JP6233221B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のステアリング装置に関する。
車両のステアリング装置が、例えば特許文献1に記載されている。このステアリング装置では、ドライバーの手動操作によるチルト機構が構成されている。このステアリング装置は、車体に対しステアリングホイールを所望の操作位置又は所定の復帰位置に保持し得るロック手段と、そのロック手段によって操作位置に保持されたステアリングホイールに対し、ステアリングホイールの保持が解除されたときに復帰位置に戻す復帰手段を備えている。復帰位置で保持されたステアリングホイールは、ドライバーが掴む支えとすることができる。
特開2011−183968号公報
ところで、ドライバーが車両に乗車する時又は車両から降車する時は、ドライバーにとって足を移動しやすいように、ステアリングホイールの下端とドライバーシートのシートクッションの前端との間隔(以下、「ステアリング−シート間隔」という。)が広い方が望ましい。従来のステアリング装置では、チルト機構を使用して、ドライバーがステアリングホイールを持ち上げると、ステアリング−シート間隔が広がる。しかし、乗車時又は降車時にアシストグリップとして利用できるステアリングホイールのリム部が車両の前側へ傾くため、ドライバーにとってリム部の掴みやすさが低下する虞がある。つまり、従来のステアリング装置では、乗車又は降車するドライバーにとって足を移動しやすくすると、アシストグリップとしてリム部を利用しにくくなる虞がある。
本発明は、乗車又は降車するドライバーにとって足の移動を行いやすくステアリングホイールのリム部をアシストグリップとして利用しやすいステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両のステアリングシャフトに取り付けられたボス部と、ボス部とは別体に形成されたリム部と、当該ステアリング装置が所定の操舵角に調節された所定状態でリム部の上端より下方で且つリム部の下端より上方の位置で車両の幅方向に延びる回転軸を中心にボス部に対しリム部を回転可能に支持する支持部とを有するステアリングホイールと、回転軸を中心にボス部に対しリム部を回転させることにより変化するリム部の傾きを、ステアリングホイールを操舵に用いる場合の操舵時の傾きに保持するロック部と、所定状態においてロック部によるロックが解除された状態で、操舵時の傾きからリム部の傾きを車両の前後方向の後方へ変化させる場合において、所定の傾きを超えるリム部の回転を阻止する回転阻止部とを備えているステアリング装置である。
本発明では、ボス部とリム部とが別体に形成されている。ステアリング装置が所定の操舵角に調節された所定状態では、支持部によって、リム部は車両の幅方向に延びる回転軸を中心にボス部に対し回転可能に支持されている。回転軸を中心にしてボス部に対しリム部を回転させると、車両の側方から見たリム部の傾きが変化する。また、ロック部によるロックがなされると、操舵時の傾きにリム部の傾きが保持される。ステアリングホイールはリム部が回転軸を中心に回転可能に構成されているものの、ステアリングホイールが操舵に用いられる運転中は、ロック部によって回転軸を中心としたリム部の回転を禁止できる。
また、所定状態においてロック部によるロックが解除されていれば、リム部の傾きは、操舵時の傾きから車両の前後方向の後方へ変化させることができる。この場合において、回転阻止部は、所定の傾きを超えるリム部の回転を阻止する。つまり、操舵時の傾きからリム部の傾きを変化させる場合、リム部の傾きが所定の傾きになる状態までしかリム部を回転させることができない。そのため、リム部の傾きが所定の傾きの状態では、ドライバーは、例えば、リム部に対して、リム部が回転しない車両の後側(ドライバーシート側)へ体重を掛けることができる。ドライバーは、リム部をアシストグリップとして利用できる。
また、所定状態で回転軸は、リム部の上端よりも下方で且つリム部の下端より上方に位置している。操舵時の傾きから所定の傾きまでリム部の傾きを変化させると、リム部の上端が車両の後側に移動する一方で、リム部の下端が車両の前側に移動する。その結果、リム部の上端がドライバーに近づくと共に、ステアリング−シート間隔が広がる。
本発明では、リム部の傾きが操舵時の傾きから所定の傾きへ変化するときに、リム部の上端がドライバーに近づくと共に、ステアリング−シート間隔が広がる。また、上述したように、運転中は、回転軸を中心としたリム部の回転を禁止できる。本発明によれば、ステアリンググリップとしてのリム部の利用性に影響を与えることなく、乗車又は降車するドライバーにとって足の移動を行いやすくリム部をアシストグリップとして利用しやすいステアリング装置を提供できる。
実施の形態に係るステアリング装置の概略構成図 ステアリングホイールの下側スポーク部の断面図
以下、図1−2を参照しながら、実施の形態のステアリング装置10について詳細に説明する。図1は、ステアリング装置10の概略構成図である。図1(a)は、車両の側方から見たときの図である。図1(b)は、ドライバーシート側から見たときのステアリングホイール12を示す。但し、図1(b)においてハッチングを付している部分はステアリングホイール12の断面を示す。図1(a)及び図1(b)は、車両の進行方向が直進方向になるようにステアリング装置10が調節された中立状態における図である。中立状態は、当該ステアリング装置10が所定の操舵角に調節された所定状態の一例である。
[ステアリング装置の構成]
ステアリング装置10は、車両の進行方向を変更するための装置である。ステアリング装置10は、ステアリングホイール12と、ロック部14と、回転阻止部16と、ステアリングシャフト30とを少なくとも備えている。本実施の形態では、ロック部14及び回転阻止部16が、ステアリングホイール12に設けられているが、ステアリングホイール12以外の箇所に設けられていてもよい。
ステアリングホイール12は、図1(a)に示すように、中立状態で車両の幅方向に延びる軸部材28を中心にしてリム部24を回転させることによって、車両の側方から見たリム部24の傾きを車両の前後方向に変化させることができる。リム部24の傾きは、操舵時の傾きから、その操舵時の傾きよりも車両の前後方向の後方へ傾斜した所定の傾きまで変化する。リム部24の傾きが所定の傾きのときは、ドライバーがリム部24をアシストグリップとして利用できる。以下では、所定の傾きを補助時の傾きと言う。図1(a)では、操舵時の傾きのときのリム部24を実線で示し、補助時の傾きのときのリム部24を二点鎖線で示している。以下、ステアリング装置10の各構成について説明する。
なお、操舵時の傾きから補助時の傾きまでリム部24の傾きを変化させるときのリム部24の回転方向(図1(a)における時計回りの回転方向)を第1の回転方向という。補助時の傾きから操舵時の傾きまでリム部24の傾きを変化させるときのリム部24の回転方向(図1(a)における反時計回りの回転方向)を第2の回転方向という。
ステアリングホイール12は、図1(b)に示すように、ボス部22と、リム部24と、複数のスポーク部26u,26dと、一対の軸部材28とを備えている。複数のスポーク部26u,26dは、ボス部22に一体化されている。中立状態では、ボス部22とリム部24とスポーク部26u,26dのうちリム部24だけが軸部材28を中心に回転する。なお、複数のスポーク部26u,26dは、リム部24に一体化されていてもよい。この場合、リム部24及びスポーク部26u,26dが軸部材28を中心に回転する。また、図1(b)に示すステアリングホイール12は、4つのスポーク部26u,26dを有しているが、スポーク部26u,26dの数は4つ以外でもよい。
ボス部22は、ステアリングホイール12の略中央部に位置している。ボス部22は、車両のステアリングシャフト30に取り付けられている。ボス部22には、ドライバーがクラクションを鳴らすときに使用するホーンボタンが設けられている(図示省略)。
リム部24は、円環状に形成されている。リム部24は、ボス部22の外側に位置している。リム部24が操舵時の傾きの状態(通常状態)では、リム部24の中心は、ボス部22に取り付けられたステアリングシャフト30の軸心上に位置している。
各スポーク部26u,26dは、ボス部22から外側へ延びている。各スポーク部26u,26dは、リム部24とは別体に形成されている。図1(b)に示す中立状態において、ステアリングホイール12では、複数のスポーク部26u,26dが左右対称に配置されている。ボス部22の左右にそれぞれ、上側スポーク部26uと下側スポーク部26dが設けられている。各上側スポーク部26uは、ボス部22の側面上部から、略水平方向に延びている。各上側スポーク部26uの外側端面はリム部24に連結されていない。各上側スポーク部26uの外側端面は、操舵時の傾きにおけるリム部24の内周面に近接している。各下側スポーク部26dは、ボス部22の側面下部から、斜め下方向に延びている。各下側スポーク部26dの外側端面は、操舵時の傾きにおけるリム部24の内周面に近接している。
一対の軸部材28は、中立状態でリム部24の中心より下方で且つリム部24の下端より上方の位置で車両の幅方向に延びる回転軸を中心にボス部22に対してリム部24を回転可能に支持する支持部を構成している。各軸部材28は回転軸を構成している。例えば、各軸部材28は、例えば円柱状に形成されている。一対の軸部材28は、互いに軸心が一致するように配置されている。各軸部材28は、各下側スポーク部26dに対してリム部24を回転可能に接続している。図1(b)では、右側の軸部材28が、右側の下側スポーク部26dとリム部24とを接続し、左側の軸部材28が、左側の下側スポーク部26dとリム部24とを接続している。各軸部材28の一端側は下側スポーク部26dの外側端面に形成された穴に嵌め込まれている。各軸部材28の他端側はリム部24の内周面に形成された穴に嵌め込まれている。例えば、各軸部材28は、下側スポーク部26dとリム部24のうちリム部24だけに固定されている。各下側スポーク部26dの穴内で各軸部材28が回転すると、リム部24が回転する。
中立状態では、一対の軸部材28が共に車両の幅方向に延びている。そのため、一対の軸部材28を支点にして、ボス部22とスポーク部26u,26dとが一体になった部分に対して車両の前後方向にリム部24を回転させると、図1(a)に示すように、リム部24の傾きが変化する。リム部24の傾きは、操舵時の傾きから、リム部24の上端を車両の前後方向の後方に移動させた補助時の傾きまでの範囲で変化する。なお、一対の軸部材28が車両の幅方向へ延びているため、リム部24の周方向には、ボス部22に対してリム部24を回転させることはできない。そのため、リム部24の傾きが補助時の傾きの状態(乗降補助傾斜状態)で、ドライバーがリム部24に体重を掛けても、リム部24の周方向にリム部24が回転することはない。
操舵時の傾きでは、リム部24の上端がリム部24の下端よりも車両の前側に位置している。補助時の傾きでは、リム部24の上端がリム部24の下端よりも車両の後側に位置している。図1(a)では、操舵時の傾きのときと補助時の傾きのときでは、リム部24の上端の高さがほぼ同じである。
中立状態において各軸部材28は、リム部24の上端よりも下方で且つリム部24の下端より上方に位置している。そのため、操舵時の傾きから補助時の傾きまでリム部24の傾きを変化させると、リム部24の上端が車両の後側に移動する一方で、リム部24の下端が車両の前側に移動する。このリム部24の傾きの変化に伴って、リム部24の上端がドライバーに近づくと共に、ステアリングホイール12の下端とドライバーシートのシートクッション40の前端とのステアリング−シート間隔が広がる。ドライバーにとってリム部24を掴みやすくなり、また、ドライバーにとって足を車両の内外へ出し入れしやすくなる。
ロック部14は、リム部24の傾きを操舵時の傾きに保持するロック状態と、リム部24の傾きを保持しないアンロック状態とに切り替え可能に構成されている。リム部24の傾きが操舵時の傾きの状態でロック部14をロック状態に切り替えることで、軸部材28を中心としたリム部24の回転が禁止される。また、ロック部14をアンロック状態に切り替えることで、軸部材28を中心としたリム部24の回転が許可される。なお、運転中は、ドライバーがロック部14をアンロック状態へ切り替えることができないように、ステアリングホイール12の外面においてロック部14は露出していない。ロック部14は、後述する制御部によって制御される。
ロック部14は、2つの上側スポーク部26uにそれぞれ設けられている。例えば、各ロック部14は、ピン部材14aをスライドさせることにより、ロック状態とアンロック状態とに切り替わる。図1(b)は、各上側スポーク部26uに形成された設置穴14bに、各ピン部材14aの全体が収納されたアンロック状態の図である。リム部24の内周面では、リム部24の傾きが操舵時の傾きのときに各上側スポーク部26uの設置穴14bに対面する位置に、ロック穴14cが形成されている。各ロック部14は、例えば、ピン部材14aをスライドさせるモータ14dを備えている。モータ14dによってピン部材14aをステアリングホイール12の外側へスライドさせると、ピン部材14aの外側部分がロック穴14cに嵌り込む。その結果、ロック部14はアンロック状態からロック状態へ切り替わる。また、モータ14dによってロック状態のピン部材14aをステアリングホイール12の内側へスライドさせると、ロック部14はアンロック状態へ切り替わる。
図2は、図1(b)に示すA−A線に沿ってステアリングホイール12の下側スポーク部26dを切断した断面図である。図2(a)には、操舵時の傾きからリム部24の傾きを変化させるときのリム部24も併せて記載している。図2(b)には、リム部24の傾きが補助時の傾きへ到達したときのリム部24も併せて記載している。
回転阻止部16は、中立状態(又は、中立状態から少しずれた状態)においてロック部14によるロックが解除された状態で、操舵時の傾きから補助時の傾きまでリム部24の傾きを変化させる場合(第1の回転方向にリム部24を回転させる場合)において、補助時の傾きを超えるリム部24の回転を阻止する。また、本実施の形態では、回転阻止部16が、中立状態(又は、中立状態から少しずれた状態)において補助時の傾きから操舵時の傾きまでリム部24の傾きを変化させる場合(第2の回転方向にリム部24を回転させる場合)において、操舵時の傾きを超えるリム部24の回転を阻止する。
例えば、回転阻止部16は、例えば、軸部材28の外周面から突出した突起16aと、リム部24の傾きが操舵時の傾きから補助時の傾きへ到達したタイミングで突起16aが引っ掛かる第1の壁面16rと、リム部24の傾きが補助時の傾きから操舵時の傾きへ到達したタイミングで突起16aが引っ掛かる第2の壁面16fとにより構成することができる。第1の壁面16r及び第2の壁面16fは、下側スポーク部26dの内部に形成されている。図2(a)に示すように、下側スポーク部26dの内部には、突起16aの可動スペース32が形成されている。第1の壁面16rは、可動スペース32における車両の後側を区画している。第2の壁面16fは、可動スペース32における車両の前側を区画している。
上述したように、軸部材28はリム部24に固定されているため、軸部材28はリム部24と共に回転する。図2(a)に示す操舵時の傾きからリム部24を回転させると、図2(b)に示す補助時の傾きで突起16aが第1の壁面16rに当接する。そのため、リム部24の傾きが補助時の傾きになる状態までしかリム部24を回転させることができない。また、図2(b)に示す補助時の傾きからリム部24を回転させると、図2(a)に示す操舵時の傾きで突起16aが第2の壁面16fに当接する。そのため、リム部24の傾きが操舵時の傾きになる状態までしかリム部24を回転させることができない。
[シフトロック部について]
車両には、図1(b)に示すように、リム部24の傾きが補助時の傾きの状態でシフトポジションをパーキングに保持するシフトロック部42が設けられている。また、車両には、リム部24の傾きが補助時の傾きであることを検知するセンサ41が設けられている。
シフトロック部42は、パーキングからのシフトポジションの変更を禁止するロック状態と、シフトポジションの変更を禁止しないアンロック状態とに切り替え可能に構成されている。センサ41によってリム部24の傾きが補助時の傾きであることが検知された場合、シフトロック部42はロック状態に切り替わる。例えば、ロック状態のシフトロック部42は、シフトポジションがパーキングに操作されているシフトレバー(シフター)を保持して、シフトレバーの移動を禁止する。
[リム部の傾きの調節方法]
リム部24の傾きの調節方法について説明する。なお、本実施の形態に係るステアリング装置10は、軸部材28を回転させるリム用モータと、各ロック部14とシフトロック部42とリム用モータとを制御する制御部をさらに備えている(図示省略)。リム用モータが軸部材28を回転させると、軸部材28と共にリム部24が回転する。
まずドライバーが降車する場合について説明する。運転中は各ロック部14がロック状態に設定されている。運転中は、軸部材28を中心としたリム部24の回転が禁止されている。ドライバーはリム部24をステアリンググリップとして利用できる。また、運転中はシフトロック部42がアンロック状態に設定されている。
ドライバーは、ステアリングホイール12を中立状態(又は、中立状態から少しずれた状態)にし、シフトポジションをパーキングに操作して、車両のエンジンをオフする。制御部は、車両のエンジンがオフされたことを検知すると、各ロック部14のモータ14dを制御して、各ロック部14をアンロック状態へ切り替える。続いて、制御部は、リム用モータを制御して、第1の回転方向に軸部材28及びリム部24を回転させる。この場合において、リム部24の傾きが補助時の傾きに到達したタイミングで、各回転阻止部16において突起16aが第1の壁面16rに当接する。制御部はリム用モータを停止させる。これにより、リム部24の傾きが補助時の傾きに調節される。この状態では、ドライバーは、例えば、リム部24に対して、リム部24が回転しないドライバーシート側へ体重を掛けることができる。ドライバーは、アシストグリップとしてリム部24を利用できる。
また、操舵時の傾きから補助時の傾きまでリム部24の傾きを変化させると、上述したように、リム部24の上端がドライバーに近づくと共に、ステアリング−シート間隔が広がる。ドライバーは、掴みやすくなったリム部24をアシストグリップとして利用しつつ、ステアリング−シート間隔が広がった状態で降車できる。
また、センサ41によってリム部24の傾きが補助時の傾きであることが検知されると、制御部は、シフトロック部42をロック状態に切り替える。このため、仮にドライバーがエンジンを再びオンにしても、ドライバーはシフトポジションをパーキング以外(リバース、ドライブ等)に変更することができない。そのため、操舵できないときの車両の発進を確実に防止できる。
続いてドライバーが乗車する場合について説明する。リム部24の傾きは、降車時から補助時の傾きに維持されている。ドライバーは、リム部24をアシストグリップとして利用しつつ、ステアリング−シート間隔が広がった状態で乗車できる。ドライバーの乗車後に、制御部は、車両のエンジンがオンされたことを検知すると、リム用モータを制御して、第2の回転方向に軸部材28及びリム部24を回転させる。この場合において、リム部24の傾きが操舵時の傾きに到達したタイミングで、各回転阻止部16において突起16aが第2の壁面16fに当接する。制御部はリム用モータを停止させる。これにより、リム部24の傾きが操舵時の傾きに調節される。制御部は、リム部24の傾きが操舵時の傾きへ切り替わったことを検知すると、各ロック部14のモータ14dを制御して、ロック部14をロック状態へ切り替える、さらに、制御部は、シフトロック部42をアンロック状態へ切り替える。ドライバーはリム部24をステアリンググリップとして利用できるようになり、さらにシフトポジションをパーキング以外へ変更できるようになる。
[実施の形態の効果]
本実施の形態では、リム部24の傾きが操舵時の傾きから補助時の傾きへ変化するときに、リム部24の上端がドライバーに近づくと共に、ステアリング−シート間隔が広がる。また、運転中は、軸部材28を中心としたリム部24の回転が禁止される。本発明によれば、ステアリンググリップとしてのリム部24の利用性に影響を与えることなく、乗車又は降車するドライバーにとって足の移動を行いやすくリム部24をアシストグリップとして利用しやすいステアリング装置10を提供できる。
[変形例]
本変形例では、上記実施の形態とは異なり、ステアリング装置10が、リム部24を回転させるリム用モータを備えていない。軸部材28を中心としたリム部24の回転は手動で行われる。
まずドライバーが降車する場合について説明する。運転中は各ロック部14がロック状態に設定されている。上記実施の形態と同様に、運転中は、軸部材28を中心としたリム部24の回転が禁止されている。また、運転中はシフトロック部42がアンロック状態に設定されている。
ドライバーは、ステアリングホイール12を中立状態(又は、中立状態から少しずれた状態)にして、シフトポジションをパーキングに操作する。制御部は、シフトポジションを検知するセンサによって、シフトポジションがパーキングであることを検知すると、各ロック部14をアンロック状態へ切り替えると同時に、シフトロック部42をロック状態へ切り替える。本変形例では、軸部材28を中心としたリム部24の回転が許可されると同時に、パーキングからのシフトポジションの変更が禁止される。
各ロック部14によるロックが解除されると、ドライバーは第1の回転方向にリム部24を回転させることができる。この場合において、リム部24の傾きが補助時の傾きに到達したタイミングで、各回転阻止部16において突起16aが第1の壁面16rに当接する。リム部24の傾きは補助時の傾きに調節される。
続いてドライバーが乗車する場合について説明する。なお、シフトロック部42はロック状態に維持されている。また、リム部24の傾きは補助時の傾きに維持されている。車両に乗車したドライバーは、第2の回転方向にリム部24を回転させることができる。この場合において、リム部24の傾きが操舵時の傾きに到達したタイミングで、各回転阻止部16において突起16aが第2の壁面16fに当接する。リム部24の傾きは操舵時の傾きに調節される。制御部は、リム部24の傾きが操舵時の傾きへ切り替わったことを検知すると、各ロック部14をロック状態へ切り替え、シフトロック部42をアンロック状態へ切り替える。ドライバーはリム部24をステアリンググリップとして利用できるようになり、さらにシフトポジションをパーキング以外へ変更できるようになる。
本発明は、車両のステアリング装置などに適用可能である。
10 ステアリング装置
12 ステアリングホイール
14 ロック部
16 回転阻止部
22 ボス部
24 リム部
28 軸部材(支持部)

Claims (1)

  1. ステアリング装置であって、
    車両のステアリングシャフトに取り付けられたボス部と、前記ボス部とは別体に形成されたリム部と、当該ステアリング装置が所定の操舵角に調節された所定状態で前記リム部の上端より下方で且つ前記リム部の下端より上方の位置で前記車両の幅方向に延びる回転軸を中心に前記ボス部に対し前記リム部を回転可能に支持する支持部とを有するステアリングホイールと、
    前記回転軸を中心に前記ボス部に対し前記リム部を回転させることにより変化する前記リム部の傾きを、前記ステアリングホイールを操舵に用いる場合の操舵時の傾きに保持するロック部と、
    前記所定状態において前記ロック部によるロックが解除された状態で、前記操舵時の傾きから前記リム部の傾きを前記車両の前後方向の後方へ変化させる場合において、所定の傾きを超える前記リム部の回転を阻止する回転阻止部とを備えている、ステアリング装置。
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