JP2009111418A - 異方性磁石の製造に用いる金型、成形機、方法及び得られる磁石 - Google Patents

異方性磁石の製造に用いる金型、成形機、方法及び得られる磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】横磁場成形において瓦状磁石で円弧端までラジアル配向を得るための磁性粉末用成形機及び永久磁石を提供する。
【解決手段】外部に向く外弧と内部に向く内弧と二本の線で構成される瓦状断面のキャビティ3を形成するダイス2と、該キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチと、該キャビティの外弧と内弧に沿うように該ダイス内に設けられた少なくとも2つの磁性コア4とを含んでなり、該キャビティの外弧に沿う磁性コアが、該外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する、磁性粉末用磁場成形に用いられる金型1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、焼結磁石製造に用いる金型、成形機、方法及び得られる異方性焼結磁石に関するものである。本発明の金型を用いて作製した永久磁石は、モータおよびアクチュエータに使用される。
異方性焼結磁石としては、Baフェライト系、Srフェライト系などのフェライト磁石、R−Co系、R−Fe−B系などの希土類磁石(Rは、ScとYを含む希土類金属から選ばれる一以上である。)が広く使用されているが、近年高性能磁石として希土類磁石の使用が急激に伸びている。
これら異方性焼結磁石は、磁性を担っている各結晶粒の容易磁化方向をある一定の方向に揃えたものであり、そのため、結晶粒の容易磁化方向がばらばらの方向を向いている等方性磁石に比較して、その容易磁化方向に着磁されたときに残留磁束密度の値が大きく、従って、最大エネルギー積を大きくすることができる。また、焼結磁石であるため、樹脂などで結合されたボンディッド磁石と比較して、非磁性物質の存在量が少ないため、残留磁束密度の値が大きくなり、最大エネルギー積を大きくできる。従って、異方性焼結磁石が、同じ材料を用いた磁石の中で、一番大きな最大エネルギー積を得ることができるため、広く利用されている。
異方性焼結磁石は、磁性結晶粒の容易磁化方向をある一定の方向に揃えるために、その材料を、それぞれの粉砕粉が単結晶になるまで粉砕し、その粉砕粉に外部磁場を印加することにより磁石粉の磁化容易軸を外部磁場の方向と平行な方向に揃え、圧力をかけて圧縮し成形する。その後、成形された磁石粉は、所定の条件で焼結され、異方性焼結磁石を製造する。材料によっては、焼結後、熱処理を要する場合もある。例えば、RCo17系磁石では、焼結後、溶体化処理を行い、更に時効処理を行う。R−Fe−B系磁石では、焼結後、500℃近傍で熱処理を行うことにより磁石を製造している。
成形工程で使用される磁場プレス機は、図9に示すように、ダイス102、パンチ108(上パンチ、下パンチ)からなる金型101と磁場発生手段107からなる。
ダイス102、上下パンチ108で構成される金型101キャビティ103内に磁石粉105を供給し、磁場発生手段により矢印で図示した配向磁場を印加することにより磁石粉の容易磁化方向を一方向に揃え、上パンチ、下パンチにより矢印方向にプレス109を用いて圧力を伝達し、キャビティ内の磁石粉を成形する。成形は電磁石などで静磁場を印加しながら行われるのが一般的である。
キャビティ内に充填された磁石粉に配向磁場をかける方向には、上下パンチによる圧力印加の方向と平行方向に磁場をかける縦磁場成形と、圧力印加の方向に対し垂直方向に磁場を印加する図9に示した横磁場成形とがある。横磁場成形を選択するか縦磁場成形を選択するかは、製造される材料、特性、形状、着磁方向などによって判断されるが、縦磁場成形により製造された焼結磁石は横磁場成形の場合と比較して磁気特性が低下するので、横磁場成形を用いることが多い。
次に、実際にモータやアクチュエータなどに使われる磁石の形状およびそのモータについて説明する。モータやアクチュエータに使用される磁石は、図10のような断面が瓦状の磁石(以下、瓦状磁石と呼ぶ。)で、磁化が矢印で示したように磁石の厚み方向(径方向)に向いているものが多い。このような磁石を複数個ヨークに設け、モータやアクチュエータの回転子(あるいは固定子)を作製する。
瓦状磁石の磁化方向は、図10(a)のような平行配向と図10(b)のようなラジアル配向が考えられる。
ACサーボモータのようにトルクリップルのない滑らかなトルクを求めるモータには、ロータヨークの表面に磁石を貼り付けた表面磁石型モータが採用される。このモータは、回転子の磁石に平行配向の磁石を用い、固定子巻線に正弦波の電流制御をおこなうと、脈動の少ないトルク波形が得られる。正弦波電流駆動の制御系は高価であるので、比較的コストのかからない矩形波制御を用いる。この場合、回転子の磁石は平行配向よりラジアル配向の方がトルクリップルは小さくなる。
トルクアクチュエータには、回転角度に対してフラットなトルク特性が求められ、ラジアル配向磁石を用いると、所望の特性を得ることができる。
このように磁石の配向は、モータやアクチュエータのトルク特性に大きく関わり、製品の要求特性に適した配向の磁石を採用する。
平行配向の瓦状磁石を横磁場成形で製造する際には、特許文献1〜3にあるように、ダイス、上パンチ及び下パンチの金型部材の全て、あるいは、少なくとも一部に磁性を有する金属材料とすればよい。図9には、横磁場成形で平行配向の瓦状磁石を製作する金型を示している。
また、瓦状キャビティの配向磁場方向を制御する金型としては、特許文献4がある。ここには、キャビティ部の内側と外側のそれぞれに、強磁性の鉄材コアを複数個配置して、キャビティ部の瓦状断面における中心部の磁場配向を放射状とし、キャビティ部の瓦状断面における両端部の磁場配向を瓦状断面の対称軸に平行とすることを特徴とする磁性粉末成形用金型が示されている。しかし、この特許の金型ではラジアル配向磁石を製作するものではなく、また、この特許の明細書中に示された従来の金型(図11に示す。)では、中心の磁性コアとキャビティの距離が離れているため、容易磁化方向を充分に制御することはできない。図11では、ダイス112とキャビティ113と強磁性コア114を有する金型111に磁石粉115を充填し、配向磁場中に設置されている。図11には磁束の流れを矢印で示しているが、中心部のコアの効果が少なく、キャビティ部で完全なラジアル配向を得ることはできない。
そこで、図12に示すように中心部の磁性コアの効きを大きくするために、磁性コアをキャビティ内弧面に隣接させた。図12では、ダイス122とキャビティ123と強磁性コア124を有する金型121に磁石粉125を充填し、配向磁場中に設置されている。こうすることで、キャビティ内径面の配向磁場のラジアル度合いは増すものの、キャビティ外弧面の特に円弧端での磁場はラジアル度合いが小さい。
更に、図13に示すようにキャビティの外弧側にも強磁性コアを配置すると、外弧側にも強磁性コアに磁束が引っ張られ、図12よりラジアル度合いは増すものの、キャビティ外径面の特に円弧端でのラジアル度合いは不十分である。図13では、ダイス132とキャビティ133と強磁性コア134を有する金型131に磁石粉135を充填し、配向磁場中に設置されている。
ラジアル度合いとは、図13に示す円弧の中心とキャビティのある位置θでの配向磁場の角度αの比α/θであり、ラジアル度合いが1に近いほどラジアル配向で、度合いが0は平行配向であることを意味している。このように、瓦状磁石で円弧端での配向をラジアルにすることは難しい。
特許文献4の金型では、瓦状磁石の円弧端の配向を平行配向にするものなので実現できたと考えられる。
以上のように、従来の技術では横磁場成形において円弧状磁石で円弧端までラジアル配向を得るための金型及び成型機はなかった。
特許第3101798号公報 特許第3101799号公報 特許第3101800号公報 特許第2860858号公報
本発明の目的は、横磁場成形において瓦状磁石で円弧端までラジアル配向を得るための磁性粉末用成形機及び永久磁石を提供することである。
本発明は、外部に向く外弧と内部に向く内弧と二本の線で構成される瓦状断面のキャビティを形成するダイスと、該キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチと、該キャビティの外弧と内弧に沿うように該ダイス内に設けられた少なくとも2つの磁性コアとを含んでなり、該キャビティの外弧に沿う磁性コアが、該外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する、磁性粉末用磁場成形に用いられる金型を提供する。
また、本発明は、この金型と、該金型を挟むように配置され該金型に一定方向の磁場を印加する少なくとも二つの磁石と、該金型のパンチに連動してキャビティを該磁場方向に対して垂直方向に圧縮するためのプレスとを含んでなる磁性粉末用磁場成形機を提供する。
さらに、本発明は、磁性粉末をこの金型に充填し、一定の磁場方向を有する磁場中に、該磁場方向が上記磁性コアが上記キャビティを挟む方向と略平行になるように該金型を配置し、該磁性粉末の容易磁化方向を配向させ、該磁場方向に対して垂直な方向に圧縮成形を行い、その後焼結する異方性焼結磁石の製造方法、及び得られる異方性焼結磁石を提供する。
円弧状磁石を横磁場成形する際に、その容易磁化方向をラジアル配向にできる金型を提供することができた。よって、本発明の磁性粉末成形用金型で成形した成形体を焼結熱処理して作製した永久磁石を用いることにより、所望のトルク特性を得るモータやアクチュエータを実現することが可能となった。
1つのキャビティを有する本発明の金型を示す。 2つのキャビティを有する本発明の金型を示す。 2つのキャビティを有する本発明の金型を示す。 2つのキャビティを有する本発明の金型を示す。 キャビティの瓦状断面の例を示す。 永久磁石回転機を示す。 配向磁場強度1.8テスラにおけるθとαの関係を示す。 配向磁場強度2.4テスラにおけるθとαの関係を示す。 (a)は、横磁場成形で平行配向の瓦状断面の磁石を製造する成形機の模式図であり、(b)は、(a)のA−Aの断面図である。 瓦状磁石とその磁化方向を示す。 横磁場成形で用いるラジアル配向金型を示す。 横磁場成形で用いるラジアル配向金型を示す。 横磁場成形で用いるラジアル配向金型を示す。
本発明の金型を用いる成形の対象となる磁石は、好ましくは、Baフェライト系、Srフェライト系などのフェライト磁石、Sm−Co系、Nd−Fe−B系などの希土類磁石等が使用可能である。
キャビティ内に充填する磁石粉末の平均粒径は特に限定しないが、1〜20μmであることが好ましい。
本発明に係る磁場中成形金型の一例を図1に示す。ダイス2とキャビティ3と磁性コア4を有する金型1に磁石粉5を充填し、磁石7によって発生する配向磁場6中に設置する。磁石6は、例えば、図4に示したように金型の右側および左側にコイル、ポールピースからなる電磁石であり、図の左から右へ向かう向きに磁場を発生するようになっている。プレス機は、パンチ(図示省略)を介して上方及び/又は下方からキャビティ内の磁石粉を圧縮する。
本発明の用いるダイスは、好ましくは、非磁性あるいは飽和磁化で0.6テスラ以下の硬質金属部にキャビティを有する。キャビティは、外部に向く外弧と内部に向く内弧と二本の線で構成される瓦状断面を有する。図5はキャビティの瓦状断面の例を示す。このように、瓦状断面の例としては、特に限定されず、(a)外弧と内弧が同心、(b)外弧と内弧に挟まれる二本の線が平行、(c)外弧の円心と内弧の同心が異なった偏心、又は各弧が複数の円心を持つような偏心等が挙げられる。
ダイスは、硬質金属を用いることが好ましく、硬質金属としては、好ましくは、超硬質合金(タングステンと炭素の合金)、高マンガン鋼、ステンレス鋼又は超硬質合金をステンレス鋼などに焼きばめしたものである。磁性コアの材質としては、好ましくは、飽和磁化で1.2テスラ以上の炭素鋼を用いる。キャビティ部の内壁の磨耗を考慮すると、硬質金属としては超硬質合金、炭素鋼としては金型に広く用いられている工具鋼やダイス鋼がさらに好ましい。
プレス機と連動可能なパンチは、好ましくは上パンチと下パンチの組み合わせであり、その磁性特性はダイスと同様で非磁性あるいは0.6テスラ以下の磁性の硬質金属等が挙げられる。
本発明で用いる磁性コアは、好ましくは、耐摩耗性のある炭素工具鋼や炭素鋼、JIS規格のSK3、SK4やS45C、S55C等が挙げられる。
磁性コアは、キャビティの内弧と外弧に隣接しており、外弧両端から延び出し(オーバーハング)する。磁力線は透磁率のより高いところを流れるため、これにより、キャビティの両端でもラジアル配向磁場を実現できることとなる。
図1の金型において、金型の外部左方から流れてきた磁力線は、内弧側磁性コアに集中し、キャビティ内の磁性粉末を通って、外弧側磁性コアを通って、金型の外部右方に出る。外弧側のコアは、キャビティに対してオーバーハングしているためにキャビティの両端で配向磁場が平行になることはない。オーバーハング部分での磁束でキャビティの両端の磁束が広がるのを抑えて、キャビティの両端でもラジアル配向磁場を実現できる。すなわち、外部に向く外弧と内部に向く内弧とこれらを結ぶ二本の線で構成される瓦状断面を有し、該断面に垂直で該断面の中心を通る面に対して左右対称となる放射状の磁場配向を有する異方性磁石を提供できる。
図2(a)は、磁性コアが、2つのキャビティの対向する内弧に沿う1つの内弧側磁性コアと、該2つのキャビティの外弧に沿う2つの外弧側磁性コアとを含んでなり、外弧側磁性コアのいずれもが、該2つのキャビティの外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する金型の一例を示す。ダイス12とキャビティ13と磁性コア14を有する金型11に磁石粉15を充填し、配向磁場中に設置されている。
磁力線は透磁率のより高いところを流れようとする。図2(a)の本発明に係る金型において、金型の外部左方から流れてきた磁力線は、外弧側磁性コアに集中し、キャビティ内の磁性粉末を通って、内弧側磁性コアを通り、今度は逆に、もう一つのキャビティの磁性粉末を通って、外弧側磁性コアを通って、金型の外部右方に出る。外弧側の磁性コアは、キャビティの外弧に対してオーバーハングしているためにキャビティの両端で配向磁場が平行になることはない。オーバーハング部分での磁束でキャビティの両端の磁束が広がるのを抑えて、キャビティの両端でもラジアル配向磁場を実現できる。
なお、図2(a)は、内弧側磁性コアもキャビティの内弧に対してオーバーハングしている態様を示すが、内弧側磁性コアはオーバーハングしなくてもよい。
また、外部に向く外弧と内部に向く内弧と二本の線で構成される瓦状断面のキャビティを形成するダイスと、該キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチと、該キャビティの外弧と内弧に沿うように該ダイス内に設けられた少なくとも2つの磁性コアとを含んでなり、該キャビティの外弧に沿う磁性コアが、該外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する、磁性粉末用磁場成形に用いられる金型であって、上記磁性コアが、2つのキャビティの対向する外弧に沿う1つの外弧側磁性コアと、該2つのキャビティの内弧に沿う2つの内弧側磁性コアとを含んでなり、該外弧側磁性コアが、該2つのキャビティの外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する金型が提供される。
図2(b)は、磁性コアが、2つのキャビティの対向する外弧に沿う1つの外弧側磁性コアと、該2つのキャビティの内弧に沿う2つの内弧側磁性コアとを含んでなり、該外弧側磁性コアが、該2つのキャビティの外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する金型の一例を示す。これは、図2(a)とは異なり、外弧同士が対応するように、ダイス、キャビティ、コアを配した態様の金型である。
図3では、ダイス22とキャビティ23と磁性コア24を有する金型21に磁石粉25を充填し、配向磁場中に設置されている。2つのキャビティの対向する内弧に沿う内弧側磁性コアの中央部が、該2つのキャビティと該内弧側磁性コアを結ぶ直線に対して直角となる方向に凹部を有する形状である。
図3に示すダイスは、図2のように内側の磁性コアがキャビティの内弧と同じ弧を描く円系であってもよいが、内弧側磁性コアが配向磁場方向と直角方向両側部の中央部にそれぞれ凹部(切り欠き部を含む。)を形成していることが好ましい。こうすると、金型の外部左方から流れてきた磁力線は、外弧側磁性コアに集中し、キャビティ部内の磁性粉末を通って、内弧側磁性コアを通って、今度は逆に、キャビティ部の磁性粉末を通って、外弧側磁性コアを通って、金型の外部右方に出る。このとき、内弧側磁性コアの円弧端で磁束が内側に曲げられるので、特にキャビティ内弧側の円弧端のラジアル度合いがよくなる。
図4は、図3の変形例で、キャビティ内径側磁性コアの切り欠きは斜めでもよく、外弧側磁性コアは、瓦状断面でもよいことを示している。すなわち、キャビティに対して、外磁性コアがオーバーハングしていればよい。
適正なオーバーハングの大きさHは、キャビティの径方向厚みTの1/2より大きいことが望ましい。また、内径側磁性コアの切り欠きDはオーバーハングの大きさH程度にとることが好ましい。
なお、図2(b)に示す金型も凹部(切り欠き部を含む。)を有してもよい。すなわち、外弧側磁性コアの中央部が、2つのキャビティと外弧側磁性コアを結ぶ直線に対して直角となる方向に凹部を有する形状であってもよい。
本発明は、配向磁場強度を1テスラ以下にすると磁性粉が摩擦力で磁場方向に完全に整列しないという問題があるので、配向磁場強度は1テスラ以上で磁性コアの飽和磁化密度以下の範囲で選ぶことが好ましい。
本発明は、上述の金型と、該金型を挟むように配置され該金型に一定方向の磁場を印加する少なくとも二つの磁石と、該金型のパンチに連動してキャビティを該磁場方向に対して垂直方向に圧縮するためのプレスとを含んでなる磁性粉末用磁場成形機を提供する。磁場を印加する少なくとも二つの磁石は、好ましくは電磁石である。
磁性粉末をこの金型に充填し、一定の磁場方向を有する磁場中に、該磁場方向が瓦状断面のキャビティの二本線と略平行になるように該金型を配置し、該磁性粉末の容易磁化方向を配向させ、該磁場方向に対して垂直な方向に圧縮成形を行う。
以上のようにして得られた磁石成形体は、所望の温度で焼結して、必要により時効熱処理して着磁して焼結永久磁石にするものである。
本発明の異方性焼結磁石は、好ましくは、ロータヨークの表面に磁石を貼り付けた表面磁石型のモータに採用される。
永久磁石回転機は、効率が高く制御性が良いことから、サーボモータを始めとする制御用モータに用いられている。例えば、ACサーボモータには、図6に示すようなラジアルエアギャップ形の永久磁石回転機が用いられている。図6に示した永久磁石回転機31は、回転子ヨーク32の表面に、C形の永久磁石33を貼り付けた回転子34と、空隙(ギャップ)35を介して配置された複数のスロットを有する固定子ヨークとティース36に巻かれたコイル7からなる固定子38とで構成されている。図6に示す永久磁石回転機の場合、永久磁石の極数は6、ティースの数は9であり、永久磁石内の矢印は永久磁石の磁化の方向を示している。また、コイルはティースに集中巻きで巻かれ、U相V相W相の3相のY結線がなされており、コイルの巻き数は1ティース当たり50ターンである。コイルのU+はU相コイルの巻き方向が手前、U−はU相コイルの巻き方向が奥であることを意味している。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例
具体的な実施例を示す。キャビティの内径R33mm、外径R43mm、円弧の開き角度110の金型で、本発明の図2の金型を用いた場合と従来例で最もラジアル度合いのよい金型である図8の金型で、キャビティ内の位置θにおける配向磁場角度αを調べた。なお、本発明金型のオーバーハングの大きさH=6mm、切り欠きD=10mm、ダイス本体は非磁性の超硬質合金で磁性コアは飽和磁化2テスラの炭素鋼S55Cとした。図7と図8に結果をまとめた。図7は、キャビティ内部の磁性粉の配向磁場強度が1.8テスラの場合である。従来例では円弧端でラジアル配向からずれる傾向が見られるが、本発明では円弧端までラジアル配向となっている。また、電磁石に流す電流の大きさを大きくして、キャビティ内部の磁性粉の配向磁場強度を2.4テスラにすると、図8のように本発明、従来例ともにラジアル配向からずれるが、本発明の方がラジアル度合いはよくなっている。これは、配向磁場強度を強くしすぎると磁性コアが磁気飽和してしまい磁束を集中させる効果が少なくなるためで、配向磁場強度は磁性コアの飽和磁化以下にすることが望ましい。
1 金型
2 ダイス
3 キャビティ
4 磁性コア
5 磁石粉
6 配向磁場
7 磁石
11 金型
12 ダイス
13 キャビティ
14 磁性コア
15 磁石粉
21 金型
22 ダイス
23 キャビティ
24 磁性コア
25 磁石粉
31 永久磁石回転機
32 回転子ヨーク
33 永久磁石
34 回転子
35 空隙(ギャップ)
36 ティース
37 コイル
38 固定子
101 金型
102 ダイス
103 キャビティ
105 磁石粉
107 磁石
108 パンチ
109 プレス
111 金型
112 ダイス
113 キャビティ
115 磁石粉
121 金型
122 ダイス
123 キャビティ
124 強磁性コア
125 磁石粉
131 金型
132 ダイス
133 キャビティ
134 強磁性コア
135 磁石粉

Claims (8)

  1. 外部に向く外弧と内部に向く内弧と二本の線で構成される瓦状断面のキャビティを形成するダイスと、該キャビティ内を圧縮するためにプレスに連動可能なパンチと、該キャビティの外弧と内弧に沿うように該ダイス内に設けられた少なくとも2つの磁性コアとを含んでなり、該キャビティの外弧に沿う磁性コアが、該外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する、磁性粉末用磁場成形に用いられる金型。
  2. 上記磁性コアが、2つのキャビティの対向する内弧に沿う1つの内弧側磁性コアと、該2つのキャビティの外弧に沿う2つの外弧側磁性コアとを含んでなり、該外弧側磁性コアのいずれもが、該2つのキャビティの外弧の両端から延びてオーバーハングする形状を有する請求項1に記載の金型。
  3. 上記内弧側磁性コアの中央部が、上記2つのキャビティと上記内弧側磁性コアを結ぶ直線に対して直角となる方向に凹部を有する形状である請求項2に記載の金型。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の金型と、該金型を挟むように配置され該金型に一定方向の磁場を印加する少なくとも二つの磁石と、該金型のパンチに連動してキャビティを該磁場方向に対して垂直方向に圧縮するためのプレスとを含んでなる磁性粉末用磁場成形機。
  5. 磁性粉末を請求項1〜3のいずれかに記載の金型に充填し、一定の磁場方向を有する磁場中に、該磁場方向が上記磁性コアが上記キャビティを挟む方向と略平行になるように該金型を配置し、該磁性粉末の容易磁化方向を配向させ、該磁場方向に対して垂直な方向に圧縮成形を行い、その後焼結する異方性焼結磁石の製造方法。
  6. 上記磁場の強度を、上記磁性のコアの飽和磁化密度以下とする請求項5に記載の異方性焼結磁石の製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の方法によって得られた異方性焼結磁石。
  8. 外部に向く外弧と内部に向く内弧とこれらを結ぶ二本の線で構成される瓦状断面を有し、該断面に垂直で該断面の中心を通る面に対して左右対称となる放射状の磁場配向を有する請求項7に記載の異方性焼結磁石。
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