JP6233170B2 - 焼結磁石の製造方法 - Google Patents
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Description
図1(A)、図1(B)は、本発明の実施形態1に係る焼結磁石が用いられるローターコア(回転子)について示す正面図、斜視図、図2は本発明の実施形態1に係る焼結磁石の製造方法を示すフローチャートである。図3(A)は、磁石片を成形型に載置する前の状態を示す斜視図、図3(B)は磁石片を成形型に載置した状態を示す斜視図、図3(C)は図3(B)の平面図、図4(A)〜図4(D)は、実施形態1に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程から接着工程までを示す説明図である。図5は同製造方法に使用する寸法矯正装置を示す断面図、図6は同寸法矯正装置を示す側面図、図7は同寸法矯正装置の格納容器の内部を示す平面図である。
本実施形態において焼結磁石Mは、図2に示すように、原料となる合金の作製(ステップS1)、粗粉砕(ステップS2)、微粉砕(ステップS3)、磁場中成形(ステップS4)、焼結(ステップS5)、寸法矯正(ステップS6)、時効熱処理(ステップS7)、接着(ステップS8)、表面処理(ステップS9)、検査(ステップS10)、及び着磁(ステップS11)の工程を経ることによって製造される。以下、当該製造方法について説明する。
原料合金の作製は、真空又は不活性ガス雰囲気中においてストリップキャスティング法又はその他の溶解法によって行われる(ステップS1)。本実施形態に係る焼結磁石はNd2Fe14Bを主相とし、この中のNdに対して粒界拡散処理等を用いてDyやTb、Pr等を添加している。Ndに上記希土類金属を添加することによって焼結磁石の保持力を向上させることができる。本実施形態において希土類元素RはNdとしているが、他の希土類元素であってもよい。
作製された原料合金はジョークラッシャー又はブラウンミル等を用いて粒径数百μm程度になるまで粗粉砕される(ステップS2)。粗粉砕された合金はジェットミル等によって粒径3〜5μm程度にまで微粉砕される(ステップS3)。微粉砕工程においては、特に粒径を3〜4μmにすると保磁力を高くすることができるため好ましい。
次に微粉砕された磁性材料を磁場中で成形し、圧粉体を得る(ステップS4)。圧粉体は平行磁界成形法や直交磁界成形法などの種々の方法を用いて行うことができる。なお、本実施形態において原料合金の作製から磁場中成形までの工程を包括して圧粉体成形と称する。圧粉体の成形は、寸法矯正工程と同様に型を用いて行われる。
磁場中で成形された圧粉体は真空又はアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気(以下、低酸素雰囲気と称する)中で焼結され、R−Fe−B系焼結磁石が得られる(ステップS5)。焼結温度は圧粉体の材料組成や粉砕方法、粒径によって前後するが、900℃〜1100℃程度で行われる。
寸法矯正工程では、概して低酸素雰囲気下において図4(A)、図4(B)、図5に示す寸法矯正部200を構成する上型213と下型214によってワークWにプレス成形を行い、焼結磁石の寸法矯正を行う(ステップS6)。詳細については後述する。
寸法矯正後には低酸素雰囲気下で時効熱処理を行い、焼結磁石の保磁力を調整する(ステップS7)。焼結磁石の寸法矯正は時効熱処理よりも高い温度にて実施される場合があるため、時効熱処理の前に焼結磁石の寸法矯正を実施する。熱処理を行う温度は磁石の組織を変えるおそれがあり、磁石特性に影響を与える可能性があるためである。
時効熱処理工程後、磁石片M1〜M4は接着剤によって接着される(ステップS8)。
接着工程後には、焼結磁石の錆びや腐食を防止するためにNiめっきなどによって表面処理を行う(ステップS9)。表面処理が終わったら、磁気特性や外観、及び寸法などの検査を行い(ステップS10)、最後にパルス磁界や静的磁界を印加して着磁することによって焼結磁石が製造される(ステップS11)。
次に本実施形態に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程を具現化した装置について詳述する。寸法矯正工程以外の工程については従来公知の方法と同様であるため、説明を省略する。
次に寸法矯正工程から接着工程までの工程について詳述する。本実施形態において焼結磁石Mは、複数の磁石片M1〜M4によって構成される。焼結工程において焼結された磁石片M1〜M4は、格納容器220の内部であって、外周型215を設置した状態で下型214にひとつずつ載置され、磁石片ひとつずつに寸法矯正が行われる。磁石片の載置後には、格納容器220に真空引き、又は不活性ガスを充填して低酸素雰囲気とする。そして、上型213、下型214、外周型215、及び磁石片M1を620℃〜1000℃に加熱する。
また、焼結磁石Mが完成した後に磁石Mを回転子100のスロットに挿入する際には、離間部位215a、bと対向する焼結磁石Mの面をフラックスバリア部101と対向するようにしている。そのため、焼結磁石Mに型215と接触しない部位が形成されても当該部位は隙間で構成されたフラックスバリア部101にあたるため、回転子100の歩留まりが低下することを抑制できる。
図8は、実施形態1の変形例1に係る焼結磁石の製造方法に使用する寸法矯正装置を示す側面図、図9は同寸法矯正装置の格納容器内部を示す平面図、図10は同寸法矯正装置において焼結磁石の投入及び取り外しを行うテーブルに設けられた位置決め固定治具について示す平面図、図11は同位置決め固定治具に挟持された焼結磁石を成形型上に載置する様子を示す説明図である。
図13(A)〜図13(D)は、本発明の実施形態2において成形される焼結磁石を示す正面図、側面図、斜視図、平面図、図14(A)〜図14(E)は同実施形態2に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程から接着工程までを概説する説明図である。実施形態1では焼結磁石Mが直方体状に成形される実施形態について説明したが、以下のように成形することもできる。
図16(A)〜図16(C)は、本発明の実施形態2の変形例を示す斜視図、正面図、平面図である。実施形態2では加圧成形を行う上型231と下型232の接近離間する方向にワークである磁石片N1〜N4のノックアウトが行われる実施形態について説明したが、これに限定されない。図16(A)〜図16(C)に示すように成形型は上型251と下型252とによって構成される。この場合、ノックアウトの方向d4は上型251と下型252の接近離間する方向と交差する方向であってもよい。なお、この場合、テーパーは上型251と下型252の接近離間する方向でなく磁石片N5のノックアウトを行う方向d4に形成される。
図15(A)〜図15(D)は、本発明の実施形態3に係る焼結磁石の製造方法の中でも寸法矯正工程について説明する説明図である。実施形態1、2では寸法矯正工程において焼結磁石を構成する磁石片をひとつずつ加圧成形する実施形態について説明したが、これに限定されない。
次に本実施形態に係る焼結磁石の製造方法において。寸法矯正工程時に行うプレス加工の成形温度に関する実験を行ったので説明する。
101 フラックスバリア部、
200 寸法矯正部、
201 上スライド、
202 ボルスタ、
203 ノックアウトバー、
204 油圧シリンダ、
210 ダイセット、
211 上ダイ、
212 下ダイ、
213、231、234、237、251 上型、
214、232、235、238、252 下型、
215、233、236、239 外周型、
215a、215b、233a、233b 対向面(離間部位)、
215c、215d、233c、233d 対向面、
216 固定治具、
217 連結ピン、
220 格納容器、
221 加熱装置、
222 グローブ、
223 配管ダクト
224 冷却部、
225 吸着パッド、
226 接着部、
227 ロータリーテーブル、
227A〜227G 位置決め固定治具、
228 押さえピン、
229 駆動シリンダ、
240 調節機構、
241 ガイディングロッド、
242 ガイディングシリンダ、
M、N、P、Q 焼結磁石、
M1〜M4、N1〜N5、P1〜P4、Q1〜Q4 磁石片。
Claims (5)
- ローターコアの磁極として使用される焼結磁石の製造方法であって、
Ndを主成分とする希土類元素Rを含むR−Fe−B系焼結磁石を構成する磁石粉末をプレス成形することによって前記磁石粉末が圧縮して形成された圧粉体を成形する工程と、
焼結温度に加熱された状況下において前記圧粉体を焼結して焼結磁石を形成する焼結工程と、
前記焼結温度を超えない温度に加熱された状況下において前記焼結磁石を成形する成形型に配置し、前記焼結磁石を加圧成形することによって前記焼結磁石の寸法を矯正する寸法矯正工程と、を有し、
前記寸法矯正工程において前記成形型は前記焼結磁石から離間した離間部位を有することを特徴とする焼結磁石の製造方法。 - 前記焼結磁石をローターコアのスロットに挿入する工程を更に備え、
前記寸法矯正工程における前記離間部位に対向する前記焼結磁石の面が、前記スロットに形成されたフラックスバリア部に対向するように前記焼結磁石が前記スロットに挿入される請求項1に記載の焼結磁石の製造方法。 - 前記焼結磁石は、複数の磁石片を有し、
前記寸法矯正工程の後に、隣接する前記磁石片を接着する接着工程をさらに有し、
前記寸法矯正工程では隣接する前記磁石片を接触させた状態で加圧成形を行う請求項1または2に記載の焼結磁石の製造方法。 - 前記複数の磁石片には、テーパー面が形成される請求項3に記載の焼結磁石の製造方法。
- 前記磁石片は、前記テーパー面を互い違いにして並べて配置される請求項4に記載の焼結磁石の製造方法。
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