JP6233704B2 - 充填式スリーブ継手における鉄筋の電気的接続構造および電気的接続方法 - Google Patents

充填式スリーブ継手における鉄筋の電気的接続構造および電気的接続方法 Download PDF

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本発明は、充填式スリーブ継手における鉄筋の電気的接続構造および電気的接続方法に関する。さらに詳細には、本発明は、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手においてスリーブの内部で対向する一対の鉄筋を電気的に接続する構造および方法に関するものである。
高層の鉄筋コンクリート造建築物では、柱部材および梁部材として、プレキャストコンクリート部材を採用することが多い。この場合、上階のプレキャストコンクリート柱部材の鉄筋と、下階のプレキャストコンクリート柱部材の鉄筋との継手に、例えば充填式スリーブ継手が適用される。
充填式スリーブ継手では、上階のプレキャストコンクリート柱部材の鉄筋と、下階のプレキャストコンクリート柱部材の鉄筋との間に、現場においてスリーブの内部へ注入された充填剤(グラウト)が介在する。その結果、スリーブの内部において対向する一対の鉄筋は、互いに電気的に接続されない。
従来技術では、避雷針のような受雷部で受けた雷電流を接地極まで導くための引下げ導線を、例えば最上階のプレキャストコンクリート柱部材から最下階のプレキャストコンクリート柱部材まで柱部材の内部に敷設している。具体的には、各柱部材に上端から下端まで延びるビニール管を埋設しておき、現場において引下げ導線を各柱部材のビニール管に通す作業を行っている。
現場において引下げ導線を敷設するには、プレキャストコンクリート柱部材の建込みに際して作業員が比較的煩雑な相番作業を行う必要があり、過大な労務費が発生し易いという不都合があった。そこで、プレキャストコンクリート柱部材に埋設された鉄筋を引下げ導線として利用することが考えられるが、従来の充填式スリーブ継手では、上述したように、スリーブの内部で対向する一対の鉄筋を互いに電気的に接続することはできない。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、スリーブの内部で対向する一対の鉄筋を互いに電気的に接続することのできる鉄筋の電気的接続構造および電気的接続方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、一方のプレキャストコンクリート部材に埋設された導電性のスリーブの内部へ前記一方のプレキャストコンクリート部材から突出した第1鉄筋と、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されて前記スリーブの内部へ挿入された第2鉄筋とを電気的に接続する構造であって、
前記スリーブの周壁部に螺合して前記第1鉄筋または前記第2鉄筋の側面に先端が当接し、且つ先端から頭部まで延びる貫通孔および先端側の周壁部から頭部まで延びる貫通孔のうちの少なくとも一方が形成された導電性の中空ボルト部材と、
前記スリーブの周壁部に螺合して前記第2鉄筋または前記第1鉄筋の側面に先端が当接した導電性の中実ボルト部材とを備えていることを特徴とする鉄筋の電気的接続構造を提供する。
本発明の第2形態では、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、一方のプレキャストコンクリート部材に埋設された導電性のスリーブの内部へ前記一方のプレキャストコンクリート部材から突出した第1鉄筋と、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されて前記スリーブの内部へ挿入された第2鉄筋とを電気的に接続する方法であって、
先端から頭部まで延びる貫通孔および先端側の周壁部から頭部まで延びる貫通孔のうちの少なくとも一方が形成された導電性の中空ボルト部材を前記スリーブの周壁部に螺合させて、前記中空ボルト部材の先端が前記第1鉄筋または前記第2鉄筋の側面に当接するまで前記中空ボルト部材をねじ込むことと、
導電性の中実ボルト部材を前記スリーブの周壁部に螺合させて、前記中実ボルト部材の先端が前記第2鉄筋または前記第1鉄筋の側面に当接するまで前記中実ボルト部材をねじ込むこととを含むことを特徴とする鉄筋の電気的接続方法を提供する。
本発明では、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、スリーブの内部で対向する一対の鉄筋を互いに電気的に接続することができる。その結果、例えば高層の鉄筋コンクリート造建築物において、プレキャストコンクリート柱部材に埋設された鉄筋を引下げ導線として利用することができ、ひいては引下げ導線用のビニール管の埋設および現場で引下げ導線をビニール管に通す作業を省略することができる。
一対のプレキャストコンクリート柱部材の充填式スリーブ継手に対して本発明の実施形態にかかる鉄筋の電気的接続構造を適用した一例を概略的に示す断面図である。 スリーブの外観を概略的に示す斜視図である。 通常の形態を有するスリーブの縦断面図である。 通常の形態を有するスリーブの箇所を示す部分断面図である。 鉄筋の電気的接続構造が適用されるスリーブの縦断面図である。 中実ボルト部材の外観を概略的に示す斜視図である。 中空ボルト部材の外観を概略的に示す斜視図である。 電気的接続構造が適用されるスリーブの箇所を示す部分断面図である。 実施形態の変形例を概略的に示す断面図である。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、一対のプレキャストコンクリート柱部材の充填式スリーブ継手に対して本発明の実施形態にかかる鉄筋の電気的接続構造を適用した一例を概略的に示す断面図である。図1を参照すると、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の下端側には、導電性を有する材料、例えば鋼材により形成された複数のスリーブ2(2a,2b)が間隔を隔てて埋設されている。
上階のプレキャストコンクリート柱部材1には、その長手方向に沿って延びるようにスリーブ2と同数の鉄筋3(3a,3b)が埋設されている。さらに詳細には、各鉄筋3は、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の上端面から上方へ突出しており、且つ対応するスリーブ2の内部へ所定距離だけ突出している。
下階のプレキャストコンクリート柱部材4も、上階のプレキャストコンクリート柱部材1と同様に構成されている。すなわち、下階のプレキャストコンクリート柱部材4の下端側には、複数のスリーブ(不図示)が間隔を隔てて埋設されている。そして、下階のプレキャストコンクリート柱部材4に埋設された各鉄筋5(5a,5b)は、柱部材4の上端面から上方へ突出しており、且つ対応するスリーブ2の内部へ所定距離だけ挿入されている。
図1では、下階のプレキャストコンクリート柱部材4の上端面から上方へ突出した鉄筋5が、プレキャストコンクリート梁部材6を貫通し、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の下端側に埋設された対応するスリーブ2の内部へ挿入された建込み状態を示している。ただし、図1では、鉄筋の電気的接続構造が適用されるスリーブ2a、および充填剤(グラウト)の注入が行われる通常の形態を有するスリーブ2bだけを示し、その他のスリーブおよび対応する鉄筋の図示を省略している。なお、図示を省略したその他のスリーブは、スリーブ2bと同様に通常の形態を有する。
図1では、説明の理解を容易にするために、上階のプレキャストコンクリート柱部材1からスリーブ2aの内部へ突出した鉄筋を3aと表記し、スリーブ2bの内部へ突出した鉄筋を3bと表記している。同様に、下階のプレキャストコンクリート柱部材4からスリーブ2aの内部へ挿入された鉄筋を5aと表記し、スリーブ2bの内部へ挿入された鉄筋を5bと表記している。
図2は、スリーブ2a,2bの外観を概略的に示す斜視図である。図3は、通常の形態を有するスリーブ2bの縦断面図である。図2および図3を参照すると、通常の形態を有するスリーブ2bは、全体的に円筒状の形態を有し、一端(図2および図3では上端)には径の比較的小さい狭口側の鉄筋挿入口21bが形成され、他端(図2および図3では下端)には径の比較的大きい広口側の鉄筋挿入口22bが形成されている。
狭口側の鉄筋挿入口21bは、上階のプレキャストコンクリート柱部材1に埋設されてスリーブ2bの内部へ突出する鉄筋3bのための開口部である。一方、広口側の鉄筋挿入口22bは、下階のプレキャストコンクリート柱部材4から突出してスリーブ2bの内部へ挿入される鉄筋5bのための開口部である。
スリーブ2bの周壁部には、例えば一対の円形状の開口部23bおよび24bがスリーブ2bの長手方向に間隔を隔てて形成されている。また、スリーブ2bの周壁部には、図3中上側の開口部23bの周囲から外側に向かって突出する筒状、例えば円筒状の突出部25b、および図3中下側の開口部24bの周囲から外側に向かって突出する筒状、例えば円筒状の突出部26bが設けられている。
下側の開口部24bは、スリーブ2bの内部へグラウトを注入するための注入孔として機能する。上側の開口部23bは、スリーブ2bの内部へのグラウトの充填を確認するための充填確認孔(または排出孔)として機能する。図1の部分断面図である図4に示すように、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の下端部には、外側からほぼ水平方向に延びて上側の開口部23bに連通した横孔11b、および外側からほぼ水平方向に延びて下側の開口部24bに連通した横孔12bが形成されている。
なお、図示を省略したが、グラウトの注入を行う必要の無いその他のスリーブ2bの箇所では、スリーブ2bの内部へのグラウトの充填を確認するために外側からほぼ水平方向に延びて上側の開口部23bに連通した横孔11bが形成されているが、下側の開口部24bに連通した横孔12bが形成されていない。ただし、図1に示すスリーブ2b以外の1つまたは複数のスリーブ2bにおいて、下側の開口部24bに連通した横孔12bを形成して、複数箇所からグラウトの注入を行っても良い。
図5は、本実施形態にかかる鉄筋の電気的接続構造が適用されるスリーブの縦断面図である。電気的接続構造が適用されるスリーブ2aは、図2に示すように、通常の形態を有するスリーブ2bと同じ外観を有する。すなわち、スリーブ2aは、全体的に円筒状の形態を有し、一端(図2および図5では上端)には径の比較的小さい狭口側の鉄筋挿入口21aが形成され、他端(図2および図5では下端)には径の比較的大きい広口側の鉄筋挿入口22aが形成されている。
狭口側の鉄筋挿入口21aは、上階のプレキャストコンクリート柱部材1に埋設されてスリーブ2aの内部へ突出する鉄筋3aのための開口部である。一方、広口側の鉄筋挿入口22aは、下階のプレキャストコンクリート柱部材4から突出してスリーブ2aの内部へ挿入される鉄筋5aのための開口部である。
スリーブ2aの周壁部には、例えば一対の円形状のねじ孔23aおよび24aがスリーブ2aの長手方向に間隔を隔てて形成されている。また、スリーブ2aの周壁部には、図5中上側のねじ孔23aの周囲から外側に向かって突出する筒状、例えば円筒状の突出部25a、および図5中下側のねじ孔24aの周囲から外側に向かって突出する筒状、例えば円筒状の突出部26aが設けられている。
このように、電気的接続構造が適用されるスリーブ2aでは、通常の形態を有するスリーブ2bの一対の円形状の開口部23bおよび24bに対応するように、一対の円形状のねじ孔23aおよび24aが形成されている。したがって、通常の形態を有するスリーブ2bの一対の円形状の開口部23bおよび24bに所要の雌ねじを付加的に刻設することにより、電気的接続構造が適用されるスリーブ2aが得られる。
本実施形態では、図5に示すように、スリーブ2aの上側のねじ孔23aに中空ボルト部材7が螺合し、スリーブ2aの下側のねじ孔24aに中実ボルト部材8が螺合する。中実ボルト部材8は、図5および図6に示すように、全体的に円柱状の形態を有し、導電性を有する材料、例えば鋼材により形成されている。中実ボルト部材8の頭部8aには、中実ボルト部材8を対応するねじ孔24aに螺合させてねじ込む際に使用する工具と係合すべき係合部として、たとえば直線状に延びる溝8bが形成されている。
中空ボルト部材7は、図5および図7に示すように、先端7aの近傍から頭部7bまで延びる非貫通孔7cが形成された円筒状の形態を有し、導電性を有する材料、例えば鋼材により形成されている。中空ボルト部材7の先端7a側の周壁部には、例えば一対の円形状の開口部7dが対向するように形成されている。その結果、中空ボルト部材7には、先端7a側の周壁部から頭部7bまで延びる貫通孔が形成されていることになる。中空ボルト部材7の頭部7bには、中空ボルト部材7を対応するねじ孔23aに螺合させてねじ込む際に使用する工具と係合すべき係合部として、たとえば1つの直線に沿って間隔を隔てて延びる一対の溝7eが形成されている。
図1の部分断面図である図8に示すように、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の下端部には、外側からほぼ水平方向に延びて上側のねじ孔23aに連通した横孔11a、および外側からほぼ水平方向に延びて下側のねじ孔24aに連通した横孔12aが形成されている。中空ボルト部材7は、例えば上階のプレキャストコンクリート柱部材1の製造工場において、横孔11aを介してスリーブ2aの上側のねじ孔23aに螺合され、その先端7aがスリーブ2aの内部へ突出した鉄筋3aの側面に当接するまでねじ込まれる。
スリーブ2aの周壁部に螺合した中空ボルト部材7の先端7aが鉄筋3aの側面に当接していることは、スリーブ2aまたは中空ボルト部材7と鉄筋3aとの間の電気抵抗値を計測することにより、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の現場への出荷に先だって確認することができる。なお、製造工場ではなく、現場において中空ボルト部材7をスリーブ2aの上側のねじ孔23aに螺合させ、その先端7aが鉄筋3aの側面に当接するまでねじ込むこともできる。
中実ボルト部材8は、現場において、横孔12aを介してスリーブ2aの下側のねじ孔24aに螺合され、その先端8cがスリーブ2aの内部へ挿入された鉄筋5aの側面に当接するまでねじ込まれる。スリーブ2aの周壁部に螺合した中実ボルト部材8の先端8cが鉄筋5aの側面に当接していることは、スリーブ2aまたは中実ボルト部材8と鉄筋5aとの間の電気抵抗値を計測することにより確認することができる。
中空ボルト部材7および中実ボルト部材8の装着状態において、電気的接続構造が適用されるスリーブ2aの下側のねじ孔24aは中実ボルト部材8により完全に塞がれるため、スリーブ2aの内部は外部と連通しなくなる。一方、スリーブ2aの上側のねじ孔23aは中空ボルト部材7により部分的に塞がれるだけであり、スリーブ2aの内部は、中空ボルト部材7の一対の開口部7dおよび非貫通孔7c、並びに横孔11aを介して外部と連通することになる。
本実施形態では、開口部24bを介してスリーブ2bの内部へ注入されたグラウトが、上階のプレキャストコンクリート柱部材1の下端面とプレキャストコンクリート梁部材4の上端面との隙間を介して、スリーブ2b以外の他のすべてのスリーブの内部にも供給される。このとき、中実ボルト部材8の高さ位置においてスリーブ2aの内部は外部と連通していないので、供給されたグラウトは横孔12aを介して外部へ漏出することなくスリーブ2aの内部に確実に満たされる。
一方、中空ボルト部材7の高さ位置ではスリーブ2aの内部は外部と連通しているので、中空ボルト部材7の高さ位置まで満たされたグラウトは開口部7d、非貫通孔7cおよび横孔11aを介して外部へ漏出する。その結果、スリーブ2aの上側のねじ孔23aは、中空ボルト部材7が螺合しているにもかかわらず、スリーブ2aの内部へのグラウトの充填を確認するための充填確認孔として機能する。なお、図3〜図5および図8では、図面の明瞭化のために、スリーブ2a,2bの上端にできるだけ近い高さ位置に形成すべきねじ孔23aおよび開口部23bを実際よりも低い位置に設けた様子を示している。
本実施形態では、図8に明瞭に示すように、上階のプレキャストコンクリート柱部材1に埋設された鉄筋3aは、中空ボルト部材7、スリーブ2aの周壁部および中実ボルト部材8を介して、下階のプレキャストコンクリート柱部材4に埋設された鉄筋5aと電気的に接続される。換言すれば、スリーブ2aと中空ボルト部材7と中実ボルト部材8との協働作用により、上階のプレキャストコンクリート柱部材1に埋設されてスリーブ2aの内部へ突出した鉄筋3aと、下階のプレキャストコンクリート柱部材4に埋設されてスリーブ2aの内部へ挿入された鉄筋5aとが電気的に接続される。
上述の鉄筋の電気的接続構造は、各階における一対のプレキャストコンクリート柱部材の充填式スリーブ継手に対して繰り返し適用される。その結果、避雷針のような受雷部と接地極とが、各階のプレキャストコンクリート柱部材に埋設された鉄筋を介して電気的に接続される。すなわち、プレキャストコンクリート柱部材に埋設された鉄筋を、受雷部で受けた雷電流を接地極まで導くための引下げ導線として利用することができる。
以上のように、本実施形態では、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、スリーブの内部で対向する一対の鉄筋を互いに電気的に接続することができる。その結果、例えば高層の鉄筋コンクリート造建築物において、プレキャストコンクリート柱部材に埋設された鉄筋を引下げ導線として利用することができ、ひいては引下げ導線用のビニール管の埋設および現場で引下げ導線をビニール管に通す作業を省略することができる。また、外部雷保護システムおよび内部雷保護システムの構築が容易になる。
なお、上述の実施形態では、下端側にスリーブ2a,2bが埋設され且つその上端面から鉄筋3a,3b;5a,5bが上方へ突出した形態のプレキャストコンクリート柱部材1,4の充填式スリーブ継手に対して本発明を説明している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図9に示すように、上端側にスリーブ102a,102bが埋設され且つその下端面から鉄筋103a,103b;105a,105bが下方へ突出した形態のプレキャストコンクリート柱部材101,104の充填式スリーブ継手に対しても同様に、本発明を適用することができる。
図9を参照すると、下階のプレキャストコンクリート柱部材104の上端側に、導電性の複数のスリーブ102(102a,102b)が間隔を隔てて埋設されている。プレキャストコンクリート柱部材104には、その長手方向に沿って延びるようにスリーブ102と同数の鉄筋105(105a,105b)が埋設されている。各鉄筋105は、プレキャストコンクリート柱部材104の下端面から下方へ突出しており、且つ対応するスリーブ102の内部へ突出している。
上階のプレキャストコンクリート柱部材101の上端側にも、複数のスリーブ(不図示)が間隔を隔てて埋設されている。そして、プレキャストコンクリート柱部材101に埋設された各鉄筋103(103a,103b)は、柱部材101の下端面から下方へ突出しており、且つ対応するスリーブ102の内部へ挿入されている。
図9では、上階のプレキャストコンクリート柱部材101の下端面から下方へ突出した鉄筋103が、プレキャストコンクリート梁部材106を貫通し、下階のプレキャストコンクリート柱部材104の上端側に埋設された対応するスリーブ102の内部へ挿入された建込み状態を示している。ただし、図9では、電気的接続構造が適用されるスリーブ102a、およびグラウトの注入が行われる通常の形態を有するスリーブ102bだけを示し、その他のスリーブおよび対応する鉄筋の図示を省略している。
図9では、説明の理解を容易にするために、下階のプレキャストコンクリート柱部材104からスリーブ102aの内部へ突出した鉄筋を105aと表記し、スリーブ102bの内部へ突出した鉄筋を105bと表記している。同様に、上階のプレキャストコンクリート柱部材101からスリーブ102aの内部へ挿入された鉄筋を103aと表記し、スリーブ102bの内部へ挿入された鉄筋を103bと表記している。
図9の変形例において、スリーブ102aはスリーブ2aと基本的に同じ構成を有し、スリーブ102bはスリーブ2bと基本的に同じ構成を有する。ただし、スリーブ102aは図5に示すスリーブ2aを上下逆にした姿勢で用いられ、スリーブ102bは図3に示すスリーブ2bを上下逆にした姿勢で用いられる。そして、通常の形態を有するスリーブ102bでは、図9において上側に位置する開口部24bが充填確認孔として機能し、図9において下側に位置する開口部23bが注入孔として機能する。
一方、電気的接続構造が適用されるスリーブ102aでは、図9において上側に位置するねじ孔24aには中空ボルト部材7が螺合し、図9において下側に位置するねじ孔23aには中実ボルト部材8が螺合する。中空ボルト部材7は、その先端7aがスリーブ102aの内部へ挿入された鉄筋103aの側面に当接するまでねじ込まれる。
中実ボルト部材8は、その先端8cがスリーブ102aの内部へ突出した鉄筋105aの側面に当接するまでねじ込まれる。図9の変形例では、プレキャストコンクリート柱部材101,104の上端面から鉄筋が上方へ突出していないので、プレキャストコンクリート柱部材101,104およびプレキャストコンクリート梁部材106の建込み作業が、上述の実施形態よりも容易である。
このように、上述の実施形態では、中空ボルト部材7は先端7aがスリーブ2aの内部へ突出した鉄筋3aの側面に当接するまでねじ込まれ、中実ボルト部材8は先端8cがスリーブ2aの内部へ挿入された鉄筋5aの側面に当接するまでねじ込まれる。これに対し、図9の変形例では、中空ボルト部材7は先端7aがスリーブ102aの内部へ挿入された鉄筋103aの側面に当接するまでねじ込まれ、中実ボルト部材8は先端8cがスリーブ102aの内部へ突出した鉄筋105aの側面に当接するまでねじ込まれる。
また、上述の実施形態では、中空ボルト部材7の先端7aの近傍から頭部7bまで延びる非貫通孔7cが形成され、先端7a側の周壁部には例えば一対の円形状の開口部7dが対向するように形成されている。しかしながら、これに限定されることなく、中空ボルト部材の具体的な構成、並びにその先端側の周壁部に設けるべき開口部の数、形状、配置などについては、様々な形態が可能である。例えば、中空ボルト部材の先端から頭部まで延びる貫通孔を形成するとともに、先端側の周壁部に少なくとも1つの開口部を形成しても良い。あるいは、中空ボルト部材の先端側の周壁部に開口部を形成することなく、中空ボルト部材の先端から頭部まで延びる貫通孔だけを形成しても良い。
また、上述の実施形態では、中実ボルト部材8が全体的に円柱状の形態を有する。しかしながら、これに限定されることなく、中実ボルト部材の具体的な構成については、様々な形態が可能である。例えば、中実ボルト部材には非貫通孔などが設けられていても良く、その装着状態において対応するねじ孔を塞ぐことが重要である。
また、上述の実施形態では、通常の形態を有するスリーブ2bの一対の円形状の開口部23bおよび24bに所要の雌ねじを付加的に刻設することにより、電気的接続構造が適用されるスリーブ2aを得ている。しかしながら、これに限定されることなく、電気的接続構造が適用されるスリーブとして、通常の形態を有するスリーブとは外観および構成の全く異なるスリーブを用いることもできる。
また、上述の実施形態では、一対のプレキャストコンクリート柱部材の充填式スリーブ継手に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、一方のプレキャストコンクリート部材に埋設された導電性のスリーブの内部へ一方のプレキャストコンクリート部材から突出した第1鉄筋と、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されてスリーブの内部へ挿入された第2鉄筋との電気的な接続に対して本発明を適用することができる。
1 上階のプレキャストコンクリート柱部材
2a,2b スリーブ
3,5 鉄筋
4 下階のプレキャストコンクリート柱部材
6 プレキャストコンクリート梁部材
7 中空ボルト部材
8 中実ボルト部材

Claims (8)

  1. プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、一方のプレキャストコンクリート部材に埋設された導電性のスリーブの内部へ前記一方のプレキャストコンクリート部材から突出した第1鉄筋と、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されて前記スリーブの内部へ挿入された第2鉄筋とを電気的に接続する構造であって、
    前記スリーブの周壁部に螺合して前記第1鉄筋または前記第2鉄筋の側面に先端が当接し、且つ先端から頭部まで延びる貫通孔および先端側の周壁部から頭部まで延びる貫通孔のうちの少なくとも一方が形成された導電性の中空ボルト部材と、
    前記スリーブの周壁部に螺合して前記第2鉄筋または前記第1鉄筋の側面に先端が当接した導電性の中実ボルト部材とを備えていることを特徴とする鉄筋の電気的接続構造。
  2. 前記中空ボルト部材の先端側の周壁部には、少なくとも1つの開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続構造。
  3. 前記一方のプレキャストコンクリート部材は上階の柱部材であり、前記他方のプレキャストコンクリート部材は下階の柱部材であり、
    前記中空ボルト部材の先端は前記第1鉄筋の側面に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気的接続構造。
  4. 前記一方のプレキャストコンクリート部材は下階の柱部材であり、前記他方のプレキャストコンクリート部材は上階の柱部材であり、
    前記中空ボルト部材の先端は前記第2鉄筋の側面に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載の電気的接続構造。
  5. プレキャストコンクリート部材の充填式スリーブ継手において、一方のプレキャストコンクリート部材に埋設された導電性のスリーブの内部へ前記一方のプレキャストコンクリート部材から突出した第1鉄筋と、他方のプレキャストコンクリート部材に埋設されて前記スリーブの内部へ挿入された第2鉄筋とを電気的に接続する方法であって、
    先端から頭部まで延びる貫通孔および先端側の周壁部から頭部まで延びる貫通孔のうちの少なくとも一方が形成された導電性の中空ボルト部材を前記スリーブの周壁部に螺合させて、前記中空ボルト部材の先端が前記第1鉄筋または前記第2鉄筋の側面に当接するまで前記中空ボルト部材をねじ込むことと、
    導電性の中実ボルト部材を前記スリーブの周壁部に螺合させて、前記中実ボルト部材の先端が前記第2鉄筋または前記第1鉄筋の側面に当接するまで前記中実ボルト部材をねじ込むこととを含むことを特徴とする鉄筋の電気的接続方法。
  6. 少なくとも1つの開口部が先端側の周壁部に形成された前記中空ボルト部材を用いることを特徴とする請求項5に記載の電気的接続方法。
  7. 前記一方のプレキャストコンクリート部材を上階の柱部材として用い、前記他方のプレキャストコンクリート部材を下階の柱部材として用い、
    前記中空ボルト部材の先端が前記第1鉄筋の側面に当接するまで前記中空ボルト部材をねじ込むことを特徴とする請求項5または6に記載の電気的接続方法。
  8. 前記一方のプレキャストコンクリート部材を下階の柱部材として用い、前記他方のプレキャストコンクリート部材を上階の柱部材として用い、
    前記中空ボルト部材の先端が前記第2鉄筋の側面に当接するまで前記中空ボルト部材をねじ込むことを特徴とする請求項5または6に記載の電気的接続方法。
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