDI34.7部及びDMF233部を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で70℃で10時間反応させて樹脂濃度30重量%、粘度60,000mPa・s(20℃)のウレタン樹脂(B)溶液を得た。
<製造例3>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物673部、フェノールノボラック樹脂(核体数約5個)のプロピレンオキサイド5モル付加物15部、テレフタル酸157部、無水マレイン酸37部、ドデセニルコハク酸無水物152部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下220℃で8時間反応し、さらに0.001〜0.002MPaの減圧で5時間反応した。次いで、これに無水トリメリット酸32部を加えて180℃常圧で2時間反応させてポリエステル樹脂を得た。その後、DMFを加えて、樹脂濃度30重量%のポリエステル樹脂(C)溶液を得た。
<製造例4>
温度計、撹拌機、窒素導入管、脱水排気管を備えた四ツ口フラスコに、重合脂肪酸〔一塩基酸:1〜2%、二塩基酸:50〜60%、三塩基酸:42〜45%;ユニケマ・インターナショナル製「プリポール1046」〕203.7部(0.7当量)、酢酸18部(0.3当量)、エチレンジアミン24部(0.8当量)及びヘキサメチレンジアミン11.6部(0.2当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気中、200〜210℃で4時間反応させ淡褐色固体のポリアミド樹脂を得た。その後、NMPを加えて、樹脂濃度30重量%のポリアミド樹脂(D)溶液を得た。
<実施例1>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を60分かけて滴下混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
次いで、周速26m/sで撹拌した状態で、導電助剤としてのアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)2部を3回に分けて添加し、導電助剤の添加後も撹拌の周速を26m/sに維持して5分間混合した。
次いで撹拌の周速を5m/sに変更し、5分撹拌したままで70℃に昇温し、撹拌の周速を5m/sに維持したまま0.01MPaまで減圧し30分保持して脱溶媒を行った。上記操作により被覆活物質を得た。
なお、導電助剤を加える際の固形分濃度は95重量%であった。
マイクロトラック(日機装(株)製9320−X100、以下同じ。)を用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、57μmであった。
この被覆活物質の製造に用いた樹脂溶液の体積V(cm)のリチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)に対する比率(V/S)を下記の方法により算出し、その値を表1に示した。
この被覆活物質を用いて、下記方法により電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を行った。その結果を表1に示した。
<実施例2〜5>
実施例1において、アセチレンブラックを添加する際、及び、アセチレンブラックを添加した後の撹拌の周速を共に表1に示すようにそれぞれ10m/s、15m/s、60m/s、85m/sに変更した他は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
これらの被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例6〜8>
実施例1において、脱溶媒の際の撹拌の周速を表1に示すようにそれぞれ10m/s、20m/s、40m/sに変更した他は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
これらの被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例9>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を60分かけて滴下混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
次いで、周速26m/sで撹拌した状態で、導電助剤としてのアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)2部を3回に分けて添加し、導電助剤の添加後も撹拌の周速を26m/sに維持して5分間混合した。
次いで撹拌を止め、静置したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持して脱溶媒を行った。上記操作により被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例10>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)とイソプロパノールを10部事前に混合した溶液16.7部を60分かけて滴下混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
その後は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
なお、導電助剤を加える際の固形分濃度は87重量%であった。
<実施例11>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)とイソプロパノールを25部事前に混合した溶液31.7部を60分かけて滴下混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
その後は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
なお、導電助剤を加える際の固形分濃度は77重量%であった。
<実施例12>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速4m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を60分かけて滴下混合し、さらに周速4m/sで10分撹拌した。
その後は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例13>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速7m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を60分かけて滴下混合し、さらに周速7m/sで10分撹拌した。
その後は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例14>
LiCoO粉末を92部、ビニル樹脂(A)溶液を13.3部(樹脂固形分4部)、アセチレンブラックを4部用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、72μmであった。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。
<実施例15>
活物質としてLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)98.9部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液0.34部(樹脂固形分0.1部)とイソプロパノールを10部事前に混合した溶液10.34部を60分かけて滴下混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
次いで、周速26m/sで撹拌した状態で、導電助剤としてのアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)1部を3回に分けて添加し、導電助剤の添加後も撹拌の周速を26m/sに維持して5分間混合した。
その後は実施例1と同様にして被覆活物質を得た。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例16>
LiCoO粉末を83部、ビニル樹脂(A)溶液を16.7部(樹脂固形分5部)、アセチレンブラックを12部用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例17〜19>
ビニル樹脂溶液に代えて、製造例2で得たウレタン樹脂(B)溶液、製造例3で得たポリエステル樹脂(C)溶液、製造例4で得たポリアミド樹脂(D)溶液をそれぞれ用いた他は実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、それぞれ62μm、64μm、59μmであった。
これらの被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。
<実施例20>
実施例1のLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2)をLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−5H、体積平均粒子径6.5μm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆活物質を作製した。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<実施例21>
実施例15のLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2)をLiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−5H、体積平均粒子径6.5μm)に変更したこと以外は、実施例15と同様にして被覆活物質を作製した。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、被覆活物質の体積平均粒子径を測定した結果を表1に示した。
<比較例1>
製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、LiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を投入し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
次いで、周速26m/sで撹拌した状態でアセチレンブラック2部を3回に分けて添加し、導電助剤の添加後も撹拌の周速を26m/sに維持して5分間混合した。
次いで撹拌の周速を5m/sに変更し、5分撹拌したままで70℃に昇温し、撹拌の周速を5m/sに維持したまま0.01MPaまで減圧し30分保持して脱溶媒を行った。上記操作により被覆活物質を得た。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、95μmであった。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。
<比較例2>
LiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)96部を万能混合機に入れ、室温、周速11m/sで撹拌した状態で、アセチレンブラック2部を3回に分けて混合し、さらに周速11m/sで10分撹拌した。
次いで、撹拌の周速を26m/sに変更し、撹拌した状態で、製造例1で得たビニル樹脂(A)溶液6.7部(樹脂固形分2部)を60分かけて滴下混合した。
次いで、撹拌の周速を5m/sに変更し、5分撹拌したままで70℃に昇温し、0.01MPaまで減圧し30分保持して脱溶媒を行った。上記操作により被覆活物質を得た。
マイクロトラックを用いて被覆活物質の体積平均粒子径を測定したところ、45μmであった。
この被覆活物質について、比率(V/S)の算出と電子伝導性の評価と電子顕微鏡による観察を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。
<比較例3>
樹脂溶液及びアセチレンブラックを使用せず、被覆活物質を作製しなかった。
被覆していない活物質[LiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−20F2、体積平均粒子径19μm)]を用いて、下記方法により電子伝導性の評価を行った。その結果を表1に示した。
<比較例4>
樹脂溶液及びアセチレンブラックを使用せず、被覆活物質を作製しなかった。
被覆していない活物質[LiCoO粉末(日本化学工業株式会社製、CELLSEED C−5H、体積平均粒子径6.5μm)]を用いて、下記方法により電子伝導性の評価を行った。その結果を表1に示した。
[樹脂溶液の体積V(cm)のリチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)に対する比率(V/S)]
樹脂溶液の体積V(cm)は、樹脂溶液の密度(cm/g)をメスフラスコを用いて測定し、使用した樹脂溶液の重量(g)と密度との積により算出した。
また、リチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)は、リチウムイオン電池活物質のBET比表面積(cm/g)を下記条件により測定し、仕込んだリチウムイオン電池活物質の重量(g)とBET比表面積との積により算出した。
算出したV、Sを用いて、樹脂溶液の体積V(cm)のリチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)に対する比率(V/S)を算出した。結果を表1に示す。
<BET比表面積の測定条件>
測定装置:マイクロメリテックス社 ASAP−2010
吸着ガス:N
死容積測定ガス:He
吸着温度:77K(液体窒素温度)
測定前処理:200℃12時間真空乾燥(Heパージ後測定ステージにセット)
測定モード:等温での吸着過程及び脱着過程
測定相対圧P/P0 約0〜0.99
平衡設定時間:1相対圧につき180sec
[電子伝導性の評価1:活物質間の直流抵抗]
電子伝導性の指標として、活物質間の直流抵抗を測定し、結果を表1に記載した。なお、以下の説明において、「活物質」とは、実施例1〜21及び比較例1〜2で得た被覆活物質、又は、比較例3若しくは4で用いた活物質である。
内径が15mm、高さが30mmであるポリプロピレン製円筒の内部に、活物質を30mg入れ、50回タップした。活物質をさらにSUS316製円筒で挟み、100kNの圧力をかけた。円筒を外し、電気化学測定装置(ソーラトロン社製1280C)を使用して、円柱塊状に成形した活物質の上下の抵抗値を測定した。
[電子伝導性の評価2:直流抵抗の減少率]
活物質間の直流抵抗の値を用いて被覆前後での活物質間の直流抵抗の減少率を以下の計算式で算出し、結果を表1に記載した。減少率が大きいほど被覆処理による効果が大きいことを意味する。
[直流抵抗の減少率(%)]={[被覆処理前の活物質の直流抵抗(Ω)]−[被覆活物質の直流抵抗(Ω)]}÷[被覆処理前の活物質の直流抵抗(Ω)]×100
被覆処理前の活物質の直流抵抗の値としては、実施例1〜19に対しては比較例3の活物質の直流抵抗値を用い、実施例20、21に対しては比較例4の活物質の直流抵抗値を用いた。
[電子顕微鏡による観察]
走査型電子顕微鏡(SEM、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)を使用して、実施例1〜21及び比較例1〜2で得た被覆活物質の粒子の状態を観察し、結果を表1に記載した。
Figure 0006235028
表1の「樹脂溶液投入条件」の項には樹脂溶液を投入する際の撹拌の周速を示し、導電助剤を投入する際の固形分濃度、及び、導電助剤を加えた後の撹拌の周速についても、「導電助剤投入条件」という項目にまとめて示した。「脱溶媒条件」の項には脱溶媒の際の撹拌の周速を示した。実施例9では脱溶媒の際に撹拌を行わなかったため「静置乾燥」とした。
表1に示す「被覆活物質粒子径」は、被覆活物質の体積平均粒子径である。
表1に示された結果から、リチウムイオン電池活物質の表面を被覆用樹脂及び導電助剤で被覆することにより、活物質間の直流抵抗を低下させることができ、電子伝導性を向上させることができることがわかる。特に、本発明の製造方法でリチウムイオン電池用被覆活物質を製造することにより、被覆用樹脂及び導電助剤をリチウムイオン電池活物質の表面に均一に被覆させることができ、電子伝導性をより向上させることがわかる。
本発明により得られるリチウムイオン電池用被覆活物質は、特に、携帯電話、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の活物質として有用である。

Claims (8)

  1. リチウムイオン電池活物質の表面の少なくとも一部が被覆用樹脂及び導電助剤を含む被覆剤で被覆されてなるリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法であって、
    前記被覆用樹脂がビニル樹脂(A)、ウレタン樹脂(B)、ポリエステル樹脂(C)及びポリアミド樹脂(D)からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    前記リチウムイオン電池活物質の存在下、撹拌しながら前記被覆用樹脂を含む樹脂溶液を1分以上かけて投入し、その後、前記導電助剤を加え、
    前記導電助剤を加えた後、脱溶媒を行う工程を含み、
    前記導電助剤を加える際の前記リチウムイオン電池活物質及び前記被覆用樹脂を含む前記樹脂溶液の合計重量に占める前記リチウムイオン電池活物質及び前記被覆用樹脂の合計重量の割合が70〜98重量%であることを特徴とするリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  2. 前記リチウムイオン電池用被覆活物質の体積平均粒子径が1〜80μmである請求項1に記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  3. 前記樹脂溶液の体積V(cm)の前記リチウムイオン電池活物質の合計表面積S(cm)に対する比率(V/S)が0.0000001〜0.0001である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  4. 前記リチウムイオン電池活物質の重量に対する前記樹脂溶液に含まれる被覆用樹脂の固形分重量の割合が0.05〜10重量%である請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  5. 前記リチウムイオン電池活物質の重量に対する前記導電助剤の重量の割合が0.5〜15重量%である請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  6. 前記導電助剤を加えた後、周速9〜90m/sで撹拌する工程を含む請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  7. 前記導電助剤を加えた後、前記脱溶媒を周速2〜50m/sで撹拌しながら行う請求項1〜のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
  8. 前記被覆用樹脂を含む樹脂溶液を投入する際の撹拌の周速が1〜30m/sである請求項1〜7のいずれかに記載のリチウムイオン電池用被覆活物質の製造方法。
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