JP6234071B2 - 歯磨組成物 - Google Patents
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(A)20℃における水に対する溶解度が40質量%未満の糖アルコール(A−1)、及び20℃における水に対する溶解度が40質量%以上の糖アルコール(A−2)からなる糖アルコール 合計で40質量%以上75質量%以下、
(B)粘結剤 0.01質量%以上0.6質量%以下、
(C)増粘性シリカ、並びに
(D)水 8質量%以上25質量%以下
を含有し、かつ成分(A−1)の含有量が20質量%以上60質量%以下であって、
成分(C)と成分(B)の質量比((C)/(B))が10以上1000以下であり、
成分(C)と成分(D)の質量比((C)/(D))が0.3以上1.0以下であり、
25℃における円柱形状のロータを用いた回転粘度計による粘度が4000dPa・s以上15000dPa・s以下である歯磨組成物に関する。
本発明の歯磨組成物は、20℃における水に対する溶解度が40質量%未満の糖アルコール(A−1)、及び20℃における水に対する溶解度が40質量%以上(20℃において飽和水溶液100gに対して40g以上溶解)の糖アルコール(A−2)からなる糖アルコール(A)を40質量%以上75質量%以下含有する。すなわち、成分(A)の糖アルコールは、水への溶解度が異なる2種の糖アルコールである、成分(A−1)及び成分(A−2)からなり、本発明の歯磨組成物は、かかる成分(A)の糖アルコールを40質量%以上75質量%以下含有する。これにより、成分(A−1)によって組成物に良好な構造粘性を付与しながら組成物の良好な分散性を確保し、すみやかな口溶け性を実現することができるとともに、成分(A−2)によって歯や歯肉に対する付着性を高めることができる。
還元パラチノースは、二糖類の糖アルコールであり、α−D−グルコピラノシル−1,6ーマンニトール及びその異性体であるα−D−グルコピラノシル−1,6ーソルビトールの等モル混合物である。還元パラチノースはシュクロースを原料とし、シュクロースを糖転移酵素によりパラチノースとした後に、水素添加反応させることによって得られる。また、還元パラチノースとして知られているパラチニットは、三井製糖、Sudzucker AG社(和名:南独製糖)の商品名であり、イソマルトという別名称もある。還元パラチノースの20℃における水に対する溶解度は28質量%である。
なお、かかるヘリパス粘度は、T字型スピンドルをロータに用いて測定された値であり、歯磨組成物を粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、ヘリパス型粘度計(東機産業 VISCOMETER TVB−10)を用いて、ロータC、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定することができる。
[1](A)20℃における水に対する溶解度が40質量%未満の糖アルコール(A−1)、及び20℃における水に対する溶解度が40質量%以上の糖アルコール(A−2)からなる糖アルコール 合計で40質量%以上75質量%以下、
(B)粘結剤 0.01質量%以上0.6質量%以下、
(C)増粘性シリカ、並びに
(D)水 8質量%以上25質量%以下
を含有し、かつ成分(A−1)の含有量が20質量%以上60質量%以下であって、
成分(C)と成分(B)の質量比((C)/(B))が10以上1000以下であり、
成分(C)と成分(D)の質量比((C)/(D))が0.3以上1.0以下であり、
25℃における円柱形状のロータを用いた回転粘度が4000dPa・s以上15000dPa・s以下である歯磨組成物。
[2]成分(A−1)が、好ましくはエリスリトール、α−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールとα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールの混合物である還元パラチノース、マンニトール、並びにα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトール又はα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールであるグルコピラノシルソルビトールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエリスリトール及び還元パラチノースから選ばれる1種又は2種であり、さらに好ましくはエリスリトールである上記[1]の歯磨組成物。
[3]成分(A−2)が、好ましくはキリシトール、マルチトール、及びソルビトールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはソルビトールである上記[1]又は[2]の歯磨組成物。
[5]成分(A−1)の含有量は、好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは45質量%以下である上記[1]〜[4]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[6]成分(B)が、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、グアガム及びコンドロイチン硫酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キサンタンガム及びカラギーナンから選ばれる1種又は2種以上である上記[1]〜[5]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[7]成分(B)の含有量は、好ましくは0.03質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、好ましくは0.55質量%以下である上記[1]〜[6]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[9]成分(C)と成分(B)の質量比((C)/(B))は、好ましくは11以上であり、より好ましくは12以上であり、好ましくは300以下であり、より好ましくは180以下である上記[1]〜[8]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[10]成分(D)の含有量は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは11質量%以上であり、好ましくは22質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である上記[1]〜[9]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[12]成分(A−1)と成分(D)の質量比((A−1)/(D))は、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.8以上であり、さらに好ましくは2以上であり、好ましくは7以下であり、より好ましくは5以下であり、さらに好ましくは4以下である上記[1]〜[11]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[14]さらにグリセリンを含有してもよく、成分(A−2)の糖アルコールとグリセリンの合計含有量は、好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは12質量%以上であり、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である上記[1]〜[13]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[15]さらにプロピレングリコールを含有してもよく、その含有量は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上であり、さらに好ましくは2質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは7質量%以下である上記[1]〜[14]のいずれか1記載の歯磨組成物。
[17]油溶性薬効成分が、好ましくはアズレン、グアイアズレン、酢酸dl−α−トコフェロールやニコチン酸トコフェロール等のトコフェロール、α-グリチルレチン酸、β-グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、ジヒドロコレステロール、及びジヒドロアビエチン酸等から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはトコフェロール、トリクロサン、β-グリチルレチン酸、及びイソプロピルメチルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である上記[16]の歯磨組成物。
[19]25℃におけるヘリパス粘度は、好ましくは2700dPa・s以上であり、より好ましくは3000dPa・s以上であり、さらに好ましくは3500dPa・s以上であり、好ましくは8000dPa・s以下であり、より好ましくは6000dPa・s以下であり、さらに好ましくは5000dPa・s以下である上記[1]〜[17]のいずれか1記載の歯磨組成物。
表1及び表2に示す処方にしたがい、各歯磨組成物を調製し、下記方法にしたがって、25℃における円柱型ロータを用いた回転粘度及びT字型スピンドルを用いたヘリパス粘度を測定し、下記基準にしたがって歯肉への付着性及び口溶け性を評価した。
歯磨組成物を調製直後から1日間放置した後、粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後に、B8H型粘度計(東機産業 TVB−10R)を用い、ロータH7、回転速度2.5rpm、1分間の条件で測定した。
結果を表1に示す。
得られた歯磨組成物を調製直後から1日間放置した後、粘度測定用の容器に詰め、25℃の恒温器で24時間保存した後、ヘリパス型粘度計(東機産業 VISCOMETER TVB−10)を用いて、ロータT−C、回転数2.5rpm、1分間の条件で測定した。
結果を表1に示す。
試験板として、歯肉の柔らかさに類似するJIS K6253−3(2012年版)に基づく硬度が10、厚さ3mmのシリコンゴム(共和工業社製)を用いた。図3(a)に示すように、100mm×100mmに切り取った試験板の上面に、マジックで基準線を記載し、水平においた試験板の基準線の一方側に25mmの長さで得られた歯磨組成物1.5gを付着させた。その後、基準線が下になるように試験板を垂直に配置し、垂直に配置してから10分経過した時点(図3(b))、及び30分経過した時点(図3(c))における、基準線より下に歯磨組成物が滑り落ちた個所までの最長距離(mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
なお、付着性1の測定は、室温(25℃)において行った。
得られた歯磨組成物1gを人さし指にとり、上の歯ぐきに付けて、歯ぐき及び歯への付着性を3名の専門パネラーにより、下記基準にしたがって評価した。3名の協議による評価結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
4:良好に付着する
3:付着する
2:あまり付着しない
1:すべってかたまりになって落ちる
図4(a)に示すように、得られた歯磨組成物1g程度を幅26mm×長さ60mm(厚さ1mm)のスライドガラスの一方の端部側の表面に、端部から長さ23mmまでの領域に塗布し(図3)、塗布後の質量を測定した。次に、歯磨組成物を塗布したスライドガラスを、100mlの精製水をいれた200mlビーカーに、塗布した領域の全体が精製水につかるように入れて、手でゆっくりスライドガラスの面に垂直な方向に振りながら3分間撹拌した後、スライドガラス上の歯磨組成物の残存量を測定した(図4(b)及び図4(c))。残存量の測定は、ビーカーから引きあげた後、約1分間スライドガラスを垂直状態に保ち、その後、歯磨組成物を塗布した領域以外の水をティッシュで吸い取り、スライドガラスごとその質量を測定し、精製水につける前の質量との差から残存する歯磨組成物の質量を計算した。表2に塗布した歯磨組成物に対する残存する歯磨組成物の質量割合を残存率(%)で示す。なお、口溶け性1の評価は室温(25℃)にて行った。
得られた歯磨組成物1.5gを歯及び歯肉に付着させ、歯ブラシ(花王 ディープクリーン レギュラー)によりブラッシングを行った。1分間経過した時点での口腔内における口溶け性について、3名の専門パネラーにより、下記基準にしたがって官能評価した。3名の協議による評価結果を表1及び表2に示す。
4:すみやかに分散して付着残りを感じない
3:分散して付着残りをあまり感じない
2:やや分散しにくく、やや付着残りを感じる
1:分散しにくく、付着残りがあり、べたつく
得られた歯磨組成物1.5gを用い、歯及び歯肉に付着させ、歯ブラシ(花王 ディープクリーン レギュラー)を用いて1分間ブラッシングを行った際の使用感を3名の専門パネラーにより、下記基準に従って官能評価した。協議による評価結果を表に示す。
4:とても良い
3:良い
2:やや課題がある
1:非常に悪い
結果を表2に示す。
表3に示す処方にしたがい、各歯磨組成物を調製し、実施例1と同様にして、25℃におけるB8H回転粘度及びヘリパス粘度を測定し、歯肉への付着性2、口溶け性2、及び使用感を評価した。
結果を表3に示す。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)、(C)並びに(D):
(A)20℃における水に対する溶解度が40質量%未満の糖アルコール(A−1)、及び20℃における水に対する溶解度が40質量%以上の糖アルコール(A−2)からなる糖アルコール 合計で40質量%以上75質量%以下、
(B)粘結剤 0.01質量%以上0.55質量%以下、
(C)吸油量が200〜400mL/100gである増粘性シリカ 5.5質量%以上12質量%以下、並びに
(D)水 11質量%以上25質量%以下
を含有し、かつ成分(A−1)の含有量が20質量%以上60質量%以下であって、
成分(C)と成分(B)の質量比((C)/(B))が10以上180以下であり、
成分(C)と成分(D)の質量比((C)/(D))が0.3以上1.0以下であり、
25℃における円柱形状のロータを用いた回転粘度が4000dPa・s以上15000dPa・s以下である歯磨組成物。 - 成分(A−1)と成分(D)の質量比((A−1)/(D))が、1.5以上である請求項1に記載の歯磨組成物。
- 研磨剤を8質量%以下含有する請求項1又は2に記載の歯磨組成物。
- 成分(A−2)とグリセリンの合計含有量が、8質量%以上40質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
- プロピレングリコールを0.1質量%以上10質量%以下含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
- 油溶性薬効成分を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
- 25℃におけるヘリパス粘度が、2700dPa・s以上8000dPa・s以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯磨組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の歯磨組成物と、歯磨用塗布具とを備える歯磨剤キット。
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