JP2015104243A - 永久磁石埋込型回転子の製造方法 - Google Patents

永久磁石埋込型回転子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転子ごと、永久磁石となる中間成形体を焼結しても、回転子の鉄心の磁気特性を損なわず、鉄心の空孔内に密着して最大限に体積を確保できる永久磁石を備えた永久磁石埋込型回転子の製造方法を提供する。
【解決手段】未着磁の磁性粉末32を鉄心1の永久磁石用の空孔12に充填する磁性粉末充填工程と、磁界発生手段39により鉄心1に外部から磁界を印加して磁性粉末32の磁化容易軸を揃える磁化容易軸調整工程と、磁化容易軸調整工程後に空孔12に充填した磁性粉末32を軸方向に圧縮して、鉄心1の内部に中間成形体52を形成する加圧工程と、中間成形体52を内包する鉄心1を、真空中または不活性ガス中で軸方向に加圧しながら900℃以下で焼結して焼結体62を構成する焼結工程と、焼結体62を鉄心1に内包したまま焼結体62に着磁して永久磁石2を構成する着磁工程とを有する永久磁石埋込型回転子100の製造方法を提供する。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転電機に用いられる永久磁石埋込型回転子の製造方法に関するものである。
近年、モータなどの回転電機において、高性能化、高効率化、省エネルギー化の要請に伴い、ネオジムなどの希土類系磁石を利用した永久磁石界磁式回転電機が開発されている。このような回転電機に使用する回転子としては、回転子の鉄心の内部に磁石を埋め込んだ構造である永久磁石埋込型回転子が利用されている。永久磁石埋込型回転子は、磁石自身によるトルクに加えて、リラクタンストルクを利用することができるために、高トルクを必要とする自動車や電車用のモータとしての利用が拡大している。
また、永久磁石埋込型回転子では、電磁鋼板などで作られた回転子鉄心に円周方向に等間隔に複数の空孔を設け、これらの空孔内に永久磁石を埋め込んでいるため、回転中に永久磁石が遠心力によって飛び出すことがなく、飛散防止を簡易に行える。このため、高速回転型モータにも有用である。
従来の永久磁石埋込型回転子としては、回転子鉄心の空孔に永久磁石を挿入し、接着などにより固定するものがある。使用する磁石として、現在最も高い磁気特性を有するものは、ネオジム系焼結磁石である。ネオジム系焼結磁石は、磁石粉末を磁場中で圧縮成形した後、得られた中間成形体を焼結して製造するものである。このような焼結磁石を用いた永久磁石埋込型回転子は一般的に広く知られている。しかしながら、焼結磁石は、焼結時に密度が緻密化するために、大きく収縮してその形状に歪みが生じる。したがって、永久磁石埋込型回転子に焼結磁石を用いる場合には、焼結した磁石の形状を仕上げるための機械加工を施して、寸法精度を確保する必要がある。機械加工工程では、切削屑となって材料の無駄が発生する。また、加工工数が多くなり、高コスト化の要因となっていた。(例えば特許文献1)
そこで、磁石粉末と熱硬化性樹脂の混合物を回転子鉄心に直接充填し、鉄心内で混合物を熱間圧縮成形してボンド磁石を製造する方法が開示されている(特許文献2)。特許文献2によれば、混合物は熱処理による収縮がないため、形状精度がよく、形状仕上げの機械加工が不要であり、低コスト化が図られる。また、回転子鉄心の空孔内に直接磁石を形成するため、挿入、接着固定などの工数を更に削減することができる。
しかしながら、特許文献2に係る発明では、磁石粉末と樹脂の体積比率をみると樹脂が20〜40体積%含まれているため、焼結磁石に比べて磁石の密度が低く、回転子鉄心から発生する磁束量が小さくなる(磁石の残留磁束密度が低い)。また、回転子鉄心から発生する磁束量を焼結磁石なみに大きくするためには、混合物で作られたボンド磁石の体積を大きくする必要があり、回転子鉄心の寸法によっては必要な磁石の体積を確保できない場合がある。さらに鉄心の空孔の寸法が大きくなり、鉄心の歩留まりが悪くなる。また、ボンド磁石の場合、耐熱温度は混合する樹脂で決まり、一般的なエポキシ樹脂では150℃以上の環境で使用することは難しい。そこで、特許文献3に係る発明では、樹脂の材質を変えることで磁石粉末の量を90体積%まで上げることができる方法を開示しているが、やはり焼結磁石ほどの磁束量を得ることはできない。
特開2000−37053号公報 特開平11−238640号公報 特開2009−44795号公報
永久磁石埋込型回転子において、磁性粉末を直接回転子の空孔に充填し、回転子ごと焼結磁石を製造すれば、永久磁石の密度は高くなり、発生する磁束は大きくなる。従って、大きなトルクを発生する回転子を得ることができる。しかしながら、一般的な焼結磁石の焼結温度は、1000〜1100℃と高いため、回転子鉄心を構成する電磁鋼板の結晶粒が粗大化し、鉄心の磁気特性が著しく低下してしまうという課題があった。
また、回転子鉄心の空孔の形状に沿う様に形成された磁性粉末からなる中間成形体は、焼結により収縮し、空孔と焼結磁石の間に空隙が生じてしまい、永久磁石が固定されない、また、必要な永久磁石の体積を確保できないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、回転子ごと、永久磁石となる中間成形体を焼結しても、回転子の鉄心の磁気特性を損なわず、鉄心の空孔内に密着して最大限に体積を確保できる永久磁石を備えた永久磁石埋込型回転子の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る永久磁石埋込型回転子の製造方法は、回転子の鉄心の内部に、複数の永久磁石が、前記回転子の周方向に等間隔に埋め込まれて配置された永久磁石埋込型回転子の製造方法において、
未着磁の磁性粉末を前記鉄心の前記永久磁石用の空孔に充填する磁性粉末充填工程と、
磁界発生手段により前記鉄心に外部から磁界を印加して前記磁性粉末の磁化容易軸を揃える磁化容易軸調整工程と、
前記磁化容易軸調整工程後に前記空孔に充填した前記磁性粉末を前記回転子の軸方向に圧縮して、前記鉄心の内部に中間成形体を形成する加圧工程と、
前記中間成形体を内包する前記鉄心を、真空中または不活性ガス中で前記回転子の軸方向に加圧しながら900℃以下で焼結して焼結体を構成する焼結工程と、
前記焼結体を前記鉄心に内包したまま前記焼結体に着磁して永久磁石を構成する着磁工程と、
前記鉄心に回転軸を圧入する回転軸圧入工程とを有するものである。
この発明に係る永久磁石埋込型回転子の製造方法によれば、熱処理と同時に中間成形体を鉄心の軸方向に加圧するため、焼結体の密度の緻密化に必要な温度を900℃以下に低減することができ、鉄心を構成する電磁鋼板の焼鈍温度以下で永久磁石を製造できる。これにより、電磁鋼板の結晶粒が粗大化して電磁鋼板の磁気特性を著しく劣化させることがない。
この発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型回転子の正面図と断面図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型回転子の他の例を示す正面図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石の製造過程における中間成形体の製造装置の概略を表す概念図である。 この発明の実施の形態1に係る中間成形体の製造装置の磁界発生手段の上面図である。 本発明の実施の形態1に係る永久磁石を製造する過程で成形する焼結体の製造装置の概略を示す概念図である。 永久磁石にラジアル異方性を持たせるための製造装置の概念図である。 図6の正面図である。 この発明の実施の形態1に係る焼結体の着磁装置の概念図である。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型回転子の製造方法を、図を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型回転子100(以下、単に回転子100という)の正面図である。
図1(b)は、回転子100を回転軸の中心で切断した断面図である。
図2は、回転子100の他の例を示す正面図である。
図1に示すように、回転子100は、電磁鋼板からなる鉄心片11を積層して構成する回転子鉄心1(以下単に鉄心1という)と、鉄心1の内部に埋設された永久磁石2と、鉄心1の中心を軸方向に貫通して嵌合する、回転軸3からなる。
鉄心1には、円周方向に等間隔に永久磁石2用の空孔12が配設されている。空孔12の形状は、図2に示す空孔12bのように、鉄心1の内周側壁面121及び外周側壁面122を曲面としてもよく、空孔12、12bの数は2の倍数であればよい。
なお、以下で使用する「磁性粉末」とは、永久磁石2の原料となる磁性を有する粉末の集合体をいう。また、「中間成形体」とは、磁性粉末の磁化容易軸を、永久磁石2の磁極の配置に合わせて揃えて加圧したもので、永久磁石2を製造する過程での中間品である。また、「焼結体」とは、中間成形体を所定の温度で焼結して固めたもので、永久磁石2の着磁前の状態の中間品をいう。
次に本実施の形態で使用する磁性粉末の構成について説明する。まず、原料として、27.5質量%の軽希土類元素(Nd、Pr、La、Ce、Pm、Sm、Y、Scを指す)と、1.5質量%の重希土類元素(Dy、Tb、Gd、Ho、Er、Tm、Yb、Luを指す)と、0.5〜1.5質量%のB(硼素)と、残部のFe及び不可避不純物とからなる原料合金を用意する。
原料合金の製造方法としては、ストリップキャスト法を用いる。各原料の混合物をアルゴンガス雰囲気中において高周波溶解によって1500℃程度に加熱して溶湯とし、単ロール法によって急冷して板厚0.3mm程度の鱗片状合金を製造する。
本実施の形態では、軽希土類にNdを、重希土類にはDyを用いた。その後、原料合金を水素炉で熱処理し、水素脆性化処理を行う。
この原料合金を0.1〜数mm程度の大きさに破砕して粗粉末とし、さらに、粗粉末をジェットミル粉砕装置に投入し、窒素ガスの気流を使って磁性粉末となるまで微粉砕する。この状態での磁性粉末の粒径は、0.1〜10μmの大きさであり、平均粒径は、約5μm程度である。
次に、本実施の形態で使用する回転子100の鉄心1について説明する。
鉄心1は、厚み0.5mmの電磁鋼板を順送プレスにより打ち抜き、積層、カシメにより一体化して積層鉄心としている。鉄心1には周方向に等間隔に6個の永久磁石用の貫通孔(空孔12)が設けられており、極数は6極である。
次に、回転子100の製造工程の概略を説明する。
本実施の形態では、以下の製造工程を順に実施して回転子100を製造する。
1.磁性鋼板から鉄心片11の外周と、内周と、永久磁石用の空孔と回転軸用の軸孔を打ち抜いて(打ち抜き工程)積層し(積層工程)、鉄心1を得る鉄心製造工程。
2.鉄心1の空孔12と充填ガイド内に磁性粉末を充填する磁性粉末充填工程。
3.磁性粉末に外部から磁界を印加して磁性粉末の磁化容易軸を所定の方向に揃える磁化容易軸調整工程。
4.磁性粉末を加圧して鉄心1の空孔12内に永久磁石2となる前の中間成形体を形成する加圧工程。
5.中間成形体ごと鉄心1を真空中、または不活性ガス中に投入し、鉄心1全体を加熱しながら鉄心1内の中間成形体を加圧して焼結体を構成する焼結工程。
6.焼結体が埋め込まれた鉄心1に、外部磁界を印加して着磁して永久磁石2とする着磁工程。
7.回転軸圧入工程。
次に、本実施の形態に係る回転子100の永久磁石2を製造する過程で製造する中間成形体の製造装置の構成について説明する。
図3は、中間成形体の製造装置30の概略を表す概念図である。
図4は、中間成形体の製造装置30の磁界発生手段39の上面図である。
図3に示すように、中間成形体の製造装置30は、ダイプレート31を備え、ダイプレート31上に配置されて鉄心1を載せるためのパレット40を備える。充填ガイド36は、鉄心1に設けられた空孔12内に磁性粉末32を充填する作業の補助器具である。充填ガイド36には、図1(a)、(b)に示す鉄心1の6つの空孔12と同じ断面形状、配置の空孔35を設けている。鉄心1の上面に、充填ガイド36を置くと、鉄心1のそれぞれの空孔12と、その上に載る空孔35は、図3の上下方向に真っ直ぐに連通する。
充填ガイド36の上方には、上パンチ37を備える。上パンチ37は、空孔12、35内に充填した磁性粉末32を上方から圧縮するために空孔35の上部から挿入する圧縮棒371を有する。圧縮棒371は、鉄心1の軸方向に垂直な断面が空孔35、12と同形状であり、充填ガイド36の空孔35及び鉄心1の空孔12と同数設けられている。
後述する磁性粉末32の圧縮、および中間成形体の焼結により、焼結体は、鉄心1の軸方向(図3の加圧方向Aの方向)に縮む。空孔35、12に充填時の磁性粉末32の密度は、2〜3.5g/cm^3であり、中間成形体の密度は約3.5〜4.5g/cm^3である。更に、中間成形体を焼結した焼結体の密度は、約7.5g/cm^3にまで到達する。したがって、焼結後に鉄心1の軸長と同じ長さの永久磁石2を得るためには、それぞれの中間生成物の収縮分を見込んだ長さの空孔35を有する充填ガイド36が必要である。
電磁石33は、鉄心1に充填された磁性粉末32に磁場を印加するために設けている。また、図3には図示はしないが、上パンチ37を上下に移動させ、磁性粉末32を加圧方向Aの方向に圧縮成形するための加圧プレスを備えている。なお、パレット40、鉄心1、充填ガイド36、上パンチ37は、図3の状態で次工程にそのまま移動できる。
次に、中間成形体の製造装置30の磁界発生手段について説明する。
図4に示すように、鉄心1の外周に環状の強磁性部材からなる磁界発生手段39が配置されており、この磁界発生手段39には、鉄心1の空孔12の数と同じ数のコイル溝39aが設けられている、そして、このコイル溝39a内に、図3の電磁石33を構成するコイルを巻線している。コイル溝39aは、鉄心1の周りに等間隔で配置されている。
隣接する電磁石33のコイルに電流を流す方向は、互いに逆向きである。各電磁石33に直流の電流を流すと静磁場が発生し、鉄心1に流れ込む磁界の流れ44を形成する。この磁界の流れ44により複数の空孔35、12内に充填した磁性粉末32の磁化容易軸の方向を同時に所定の方向に揃える。これにより、磁性粉末32の磁化容易軸の方向が、図4の磁界の流れに沿って連続的に変化するような極異方性と呼ばれる配向方向となる磁性粉末32からなる中間成形体を製造することができる。
なお、電磁石33には、パルス状の電流を流してパルス磁界を印加してもよい。
図6は、永久磁石2にラジアル異方性を持たせるための製造装置30bの断面図である。
図7は、図6の正面図である。
回転電機のトルクむらを抑制する必要がない場合には、図6と図7に示すようなラジアル異方性の磁極を形成してもよい。図6に示すように、電磁石33bの配置については、鉄心1をはさむように上下に一対の電磁石33bを備えており、鉄心1に向かって同極性の磁場を印加して反発させ、図7に示すようにラジアル方向に磁場を発生させる構造にし、磁性粉末32の磁化容易軸の方向がラジアル方向となる中間成形体を製造してもよい。
次に、一般的な回転電機のトルクについて説明する。回転電機において、トルクむらの低減は重要な課題である。トルクむらを抑制するために、磁性粉末32の磁化容易軸の方向を揃えて回転子100の表面に発生する磁束密度分布を正弦波に近づける手段が知られている。そのための磁界発生手段として、鉄心の外周に複数のコイルを配置し、コイルに電流を流して複数の磁極を形成する方法があり、極異方性配向と呼ばれる。上述の中間成形体の製造装置30では、磁性粉末32を極異方性配向に適した磁化容易軸に揃えている。
次に、一般的な焼結磁石について説明する。焼結磁石は、焼結時の収縮率に異方性があり、磁化容易軸に平行な方向は、磁化容易軸に直交する方向に比べて収縮率が大きい特徴を有する。したがって、例えば、図4のように磁化容易軸が連続的に変化する状態の中間成形体だけを無加圧で焼結して焼結体を製造する場合には、焼結体の形状歪みが大きくなる。このため、機械加工による焼結体の形状仕上げが必要となり、削り代が大きくなって加工コストが増加する。また、形状歪みを抑えるために予め収縮差を考慮して金型のキャビティの形状を工夫すると、金型が複雑になってしまう。
次に、中間成形体の製造装置30を用いて中間成形体を製造する方法を説明する。電磁鋼板からなる鉄心片11を複数積層した(積層工程)鉄心1をパレット40上にセットし、鉄心1の上方から、複数の空孔12の上端位置と対応する充填ガイド36の複数の空孔35の下端位置が重なるように充填ガイド36を配置する。次に、充填ガイド36をセットした状態で、空孔35の上端から空孔35とこれに連通する鉄心1の空孔12に磁性粉末32を充填する(磁性粉末充填工程)。この工程は、図3に示す上パンチ37や電磁石33等は無い場所でおこなう。
その後、上パンチ37を充填ガイド36の上にセットし、鉄心1をパレット40ごとダイプレート31上にセットする。このとき、鉄心1と充填ガイド36と上パンチ37は、磁界発生手段39の電磁石33の間にセットされる。次に、電磁石33により磁場を印加して鉄心1内の磁性粉末32の磁化容易軸方向を揃えて配向させ(磁化容易軸調整工程)、プレスを用いて上パンチ37を加圧方向Aの方向に加圧して中間成形体を得る(加圧工程)。中間成形体の成形時の加圧力は、0.1〜2t/cm^2である。図示はしないが、本実施の形態における加圧手段はサーボモータを使用している。また、油圧やエアーシリンダーなどでもよい。その後、先の配向時と磁極の向きが反対になるように磁界を印加し、中間成形体を脱磁した後、上パンチ37を脱圧する。
出来上がった中間成形体は、ハンドリングする必要がないため、中間成形体の製造時は必ずしも加圧の必要はなく、磁場中での中間成形体の密度を3g/cm^3以上に上げることができればよい。また、静磁場を使った磁場中成形では、磁性粉末32に印加される磁束密度はおよそ1.5〜2T程度であるため、充填密度は2.5g/cm^3以下が望ましい。また、パルス電流を流した電磁石によってパルス磁場を発生させる場合には、3〜5Tと高い磁束密度を印加することができる。したがって、より充填ガイド36の長さを短くするために、充填密度を約2.8〜3.5g/cm^3に高め、3T以上の強い磁場を印加して配向させる(磁化容易軸を揃える)方法を用いてもよい。
なお、磁場中成形後の密度が3g/cm^3未満の場合には、鉄心1を次工程へ搬送中に、振動により磁性粉末32が動き、磁化容易軸方向が乱れてしまう恐れがある。したがって、好ましくは中間成形体を成形した後の密度は、4g/cm^3以上が望ましい。また、鉄心1は、薄い鉄心片11が積層されているため、磁性粉末32の加圧中に鉄心片11の積層間に磁性粉末32が入り込み、積層間の距離が離れて鉄心の軸長が変化してしまう可能性がある。磁性粉末32の積層間への食い込みを防止するために、図3に示すように、鉄心1の充填ガイド36を上から加圧するためのガイド押さえ38を設け、磁性粉末32を成形する時には鉄心1を上方から加圧することで鉄心の積層間の距離が離れてしまうことを防止してもよい。
次に、中間成形体を焼結する焼結体の製造装置について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係る永久磁石2を製造する過程で成形する焼結体の製造装置50を示す概念図である。
製造装置50は、図示しない真空チャンバに収められており、中間成形体52が入った鉄心1をパレット40ごと載せるダイプレート53と、中間成形体52を加圧する上パンチ37と、鉄心1を積層方向に加圧するためのガイド押さえ58と、鉄心1の外周を押さえ込むためのダイ押さえ59と、鉄心1を中間成形体52ごと加熱するヒータ51とを備えている。なお、上述の中間成形体52の製造装置30で形成した中間成形体52は、鉄心1に封入された状態で、パレット40ごと本装置50に搬送される。
次に、本装置50を用いて中間成形体52を焼結し、焼結体を製造する方法について説明する。
パレット40上に載置された中間成形体52が入った鉄心1及び充填ガイド36、上パンチ37をダイプレート53にセットし、ガイド押さえ58により鉄心1と充填ガイド36を上方から加圧固定する。また、ダイ押さえ59により鉄心1を周囲から径方向、内側に向かって押圧して固定する。その後、充填ガイド36と鉄心1を真空下で700〜900℃に加熱する。焼結磁石は、液相焼結であるために、600℃以上で液相が出現し、焼結収縮が徐々に始まる。したがって、中間成形体52が600℃以上になってから上パンチ37の圧縮棒371により中間成形体52の加圧を開始することが望ましい。なお、加熱温度を900℃より大きくすると、鉄心1が焼鈍されて磁気特性を損なうので好ましくない。
図5の下方に中間成形体52を加圧することにより、焼結収縮の方向は加圧方向に制限され、加圧方向と直交する方向(図5の左右方向)には収縮が抑えられる。すなわち、上方から押圧されることにより、中間成形体52は、図5の左右方向に押し広げられるからである。このときの加圧力は、50kg/cm^2以上であり、より好ましくは加圧力は1000kg/cm^2以上である。なお、加圧力は鉄心1が変形しない程度の圧力にする必要がある。また、必ずしも定圧加圧とする必要はなく、永久磁石2の軸長を安定させるために定位置加圧を採用してもよい。また、焼結体の製造装置50を使用する環境は真空中でもよく、不活性ガス中でもよい。
焼結工程の具体例としては、鉄心1を真空雰囲気下で600℃にて3時間、昇温した後、加圧力1500kg/cm^2で中間成形体52への上方からの加圧を開始し、さらに850℃になるまで2時間で昇温する。さらに加圧した状態で850℃で10時間保持し、その後鉄心ごとアルゴン雰囲気下で中間成形体52を冷却し、永久磁石2の前段階である焼結体を得る。
図8は、この発明の実施の形態1に係る焼結体62の着磁装置70の概念図である。着磁装置70は、中間成形体の製造装置30の下半分とほぼ同じ構成である。異なる部分は、電磁石73が鉄心1の高さと同じ位置までとなるだけである。鉄心1の外周側から磁界を印加することにより焼結体62が着磁されて永久磁石2となった回転子100を得る。着磁には、図3の磁界発生手段39と同じような構成で、極異方性を持たせる磁界を印加すれば良い(着磁工程)。最後に、永久磁石2が埋め込まれた鉄心1の中心の空孔に回転軸3を圧入すると回転子100が完成する(回転軸圧入工程)。
本発明の実施の形態1に係る永久磁石埋込型回転子の製造方法によれば、熱処理と同時に中間成形体52を鉄心1の軸方向に加圧するため、焼結体62の密度の緻密化に必要な温度を900℃以下に低減することができ、鉄心1を構成する電磁鋼板の焼鈍温度以下で永久磁石2を製造できる。これにより、電磁鋼板の結晶粒が粗大化して電磁鋼板の磁気特性を著しく劣化させることがない。
また、熱処理と同時に鉄心1の軸方向に中間成形体52を加圧するため、焼結時には中間成形体52は鉄心1の軸方向に平行な方向には収縮するが、軸方向に垂直な方向には収縮せずに広がる。これにより鉄心1の空孔12の内壁に中間成形体52が密着した状態で焼結され、焼結体62(永久磁石2)と鉄心1の空孔12の間に隙間が生じることがなく、永久磁石2を空孔12内に密着して固定することができる。
また、鉄心1を構成する電磁鋼板は、鉄心1の軸方向に積層されているため、電磁鋼板の空孔の12の壁面の凹凸に沿って永久磁石2が形成され、接着剤を用いることなく永久磁石2を鉄心1の空孔12内に固定できる。
また、積層間の凹凸に沿って永久磁石2が形成されているために、回転子の軸方向へ磁石抜けることを防止できる。したがって、永久磁石2に形状仕上げのための機械加工を施す必要がなく、ネットシェイプを実現でき、従来の形状仕上げを施した永久磁石を鉄心の空孔に挿入し、接着固定する方法に比べて、工数を大幅に削減し、低コスト化が可能である。
さらに、機械加工により発生する加工屑をなくすことができ、永久磁石2の歩留まりを向上できるため、希土類元素を効率的に使用できる。また、永久磁石挿入時の割れ、欠けなども発生しないので、磁石材料の歩留まり向上を図ることができる。
また、たとえばラジアル方向に磁化容易軸方向が揃うように磁場を印加されている(配向されている)場合には、加圧方向と磁化容易軸方向が直交しているために、加圧、熱処理時の磁化容易軸の乱れが少ない。また、回転子100の鉄心1を金型代わりに使って永久磁石2を製造するため、別々の金型を使った成形や、機械加工などの形状変更によって工程に段取り換えが発生することもなく、変種変量生産が可能となる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100 永久磁石埋込型回転子、1 回転子鉄心、11 鉄心片、
12,12b 空孔、121 内周側壁面、122 外周側壁面、2 永久磁石、
3 回転軸、30,30b 中間成形体の製造装置、31 ダイプレート、
32 磁性粉末、33,33b 電磁石、35 空孔、36 充填ガイド、
37 上パンチ、39 磁界発生手段、39a コイル溝、40 パレット、
50 焼結体の製造装置、51 ヒータ、52 中間成形体、53 ダイプレート、
62 焼結体、70 着磁装置、73 電磁石、371 圧縮棒、A 加圧方向。

Claims (6)

  1. 回転子の鉄心の内部に、複数の永久磁石が、前記回転子の周方向に等間隔に埋め込まれて配置された永久磁石埋込型回転子の製造方法において、
    未着磁の磁性粉末を前記鉄心の前記永久磁石用の空孔に充填する磁性粉末充填工程と、
    前記鉄心に外部から磁界を印加して前記磁性粉末の磁化容易軸を揃える磁化容易軸調整工程と、
    前記磁化容易軸調整工程後に前記空孔に充填した前記磁性粉末を前記鉄心の軸方向に圧縮して、前記鉄心の内部に中間成形体を形成する加圧工程と、
    前記中間成形体を内包する前記鉄心を、真空中または不活性ガス中で前記軸方向に加圧しながら900℃以下で焼結して、前記中間成形体を焼結体として構成する焼結工程と、
    前記焼結体を前記鉄心に内包したまま前記焼結体に着磁して永久磁石を構成する着磁工程と、
    前記鉄心に回転軸を圧入する回転軸圧入工程とを有する永久磁石埋込型回転子の製造方法。
  2. 前記加圧工程において、前記鉄心を前記軸方向に加圧する請求項1に記載の永久磁石埋込型回転子の製造方法。
  3. 前記焼結工程において、前記鉄心を外周から前記鉄心の径方向内側に向かって押圧する請求項1又は請求項2に記載の永久磁石埋込型回転子の製造方法。
  4. 前記磁化容易軸調整工程において、前記磁性粉末に印加する磁界は前記軸方向と直交する方向であり、
    前記加圧工程により前記磁性粉末を加圧する方向は、前記軸方向である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の永久磁石埋込型回転子の製造方法。
  5. 前記鉄心は、積層鉄心である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石埋込型回転子の製造方法。
  6. 前記永久磁石は、希土類焼結磁石である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の永久磁石埋込型回転子の製造方法。
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