JP2004039539A - 二次電池の正極活物質 - Google Patents
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Abstract
【課題】充放電容量が大きく、且つリチウム二次電池の正極の導電性の劣化を抑制し、充放電サイクル特性を向上させる正極活物質を得る。
【解決手段】正極活物質芯粒子の粒子表面が、導電材を含む樹脂で被覆されており、体積基準の50%粒子径D50が1〜50μmで、且つ、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50および10%粒子径D10に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下である正極活物質複合粒子からなる正極活物質複合粒子粉末であることを特徴とする二次電池の正極活物質。
【解決手段】正極活物質芯粒子の粒子表面が、導電材を含む樹脂で被覆されており、体積基準の50%粒子径D50が1〜50μmで、且つ、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50および10%粒子径D10に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下である正極活物質複合粒子からなる正極活物質複合粒子粉末であることを特徴とする二次電池の正極活物質。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、充放電容量が大きく、且つ充放電サイクル特性が優れている二次電池の正極活物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュ−ター、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴って、その電源としての電池の需要が高まっている。特に、リチウム二次電池は、リチウムが原子量が小さく、かつ、イオン化エネルギーが大きい物質であることに起因して、起電力が高く、高エネルギー密度化が可能な電池が期待できることから各方面で盛んに研究が行われている。
【0003】
リチウム二次電池に用いられる正極活物質としては、4V程度の高電圧を発生させることが可能な層状岩塩型リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粒子粉末、層状岩塩型リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)粒子粉末、スピネル型リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)粒子粉末等、リチウム複合酸化物粒子の研究が盛んに行われている。これらの正極活物質粒子粉末は主に、コバルト、ニッケル、マンガンを含む酸化物原料粉末とリチウム化合物粉末とを混合し、500℃以上の高温で焼成することにより得られている。
【0004】
正極活物質粒子粉末を用いて正極を製造する場合、正極活物質粒子粉末とポリビニリデンフルオライド(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結着材と溶剤とを混練し得られる正極材料ペーストを集電体であるアルミニウムやニッケルのメッシュに塗工して正極とするが、前記正極活物質粒子粉末は、酸化物であるために体積固有抵抗値が通常105Ωcm程度と高いため、正極の導電性を向上させて充放電を容易にするために炭素材料のような導電性を有する導電材を配合することが普通である。
【0005】
酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として用いる場合、正極活物質に導電材を混合、結着するだけでは、充放電の繰り返し、すなわちリチウムイオンの出入りにより正極が膨張収縮を繰り返して構造変化した場合において、正極活物質粒子表面から導電材が剥離するために導電性の劣化が無視できなくなり、リチウム二次電池の充放電サイクル特性の低下をもたらす。
【0006】
充放電容量が大きく、且つ正極の導電性の劣化を抑制して充放電サイクル特性を向上させる方法としては、
▲1▼黒鉛を正極材料に静電気吸着やまぶすことによって物理的に吸着させて黒鉛層を形成させる方法(特開昭61−214362号公報)、
▲2▼ケッチェンブラックやアセチレンブラック等のカーボン材料を正極活物質粒子と混合する際に圧縮摩砕式粉砕機、メカノフュージョン装置や楕円ロータ型粉体混合機により圧縮剪断応力を加えることによりメカニカルに導電剤層を形成させる方法(特開平9−92265号公報や特開平10−162825号公報、特開平11−283623号公報、特開2001−250553号公報等)、
▲3▼高速で公転、自転の併合運転が可能な混合機や高速気流中衝撃法を用いて、炭素材粉末を正極用活物質粒子表面層に打ち込む方法(特開昭63−195962号公報、特開平1−67865号公報、特開平2−262243号公報)、
▲4▼正極活物質粒子粉末の粒子表面に炭素、Au、Ni等の金属を蒸着あるいはスパッタリングする方法(特開平11−307083号公報)、
▲5▼正極活物質粒子粉末と該正極活物質粒子粉末に対し50重量%程度の多量の有機物とを混合した後、混練物を解砕し、さらに熱処理することで有機物を炭化させる方法(特開2000−251888号公報)、
▲6▼正極活物質であるリチウムマンガン複合酸化物粒子を導電性粒子が分散している溶液中で溶液反応によって析出させることによって、導電性粒子が付着した一次粒子が凝集した二次粒子を得る方法(特開2001−328813号公報)、また、純水等の溶媒中にアセチレンブラックと正極活物質粒子粉末を一次粒子になるまで分散させ、乾燥することによって、アセチレンブラックにより表面が覆われた一次粒子からなる二次粒子を得る方法(特開平11−329504号公報)、
等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
充放電容量が大きく、且つ正極の導電性の劣化を抑制して充放電サイクル特性を向上させるリチウム二次電池の正極活物質は、現在最も要求されているところであるが、未だこれを満足する正極活物質は得られていない。
【0008】
即ち、前出▲1▼、▲2▼、あるいは▲3▼の正極活物質粒子粉末は、静電気的吸着力、物理的な付着力、あるいは機械的な衝撃等でカーボン等を正極活物質粒子粉末の粒子表面に乾式で付着させただけの構造であるため、正極を製造する際に付着しているカーボンが脱離してしまうという問題がある。即ち、表面にカーボンが付着している正極活物質粒子粉末と結着材と溶剤とを混練してペースト状の正極材料を製造する際にカーボンは容易に正極活物質粒子粉末の粒子表面から脱離してしまい、導電性を高める効果が不十分となり、充放電が繰り返される長期間の使用においても安定した導電性を得ることが困難となる。また、脱離したカーボンが正極材料ペーストの粘度を高めて正極活物質粒子粉末の樹脂への充填及び分散を防げるので、初期充放電容量が低下する要因となる。
【0009】
前出▲4▼においても正極活物質粒子粉末は▲1▼から▲3▼と同様に、結着材及び溶剤との混練の際に正極活物質粒子粉末の粒子表面から蒸着金属が脱離してしまい、導電性を高める効果が不十分となり、長期間の使用においても安定した充放電特性を得ることが困難となる。
【0010】
前出▲5▼の正極活物質粒子粉末は、正極活物質粒子粉末に対する有機物の量が多量であるため混合した際に凝集物となり、これを解砕しても、混合する前の正極活物質粒子粉末の大きさまで解砕されないため、結着材への充填率があまり高くならず、充電容量が不十分であるという問題がある。また、有機物の炭化の度合いの再現性に乏しく、要求される導電性が得られない場合がある。
【0011】
前出▲1▼から▲4▼の方法は乾式であるため、正極活物質粒子粉末の一次粒子が凝集した二次粒子の上に導電材が付着する傾向が強く、二次粒子内の一次粒子間の導電性の劣化を抑制できない。前出▲6▼の方法はこの問題を解決する方法であるが、導電性粒子は単に付着しているだけなので、充放電の繰り返される長期間の使用において安定した導電性を得ることは難しい。また、特開2001−328813号公報の正極活物質は凝集した二次粒子であり、特開平11−329504号公報の正極活物質は水溶性のポリビニルアルコールや界面活性剤を添加してスプレードライヤで造粒しているために、正極材料ペーストを製造する際の分散が悪くなり、正極への充填量が上がらないなどの問題があると考えられる。
【0012】
そこで、本発明は、リチウム二次電池の正極の導電性の劣化を抑制し、充放電サイクル特性を向上させる正極活物質を得ることを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、正極活物質芯粒子の粒子表面が、導電材を含む樹脂層で被覆されており、体積基準の50%粒子径D50(正極活物質粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が50%となる点)が1〜50μmで、且つ、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90(正極活物質複合粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が90%となる点)の比D90/D50および10%粒子径D10(正極活物質複合粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が10%となる点)に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下である正極活物質複合粒子からなる正極活物質複合粒子粉末であることを特徴とする二次電池の正極活物質である。(発明1)
【0014】
また、本発明は、導電材が炭素系導電材であることを特徴とする請求項1記載の二次電池の正極活物質である。(発明2)
【0015】
また、本発明は、被覆樹脂がフッ素樹脂を含む樹脂であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の二次電池の正極用活物質である。(発明3)
【0016】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0017】
本発明における正極活物質複合粒子粉末の正極活物質芯粒子は、化学式LiXMyO2(但し、MはCo,Ni,Mn,V,Fe及びTiから選ばれた1種又は2種以上の元素、xは0<x≦2.5の範囲であり、yは0.8≦y≦1.25の範囲である。)で表される層状岩塩型複合金属酸化物粒子粉末あるいはスピネル型複合金属酸化物粒子粉末である。
【0018】
正極活物質芯粒子粉末の粒子形態は、粒状、立方体状、多面体状、球状、針状、板状、不定形状等のいずれの形態の粒子でも使用することができる。正極活物質複合粒子粉末の分散性及び充填性を考慮すると球状粒子が好ましく、集電体に塗工する際の正極材料ペーストの粘度を下げることができる。
【0019】
正極活物質芯粒子粉末の体積基準の50%粒子径D50は、正極活物質複合粒子粉末の結着材への分散性及び充填性を考慮すると、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜40μm、更に好ましくは1〜20μmである。
【0020】
本発明に係る二次電池の正極用活物質の体積基準の50%粒子径D50は、1〜50μm、より好ましくは1〜40μm、更に好ましくは1〜20μmである。50%粒子径が1μmより小さいと正極活物質の正極への充填量が低下し、充放電容量が低下する。50%粒子径が50μmより大きいと電解液との接触面積が低下して充電しにくくなり、充放電容量が低下する。
【0021】
本発明に係る二次電池の正極活物質の体積基準の10%粒子径D10は、1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1〜4.8μm、更に好ましくは1〜4.6μmである。
【0022】
本発明に係る二次電池の正極活物質の体積基準の90%粒子径D90は、3.0〜28.0μmが好ましく、より好ましくは3.2〜26.0μm、更に好ましくは3.5〜25.0μmである。
【0023】
本発明に係る二次電池の正極活物質の粒子径分布は、体積基準の50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50が3.0以下、好ましくは2.8以下である。10%粒子径D10に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下、好ましくは2.5以下である。これらの粒子径の比は小さいほど粒子径分布が狭く、粒度が良く揃っていることを表す。いずれの粒子径の比も3.0を越えると、正極活物質複合粒子と結着材の混合状態が不均一になり、例えば結着材分の多い部分は充放電が起こりにくくなるので充放電容量が低下する。
【0024】
本発明に係る二次電池の正極活物質における導電材は、正極活物質芯粒子の粒子表面に強固に固着して粒子表面を被覆している。
【0025】
導電材量は、正極活物質芯粒子100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満の場合には、得られる正極活物質の導電性を高める効果が不十分となる。10重量部を超える場合には、得られる正極活物質の結着材への分散性及び充填性が不十分となり、充放電容量の低下が起こる。
【0026】
被覆する樹脂量は、正極活物質芯粒子100重量部に対し、固形分として0.02〜3重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜2重量部である。0.02重量部未満の場合には、樹脂によるアンカー効果が弱くなるために正極活物質芯粒子の表面に導電材を強固に固着することが不十分となる。3重量部を超える場合には造粒が起こりやすくなり、複合粒子粉末として取り出せなくなる。
【0027】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、好ましくは体積固有抵抗値が1×102〜9×104Ωcmである。9×104Ωcmを超える場合には、導電性を高める効果が不十分であるため、二次電池としての充放電容量を高めることが困難となる。体積固有抵抗値を1×102未満に下げて導電性を高める場合には、導電材量を正極活物質芯粒子に対して10重量部を超えて被覆する必要があり、その結果、正極活物質の充填量を高めることが困難になり、充放電容量が低くなる。
【0028】
次に、本発明に係る二次電池の正極活物質の製造方法について述べる。
【0029】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、正極活物質芯粒子粉末に導電材および被覆樹脂を溶剤で分散させたものを被覆処理することにより製造することができる。
【0030】
本発明における被覆樹脂としては、フッ素樹脂が好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、共重合フッ素樹脂といわれるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PECTFE)等を用いることができる。特に、電極を作製する際に結着材として用いられるポリビニリデンフルオライド(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が望ましい。
【0031】
さらに、正極活物質芯粒子への接着性を考慮して、アクリル樹脂やフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を混合して使用しても構わない。フッ素樹脂とそれ以外の樹脂を混合して使用する場合、フッ素樹脂の全樹脂中に占める割合は50重量%以上、好ましくは70重量%以上が好ましい。フッ素樹脂の全樹脂中に占める割合が50重量%未満では、フッ素樹脂に求められている耐溶剤性、耐候性、耐薬品性、耐湿度性、耐熱性等が損なわれることになり、電池としての安定性に問題を生じる。
【0032】
本発明における導電材は、特に限定されないが、炭素系導電材を用いることができる。例えば、カーボンブラック、黒鉛質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、その他複合炭素等を用いることができる。特に、カーボンブラックが良好な導電性を示す点で好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。カーボンブラックのBET比表面積は100〜1500m2/gのものが好ましい。
【0033】
導電材および樹脂による正極活物質芯粒子の被覆処理は、正極活物質芯粒子と導電材および樹脂と若干の溶剤とをハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、ヘンシェルミキサー(三井三池(株)製)、CFグラニュレーター(フロイント産業(株)製)、バーチカル・グラニュレーター((株)パウレック製)、フロージェットグラニュレーター((株)大川原製作所製)、万能攪拌機((株)ダルトン製)、ナウタミキサー((株)ホソカワミクロン製)等のいわゆる攪拌機能を有した処理機を用いて攪拌すればよい。
【0034】
正極活物質芯粒子粉末と導電材を予め処理機内で混合した後、樹脂と溶剤とを添加して処理する方法、正極活物質芯粒子粉末を処理機内で攪拌しながら、導電材、樹脂及び溶剤を別途混合・分散させたものを添加して処理する方法等、いずれの処理方法でも構わない。
【0035】
また、正極活物質複合粒子間の凝集を防止するためには、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサーのような高速攪拌機での処理が好ましい。
【0036】
次に、導電材及び樹脂によって被覆された正極活物質複合粒子粉末を、溶剤の除去を行う目的で乾燥させる。乾燥温度としては、80〜300℃の範囲である。用いる溶剤を十分に除去できるように乾燥温度及び乾燥時間を決定すればよい。場合によっては、減圧乾燥を行っても構わない。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
【0038】
尚、以下の実施の形態及び後出実施例並びに比較例における体積基準の粒子径(D10 、D50及びD90)は、レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した値で示した。
【0039】
正極活物質複合粒子表面の状態は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)を用いて観察した。
【0040】
体積固有抵抗値は、ホィーストンブリッジ2768(横河電機(株)製)を用いて測定した。
【0041】
カーボン量は「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)で測定した。
【0042】
BET比表面積は、窒素吸着法により測定した。
【0043】
正極活物質芯粒子の同定及びその結晶構造の解析は、X線回折(RIGAKU,Mn−filtered Fe−Kα、40kV and 20mA)により行った。
【0044】
正極活物質複合粒子粉末の電気化学特性は、下記の製造法によって正極、負極および電解液を調整し、コイン型電池セルを作製して評価した。
【0045】
<正極の作製>
正極活物質芯粒子粉末を85重量%、結着材としてポリビニリデンフルオライド(KFポリマー#1000;呉羽化学工業製)を5重量%、導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状品:電気化学工業製)を10重量%の各比率になるように乳鉢で十分混合した後、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、固形分濃度40重量%の正極材料ペーストを調整した。この正極材料ペーストを、集電体としてのアルミニウム箔に150μmの厚みで均一に塗布し、150℃で減圧乾燥させた後、φ16mmの円盤状に打ち抜きロールプレスを行うことによって正極とした。
尚、正極活物質複合粒子に処理された結着材及び導電材の量を補正して、トータルで上記比率になるように、添加するアセチレンブラックの量を調節して添加した。
【0046】
<負極の作製>
負極電極として金属リチウム箔をφ16mmの円盤状に打ち抜き負極を作製した。
【0047】
<電解液の調整>
炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットル混合して電解液とした。
【0048】
<コイン型電池セルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、前記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレーターを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン電池を作製した。
【0049】
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。測定条件は、20℃温度下で、正極に対する電流密度を0.2mA/cm2とし、カットオフ電圧が3.0Vから4.3Vの間で充放電を繰り返した。
【0050】
上記正極材料ペーストの粘弾性は、E型粘度計(VISCONIC ED形;(株)東京計器製)により25℃で測定し、せん断速度1(1/sec)の時のせん断応力の値(Pa)を求めた。
【0051】
<正極用活物質の製造>
ヘンシェルミキサー内に層状岩塩型LiCoO2粒子粉末(体積基準の50%粒子径D504.0μm、体積固有抵抗2.2×105Ωcm)1kgおよびケッチェンブラックEC(BET比表面積800m2/g:ライオン(株)製)10gを仕込み、窒素ガスを1 l/minで流しながら、960rpmで攪拌を行い、続いて、フッ素樹脂としてフッ素塗料ワニス(ゼッフルLC−930;ダイキン工業製)2.3gを酢酸ブチル50gに溶解させたものを添加した。
粉体温度が70℃になるように加温し、約2時間攪拌した後、冷却することで、上記LiCoO2粒子粉末の粒子表面をケッチェンブラックおよびフッ素樹脂で被覆処理した。
【0052】
次に、得られた樹脂被覆されているLiCoO2粒子粉末を、回転式熱処理炉内に入れ、空気を1 l/minの流量で流しながら、品温が200℃まで60分間で昇温し、同温度で1時間保持を行った後、室温まで冷却して正極活物質複合粒子粉末(A)を取り出した。
【0053】
得られた正極活物質複合粒子粉末(A)の体積基準の50%粒子径D50は4.2μm、10%粒子径D10は2.0μm、90%粒子径D90は10.5μmであり、D90/D50比が2.5であって、D50/D10比が2.1であり、体積固有抵抗が2×104Ωcm、カーボン量が1.06%であった。
【0054】
得られた正極活物質複合粒子粉末(A)の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0055】
さらに、ここで得た正極活物質複合粒子粉末を用いて正極材料ペーストを調整し、粘弾性を測定した。せん断速度1(1/sec)の時のせん断応力の値は3550(Pa)であった。
尚、比較のため、前記LiCoO2粒子粉末を樹脂で被覆することなくそのまま使用した場合の、せん断応力の値は6456(Pa)であった。(比較例1)
得られた粘弾性カーブを図2に示す。
【0056】
さらに、ここで得た正極活物質複合粒子粉末を用いて作製したコイン型電池は、初期充放電容量が2.30mAhであり、正極上の活物質量が14.2mgであったことから、正極活物質の重量あたりに換算すると162mAh/g、20℃での50サイクル後の容量維持率(充放電容量サイクル特性)が99.5%であった。
なお、比較のため、前記LiCoO2粒子粉末を樹脂で被覆することなくそのまま使用した場合の電気容量は1.73mAh、電極上の活物質量が11.0mgであったことから、正極活物質の重量あたり157mAh/g、充放電容量サイクル特性は92.0%であった。
【0057】
【作用】
本発明において最も重要な点は、正極活物質芯粒子の表面に導電材と樹脂が被覆されている複合粒子を用いて正極材料ペーストを製造した場合に、従来の技術によるほぼ同一組成の正極材料ペーストと比較して同一せん断力下のせん断応力の値が大きく低下するという事実である。この理由は微細な導電材が正極活物質芯粒子に強固に付着し、正極材料ペースト中で分離することなく正極活物質複合粒子として挙動するために、正極材料ペースト中に分散している粒子の濃度が下がることに起因して、正極材料ペーストの粘弾性をせん断速度に対して低応力化するためと推定している。
【0058】
正極活物質複合粒子粉末の正極活物質組成の能力に見合った適正な初期充放電容量が得られる理由について、本発明者は、前述の粒子濃度低下による粘度低下の理由に加えて、正極活物質複合粒子の粒子表面が正極を調製する際に用いられる結着材としてのフッ素樹脂との相溶性に優れた同系のフッ素樹脂を用いることによって正極活物質複合粒子の正極材料ペーストにおける濡れがよくなるために、より均質に正極活物質が充填した塗膜を形成するためであると考えている。
【0059】
以上のように、導電材が正極活物質芯粒子に強固に付着した複合粒子粉末を正極活物質として用いることにより、充放電サイクル特性の優れたリチウム二次電池を作成することが可能になる。さらに、正極活物質複合粒子粉末が適正な粒子径を持ち、粒子径分布が優れているため、リチウム二次電池の充放電が正極内で均一に起こるために良好な充放電容量が得られると考えている。
【0060】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げる。
【0061】
実施例1〜8、比較例1〜4
正極活物質芯粒子粉末の種類および粒子径、導電材の種類および処理量、樹脂の種類および処理量を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同様にして、正極活物質を調整し、次いで、該正極活物質を用いてコイン型電池を作製した。
【0062】
この時の主要製造条件を表1及び表2に、得られた正極活物質の諸特性を表3に示す。
【0063】
比較例5
層状岩塩型LiCoO2粒子粉末(平均粒子径10.0μm、体積固有抵抗2.5×105Ωcm)200gと黒鉛化カーボントーカブラック#3885(商品名:東海カーボン(株)製,BET比表面積155m2/g)2.5gをメカノフュージョン装置「AM−15F」(商品名:ホソカワミクロン製)を用いてアルゴンガス雰囲気中で20分間処理を行った。
この時の主要製造条件を表1及び表2に、得られた粒子表面にカーボンが付着しているLiCoO2粒子粉末(N)の特性を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、正極活物質芯粒子の粒子表面に導電材と樹脂が被覆されており、さらに、特定の粒子径分布を有するために、二次電池の充放電サイクル性が優れ、且つ結着材への分散性及び充填性が優れているので二次電池の充放電容量が大きく、二次電池の正極活物質として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】正極活物質複合粒子粉末(A)の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】発明の実施の形態と比較例1についての正極材料ペーストの粘弾性カーブ。
【産業上の利用分野】
本発明は、充放電容量が大きく、且つ充放電サイクル特性が優れている二次電池の正極活物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュ−ター、携帯電話等のポータブル機器の開発に伴って、その電源としての電池の需要が高まっている。特に、リチウム二次電池は、リチウムが原子量が小さく、かつ、イオン化エネルギーが大きい物質であることに起因して、起電力が高く、高エネルギー密度化が可能な電池が期待できることから各方面で盛んに研究が行われている。
【0003】
リチウム二次電池に用いられる正極活物質としては、4V程度の高電圧を発生させることが可能な層状岩塩型リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)粒子粉末、層状岩塩型リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)粒子粉末、スピネル型リチウムマンガン酸化物(LiMn2O4)粒子粉末等、リチウム複合酸化物粒子の研究が盛んに行われている。これらの正極活物質粒子粉末は主に、コバルト、ニッケル、マンガンを含む酸化物原料粉末とリチウム化合物粉末とを混合し、500℃以上の高温で焼成することにより得られている。
【0004】
正極活物質粒子粉末を用いて正極を製造する場合、正極活物質粒子粉末とポリビニリデンフルオライド(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の結着材と溶剤とを混練し得られる正極材料ペーストを集電体であるアルミニウムやニッケルのメッシュに塗工して正極とするが、前記正極活物質粒子粉末は、酸化物であるために体積固有抵抗値が通常105Ωcm程度と高いため、正極の導電性を向上させて充放電を容易にするために炭素材料のような導電性を有する導電材を配合することが普通である。
【0005】
酸化物をリチウム二次電池の正極活物質として用いる場合、正極活物質に導電材を混合、結着するだけでは、充放電の繰り返し、すなわちリチウムイオンの出入りにより正極が膨張収縮を繰り返して構造変化した場合において、正極活物質粒子表面から導電材が剥離するために導電性の劣化が無視できなくなり、リチウム二次電池の充放電サイクル特性の低下をもたらす。
【0006】
充放電容量が大きく、且つ正極の導電性の劣化を抑制して充放電サイクル特性を向上させる方法としては、
▲1▼黒鉛を正極材料に静電気吸着やまぶすことによって物理的に吸着させて黒鉛層を形成させる方法(特開昭61−214362号公報)、
▲2▼ケッチェンブラックやアセチレンブラック等のカーボン材料を正極活物質粒子と混合する際に圧縮摩砕式粉砕機、メカノフュージョン装置や楕円ロータ型粉体混合機により圧縮剪断応力を加えることによりメカニカルに導電剤層を形成させる方法(特開平9−92265号公報や特開平10−162825号公報、特開平11−283623号公報、特開2001−250553号公報等)、
▲3▼高速で公転、自転の併合運転が可能な混合機や高速気流中衝撃法を用いて、炭素材粉末を正極用活物質粒子表面層に打ち込む方法(特開昭63−195962号公報、特開平1−67865号公報、特開平2−262243号公報)、
▲4▼正極活物質粒子粉末の粒子表面に炭素、Au、Ni等の金属を蒸着あるいはスパッタリングする方法(特開平11−307083号公報)、
▲5▼正極活物質粒子粉末と該正極活物質粒子粉末に対し50重量%程度の多量の有機物とを混合した後、混練物を解砕し、さらに熱処理することで有機物を炭化させる方法(特開2000−251888号公報)、
▲6▼正極活物質であるリチウムマンガン複合酸化物粒子を導電性粒子が分散している溶液中で溶液反応によって析出させることによって、導電性粒子が付着した一次粒子が凝集した二次粒子を得る方法(特開2001−328813号公報)、また、純水等の溶媒中にアセチレンブラックと正極活物質粒子粉末を一次粒子になるまで分散させ、乾燥することによって、アセチレンブラックにより表面が覆われた一次粒子からなる二次粒子を得る方法(特開平11−329504号公報)、
等が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
充放電容量が大きく、且つ正極の導電性の劣化を抑制して充放電サイクル特性を向上させるリチウム二次電池の正極活物質は、現在最も要求されているところであるが、未だこれを満足する正極活物質は得られていない。
【0008】
即ち、前出▲1▼、▲2▼、あるいは▲3▼の正極活物質粒子粉末は、静電気的吸着力、物理的な付着力、あるいは機械的な衝撃等でカーボン等を正極活物質粒子粉末の粒子表面に乾式で付着させただけの構造であるため、正極を製造する際に付着しているカーボンが脱離してしまうという問題がある。即ち、表面にカーボンが付着している正極活物質粒子粉末と結着材と溶剤とを混練してペースト状の正極材料を製造する際にカーボンは容易に正極活物質粒子粉末の粒子表面から脱離してしまい、導電性を高める効果が不十分となり、充放電が繰り返される長期間の使用においても安定した導電性を得ることが困難となる。また、脱離したカーボンが正極材料ペーストの粘度を高めて正極活物質粒子粉末の樹脂への充填及び分散を防げるので、初期充放電容量が低下する要因となる。
【0009】
前出▲4▼においても正極活物質粒子粉末は▲1▼から▲3▼と同様に、結着材及び溶剤との混練の際に正極活物質粒子粉末の粒子表面から蒸着金属が脱離してしまい、導電性を高める効果が不十分となり、長期間の使用においても安定した充放電特性を得ることが困難となる。
【0010】
前出▲5▼の正極活物質粒子粉末は、正極活物質粒子粉末に対する有機物の量が多量であるため混合した際に凝集物となり、これを解砕しても、混合する前の正極活物質粒子粉末の大きさまで解砕されないため、結着材への充填率があまり高くならず、充電容量が不十分であるという問題がある。また、有機物の炭化の度合いの再現性に乏しく、要求される導電性が得られない場合がある。
【0011】
前出▲1▼から▲4▼の方法は乾式であるため、正極活物質粒子粉末の一次粒子が凝集した二次粒子の上に導電材が付着する傾向が強く、二次粒子内の一次粒子間の導電性の劣化を抑制できない。前出▲6▼の方法はこの問題を解決する方法であるが、導電性粒子は単に付着しているだけなので、充放電の繰り返される長期間の使用において安定した導電性を得ることは難しい。また、特開2001−328813号公報の正極活物質は凝集した二次粒子であり、特開平11−329504号公報の正極活物質は水溶性のポリビニルアルコールや界面活性剤を添加してスプレードライヤで造粒しているために、正極材料ペーストを製造する際の分散が悪くなり、正極への充填量が上がらないなどの問題があると考えられる。
【0012】
そこで、本発明は、リチウム二次電池の正極の導電性の劣化を抑制し、充放電サイクル特性を向上させる正極活物質を得ることを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、正極活物質芯粒子の粒子表面が、導電材を含む樹脂層で被覆されており、体積基準の50%粒子径D50(正極活物質粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が50%となる点)が1〜50μmで、且つ、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90(正極活物質複合粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が90%となる点)の比D90/D50および10%粒子径D10(正極活物質複合粒子粉末の全体積を100%として累積体積で表した粒子径分布を求めたときの累積割合が10%となる点)に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下である正極活物質複合粒子からなる正極活物質複合粒子粉末であることを特徴とする二次電池の正極活物質である。(発明1)
【0014】
また、本発明は、導電材が炭素系導電材であることを特徴とする請求項1記載の二次電池の正極活物質である。(発明2)
【0015】
また、本発明は、被覆樹脂がフッ素樹脂を含む樹脂であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の二次電池の正極用活物質である。(発明3)
【0016】
本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0017】
本発明における正極活物質複合粒子粉末の正極活物質芯粒子は、化学式LiXMyO2(但し、MはCo,Ni,Mn,V,Fe及びTiから選ばれた1種又は2種以上の元素、xは0<x≦2.5の範囲であり、yは0.8≦y≦1.25の範囲である。)で表される層状岩塩型複合金属酸化物粒子粉末あるいはスピネル型複合金属酸化物粒子粉末である。
【0018】
正極活物質芯粒子粉末の粒子形態は、粒状、立方体状、多面体状、球状、針状、板状、不定形状等のいずれの形態の粒子でも使用することができる。正極活物質複合粒子粉末の分散性及び充填性を考慮すると球状粒子が好ましく、集電体に塗工する際の正極材料ペーストの粘度を下げることができる。
【0019】
正極活物質芯粒子粉末の体積基準の50%粒子径D50は、正極活物質複合粒子粉末の結着材への分散性及び充填性を考慮すると、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜40μm、更に好ましくは1〜20μmである。
【0020】
本発明に係る二次電池の正極用活物質の体積基準の50%粒子径D50は、1〜50μm、より好ましくは1〜40μm、更に好ましくは1〜20μmである。50%粒子径が1μmより小さいと正極活物質の正極への充填量が低下し、充放電容量が低下する。50%粒子径が50μmより大きいと電解液との接触面積が低下して充電しにくくなり、充放電容量が低下する。
【0021】
本発明に係る二次電池の正極活物質の体積基準の10%粒子径D10は、1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは1〜4.8μm、更に好ましくは1〜4.6μmである。
【0022】
本発明に係る二次電池の正極活物質の体積基準の90%粒子径D90は、3.0〜28.0μmが好ましく、より好ましくは3.2〜26.0μm、更に好ましくは3.5〜25.0μmである。
【0023】
本発明に係る二次電池の正極活物質の粒子径分布は、体積基準の50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50が3.0以下、好ましくは2.8以下である。10%粒子径D10に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下、好ましくは2.5以下である。これらの粒子径の比は小さいほど粒子径分布が狭く、粒度が良く揃っていることを表す。いずれの粒子径の比も3.0を越えると、正極活物質複合粒子と結着材の混合状態が不均一になり、例えば結着材分の多い部分は充放電が起こりにくくなるので充放電容量が低下する。
【0024】
本発明に係る二次電池の正極活物質における導電材は、正極活物質芯粒子の粒子表面に強固に固着して粒子表面を被覆している。
【0025】
導電材量は、正極活物質芯粒子100重量部に対し0.1〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.2〜5重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満の場合には、得られる正極活物質の導電性を高める効果が不十分となる。10重量部を超える場合には、得られる正極活物質の結着材への分散性及び充填性が不十分となり、充放電容量の低下が起こる。
【0026】
被覆する樹脂量は、正極活物質芯粒子100重量部に対し、固形分として0.02〜3重量部が好ましく、より好ましくは0.05〜2重量部である。0.02重量部未満の場合には、樹脂によるアンカー効果が弱くなるために正極活物質芯粒子の表面に導電材を強固に固着することが不十分となる。3重量部を超える場合には造粒が起こりやすくなり、複合粒子粉末として取り出せなくなる。
【0027】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、好ましくは体積固有抵抗値が1×102〜9×104Ωcmである。9×104Ωcmを超える場合には、導電性を高める効果が不十分であるため、二次電池としての充放電容量を高めることが困難となる。体積固有抵抗値を1×102未満に下げて導電性を高める場合には、導電材量を正極活物質芯粒子に対して10重量部を超えて被覆する必要があり、その結果、正極活物質の充填量を高めることが困難になり、充放電容量が低くなる。
【0028】
次に、本発明に係る二次電池の正極活物質の製造方法について述べる。
【0029】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、正極活物質芯粒子粉末に導電材および被覆樹脂を溶剤で分散させたものを被覆処理することにより製造することができる。
【0030】
本発明における被覆樹脂としては、フッ素樹脂が好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、共重合フッ素樹脂といわれるテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PFEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PECTFE)等を用いることができる。特に、電極を作製する際に結着材として用いられるポリビニリデンフルオライド(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が望ましい。
【0031】
さらに、正極活物質芯粒子への接着性を考慮して、アクリル樹脂やフェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を混合して使用しても構わない。フッ素樹脂とそれ以外の樹脂を混合して使用する場合、フッ素樹脂の全樹脂中に占める割合は50重量%以上、好ましくは70重量%以上が好ましい。フッ素樹脂の全樹脂中に占める割合が50重量%未満では、フッ素樹脂に求められている耐溶剤性、耐候性、耐薬品性、耐湿度性、耐熱性等が損なわれることになり、電池としての安定性に問題を生じる。
【0032】
本発明における導電材は、特に限定されないが、炭素系導電材を用いることができる。例えば、カーボンブラック、黒鉛質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、その他複合炭素等を用いることができる。特に、カーボンブラックが良好な導電性を示す点で好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが好ましい。カーボンブラックのBET比表面積は100〜1500m2/gのものが好ましい。
【0033】
導電材および樹脂による正極活物質芯粒子の被覆処理は、正極活物質芯粒子と導電材および樹脂と若干の溶剤とをハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)、ヘンシェルミキサー(三井三池(株)製)、CFグラニュレーター(フロイント産業(株)製)、バーチカル・グラニュレーター((株)パウレック製)、フロージェットグラニュレーター((株)大川原製作所製)、万能攪拌機((株)ダルトン製)、ナウタミキサー((株)ホソカワミクロン製)等のいわゆる攪拌機能を有した処理機を用いて攪拌すればよい。
【0034】
正極活物質芯粒子粉末と導電材を予め処理機内で混合した後、樹脂と溶剤とを添加して処理する方法、正極活物質芯粒子粉末を処理機内で攪拌しながら、導電材、樹脂及び溶剤を別途混合・分散させたものを添加して処理する方法等、いずれの処理方法でも構わない。
【0035】
また、正極活物質複合粒子間の凝集を防止するためには、ハイスピードミキサー、ヘンシェルミキサーのような高速攪拌機での処理が好ましい。
【0036】
次に、導電材及び樹脂によって被覆された正極活物質複合粒子粉末を、溶剤の除去を行う目的で乾燥させる。乾燥温度としては、80〜300℃の範囲である。用いる溶剤を十分に除去できるように乾燥温度及び乾燥時間を決定すればよい。場合によっては、減圧乾燥を行っても構わない。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
【0038】
尚、以下の実施の形態及び後出実施例並びに比較例における体積基準の粒子径(D10 、D50及びD90)は、レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した値で示した。
【0039】
正極活物質複合粒子表面の状態は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)を用いて観察した。
【0040】
体積固有抵抗値は、ホィーストンブリッジ2768(横河電機(株)製)を用いて測定した。
【0041】
カーボン量は「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)で測定した。
【0042】
BET比表面積は、窒素吸着法により測定した。
【0043】
正極活物質芯粒子の同定及びその結晶構造の解析は、X線回折(RIGAKU,Mn−filtered Fe−Kα、40kV and 20mA)により行った。
【0044】
正極活物質複合粒子粉末の電気化学特性は、下記の製造法によって正極、負極および電解液を調整し、コイン型電池セルを作製して評価した。
【0045】
<正極の作製>
正極活物質芯粒子粉末を85重量%、結着材としてポリビニリデンフルオライド(KFポリマー#1000;呉羽化学工業製)を5重量%、導電材としてアセチレンブラック(デンカブラック粉状品:電気化学工業製)を10重量%の各比率になるように乳鉢で十分混合した後、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて、固形分濃度40重量%の正極材料ペーストを調整した。この正極材料ペーストを、集電体としてのアルミニウム箔に150μmの厚みで均一に塗布し、150℃で減圧乾燥させた後、φ16mmの円盤状に打ち抜きロールプレスを行うことによって正極とした。
尚、正極活物質複合粒子に処理された結着材及び導電材の量を補正して、トータルで上記比率になるように、添加するアセチレンブラックの量を調節して添加した。
【0046】
<負極の作製>
負極電極として金属リチウム箔をφ16mmの円盤状に打ち抜き負極を作製した。
【0047】
<電解液の調整>
炭酸エチレンと炭酸ジエチルとの体積比50:50の混合溶液に電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1モル/リットル混合して電解液とした。
【0048】
<コイン型電池セルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316製のケースを用い、前記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレーターを介し、さらに電解液を注入してCR2032型のコイン電池を作製した。
【0049】
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。測定条件は、20℃温度下で、正極に対する電流密度を0.2mA/cm2とし、カットオフ電圧が3.0Vから4.3Vの間で充放電を繰り返した。
【0050】
上記正極材料ペーストの粘弾性は、E型粘度計(VISCONIC ED形;(株)東京計器製)により25℃で測定し、せん断速度1(1/sec)の時のせん断応力の値(Pa)を求めた。
【0051】
<正極用活物質の製造>
ヘンシェルミキサー内に層状岩塩型LiCoO2粒子粉末(体積基準の50%粒子径D504.0μm、体積固有抵抗2.2×105Ωcm)1kgおよびケッチェンブラックEC(BET比表面積800m2/g:ライオン(株)製)10gを仕込み、窒素ガスを1 l/minで流しながら、960rpmで攪拌を行い、続いて、フッ素樹脂としてフッ素塗料ワニス(ゼッフルLC−930;ダイキン工業製)2.3gを酢酸ブチル50gに溶解させたものを添加した。
粉体温度が70℃になるように加温し、約2時間攪拌した後、冷却することで、上記LiCoO2粒子粉末の粒子表面をケッチェンブラックおよびフッ素樹脂で被覆処理した。
【0052】
次に、得られた樹脂被覆されているLiCoO2粒子粉末を、回転式熱処理炉内に入れ、空気を1 l/minの流量で流しながら、品温が200℃まで60分間で昇温し、同温度で1時間保持を行った後、室温まで冷却して正極活物質複合粒子粉末(A)を取り出した。
【0053】
得られた正極活物質複合粒子粉末(A)の体積基準の50%粒子径D50は4.2μm、10%粒子径D10は2.0μm、90%粒子径D90は10.5μmであり、D90/D50比が2.5であって、D50/D10比が2.1であり、体積固有抵抗が2×104Ωcm、カーボン量が1.06%であった。
【0054】
得られた正極活物質複合粒子粉末(A)の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
【0055】
さらに、ここで得た正極活物質複合粒子粉末を用いて正極材料ペーストを調整し、粘弾性を測定した。せん断速度1(1/sec)の時のせん断応力の値は3550(Pa)であった。
尚、比較のため、前記LiCoO2粒子粉末を樹脂で被覆することなくそのまま使用した場合の、せん断応力の値は6456(Pa)であった。(比較例1)
得られた粘弾性カーブを図2に示す。
【0056】
さらに、ここで得た正極活物質複合粒子粉末を用いて作製したコイン型電池は、初期充放電容量が2.30mAhであり、正極上の活物質量が14.2mgであったことから、正極活物質の重量あたりに換算すると162mAh/g、20℃での50サイクル後の容量維持率(充放電容量サイクル特性)が99.5%であった。
なお、比較のため、前記LiCoO2粒子粉末を樹脂で被覆することなくそのまま使用した場合の電気容量は1.73mAh、電極上の活物質量が11.0mgであったことから、正極活物質の重量あたり157mAh/g、充放電容量サイクル特性は92.0%であった。
【0057】
【作用】
本発明において最も重要な点は、正極活物質芯粒子の表面に導電材と樹脂が被覆されている複合粒子を用いて正極材料ペーストを製造した場合に、従来の技術によるほぼ同一組成の正極材料ペーストと比較して同一せん断力下のせん断応力の値が大きく低下するという事実である。この理由は微細な導電材が正極活物質芯粒子に強固に付着し、正極材料ペースト中で分離することなく正極活物質複合粒子として挙動するために、正極材料ペースト中に分散している粒子の濃度が下がることに起因して、正極材料ペーストの粘弾性をせん断速度に対して低応力化するためと推定している。
【0058】
正極活物質複合粒子粉末の正極活物質組成の能力に見合った適正な初期充放電容量が得られる理由について、本発明者は、前述の粒子濃度低下による粘度低下の理由に加えて、正極活物質複合粒子の粒子表面が正極を調製する際に用いられる結着材としてのフッ素樹脂との相溶性に優れた同系のフッ素樹脂を用いることによって正極活物質複合粒子の正極材料ペーストにおける濡れがよくなるために、より均質に正極活物質が充填した塗膜を形成するためであると考えている。
【0059】
以上のように、導電材が正極活物質芯粒子に強固に付着した複合粒子粉末を正極活物質として用いることにより、充放電サイクル特性の優れたリチウム二次電池を作成することが可能になる。さらに、正極活物質複合粒子粉末が適正な粒子径を持ち、粒子径分布が優れているため、リチウム二次電池の充放電が正極内で均一に起こるために良好な充放電容量が得られると考えている。
【0060】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げる。
【0061】
実施例1〜8、比較例1〜4
正極活物質芯粒子粉末の種類および粒子径、導電材の種類および処理量、樹脂の種類および処理量を種々変化させた以外は前記発明の実施の形態と同様にして、正極活物質を調整し、次いで、該正極活物質を用いてコイン型電池を作製した。
【0062】
この時の主要製造条件を表1及び表2に、得られた正極活物質の諸特性を表3に示す。
【0063】
比較例5
層状岩塩型LiCoO2粒子粉末(平均粒子径10.0μm、体積固有抵抗2.5×105Ωcm)200gと黒鉛化カーボントーカブラック#3885(商品名:東海カーボン(株)製,BET比表面積155m2/g)2.5gをメカノフュージョン装置「AM−15F」(商品名:ホソカワミクロン製)を用いてアルゴンガス雰囲気中で20分間処理を行った。
この時の主要製造条件を表1及び表2に、得られた粒子表面にカーボンが付着しているLiCoO2粒子粉末(N)の特性を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る二次電池の正極活物質は、正極活物質芯粒子の粒子表面に導電材と樹脂が被覆されており、さらに、特定の粒子径分布を有するために、二次電池の充放電サイクル性が優れ、且つ結着材への分散性及び充填性が優れているので二次電池の充放電容量が大きく、二次電池の正極活物質として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】正極活物質複合粒子粉末(A)の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】発明の実施の形態と比較例1についての正極材料ペーストの粘弾性カーブ。
Claims (3)
- 正極活物質芯粒子の粒子表面が、導電材を含む樹脂で被覆されており、体積基準の50%粒子径D50が1〜50μmで、且つ、50%粒子径D50に対する90%粒子径D90の比D90/D50および10%粒子径D10に対する50%粒子径D50の比D50/D10が3.0以下である正極活物質複合粒子からなる正極活物質複合粒子粉末であることを特徴とする二次電池の正極活物質。
- 導電材が炭素系導電材であることを特徴とする請求項1記載の二次電池の正極活物質。
- 被覆樹脂がフッ素樹脂を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の二次電池の正極活物質。
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