JP7443688B2 - カム装置及びステアリング装置 - Google Patents
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Description
前記可動側カムは、軸方向一方側の側面に、可動側基準面と該可動側基準面よりも軸方向一方側に突出した可動側凸部とを円周方向に交互に配置してなる、可動側カム面を有している。
前記固定側カムは、前記可動側カム面と軸方向に対向する軸方向他方側の側面に、前記可動側凸部と同数の固定側基準面と、該固定側基準面よりも軸方向他方側に突出した前記可動側基準面と同数の固定側凸部とを、円周方向に交互に配置してなる、固定側カム面を有している。
そして、前記可動側カムを前記固定側カムに対して相対回転させることにより、前記可動側凸部の先端面と前記固定側凸部の先端面とを突き合わせて軸方向寸法を拡大したロック状態と、前記可動側凸部と前記固定側凸部とを円周方向に交互に配置して軸方向寸法を縮小したアンロック状態とを、切り替え可能としている。
前記可動側カムは、少なくとも径方向反対側に配置された2つの前記可動側凸部の先端面のうち、径方向外側部の円周方向全幅にわたる範囲に、前記可動側凸部の先端面よりも軸方向一方側に突出した可動側ガイド部をさらに有している。
前記固定側カムは、外周面のうち、前記アンロック状態で、前記可動側ガイド部と円周方向に関する位相が一致する部分に、固定側ガイド面をさらに有している。
前記可動側ガイド部の内周面は、前記可動側カムの中心軸を中心として凹円弧状に湾曲し、軸方向一方側に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した円すい筒面である。
前記固定側ガイド面は、前記固定側カムの中心軸を中心として凸円弧状に湾曲し、軸方向他方側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した円すい筒面である。
そして、前記アンロック状態で、前記可動側ガイド部の内周面と前記固定側ガイド面とをインロー嵌合させて、前記可動側ガイド部の内周面と前記固定側ガイド面とを当接乃至近接対向させる。
あるいは、本発明の技術的範囲からは外れるが、前記可動側ガイド部の内周面を、軸方向にわたり内径が変化しない円筒面とし、前記固定側ガイド面を、軸方向にわたり外径が変化しない円筒面とすることもできる。
本発明の一態様では、前記可動側凸部を、円周方向に交互に配置された円周方向幅の異なる2種類の可動側凸部から構成し、前記可動側ガイド部を、前記2種類の可動側凸部のうち、円周方向幅の広い可動側凸部に備えることができる。
この場合には、前記固定側ガイド面を、前記カム装置の組み付け状態で、上下方向2箇所に配置することができる。
あるいは、本発明の一態様では、前記可動側ガイド部を3つ以上備えるとともに、前記固定側ガイド面を3つ以上備えることもできる。
そして、前記ロック状態で、前記可動側ガイド部の円周方向一方側の側面と前記固定側ストッパ部の円周方向他方側の側面とを当接させることで、前記可動側カムが前記固定側カムに対して円周方向一方向きにそれ以上相対回転することを防止できる。
この場合には、前記固定側ストッパ部を、前記固定側凸部の径方向外側にのみ備えることができる。
前記ステアリングコラムは、後端部にステアリングホイールを固定したステアリングシャフトを、内側に回転自在に支持する。
前記コラム側ブラケットは、前記ステアリングコラムの軸方向一部に備えられている。
前記コラム側通孔は、前記コラム側ブラケットを幅方向に貫通するように備えられている。
前記車体側ブラケットは、前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟むように配置された1対の支持板部を有し、車体に支持される。
前記1対の車体側通孔は、前記1対の支持板部を幅方向に貫通するように備えられている。
前記調節ロッドは、前記コラム側通孔及び前記1対の車体側通孔を幅方向に挿通している。
前記カム装置は、前記調節ロッドに外嵌支持された可動側カム、及び、前記1対の支持板部のうちの片方の支持板部に対し回転不能に支持された固定側カムを有しており、該固定側カムに対して前記可動側カムを相対回転させることにより軸方向寸法を拡縮させる。
前記調節レバーは、前記可動側カムに固定され、該可動側カムを回転させる。
本発明の一態様にかかるステアリング装置では、前記カム装置が、本発明の一態様にかかるカム装置である。
実施の形態の第1例について、図1~図8を用いて説明する。
本例のステアリング装置には、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの上下位置及び前後位置を調節するための位置調節機構(チルト機構及びテレスコピック機構)が組み込まれている。ステアリング装置は、ステアリングシャフト1aと、ステアリングコラム2aと、コラム側ブラケット4aと、車体側ブラケット5aと、カム装置11aと、調節レバー12aとを備えている。なお、上下方向、前後方向、及び、幅方向とは、特に断らない限り、車両の上下方向、前後方向、及び、幅方向をいう。
カム装置11aは、可動側カム14aと、固定側カム15aとからなる。可動側カム14aは、調節ロッド9aの基端寄り部分に外嵌支持されており、調節レバー12aの揺動操作に基づき、調節ロッド9aの中心軸回りを回転する。固定側カム15aは、可動側カム14aと同軸に配置されており、幅方向他方側の支持板部6aに対し回転不能に支持されている。調節レバー12aを揺動操作すると、可動側カム14aに備えられた可動側カム面16aと、固定側カム15aに備えられた固定側カム面17aとの回転位相が変化するため、カム装置11aの軸方向寸法が拡大したロック状態と、カム装置11aの軸方向寸法が縮小したアンロック状態との切り替えが可能になる。以下、カム装置11aをロック状態に切り替える際の可動側カム14aの回転方向(ロック方向)を、円周方向一方向きとし、各図に矢印αで示し、カム装置11aをアンロック状態に切り替える際の可動側カム14aの回転方向(アンロック方向)を、円周方向他方向きとし、各図に矢印βで示す。
可動側カム14aは、焼結金属製で、図3に示すように、中央部に、調節ロッド9aを挿通するための中心孔31を有している。可動側カム14aは、略円輪板状の可動側カム本体32と、略矩形板状の可動側係合部33とからなる。可動側カム本体32は、軸方向一方側(幅方向一方側、図2の右側、図3の(A)の表側)の側面に、円周方向に関する凹凸面である、可動側カム面16aを有している。可動側係合部33は、調節レバー12aの基部54を嵌合する部分であり、可動側カム本体32の軸方向他方側の側面に備えられている。本例では、可動側係合部33は、軸方向他方側から見て、略矩形の端面形状を有する。ただし、可動側係合部33の端面形状は、略矩形に限らず、後述する調節レバー12aの取付孔55と非円形嵌合可能な形状であれば、特に限定されない。
固定側カム15aは、焼結金属製で、図4に示すように、中央部に、調節ロッド9aを挿通するための中心孔43を有している。固定側カム15aは、略円輪板状の固定側カム本体44と、略矩形板状の固定側係合部45とからなる。固定側カム本体44は、可動側カム面16aに対向する軸方向他方側(幅方向他方側、図2の左側、図4の(A)の表側)の側面に、円周方向に関する凹凸面である、固定側カム面17aを有している。固定側係合部45は、幅方向他方側の支持板部6aに備えられた車体側通孔8aに対し、相対回転不能に、かつ、該車体側通孔8aに沿った変位のみを可能に係合する部分であり、固定側カム本体44の軸方向一方側の側面に備えられている。
すなわち、本例では、アンロック状態で、図7及び図8に示すように、1対の可動側ガイド部42の内周面と1対の固定側ガイド面51とを、それぞれインロー嵌合させている。このため、可動側カム14aと固定側カム15aとの間に作用する軸力が喪失したアンロック状態においても、可動側カム14aが固定側カム15aに対して幅方向に傾くことを抑制できる。特に本例では、1対の可動側ガイド部42の内周面と1対の固定側ガイド面51とを、上下方向の2箇所位置でインロー嵌合させているため、2つのインロー嵌合部で、調節レバー12aの自重に基づいて可動側カム14aに作用するモーメントを効率良く支承することができる。このため、可動側カム14aが固定側カム15aに対して幅方向に傾くことを有効に防止できる。したがって、可動側カム14aに嵌合した調節レバー12aが幅方向に傾いたり、幅方向にがたついたりすることを抑制できる。この結果、調節レバー12aの操作性(操作フィーリング)が低下することを防止できる。また、調節レバー12aを揺動操作した際に、可動側カム面16aと固定側カム面17aとが片当たりすることを抑制でき、可動側カム面16aと固定側カム面17aとの接触面積を増やすことができる。これにより、可動側カム面16a及び固定側カム面17aに偏摩耗が生じることを抑制できる。したがって、可動側カム面16a及び固定側カム面17aが早期に摩耗して、ロック状態におけるカム装置11aの軸力が低下することを抑制できる。
2、2a ステアリングコラム
3、3a 被挟持板部
4、4a コラム側ブラケット
5、5a 車体側ブラケット
6、6a 支持板部
7、7a コラム側通孔
8、8a 車体側通孔
9、9a 調節ロッド
10、10a アンカ部
11、11a カム装置
12、12a 調節レバー
13、13a ナット
14、14a 可動側カム
15、15a 固定側カム
16、16a 可動側カム面
17、17a 固定側カム面
18 インナシャフト
19 アウタシャフト
20 インナコラム
21 アウタコラム
22 ギヤハウジング
23 チルト軸
24 電動モータ
25 スペーサ
26 スリット
27 天板部
28 係止カプセル
29 雄ねじ部
30 スラストニードル軸受
31 中心孔
32 可動側カム本体
33 可動側係合部
34a、34b 可動側基準面
35a、35b 可動側凸部
36a、36b 先端面
37 切り欠き
38 張出部
39 連結部
40 可動側案内斜面
41 可動側ストッパ面
42 可動側ガイド部
43 中心孔
44 固定側カム本体
45 固定側係合部
46a、46b 固定側基準面
47a、47b 固定側凸部
48a、48b 先端面
49 固定側案内斜面
50 固定側ストッパ面
51 固定側ガイド面
52 固定側ストッパ部
53 連結部
54 基部
55 取付孔
56 把持部
Claims (8)
- 回転可能に支持される可動側カムと、回転不能に支持される固定側カムと、を備え、
前記可動側カムは、軸方向一方側の側面に、可動側基準面と該可動側基準面よりも軸方向一方側に突出した可動側凸部とを円周方向に交互に配置してなる、可動側カム面を有しており、
前記固定側カムは、軸方向他方側の側面に、前記可動側凸部と同数の固定側基準面と、該固定側基準面よりも軸方向他方側に突出した前記可動側基準面と同数の固定側凸部とを円周方向に交互に配置してなる、固定側カム面を有しており、
前記可動側カムを前記固定側カムに対して相対回転させることにより、前記可動側凸部の先端面と前記固定側凸部の先端面とを突き合わせて軸方向寸法を拡大したロック状態と、前記可動側凸部と前記固定側凸部とを円周方向に交互に配置して軸方向寸法を縮小したアンロック状態とを、切り替え可能とした、カム装置であって、
前記可動側カムは、少なくとも直径方向反対側に配置された2つの前記可動側凸部の先端面のうち、径方向外側部の円周方向全幅にわたる範囲に、前記可動側凸部の先端面よりも軸方向一方側に突出した可動側ガイド部をさらに有しており、
前記固定側カムは、外周面のうち、前記アンロック状態で、前記可動側ガイド部と円周方向に関する位相が一致する部分に固定側ガイド面をさらに有しており、
前記可動側ガイド部の内周面は、凹円弧状に湾曲し、軸方向一方側に向かうほど内径が大きくなる方向に傾斜した円すい筒面であり、
前記固定側ガイド面は、凸円弧状に湾曲し、軸方向他方側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した円すい筒面であり、
前記アンロック状態で、前記可動側ガイド部の内周面と前記固定側ガイド面とをインロー嵌合させて、前記可動側ガイド部の内周面と前記固定側ガイド面とを当接乃至近接対向させる、
カム装置。 - 前記可動側凸部は、円周方向に交互に配置された円周方向幅の異なる2種類の可動側凸部からなり、
前記可動側ガイド部は、前記2種類の可動側凸部のうち、円周方向幅の広い可動側凸部に備えられている、
請求項1に記載したカム装置。 - 前記可動側ガイド部は、前記可動側カムの直径方向反対側の2箇所位置に備えられており、
前記固定側ガイド面は、前記固定側カムの直径方向反対側の2箇所位置に備えられている、
請求項1~2のうちのいずれか1項に記載したカム装置。 - 前記固定側ガイド面は、前記カム装置の組み付け状態で、上下方向2箇所に配置されている、請求項3に記載したカム装置。
- 前記ロック状態に切り替える際の前記可動側カムの回転方向を円周方向一方向きとし、前記アンロック状態に切り替える際の前記可動側カムの回転方向を円周方向他方向きとした場合に、
前記固定側カムは、前記固定側ガイド面の円周方向一方側に隣接配置された前記固定側凸部の径方向外側に、固定側ストッパ部をさらに有しており、
前記ロック状態で、前記可動側ガイド部の円周方向一方側の側面と前記固定側ストッパ部の円周方向他方側の側面とを当接させることで、前記可動側カムが前記固定側カムに対して円周方向一方向きにそれ以上相対回転することを防止する、
請求項1~4のうちのいずれか1項に記載したカム装置。 - 前記固定側ストッパ部は、前記固定側凸部の径方向外側にのみ備えられている、請求項5に記載したカム装置。
- 前記固定側ガイド面と円周方向に関する位相が一致する部分に備えられた前記固定側基準面の外径が、前記可動側基準面の外径よりも大きい、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載したカム装置。
- 後端部にステアリングホイールを固定したステアリングシャフトを、内側に回転自在に支持するステアリングコラムと、
前記ステアリングコラムの軸方向一部に備えられたコラム側ブラケットと、
前記コラム側ブラケットを幅方向に貫通するコラム側通孔と、
前記コラム側ブラケットを幅方向両側から挟むように配置された1対の支持板部を有し、車体に支持される車体側ブラケットと、
前記1対の支持板部を幅方向に貫通する1対の車体側通孔と、
前記コラム側通孔及び前記1対の車体側通孔を幅方向に挿通した調節ロッドと、
前記調節ロッドに外嵌支持された可動側カム、及び、前記1対の支持板部のうちの片方の支持板部に対し回転不能に支持された固定側カムを有し、該固定側カムに対して前記可動側カムを相対回転させることにより、軸方向寸法を拡縮させるカム装置と、
前記可動側カムに固定され、該可動側カムを回転させる調節レバーと、を備え、
前記カム装置が、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載したカム装置である、ステアリング装置。
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