JP6300462B2 - 鋳造方法及び鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造方法及び鋳型に関する。
鋳型に溶湯(溶融状態の金属)を流し込む鋳造(重力鋳造)方法において、鋳型に注がれた溶湯を積極的に冷却する技術が知られている(例えば特許文献1及び2)。特許文献1では、空気又は空気と水との混合気流を鋳型内に設けた流路に供給する技術が開示されている。特許文献2では、鋳型を構成する砂に水を浸透させる技術が開示されている。
特公平4−45264号公報 特開平9−225621号公報
しかし、特許文献1の技術は、鋳物(となる溶湯)を局部的に冷却するためのものであり、鋳造の効率化には寄与しない。また、特許文献2は、水を砂に浸透させることから、種々の不都合が生じる。例えば、鋳型を長期に亘って再利用することが困難である。また、溶湯が急冷されることから、鋳物の不良発生を抑制するために、A1変態温度直前までしか冷却を行えない。
従って、好適に溶湯を冷却できる鋳造方法及び鋳型が提供されることが望ましい。
本発明の一態様に係る鋳造方法は、枠に砂を詰めて構成された鋳型に溶湯を流し込む鋳造方法であって、鋳物が形成される空隙である鋳物部の下方、側方及び上方にて、砂粒間に気体を供給することにより前記鋳物部内の溶湯を冷却する。
好適には、溶湯の温度がA1変態温度よりも高い温度から常温になるまで砂粒間への気体の供給を行う。
好適には、溶湯の温度がA1変態温度に到達する前に砂粒間への気体の供給量を小さくする。
好適には、前記鋳型は、隙間を介して互いに対向するとともに、前記鋳物部側に面する1対の板状部材を有し、前記1対の板状部材のうち、少なくとも前記鋳物部側の板状部材は、前記砂に当接しているとともに複数の孔が形成されており、前記1対の板状部材間に気体を供給することにより、前記複数の孔から砂粒間に気体を供給する。
好適には、前記1対の板状部材は、前記砂に埋設されている。
好適には、前記鋳型は、前記砂に埋設された管状部材を有し、前記管状部材には、内周面から外周面に貫通する複数の孔が形成されており、前記複数の孔から砂粒間に気体を供給する。
本発明の一態様に係る鋳造方法は、枠に砂を詰めて構成された鋳型に溶湯を流し込む鋳造方法であって、溶湯の温度がA1変態温度よりも高い温度から常温になるまで砂粒間へ気体を供給して前記鋳物部内の溶湯を冷却する。
本発明の一態様に係る鋳型は、枠と、前記枠に詰められ、鋳物が形成される空隙である鋳物部を構成する砂と、隙間を介して互いに対向するとともに、前記鋳物部側に面する1対の板状部材と、を有し、前記1対の板状部材のうち、少なくとも前記鋳物部側の板状部材は、前記砂に当接しているとともに複数の孔が形成されている。
本発明の一態様に係る鋳型は、枠と、前記枠に詰められ、鋳物が形成される空隙である鋳物部を構成する砂と、前記砂に埋設され、内周面から外周面に貫通する複数の孔が形成された管状部材と、を有する。
本発明によれば、溶湯を好適に冷却できる。
本発明の第1の実施形態に係る鋳型の構成を示す模式的な断面図。 図1の鋳型の板状部材を示す斜視図。 図1の鋳型における冷却工程を説明する図。 本発明の第2の実施形態に係る鋳型の構成を示す模式的な断面図。 図4の鋳型の管状部材を示す斜視図。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鋳型1の構成を示す断面図である。なお、図1は、模式的なものであり、必ずしも同一断面を示してはいない。
鋳型1は、例えば、下型3と、下型3の上に配置される上型5と、これらの間に配置される中子7と、上型5の上に配置される湯溜め9とを有している。これらの部材の内部乃至は部材間には、例えば、鋳物が形成される空隙部である鋳物部11と、鋳物部11に溶湯を導くための湯口系統13とが構成されている。
鋳型1は、いわゆる砂型である。すなわち、下型3は、枠15と、枠15内に配置された砂部17とを有している。同様に、上型5は、枠19と、枠19内に配置された砂部21とを有している。中子7は、砂部からなる。湯溜め9は、枠23と、枠23内に配置された砂部25とを有している。
枠15、19及び23は、例えば、金属又は木材からなる。砂部17、21及び25並びに中子7は、例えば、砂と、砂を結合する粘結剤とからなる。砂は、例えば、珪砂である。粘結剤は、例えば、粘土、樹脂又は水ガラスである。特に図示しないが、公知のように、砂部17、21及び25並びに中子7において、砂粒間には隙間が形成されており、気体が流れ込むことが可能となっている。
鋳物部11は、下型3の砂部17及び上型5の砂部21(並びに中子7)に囲まれた隙間により構成されている。なお、鋳物部11の形状は、中子7を必要としないものであってもよい。図1では、下型3のみに凹部が形成され、その凹部に中子7が配置された簡単な形状の鋳物部11を模式的に示している。当然に、実際の鋳物の具体的な形状に応じて、下型3、上型5及び中子7のそれぞれにおいて、凹部及び/又は凸部が適宜に形成されてよい。
湯口系統13は、例えば、砂部17及び砂部21に形成された空隙、並びに/又は、砂部17と砂部21との隙間により構成されている。なお、陶管等の管状部材が砂部17又は21に埋設されることにおり、湯口系統13の一部が構成されていてもよい。湯口系統13の形状は適宜に構成されてよく、図1では、いわゆる押上げ方式の湯口系統を例示している。
鋳型1は、溶湯を冷却するための気体が流れる複数の流路27を有している。複数の流路27は、例えば、鋳物部11に対して上方、下方及び側方(例えば4つの側方全部)に設けられ、合計6つ設けられている。なお、複数の流路27は、適宜に接続されていてもよい。
各流路27は、例えば、鋳型1の外部から鋳型1の内部(より詳細には砂部17及び21の内部)へ気体を導く通路部29と、導かれた気体を砂部17及び21内にて分散させるための分散部31とを有している。
通路部29は、鋳型1の外部に開口するとともに鋳型1の内部(より詳細には砂部17及び21の内部)に延びている。通路部29は、湯口系統13等と同様に構成されてよい。例えば、通路部29は、砂部17及び21に空隙が形成されることにより構成されてもよいし、陶管等の管状部材が砂部17又は21に埋設されることにより構成されてもよい。図1では、管状部材が砂部21に埋設されることにより構成されている場合を例示している。
図2は、分散部31の構成を示す模式的な斜視図である。
分散部31は、隙間を介して互いに対向する第1板状部材33A及び第2板状部材33B(以下、両者を区別せずに、単に「板状部材33」ということがある。)を有している。1対の板状部材33は、図1に示すように、鋳物部11に面している。第1板状部材33Aは、鋳物部11側に位置し、第2板状部材33Bは、鋳物部11とは反対側に位置している。
図2に示すように、第1板状部材33Aには、複数の孔35が形成されている。また、通路部29は、1対の板状部材33の間の隙間と、鋳型1の外部とを連通している。従って、鋳型1の外部から通路部29に気体を供給すると、その気体は、複数の孔35から鋳物部11側へ送出される。送出された気体は、砂部17及び21の砂粒間の隙間を流れる。これにより、砂部17及び21が冷却される。また、砂部17及び21を通過して鋳物部11に到達した気体は、溶湯に触れて溶湯を冷却する。
1対の板状部材33の形状、面積、厚み、板間の間隔、対の数及び配置等は適宜に設定されてよい。例えば、図1では、鋳物部11を囲む直方体状の箱が概ね構成されるように6対の板状部材33が設けられている。すなわち、概ね矩形の平板状の板状部材33により1対の板状部材33が構成され、6対の板状部材33が鋳物部11の上方、下方及び4つの側方に、これら6方位に概ね直交するように配置されている。さらに、下方及び4つの側方に配置された5対の板状部材33は、互いに当接している。また、例えば、下方及び4つの側方に位置する5対の板状部材33は下型3に設けられ、上方の1対の板状部材33は上型5に設けられている。なお、上型5において鋳物部11の側方に板状部材33(流路27)を設け、鋳物部11を囲む面積を更に大きくすることも可能である。
1対の板状部材33の外周は、他の部材により塞がれていてもよいし、塞がれずに砂部17及び21に気体を供給可能であってもよい。また、他の部材により塞がれる場合、その部材は気体を砂部17及び21に供給するための複数の孔が形成されていてもよい。図1では、塞がれている場合を例示している。
複数の孔35の開口面積、形状、数、配置範囲及び配列方法等は適宜に設定されてよい。また、複数の孔35は、開口面積及び形状等が互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、図1及び図2では、同一形状の複数の孔35が第1板状部材33Aの全体に亘って均等に分布している。
板状部材33の材料は、鋳造の際の熱によって焼失乃至は溶解しないものであればよい。例えば、板状部材33は、鋼等の金属又はセラミックにより形成されている。
通路部29と分散部31との接続位置は適宜に設定されてよい。例えば、通路部29は、第2板状部材33B(分散部31の鋳物部11とは反対側の面)に形成された開口を介して1対の板状部材33間の隙間に通じている。この開口は、第2板状部材33Bの中央や角部付近等の適宜な位置に形成されてよい。また、一の分散部31に接続される通路部29の数も適宜に設定されてよい。図1では、一の分散部31につき2つの通路部29が接続されている場合を例示している。
通路部29及び分散部31を利用した鋳型1における気体の流れは、適宜に設定されてよい。
例えば、全ての通路部29に所定の圧力で気体が供給されてよい。この場合、全ての分散部31が複数の孔35から気体を送出する。送出された気体は、砂部17及び21の砂粒間(の隙間)を通り、鋳型1の上面等の砂部17及び21が外部に露出する部分から鋳型1の外部へ排出される。砂部17及び21から気体を好適に排出するために、枠15及び19に砂部17及び21を露出させるための開口が適宜に形成されてもよい。
また、例えば、各分散部31に接続された複数の通路部29のうち、一部の通路部29にのみ所定の圧力で気体が供給されてよい。この場合、基本的には上記と同様に、全ての分散部31は砂部17及び21へ気体を送出する。ただし、気体を砂部17及び21に送出する圧力は低下する。その一方で、分散部31の内部で温度が上昇した気体を、気体が供給されない通路部29から早期に排出して、より低い温度の気体を砂部17及び21へ供給できる。なお、排出用の通路部29は、供給用の通路部29よりも、流れに直交する断面積が小さいことが好ましい。
また、例えば、複数の流路27(通路部29及び分散部31)のうち、一部のみに気体を供給するようにしてもよい。この場合、一部の流路27は砂部17及び21に気体を送出し、他の流路27は、砂部17及び21からの気体を排出する。これにより、例えば、砂部17及び21に任意の気体の流れを生じさせることができる。
気体は、空気でもよいし、不活性ガス(窒素等)等の他の気体であってもよい。また、気体は、急激な冷却を避ける等の観点からはミストを含んでいないことが好ましいが、ミストを含んでいてもよい。気体を鋳型1(通路部29)に供給する手段は、適宜に構成されてよい。例えば、工場においては、機器等の冷却用乃至は機器等の駆動用に空気を送出するための設備が常備されているから、これを鋳型1への空気の供給に利用してよい。もちろん、鋳型1への気体の供給のためだけに、ポンプ等が設けられてもよい。
図3は、鋳型1を用いた鋳造方法(冷却工程)の手順を説明する図である。
横軸は時間を示し、縦軸は溶湯(鋳物)の温度及び流路27への気体の供給量を示している。線Ltは鋳造中の溶湯の温度の変化を示し、線Lwは鋳造中の流路27への気体の供給量の変化を示している。なお、この図は、温度及び供給量の変化態様(パターン)の概略を模式的に示すものであり、線Lt及び線Lwに示される温度及び供給量の変化量や変化速度等は必ずしも現実のものとは一致しない。
まず、鋳型1に溶湯が供給される。そして、溶湯が鋳型1に供給された直後(例えば溶湯の供給完了から5分以内)、流路27への気体の供給が開始される(時刻t1)。このときの気体の供給量は、比較的大きいV1とされる。従って、溶湯は比較的急激に冷却される。
次に、溶湯の温度がA1変態温度(図中A1)に近づくと、気体の供給量は比較的小さいV2とされる。これにより、溶湯の温度変化は緩やかになる。ただし、気体を全く供給しない場合(鋳型1を大気下にて自然冷却する場合)に比較して、溶湯の温度の低下速度は速い。
その後、溶湯の温度は、A1変態温度よりも低くなり、さらには、室温RT(常温)に到達する。室温RTは、例えば、日本工業規格が定める常温20℃±15℃(5℃以上35℃以下)である。
なお、溶湯の温度がA1変態温度よりも低くなった後、点線Lwmで示すように、再度流路27への気体の供給量を大きくしてもよい。この場合、溶湯の温度は、より早く室温RTに到達する。
上記のような溶湯の温度に応じた送風量の調整は、温度センサにより溶湯の温度を検出し、その検出温度に基づいて行われてもよいし、実験や経験に基づいて、注湯からの時間に基づいて行われてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、枠15及び19に砂を詰めて構成された鋳型1に溶湯を流し込む鋳造方法は、鋳物が形成される空隙である鋳物部11の下方、側方及び上方にて、砂粒間に気体を供給することにより鋳物部11内の溶湯を冷却する工程を有する。
従って、鋳物(溶湯)を全体的に冷却して、鋳造を効率化することができる。また、空冷であることから、例えば、水冷に比較して、鋳型1の再利用が容易化され、また、溶湯が急激に冷却されることが抑制される。
溶湯が急激に冷却されることが抑制されるから、例えば、A1変態温度以下の温度領域において、鋳物の寸法不良、変形乃至は割れが発生することが抑制される。すなわち、注湯完了直後から溶湯の温度が室温に至るまで冷却を行うことができる。別の観点では、溶湯の温度がA1変態温度よりも高い温度から低い温度になるまで砂粒間への気体の供給を継続することができる。従って、注湯から鋳物を取り出すまでの鋳造全体において、水冷よりも効率化されることが期待される。
また、本実施形態では、溶湯の温度がA1変態温度に到達する前に砂粒間への気体の供給量を小さくする。
従って、溶湯の温度がA1変態温度に到達する前においては急激に溶湯を冷却して鋳造の効率化を図ることができ、その一方で、溶湯の温度がA1変態温度を通過するときは溶湯の冷却速度を緩やかにして不良の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、鋳型1は、隙間を介して互いに対向するとともに、鋳物部11側に面する1対の板状部材33を有している。1対の板状部材33のうち、少なくとも鋳物部11側の板状部材33は、砂に当接しているとともに複数の孔35が形成されている。そして、冷却工程では、1対の板状部材33間に気体を供給することにより、複数の孔35から砂粒間に気体を供給する。
従って、簡便な構成で砂部17及び19に対して広い範囲で気体を供給することができ、効率的に鋳物部11を全体的に冷却することができる。また、1対の板状部材33は、砂に埋設されていることから、砂部17及び19の補強に寄与することも期待される。
なお、本発明者は、数十トンの大型鋳物の鋳造において、本実施形態の鋳造方法(冷却)を実施した。従来は、この大型鋳物の鋳造においては、注湯直後から鋳型を2日間放置(自然冷却)し、その後、上型を取り除いて鋳物及び下型を5日間放置することにより、鋳物の温度を室温にしていた。すなわち、注湯から鋳物の取り出しまで、合計で7日間を要していた。しかし、本実施形態(乃至は後述する第2の実施形態)の鋳造方法を実施したところ、注湯から鋳物の取り出しまでの期間を4日乃至は4日半とすることができた。
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態に係る鋳型201の構成を示す図1と同様の断面図である。なお、鋳型201において、第1の実施形態の鋳型1の構成と同一又は類似の構成については、第1の実施形態の符号と同一の符号を付し、説明を省略することがある。
鋳型201は、第1の実施形態と同様に、砂部17及び21に気体を供給することにより鋳物部11の溶湯を冷却可能に構成されてる。ただし、そのための流路227の構成が第1の実施形態の流路27の構成と異なる。具体的には、以下のとおりである。
鋳型201の流路227は、例えば、管状部材229が砂部17及び21に埋設されることにより構成されている。管状部材229の断面形状、断面積、平面形状、長さ、厚み、数、配置間隔及び配置範囲等は適宜に設定されてよい。
例えば、図4では、管状部材229は、断面円形であり、直線状に延びており、鋳物部11に亘る長さを有している。そして、複数の管状部材229は、鋳物部11を囲む6方向(6面)に設けられている。各面において、複数の管状部材229は、鋳物部11全体に亘って配列されている。すなわち、鋳物部11は、複数の管状部材229によって囲まれている。
なお、管状部材229の材料は、板状部材33と同様に、鋳造の際の熱によって焼失乃至は溶解しないものであればよい。例えば、管状部材229は、鋼等の金属又はセラミックにより形成されている。
特に図示しないが、管状部材229の内部は、鋳型201の外部に通じており、鋳型201の外部から気体を供給可能とされている。例えば、管状部材229は、その一端又は両端が枠15及び19から突出している。
なお、複数の管状部材229(複数の流路227)は、互いに連通されていてもよい。例えば、複数の管状部材229は、端部同士が交互に連通されてジグザグの流路を構成したり、一端又は両端が順次連通されてマニホールド状の流路を構成したりしてもよい。この場合、その複数の管状部材229の一部のみが直接的に鋳型1の外部に通じていればよい。
図5は、管状部材229を示す模式的な斜視図である。
管状部材229には、内周面から外周面に貫通する複数の孔235が形成されている。従って、管状部材229に気体が供給されると、複数の孔235から気体が送出される。これにより、第1の実施形態と同様に、砂部17及び21の砂粒間に気体を供給することができる。
複数の孔235の開口面積、形状、数、配置範囲及び配列方法等は適宜に設定されてよい。例えば、図5では、複数の孔235が、鋳物部11側において管状部材229の長手方向に沿って1列で設けられている場合を例示している。
流路227(管状部材229)における気体の流れは、第1の実施形態と同様に、適宜に設定されてよい。例えば、管状部材229は、一端が塞がれた状態で他端から気体が供給され、又は、両端から気体が供給され、気体が供給されるのみでもよい。また、例えば、管状部材229は、一端から気体が供給され、管状部材229にて熱せられた気体を他端から排出してもよい。また、例えば、複数の管状部材229のうち、一部は気体の供給に、他は気体の排出に用いられてもよい。
鋳造方法(冷却工程)の手順も、第1の実施形態と同様に、図3を参照して説明した手順とされてよい。
以上のとおり、本実施形態の鋳造方法も、第1の実施形態と同様に、鋳物が形成される空隙である鋳物部11の下方、側方及び上方にて、砂粒間に気体を供給することにより鋳物部11内の溶湯を冷却する工程を有する。従って、第1の実施形態と同様に、鋳造の効率化、鋳型201の再利用の容易化、溶湯の急冷の抑制等の効果が奏される。
また、本実施形態では、鋳型201は、砂に埋設された管状部材229を有している。管状部材229には、内周面から外周面に貫通する複数の孔235が形成されている。そして、冷却工程では、複数の孔235から砂粒間に気体を供給する。
従って、板状部材33を設けた場合と同様に、簡便な構成で砂部17及び19に対して広い範囲で気体を供給することができ、効率的に鋳物部11を全体的に冷却することができる。また、1対の管状部材229により砂部17及び19が補強されることも期待される。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
図1に示した鋳型の全体構成は、一例に過ぎない。鋳物部の形状及び湯口系統の形状、並びに、これらの形成に係る下型、上型及び中子の役割分担は適宜に変更されてよい。例えば、湯溜めに代えて受口が設けられてもよい。押上げ湯口に代えて見切り線湯口が採用されてもよい。押湯が設けられてもよい。
溶湯は、A1変態温度が定義されない金属(例えば純鉄)であってもよい。
気体の供給量は、供給開始から供給停止まで一定であってもよい。また、供給量を変化させる場合、その変化は実施形態のようにステップ状のものであってもよいし、漸近的なものであってもよい。
また、本発明は、溶湯の温度がA1変態温度付近であるときにも溶湯の冷却を継続することを可能とするが、溶湯の温度がA1変態温度になる前に気体の供給を停止してもよい。この場合、溶湯の温度がA1変態温度よりも低下した後、再度気体の供給を開始してもよいし、開始しなくてもよい。
鋳物部の上方、側方及び下方において砂粒間に気体を供給するための流路は、適宜に構成されてよく、板状部材又は管状部材を砂に埋設して構成されるものに限定されない。例えば、流路として、湯口系統と同様に、砂部に鋳型の外部と通じる空隙を形成するだけであってもよい。この流路の内周面は、砂によって構成されているから、この流路に気体が供給されれば、当然に砂粒間に気体が供給される。
ただし、本実施形態のように、板状部材又は管状部材を配置すれば、種々の効果が奏される。
例えば、砂部の強度を損なうことなく、鋳物部を囲む広い範囲に亘って流路を形成することができる。例えば、板状部材を埋設せずに、第1の実施形態のように、鋳物部を囲む箱形状の空隙を形成することは、砂部の強度を確保する観点からは困難である。
また、例えば、板状部材又は管状部材に形成される複数の孔の大きさを互いに異ならせたり、複数の孔の分布の密度を変化させたりすることにより、流路における流入側と流出側との圧力差(例えば管状部材の両端の圧力差)に関わらず、広い範囲に亘って一様に砂粒間に気体を供給したり、逆に、鋳物部の形状に応じて冷却速度を変化させたりすることができる。
1対の板状部材は、砂に埋設されるものではなく、枠に兼用されるものであってもよい。ただし、砂に埋設されるものであれば、枠の設計変更等が少なく、簡便に実現される。また、砂に埋設される1対の板状部材において、鋳物部とは反対側の板状部材にも複数の孔が設けられてもよい。板状部材は、平板状のものに限定されず、曲面状のものであってもよい。板状部材の複数の孔は、砂が入り込むことを防止する網で塞がれていてもよい。
管状部材は、鋳物部側だけでなく、鋳物部とは反対側やその他の方向にも複数の孔が形成されてもよい。また、管状部材は、直線状に延びるものに限定されず、適宜に屈曲するものであってもよい。
第1の実施形態と第2の実施形態とは適宜に組み合わされてよい。例えば、板状部材を鋳物部を囲むように設けて鋳物部を全体的に冷却しつつ、特に冷却したい部分に管状部材を設けてもよい。また、板状部材及び管状部材は、鋳物部に対して6方向に設けられる必要はない。
1…鋳型、11…鋳物部、15…枠、17…砂部、19…枠、21…砂部。

Claims (3)

  1. 枠に砂を詰めて構成された鋳型に溶湯を流し込む鋳造方法であって、
    鋳物が形成される空隙である鋳物部の下方、側方及び上方にて、砂粒間に気体を供給することにより前記鋳物部内の溶湯を冷却し、
    前記鋳型は、隙間を介して互いに対向するとともに、前記鋳物部側に面する1対の板状部材を有し、
    前記1対の板状部材は、前記砂に埋設されており、
    前記1対の板状部材のうち、少なくとも前記鋳物部側の板状部材は、前記砂に露出する複数の孔が形成されており、
    前記1対の板状部材間に気体を供給することにより、前記複数の孔から砂粒間に気体を供給し、
    側方からの断面視で前記鋳物部を上方、2つの側方及び下方から囲む4平面それぞれにおいて、各面に沿う平板状の前記1対の板状部材が設けられている
    鋳造方法。
  2. 前記1対の板状部材の外周は、他の部材に塞がれておらず、砂粒間に気体を供給可能である
    請求項1に記載の鋳造方法。
  3. 枠と、
    前記枠に詰められ、鋳物が形成される空隙である鋳物部を構成する砂と、
    隙間を介して互いに対向するとともに、前記鋳物部側に面する1対の板状部材と、
    前記隙間と前記隙間に気体を供給する手段とを連通する通路部と、
    を有し、
    前記1対の板状部材は、前記砂に埋設されており、
    前記1対の板状部材のうち、少なくとも前記鋳物部側の板状部材は、前記砂に露出する複数の孔が形成されており、
    側方からの断面視で前記鋳物部を上方、2つの側方及び下方から囲む4平面それぞれにおいて、各面に沿う平板状の前記1対の板状部材が設けられている
    鋳型。
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