JP6233595B2 - インゴット予熱方法及びインゴット予熱装置 - Google Patents

インゴット予熱方法及びインゴット予熱装置 Download PDF

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本発明は、ダイカスト鋳造装置において採用される、保持炉に投入する前に、インゴット材、例えばアルミインゴットを予め加熱するインゴット予熱方法及インゴット予熱装置に関するものである。
一般的に、ダイカスト鋳造装置は、アルミインゴットを予め加熱する加熱装置を備えた加熱炉と、該加熱装置によって予め加熱されたアルミインゴットを溶解する保持炉と、該保持炉内の溶湯が供給されて鋳造品を成形するダイカストマシンとを備えている。通常、保持炉には、新規(未加熱)のアルミインゴットを迅速に溶解するための溶融性能を有する加熱装置は備えられていない。このために、保持炉の周辺に加熱炉を配置して、加熱炉内の加熱装置にて、アルミインゴットを予め溶融温度付近まで加熱して、高温度になったアルミインゴットを保持炉に投入して、所定温度の溶湯まで溶解するようにしている(特許文献1参照)。
そこで、従来、加熱炉内には、大容量の火炎を発生させる火炎口を上面に1箇所有する加熱装置が備えられている。そして、加熱炉内の加熱装置にてアルミインゴットを予め加熱する際には、加熱装置上に隙間を開けてアルミインゴットを支持して、該加熱装置の1箇所の火炎口からの火炎をアルミインゴットの下面に向かって発生させて、アルミインゴットを加熱していた。
特開2002−160050号公報
しかしながら、従来の加熱装置では、アルミインゴットが局所的に溶損したり、設定温度までの加熱効率(時間に対する昇温率)が好ましくなく、生産性に影響を与えるものであった。しかも、従来の加熱装置では、火炎口からの大容量の火炎をアルミインゴットの下面に向かって発生させているために、アルミインゴットの側方に加熱対流(ドラフト効果)が生じて、外部より新鮮な空気が入り込み、それによりアルミインゴットの表面が酸化してしまい、溶湯の酸化劣化につながる、という問題が生じていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、加熱効率を向上させると共にインゴット材の酸化を抑制することができるインゴット予熱方法及びインゴット予熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインゴット予熱方法は、複数の火炎口から火炎を発生させ、該複数の火炎によりインゴット材全体を包み込むようにして、該インゴット材を加熱することを特徴としている。
また、本発明インゴット予熱装置は、火炎が発生する火炎口を上面に複数設けた加熱装置と、該加熱装置の上面との間に隙間を設けるようにインゴット材を支持する支持部材と、を備え、平面視において、各火炎口のうち一部の火炎口が前記インゴット材の外側に、該インゴット材を取り囲むように配置されることを特徴としている。
これにより、従来と比較して、加熱効率を向上させることができると共にインゴット材の酸化を抑制することができる。
なお、本発明のインゴット予熱方法及びインゴット予熱装置の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
(1)鋳造用のインゴット材を溶解する保持炉に投入する前に、インゴット材を予め加熱するインゴット予熱方法であって、複数の火炎口から火炎を発生させ、該複数の火炎によりインゴット材全体を包み込むようにして、該インゴット材を加熱することを特徴とするインゴット予熱方法(請求項1の発明に相当)。
(1)項のインゴット予熱方法では、従来よりも、時間に対する昇温率が大きくなり加熱効率が向上して、しかも、インゴット材の表面への酸化を抑制することができる。なお、インゴット材を加熱する際、複数の火炎によりインゴット材全体を隙間無く完全に包み込むことが好ましいが、インゴット材の上方の一部が開放されても良い。
(2)前記複数の火炎口をインゴット材の下方に配置して、且つ該複数の火炎口のうち一部の火炎口を、平面視で前記インゴット材の外側に、該インゴット材を取り囲むように配置して、各火炎口からの複数の火炎により該インゴット材を加熱することを特徴とする(1)項に記載のインゴット予熱方法(請求項2の発明に相当)。
(3)前記インゴット材をその下方に空間を設けるように支持して、前記火炎口をインゴット材の側方に複数配置して、各火炎口からの火炎により前記インゴット材を加熱することを特徴とする(1)項に記載のインゴット予熱方法。
(2)項及び(3)項のインゴット予熱方法では、容易に、複数の火炎にてインゴット材全体を包み込むようにして加熱することができる。
(4)前記火炎を渦状に形成することを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれかに記載のインゴット予熱方法(請求項3の発明に相当)。
(4)項に記載のインゴット予熱方法では、渦状の火炎がインゴット材に衝突するとその火炎が表層剥離せずに、火炎がインゴット材の表面にて衝突噴流化したとき、その表面に沿って拡散するために、加熱効率がさらに向上する。
(5)鋳造用のインゴット材を溶解する保持炉に投入する前に、インゴット材を予め加熱するインゴット予熱装置であって、火炎が発生する火炎口を上面に複数設けた加熱装置と、該加熱装置の上面との間に隙間を設けるようにインゴット材を支持する支持部材と、を備え、平面視において、各火炎口のうち一部の火炎口が前記インゴット材の外側に、該インゴット材を取り囲むように配置されることを特徴とするインゴット予熱装置(請求項4の発明に相当)。
(6)前記インゴット材は断面台形状で所定長さを有しており、各火炎口の配置において、該インゴット材の短手方向に沿って配置された複数の火炎口の両端に位置する各火炎口の中心間の距離が、インゴット材の短手方向に沿う最大幅寸法と略同じか、あるいはそれより大きくなる配置を含み、また、インゴット材の長手方向に沿って配置された複数の火炎口の両端に位置する各火炎口の中心間の距離が、インゴット材の長手方向に沿う長さ寸法と略同じか、あるいはそれより大きくなる配置を含むことを特徴とする(5)項に記載のインゴット予熱装置。
(5)項及び(6)項のインゴット予熱装置では、容易に、加熱装置の複数の火炎口からの複数の火炎によりインゴット材全体を包み込むようにして加熱することができ、加熱効率の観点において最も良好である。
(7)鋳造用のインゴット材を溶解する保持炉に投入する前に、インゴット材を予め加熱するインゴット予熱装置であって、インゴット材の側部に向かって火炎を発生させる火炎口を複数設けた加熱装置と、インゴット材の下方に空間を形成するようにインゴット材を支持する支持部材と、を備えることを特徴とするインゴット予熱装置
(8)前記インゴット材は断面台形状で所定長さを有しており、前記各火炎口は、インゴット材の長手側の両側部に向かって配置されることを特徴とする(7)項に記載のインゴット予熱装置。
(7)項及び(8)項のインゴット予熱装置では、容易に、加熱装置の複数の火炎口からの複数の火炎によりインゴット材全体を包み込むようにして加熱することができる。しかも、インゴット材に付着している微粉などのごみや小さなバリ等の落下による加熱装置の各火炎口への影響を無くすことができる。
(9)前記火炎口には、渦状火炎生成手段が設けられることを特徴とする(5)項〜(8)項のいずれかに記載のインゴット予熱装置
(9)項のインゴット予熱装置では、渦状火炎生成手段により各火炎口からの火炎を渦状に形成することにより、インゴット材の加熱効率がさらに向上する。
本発明によれば、加熱効率を向上させると共にインゴット材の酸化を抑制することができるインゴット予熱方法及びインゴット予熱装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るインゴット予熱装置を示す概略図であり、複数の火炎によりアルミインゴット全体を包み込む様子を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係るインゴット予熱装置の断面図であり、複数の火炎によりアルミインゴット全体を包み込む様子を示す図である。 図3は、加熱装置の各火炎口の配列に係る二つの実施形態を示す図である。 図4は、加熱装置の各火炎口の配列に係る一実施形態を示す図である。 図5は、標準的なアルミインゴットを加熱する際の各加熱条件に対する合否結果を示す図表である。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るインゴット予熱装置を示す概略図であり、複数の火炎によりアルミインゴット全体を包み込む様子を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係るインゴット予熱装置が採用されるダイカスト鋳造装置の全体像を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1及び第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1a、1bは、図7を参照して、ダイカスト鋳造装置30の構成要素である加熱炉31内に配置される。本インゴット予熱装置1a、1bは、鋳造用のインゴット材として、例えばアルミインゴット2を保持炉32に投入する前に溶融温度付近の設定温度まで加熱するものである。図7に示すように、ダイカスト鋳造装置30を構成する、インゴット供給装置33、加熱炉31及び保持炉32は互いに近接して配置されている。そして、上下方向に沿って複数段に亘って収容されている多数のアルミインゴット2が順次インゴット供給装置33により加熱炉3内に供給されて本インゴット予熱装置1a、1bにより溶融温度付近の設定温度まで予め加熱される。その後、本インゴット予熱装置1a、1bにて予め加熱されたアルミインゴット2が、加熱炉31からロボットハンド(図示略)等により保持炉32に投入される。その後最終的に、予め加熱されたアルミインゴット2が保持炉32にて所定温度の溶湯に溶解されて、保持炉32内の溶湯がダイカストマシン34に供給されて、ダイカストマシン34にて鋳造品が成形される。
なお、図1及び図2に示すように、アルミインゴット2は断面台形状で、所定長さを有するものである。また、標準的なアルミインゴット2の寸法は、短手方向の長辺側寸法が100mm、長手方向の長さ寸法が700mm、厚さ寸法が35mmであり、重量が約5kgである。また、本インゴット予熱装置1a、1bによるアルミインゴット2の予熱温度は450℃に設定されている。
まず、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aを図1〜図5に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aは、加熱炉31(図7参照)内に配置され、火炎が発生する火炎口5を上面に複数設けた加熱装置6と、該加熱装置6の上面との間に隙間を設けるようにアルミインゴット2を支持する複数の支持部材7とを備えている。各火炎口5にはガス供給源(図示略)が連通される。そして、各火炎口5にガス及び燃焼エアが供給されて、各火炎口5から同じ容量の火炎がそれぞれ発生する。各火炎口5には渦状火炎生成手段4がそれぞれ設けられる。該渦状火炎生成手段4は、例えば、燃焼エアに旋回流を形成することで渦状のガス流動形態を生成して、渦状の火炎を形成するものである。
各火炎口5は、図3(a)に示すように長手方向に沿って隣接する各列にてその数量が同じである配置や、図3(b)に示すように長手方向に沿って隣接する各列にてその数量が異なるような配置が採用される。但し、各火炎口5の配列形態は、図3(a)、(b)に示す配列形態に限定されることはない。また、各火炎口5は、平面視において、全ての火炎口5のうち一部の火炎口5がアルミインゴット2の外側に、該アルミインゴット2を取り囲むように配置される。すなわち、一部の火炎口5の一部分または全域がアルミインゴット2の外側に、該アルミインゴット2を取り囲むように配置すればよい。
例えば各火炎口5の配置における一実施形態として、図4に示すように、各火炎口5は、アルミインゴット2の短手方向に沿って配置された複数の火炎口5の両端に位置する各火炎口5の中心間の距離W1が、アルミインゴット2の短手方向に沿う最大幅寸法W2と略同じか、あるいはそれより大きくなる配置を含むようにそれぞれ配置される。同様に、各火炎口5は、アルミインゴット2の長手方向に沿って配置された複数の火炎口5の両端に位置する各火炎口5の中心間の距離L1が、アルミインゴット2の長手方向に沿う長さ寸法L2と略同じか、あるいはそれより大きくなる配置を含むようにそれぞれ配置される。
加熱装置6の上面には、該加熱装置6の上面とアルミインゴット2の下面との間に所定の隙間を開けるように支持部材7が複数配置される。各支持部材7の厚みが、加熱装置6の上面とアルミインゴット2の下面との間の隙間寸法を調整する。
そして、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aにて、各火炎口5から火炎(火炎量は略同じ)を発生させると、図1及び図2に示すように、各火炎口5からの複数の火炎が、アルミインゴット2の下面全域から側面全域及び上面略全域にまで至るようになり、複数の火炎によりアルミインゴット2全体を包み込む、言い換えれば複数の火炎によりアルミインゴット2全体を覆うようになる。しかも、各火炎口5からの渦状の火炎は、アルミインゴット2の表面に衝突して衝突噴流化したとき、アルミインゴット2の表面から剥離することなく、火炎がアルミインゴット2の表面に沿って拡散するようになる。
なお、複数の火炎によりアルミインゴット2全体を包み込むことによる作用効果は、複数の火炎によりアルミインゴット2全体を隙間無く完全に包み込む状態で最良となるが、アルミインゴット2の上方の一部(平面視で略中央部位)が開放された状態でもよい。要するに、アルミインゴット2の側方全域に複数の火炎が立ち上がり、その各火炎がアルミインゴット2の短手方向両端部の傾斜面に沿って上方に向かって延びるような状態を含むものである(図2参照)。
そこで、上述した標準的なアルミインゴット2を加熱する際の各加熱条件に対する合否結果を図5に示す。なお、この加熱試験では、火炎口5の径は全て同一であり、φ8mmに設定される。また、火炎口5が1個の場合は、火炎口5は、平面視でアルミインゴット2の略中央部位に配置される。一方、火炎口5が複数の場合は、平面視において、全ての火炎口5のうち一部の火炎口5がアルミインゴット2の外側に、該アルミインゴット2を取り囲むように配置される。各火炎口5からの火炎は渦状火炎生成手段4により渦状に形成されており、アルミインゴット2との間で衝突噴流化させている。
また、火炎口5が複数の場合、各火炎口5の長手方向に沿うピッチ及び短手方向に沿うピッチは、火炎口5の数量に基づいて適宜設定される。さらに、火炎口5が複数の場合、各火炎口5からの火炎の容積(火炎量)は全て同一である。さらにまた、例えば、使用ガス量(全火炎量)が0.1m/kgにて同じで、火炎口5が1個の場合と100個の場合とで比較すると、1個の場合の火炎口5からの火炎の容積(火炎量:0.1(m/kg))は、100個の場合の各火炎口5からの火炎の容積(火炎量:0.1/100(m/kg))よりも大きくなる。すなわち、本加熱試験では、使用ガス量(全火炎量)が同じである場合には、各火炎口5の径は全て同一であるので、例えば、1個の場合の火炎口5からの火炎の高さが、100個の場合の各火炎口5からの火炎の高さよりも高くなる。
そして、図5に示す結果の通り、火炎口5の数量が1個の場合は、使用ガス量や各火炎口5とアルミインゴット2との間の隙間を変化させても、その結果は全て不合格となっている。そこで、火炎口5の数量が1個で、使用ガス量が0.05m/kg、各火炎口5とアルミインゴット2との間の隙間が100mmの場合は、局部溶解は発生していないが、450℃までの加熱時間が380秒必要であり加熱効率が好ましくなく合格に至っていない。一方、火炎口5の数量N(個)が50≦N≦200で、使用ガス量G(m/kg)が0.05≦G≦0.1で、加熱装置6の上面(各火炎口5)とアルミインゴット2の下面との間の隙間H(mm)が30≦H≦100の場合は、局部溶解も発生せず、450℃までの加熱時間も許容範囲に到達しており合格に至っている。
要するに、短手方向の長辺側寸法が100mm、長手方向の長さ寸法が700mm、厚さ寸法が35mmで、重量が約5kgである標準的なアルミインゴット2を加熱する場合には、各火炎口5からの火炎速度V(m/s)をV≧10で適宜設定し、各火炎口5からの火炎の容積(火炎量)を同一にして、また、火炎口5の数量N(個)を50≦N≦200、使用ガス量G(全火炎量)(m/kg)を0.05≦G≦2.0、加熱装置6の上面(各火炎口5)とアルミインゴット2の下面との間の隙間H(mm)を30≦H≦100で適宜設定すればよいことが解る。
以上説明したように、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aは、火炎が発生する火炎口5を上面に複数設けた加熱装置6と、該加熱装置6の上面との間に隙間を設けるようにアルミインゴット2を支持する複数の支持部材7とを備え、全ての火炎口5のうち一部の火炎口5を、平面視でアルミインゴット2の外側に、該アルミインゴット2を取り囲むように配置する。この結果、各火炎口5からの複数の火炎により、アルミインゴット2全体を包み込むようにして、該アルミインゴット2を加熱することができる。これにより、アルミインゴット2の加熱効率を向上させることができ、加熱効率の観点から最も良好な実施形態となる。さらに、アルミインゴット2を包み込む火炎により、空気のアルミインゴット2の表面への進入を遮断できるので、アルミインゴット2表面の酸化を抑制することができる。
また、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aでは、各火炎口5からの火炎は渦状火炎生成手段4により渦状に形成され、各火炎口5からの渦状の火炎がアルミインゴット2の表面にて衝突噴流化したとき、その火炎がアルミインゴット2の表面に沿って拡散するために、さらに加熱効率を向上させることができる。
なお、本発明の第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aでは、各火炎口5からの火炎量は同一に設定されているが、火炎口5の位置によってその火炎量を相違させるようにしてもよい。例えば、平面視で、全火炎口5のうち最も外側に位置する各火炎口5の火炎量を、内側に位置する各火炎口5の火炎量よりも大きくなるように設定してもよい。すなわち、図示はしないが、ガス供給源から延びるガス供給管を、最も外側に位置する各火炎口5に連通する第1ガス供給管と、内側に位置する各火炎口5に連通する第2ガス供給管とに分岐させて、第1及び第2ガス供給管のそれぞれに対応する調整バルブの開度を調整することで、最も外側に位置する各火炎口5の火炎量を、内側に位置する各火炎口5の火炎量よりも大きくなるように設定してもよい。
次に、第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1bを図6に基づいて説明する。なお、第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1bを説明する際には、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aとの相違点のみを説明する。
第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1bは、図6に示すように、アルミインゴット2の側部に向かって火炎を発生させる火炎筒部10を複数設けた加熱装置11と、アルミインゴット2の下方に空間を設けるように該アルミインゴット2を支持する複数の支持部材12とを備えている。なお、各火炎筒部10内には、渦状火炎生成手段4がそれぞれ備えられる。各火炎筒部10のアルミインゴット2側の開口が火炎口に相当する。
具体的には、各火炎筒部10は、アルミインゴット2の長手側の両側部に向かって配置され、且つ、長手方向に沿って間隔を置いて配置されている。そして、各火炎筒部10から火炎を発生させると、各火炎筒部10からの複数の火炎が、アルミインゴット2の側面全域(長手側及び短手側の側面全域)から上面全域及び下面全域に到達するようになり、複数の火炎によりアルミインゴット2全体を包み込むようになる。なお、各火炎筒部10の配置において、アルミインゴット2の長手方向に沿って配置された複数の火炎筒部10の両端に位置する各火炎筒部10の中心間の距離が、アルミインゴット2の長手方向に沿う長さ寸法と略同じか、あるいはそれより大きくなる配置にしたほうがよい。また、アルミインゴット2の長手側の両側部に向けて複数配置された火炎筒部10に加えて、さらにアルミインゴット2の短手側の両側部に向かって火炎を発生させる火炎筒部10を複数備えてもよい。
以上説明したように、第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1bは、アルミインゴット2の長手側の両側部に向かって火炎を発生させる火炎筒部10を複数設けた加熱装置11と、アルミインゴット2の下方に空間を設けるように該アルミインゴット2を支持する複数の支持部材12とを備えている。これにより、第1の実施形態に係るインゴット予熱装置1aと同様の作用効果を得ることができる。しかも、第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1bでは、加熱装置11において、アルミインゴット2の長手側の両側部に向かって火炎を発生させる火炎筒部10を複数備えているので、アルミインゴット2に付着している微粉などのごみや小さなバリ等が落下して、各火炎筒部10を塞ぐ等の影響を受けることはない。
なお、本発明の第1及び第2の実施形態に係るインゴット予熱装置1a、1bでは、インゴット材としてアルミインゴット2を適用した実施形態を説明したが、他のインゴット材、例えばマグネシウムインゴットを適用することもできる。
1a、1b インゴット予熱装置,2 アルミインゴット(インゴット材),4 渦状火炎生成手段,5 火炎口,6 加熱装置,7 支持部材,10 火炎筒部(火炎口),11 加熱装置,12 支持部材,30 ダイカスト鋳造装置,31 加熱炉,32 保持炉

Claims (4)

  1. 鋳造用のインゴット材を溶解する保持炉に投入する前に、インゴット材を予め加熱するインゴット予熱方法であって、
    複数の火炎口から火炎を発生させ、該複数の火炎によりインゴット材全体を包み込むようにして、該インゴット材を加熱することを特徴とするインゴット予熱方法。
  2. 前記複数の火炎口をインゴット材の下方に配置して、且つ該複数の火炎口のうち一部の火炎口を、平面視で前記インゴット材の外側に、該インゴット材を取り囲むように配置して、各火炎口からの複数の火炎により該インゴット材を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインゴット予熱方法。
  3. 前記火炎を渦状に形成することを特徴とする請求項1または2に記載のインゴット予熱方法。
  4. 鋳造用のインゴット材を溶解する保持炉に投入する前に、インゴット材を予め加熱するインゴット予熱装置であって、
    火炎が発生する火炎口を上面に複数設けた加熱装置と、
    該加熱装置の上面との間に隙間を設けるようにインゴット材を支持する支持部材と、
    を備え、
    平面視において、各火炎口のうち一部の火炎口が前記インゴット材の外側に、該インゴット材を取り囲むように配置されることを特徴とするインゴット予熱装置。
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